JP4445911B2 - 錠装置および建具 - Google Patents
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Description
また、施錠状態において感知部が台座に係止されることで、クレセント錠の回動が規制されて解錠操作ができないようにする二重ロック機構が構成されている。
さらに、従来のクレセント錠では、鎌錠の内側に感知部が設けられているため、感知部のサイズが小さくなることから部材強度を高めることが難しく、耐久性が劣ってしまうという問題もある。
また、検知部材および解錠規制部材が裏金と連動するように台座に設けられているので、これらの部材を鎌錠側に設けた場合と比較して部材サイズの制約を受けにくくなり、部材強度を高めて耐久性を向上させることができる。
このような構成によれば、解錠規制部材の操作部を操作して二重ロックを解除した際に、解錠規制部材の被係止部が台座に係止されることで、操作部から手や指を離しても二重ロック解除状態が維持される。従って、二重ロックの解除操作をしながら鎌錠の解錠操作を行う必要がなく、鎌錠の解錠操作が一層容易になって、操作性をさらに向上させることができる。
この際、鎌錠の解錠操作に伴って被係止部と台座との係止を外す係止解除手段を備えることが好ましく、このような係止解除手段としては、例えば裏金に設けられて解錠規制部材に当接する第3当接部が採用可能であり、この第3当接部が解錠操作の際に解錠規制部材を非規制位置から規制位置に向かって回動させるように構成すればよい。このような係止解除手段を設けておけば、鎌錠の解錠操作後において二重ロック解除状態が維持されることがなく、再度鎌錠を施錠位置まで回動すれば自動的に二重ロックが掛かるようにすることができる。
このような建具によれば、前述の錠装置による効果と同様に、空掛け防止機構および二重ロック機構を設けても解錠時の操作性向上および耐久性向上を図ることができる。
ここで、本発明の建具としては、引違い窓や片引き窓、上げ下げ窓等のサッシ窓であってもよく、引違い形式や片引き形式の引き戸であってもよい。そして、建具が引違い窓や引違い戸である場合には、一対(二枚)の障子を有したものでもよく、また三枚以上の障子を有したもの(例えば、三枚建ての窓や戸、四枚建ての窓や戸)でもよい。また、建具が片引き窓や片引き戸である場合には、障子(可動障子や戸)の框材(召合せ框)と、これらの室外側または室内側にて建物や枠体に固定された固定障子や袖壁、縦骨等とが、見込み方向に重なって障子が閉じる、すなわち固定障子の框材で他の障子の召合せ框が構成され、袖壁の縁部や縦骨等で他の召合せ部が構成されていればよい。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る建具である引違い窓1および錠装置10を示す側面図である。図2は、錠装置10を示す斜視図である。図3および図4は、それぞれ錠装置10におけるクレセント錠11の空掛け時の動作を示す側面図である。図5〜図7は、錠装置10の施錠操作時の動作を示す側面図である。図8および図9は、錠装置10の解錠操作時の動作を示す側面図である。
トリガ17は、鎌錠14の回動軸141の室外側に隣接して台座13に設けられた支軸171に回動自在に軸支されるとともに、この支軸171(軸支位置)を挟んで一方側(上側)端部に設けられて台座13から突出可能な検知部172と、支軸171を挟んで他方側(下側)に設けられて裏金16の突起161に摺接する規制部としての段溝部173とを有して形成されている。そして、トリガ17は、コイルばね19によって、検知部172が台座13から突出する方向に付勢されるとともに、段溝部173が裏金16の突起161に当接することで、検知部172の突没移動が制御される。すなわち、鎌錠14が解錠位置にある状態において、トリガ17は、段溝部173が突起161で室外側に押圧されることで検知部172が台座13内に没入し、鎌錠14の施錠操作による裏金16が回動に伴って、段溝部173が突起161に摺接しつつトリガ17が回動し、検知部172が台座13から室外側に向かって突出するようになっている。
