JP2012129026A - スパークプラグ並びにその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】失火の回避と生産性の向上とを両立させるスパークプラグの提供。
【解決手段】内燃機関に装着される装着金具10と、装着金具10に接合される接地電極50と、接地電極50との間に火花放電ギャップGを形成する中心電極30とを備えるスパークプラグ1であって、接地電極50は、装着金具10と共に表面56にメッキ層60が2〜18μmの厚さで形成されてなり、塑性加工により中心電極30側に向かって突出形成された凸部54を、先端部52に有すると共に、装着金具10と接合される基端部51側から先端部52側に向かって曲がる形状を、有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関用のスパークプラグに関する。
従来、自動車、二輪車等の内燃機関へ導入される混合気を燃焼させるために、火花放電を発生させるスパークプラグが知られている。一般にスパーグプラグは、内燃機関に装着される装着金具と、装着金具に接合される接地電極と、接地電極との間に火花放電ギャップを形成する中心電極とを備えている。
こうしたスパークプラグの一種として特許文献1には、塑性加工としてのプレス成形を接地電極に施すことにより、中心電極側に向かって突出する凸部を当該接地電極に形成することが、開示されている。このように凸部が突出形成されてなる接地電極と中心電極との間では、火花放電により生成される火炎核と接地電極との接触面積が減少するので、当該接触により火炎核が冷える消炎作用を軽減して、混合気に対する着火性を向上させることができる。また、接地電極の凸部と中心電極との間では電界強度が高くなるので、それによっても、着火性を向上させることができるのである。
特開2009−54574号公報
さて、スパークプラグにおいて装着金具の表面には、防錆等を目的としてメッキ層を形成する場合がある。一方、そうした装着金具と共に、接地電極の表面にもメッキ層を形成した状態で、特許文献1の如く塑性加工を接地電極に施して凸部を形成すると、メッキ層が剥離し、その後におけるスパークプラグの使用時に失火を招く事態が、懸念される。そのため、装着金具に接合された接地電極の表面をマスキングして、当該装着金具の表面に選択的にメッキ層を形成する方法が考えられるが、この場合、マスキングを実施する分、製造過程が複雑になって生産性を低下させることになる。
以上説明した問題に鑑みてなされた本発明の目的は、失火の回避と生産性の向上とを両立させるスパークプラグ並びにその製造方法を、提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関に装着される装着金具と、装着金具に接合される接地電極と、接地電極との間に火花放電ギャップを形成する中心電極とを備えるスパークプラグであって、接地電極は、装着金具と共に表面にメッキ層が2〜18μmの厚さで形成されてなり、塑性加工により中心電極側に向かって突出形成された凸部を、先端部に有する。
この発明では、中心電極側に向かって突出する凸部を形成するための塑性加工を、表面にメッキ層の形成された接地電極に対して施すと、メッキ層が剥離して、その後におけるスパークプラグの使用時に失火を招く事態が、懸念される。しかし、メッキ層の厚さを2〜18μmに制限することによれば、メッキ層本来の役割を果たすための厚さを確保しつつも、接地電極の塑性加工に拘らず剥離を抑制可能な薄膜状に、メッキ層を形成することができる。さらに、こうした効果を齎す厚さのメッキ層は、装着金具の表面と共に、接地電極の表面にも形成されるものであるので、当該メッキ層の形成時に接地電極のマスキングを実施する必要がなく、製造過程が簡素になる。これらのことから、メッキ層の剥離に起因した失火を回避することと、製造過程の簡素化により生産性を向上させることを、両立して達成可能となるのである。
