JP5179137B2 - 多層盛溶接用ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
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Description
TiO2は、スラグ形成剤の主成分であり、Ti酸化物のルチール、酸化チタン、チタン酸ソーダ、チタンスラグ、イルミナイト等から添加される。これらはビード全体を均一に包被してビード形状を整える作用を有する。また、アークを持続して安定させスパッタ発生量を低減させる効果がある。Ti酸化物のTiO2換算値が1.0%未満であると、スラグ生成量が不足してビードを均一に包被できないためスラグ剥離が悪くなり、ビード形状を整えることができなくなる。また、アークを安定させる効果がなくなりスパッタ発生量も増加する。一方、3.0%を超えると、アークは安定してスパッタ発生量は減少するが、スラグが厚くなり自然剥離しやすくなり、多層盛溶接を行うとスラグが自然剥離するためビード止端部が不揃いになってビード外観が不良となる。また効果が得られる、より好ましい範囲は1.2〜2.4%である。
SiO2は、珪砂、ジルコンサンド等より添加されスラグ形成剤として作用し、少量でスラグ粘性を大きくする効果がある。SiO2が0.1%未満であるとスラグ形成剤としての効果が無くスラグ被包性が悪くなりスラグ剥離およびビード形状が劣化する。一方、1.0%を超えるとスラグの粘性が増大しガスの放出が阻害されるので、耐ピット性が悪くなる。また、アークも荒くなりスパッタ発生量が多くなる。また効果が得られる、より好ましい範囲は0.2〜0.8%である。
ZrO2は、ジルコンサンドおよび酸化ジルコニウム等より添加され、少量でスラグ被包性を改善してビード形状を改善するスラグ形成剤として作用する。ZrO2を添加することによりスラグの凝固温度が高くなりスラグの凝固が早くなるが、他のスラグ形成剤と比較して、その添加量が同量であっても生成スラグの厚みが薄くなるので耐ピット性に有効である。ZrO2が0.1%未満であるとスラグ厚みが増加するので耐ピット性が悪くなる。一方、0.7%を超えるとアークが荒くなりスパッタ発生量が多くなるとともに、スラグが硬くなりビードにスラグが均一に被包し難くなるので、焼付いてスラグ除去が困難となりスラグ剥離性が悪くなる。 また効果が得られる、より好ましい範囲は0.2〜0.6%である。
Fは、弗化ソーダ、珪弗化カリ、氷晶石、弗化アルミ、弗化リチウムおよびホタル石等より添加され、アークの安定性を向上させる。金属弗化物のF換算値が0.02%未満であるとアークの集中性が弱くなり安定したアーク状態を得ることができない。一方、0.08%を超えるとアークが荒くなりスパッタ発生量が多くなる。また効果が得られる、より好ましい範囲は0.02〜0.07%である。
スラグ形成剤は、合金の一部が脱酸されてスラグ中に添加されるSi酸化物、Mn酸化物等とともに溶接後にスラグの一部となり、ビード形状を整える作用がある。スラグ形成剤の合計が2.5%未満であると、スラグ生成量が不足してビードを均一に包被できないためスラグ剥離が悪くなるとともにビード形状を整えることができなくなる。また、アークが荒くなりスパッタ発生量が多くなる。一方、4.5%を超えるとアークが安定してスパッタも減少するが、スラグ生成量が多くスラグが自然剥離しやすくなるため多層盛溶接では、ビード止端部が不揃いになってビード外観が不良となる。また、耐ピット性が悪くなる。また効果が得られるより好ましい範囲は2.7〜4.3%であるが、本発明ではスラグ形成剤の合計の上限を実施例に示す3.51%に限定した。
Cは、鋼製外皮、Fe−Mnおよびグラファイト等より添加され、溶接金属の強度を調整する重要な元素の1つである。Cが0.02%未満であると溶接金属の強度および靭性が低下する。一方、0.08%を超えるとアークが強くなりすぎてスパッタ発生量が多くなる。さらに溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。また効果が得られる、より好ましい範囲は0.03〜0.07%である。
