JP2007070901A - 錠装置および建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 空掛け防止機構および二重ロック機構を設けても解錠時の操作性向上を図ることが可能な錠装置および建具を提供すること。
【解決手段】錠受けが係合可能位置にない状態で施錠操作をしてしまっても、非検知位置を維持したトリガ16の突片163が施錠係止部に係止され、鎌錠14およびノブ15の施錠操作が規制されるので、空掛けを防止することができる。錠受けが係合可能位置にあれば施錠操作が継続でき、施錠した状態では、非検知位置に回動したトリガ16の突片163が解錠係止部132に係止されることで、鎌錠14およびノブ15の解錠操作を規制することができ、自動的に二重ロックを掛けることができる。そして、操作つまみ17を下方に押し下げて規制解除位置に移動させるだけで二重ロックを外し、鎌錠14およびノブ15が回動可能になるので、容易に解錠操作を実施することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、錠装置および建具に関し、詳しくは、スライド開閉可能な障子を備えた建具における室内外の召合せ部のうち、室内側召合せ部に固定されたクレセント錠と、室外側召合せ部に固定された錠受けとの係合により当該建具を施錠する錠装置、およびこの錠装置を備えた建具に関する。
従来、引違い窓や片引き窓、上げ下げ窓等の建具を施錠するための錠装置として、室内外の召合せ部(召合せ框)に設けられるクレセント錠および錠受けを備えたものが一般的である。このクレセント錠は、通常、室内側障子の召合せ框に回動可能に設けられた鎌錠が、室外側障子の召合せ框に設けられた錠受けに係合して施錠できるようになっている。このようなクレセント錠において、錠受けが係合可能な位置にない状態で施錠操作をしてしまう空掛けを防止する機構や、施錠状態においてクレセント錠の解錠操作を規制する二重ロックの機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたクレセント錠では、錠受けが係合可能位置にあることを感知する感知部が設けられ、この感知部により空掛けが防止できるようになっている。すなわち、錠受けが係合可能位置になく感知部が錠受けに当接しない場合には、クレセント錠の回動が規制されて施錠操作が継続できず、錠受けが係合可能位置にあって感知部が錠受けに当接した場合には、感知部が移動されて施錠操作が継続できるようになっている。
また、施錠状態において感知部が台座に係止されることで、クレセント錠の回動が規制されて解錠操作ができないようにする二重ロック機構が構成されている。
特開平9−158585号公報
しかしながら、従来のクレセント錠では、二重ロックを解除する場合に、錠受けに係合した鎌錠近傍に位置する感知部を押さえて台座による係止を解除し、この感知部を押さえたままの状態でハンドルを回動操作しなければならず、解錠時の操作性が悪化してしまうという問題がある。すなわち、通常の引違い窓に設けられたクレセント錠では、施錠状態において錠受けに係合した鎌錠が下側に位置しているため、この鎌錠近傍の感知部が押さえにくく、かつハンドルが鎌錠と反対の上側に位置しているため、感知部を押さえたままでハンドルを片手で操作することは非常に困難であり、利便性が劣ってしまう。
本発明の目的は、空掛け防止機構および二重ロック機構を設けても解錠時の操作性向上を図ることが可能な錠装置および建具を提供することにある。
本発明の錠装置は、スライド開閉可能な障子を備えた建具における室内外の召合せ部のうち、室内側召合せ部に固定されたクレセント錠と、室外側召合せ部に固定された錠受けとの係合により当該建具を施錠する錠装置であって、前記クレセント錠は、前記室内側召合せ部に固定される台座と、この台座に支持されて前記錠受けに係合する施錠位置と係合しない解錠位置との間を回動自在に設けられた鎌錠と、この鎌錠に固定されて当該鎌錠を回動操作するための操作部材と、前記鎌錠に支持されて前記障子の閉鎖状態を検知する検知位置と検知しない非検知位置との間を移動自在に設けられた検知部材と、前記台座に設けられて前記検知部材が非検知位置にある場合に前記鎌錠の施錠方向への回動を規制する施錠規制手段と、前記鎌錠が施錠位置にある場合に当該鎌錠の解錠方向への回動を規制する解錠規制手段とを備えて構成され、前記検知部材は、前記障子が閉鎖状態でありかつ当該検知部材が非検知位置にある場合に前記錠受けまたは前記室外側召合せ部に当接する検知部と、当該検知部材が非検知位置にある場合に前記施錠規制手段に係止される規制部と、当該検知部材を非検知位置に向かって付勢する付勢手段とを有し、前記施錠規制手段は、前記台座から前記鎌錠の回動軸の径方向外側に突出して形成され前記検知部材の規制部を係止可能な施錠係止部を有し、前記解錠規制手段は、前記鎌錠が施錠位置にある場合に非検知位置に移動した前記検知部材の規制部を係止する解錠係止部と、室内側から操作可能に設けられて前記解錠係止部による前記検知部材の規制部の係止を解除可能な解錠操作部とを有し、前記障子の非閉鎖状態で前記鎌錠を施錠操作した場合には、前記検知部が前記錠受けまたは前記