JP4531586B2 - ガスシールドアークすみ肉溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

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本発明は、軟鋼および490〜590N/mm2級高張力鋼および低温用鋼などの溶接構造物を製造する際に使用するガスシールドアークすみ肉溶接用フラックス入りワイヤに係わるものであり、特にノンショッププライマ塗装鋼板(以下、黒皮鋼板という。)の2電極高速水平すみ肉溶接において良好なスラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が得られるガスシールドアークすみ肉溶接用フラックス入りワイヤ(以下、フラックス入りワイヤという。)に関する。
船舶、橋梁などの建造分野では水平すみ肉溶接の比率が高く、製作コスト低減のために高速溶接が可能なフラックス入りワイヤの開発要求が依然として強い。この要望に対し、ショッププライマ塗装鋼板の高速化対応については、主に耐気孔性向上の観点から種々のすみ肉溶接用フラックス入りワイヤが提案され効果を奏している。しかし、従来提案のすみ肉溶接用フラックス入りワイヤ(例えば、特許文献1または2参照)を使用して、2電極高速水平すみ肉溶接方法(例えば、特許文献3、4または5参照)を適用して黒皮鋼板の溶接を行うと、溶接状況が安定せずスラグ被包が不完全となり、スラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が著しく劣化し、手直し箇所の増加や溶接速度を遅く抑えて施工しなければならないという問題が生ずる。
図1は、黒皮鋼板の2電極高速水平すみ肉溶接法による溶接状況を説明するために示した模式図である。図1に示す高電流高速2電極1プールの溶接では、良好なビード形成のために先行電極ワイヤ1と後行電極ワイヤ2との間に安定した湯溜り6を形成することが必要となる。なお、湯溜り6とは、高電流で行う2電極高速水平すみ肉溶接において問題となる強い両電極のアークプラズマ(先行電極3、後行電極4)による溶融プール7の過度の後退を抑制して良好なビード形状ができるように、電極角度θ1を持たせた先行電極ワイヤ1と電極角度θ2を持たせた後行電極ワイヤ2を配置し、アーク力を緩和するために両電極間に形成させる盛り上がりのある溶融部を呼称するものである。しかしながら、黒皮鋼板のように酸化スケール5の付着した鋼板を従来のフラックス入りワイヤを使用して溶接した場合、湯溜り6の安定した形成が困難となり、さらに図2に示すように下板11と立板12を組み合わせたT字型水平すみ肉溶接において溶融スラグ8の凝固が遅れる状態が観察され、溶接ビード13の立板12側では凝固スラグ9が全体的に薄く、部分的に溶接ビード13(溶接金属10)が露出する。このような不均一なスラグ被包は、スラグ剥離性を劣化させ、ビード形状の不等脚傾向(立板12側の脚長不足)やビード止端部の揃い不良、スラグ焼き付きによるビード外観不良となる。
特開平3−180298号公報 特開平11−5193号公報 特開昭63−235077号公報 特開平2−280968号公報 特開平7−314181号公報
本発明は、黒皮鋼板を2電極高速水平すみ肉溶接する場合でも、良好なスラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が得られるガスシールドアークすみ肉溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
本発明の要旨は、鋼製外皮内にフラックスをワイヤ全質量に対する質量%で8〜20質量%充填してなるガスシールドアークすみ肉溶接用フラックス入ワイヤにおいて、ワイヤ全質量に対する質量%で、前記フラックス
Ti酸化物:TiO換算値で2.5〜4.0%、
Si酸化物:SiO換算値で1.2〜2.0%、
MgO:0.1〜0.7%(MgのMgO換算値を含む)、
Zr酸化物:ZrO換算値で0.1〜0.4%、
Al酸化物:Al換算値で0.3%以下、
NaおよびK:NaO換算値およびKO換算値の合計で0.05〜0.30%、
弗素化合物:F換算値で0.03〜0.20%、