ここで、錠装置10における施錠操作とは、図1に示すように、クレセント錠11の鎌錠14が解錠位置にあって錠受け12に係合していない状態から、図3、図5に示すように、ノブ15を室内側(図の左側)上方に操作して鎌錠14を施錠方向に(施錠位置に向かって)回動させる操作である。
また、錠装置10における解錠操作とは、図7に示すように、クレセント錠11の鎌錠14が施錠位置にあって錠受け12に係合した状態から、ノブ15を室内側下方に操作して鎌錠14を解錠方向に(解錠位置に向かって)回動させる操作である。
そして、図7に示すように、鎌錠14が施錠位置まで回動した場合には、裏金16の切欠き162が二重ロック部材18の係止部183に対応した位置まで回動されることで、コイルばね19で付勢された二重ロック部材18が規制位置に回動し(解錠操作部184が上方に、延出部185が室外側に回動し)、係止部183が室内側下方に下がって裏金16の切欠き162に係合する。これにより、裏金16の解錠方向への回動が規制され、鎌錠14およびノブ15の解錠操作が不能になる、つまり自動的に二重ロックが掛かる。さらに、この施錠状態において、裏金16がコイルばね20で付勢されることで、裏金16、鎌錠14およびノブ15が施錠位置を維持するようになっている。
そして、図9に示すように、鎌錠14およびノブ15を解錠方向に回動することで錠装置10が解錠できるようになっている。この際、裏金16の外周部が二重ロック部材18の摺接面部182に当接し、二重ロック部材18を規制位置側に若干回動させることで、突片186と凹部131との係止が外れ、次に施錠した場合にも自動的に二重ロックが掛かるようになっている。
(1)すなわち、障子2,3が閉じていない非閉鎖状態(錠受け12が係合可能位置にない状態)で施錠操作をしてしまっても、所定量だけ突出したトリガ17の段溝部173の下端部で裏金16の突起161が係止され、鎌錠14およびノブ15の施錠操作が規制されるので、空掛けを防止することができる。そして、施錠操作不能と分かった時点で操作を中止すれば、コイルばね20の付勢力で自動的に鎌錠14およびノブ15が解錠状態に戻されるため、空掛け状態であることが利用者から容易に判別できる。
次に、本発明の第2実施形態について、図10〜図14に基づいて説明する。
図10は、本発明の第2実施形態の錠装置10Aを示す側面図である。図11および図12は、それぞれ錠装置10Aにおけるクレセント錠11Aの空掛け時の動作を示す側面図である。図13および図14は、錠装置10Aの施錠操作時の動作を示す側面図である。図15は、錠装置10Aの解錠操作時の動作を示す側面図である。
本実施形態の錠装置10Aは、前記第1実施形態の錠装置10に対して、裏金16A、トリガ17Aおよび二重ロック部材18Aの構成が相違するもので、他の構成は錠装置10と略同様である。以下、相違点について詳しく説明する。
トリガ17Aは、鎌錠14の回動軸141の上方に設けられ、台座13のガイド部(不図示)に支持されて室内外方向にスライド自在に設けられるとともに、室外側端部に設けられて錠受け12に向かって突没可能な検知部174と、室内側に形成されて裏金16の当接面163に当接可能な規制部としての係止部175と、裏金16Aの突片165に当接可能な当接面176とを有して形成されている。そして、トリガ17Aは、ねじりコイルばね19Aによって、検知部174が台座13から突出する方向に付勢されるとともに、当接面176が裏金16Aの突片165に当接して規制されることで検知部174が台座13内に没入し、裏金16Aの施錠方向への回動に伴って検知部174が台座13から室外側に向かって突出するようになっている。