室外側召合せ部に当接せずに前記検知部材が非検知位置を維持することで、当該検知部材の規制部が前記施錠係止部に係止されて前記鎌錠の施錠操作が規制され、前記障子の閉鎖状態で前記鎌錠を施錠操作した場合には、前記検知部が前記錠受けまたは前記室外側召合せ部に当接して前記検知部材が非検知位置から検知位置に移動されることで、当該検知部材の規制部が前記施錠係止部に係止されずに前記鎌錠の施錠操作が継続され、前記鎌錠を施錠位置まで施錠操作した場合には、前記検知部材が検知位置から非検知位置に移動し、この検知部材の規制部を前記解錠係止部が係止することで、前記鎌錠の解錠操作が規制され、当該解錠規制手段の解錠操作部の操作により前記解錠係止部を移動させるまたは前記検知部材を検知位置に移動させることで、当該解錠係止部による前記規制部の係止を解除して鎌錠が解錠操作可能に構成されていることを特徴とする。
以上の本発明によれば、錠受けが係合可能位置にない状態で施錠操作をしてしまっても、検知部材の検知部が錠受けや室外側召合せ部に当接せずに検知部材が非検知位置を維持することで、検知部材の規制部が台座の施錠係止部に係止されて鎌錠の施錠操作が規制されるので、空掛けを防止することができる(空掛け防止機構)。
一方、錠受けが係合可能位置にあれば、検知部材の検知部が錠受けや室外側召合せ部に当接して検知部材が検知位置に移動されるので、検知部材の規制部が施錠係止部に係止されずに施錠操作を継続し、鎌錠を錠受けに係合させて施錠することができる。
さらに、鎌錠を施錠位置まで回動させれば、非検知位置に移動した検知部材の規制部を解錠規制手段の解錠係止部が係止することで、鎌錠の解錠操作を規制して自動的に二重ロックを掛けることができる(二重ロック機構)。
そして、解錠規制手段の解錠操作部を操作して解錠係止部を移動させるか、または検知部材を検知位置に移動させることで、二重ロックが解除されて鎌錠が解錠操作可能になる。このような解錠規制手段の解錠操作部を設けたことで、二重ロックの解除操作が容易にできるとともに、二重ロックの解除から鎌錠の回動まで一連の解錠操作が容易になって、操作性を向上させることができる。
この際、本発明の錠装置では、前記検知部材は、検知位置と被検知位置との間を回動可能に前記鎌錠に軸支されるとともに、この軸支位置を挟んで一方側端部に前記検知部が形成され、軸支位置の他方側において前記台座側に突出した突片から前記規制部が形成され、当該検知部材が検知位置に回動した際に、前記規制部が前記施錠係止部よりも前記鎌錠の回動軸の径方向外側に移動して当該施錠係止部に係止されず、施錠操作が継続される構成が採用できる。
また、本発明の錠装置では、前記検知部材は、前記操作部材に沿って検知位置と被検知位置との間をスライド可能に設けられるとともに、前記鎌錠の回動軸に対して前記操作部材と反対側端部に前記検知部が形成され、前記操作部材側に前記規制部が形成され、当該検知部材が検知位置にスライドした際に、前記規制部が前記施錠係止部よりも前記鎌錠の回動軸の径方向外側に移動して当該施錠係止部に係止されず、施錠操作が継続される構成を採用してもよい。
このような構成によれば、検知部材を鎌錠に回動自在に軸支するか、または検知部材をスライド自在に設けるか、のいずれかの形態を適宜選択することができ、建具の形式やクレセント錠と錠受けとの位置関係等に応じて、最適な検知部材の形態を選択することができる。そして、検知部材の形態を適宜選択することで、裏金や解錠規制部材等の部材配置の自由度が高まるので、錠装置の設計を効率的に行うことができる。
さらに、本発明の錠装置では、前記解錠規制手段の解錠操作部は、前記台座の室内側側面または前記鎌錠が施錠位置にある状態の前記操作部材の室内側側面に設けられた操作つまみであって、この操作つまみは、前記解錠係止部による前記検知部材の規制部の係止を維持させる規制維持位置と係止を解除する規制解除位置との間を上下スライド自在に構成され、前記操作つまみには、前記検知部材に当接する当接部が設けられ、前記鎌錠が施錠位置にある状態で当該操作つまみを規制解除位置にスライドさせることで、前記当接部を介して前記検知部材が検知位置に移動され、前記解錠係止部による前記検知部材の規制部の係止が解除される構成が採用できる。
また、本発明の錠装置では、前記解錠規制手段の解錠操作部は、前記台座の室内側側面または前記鎌錠が施錠位置にある状態の前記操作部材の室内側側面に設けられた操作つまみであって、この操作つまみは、前記解錠係止部による前記検知部材の規制部の係止を維持させる規制維持位置と係止を解除する規制解除位置との間を上下スライド自在に構成され、前記操作つまみには、前記解錠係止部が連結され、前記鎌錠が施錠位置にある状態で当該操作つまみを規制解除位置にスライドさせることで、前記解錠係止部を移動させて前記検知部材の規制部の係止が解除される構成を採用してもよい。
このような構成によれば、解錠規制手段の解錠操作部である操作つまみを、台座の室内側側面、または鎌錠が施錠位置にある状態の操作部材の室内側側面に設けたことで、二重ロックの解除がより一層容易になって、解錠操作の操作性をさらに向上させることができる。
