JP4538168B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスパークプラグ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用エンジンなどの内燃機関に使用されるスパークプラグの多くにおいて、中心電極との間で火花放電ギャップを形成する接地電極(当業者の間では外側電極とも称される)は、近年、内燃機関が高出力化するに伴い、折損等の問題も生じやすくなっている。その原因として、機関もしくは燃焼振動による共振と高加速度(G)とが考えられる。また、接地電極は、先端側が中心電極側を向くように曲げ加工されていることから、主体金具への取付基端側に曲げモーメントが作用しやすく、また、燃焼に伴う衝撃波等を直接受ける位置に取り付けられていることも深く関係している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題を解決するためには、接地電極の断面積を大きくして曲げ剛さを向上させる方法が考えられる。接地電極の断面積拡大には、接地電極の厚さ方向(主体金具の半径方向の寸法)の寸法を拡大する方法と、幅方向の寸法を拡大する方法との2通りがある。しかし、幅方向の寸法拡大は、着火した混合気に対する消炎作用を助長する傾向を示すので、このような不具合を抑えつつ折損対策も同時に図るためには、接地電極の厚さを大きくすることが有効である。
【0004】
しかし、接地電極の厚さ拡大は、以下のような種々の制約により限界がある。
すなわち、電極厚さを大きくする場合、主体金具の取付ねじ部外面側への厚さを大きくし過ぎると、接地電極が主体金具の端面から半径方向外側にはみ出して、スパークプラグをシリンダヘッドに取り付けた際に、プラグホールのねじ山と接地電極の基端部とが干渉し、正常な取付けが不能となる場合がある。他方、主体金具の取付ねじ部内面側への厚さを大きくし過ぎると、電極基端部内面が中心電極に近づき過ぎ、火花の横飛び等が生じ易くなる。また、接地電極の断面形状を矩形状とした場合、厚さ方向の寸法を拡大しすぎると、上記のようなはみ出しを生じないようにするには、電極幅を極端に小さくしなければならず、電極断面積が十分に確保できなくなって、折損に対する耐久性が却って損なわれることにつながる。
【0005】
本発明の課題は、接地電極の厚さを従来よりも拡大するとともに、電極断面積も十分に確保することができ、折損等に対する強度を高めることができるスパークプラグを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために、本発明のスパークプラグは、以下のように構成されたことを特徴とする(発明の理解を容易にするために、図2を参照して説明する(括弧内の符号は図における各部の符号に対応する))。すなわち、中心電極(3)と、その中心電極(3)の外側に設けられた絶縁体(2)と、絶縁体(2)の外側に設けられた筒状の主体金具(1)と、一端側が主体金具(1)の先端面(1a)に結合され、他端側が中心電極(3)の先端と対向するように配置されて中心電極(3)との間に火花放電ギャップ(g)を形成する接地電極(4)とを備え、
主体金具(1)の先端部が、内周面及び外周面が円筒面とされた直円筒状部(1t)であり、また、接地電極(4)は、一様な軸断面形状を有した金属線材の曲げ加工により形成されたものであり、
主体金具(1)の軸線(O)方向において火花放電ギャップ(g)の位置する側を前方側、これと反対側を後方側として、主体金具(1)の先端面から軸線(O)方向前方側に1mm離間した位置において該軸線(O)と直交する仮想平面(Σ)を考え、該仮想平面(Σ)上において、
直円筒状部(1t)の外周面と仮想平面(Σ)への正射投影(OP:金具外径線)の直径を、主体金具(1)の先端面(1a)の外径D(単位:mm)として定義し、
同じく内周面の仮想平面(Σ)への正射投影(IP:金具内径線)の直径を、主体金具(1)の先端面(1a)の内径d(単位:mm)として定義し、