すなわち、障子が閉じていない非閉鎖状態で施錠操作をしてしまっても、空掛け状態であることが利用者から容易に判別できるとともに、障子2,3が閉じていれば施錠と同時に自動的に二重ロックを掛けることができる。そして、台座13の室内側に設けた解錠操作部184の操作によって容易に解錠操作できるとともに、非規制位置に二重ロック部材18Aを回動させた状態が突片186および台座13の凹部131で維持され、解錠操作が一層容易にできる。さらに、トリガ17Aおよび二重ロック部材18Aが台座13に設けられているので、部材サイズの制約を受けにくくなり、部材強度を高めて耐久性を向上させることができる。
例えば、前記各実施形態においては、引違い窓1に錠装置10、10Aを設けた例を示したが、本発明の建具はこのような引違い窓1に限られず、片引き窓や上げ下げ窓等であってもよい。また、錠装置は、引き違い形式の窓や戸以外にも適用可能であり、例えば、開き窓や縦辷り出し窓等のスイングタイプの窓や戸に設けてもよく、さらに窓や戸以外の開閉部材の施錠に本発明の錠装置を用いてもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (4)
- スライド開閉可能な障子を備えた建具における室内外の召合せ部のうち、室内側召合せ部に固定されたクレセント錠と、室外側召合せ部に固定された錠受けとの係合により当該建具を施錠する錠装置であって、
前記クレセント錠は、前記室内側召合せ部に固定される台座と、この台座に支持されて前記錠受けに係合する施錠位置と係合しない解錠位置との間を回動自在に設けられた鎌錠と、この鎌錠の回動軸に固定されて前記台座の内側に設けられた裏金と、この裏金の回動に連動して前記障子の閉鎖状態および非閉鎖状態を検知する検知部材と、前記鎌錠が施錠位置にある場合に前記裏金を介して当該鎌錠の解錠方向への回動を規制する解錠規制部材とを備えて構成され、
前記裏金は、前記検知部材に当接する第1当接部と、前記解錠規制部材に当接する第2当接部とを有し、
前記検知部材は、前記台座から室外側に向かって突出する方向に付勢された検知部と、前記裏金の第1当接部に摺接して前記検知部の突没を制御するとともに当該裏金の回動を規制する規制部とを有し、
前記解錠規制部材は、前記鎌錠が施錠位置にある場合に前記裏金の第2当接部を係止する規制位置に向かって付勢された係止部と、前記台座から室内側に突出して設けられ前記係止部を非規制位置に向かって操作可能な操作部とを有し、
前記障子の非閉鎖状態で前記鎌錠を施錠操作した場合には、前記検知部材の検知部が室外側に向かって所定量だけ突出することで、当該検知部材の規制部が前記裏金の第1当接部を係止して前記鎌錠の施錠操作が規制され、
前記障子の閉鎖状態で前記鎌錠を施錠操作した場合には、前記検知部材の検知部が前記錠受けまたは前記室外側召合せ部に当接して当該検知部が所定量まで突出しないことで、当該検知部材の規制部が前記裏金の第1当接部を係止せずに前記鎌錠の施錠操作が継続され、
前記鎌錠を施錠位置まで施錠操作した場合には、前記解錠規制部材の係止部が規制位置に移動し前記裏金の第2当接部を係止することで、前記鎌錠の解錠操作が規制され、当該解錠規制部材の操作部の操作により前記係止部を非規制位置に移動させることで、前記鎌錠が解錠操作可能に構成されている錠装置。 - 前記検知部材は、前記台座に回動自在に軸支されるとともに、この軸支位置を挟んで一方側に前記検知部が形成され、他方側に前記規制部が形成され、当該検知部材が回動して前記検知部が所定量だけ突出することで、前記規制部が前記裏金の第1当接部を係止可能な位置に移動して当該裏金の回動を規制する請求項1に記載の錠装置。
- 前記解錠規制部材は、前記台座に回動自在に軸支されるとともに、前記操作部の操作により前記係止部を非規制位置に回動した際に前記台座に係止される被係止部を有して構成されている請求項1または請求項2に記載の錠装置。
- 左右または上下にスライド開閉可能な少なくとも1枚の障子を備え、この障子の召合せ框と、他の障子の召合せ框または他の召合せ部とが見込み方向に重なって閉じ、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の錠装置によって施錠可能に構成された建具。
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