JP5245578B2 - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等に使用する内燃機関用のスパークプラグに関する。
従来より、図13に示すように、例えば自動車等の内燃機関の燃焼室に導入される混合気の着火手段として用いられる内燃機関用のスパークプラグ9がある(例えば、特許文献1参照)。
該スパークプラグ9は、中心電極94と接地電極95とを有する。
該接地電極95は、取付金具92に固定されるとともに、接地電極95における中心電極94側の面である対向面において中心電極94に対向して配置された突出部951を有する。
該突出部951は、例えば、接地電極95を構成するための接地母材950に折り曲げ加工等を施すことにより、該接地電極95において一体的に形成されている。
ところが、上記従来のスパークプラグ9において突出部951を細径化すると、突出部951の強度が小さくなってしまうおそれがある。
そこで、接地電極95を、例えば、Niを主成分としてCrを1.5重量%含有してなるNi基合金により形成することが考えられる。
しかしながら、かかるNi基合金は硬度が大きいが、耐酸化性や耐火花消耗性に十分に優れているとはいえない。そのため、上記Ni基合金からなる接地電極95を用いても、突出部951を十分に細径化することができない。それゆえ、混合気に火花を放電して火炎核が形成されても、径の大きい突出部951を伝って火炎核の熱が引いてしまい、火炎の成長が阻害されてしまうおそれがある。その結果、着火性に優れたスパークプラグ9を得ることが困難となるおそれがある。
一方、図14に示すように、突出部951を、別部材によって形成してなるスパークプラグ90がある(例えば、特許文献2参照)。
ところが、かかる場合には、スパークプラグ90の製造工程における工数が増えてしまい、生産性に優れたスパークプラグ90を得ることが困難となるおそれがある。
また、突出部951を貴金属によって形成しているため、突出部951の材料コスト、ひいては、スパークプラグ90の製造コストが高くなってしまうおそれがある。
特開昭52−36238号公報 特開2003−317896号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、着火性及び生産性に優れる内燃機関用のスパークプラグを提供しようとするものである。
本発明は、外周に取付け用ネジ部を設けた取付金具と、碍子先端部が突出するように上記取付金具に保持される絶縁碍子と、電極先端部が上記碍子先端部から突出するように上記絶縁碍子に保持される中心電極と、該中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えた内燃機関用のスパークプラグであって、
上記接地電極は、上記取付金具に固定されるとともに、上記接地電極における上記中心電極側の面である対向面において上記中心電極に向かって上記接地電極の一部を突出させてなる凸部を有し、
上記凸部が形成されている軸方向の延長線上における接地電極の背面部には凹部が形成されており、
かつ、上記凸部は、接地母材を金型内において、上記接地電極の背面部を押圧治具により押圧して上記凹部を形成すると共に、接地母材の一部を押し出して突出形成したものであり、
該凸部の表面硬さは、上記接地電極における上記凸部及びその周辺部以外の部位の表面硬さよりも大きいことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグにある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果について説明する。
本発明において、上記凸部は、接地母材を金型内において、上記接地電極の背面部を押圧治具により押圧して上記凹部を形成すると共に、接地母材の一部を押し出して突出形成したものである。
そのため、上記凸部の表面硬さは、上記接地電極における上記凸部及びその周辺部以外の部位の表面硬さよりも大きい。また、比較的硬度の小さい材料を用いて接地電極を形成しても、凸部及びその周辺部の表面硬さを十分に大きくすることができる。それ故、強度を十分に確保しつつ凸部を細径化することができる。
そして、凸部を細径化することにより、凸部による火炎の成長の阻害を防ぐことができる。その結果、着火性に優れた内燃機関用のスパークプラグを得ることができる。
また、上記凸部は、上記接地電極の一部を突出させて形成したものである。すなわち、凸部は、接地電極において一体的に成形されるものであり、別部材によって凸部を形成する必要がない。そのため、スパークプラグの製造工程における工数を低減することができ、生産性に優れる内燃機関用のスパークプラグを得ることができる。
以上のとおり、本発明によれば、着火性及び生産性に優れる内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