この際、操作つまみは、規制解除位置から規制維持位置に向かって付勢されていてもよく、また規制解除位置および規制維持位置に位置決めされるように構成されていてもよい。操作つまみを規制維持位置に向かって付勢するように構成すれば、鎌錠の解錠操作後において操作つまみが規制維持位置にスライドして戻るので、再度鎌錠を施錠位置まで回動すれば自動的に二重ロックが掛かるようにすることができる。一方、操作つまみを規制解除位置および規制維持位置に位置決めすれば、解錠操作時に規制解除位置にスライドした状態を維持できるので、操作つまみから手や指を離して鎌錠の回動操作ができ、操作性をさらに向上させることができる。
また、本発明の錠装置では、前記解錠規制手段の解錠操作部は、前記台座の室内側側面または前記鎌錠が施錠位置にある状態の前記操作部材の室内側側面に設けられた操作ボタンであって、この操作ボタンは、前記解錠係止部による前記検知部材の規制部の係止を維持させる規制維持位置と係止を解除する規制解除位置との間を突没自在に構成され、前記操作ボタンには、前記検知部材に当接する当接部が設けられ、前記鎌錠が施錠位置にある状態で当該操作ボタンを規制解除位置に没入させることで、前記当接部を介して前記検知部材が検知位置に移動され、前記解錠係止部による前記検知部材の規制部の係止が解除される構成が採用できる。
また、本発明の錠装置では、前記解錠規制手段の解錠操作部は、前記台座の室内側側面または前記鎌錠が施錠位置にある状態の前記操作部材の室内側側面に設けられた操作ボタンであって、この操作ボタンは、前記解錠係止部による前記検知部材の規制部の係止を維持させる規制維持位置と係止を解除する規制解除位置との間を突没自在に構成され、前記操作ボタンには、前記解錠係止部が連結され、前記鎌錠が施錠位置にある状態で当該操作ボタンを規制解除位置に没入させることで、前記解錠係止部を移動させて前記検知部材の規制部の係止が解除される構成を採用してもよい。
このような構成によれば、解錠規制手段の解錠操作部である操作ボタンを、台座の室内側側面、または鎌錠が施錠位置にある状態の操作部材の室内側側面に設けたことで、二重ロックの解除がより一層容易になって、解錠操作の操作性をさらに向上させることができる。
この際、操作ボタンは、前記操作つまみと同様に、規制解除位置から規制維持位置に向かって付勢されていてもよく、また規制解除位置および規制維持位置に位置決めされるように構成されていてもよい。
一方、本発明の建具は、左右または上下にスライド開閉可能な少なくとも1枚の障子を備え、この障子の召合せ框と、他の障子の召合せ框または他の召合せ部とが見込み方向に重なって閉じ、前記したいずれかの錠装置によって施錠可能に構成されたことを特徴とする。
このような建具によれば、前述の錠装置による効果と同様に、空掛け防止機構および二重ロック機構を設けても解錠時の操作性向上を図ることができる。
ここで、本発明の建具としては、引違い窓や片引き窓、上げ下げ窓等のサッシ窓であってもよく、引違い形式や片引き形式の引き戸であってもよい。そして、建具が引違い窓や引違い戸である場合には、一対(二枚)の障子を有したものでもよく、また三枚以上の障子を有したもの(例えば、三枚建ての窓や戸、四枚建ての窓や戸)でもよい。また、建具が片引き窓や片引き戸である場合には、障子(可動障子や戸)の框材(召合せ框)と、これらの室外側または室内側にて建物や枠体に固定された固定障子や袖壁、縦骨等とが、見込み方向に重なって障子が閉じる、すなわち固定障子の框材で他の障子の召合せ框が構成され、袖壁の縁部や縦骨等で他の召合せ部が構成されていればよい。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る建具である引違い窓1および錠装置10を示す側面図である。図2は、錠装置10におけるクレセント錠11の空掛け時の動作を示す側面図である。図3(A),(B)は、クレセント錠11の施錠状態を示す側面図である。図4(A),(B)は、クレセント錠11の解錠操作時の動作を示す側面図である。
図1において、引違い窓1は、図示しない窓枠内部に開閉自在に支持された室内外一対の障子(室内側障子2および室外側障子3)を有して構成されている。これらの障子2,3は、上下左右の框を四周框組みした内部に、ガラスパネルを嵌め込んで構成されており、召合せ部の縦框である室内側障子2の内召合せ框4と、室外側障子3の外召合せ框5とが見込み方向に重なって閉じるようになっている。そして、引違い窓1は、内召合せ框4に固定されたクレセント錠11と、外召合せ框5に固定された錠受け12とで構成された錠装置10によって施錠されるようになっている。
クレセント錠11は、内召合せ框2に固定される台座13と、この台座13に回動軸141を介して支持されて錠受け12に係合する施錠位置と係合しない解錠位置との間を回動自在に設けられた鎌錠14と、この鎌錠14に連結されて鎌錠14を回動操作するための操作部材としてのノブ15とを有して構成されている。そして、クレセント錠11には、鎌錠14に支持されて障子2,3の閉鎖状態を検知する検知部材としてのトリガ16と、このトリガ16が障子2,3の閉鎖状態を検知しなかった場合に鎌錠14の施錠方向への回動を規制する施錠規制手段としての施錠係止部131と、施錠位置に回動された鎌錠14の解錠方向への回動を規制する解錠係止部132と、この解錠係止部132による規制を解除する解錠操作部としての操作つまみ17とが設けられている。これらの解錠係止部132および操作つまみ17によって本発明の解錠規制手段が構成されている。