BiおよびBi酸化物の一方または両方のBi換算値:0.005〜0.040%を含有し、
Fe酸化物:FeO換算値で0.4%以下とし、
かつ、フラックスと鋼製外皮の合計で、
C:0.04〜0.12%、
Si:0.3〜1.0%、
Mn:1.0〜3.5%
を含有し、残部は、鉄および不可避的不純物からなることを特徴とするガスシールドアークすみ肉溶接用フラックス入りワイヤにある。
本発明のガスシールドアークすみ肉溶接用フラックス入りワイヤによれば、黒皮鋼板を2電極で高速水平すみ肉溶接する場合においても良好なスラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が得られるので、溶接の高能率化および溶接部の品質向上が図れる。
本発明者らは、種々のフラックス入りワイヤを試作し、黒皮鋼板の2電極高速水平すみ肉溶接におけるビード形成改善について検討した。
その結果、従来のショッププライマ鋼板溶接用のフラックス入りワイヤを使用して黒皮鋼板を2電極高速水平すみ肉溶接した場合の前記湯溜り不安定およびスラグ被包性不完全の原因は、黒皮鋼板表面の酸化スケールの影響が極めて大きく溶融金属および溶融スラグの粘性が低下し、流動性が過剰となっていることがわかった。
また、黒皮鋼板の2電極高速水平すみ肉溶接時のスラグ被包性、ビード形状およびビード外観の改善のためには、従来のTiO2を主成分とする低スラグ系すみ肉用フラックス入りワイヤにおいてFe酸化物の低減だけでなく、特にSi酸化物を増量して溶融スラグの粘性を高めることが効果的であることが分かった。
さらにその他の成分について詳細に検討し、黒皮鋼板の2電極高速水平すみ肉溶接に使用した場合において、溶融スラグの粘性および流動性、さらにスラグの凝固点が適正となり、安定した溶接状況下でスラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が良好となるフラックス入りワイヤを見出した。
以下に、本発明のフラックス入りワイヤの成分限定理由を述べる。
Ti酸化物:TiO2換算値で2.5〜4.0質量%
ルチール、チタンスラグ等のTi酸化物は、溶融スラグの粘性を高めスラグ被包性を向上させる作用を有する。しかし、Ti酸化物のTiO2換算値の合計が2.5質量%(以下、%という。)未満では、スラグ量不足とともに溶融スラグの粘性が不足して上脚部でのスラグ被包が不十分となり、スラグ剥離性およびビード形状およびビード外観が不良となる。一方、TiO2換算値が4.0%を超えると、スラグ生成量が過多となり両電極間に形成する湯溜りが不安定になりスラグ被包むらが生じ、ビード形状およびビード外観が著しく劣化する。したがって、Ti酸化物のTiO2換算値は2.5〜4.0%とする。
Si酸化物:SiO2換算値で1.2〜2.0%
珪砂やジルコンサンドなどのSi酸化物は、スラグ形成剤としてスラグの粘性を向上させる作用を有する。しかし、Si酸化物のSiO2換算値が1.2%未満では、溶融スラグの粘性が不足して上脚部でのスラグ被包が不十分となり、スラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が不良となる。一方、SiO2換算値が2.0%を超えると、スラグ生成量が過多となるため、安定した湯溜り形成が困難となり、スラグ被包が不十分でスラグ剥離性が不良になるとともにビード形状は上脚部の脚長が著しく小さい不等脚となりビード外観も著しく劣化する。したがって、Si酸化物のSiO2換算値は1.2〜2.0%とする。
MgO:0.1〜0.7%(MgのMgO換算値を含む)
マグネシアクリンカーや金属Mgが溶接中に酸化され生じたMgOは、溶融スラグの凝固点を高める作用を有する。MgO(MgのMgO換算値を含む)を0.1%以上含有させることによって、酸化スケールの混入により低下した溶融スラグの凝固点を引き上げ、上脚部のスラグ被包を確保してアンダーカットの防止およびスラグ剥離性を良好にする。また、止端部のなじみや揃いが良好なビード形状および光沢のあるビード外観を得ることが可能となる。一方、MgOが0.7%を超えると、アークが粗くなるためスパッタ発生量が増加し、スラグ被抱性も劣化するためビード形状およびビード外観が不良となる。したがって、MgOは、MgのMgO換算値を含めて0.1〜0.7%とする。