請求項2に記載の発明によると、接地電極は、装着金具との接合側から先端部側に向かって曲がる形状を、有する。この発明では、接地電極を装着金具との接合側から先端部側に向かって曲げる形状とするための塑性加工を、表面にメッキ層の形成された接地電極に対して施すと、メッキ層が剥離して、その後におけるスパークプラグの使用時に失火を招く事態も、懸念される。しかし、メッキ層の厚さを2〜18μmに制限するので、上述したように、接地電極の塑性加工に拘らず剥離を抑制可能な薄膜状に、メッキ層を形成することができる。したがって、凸部の形成される先端部側へ向かって接地電極が曲がる構成にあっても、装着金具の表面と同じメッキ層の形成により生産性の向上を図りつつ、当該メッキ層の剥離に起因した失火を回避可能となるのである。
請求項3に記載の発明によると、接地電極は、Niを主成分としてSi、Y、Tiを含有するNi合金から形成され、メッキ層は、Niから形成される。この発明のように、Niを主成分としてSi、Y、Tiを含有するNi合金から形成の接地電極については、スパークプラグ使用時の耐久性を満足可能な範囲にて硬度を比較的小さくできるので、塑性変形による凸部の突出形成が容易となって生産性が向上する。しかも、接地電極の主成分であるNiから形成されるメッキ層については、熱応力や化学的相性等の材料特性が当該接地電極と近似するので、当該接地電極との密着性に富むものとなる。故に、厚さが2〜18μmのメッキ層を形成してなる接地電極に塑性加工を施す際には、メッキ層の剥離抑制効果として高い効果が発揮され得るのである。
請求項4に記載の発明は、内燃機関に装着される装着金具と、装着金具に接合される接地電極と、接地電極との間に火花放電ギャップを形成する中心電極とを備えるスパークプラグを、製造する方法であって、装着金具の表面と共に、接地電極の表面に、2〜18μmの厚さのメッキ層を形成するメッキ層形成工程と、メッキ層の形成された接地電極に塑性加工を施すことにより、中心電極側に向かって突出することになる凸部を接地電極の先端部に形成する凸部形成工程とを、含む。
この発明では、中心電極側に向かって突出することになる凸部を形成するための塑性加工を、表面にメッキ層の形成された接地電極に対して施す凸部形成工程では、メッキ層が剥離して、製造後におけるスパークプラグの使用時に失火を招く事態が、懸念される。しかし、凸部形成工程に先立つメッキ層形成工程にてメッキ層の厚さを2〜18μmに制限することによれば、メッキ層本来の役割を果たすための厚さを確保しつつも、接地電極の塑性加工に拘らず剥離を抑制可能な薄膜状に、メッキ層を形成することができる。さらに、こうした効果を齎す厚さのメッキ層は、装着金具の表面と共に、接地電極にも形成するものであるので、メッキ層形成工程にて接地電極のマスキングを実施する必要がなく、製造過程が簡素になる。これらのことから、メッキ層の剥離に起因した失火を回避することと、製造過程の簡素化により生産性を向上させることを、両立して達成可能となるのである。
請求項5に記載の発明は、メッキ層及び凸部の形成された接地電極に塑性加工を施すことにより、装着金具との接合側から先端部側に向かって接地電極を曲げる電極曲げ工程を、含む。この発明では、接地電極を装着金具との接合側から先端部側に向かって曲げるための塑性加工を、表面にメッキ層の形成された接地電極に対して施す電極曲げ工程では、メッキ層が剥離して、製造後におけるスパークプラグの使用時に失火を招く事態も、懸念される。しかし、電極曲げ工程に先立つメッキ層形成工程にてメッキ層の厚さを2〜18μmに制限するので、上述したように、接地電極の塑性加工に拘らず剥離を抑制可能な薄膜状に、メッキ層を形成することができる。したがって、凸部形成工程にて凸部の形成された先端部側へ向かって接地電極を曲げる場合にあっても、装着金具の表面と同じメッキ層の形成により生産性の向上を図りつつ、当該メッキ層の剥離に起因した失火を回避可能となるのである。
請求項6に記載の発明によると、メッキ層形成工程において、Niを主成分としてSi、Y、Tiを含有するNi合金から形成される接地電極の表面に、メッキ層をNiから形成する。この発明のように、Niを主成分としてSi、Y、Tiを含有するNi合金から形成の接地電極については、スパークプラグ使用時の耐久性を満足可能な範囲にて硬度を比較的小さくできるので、塑性変形による凸部の突出形成が凸部形成工程にて容易となって生産性が向上する。しかも、接地電極の主成分であるNiからメッキ層形成工程にて形成するメッキ層については、熱応力や化学的相性等の材料特性が当該接地電極と近似するので、当該接地電極との密着性に富むものとなる。故に、厚さが2〜18μmのメッキ層を形成してなる接地電極に塑性加工を施す工程では、メッキ層の剥離抑制効果として高い効果が発揮され得るのである。