施錠係止部131および解錠係止部132は、台座13に固定された金属板材によって形成され、それぞれ鎌錠14の回動軸141の径方向外側に突出して設けられている。
トリガ16は、支軸161によって鎌錠14に軸支されるとともに、この支軸161(軸支位置)を挟んで一方側(ノブ15の反対側)端部に検知部162が形成され、支軸161の他方側(ノブ15側)において台座13に向かって突出した突片(規制部)163とを有して形成されている。そして、トリガ16は、図1に示すように、検知部162が錠受け12に当接して回動軸141側に移動した検知位置と、図2に示すように、検知部162が回動軸141から離れた非検知位置との間を回動可能に支持され、図示しないねじりコイルばね等の付勢手段によって非検知位置側に付勢されている。トリガ16が検知位置に回動した際には、突片163が施錠係止部131および解錠係止部132よりも回動軸141の径方向外側に移動し、トリガ16が非検知位置に回動した際には、突片163が施錠係止部131および解錠係止部132よりも回動軸141の径方向内側に移動するようになっている。
以上のようなトリガ16は、図2に示すように、障子2,3が閉鎖されておらず錠受け12が鎌錠14と係合可能な位置にない場合には、検知部162が錠受け12に当接せずに非検知位置を維持するために、突片163が施錠係止部131に係止されるようになっている。一方、図1に示すように、障子2,3が閉鎖されて錠受け12が鎌錠14と係合可能な位置にある場合には、検知部162が錠受け12に当接してトリガ16が検知位置に回動されるため、突片163が施錠係止部131に係止されないようになっている。さらに、図3に示すように、鎌錠14を施錠位置まで回動させた場合には、トリガ16が非検知位置に回動し、突片163が解錠係止部132に係止されるようになっている。
操作つまみ17は、台座13の室内側側面に取り付けられ、図3に示すように、解錠係止部132によるトリガ16の突片163の係止状態を維持させる規制維持位置と、図4に示すように、下方にスライドして解錠係止部132によるトリガ16の突片163の係止を解除する規制解除位置との間を上下スライド自在に構成されている。この操作つまみ17には、側方に突出して形成されてトリガ16の突片163に当接する当接部171が設けられており、操作つまみ17を規制解除位置にスライドさせることで、当接部171が突片163を下方室内側に押し下げてトリガ16を非検知位置に回動させ、解錠係止部132による突片163の係止を解除することができるようになっている。
また、操作つまみ17には、図5に示すように、台座13の内部側面に沿って案内されるスライド片172が設けられており、このスライド片172の下端部には、台座13の内部側面に向かって突出した突起173が形成されている。そして、台座13の内部側面には、操作つまみ17の突起173に対応した2箇所の凹み133が形成されており、これらの凹み133のいずれかに突起173が係止されることで、操作つまみ17は、規制維持位置および規制解除位置のいずれかに位置決めされるようになっている。
なお、操作つまみとしては、図6に示すように、スライド片172の上端と台座13とに連結されたコイルばね174によって、上方つまり規制維持位置に付勢されたもの(操作つまみ17A)であってもよい。
次に、錠装置10の動作について説明する。
ここで、錠装置10における施錠操作とは、図1、図2に示すように、クレセント錠11の鎌錠14が解錠位置にあって錠受け12に係合していない状態から、ノブ15を室内側上方に操作して鎌錠14を施錠方向に(施錠位置に向かって)回動させる操作である。
また、錠装置10における解錠操作とは、図3、図4に示すように、クレセント錠11の鎌錠14が施錠位置にあって錠受け12に係合した状態から、ノブ15を室内側下方に操作して鎌錠14を解錠方向に(解錠位置に向かって)回動させる操作である。
先ず、図2に示すように、錠受け12が係合可能位置にない状態、すなわち室内外の障子が閉じていない非閉鎖状態で、ノブ15を施錠操作して鎌錠14を回動させた場合には、トリガ16の検知部162が錠受け12に当接せずに非検知位置を維持するために、突片163が施錠係止部131に係止される。従って、鎌錠14の回動が規制され、それ以上に鎌錠14を回動操作することができず、空掛け状態であることが利用者から判別できるようになっている。そして、施錠操作を中止、つまりノブ15から指や手を離せば、回動軸141に固定された裏金18がコイルばね19で付勢されることにより、鎌錠14およびノブ15が解錠方向に向かって回動されて自動的に解錠位置に戻され、空掛けが防止されるようになっている。
一方、図1に示すように、錠受け12が係合可能位置にある状態、すなわち室内外の障子が閉じている閉鎖状態で、ノブ15を施錠操作して鎌錠14を回動させた場合には、トリガ16の検知部162が錠受け12に当接してトリガ16が検知位置に回動されるため、突片163が施錠係止部131に係止されない。従って、鎌錠14およびノブ15の施錠操作が継続され、図3に示す施錠位置まで鎌錠14が回動されて錠受け12に係合される。