仮想平面(Σ)による接地電極(4)の断面外形線(EP)に対し、中心軸線(O)位置を通る2本の径方向接線対(PJ,SJ)を引き、それら径方向接線対(PJ,SJ)の間の角度を二等分する直線を基準線(QJ)として設定したとき、断面外形線(EP)が該基準線(QJ)から切り取る線分の長さを接地電極(4)の厚さT(単位:mm)として定義し、
断面外形線(EP)に対し、基準線(QJ)と平行な2本の平行接線対(PH,SH)を引いたとき、それら平行接線対(PH,SH)間の距離を接地電極(4)の幅W(単位:mm)として定義し、
平行接線対(PH,SH)と金具外径線(OP)及び金具内径線(IP)とによって囲まれる領域の面積を基準面積S0として定義し、
断面外形線(EP)内の領域の面積を、接地電極(4)の断面積Sと定義したとき、
断面外形線(EP)の全体が金具外径線(OP)と金具内径線(IP)との間に収まっており、かつ、
(d/3)−0.3≦W(d/3)+0.4 ‥‥「1」
0.87≦α<1 (ただし、α≡T/{(D−d)/2}) ‥‥「2」
0.82≦S/S0<1 ‥‥「3」
となるように、接地電極(4)の断面形状が定められていることを特徴とする。
【0007】
上記本発明のスパークプラグにおいては、接地電極(4)は一様な軸断面形状を有した金属線材の曲げ加工により形成されたものであり、その軸断面形状を、主体金具(1)の先端面から軸線(O)方向前方側に1mm離間した位置における、仮想平面(Σ)による断面により代表させて考える。このように主体金具(1)の先端面から離間した平面を採用しているのは、接地電極(4)の主体金具(1)との接合基端部は、溶接等により断面外形線が乱れることが多く、その影響を回避するためである。
【0008】
接地電極(4)の断面外形線(EP)が金具外径線(OP)よりも外にはみ出すと、スパークプラグをシリンダヘッドに取り付けた際に、プラグホールの取付部(例えばねじ山)と接地電極(4)の基端部とが干渉し、正常な取付けが不能となる。また、断面外形線(EP)が金具内径線(IP)よりも内にはみ出すと、接地電極(4)の基端部内面が中心電極(3)に近づき過ぎ、火花の横飛び等が生じ易くなる。そこで、本発明のスパークプラグにおいては、断面外形線(EP)の全体が金具外径線(OP)と金具内径線(IP)との間に収まっていることを構成の第一の前提とする。
【0009】
また、断面外形線(EP)において、上記のように接地電極(4)の厚さTと幅Wとを定義したとき、該幅Wを、金具内径線(IP)すなわち主体金具先端面(1a)の内孔の直径dを基準として定められた、前記▲1▼式のような数値範囲に定めることを第二の前提として定める。これは、電極幅の過度な増大による消炎作用を防止しつつ、電極の急速な消耗を抑制するためであり、Wが(d/3)−0.3(mm)未満では、火花放電ギャップ(g)に面する部分において、接地電極4の消耗が急速に進行し、スパークプラグの寿命低下につながる。他方、Wが(d/3)+0.4(mm)を超えると、接地電極4が燃焼ガスの熱を奪い取りやすくなり、消炎作用が顕著となって着火性の低下につながる。なお、dの値は、取付ねじ部の呼びがM10〜M14のスパークプラグにて一般的に採用されている数値であって、例えば5.5〜9.2mmの範囲から選択されるものである。従って、Wの値は、絶対値で5.5mm未満となること、あるいは9.2mmを超えることは、実質的にありえない。
【0010】
また、前記▲2▼式のα≡T/{(D−d)/2}においては、(D−d)/2が、接地電極(4)接合面となる主体金具先端面(1a)の半径方向寸法を意味する。従ってαは、接地電極(4)の厚さTが、該主体金具先端面(1a)の半径方向寸法のどの程度を占めているかの指標となる。断面外形線(EP)が主体金具先端面(1a)からのはみ出しを生じないことが前提となっているので、αの値の最大値が1に近づくほど、接地電極(4)の厚さTの値を大きくするために、主体金具先端面(1a)の半径方向寸法が有効活用され、接地電極(4)の耐折損性向上の観点において有利となることを意味する。
【0011】