本発明の一実施形態によるスパークプラグを示す断面図である。 図1の要部を拡大して示す斜視図である。 図1の要部を拡大して示す断面図である。 図1のスパークプラグに関する実施例1〜3の結果を示す模式図である。 図1のスパークプラグに関する実施例1について説明するための模式図である。 図1のスパークプラグの製造方法を示すフローチャートである。 図1のスパークプラグの変形例を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態によるスパークプラグ1を示している。スパークプラグ1は、例えば自動車、二輪車、コージェネレーション、ガス圧送用ポンプ等に搭載される内燃機関に適用され、当該内燃機関へ導入される混合気を燃焼させるために火花放電を発生させる。スパークプラグ1は、装着金具10、絶縁碍子20、中心電極30、接続端子40及び接地電極50を備えている。
装着金具10は、例えば炭素鋼等の金属から円筒状に形成されている。装着金具10の外周部には、螺子留めにより内燃機関の例えばシリンダヘッド等に装着される雄螺子部12が、設けられている。
絶縁碍子20は、例えばアルミナ等のセラミック絶縁体から円筒状に形成されている。絶縁碍子20は、装着金具10の内周側に同軸上に嵌合固定され、当該金具10の両側開口から外方に軸方向の両端部をそれぞれ突出させている。
中心電極30は、例えばNi合金(後に詳述する接地電極50の形成材料と同一材料)等の金属から円柱状に形成されている。中心電極30は、絶縁碍子20の内周側に同軸上に嵌合固定され、当該碍子20の一方の開口から外方に軸方向の一端部を突出させている。中心電極30において碍子20よりも突出する突出側端部には、例えばIr、Rh、Ru等の貴金属製チップ32が、固着されている。尚、チップ32を固着する代わりに、中心電極30の突出側端部を例えば切削により細く加工することで、当該チップ32と同一の機能を果たすようにしてもよい。
接続端子40は、金属から円柱状に形成されている。接続端子40は、絶縁碍子20の内周側に同軸上に嵌合固定され、当該碍子20のうち中心電極30とは反対側の開口から外方に軸方向の一端部を突出させている。接続端子40は、中心電極30を内燃機関の点火コイルの高圧端子に電気的に接続する。
接地電極50は、金属から矩形横断面の帯状に形成されている。接地電極50は、装着金具10の一端部に機械的且つ電気的に接続される基端部51側から、中心電極30のチップ32と対向する先端部52側へ向かって曲がる形状、特に端部51,52間にて屈曲する形状を有している。また、接地電極50において先端部52には、中心電極30に向かって突出する凸部54、特に中心電極30とは反対側に円筒孔状の凹部55が重なる円柱状の凸部54が、設けられている。この凸部54については、図2に示す直径dが1.0〜1.8mm程度、且つ同図に示す突出高さhが0.5〜1.0mm程度となるように、形成される。また、この凸部54と中心電極30のチップ32との間に形成される火花放電ギャップGについては、0.8〜1.0mm程度に調整される。
ここで、曲がり形状の接地電極50は、後に詳述するような塑性加工としての曲げ加工により、形成される。また、接地電極50の凸部54は、後に詳述するような塑性加工としてのプレス成形により、凹部55の凹み側に形成される。したがって、これらの塑性加工を施してなる接地電極50の形成材料としては、高温の混合気中における耐酸化性及び耐火花消耗性に優れるだけでなく、硬度が比較的小さいことにより加工の容易な金属、特にNiを主成分としてSi、Y、Tiを含有するNi合金が、選択される。このNi合金について具体的には、0.5〜1.5重量%のSiと、0.01〜0.2重量%のYと、0〜0.5重量%のTiとを含有していることが、好ましい。また、Ni合金については、Ni、Si、Y、Ti以外の元素を不純物として不可避的に含有するものであってもよい。