そして、鎌錠14が施錠位置まで回動した場合には、トリガ16が非検知位置に回動し、突片163が解錠係止部132に係止される。これにより、鎌錠14の解錠方向への回動が規制され、鎌錠14およびノブ15の解錠操作が不能になる、つまり自動的に二重ロックが掛かる。さらに、この施錠状態において、裏金18がコイルばね19で付勢されることで、鎌錠14およびノブ15が施錠位置を維持するようになっている。
次に、錠装置10を解錠する際には、図4に示すように、操作つまみ17を下方に押し下げて規制維持位置に移動させ、当接部171でトリガ16の突片163を下方室内側に押し下げてトリガ16を非検知位置に回動させ、解錠係止部132による突片163の係止を解除する。これにより、鎌錠14の回動規制が外れ、鎌錠14およびノブ15が解錠操作できるようになる、つまり二重ロックが外れる。そして、鎌錠14およびノブ15を解錠方向に回動することで錠装置10が解錠できるようになっている。
この際、図5に示すように、操作つまみ17が規制維持位置および規制解除位置のいずれかに位置決めされる構成の場合には、操作つまみ17を上方に押し上げて規制維持位置に戻しておけば、次に施錠した場合にも自動的に二重ロックが掛かるようになっている。
一方、図6に示すように、操作つまみ17Aが上方に付勢された構成の場合には、自動的に操作つまみ17Aが規制維持位置に戻るため、次に施錠した場合にも自動的に二重ロックが掛かるようになっている。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、障子が閉じていない非閉鎖状態(錠受け12が係合可能位置にない状態)で施錠操作をしてしまっても、非検知位置を維持したトリガ16の突片163が施錠係止部131に係止され、鎌錠14およびノブ15の施錠操作が規制されるので、空掛けを防止することができる。そして、施錠操作不能と分かった時点で操作を中止すれば、コイルばね19の付勢力で自動的に鎌錠14およびノブ15が解錠状態に戻されるため、空掛け状態であることが利用者から容易に判別できる。
(2)一方、障子が閉じていて錠受け12が係合可能位置にある状態では、施錠操作を継続して施錠することができるとともに、この施錠した状態では、非検知位置に回動したトリガ16の突片163が解錠係止部132に係止されることで、鎌錠14およびノブ15の解錠操作を規制することができ、自動的に二重ロックを掛けることができる。そして、操作つまみ17を下方に押し下げて規制解除位置に移動させるだけで二重ロックを外し、鎌錠14およびノブ15が回動可能になるので、容易に解錠操作を実施することができる。
(3)さらに、操作つまみ17を、室内側から操作しやすい台座13の室内側側面に設けたことで、二重ロックの解除がより一層容易になって、解錠操作の操作性をさらに向上させることができる。そして、突起173および凹み133によって操作つまみ17を規制解除位置および規制維持位置に位置決めすれば、解錠操作時に規制解除位置にスライドした状態が維持できるので、操作つまみ17から手や指を離して鎌錠14およびノブ15の回動操作ができ、操作性をさらに向上させることができる。一方、操作つまみ17をコイルばね174によって規制維持位置に向かって付勢すれば、鎌錠14の解錠操作後において操作つまみ17が規制維持位置に戻るので、再度鎌錠14を施錠位置まで回動すれば自動的に二重ロックが掛かるようにすることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図7〜図9に基づいて説明する。
図7(A),(B)は、本発明の第2実施形態の錠装置におけるクレセント錠11Aを示す側面図である。図8および図9は、それぞれクレセント錠11Aの側面図であり、図8は、解錠操作部である操作ボタン20を台座13に設けた場合を示し、図9は、操作ボタン20をノブ15に設けた場合を示す側面図である。
本実施形態の錠装置は、前記第1実施形態の錠装置10の解錠操作部が操作つまみ17であったのに対して、解錠操作部が操作ボタン20である点が相違するもので、他の構成は錠装置10と略同様である。以下、相違点について詳しく説明する。
クレセント錠11Aの操作ボタン20は、台座13またはノブ15に設けられ、図7(A)に示すように、解錠係止部132によるトリガ16の突片163の係止を維持させる規制維持位置と、図7(B)に示すように、解錠係止部132による突片163の係止を解除する規制解除位置との間を突没自在に構成されている。すなわち、操作ボタン20は、台座13またはノブ15に支軸201によって軸支されるとともに、室内側に突出する方向に操作ボタン20を付勢するばね202と、トリガ16の突片163に当接する当接部203とを有して構成されている。そして、操作ボタン20を室外側に押し込んで規制解除位置に没入させることで、当接部203が室内側に突出し、この当接部203によって突片163が室内側に押圧され、トリガ16が非検知位置に回動されて解錠係止部132によるトリガ16の突片163の係止が解除される。
