JP2012256445A - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents

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泰 川島
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Abstract

【課題】接地電極の断面積を拡大することなく、強度を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグを提供する。
【解決手段】
ハウジング2と、ハウジング2の内側に保持された絶縁碍子3と、先端部41が突出するように絶縁碍子3の内側に保持された中心電極4と、中心電極4との間に火花放電ギャップを形成する接地電極5とを備えた内燃機関用のスパークプラグ1。接地電極5は、ハウジング2の先端面21から先端側へ立設する基部51と、中心電極4の先端部41に対向する対向部52とからなる。接地電極5におけるハウジング2の先端面21に接合された基部51は、プラグ軸方向に直交する方向の断面形状が、スパークプラグ1の中心軸に向かって凹となる略円弧状をなしている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等に使用する内燃機関用のスパークプラグに関する。
従来より、例えば、自動車等の内燃機関の燃焼室に導入される混合気の着火手段として用いられる内燃機関用のスパークプラグがある(例えば、特許文献1参照)。図11に示すごとく、スパークプラグ9は、互いの間に火花放電ギャップを設けた中心電極94と接地電極95とを有する。そして、接地電極95は、筒状のハウジング92の先端面921に溶接等によって接合されている。近年、上記スパークプラグ9の小型化に伴い、接地電極95についても細線化が要求されている。
特開2003−317896号公報
しかしながら、接地電極95が細線化すると、接地電極95の強度が低下するおそれがある。特に、スパークプラグ9が内燃機関の振動を受けると接地電極95におけるハウジング92との接合部付近である基部951に大きな力が加わることとなる。その結果、場合によっては、基部951を基点として接地電極95が変形したり、折損したりしてしまうおそれがある。
上記の課題に対しては、接地電極95の断面積を拡大することで、強度を確保することが考えられるが、この場合には、基部951がハウジング92の先端面921からはみ出てしまう。そうすると、充分な接合面積が得られず、ハウジング92と接地電極95との接合性が不充分となるおそれがある。
これに対して、ハウジング92と接地電極95との接合面積を大きくしようとすると、ハウジング92の外形を拡大せざるを得ない。その結果、スパークプラグ9の小型化の要求に応えることができない。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、接地電極の強度を向上させると共に、小型化を容易にすることができる内燃機関用のスパークプラグを提供しようとするものである。
本発明は、筒状のハウジングと、上記ハウジングの内側に保持された絶縁碍子と、先端部が突出するように上記絶縁碍子の内側に保持された中心電極と、該中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えた内燃機関用のスパークプラグであって、
上記接地電極は、上記ハウジングの先端面から先端側へ立設すると共に、上記中心電極の先端部に対向する対向部を有してなり、
上記接地電極における上記ハウジングの先端面に接合された基部は、プラグ軸方向に直交する方向の断面形状が、上記スパークプラグの中心軸に向かって凹となる略円弧状をなしていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある(請求項1)。
本発明にかかる内燃機関用のスパークプラグは、上記接地電極における上記基部のプラグ軸方向に直交する方向の断面形状が、上記スパークプラグの中心軸に向かって凹となる略円弧状をなす。これにより、上記基部の断面係数を向上させることができ、上記基部の剛性を向上させることができる。また、例えば、上記基部の形状を冷鍛加工や曲げ加工によって成形する場合には、加工硬化による上記基部の更なる強度向上を図ることができ、上記基部の剛性を向上させることができる。したがって、上記接地電極の強度を向上させることができる。このように、断面形状によって上記基部の強度を向上させることができるため、特に、上記基部の断面積を大きくする必要がない。その結果、上記接地電極の小型化が可能となり、上記ハウジングの先端面を大きくする必要もなくスパークプラグの小型化が容易となる。
以上のごとく、本発明によれば、接地電極の強度を向上させると共に、小型化を容易にすることができる内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
実施例1における、スパークプラグの全体構造を示す説明図。 図1のA−A線矢視断面図。 図1のC−C線矢視断面図。 実施例1における、スパークプラグの先端部分を示す拡大説明図。 図4のB矢視図。 図2の接地電極の基部の拡大説明図。 図2の接地電極の基部とハウジングの先端面の拡大説明図。 実施例1における、(a)電極材料の引抜き成形後の状態を示す斜視図、(b)電極材料の冷鍛加工後の状態を示す斜視図。 実施例1における、接地電極の(a)曲げ加工前の状態を示す説明図、(b)曲げ加工後の状態を示す説明図。 実施例2における、スパークプラグの先端部分の構造を示す拡大説明図。 背景技術における、スパークプラグの全体構造を示す説明図。
上記内燃機関用のスパークプラグは、例えば、自動車、自動二輪、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等における内燃機関用の着火手段として用いることができる。