さらに、前記▲3▼式の基準面積S0は、図2に示すように、接地電極(4)の断面外形線(EP)に対し、幅Wとなる位置に設定される平行接線対(PH,SH)と金具外径線(OP)及び金具内径線(IP)とによって囲まれる領域の面積であり、同じ幅Wを仮定したとき、主体金具先端面(1a)からのはみ出しを生じない条件下で、断面外形線(EP)の面積S(すなわち、接地電極(4)の断面積)がとりうる限界値に対応する。従って、S/S0の値が1に近いほど、幅Wの接地電極(4)の断面積Sが許容される限界値に近づき、接地電極(4)の耐折損性向上の観点において有利となることを意味する。
【0012】
しかしながら、前記した通り本発明においては、接地電極(4)の幅Wが、前記した第二の前提、すなわち式▲1▼の範囲を満足しなければならない。そして、従来採用されていた一般的な接地電極(4)の断面形状は図9に示すような矩形状であり、第一の前提、すなわち、金具外径線(OP)と金具内径線(IP)との間に収める制限との兼ね合いから、例えば式▲2▼が満足されるように厚さTを設定しようとすると、断面外形線(EP)にはみ出しを生ずることなく式▲1▼を満足する幅Wあるいは式▲3▼を満足する断面積Sの設定が幾何学的に不能となる。すなわち、式▲1▼を満足する幅Wを設定したとき、接地電極(4)の厚さT及び断面積Sを十分に大きくすることができなくなるのである。その結果、高出力エンジン等に適用された場合に、耐折損性を十分に確保できない不具合を生ずることにつながる。
【0013】
本発明では、上記のような矩形状の断面形態では不可能な数値範囲である前記▲2▼及び▲3▼の式を満たすように、接地電極(4)の厚さT及び断面積Sをともに大きく設定する。これは、接地電極(4)の断面形状として、矩形状のものから逸脱したものを採用することにより実現できる。その結果、接地電極(4)の厚さTの増大と断面積Sの拡張とを同時に図ることが可能となり、高出力エンジン等に適用された場合でも、折損等に対する強度を十分に確保することができるようになる。なお、本発明において採用可能な接地電極(4)の断面形状(断面外形線(EP)の形状)は、▲2▼及び▲3▼の式を満たすものであれば特に制限はされないが、具体的に採用しうる形状として特に望ましいものの例を、後述の「発明の実施の形態」の欄にて説明する。
【0014】
なお、本明細書の特許請求の範囲において各要件に付与した符号は、添付の図面の対応部分に付された符号を援用して用いたものであるが、あくまで発明の理解を容易にするために付与したものであり、特許請求の範囲における各構成要件の概念を何ら限定するものではない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態としてのスパークプラグ100を、その全体の縦断面図及び先端側要部拡大図により示すものである。該スパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部が突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込まれた絶縁体2、先端部を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の先端部と対向するように配置された接地電極4等を備えている。また、図2に示すように、接地電極4と中心電極3との間には、間隔αの火花放電ギャップgが形成されている。接地電極4及び中心電極3の本体部3aはNi合金等で構成されている。また、中心電極3の本体部3aの内部には、放熱促進のためにCuあるいはCu合金等で構成された芯材3bが埋設されている。
【0016】
主体金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、スパークプラグ100を図示しないエンジンブロックに取り付けるための取付ねじ部7が形成されている。取付ねじ部7の呼びはM10〜M14であり、例えばM12もしくはM14である。主体金具1の先端部は、内周面及び外周面が円筒面とされた直円筒状部1tとされている。また、接地電極4は、一様な軸断面形状を有した金属線材の曲げ加工により形成されたものである。なお、1eは、主体金具1を取り付ける際に、スパナやレンチ等の工具を係合させる工具係合部であり、六角状の軸断面形状を有している。また、絶縁体2は、全体がアルミナ系セラミック焼結体として構成され、軸線方向Oに沿って貫通孔6が形成されており、その一方の端部側に端子金具8が固定され、同じく他方の端部側に中心電極3が固定されている。