このような操作ボタン20は、図8に示すように、台座13の室内側側面に設けられていてもよく、また図9に示すように、鎌錠14が施錠位置にある状態のノブ15の室内側側面に設けられていてもよい。
また、操作ボタン20を付勢するばね202を省略し、操作ボタン20を規制維持位置および規制解除位置に位置決めする手段を設けてもよい。
このような本実施形態によれば、前記(1)、(2)と略同様の効果に加えて以下の効果を奏することができる。
(4)すなわち、操作ボタン20を、室内側から操作しやすい台座13の室内側側面や、施錠状態にあるノブ15の室内側側面に設けたことで、二重ロックの解除がより一層容易になって、解錠操作の操作性をさらに向上させることができる。そして、解錠操作部を操作ボタン20で構成したことで、この操作ボタン20を室外側に押し込みつつ、ノブ15を室内側に回動操作することが片手で容易に実行でき、この点でも操作性を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図10〜図13に基づいて説明する。
図10は、本発明の第3実施形態に係る引違い窓1および錠装置10Bを示す側面図である。図11は、錠装置10Bにおけるクレセント錠11Bの空掛け時の動作を示す側面図である。図12は、錠装置10Bの施錠操作時の動作を示す側面図である。図13(A),(B)は、クレセント錠11Bの解錠操作時の動作を示す側面図である。
本実施形態の錠装置10Bは、前記第1実施形態の錠装置10に対して、検知部材の構成および解錠規制手段の構成が相違するもので、他の構成は錠装置10と略同様である。以下、相違点について詳しく説明する。
クレセント錠11Bの鎌錠14には、検知部材としてのトリガ21がノブ15の延出方向(図10の上下方向)に沿って検知位置(図12に示す位置)と被検知位置(図10、図11に示す位置)との間をスライド可能に設けられている。トリガ21は、鎌錠14の回動軸141を挿通させる挿通孔211と、回動軸141に対してノブ15と反対側(図10の上側)の端部に形成された検知部212と、回動軸141を挟んで検知部212の反対側(ノブ15の先端側)側に形成された規制部としての突片213と、当該トリガ21をノブ15と反対側に付勢する付勢手段としてのコイルばね214とを有して構成されている。
そして、トリガ21は、図11に示すように、トリガ21が非検知位置にある場合には、突片213が施錠係止部131よりも回動軸141の径方向内側に位置し、図12に示すように、検知部212が錠受け12に当接してコイルばね214の付勢力に抗してノブ15の側にスライド(検知位置に移動)した際には、突片213が施錠係止部131よりも回動軸141の径方向外側に移動するようになっている。
このようなトリガ21は、図11に示すように、障子2,3が閉鎖されておらず錠受け12が鎌錠14と係合可能な位置にない場合には、検知部212が錠受け12に当接せずに非検知位置を維持するために、突片213が施錠係止部131に係止されるようになっている。従って、鎌錠14の回動が規制され、それ以上に鎌錠14を回動操作することができず、空掛け状態であることが利用者から判別できるようになっている。
一方、図12に示すように、障子2,3が閉鎖されて錠受け12が鎌錠14と係合可能な位置にある場合には、検知部212が錠受け12に当接してトリガ21が検知位置にスライド移動されるため、突片213が施錠係止部131に係止されないようになっている。従って、鎌錠14およびノブ15の施錠操作が継続され、図13に示す施錠位置まで鎌錠14が回動されて錠受け12に係合される。
また、本実施形態の解錠規制手段は、図13に示すように、台座13の室内側側面に設けられた解錠操作部としての操作つまみ22と、この操作つまみ22に連結された解錠係止部221とを有して構成されている。解錠係止部221は、図13(A)に示すように、鎌錠14を施錠位置まで回動した際に、非検知位置側にスライドしたトリガ21の突片213を係止するようになっており、この解錠係止部221によるトリガ21の突片213の係止によって、鎌錠14の解錠方向への回動が規制され、鎌錠14およびノブ15の解錠操作が不能になる、つまり自動的に二重ロックが掛かるようになっている。
操作つまみ22は、解錠係止部221によるトリガ21の突片213の係止を維持させる規制維持位置(図13(A)の位置)と、解錠係止部221による係止を解除する規制解除位置(図13(B)の位置)との間を上下スライド自在に構成され、この操作つまみ22を押し上げて規制解除位置にスライドさせることで、解錠係止部221を移動させてトリガ21の突片213の係止が解除される。従って、鎌錠14の回動規制が外れ、鎌錠14およびノブ15が解錠操作できるようになる、つまり二重ロックが外れ、鎌錠14およびノブ15を解錠方向に回動することで錠装置10Bが解錠できるようになっている。
以上のクレセント錠11Bにおいて、操作つまみ22は、前記第1実施形態における操作つまみ17と同様に、規制維持位置および規制解除位置に位置決めする手段を備えて構成されていてもよく、また、前記第1実施形態における操作つまみ17Aと同様に、ばねにより規制維持位置に付勢(下方に付勢)されていてもよい。