本発明(請求項1)において、上記内燃機関用のスパークプラグは、例えば、自動車、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等における内燃機関の着火手段として用いることができる。
また、本発明のスパークプラグにおいて、内燃機関の燃焼室内に挿入される側を先端側、その反対側を基端側として説明する。
また、本発明において上記表面硬さは、ビッカース硬さである。
なお、上記周辺部は、例えば、上記凸部の中心軸に直交する断面において、上記凸部の幾何学的重心から、上記凸部の外接円の直径の3倍の距離の範囲内における上記接地電極の部位とすることができる。
また、上記表面硬さは、例えば、上記接地電極において、該接地電極の外表面からの距離が100μmの部分の硬度を計測したものとすることができる。
また、上記凸部の表面硬さをA、該凸部及びその周辺部以外の部位における上記接地母材の表面硬さをBとすると、A≧1.2Bの関係が成り立つことが好ましい(請求項2)。
この場合には、着火性及び生産性に十分に優れたスパークプラグを得ることができる。すなわち、凸部を細径化した場合においても、A≧1.2Bの関係が成り立つように構成することで、凸部の表面硬さを十分に大きくすることができる。それゆえ、着火性及び生産性に十分に優れたスパークプラグを得ることができる。
なお、A<1.2Bの場合には、着火性を向上させることが困難となってしまうおそれがある。
さらに、上記スパークプラグは、A≦2Bの関係が成り立つことが好ましい(請求項3)。
この場合には、加工性に優れるとともに、着火性及び生産性により一層優れたスパークプラグを得ることができる。
なお、A>2Bの場合には、加工性を向上させることが困難となってしまうおそれがある。
また、上記凸部は、表面硬さがビッカース硬さHvの値で140以上であることが好ましい(請求項4)。
この場合には、着火性を確保しつつ凸部の表面硬さを十分に大きくすることができる。それゆえ、着火性及び生産性に十分に優れたスパークプラグを得ることができる。
なお、上記凸部の表面硬さが140未満の場合には、着火性を確保することが困難となってしまうおそれがある。
さらに、上記凸部は、表面型さがビッカース硬さHvの値で240以下であることが好ましい(請求項5)。
この場合には、加工性を確保しつつ凸部の表面硬さを十分に大きくすることができる。これにより、着火性及び生産性により一層優れたスパークプラグを得ることができる。
また、上記接地電極は、Niを主成分として、Si、Y、Tiを含有するNi基合金からなることが好ましい(請求項6)。
この場合には、耐酸化性及び耐火花消耗性に優れた凸部を得ることができる。ただし、上記Ni基合金は、一般的には硬度が比較的小さいため、十分な強度が得がたい。したがって、上記Ni基合金を用いて形成した接地電極を有するスパークプラグにおいて本発明を適用することにより、凸部の強度を確保することができ、凸部の細径化、ひいてはスパークプラグの着火性を向上させることができる。
また、上述したように、上記Ni基合金は硬度が比較的小さいため、接地電極において凸部を容易に一体的に成形することができる。
また、上記Ni基合金は、主成分のNiに、Siを0.5〜1.5重量%、Yを0.01〜0.2重量%、Tiを0〜0.5重量%それぞれ含有してなることが好ましい(請求項7)。
この場合には、耐酸化性及び耐火花消耗性に優れた凸部を得ることができる。また、上記Ni基合金は硬度が比較的小さいが、かかるNi基合金を用いて形成された接地電極を有するスパークプラグにおいて本発明を適用することにより、スパークプラグの着火性を向上させることができる。
なお、Siの添加量が0.5重量%未満である場合には、耐酸化性を十分に向上させることが困難となり、1.5重量%を超える場合には、融点や熱伝導率が低下してしまうおそれがある。また、Yの添加量が0.01重量%未満である場合には、耐酸化性を十分に向上させることが困難となり、0.2重量%を超える場合には、熱間加工性、溶接性を十分に向上させることが困難となるおそれがある。また、Tiの添加量が0.5重量%を超える場合には、高温における強度、延性、耐粒界酸化性を十分に向上させることが困難となるおそれがある。
また、上記Ni基合金には、Ni、Si、Y、Ti以外の元素も不可避的不純物として含んでいてもよい。
(実施例1)
本発明の実施例に係る内燃機関用のスパークプラグについて、図1〜図7を用いて説明する。
本例のスパークプラグ1は、図1に示すように、外周に取付け用ネジ部20を設けた取付金具2と、碍子先端部30が突出するように取付金具2に保持される絶縁碍子3と、電極先端部40が碍子先端部30から突出するように絶縁碍子3に保持される中心電極4と、中心電極4との間に火花放電ギャップGを形成する接地電極5とを有する。
