JP4534181B2 - 強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材 - Google Patents
強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、強度、切削性特にドリル加工性およびクリンチング性に優れた各種機械部品を製造するためのアルミニウム合金押出し材に関するものであり、特にアンチロックブレーキシステム・ハウジング(以下、ABSハウジングという)、油圧配管コネクタなどの作製時にドリル加工が多用される機械部品の素材として最適なアルミニウム合金押出し材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ABSハウジング、油圧配管コネクタなどドリル加工が多用される機械部品の素材は、中程度以上の機械的強度を有し、さらに良好な切削性を有する材料が広く用いられてきた。この素材としてJIS6061合金(Si:0.4〜0.8%、Fe:0.7%以下、Cu:0.15〜0.4%、Mn:0.15%以下、Mg:0.8〜1.2%、Cr:0.04〜0.35%、Zn:0.25%以下、Ti:0.15%以下を含有し、残部がAlおよび不可避不純物)、またはJIS6262合金(Si:0.4〜0.8%、Cu:0.15〜0.4%、Mg:0.8〜1.2%、Pb:0.4〜0.7%、Bi:0.4〜0.7%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物)からなるアルミニウム合金押出し材が広く使用されている。
しかし、前記JIS6262合金は切削性に優れているもののPb、Biが含まれており、特に、近年、Al合金のリサイクル化が広く行なわれており、リサイクル製品に人体に有害なPbやBiが混入することは好ましくない。
したがって、近年は、切削性を多少犠牲にしてもPbやBiを含まないJIS6061合金が各種の機械部品用アルミニウム合金押出し材として用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、非常に狭い間隔でドリル加工により多穴を設ける必要のあるABSハウジングなどの機械部品の素材となるアルミニウム合金押出し材は、切削性特にドリル加工性に優れた特性を必要とし、さらに、ドリルで穴あけ加工を施した後、その穴にバルブを挿入してバルブをかしめ加工(クリンチング加工)することにより固着する操作を行なうが、かしめ部分に亀裂などの欠陥が発生するようでは好ましくない(以下、かしめ加工によりかしめ部分に亀裂などの欠陥が発生することのない特性をクリンチング性という)。
この発明は、ABSハウジングなどのような機械部品を製造するための素材として用いることのできる中程度以上の機械的強度、切削性特にドリル加工性およびクリンチング性に優れたアルミニウム合金押出し材を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、中程度以上の機械的強度を有し、さらに良好な切削性特にドリル加工性を有するとともにクリンチング性にも優れたアルミニウム合金押出し材を得るべく研究を行った結果、
(イ)質量%で(以下、%は質量%を示す)、Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成を有し、さらに内部組織を繊維状組織としたAl合金からなる押出し材は、中程度以上の機械的強度を有し、さらに良好な切削性を有するとともにクリンチング性にも優れており、各種機械部品の素材に適している、
(ロ)前記(イ)のAl合金に、さらにZr:0.03〜0.30%およびCr:0.03〜0.50%の内の少なくとも1種を含有させることにより繊維状組織がより発達し、切削性が向上するが、ZrはCrよりも少量で効果を発揮するのでZrを必須成分として含有する方が好ましい、
(ハ)前記(イ)〜(ロ)のAl合金に、さらにCu:0.03〜0.4%を含有させると、Cuは素地に固溶して強度を向上させるとともに、歪硬化能を向上させるため切削加工における切粉分断性を一層改善する、
(ニ)前記(イ)〜(ハ)のAl合金に、さらにSrを0.01〜0.1%含有させると、強度、切削性、クリンチング性が一層向上する、
という知見を得たのである。
【0005】
この発明は、かかる知見に基づいて成されたものであって、
(1)質量%で(以下、%は質量%を示す)、Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(2)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Zr:0.03〜0.30%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(3)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Cr:0.03〜0.50%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(4)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Zr:0.03〜0.30%、Cr:0.03〜0.50%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(5)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Cu:0.03〜0.4%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(6)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Zr:0.03〜0.30%、Cu:0.03〜0.4%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(7)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Cr:0.03〜0.50%、Cu:0.03〜0.4%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(8)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Zr:0.03〜0.30%、Cr:0.03〜0.50%、Cu:0.03〜0.4%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