このような本実施形態によれば、前記(1)〜(3)と略同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記各実施形態においては、引違い窓1に錠装置10、10Bを設けた例を示したが、本発明の建具はこのような引違い窓1に限られず、片引き窓や上げ下げ窓等であってもよい。また、錠装置は、引き違い形式の窓や戸以外にも適用可能であり、例えば、開き窓や縦辷り出し窓等のスイングタイプの窓や戸に設けてもよく、さらに窓や戸以外の開閉部材の施錠に本発明の錠装置を用いてもよい。
また、前記第1実施形態では、台座13に操作つまみ17,17Aをスライド自在に設けたが、これに限らず、操作つまみ17,17Aを、鎌錠14が施錠位置にある状態のノブ15の室内側側面に設けてもよい。
また、前記第1、第2実施形態では、操作つまみ17,17Aや操作ボタン20に設けた当接部171,203がトリガ16の突片(規制部)163に当接し、トリガ16を検知位置に回動させるようになっていたが、当接部が規制部に当接する構成に限らず、トリガ16を検知位置に回動させる構成であればトリガ16の一部に当接部が当接するようになっていてもよい。
また、前記第3実施形態の錠装置10Bの解錠操作部は、操作つまみ22で構成されたものに限らず、操作ボタンで構成されていてもよい。この操作ボタンは、台座13またはノブ15に設けられ、この操作ボタンには、トリガ21の突片213を係止する解錠係止部が連結され、この解錠係止部でトリガ21の突片213を係止する規制維持位置と、この係止を解除する規制解除位置との間を突没自在に操作ボタンが構成されていればよい。この際、操作ボタンは、前記第2実施形態の操作ボタン20と同様に、台座13またはノブ15に軸支されるとともに、室内側に突出する方向に付勢された構成が採用可能である。そして、操作ボタンを室外側に押し込んで規制解除位置に没入させることで、解錠係止部が係止位置から移動し、突片213の係止が解除されて鎌錠14の回動規制、つまり二重ロックが外れ、鎌錠14およびノブ15を解錠方向に回動することで錠装置が解錠できるように構成すればよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係る建具および錠装置を示す側面図である。 前記錠装置におけるクレセント錠の空掛け時の動作を示す側面図である。 (A),(B)は、前記クレセント錠の施錠状態を示す側面図である。 (A),(B)は、前記クレセント錠の解錠操作時の動作を示す側面図である。 前記クレセント錠の解錠操作部を示す側面図である。 図5と相違する解錠操作部を示す側面図である。 本発明の第2実施形態の錠装置におけるクレセント錠を示す側面図である。 前記クレセント錠の解錠操作部を示す側面図である。 図8と相違する解錠操作部を示す側面図である。 本発明の第3実施形態に係る建具および錠装置を示す側面図である。 前記錠装置におけるクレセント錠の空掛け時の動作を示す側面図である。 前記クレセント錠の施錠時の動作を示す側面図である。 (A),(B)は、前記クレセント錠の解錠操作時の動作を示す側面図である。
符号の説明
2…室内側召し合わせ部である内召合せ框、3…室外側召し合わせ部である外召合せ框、10,10B…錠装置、11,11A,11B…クレセント錠、12…錠受け、13…台座、14…鎌錠、15…操作部材であるノブ、16,21…検知部材であるトリガ、17,17A,22…解錠操作部である操作つまみ、20…解錠操作部である操作ボタン、131…施錠係止部、132,221…解錠係止部、141…回動軸、162,212…検知部、163,213…規制部である突片、171,203…当接部。

Claims (8)

  1. スライド開閉可能な障子を備えた建具における室内外の召合せ部のうち、室内側召合せ部に固定されたクレセント錠と、室外側召合せ部に固定された錠受けとの係合により当該建具を施錠する錠装置であって、
    前記クレセント錠は、前記室内側召合せ部に固定される台座と、この台座に支持されて前記錠受けに係合する施錠位置と係合しない解錠位置との間を回動自在に設けられた鎌錠と、この鎌錠に固定されて当該鎌錠を回動操作するための操作部材と、前記鎌錠に支持されて前記障子の閉鎖状態を検知する検知位置と検知しない非検知位置との間を移動自在に設けられた検知部材と、前記台座に設けられて前記検知部材が非検知位置にある場合に前記鎌錠の施錠方向への回動を規制する施錠規制手段と、前記鎌錠が施錠位置にある場合に当該鎌錠の解錠方向への回動を規制する解錠規制手段とを備えて構成され、
    前記検知部材は、前記障子が閉鎖状態でありかつ当該検知部材が非検知位置にある場合に前記錠受けまたは前記室外側召合せ部に当接する検知部と、当該検知部材が非検知位置にある場合に前記施錠規制手段に係止される規制部と、当該検知部材を非検知位置に向かって付勢する付勢手段とを有し、
    前記施錠規制手段は、前記台座から前記鎌錠の回動軸の径方向外側に突出して形成され前記検知部材の規制部を係止可能な施錠係止部を有し、