【0017】
図1に示すように、主体金具1の軸線O方向において火花放電ギャップgの位置する側を前方側、これと反対側を後方側として、主体金具1の先端面から軸線O方向前方側にδ=1mm離間した位置において該軸線Oと直交する仮想平面Σを考える。そして、該仮想平面Σ上において、図2に示すように、各パラメータを以下のように定義する。
・主体金具1の先端面1aの外径D(単位:mm):直円筒状部1tの外周面の仮想平面Σへの正射投影(金具外径線)OPの直径として定義する。
・主体金具1の先端面1aの内径d(単位:mm):直円筒状部1tの内周面の仮想平面Σへの正射投影(金具内径線)IPの直径として定義する。
・接地電極4の厚さT(単位:mm):仮想平面Σによる接地電極4の断面外形線EPに対し、中心軸線O位置を通る2本の径方向接線対PJ,SJを引く。そして、それら径方向接線対PJ,SJの間の角度を二等分する直線を基準線QJとして設定したとき、断面外形線EPが該基準線QJから切り取る線分の長さとして定義する。
・接地電極4の幅W(単位:mm):断面外形線EPに対し、基準線QJと平行な2本の平行接線対PH,SHを引いたとき、それら平行接線対PH,SH間の距離として定義する。
・基準面積S0:平行接線対PH,SHと金具外径線OP及び金具内径線IPとによって囲まれる領域(以下、基準領域という)KLMNの面積として定義する。
・接地電極4の断面積S:断面外形線EP内の領域の面積として定義する。
なお、図2において、断面外形線EPの厚さT方向の両端縁をQ1,Q2(主体金具1の中心軸線Oに関する半径方向外側の端縁がQ1であり、同じく内側の端縁がQ2である)とし、幅方向の両端縁をQ3,Q4とする。
【0018】
そして、スパークプラグ100においては、接地電極4の断面外形線EPの全体が金具外径線OPと金具内径線IPとの間に収まっており、かつ、
(d/3)−0.3≦W≦(d/3)+0.4 ‥‥「1」
0.87≦α<1 (ただし、α≡T/{(D−d)/2}) ‥‥「2」
0.82≦S/S0<1 ‥‥「3」
となるように、接地電極4の断面形状が定められている。式「1」、式「2」及び式「3」の意味については、「課題を解決するための手段及び作用・効果」の欄にて詳しく説明済みであるので、本欄ではこれを繰り返さない。図から明らかなように、断面外形線EPは、図9に示すような矩形状のものからは逸脱したものとされ、厚さTと断面積Sとの拡張が図られている。その結果、「1」式を満たす幅Wの設定がなされているにもかかわらず、厚さTをαに換算して0.87以上確保すること、及び断面積Sを0.82以上確保することとの両立が図られている。
【0019】
厚さTと断面積Sとの拡張を図る上での、断面形状の具体的な形態として、以下のようなものが採用されている。すなわち、接地電極4は、仮想平面Σ上において断面外形線EP内の領域を、厚さTを表す線分に対する直交二等分線DLにより、主体金具1の半径方向における内側領域S1と外側領域S2とに分割したとき、
S1>S2 ‥‥▲4▼
とされている。すなわち、外側領域S2の面積を小さくすることにより、断面外形線EPの半径方向外側の外縁Q1を、金具外径線OPに近づけることが可能となり、同じ幅Wであっても厚さTと断面積Sとを、金具外径線OP側に拡張することが可能となる。
【0020】
また、矩形状断面と比較する観点から捕らえると、以下のような概念から厚さTと断面積Sとの拡張が図られているともいえる。すなわち、接地電極4は、図2に示すように、仮想平面Σ上において断面外形線EPが、平行接線対PH,SHと金具外径線OPとの各交点N,Mを結ぶ線分NMよりも、主体金具1の半径方向外側に膨出したものとされている。この膨出分だけ、厚さTと断面積Sとが、金具外径線OP側に拡張されている。
【0021】