接地電極5は、図1〜図3に示すように、取付金具2に固定されるとともに、接地電極5における中心電極4側の面である対向面51において中心電極4に向かって接地電極5の一部を突出させてなる凸部510とを有する。
凸部510の表面硬さは、接地電極5における凸部510及びその周辺部以外の部位の表面硬さよりも大きい。すなわち、凸部510の表面硬さは、該凸部510を成形する前の接地電極5の表面硬さよりも大きい。
なお、上記表面硬さは、ビッカース硬さHv(0.5)にて測定することが好ましい。また、このビッカース硬さは、例えば、JIS Z2244−2003、ISO 6507−1:1997によって規定される微小ビッカース硬さ試験方法によって測定できる値である。
本例のスパークプラグ1は、例えば、自動車、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等における内燃機関の着火手段として用いることができる。
スパークプラグ1は、上述のように、外周に取付け用ネジ部20を有する取付金具2を有する。そして、取付け用ネジ部20において、内燃機関の燃焼室(図示略)の壁部に螺合される。また、取付金具2の先端面に、接地電極5の一端が接合されており、接地電極5の他端に形成される凸部510が、中心電極4の電極先端部40と対向する位置に配されるよう、接地電極5は屈曲成形されている。
本例の中心電極4の電極先端部40は、例えば、中心電極4と同材質のNi基合金、Ir、Rh、Ru等を含む貴金属のチップからなるものとすることができる。また、電極先端部40は、略円柱形状とすることができ、その直径は、例えば、1.5mmとすることができる。
接地電極5は、Niを主成分として、Si、Y、Tiを含有するNi基合金からなる。具体的には、Ni基合金は、主成分のNiに、Siを0.5〜1.5重量%、Yを0.01〜0.2重量%、Tiを0〜0.5重量%それぞれ含有してなる。
凸部510は、図3に示すように、頂面511が平坦面として形成されるとともに、頂面511と側面512との間に角部513を有している。
本例のスパークプラグ1においては、凸部510の表面硬さをA、接地電極5における凸部510及びその周辺部以外の部位の表面硬さをBとすると、1.2B≦A≦2Bの関係が成り立つ。具体的には、例えば、接地電極5における凸部510及びその周辺部の表面硬さはビッカース硬さHvの値で140以上240以下とすることができる。
また、本例においては、図1〜図3に示すように、凸部510が形成されている軸方向の延長線上における接地電極5の背面部52には、凹部520が形成されている。そして、本例において凸部510と凹部520とは略円柱形状である。
凸部510は、例えば、直径dを1.3〜1.5mm、突出量hを0.5〜0.8mmとすることができる。また、凹部520は、凸部510よりも直径が大きくなるよう構成されているが、凸部510よりも直径の小さい凹部520とすることもできる。
次に、本例のスパークプラグ1の製造方法について、図4〜図7を用いて説明する。
まず、図7(a)に示すように、接地電極5を構成する略平板状の接地母材50を固定した取付金具2内に中心電極4等を内側に挿通して配設する。
次に、図4に示すように、上記接地母材50を、凸部510を成形するための略円柱形状の凸部用キャビティ61を有する金型6に凸部用キャビティ61と対向面51とを対向させた状態で載置する。このとき、接地母材50は、図4、図6に示すように、幅方向の両側面53及び先端部分54を金型6に設けた側方当接面63及び先端当接面64に当接させた状態で金型6に載置される。
なお、この状態においては、接地母材50全体の表面硬さは略均一であり、その表面硬さは、例えば、ビッカース硬さHvの値で120である。
また、金型6には、図4〜図6に示すように、凸部用キャビティ61に対して摺動可能な可動型610が挿入配置されている。該可動型610は、接地母材50に対向する型面611を平面状に形成してなる。
そして、可動型610の位置を調整することによって凸部510の突出量を変更することができる。
そして、接地母材50に冷鍛加工を施すことにより凸部510を成形する。具体的には、図5、図6、図7(b)に示すように、押圧冶具7によって背面部52の一部を押圧して凹部520を形成するとともに接地母材50の一部を凸部用キャビティ61に押し出すことにより凸部510を成形する。すなわち、対向面51の一部が押し出され、その押し出された分の接地母材50が凸部用キャビティ61の内部に突出して凸部510が成形される。
なお、例えば、上記押圧治具7による圧力や、可動型610と押圧冶具7との間のクリアランスなどを調整することによって、1.2B≦A≦2Bの関係が成り立つよう構成することができる。