(9)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Sr:0.01〜0.1%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(10)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Zr:0.03〜0.30%、Sr:0.01〜0.1%、Sr:0.01〜0.1%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(11)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Cr:0.03〜0.50%、Sr:0.01〜0.1%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(12)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Zr:0.03〜0.30%、Cr:0.03〜0.50%、Sr:0.01〜0.1%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(13)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Cu:0.03〜0.4%、Sr:0.01〜0.1%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(14)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Zr:0.03〜0.30%、Cu:0.03〜0.4%、Sr:0.01〜0.1%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(15)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Cr:0.03〜0.50%、Cu:0.03〜0.4%、Sr:0.01〜0.1%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
(16)Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%、Zr:0.03〜0.30%、Cr:0.03〜0.50%、Cu:0.03〜0.4%、Sr:0.01〜0.1%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなる強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材、
に特徴を有するものである。
【0006】
この発明の強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材は、多くのドリル穴あけ加工を施した後、その穴にバルブを挿入してクリンチング加工するABSハウジングを作製するための素材として最も適している。したがって、この発明は、
(17)前記(1)〜(16)記載の強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材で作製したABSハウジング、に特徴を有するものである。
【0007】
この発明の強度、切削性特にドリル加工性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材の成分組成を上述のごとく限定した理由を述べる。
【0008】
Si:
Siは、Mgと共存することによりMg2 Siを素地中に析出し、合金の強度向上に寄与する作用を有し、さらにMg2 Siの均衡組成に対し、余剰のSiが適量存在することにより、母相中にSi晶出相が均一に分散することで、更なる強化効果および切削性特にドリル加工性向上効果が得られるが、Si含有量が1.7%以下では前述の効果が十分でなく、一方、Si含有量が5.0%を越えると成形性、耐食性が低下すると共に過剰なSi相のために切削工具の摩耗が激しく、工具寿命が短くなるので好ましくない。したがって、Siの含有量は、1.7超〜5.0%に定めた。Siの含有量の一層好ましい範囲は1.7超〜3.0%である。
【0009】
Mg:
Mgは、Siと共存することによりMg2 Siを素地中に析出し、合金の強度を向上させる作用を有するが、Mg含有量が0.4%未満では前述の効果が十分でなく、一方、Mg含有量が1.0%を越えると成形性、耐食性が低下するので好ましくない。したがって、Mgの含有量は、0.4〜1.0%に定めた。Mgの含有量の一層好ましい範囲は0.5〜0.8%である。
【0010】
Mn:
Mnは、Alとの化合物粒子を生成し、押出し加工時の再結晶を抑制し、繊維状組織を発達させることにより、合金の強度および切削加工性を高める作用を有するので添加するが、その含有量が0.03%未満では所望の効果が得られず、一方、0.50%を越えて含有しても更なる効果が期待できない。したがって、Mn:0.03〜0.50%(一層好ましくは0.1〜0.3%)に定めた。
【0011】
希土類元素:
希土類元素は、Al合金の切削性を一段と向上させる作用があるが、その含有量が0.001%未満では所望の効果が得られず、一方、1%を越えて含有しても更なる効果が期待できない。したがって、希土類元素:0.001〜1%(一層好ましくは0.3〜0.7%)に定めた。
【0012】
Zr:
Zrは、Alとの化合物粒子を生成し、押出し加工時の再結晶を抑制し、繊維状組織を発達させることにより、合金の強度および切削性特にドリル加工性を高める作用を有するので添加するが、その含有量が0.03%未満では所望の効果が得られず、一方、0.30%を越えて含有しても更なる効果が期待できない。したがって、Zr:0.03〜0.30%(一層好ましくは0.05〜0.
2%)に定めた。
【0013】
Cr:
Crは、Alとの化合物粒子を生成し、押出し加工時の再結晶を抑制し、繊維状組織を発達させることにより、合金の強度および切削性特にドリル加工性を高める作用を有するので添加するが、その含有量が0.03%未満では所望の効果が得られず、一方、0.50%を越えて含有しても更なる効果が期待できない。したがって、Cr:0.03〜0.50%(一層好ましくは0.2〜0.3%)に定めた。
【0014】
Cu:
Cuは、熱処理により微細な析出物を生成、分散し、強度向上に寄与するとともに、歪硬化能を向上させるため、切削加工における切粉分断性を改善して特にドリル加工性を向上させる効果があるが、その含有量が0.03%未満ではその効果が十分得られず、一方、Cuの含有量が0.4%を越えて含有すると耐食性、成形性を低下させるので好ましくない。したがって、Cuの含有量を0.03〜0.4%に定めた。Cuの含有量の一層好ましい範囲は0.2〜0.4%である。
【0015】
Sr:
Srは、共晶Siを微細化することにより、合金の強度および切削性特にドリル加工性を高める作用を有するので添加するが、その含有量が0.01%未満では所望の効果が得られず、一方、0.10%を越えるとSrを含む粗大な金属間化合物を晶出し、それがハードスポットとなり、切削性を低下させるので好ましくない。したがって、Srの含有量は、0.01〜0.1%(一層好ましくは0.04〜0.08%)に定めた。
なお、Tiは希土類元素と共存する場合、粗大な金属間化合物を生成しやすく、成形性、切削性を阻害する恐れがあるので0.1%以下に抑えることが好ましい。
【0016】
内部組織
この発明の機械部品用アルミニウム合金押出し材の繊維状組織は、通常の再結晶組織などと比べて粒界と粒界との間隔が狭く、したがって余剰のSiが接近して素地中に分散しており、それによって強度、およびクリンチング性が一層向上するとともに、ドリル加工時にSi粒の所で発生した切削亀裂は伝播しやすく、したがってドリル加工性が向上するものと考えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
Al合金を溶解し、さらに得られたAl合金溶湯に希土類元素としてミッシュメタルを添加して溶解し鋳造して表1〜2に示す成分組成を有し直径:225mmを有するビレットを製造し、このビレットを510℃、6時間保持の条件で均質化処理を行い、この均質化処理を行ったビレットを温度:500℃で熱間押出し加工することにより断面寸法が40mm×100mmの押出し棒を作製した。この熱間押出し加工は、熱間押出し装置の金型出口に水冷チャンバーを設置した装置を用意し、前記均質化処理を行ったビレットを熱間押出し加工した直後に水冷する押出し同時焼入れを施すことにより行なわれた。このようにして得られた押出し棒に180℃で8時間保持の人工時効処理を施して本発明押出し材1〜26、比較押出し材1〜4および従来押出し材を作製した。
【0018】
本発明押出し材1〜26、比較押出し材1〜4および従来押出し材について組織観察を行なってその結果を表1〜2に示した後、さらに下記の条件の試験を行い、その結果を表1〜2に示した。
【0019】
引張り試験
本発明押出し材1〜26、比較押出し材1〜4および従来押出し材からJIS Z 2201で規定される引張り試験片(4号試験片)を作製し、引張り速度:10mm/min(歪速度:3.3×10-3S-1)の条件で引張り試験を行ない、引張り強度、耐力および伸びを求め、その結果を表1〜2に示し、強度およびクリンチング性の評価を行なった。伸びが大きい程かしめ加工における亀裂の発生がなくなるところから、クリンチング性に優れているものと評価できる。
【0020】
ドリル加工試験
本発明押出し材1〜26、比較押出し材1〜4および従来押出し材に対して、長さ方向および長さ方向に直角な方向から直径:4mmのドリルにより、回転数:2000rpm、送り速度:400mm/minの条件のドリル加工を行ない、切粉100個の長さの平均を求め、その結果を表1〜2に示し、ドリル加工性の評価を行なった。切粉100個の長さの平均値が小さいほどドリル加工性が優れることを示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
表1〜2に示される結果から、本発明押出し材1〜26は、従来押出し材に比べて引張り強度、耐力および伸びが優れている値を示すので、強度およびクリンチング性に優れており、さらに切粉の長さが短いのでドリル加工性に優れており、さらに耐食性に優れていることが分かる。また、この発明の条件から外れた組成を有する比較押出し材1〜4は、強度、切削性およびクリンチング性の内の少なくとも一つに好ましくない値が現れることが分かる。
【0024】
【発明の効果】
上述のように、この発明の押出し材は従来押出し材よりも強度およびクリンチング性に優れ、さらに切削性の一種であるドリル加工性に優れているところから、この発明の押出し材はABSハウジング、油圧配管コネクタなどドリル加工が多用される機械部品の素材として最適なものであり、コストを下げ、さらに軽量化して省エネルギーに寄与するなど、産業上優れた効果をもたらすものである。
Claims (5)
- 質量%で(以下、%は質量%を示す)、
Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなることを特徴とする強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材。 - Si:1.7超〜5.0%、Mg:0.4〜1.0%、Mn:0.03〜0.50%、希土類元素:0.001〜1%を含有し、さらにZr:0.03〜0.30%およびCr:0.03〜0.50%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成、並びに内部組織として繊維状組織を有するAl合金からなることを特徴とする強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材。
- 請求項1または2記載のAl合金に、さらに、Cu:0.03〜0.4%を含有した組成を有するAl合金からなることを特徴とする強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材。
- 請求項1、2または3記載のAl合金に、さらに、Sr:0.01〜0.1%を含有した組成を有するAl合金からなることを特徴とする強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材。
- 請求項1、2、3または4記載の強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材で作製したことを特徴とするABSハウジング。
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JP2000352465A JP4534181B2 (ja) | 2000-11-20 | 2000-11-20 | 強度、切削性およびクリンチング性に優れた機械部品用アルミニウム合金押出し材 |
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