そして、図3に示すように、凸部54の突出側端面及び外周面を含む接地電極50の全表面56には、装着金具10の表面14と共に、金属製のメッキ層60が形成されている。このメッキ層60の形成金属としては、接地電極50及び装着金具10を被覆することで防錆効果を発揮可能な金属、例えばNi、Zr、Cu、Pt、Sn、Cr等を選択可能である。ここで特に、Ni主成分且つSi、Y、Ti含有のNi合金から接地電極50を形成する場合には、熱応力や化学的相性等の材料特性が接地電極50と近似するようにメッキ層60をNiから形成することで、メッキ層60と接地電極50との密着性を高めることが、好ましい。また、メッキ層60の形成方法としては、形成金属の種類に応じて適切なメッキ方法を選択可能であり、例えば接地電極50を陰極にして金属を電解析出させる電解メッキ、又は接地電極50をメッキ液中に浸漬して金属を化学的に還元析出させる無電解メッキ等が選択される。
こうして接地電極50及び装着金具10の各表面56,14に形成されるメッキ層60の厚さTについて、最適な値に制限することに、本実施形態の特徴がある。そこで、以下では、メッキ層60の厚さTとして所望の特性が得られる範囲を決定するために行った実施例1〜3について、詳細に説明する。
まず、実施例1として防錆性試験を行った。この防錆性試験は、厚さの異なるメッキ層60を形成した炭素鋼製の装着金具10を、温度40度且つ湿度95%の高温多湿の環境下に72時間晒した後、錆の発生の有無を目視により確認した。装着金具10の表面14のうち10%以上の面積に錆の発生が確認された場合には、防錆性不良(×)、錆の発生面積が10%未満の場合には、防錆性良好(○)として判断した結果を、図4に示す。この図4の結果から明らかなように、メッキ層60の厚さTが2μm未満になると、メッキ層60の本来の役割である装着金具10に対する防錆性が悪化することになるので、当該厚さTを2μm以上とすることが、好ましいのである。
次に、実施例2として凸加工試験を行った。この凸加工試験は図5に示すように、接地電極50の母材として、Ni主成分且つSi、Y、Ti含有のNi合金からなる矩形横断面の帯状平板試験片50aを複数準備し、それら各試験片50a毎に厚さの異なるメッキ層60を形成する。さらに、こうしてメッキ層60を形成した各試験片50aに対し、塑性加工として図4の如きパンチ70及び金型72を用いたプレス成形を施すことで、直径dが1.5mm且つ突出高さhが0.7mmの凸部54を形成した後、メッキ層60の剥離の有無を目視により確認した。メッキ層60の剥離が確認された場合には、剥離異常あり(×)、メッキ層60が剥離していない場合には、剥離異常なし(○)として判断した結果を、図4に示す。この図4の結果から明らかなように、メッキ層60の厚さTが18μmを超えると、メッキ層60が厚くなり過ぎて剥離が発生し易くなるので、当該厚さTを18μm以下とすることが、好ましいのである。
次に、実施例3として曲げ加工試験を行った。この曲げ加工試験は、上記実施例2と同様に、Ni主成分且つSi、Y、Ti含有のNi合金からなる矩形横断面の帯状平板試験片50aを複数準備し、それら各試験片50a毎に厚さの異なるメッキ層60を形成する。さらに、こうしてメッキ層60を形成した各試験片50aに対し、塑性加工としてJIS H8504 1999に準じた曲げ加工を1回だけ施した後、メッキ層60の剥離の有無を目視により確認した。メッキ層60の剥離が確認された場合には、剥離異常あり(×)、メッキ層60が剥離していない場合には、剥離異常なし(○)として判断した結果を、図4に示す。この図4の結果から明らかなように、メッキ層60の厚さTが28μmを超えると、メッキ層60が厚くなり過ぎて剥離が発生し易くなるので、接地電極50の曲げという観点では当該厚さTを28μm以下とすることが、好ましいのである。
以上説明した実施例1〜3の結果も踏まえて、図3に示すメッキ層60の厚さTは、2〜18μmの厚さに、特に好ましくは4〜12μmの厚さに制限されるのである。尚、図3及び先述の図5において示されるメッキ層60ついては、説明を理解し易くするために、接地電極50の厚さに対して実際よりも厚く描かれている。