この状態において、凸部510の表面硬さは、接地母材50における凸部510及びその周辺部以外の部位の表面硬さよりも大きくなる。これは、接地母材50における凸部510及びその周辺部の結晶構造が緻密なものとなるためである。本例においては、凸部510及びその周辺部以外の部位における接地母材50の表面硬さは、例えば、Hvの値で120であり、凸部510及びその周辺部の表面硬さは、上述のように、ビッカース硬さHvの値で140以上240以下である。このように本例における凸部510の表面硬さは、凸部510成形前の接地母材50の表面硬さよりも大きい。
また、凸部510の頂面511は、接地母材50の一部が可動型610の型面611に当接することによって成形される。
また、押圧冶具7によって背面部52の一部を押し出すに当たっては、図4〜図6に示すように、接地母材50は、幅方向の両側面53及び先端部分54を金型6に設けた側方当接面63及び先端当接面64に当接させた状態で押圧冶具7によって押圧される。
次いで、可動型610を接地母材50の方へ押し出すことにより、凸部用キャビティ61から凸部510を引き出すことができ、加工を施した接地母材50を金型6から離型する。
次いで、図7(c)に示すように、電極先端部40と凸部510とが対向するように接地母材50を屈曲成形する。これにより、電極先端部40と凸部510との間に火花放電ギャップGが形成される。
次に、本例の作用効果について説明する。
凸部510の表面硬さは、接地電極5における凸部510及びその周辺部以外の部位の表面硬さよりも大きい。すなわち、比較的硬度の小さい材料を用いて接地母材50を形成しても、凸部510及びその周辺部の表面硬さを十分に大きくすることができる。そのため、強度を十分に確保しつつ凸部510を細径化することができる。そして、凸部510を細径化することにより、凸部510による火炎の成長の阻害を防ぐことができる。その結果、着火性に優れた内燃機関用のスパークプラグ1を得ることができる。
また、凸部510は、接地電極5の一部を突出させてなる。すなわち、凸部510は、接地電極5において一体的に成形されるものであり、別部材によって凸部510を形成する必要がない。そのため、スパークプラグ1の製造工程における工数を低減することができ、生産性に優れる内燃機関用のスパークプラグ1を得ることができる。
また、凸部510の表面硬さをA、接地電極5における凸部510及びその周辺部以外の部位の表面硬さをBとすると、1.2B≦A≦2Bの関係が成り立つ。これにより、加工性に優れるとともに、着火性及び生産性に十分に優れたスパークプラグ1を得ることができる。すなわち、本発明を適用して凸部510を細径化した場合においても、上述の関係が成り立つように構成することで、凸部510の表面硬さを十分に大きくすることができる。それゆえ、着火性及び生産性に十分に優れたスパークプラグ1を得ることができる。
また、凸部510は、表面硬さがビッカース硬さHvの値で140以上240以下である。すなわち、凸部510の表面硬さを十分に大きくすることができる。それゆえ、着火性及び生産性に一層スパークプラグ1を得ることができる。
また、接地母材50は、Niを主成分として、Si、Y、Tiを含有するNi基合金からなるため、耐酸化性及び耐火花消耗性に優れた凸部510を得ることができる。ただし、上記Ni基合金は、一般的には硬度が比較的小さいため、十分な強度が得がたい。したがって、上記Ni基合金を用いて形成した接地母材50を有するスパークプラグ1において本発明を適用することにより、凸部510の強度を確保することができ、凸部510の細径化、ひいてはスパークプラグ1の着火性を向上させることができる。
以上のとおり、本例によれば、着火性及び生産性に優れる内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
参考例1
本例は、図8〜図11に示すように、種々の形状を有する凸部510を有する接地電極5の参考例である。
なお、本例において使用した符号は、図1において使用した符号に準ずる。
図8は、略平板状の接地母材50の先端部分500における両側面53をプレス成形して凸部510を形成してなる接地電極5である。
すなわち、凸部510は、接地母材50の先端部分500の両側面53を冶具(図示略)によってプレス成形してなる。このとき、先端部分500の両側面53を押しつぶすことにより、その押しつぶされた分の接地母材50の材料を中心電極4側に突出させる。これにより、略四角柱形状の凸部510を形成する。本例では、先端部分500において形成された段部501において接地母材50の幅が小さくなっており、段部501より先端側の接地母材50の一部が凸部510を形成している。
図9は、接地母材50の先端部分500に、一対の側面部53をテーパ形状に形成したテーパ形成部55の対向面51側に凸部510が形成されている接地電極5である。本例においては、テーパ形成部55が形成されており、幅が減少した分の接地母材50によって凸部510が形成されている。