Zr酸化物:ZrO2換算値で0.1〜0.4%
ジルコンサンド、酸化ジルコンなどのZr酸化物は、スラグ凝固点を引き上げスラグ被包性を高めてビード形状を平滑にする作用を有する。Zr酸化物のZrO2換算値が0.4%を超えると、スラグ被包が不均一となりスラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が不良となる。Zr酸化物のZrO2換算値が、0.1%未満になるとスラグの被包性が不十分でビード形状が劣化する。したがって、Zr酸化物のZrO2換算値は0.1〜0.4%とする。
Al酸化物:Al23換算値で0.3%以下
アルミナやカリ長石などのAl酸化物は、スラグ形成剤としてビードの立板側のアンダーカットを防止し、ビード止端部のなじみ性およびスラグ剥離性を良好にする作用を有する。しかし、Al酸化物のAl23換算値が0.3%を超えると、スラグ被包むらが生じ、スラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が不良となる。したがって、Al酸化物のAl23換算値は0.3%以下とする。
なお、Al酸化物のAl23換算値が0.05%未満となると、上記効果が低下するため、好ましくは0.01%以上とする。
NaおよびK:Na2O換算値およびK2O換算値の合計で0.05〜0.30%
珪酸ソーダや珪酸カリなどの水ガラス、チタン酸ソーダ、チタン酸カリ、およびカリ長石などのNaやKを含む原料から供給されるNaおよびKは、アークの安定剤として作用する。しかし、NaおよびKのNa2O換算値およびK2O換算値の合計が0.05%未満では、アークが不安定となり、大粒のスパッタ発生量が増加するとともに、ビード形状およびビード外観が不良となる。一方、Na2O換算値およびK2O換算値の合計が0.30%を超えると、スラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が不良で、スパッタおよびヒュームの発生量も増加する。したがって、NaおよびKのNa2O換算値およびK2O換算値の合計は0.05〜0.30%とする。
弗素化合物:F換算値で0.03〜0.20%
蛍石、弗化ソーダや珪弗化カリ等の弗素化合物は、ガス発生剤として機能する他、スラグの粘性を調整して耐気孔性を向上させ、さらにアークの指向性も強める作用を有する。しかし、弗素化合物のF換算値が0.03%未満であると、鋼板への水分の吸着がある場合などにピットが発生しやすく、またアークの指向性が弱まりアークの安定性を欠き湯溜りが不安定となるためビード形状およびビード外観が劣化する。一方、弗素化合物のF換算値が0.20%を超えると、スラグの粘性が過度に低下し、ビード全面を被包することができなくなり、上脚部に除去しにくいスラグが薄く残りスラグ剥離性が劣化し、ビード形状は凸状になる。したがって、弗素化合物のF換算値は0.03〜0.20%とする。
Fe酸化物:FeO換算値で0.4%以下
酸化鉄、ミルスケールなどのFe酸化物のFeO換算値が0.4%を超えると、溶融スラグの粘性および凝固点が低下し過ぎて、黒皮鋼板の溶接においては、黒皮鋼板からの酸化スケール混入と相乗し湯溜り不安定、スラグ被包性不完全が顕著となり、スラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が著しく劣化する。したがって、Fe酸化物のFeO換算値は0.4%以下とする。
BiおよびBi酸化物の一方または両方のBi換算値:0.005〜0.040%
BiおよびBi酸化物は、溶融金属スラグ界面に薄膜を形成し、スラグ剥離性を向上させ、ビード表面に光沢を生むなどビード外観を良好にする作用を有する。しかし、BiおよびBi酸化物の一方または両方のBi換算値が0.005%未満ではその効果が認められず、0.040%を超えると上脚部のスラグが流れてビード全面をスラグで被包することが出来なくなり、ビード形状およびビード外観が不良となる。したがって、BiおよびBi酸化物の一方または両方のBi換算値は0.005〜0.040%とする。