厚さT及び断面積Sの拡張効果は、断面外形線EPの外縁Q1の形状を、金具外径線OPの形状にできるだけ近づけることにより高められる。具体的には、断面外形線EP内の領域を前記した内側領域S1と外側領域S2とに分割したとき、断面外形線EPの外側領域S2に属する部分の全てが、主体金具1の半径方向において外向きに凸な形状を有してなること(つまり、半径方向において内向きに凹状となるような区間が形成されていないこと)が望ましい。図2の形態では、厚さT方向の外縁Q1が、幅W方向の両縁Q3及びQ4に対し、緩やかなテーパ状部分tp1,tp2を介して結合され、さらに、両テーパ状部分tp1,tp2の間に直線状部lq(幅Wの方向と平行である)を形成することにより、金具外径線OPに倣う凸状形態とされ、基準領域KLMNの活用効果、ひいては厚さTと断面積Sとの拡張効果が高められている。
【0022】
なお、図2の形態においては、断面外形線EPに角部が形成されている。具体的には、各隣接する外縁(Q1/Q3,Q1/Q4,Q2/Q3,Q2/Q4)間の4つと、テーパ状部分tp1,tp2と直線状部lqとの2つ接続部との、計6つの角部が形成されてなる。これら角部は、先端曲率半径又は面取り幅が0.2mm以上となっているか、又は当該角部を形成する2辺部が90度より大きい角度を有してなることが望ましい。厚さT方向の外縁Q1において、形成される角部を、これら規定を満たす緩やかなものとすることにより、外縁Q1を金具外径線OPに一層近づけることが可能となり、ひいては厚さTあるいは断面積Sの拡張効果をさらに高めることが可能となる。また、接地電極4の曲げ部内側の稜線部は、曲げ加工により歪のしわ寄せが生じやすいが、該稜線部を形成する角部を上記のような条件を満たすものとしておくことによりその影響が緩和され、例えばスパークプラグ使用時に、該曲げ部内側の稜線部に亀裂等が発生する不具合を効果的に抑制することができ、ひいては耐折損性を一層高めることができる。図2においては、隣接する外縁(Q1/Q3,Q1/Q4,Q2/Q3,Q2/Q4)間の4つの角部が、それぞれ曲率半径が0.3mmのアール部r1,r2,r3,r4とされている。また、テーパ状部分tp1,tp2と直線状部lqとの接続位置にある角部は、角度100゜の鈍角とされている。また、幅Wは2.8mm、厚さTは1.8mm、直線部lqの長さは1.4mmである。
【0023】
以下、断面外形線EPの種々の態様について、図3〜図6を用いて説明する。
なお、後述する比較例を表す図7〜図11も含め、寸法を示す数値の単位は全てmmであり、面積(S,S0)の単位はmmである。また、r1,r2,r3,r4のいずれかで示したアール部の曲率半径はいずれも0.3mmである。さらに、S/S0及びαの値も合わせて示している(いずれも、本発明の数値範囲を満たすものである)。
【0024】
図3は、基準領域KLMNの寸法設定例を示し、図4、図5、図6は、この基準領域KLMN内に収まる断面外形線EPの例を示すものである。図4では、図2と異なり、厚さT方向の外縁Q1の全体が単一の直線状とされ、幅W方向の外縁Q3,Q4との接続部には、図2の曲率半径0.3mmのアール部に代えて、それぞれ幅0.4mmの面取り部c1,c2が形成されている。図5は、図2と類似の形態を示すが、外縁Q1が、3つの直線部の組み合わせではなく、曲率半径11.8mmの円弧状とされている。図5の断面外径線EPにおいては、金具外径線OPと外縁Q1との最短距離厚が図4に示す形状の場合と比較して長い。そこで、このような円弧状の外縁Q1を採用することにより、図4の形態よりも外縁Q1を金具外径線OPにさらに近づけることが可能であり、これによって厚さT及び面積Sのさらなる拡大を図ることができる。
【0025】
また、図2、図4及び図5では、厚さT方向の内縁Q2がいずれも幅W方向と平行な直線状とされていたが、図6に示すように、内縁Q2を、金具内径線IPに倣う曲線形態(あるいは折れ線形態でもよい)とすれば、面積Sの拡大効果がさらに高められ、接地電極4の耐折損性を一層向上させることができる。本実施例においては、内縁Q2が円弧状とされ、この内縁Q2の両端側を金具内径線IPにさらに近づけることが可能であり、これによって厚さT及び面積Sのさらなる拡大を図ることができる。