ここまで、スパークプラグ1の構成について説明したが、以下、同スパークプラグ1の製造方法の具体例について、図6のフローチャートに従って説明する。
まず、S101の接合工程では、Ni主成分且つSi、Y、Ti含有のNi合金からなる接地電極50を、矩形横断面の帯状平板の形態(図5の試験片50aと実質的に同じ形態)で、炭素鋼製の装着金具10に接合する。
次に、S102のメッキ層形成工程では、接合された接地電極50及び装着金具10の各表面56,14に、2〜18μmの範囲内となる略一定の厚さTにて、Niのメッキ層60を形成する。メッキ層60の形成に電解メッキを選択する場合、Ni含有の電解浴中に浸漬した接地電極50を陰極として直流電解又はパルス電解を行って、接地電極50及び装着金具10の各表面56,14に厚さTとなるまでNiを析出させることで、メッキ層60を成膜する。一方、メッキ層60の形成に無電解メッキを選択する場合、Ni含有の無電解浴中に浸漬した接地電極50の酸化還元反応により、接地電極50及び装着金具10の各表面56,14に厚さTとなるまでNiを析出させることで、メッキ層60を成膜する。
続いて、S103の組付工程では、メッキ層60の形成された接地電極50及び装着金具10の接合物に対し、スパークプラグ1の残りの構成要素20,30,40を組み付ける。
続いて、S104の凸部形成工程では、要素10,20,30,40,50の組付体においてメッキ層60の形成された接地電極50に対し、塑性加工としてパンチ及び金型(図5のパンチ70及び金型72に準ずる形状の治具)を用いたプレス成形を施すことで、凹部55と重なる凸部54を形成する。このとき用いるパンチについては、凸部54の直径dが1.0〜1.8mm程度、且つ凸部54の突出高さhが0.5〜1.0mm程度となるように、設計されている。
続いて、S105の電極曲げ工程では、要素10,20,30,40,50の組付体においてメッキ層60及び凸部54の形成された接地電極50に対し、塑性加工としてローラ等の治具を用いた曲げ加工を施すことで、端部51,52間にて屈曲する形状の接地電極50を得る。このとき、接地電極50の凸部54と中心電極30のチップ32との間の火花放電ギャップGが0.8〜1.0mm程度となるように、治具の動作制御が行われる。こうして、スパークプラグ1が完成することになるのである。
以上説明したように、凸部54を形成するための塑性加工を、表面56にメッキ層60の形成された接地電極50に対して施すS104の凸部形成工程では、メッキ層60が剥離して、製造後におけるスパークプラグ1の使用時に失火を招く事態が、懸念される。しかし、S102のメッキ層形成工程にてメッキ層60の厚さTを2〜18μmに制限することから、メッキ層60の本来の役割である防錆性を発揮可能な厚さを確保しつつも、接地電極50の塑性加工に拘らず剥離を抑制可能な薄膜状に、メッキ層60を形成することができる。しかも、こうした効果を齎す厚さのメッキ層60は、装着金具10の表面14と共に、接地電極50の表面56にも形成するものであるので、S102のメッキ層形成工程において接地電極50のマスキングを実施する必要がなく、製造過程が簡素になる。これらのことから、メッキ層60の剥離に起因した失火を回避することと、製造過程の簡素化により生産性を向上させることを、両立して達成可能となるのである。
さらに、接地電極50を曲げるための塑性加工を、表面56にメッキ層60の形成された接地電極50に対して施すS105の電極曲げ工程では、メッキ層60が剥離して、スパークプラグ1の使用時に失火を招く事態も、懸念される。しかし、上述したようにメッキ層60の厚さTを2〜18μmに制限することから、接地電極50の塑性加工に拘らず剥離を抑制可能な薄膜状に、メッキ層60を形成することができる。したがって、凸部54の形成された先端部52側へ向かって接地電極50を曲げる場合にあっても、装着金具10の表面14と同じメッキ層60の形成により生産性の向上を図りつつ、当該メッキ層60の剥離に起因した失火を回避可能となるのである。