    前記解錠規制手段は、前記鎌錠が施錠位置にある場合に非検知位置に移動した前記検知部材の規制部を係止する解錠係止部と、室内側から操作可能に設けられて前記解錠係止部による前記検知部材の規制部の係止を解除可能な解錠操作部とを有し、
    前記障子の非閉鎖状態で前記鎌錠を施錠操作した場合には、前記検知部が前記錠受けまたは前記室外側召合せ部に当接せずに前記検知部材が非検知位置を維持することで、当該検知部材の規制部が前記施錠係止部に係止されて前記鎌錠の施錠操作が規制され、
    前記障子の閉鎖状態で前記鎌錠を施錠操作した場合には、前記検知部が前記錠受けまたは前記室外側召合せ部に当接して前記検知部材が非検知位置から検知位置に移動されることで、当該検知部材の規制部が前記施錠係止部に係止されずに前記鎌錠の施錠操作が継続され、
    前記鎌錠を施錠位置まで施錠操作した場合には、前記検知部材が検知位置から非検知位置に移動し、この検知部材の規制部を前記解錠係止部が係止することで、前記鎌錠の解錠操作が規制され、当該解錠規制手段の解錠操作部の操作により前記解錠係止部を移動させるまたは前記検知部材を検知位置に移動させることで、当該解錠係止部による前記規制部の係止を解除して鎌錠が解錠操作可能に構成されている錠装置。
  2. 前記検知部材は、検知位置と被検知位置との間を回動可能に前記鎌錠に軸支されるとともに、この軸支位置を挟んで一方側端部に前記検知部が形成され、軸支位置の他方側において前記台座側に突出した突片から前記規制部が形成され、当該検知部材が検知位置に回動した際に、前記規制部が前記施錠係止部よりも前記鎌錠の回動軸の径方向外側に移動して当該施錠係止部に係止されず、施錠操作が継続される請求項1に記載の錠装置。
  3. 前記検知部材は、前記操作部材に沿って検知位置と被検知位置との間をスライド可能に設けられるとともに、前記鎌錠の回動軸に対して前記操作部材と反対側端部に前記検知部が形成され、前記操作部材側に前記規制部が形成され、当該検知部材が検知位置にスライドした際に、前記規制部が前記施錠係止部よりも前記鎌錠の回動軸の径方向外側に移動して当該施錠係止部に係止されず、施錠操作が継続される請求項1に記載の錠装置。
  4. 前記解錠規制手段の解錠操作部は、前記台座の室内側側面または前記鎌錠が施錠位置にある状態の前記操作部材の室内側側面に設けられた操作つまみであって、この操作つまみは、前記解錠係止部による前記検知部材の規制部の係止を維持させる規制維持位置と係止を解除する規制解除位置との間を上下スライド自在に構成され、
    前記操作つまみには、前記検知部材に当接する当接部が設けられ、前記鎌錠が施錠位置にある状態で当該操作つまみを規制解除位置にスライドさせることで、前記当接部を介して前記検知部材が検知位置に移動され、前記解錠係止部による前記検知部材の規制部の係止が解除される請求項1から請求項3のいずれかに記載の錠装置。
  5. 前記解錠規制手段の解錠操作部は、前記台座の室内側側面または前記鎌錠が施錠位置にある状態の前記操作部材の室内側側面に設けられた操作つまみであって、この操作つまみは、前記解錠係止部による前記検知部材の規制部の係止を維持させる規制維持位置と係止を解除する規制解除位置との間を上下スライド自在に構成され、
    前記操作つまみには、前記解錠係止部が連結され、前記鎌錠が施錠位置にある状態で当該操作つまみを規制解除位置にスライドさせることで、前記解錠係止部を移動させて前記検知部材の規制部の係止が解除される請求項1から請求項3のいずれかに記載の錠装置。
  6. 前記解錠規制手段の解錠操作部は、前記台座の室内側側面または前記鎌錠が施錠位置にある状態の前記操作部材の室内側側面に設けられた操作ボタンであって、この操作ボタンは、前記解錠係止部による前記検知部材の規制部の係止を維持させる規制維持位置と係止を解除する規制解除位置との間を突没自在に構成され、
    前記操作ボタンには、前記検知部材に当接する当接部が設けられ、前記鎌錠が施錠位置にある状態で当該操作ボタンを規制解除位置に没入させることで、前記当接部を介して前記検知部材が検知位置に移動され、前記解錠係止部による前記検知部材の規制部の係止が解除される請求項1から請求項3のいずれかに記載の錠装置。
  7. 前記解錠規制手段の解錠操作部は、前記台座の室内側側面または前記鎌錠が施錠位置にある状態の前記操作部材の室内側側面に設けられた操作ボタンであって、この操作ボタンは、前記解錠係止部による前記検知部材の規制部の係止を維持させる規制維持位置と係止を解除する規制解除位置との間を突没自在に構成され、
    前記操作ボタンには、前記解錠係止部が連結され、前記鎌錠が施錠位置にある状態で当該操作ボタンを規制解除位置に没入させることで、前記解錠係止部を移動させて前記検知部材の規制部の係止が解除される請求項1から請求項3のいずれかに記載の錠装置。
  8. 左右または上下にスライド開閉可能な少なくとも1枚の障子を備え、この障子の召合せ框と、他の障子の召合せ框または他の召合せ部とが見込み方向に重なって閉じ、前記請求項1から請求項7のいずれかに記載の錠装置によって施錠可能に構成された建具。
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