【0026】
【実施例】
本発明の効果を確認するために、以下の実験を行なった。
(実施例1)
図1に示すスパークプラグを、以下のような寸法で各種作製した。まず、取付ねじ部7の呼びをM14(ねじピッチ:1.25mm)、火花放電ギャップgの間隔αを1.1mm、中心電極3の、主体金具1の端面1aからの突出長を5mm、中心電極3の先端径を2.5mm(母材材質:INCONEL600(英国INCO社の商標名))、絶縁体2の先端径を4.7mmとした。また、接地電極4の母材材質は中心電極3と同じとし、その断面形状を、図4〜図6(番号1〜3)に示すものに設定した。また、比較のため、接地電極4の断面形状を、図7(Wが▲1▼の下限値より小)、図8(Wが▲1▼の上限値より大)、図9(断面が矩形状:S/S0及びαが▲2▼及び▲3▼の下限値より小)、図10(S/S0が▲3▼の下限値より小)及び図11(αが下限値よりも小)のように形成したものも合わせて作製した(番号4〜8)。
【0027】
そして、各スパークプラグを用いて以下のような試験を行った。
▲1▼耐折損性評価試験:スパークプラグを試験用エンジン(4気筒、4サイクル、排気量:2000cc)に取り付け、スロットル全開状態、エンジン回転数7000rpmにて1分運転し、その後1分アイドリングとするサイクルを繰り返す。そして、200サイクル経過時点で、全てのスパークプラグに接地電極の折損がないものを良好(○)、200サイクル未満でいずれかのスパークプラグの接地電極に折損が生じたものを不良(×)として判定した。
【0028】
▲2▼耐消耗性評価試験:スパークプラグを試験用エンジン(6気筒、4サイクル、排気量:2000cc)に取り付け、スロットル全開状態、エンジン回転数5000rpmにて250時間連続運転し、運転終了後に火花放電ギャップgの拡大量を測定する。そして、拡大量が0.3mm以下のものを良好(○)、0.3mmを超えたものを不良(×)として判定した。
【0029】
▲3▼着火性評価試験:スパークプラグを試験用エンジン(6気筒、4サイクル、排気量:2000cc)に取り付け、混合気の空燃比を徐々に減少させながらエンジン回転数700rpmのアイドリング状態にて運転を行い、着火ミス発生率が1%以上となる空燃比を限界空燃比として決定した。そして、この限界空燃比が17.2以上であれば良好(○)、17.2未満であれば不良(×)として判定した。
以上の結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0004538168
【0031】
これによると、接地電極の断面形状が本発明の式▲1▼〜▲3▼の条件を満たすスパークプラグは、耐折損性、耐消耗性及び着火性のいずれにおいても良好な結果が得られていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態たるスパークプラグの全体構成と、先端側要部を拡大して示す縦断面図。
【図2】図1のスパークプラグの、接地電極の断面形態を説明する投影図。
【図3】図2の基準領域の寸法設定例を示す説明図。
【図4】図2の基準領域内に収まる接地電極の、本発明実施例に係る第一の寸法設定例を示す説明図。
【図5】同じく第二の寸法設定例を示す説明図。
【図6】同じく第三の寸法設定例を示す説明図。
【図7】基準領域の別の寸法設定例と、これに収まる接地電極の、比較例に係る第一の寸法設定例を示す説明図。
【図8】基準領域のさらに別の寸法設定例と、これに収まる接地電極の、比較例に係る第二の寸法設定例を示す説明図。
【図9】接地電極の、比較例に係る第三の寸法設定例を示す説明図。
【図10】接地電極の、比較例に係る第四の寸法設定例を示す説明図。
【図11】接地電極の、比較例に係る第五の寸法設定例を示す説明図。
【符号の説明】
1 主体金具
1a 先端面
1t 直円筒状部
2 絶縁体
3 中心電極
4 接地電極
g 火花放電ギャップ

Claims (5)