なお、テーパ形成部55の側面部53のなす角であるテーパ角θは、例えば、30°とすることができる。また、凸部510は、例えば、略1.3mm角からなる略四角柱形状であり、その突出量hを0.8mmとすることができる。
図10は、接地母材50の先端部分500の背面部52側において平板状に形成された背面先端部56から中心電極4に向かって凸部510が形成されている接地電極5である。すなわち、接地母材50の先端部分500の対向面51側がプレス成形されて押しつぶされることにより、その押しつぶされた分の接地母材5によって凸部510が形成されている。
図11は、接地母材50の先端部分500の背面部52側において平板状に形成されるとともに先端側が円弧状に形成された背面先端部56から中心電極4側に向かって凸部510が形成されている接地電極5である。なお、本例において、凸部510は例えば直径1.5mmの略円柱形状である。
以上のように、凸部510及び凹部520の形状は種々あるが、これらの場合にも、凸部510及び凹部520の形状以外については、実施例1と同様の構成及び同様の作用効果を有する。すなわち、上記いずれの接地電極5においても凸部510の表面硬さは、凸部510及びその周辺部以外の部位における接地母材50の表面硬さよりも大きく、凸部510は、十分に細径化されている。
なお、本発明のスパークプラグ1は、上述した態様に限定されるものではない。
(実施例
本例は、図12に示すように、リーン限界を調べた例である。
まず、本発明品として上記実施例1(図1〜図3)に示すような、電極先端部40の直径が1.5mm、凸部510の直径dが1.5mm、凸部510の突出量hが0.8mmであるスパークプラグを用意した。また、従来品として図15に示すような、接地電極5がNi−1.5重量%Cr合金のNi基合金からなるとともに、電極先端部40が直径2.5mmのNi基合金からなるスパークプラグを用意した。なお、従来品においては、接地電極5は、対向面51側に凸部を有しておらず、幅2.6mm、深さ1.4mmの溝部515を有している。
また、本発明品及び従来品はともに、取付金具2の先端部分から電極先端部40の先端部までの距離である火花位置を4mm、火花放電ギャップGを1.0mmとした。
なお、本例において使用した符号は、図1において使用した符号に準ずる。
上記スパークプラグを、1800cc、4気筒のエンジンの燃焼室内に配置して、アイドリング、700回転/分という条件において、A/Fの値を変化させながら燃焼変動率を測定してリーン限界を調べた。
なお、燃焼変動率とは、図示平均有効圧の(標準偏差/平均)×100%で示されるものである。また、リーン限界とは、着火可能な空燃比の限界であって、A/Fの値が大きいほど優れている。そして、燃焼変動率が大きくなるほど、着火性は低下する。
測定結果を図12に示す。なお、図12中の□は従来品の測定結果を示し、◇は本発明品の測定結果を示す。
同図からわかるように、例えば、同じ燃焼変動率においては、本発明品は従来品よりもA/Fの値が十分に大きい。すなわち、本発明品は、従来品よりもリーン限界が大きくなっており、より失火しにくくなることがわかる。このように、本発明品によれば、着火性に優れるスパークプラグを得ることができる。
(実施例
本例は、表1に示すように、凸部510が種々の形状を有するスパークプラグについて、着火性及び加工性を調べた例である。
すなわち、凸部510の高さhを0.1〜0.8mmの範囲で、凸部の直径dを0・9〜1.5mmの範囲で、凸部の表面硬さA(Hv)を120〜360の範囲でそれぞれ種々変更すとともに、接地電極5における凸部510及びその周辺部以外の部位の表面硬さB(Hv)を120に固定して作製した9個の試料のそれぞれについて、着火性及び加工性を調べた。
なお、上記着火性の良否は、内燃機関におけるA/Fの値をリーンシフトさせていき、エンジン振動が発生し始めたときの燃焼変動率のばらつきが、基準値以下であるか否かにより判断した。
また、上記加工性の良否は、製造時において、例えばクラックなどの外観上の不具合が接地電極5に発生しているか否かにより判断した。
また、本例において使用した符号は、図1において使用した符号に準ずる。
表1に実験結果を示す。
Figure 0005245578
表1からわかるように、凸部510の表面硬さA(Hv)を140以上(試料4〜9)とすることにより、着火性が向上する。
一方、凸部510の表面硬さA(Hv)を140未満(試料1〜3)とすると、着火性に優れたスパークプラグとすることが困難となることがわかる。
また、凸部510の表面硬さA(Hv)を接地電極5における凸部510及びその周辺部以外の部位の表面硬さB(Hv)にて除した値であるA/Bの値を2.5以下(試料1〜7)となるように構成すれば、加工性が向上することがわかる。