また、内燃機関用のスパークプラグにおいて、内燃機関の燃焼室内に挿入される側を先端側、その反対側を基端側として説明する。
また、上記接地電極における上記対向部は、中心電極との対向面を平坦面としていることが好ましい(請求項2)。この場合には、火花放電ギャップの調整を正確に行いやすい。また、上記対向面に、例えば貴金属チップを接合配置する場合において、対向面と貴金属チップとの良好な接合性を確保することができる。
また、上記接地電極は、上記基部を含むと共に上記ハウジングの先端部から先端側へ立設した立設部と、上記対向部を含みプラグ軸方向と直交する横設部と、上記立設部と上記横設部との間に形成された屈曲部とからなり、該屈曲部よりも基部に近い側から上記横設部にかけて、長手方向に直交する断面形状が略長方形状に形成されていることが好ましい(請求項3)。この場合には、上記屈曲部の曲げ加工が容易となり、上記接地電極の製造を容易に行うことができる。
また、上記接地電極の内部には、少なくともCuを含んだ熱引き材が形成されていることが好ましい(請求項4)。この場合には、強度低下を招きやすい熱引き材を内蔵した接地電極を、上述のような断面係数の向上等によって、効果的に強度を向上させることができる。これにより、接地電極の強度を向上させ、耐熱性を確保することができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる、内燃機関用のスパークプラグについて、図1〜図7を用いて説明する。
本例の内燃機関用のスパークプラグ1は、図1に示すごとく、筒状のハウジング2と、ハウジング2の内側に保持された絶縁碍子3と、先端部41が突出するように絶縁碍子3の内側に保持された中心電極4と、中心電極4との間に火花放電ギャップGを形成する接地電極5とを有する。
また、接地電極5は、ハウジング2の先端面21から先端側へ立設すると共に、中心電極4の先端部41に対向する対向部52を有する。
また、図2に示すごとく、接地電極5におけるハウジング2の先端面21に接合された基部51は、プラグ軸方向に直交する方向の断面形状を、スパークプラグ1の中心軸に向かって凹となる略円弧状に形成している。
また、図1、図4に示すごとく、接地電極5における対向部52は、中心電極4との対向面521を平坦面としている。
また、接地電極5は、基部51を含むと共にハウジング2の先端部22から先端側へ立設した立設部510と、対向部52を含みプラグ軸方向と直交する横設部520と、立設部510と横設部520との間に形成された屈曲部530とから構成されている。
そして、接地電極5は、屈曲部530よりも基部51に近い側から横設部520にかけて、図3、図5に示すごとく、長手方向に直交する断面形状が略長方形状に形成されている。
また、基部51の上記断面形状における略円弧状は、図6に示すごとく、基部51の内周511の両端部512を結ぶ直線Lと、基部51の内周511との間の最大距離をΔaとしたときに、Δa>0の関係が成立し、外周513の両端部514を結ぶ直線Lと、Lに平行な基部51の外周513の接線Lとの間の距離をΔbとしたとき、Δb>0の関係が成立する。
また、基部51の上記断面形状における円弧は、ハウジング2の先端部22の円形に沿って略同等に形成されている。
また、図7に示すごとく、上記直線Lは、ハウジング2の先端部22の内周221と2点の交点において交差する。また、上記接線Lは、基部51の外周513の両端部514から上記接線Lに向かう一対の垂線Lの間において、ハウジング2の先端部22の外周222と2点の交点において交差する。
また、接地電極5は、例えば、Niを主成分としたNi合金とすることができる。
また、図1〜図5に示すごとく、中心電極4の先端部41と、接地電極5の対向部52の対向面521には、例えば、Ir、Pt、Rh等の貴金属又はその合金からなる貴金属チップ61、62が接合配置されている。なお、接地電極5に接合配置されている貴金属チップ62は接地電極5より特にプラグ軸方向に突き出ていなくてもよい。
次に、本例における接地電極5の製造方法について、図8を用いて説明する。
まず、図8(a)に示すごとく、例えば、引抜き成形によって、全体が平板状であって、断面略長方形状の電極材50を成形する。そして、図8(b)に示すごとく、平板状の電極材50における一端側の一部を、例えば冷鍛加工を行うことによって、電極材50の軸方向に直交する断面形状が略円弧状になるように成形する。なお、この成形方法に限定されるものではなく、例えば、曲げ加工やその他の方法を用いてもよい。
一方、電極材50における他の部分は、変形させずに断面略長方形状の平板状のままにしておく。この平板状に成形された部分が、接地電極5における横設部520、屈曲部530、及び立設部510の一部となるようにし、それ以外の部分を基部51を含んだ立設部510の一部となるようにする。これにより、曲げ加工前の接地電極5を得ることができる。
次に、本例のスパークプラグ1の製造方法について、図9を用いて説明する。
まず、図9(a)に示すごとく、中心電極4の先端部41において、貴金属チップ61を、例えば、抵抗溶接及びレーザー溶接によって接合配置する。なお、この接合手段は何ら限定されるものではない。そして、その中心電極4を、絶縁碍子3の内側に先端部(貴金属チップ61)が絶縁碍子3の先端側から突出するように取り付ける。
また、曲げ加工前の接地電極5を、基部51においてハウジング2の先端面21に溶接する。具体的には、基部51のプラグ軸方向に直交する方向の断面形状が、スパークプラグ1の中心軸に向かって凹状となるよう、基端部51の端面を先端面21の形成領域内で位置決めし、溶接する(図2参照)。なお、この溶接手段は何ら限定されるものではない。そして、そのハウジング2の内側に中心電極4を保持した絶縁碍子3を配置する。