以上、本発明のフラックス入りワイヤの構成要因の限定理由を述べたが、その他のワイヤ成分としては、軟鋼および490N/mm級高張力鋼用、590N/mm級高張力鋼用、低温用鋼用などフラックス入りワイヤの品種毎に規定されている溶接金属試験の機械的性質および化学成分を満足するために含有するものであり、C、Si、Mnについては外皮成分との合計でC:0.04〜0.12%、Si:0.3〜1.0%、Mn:1.0〜3.5%としワイヤ全質量に対する質量%で充填率8〜20%のフラックスの残部はFe(鉄粉等)および不可避的不純物である。
また、フラックス入りワイヤが含有する水素量は、耐気孔性の観点からワイヤ全質量に対して40ppm以下にすることが好ましい。なお、ワイヤの水素量の低減はフラックス原料の種類、充填フラックスの乾燥条件あるいはシームレスタイプフラックス入りワイヤの場合はワイヤの中間焼鈍条件を適宜選択することによって行う。
なお、本発明のフラックス入りワイヤは、鋼板表面に錆がある場合も適用でき、さらに1電極の溶接においても良好なスラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が得られる。
本発明のフラックス入りワイヤは、フラックス充填後の伸線加工性が良好な軟鋼または低合金鋼の外皮内に、前記限定した成分のフラックスをワイヤ全質量に対して8〜20%充填後、孔ダイス伸線やローラ圧延加工により所定のワイヤ径(1.2〜2.0mm)に縮径して製造する。
以下、実施例により本発明の効果をさらに詳細に説明する。
軟鋼外皮(C:0.02%、Si:0.01%、Mn:0.30%、Al:0.01%)にフラックスを充填後、縮径して(外皮の軟化および脱水素のための中間焼鈍を1回実施)、フラックス充填率13〜15%でワイヤ径1.6mmの鋼製外皮に貫通した隙間がないシームレスタイプのフラックス入りワイヤを各種試作した。表1および表2にそれぞれの試作ワイヤを示す。なお、ワイヤの全水素量は全ワイヤとも20〜40ppmの範囲にあることを確認した。
Figure 0004531586
Figure 0004531586
これら試作ワイヤを各々両電極に使用して、図2に示す黒皮鋼板のT字すみ肉試験体を用いて自動溶接機で2電極高速水平すみ肉溶接試験(両側同時溶接)を行った。表3に溶接条件を示す。
Figure 0004531586
試験体は、板厚16mm、試験体長さ1.0mの黒皮鋼板(490N/mm2級高張力鋼用)であって、下板11および立板12端面にも酸化スケール5が付着しているものを用意した。これらの鋼板を加圧しながら下板11と立板12の隙間がない状態で仮付け溶接して試験体とした。
各試験ワイヤにつき、溶接状況(特に湯溜りの安定性、スパッタ)、スラグ被包性、スラグ剥離性、ビード形状およびビード外観およびを評価した。表4に溶接試験結果を示す。各試験の評価基準は、溶接状況は○:湯溜りが安定しスパッタも少ない、△:湯溜りの安定性が劣化しスパッタも多い、×:著しく不安定、を示す。スラグ被包性は○:良好、△:所々、被包むらが生じる、×:全線で被包むらが生じる、を示す。スラグ剥離性は○:良好、△:除去しにくい、×:非常に除去しにくい、を示す。ビード形状・外観は○:良好、△:やや不良、×:特に悪い(使用不可)を示す。
Figure 0004531586
表4中ワイヤ記号W1〜W8が本発明例、ワイヤ記号W9〜W21は比較例である。
本発明例であるワイヤ記号W1〜W8は、フラックスに各酸化物、他を適量含んでいるので両電極間の湯溜りが安定しスパッタ発生量が少なく、スラグ被包性が十分で、スラグ剥離性、ビード形状およびビード外観のいずれも良好で、極めて満足な結果であった。なお、別途1電極で溶接電流300A、溶接電圧32V、溶接速度50cm/minの溶接条件で図2に示す試験体を用いて溶接した結果、スパッタ発生量が少なく、スラグ被包性が十分で、スラグ剥離性、ビード形状およびビード外観のいずれも良好であった。
比較例中ワイヤ記号W9は、TiO2換算値が少ないので、溶接ビード上脚部でのスラグ被包が不十分でスラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が不良であった。
ワイヤ記号W10は、TiO2換算値が多いため、湯溜りがやや不安定でビード形状、ビード外観が不良であり、溶接ビードの所々において被包むらも確認された。