一方、上記A/Bの値が2.5を超える場合(試料8、9)には、加工性に優れたスパークプラグとすることが困難となることがわかる。
以上からわかるように、凸部510の表面硬さA(Hv)が140〜240であり、かつ、上記A/Bの値が1.2〜2.0である場合(試料4〜7)には、着火性の向上及び加工性の向上の双方を両立することができる。
実施例1における、スパークプラグの断面図。 実施例1における、スパークプラグの先端部分の斜視図。 実施例1における、(a)接地電極の先端部分の断面図、(b)接地電極の上面図。 実施例1における、凸部を成形する前の状態を示す接地電極の軸方向に平行な方向の断面説明図。 実施例1における、凸部を成形した後の状態を示す接地電極の軸方向に平行な方向の断面説明図。 実施例1における、凸部を成形する前の状態を示す接地電極の軸方向に直交する方向の断面説明図。 実施例1における、(a)凸部を成形する前の状態を示すスパークプラグの先端部分の説明図、(b)凸部を成形した後の状態を示すスパークプラグの先端部分の断面図、(c)火花放電ギャップを形成した状態を示すスパークプラグの説明図。 参考例1における、(a)接地電極の先端部分の側面図、(b)接地電極の先端部分の下面図、(c)接地電極の先端部分の斜視図。 参考例1における、(a)接地電極の先端部分の側面図、(b)接地電極の先端部分の下面図、(c)接地電極の先端部分の斜視図。 参考例1における、(a)接地電極の先端部分の側面図、(b)接地電極の先端部分の下面図、(c)接地電極の先端部分の斜視図。 参考例1における、(a)接地電極の先端部分の側面図、(b)接地電極の先端部分の下面図、(c)接地電極の先端部分の斜視図。 実施例における、燃焼変動率とリーン限界との関係を示す線図。 従来例における、スパークプラグの先端部分の断面図。 従来例における、スパークプラグの断面図。 従来例における、スパークプラグの先端部分の斜視図。
符号の説明
1 スパークプラグ
2 取付金具
20 取付用ネジ部
3 絶縁碍子
30 碍子先端部
4 中心電極
40 電極先端部
5 接地電極
51 対向面
510 凸部

Claims (7)

  1. 外周に取付け用ネジ部を設けた取付金具と、碍子先端部が突出するように上記取付金具に保持される絶縁碍子と、電極先端部が上記碍子先端部から突出するように上記絶縁碍子に保持される中心電極と、該中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えた内燃機関用のスパークプラグであって、
    上記接地電極は、上記取付金具に固定されるとともに、上記接地電極における上記中心電極側の面である対向面において上記中心電極に向かって上記接地電極の一部を突出させてなる凸部を有し、
    上記凸部が形成されている軸方向の延長線上における接地電極の背面部には凹部が形成されており、
    かつ、上記凸部は、接地母材を金型内において、上記接地電極の背面部を押圧治具により押圧して上記凹部を形成すると共に、接地母材の一部を押し出して突出形成したものであり、
    該凸部の表面硬さは、上記接地電極における上記凸部及びその周辺部以外の部位の表面硬さよりも大きいことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  2. 請求項1において、上記凸部の表面硬さをA、上記接地電極における上記凸部及びその周辺部以外の部位の表面硬さをBとすると、A≧1.2Bの関係が成り立つことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  3. 請求項2において、A≦2Bの関係が成り立つことを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記凸部は、表面硬さがビッカース硬さHvの値で140以上であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  5. 請求項4において、上記凸部は、表面硬さがビッカース硬さHvの値で240以下であることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記接地電極は、Niを主成分として、Si、Y、Tiを含有するNi基合金からなることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
  7. 請求項6において、上記Ni基合金は、主成分のNiに、Siを0.5〜1.5重量%、Yを0.01〜0.2重量%、Tiを0〜0.5重量%それぞれ含有してなることを特徴とする内燃機関用のスパークプラグ。
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