Siは、鋼製外皮、金属Si、Fe−SiおよびFe−Si−Mn等より添加され、脱酸剤として作用して溶接金属の強度および靭性を確保するために添加する。また、溶接金属の粘性を向上させて溶接ビードを整える役割も果たす。Siが0.5%未満であると脱酸不足となり溶接部にピット等の溶接欠陥が発生するとともに強度および靭性が低下する。また、溶接金属の粘性が低下して溶接ビードが垂れ気味になる。一方、1.2%を超えると溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。また効果が得られる、より好ましい範囲は0.6〜1.1%である。
Mnは、鋼製外皮、金属MnおよびFe−Mn等より添加され、脱酸剤として作用するとともに溶接金属の強度および靭性を確保するために添加する。Mnが1.5%未満であると脱酸不足となり溶接部にピット等の溶接欠陥が発生する。さらに溶接金属の強度および靭性が低下する。一方、3.5%を超えると溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。また効果が得られる、より好ましい範囲は1.7〜3.3%である。
Mn/Siは、溶接金属の粘性に影響する。Mn/Siが大きくなれば溶接金属の粘性が低下し、逆にMn/Siが小さくなると溶接金属の粘性は高くなる。溶接金属の粘性を高くすると溶接金属の形状を整える効果があるためスラグ量が少なくても溶接ビードを美麗にすることができる。Mn/Siが1.5未満であるとSiに対するMn量が少なくなるので靭性が劣化する。一方、4.0を超えると溶接金属の粘性が低くなりすぎてビードが垂れる。また効果が得られる、より好ましい範囲は1.7〜3.8である。
Alは、鋼製外皮、金属Al、Fe−AlおよびAl−Mg等から添加され脱酸剤として作用するとともに、SiおよびMnの溶接金属中への歩留まりを上げて強度および靭性を調整する効果を有する。また、スラグ中にAl酸化物として放出され、スラグ包被を整える役割を果たす。溶接金属の粘性については上げる作用を有しビード形状を整える効果がある。Alが0.15%未満であると脱酸剤としての効果が少なく溶接部にピット等の溶接欠陥が発生する。また、スラグ中のAl酸化物の量が少なくスラグ包被を整える効果が無くなり、特に水平すみ肉溶接時のビード上部のスラグが均一に包被しなくなってスラグ焼付きが生じる。さらに溶接金属の粘性が低下するためにビードが垂れる。一方、0.8%を超えるとアークの集中性が高くなりすぎるためスパッタ発生量が多くなる。また、強度が高くなりすぎて靭性が低下する。また効果が得られる、より好ましい範囲は0.2〜0.7%である。
Mgは、金属MgおよびAl−Mg等から添加され、脱酸剤として作用する。しかし、本発明のようにスラグ量が少ない場合には、Mgを添加しすぎるとスラグの粘性が過剰となりスラグが均一に包被しなくなる。そのため、Mgが0.2%を超えると特に水平すみ肉溶接時のビード上部のスラグが均一に包被しなくなり、スラグ剥離性およびビード形状が悪くなる。なお、Mgの下限は特に限定するものではないが、脱酸剤として作用させるには0.01%とすることが好ましい。
Claims (2)
- 鋼製外皮にフラックスを充填してなる多層盛溶接用ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量に対する質量%で、
Ti酸化物のTiO2換算値:1.0〜3.0%、
SiO2:0.1〜1.0%、
ZrO2:0.1〜0.7%、
金属弗化物のF換算値:0.02〜0.08%、
スラグ形成剤の合計:2.5〜3.51%、
C:0.02〜0.08%、
Si:0.5〜1.2%、
Mn:1.5〜3.5%、
Mn/Si:1.5〜4.0、
Al:0.15〜0.8%を含有し、残部はFe、アーク安定剤および不可避不純物であることを特徴とする多層盛溶接用ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 - さらにMg:0.2%以下であることを特徴とする請求項1記載の多層盛溶接用ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
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