またさらに、Ni主成分且つSi、Y、Ti含有のNi合金から形成した場合の接地電極50については、スパークプラグ1の使用時の耐久性を満足可能な範囲にて硬度を比較的小さくできるので、塑性変形による凸部54の形成がS104の凸部形成工程にて容易となる。故に、生産性の向上効果として高い効果が発揮され得る。加えて、S102のメッキ層形成工程にて接地電極50の主成分であるNiから形成した場合のメッキ層60については、熱応力や化学的相性等の材料特性が接地電極50と近似するので、接地電極50との密着性に富むものとなる。故に、厚さTが2〜18μmのメッキ層60を形成してなる接地電極50に塑性加工を施すS104,S105の各工程では、メッキ層60の剥離抑制効果として高い効果が発揮され得るのである。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、当該実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
例えば凸部54については、接地電極50の帯状母材を鍛造により幅方向に押し潰すことにより、図7(a)に示す如き形状に形成してもよいし、接地電極50の帯状母材を鍛造により厚さ方向に押し潰すことにより、図7(b)に示す如き形状に形成してもよいのである。
1 スパークプラグ、10 装着金具、12 雄螺子部、14 表面、20 碍子、20 絶縁碍子、30 中心電極、32 チップ、40 接続端子、50 接地電極、50a 試験片、51 基端部、52 先端部、54 凸部、55 凹部、56 表面、60 メッキ層、70 パンチ

Claims (6)

  1. 内燃機関に装着される装着金具と、前記装着金具に接合される接地電極と、前記接地電極との間に火花放電ギャップを形成する中心電極とを備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極は、前記装着金具と共に表面にメッキ層が2〜18μmの厚さで形成されてなり、塑性加工により前記中心電極側に向かって突出形成された凸部を、先端部に有することを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記接地電極は、前記装着金具との接合側から先端部側に向かって曲がる形状を、有することを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記接地電極は、Niを主成分としてSi、Y、Tiを含有するNi合金から形成され、
    前記メッキ層は、Niから形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 内燃機関に装着される装着金具と、前記装着金具に接合される接地電極と、前記接地電極との間に火花放電ギャップを形成する中心電極とを備えるスパークプラグを、製造する方法であって、
    前記装着金具の表面と共に、前記接地電極の表面に、2〜18μmの厚さのメッキ層を形成するメッキ層形成工程と、
    前記メッキ層の形成された前記接地電極に塑性加工を施すことにより、前記中心電極側に向かって突出することになる凸部を前記接地電極の先端部に形成する凸部形成工程とを、含むことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  5. 前記メッキ層及び前記凸部の形成された前記接地電極に塑性加工を施すことにより、前記装着金具との接合側から先端部側に向かって前記接地電極を曲げる電極曲げ工程を、含むことを特徴とする請求項4に記載のスパークプラグの製造方法。
  6. 前記メッキ層形成工程において、Niを主成分としてSi、Y、Tiを含有するNi合金から形成される前記接地電極の表面に、前記メッキ層をNiから形成することを特徴とする請求項4又は5に記載のスパークプラグの製造方法。
JP2010278365A 2010-12-14 2010-12-14 スパークプラグ並びにその製造方法 Pending JP2012129026A (ja)

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