  1. 中心電極(3)と、その中心電極(3)の外側に設けられた絶縁体(2)と、前記絶縁体(2)の外側に設けられた筒状の主体金具(1)と、一端側が前記主体金具(1)の先端面(1a)に結合され、他端側が前記中心電極(3)の先端と対向するように配置されて前記中心電極(3)との間に火花放電ギャップ(g)を形成する接地電極(4)とを備え、
    前記主体金具(1)の先端部が、内周面及び外周面が円筒面とされた直円筒状部(1t)であり、また、前記接地電極(4)は、一様な軸断面形状を有した金属線材の曲げ加工により形成されたものであり、
    前記主体金具(1)の軸線(O)方向において前記火花放電ギャップ(g)の位置する側を前方側、これと反対側を後方側として、前記主体金具(1)の先端面から前記軸線(O)方向前方側に1mm離間した位置において該軸線(O)と直交する仮想平面(Σ)を考え、該仮想平面(Σ)上において、
    前記直円筒状部(1t)の外周面の前記仮想平面(Σ)への正射投影(OP:以下、金具外径線という)の直径を、前記主体金具(1)の先端面(1a)の外径D(単位:mm)として定義し、
    同じく内周面の前記仮想平面(Σ)への正射投影(IP:以下、金具内径線という)の直径を、前記主体金具(1)の先端面(1a)の内径d(単位:mm)として定義し、
    前記仮想平面(Σ)による前記接地電極(4)の断面外形線(EP)に対し、前記中心軸線(O)位置を通る2本の径方向接線対(PJ,SJ)を引き、それら径方向接線対(PJ,SJ)の間の角度を二等分する直線を基準線(QJ)として設定したとき、前記断面外形線(EP)が該基準線(QJ)から切り取る線分の長さを前記接地電極(4)の厚さT(単位:mm)として定義し、
    前記断面外形線(EP)に対し、前記基準線(QJ)と平行な2本の平行接線対(PH,SH)を引いたとき、それら平行接線対(PH,SH)間の距離を前記接地電極(4)の幅W(単位:mm)として定義し、
    前記平行接線対(PH,SH)と前記金具外径線(OP)及び前記金具内径線(IP)とによって囲まれる領域の面積を基準面積S0として定義し、
    前記断面外形線(EP)内の領域の面積を、前記接地電極(4)の断面積Sと定義したとき、
    前記断面外形線(EP)の全体が前記金具外径線(OP)と前記金具内径線(IP)との間に収まっており、かつ、
    (d/3)−0.3≦W≦(d/3)+0.4 ‥‥「1」
    0.87≦α<1 (ただし、α≡T/{(D−d)/2}) ‥‥「2」
    0.82≦S/S0<1 ‥‥「3」
    となるように、前記接地電極(4)の断面形状が定められていることを特徴とするスパークプラグ(100)。
  2. 前記接地電極(4)は、前記仮想平面(Σ)上において前記断面外形線(EP)内の領域を、前記厚さTを表す線分に対する直交二等分線DLにより、前記主体金具(1)の半径方向における内側領域S1と外側領域S2とに分割したとき、
    S1>S2 ‥‥▲4▼
    となっている請求項1記載のスパークプラグ(100)。
  3. 前記接地電極(4)は、前記仮想平面(Σ)上において前記断面外形線(EP)が、前記平行接線対(PH,SH)と前記金具外径線(OP)との各交点(N,M)を結ぶ線分(NM)よりも、前記主体金具(1)の半径方向外側に膨出している請求項1又は2に記載のスパークプラグ(100)。
  4. 前記接地電極(4)は、前記仮想平面(Σ)上において前記断面外形線(EP)内の領域を、前記厚さTを表す線分に対する直交二等分線DLにより、前記主体金具(1)の半径方向における内側領域S1と外側領域S2とに分割したとき、前記断面外形線(EP)の前記外側領域S2に属する部分の全てが、前記主体金具(1)の半径方向において外向きに凸な形状を有してなる請求項3記載のスパークプラグ(100)。
  5. 前記断面外形線(EP)に角部が形成され、該角部は、先端曲率半径又は面取り幅が0.2mm以上となっているか又は角部を形成する2辺部が90度より大きい角度を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスパークプラグ(100)。
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