次いで、接地電極5の対向部52の対向面521に、貴金属チップ62を、例えば、抵抗溶接及びレーザー溶接によって接合配置する。なお、この接合手段は何ら限定されるものではない。また、接地電極5の対向部52の対向面521に対する貴金属チップ62の接合は、絶縁碍子3をハウジング2に取り付ける前に接合配置してもよい。
次いで、図9(b)に示すごとく、接地電極5の略中央部分を基点とし、接地電極5の先端側が中心電極4の先端部41に対向するよう、曲げ加工を行う。この曲げ加工は、接地電極5における平板状の部位において行う。これによって、屈曲した部位が屈曲部530となり、屈曲部530を境に基部51を有する側の部位が立設部510となり、中心電極4に対向する対向部52を含む側の部位が横設部520となる。
そして、中心電極4の先端部41側と、接地電極5の対向部52側との間において、火花放電ギャップGが形成されるように調整される。このようにして、本例のスパークプラグ1を得ることができる。
スパークプラグ1は、図1に示すごとく、ハウジング2の外周に取付け用ネジ部23を有する。そして、取付け用ネジ部23において、内燃機関の燃焼室(図示略)の壁部に螺合される。
次に、本例のスパークプラグ1の作用効果について、説明する。
本例のスパークプラグ1は、接地電極5における基部51のプラグ軸方向に直交する方向の断面形状が、スパークプラグ1の中心軸に向かって凹となる略円弧状をなす。これにより、基部51の断面係数を向上させることができ、基部51の剛性を向上させることができる。また、例えば、基部51の形状を冷鍛加工や曲げ加工によって成形する場合には、加工硬化による基部51の更なる強度向上を図ることができ、基部51の剛性を向上させることができる。したがって、接地電極5の強度を向上させることができる。このように、断面形状によって基部51の強度を向上させることができるため、特に、基部51の断面積を大きくする必要がない。その結果、接地電極5の小型化が可能となり、ハウジング2の先端面21を大きくする必要もなくスパークプラグ1の小型化が容易となる。
また、接地電極5における対向部52は、中心電極4との対向面521を平坦面としている。これによって、火花放電ギャップGの調整を正確に行いやすい。また、対向面521に貴金属チップ62を接合配置する場合において、対向面521と貴金属チップ62との良好な接合性を確保することができる。
また、接地電極5は、立設部510と横設部520と屈曲部530とからなり、屈曲部530よりも基部51に近い側から横設部520にかけて、長手方向に直交する断面形状が略長方形状に形成されている。これによって、屈曲部530の曲げ加工が容易となり、接地電極5の製造を容易に行うことができる。
以上のごとく、本例によれば、接地電極の強度を向上させると共に、小型化を容易にすることができる内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
(実施例2)
本例は、図10に示すごとく、接地電極5の内部にCuを含んだ熱引き材54を形成したスパークプラグ1の例である。
本例における熱引き材54は、Ni材541と、Ni材541を周囲から覆うCu材542とからなる。このような、熱引き材54がNiもしくはNi合金からなる接地電極5の内部に埋設されている。なお、この熱引き材54は、熱引きの良好なCu材の一種類のみで構成されてもよい。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合には、強度低下を招きやすい熱引き材54を内蔵した接地電極5を、上述のような断面係数の向上等によって、効果的に強度を向上させることができる。これにより、接地電極5の強度を向上させ、耐熱性を確保することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
1 スパークプラグ
2 ハウジング
21 先端面
3 絶縁碍子
4 中心電極
41 先端部
5 接地電極
51 基部
52 対向部

Claims (4)

  1. 筒状のハウジングと、上記ハウジングの内側に保持された絶縁碍子と、先端部が突出するように上記絶縁碍子の内側に保持された中心電極と、該中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えた内燃機関用のスパークプラグであって、
    上記接地電極は、上記ハウジングの先端面から先端側へ立設すると共に、上記中心電極の先端部に対向する対向部を有してなり、
    上記接地電極における上記ハウジングの先端面に接合された基部は、プラグ軸方向に直交する方向の断面形状が、上記スパークプラグの中心軸に向かって凹となる略円弧状をなしていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  2. 請求項1に記載の内燃機関のスパークプラグにおいて、上記接地電極における上記対向部は、中心電極との対向面を平坦面としていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  3. 請求項2に記載の内燃機関のスパークプラグにおいて、上記接地電極は、上記基部を含むと共に上記ハウジングの先端部から先端側へ立設した立設部と、上記対向部を含みプラグ軸方向と直交する横設部と、上記立設部と上記横設部との間に形成された屈曲部とからなり、該屈曲部よりも基部に近い側から上記横設部とにかけて、長手方向に直交する断面形状が略長方形状に形成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  4. 請求項1〜3に記載の内燃機関のスパークプラグにおいて、上記接地電極の内部には、少なくともCuを含んだ熱引き材が形成されていることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
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