ワイヤ記号W11は、SiO2換算値が少ないため、溶接ビード全線においてスラグ被包むらが生じスラグ剥離が困難で、ビード形状およびビード外観も不良であった。
ワイヤ記号W12は、SiO2換算値が多く、湯溜りが著しく不安定でスラグ被包性、スラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が不良であった。
ワイヤ記号W13は、(Mgを含む)MgO換算値が少ないため、スラグ被包性が劣化し、スラグ剥離性、ビード形状およびビード外観も不良であった。
ワイヤ記号W14は、(Mgを含む)MgO換算値が多いため、ビード形状およびビード外観が不良であり、アーク状態が粗くなりスパッタ発生量が多くなった。
ワイヤ記号W15は、FeO換算値が多いため、湯溜りが安定せずスラグ被包は不完全となり、スラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が不良であった。
ワイヤ記号W16は、ZrO2換算値が多いため、スラグ被包が不均一となり、ビード形状、ビード外観およびスラグ剥離性が不良であった。
ワイヤ記号W17は、Al23換算値が多いので、スラグ被包むらが生じ、スラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が不良であった。
ワイヤ記号W18は、Na2O換算値とK2O換算値の合計が少ないため、アークが不安定で、大粒のスパッタが多く発生し、ビード外観不良およびビード形状も不良であった。また、Bi添加量が多いため、ビード上部でスラグ被包むらが確認され、スラグ剥離性も不良であった。
ワイヤ記号W19は、Na2O換算値とK2O換算値の合計が多いため、スラグ剥離性、ビード形状およびビード外観が不良で、スパッタ発生量も多かった。
ワイヤ記号W20は、F換算値が少ないため、アークの指向性が弱く湯溜りが不安定で、ビード形状およびビード外観もやや不良であった。また、Bi添加量が少ないため、ビード表面でスラグが焼き付き、スラグ剥離が困難であった。
ワイヤ記号W21は、F換算値が多いため、スラグ被包が不完全でスラグ剥離性がやや悪くビード形状およびビード外観も不良であった。
すみ肉溶接用フラックス入りワイヤの2電極高速すみ肉溶接状況を説明するために示した模式図である。 本発明の実施例に用いた水平すみ肉溶接の試験体断面を示す模式図である。
符号の説明
1 先行電極ワイヤ
2 後行電極ワイヤ
3 先行電極アーク
4 後行電極アーク
5 酸化スケール
6 湯溜り
7 溶融プール
8 溶融スラグ
9 凝固スラグ
10 溶接金属
θ1 先行電極角度
θ2 後行電極角度
d 電極間距離
11 下板
12 立板
13 溶接ビード

Claims (2)

  1. 鋼製外皮内にフラックスをワイヤ全質量に対する質量%で8〜20質量%充填してなるガスシールドアークすみ肉溶接用フラックス入ワイヤにおいて、ワイヤ全質量に対する質量%で、前記フラックス
    Ti酸化物:TiO換算値で2.5〜4.0%、
    Si酸化物:SiO換算値で1.2〜2.0%、
    MgO:0.1〜0.7%(MgのMgO換算値を含む)、
    Zr酸化物:ZrO換算値で0.1〜0.4%、
    Al酸化物:Al換算値で0.3%以下、
    NaおよびK:NaO換算値およびKO換算値の合計で0.05〜0.30%、
    弗素化合物:F換算値で0.03〜0.20%、
    BiおよびBi酸化物の一方または両方のBi換算値:0.005〜0.040%を含有し、
    Fe酸化物:FeO換算値で0.4%以下とし、
    かつ、フラックスと鋼製外皮の合計で、
    C:0.04〜0.12%、
    Si:0.3〜1.0%、
    Mn:1.0〜3.5%
    を含有し、残部は、鉄および不可避的不純物からなることを特徴とするガスシールドアークすみ肉溶接用フラックス入りワイヤ。
  2. フラックスに、BiおよびBi酸化物の一方または両方のBi換算値:0.005〜0.040%を含有することを特徴とする請求項1記載のガスシールドアークすみ肉溶接用フラックス入りワイヤ。
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