JP2009082981A - ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】 溶接ビード全体にスラグが被包してスラグの被包むらおよびスラグの焼付きがなく、アーク状態が良好でスパッタ発生量が少なく、良好な溶接作業性およびビード形状が得られるとともに機械的性能も良好なガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供する。
【解決手段】 鋼製外皮にフラックスを充填してなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量に対する質量%で、Ti酸化物のTiO換算値:1.0〜3.0%、SiO:0.1〜1.0%、ZrO:0.1〜0.7%、金属弗化物のF換算値:0.02〜0.08%、スラグ形成剤の合計:2.5〜4.5%、C:0.02〜0.08%、Si:0.5〜1.2%、Mn:1.5〜3.5%、Mn/Si:1.5〜4.0、Al:0.15〜0.8%を含有し、残部はFe、アーク安定剤および不可避不純物であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関し、特に溶接ビード全体にスラグが被包して自然剥離しないので多層盛溶接において良好なビード形状が得られるとともに、アーク状態が良好でスパッタ発生量の少ないガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関する。
ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ(以下、フラックス入りワイヤという。)は、優れた溶接作業性や高能率な溶接が可能なことから造船、橋梁および鉄骨などの分野で使用されている。しかし、造船においては全姿勢溶接が必要なことからフラックス入りワイヤの使用比率が高いが、特に鉄骨の溶接では、全姿勢溶接が少ないことやすみ肉溶接および開先内での多層盛溶接が多いためにスラグ除去に時間がかかり、スラグ除去作業がほとんど不要なソリッドワイヤの使用比率が高い。
一方、ソリッドワイヤを用いて無塗装鋼板を溶接した場合は、スパッタ発生量が多く、発生したスパッタが鋼板表面に付着するのでスパッタ除去作業の工数が多くなりスラグ除去作業が不要でも作業能率が悪いという問題がある。
従来、スラグ生成量の少ないフラックス入りワイヤとして、例えば、特許文献1や特許文献2などに充填フラックス中に鉄粉を60〜85%含む金属粉(メタル)系フラックス入りワイヤの開示がある。
これら特許文献1および特許文献2などに記載の金属粉系フラックス入りワイヤは、スラグ生成量が少ないので多層盛溶接は可能であるが、スラグ被包性が不良であり水平すみ肉溶接、特に多層盛水平すみ肉溶接におけるビードは図1(a)に示すようにビード形状が凸状となり不良であった。また、スパッタ発生量も多く満足できるものではなかった。
また、水平すみ肉溶接においてスパッタ発生量が少なく、スラグ被包性、ビード形状およびスラグ剥離性の良好なTiO−SiO−ZrOを主成分とするフラックス入りワイヤが、例えば、特許文献3や特許文献4などに開示されている。
前記特許文献3および特許文献4などに記載のフラックス入りワイヤは、1パスでの水平すみ肉溶接においては上記のようにスパッタ発生量が少なく、スラグ被包性、ビード形状およびスラグ剥離性が良好であるが、多層盛水平すみ肉溶接の場合はスラグ量が多すぎて図1(b)に示すようにビードが垂れてビード外観が不良となる。また、生成したスラグが自然剥離するので、多層盛溶接する場合は1パス毎にスラグを除去する必要があるなどの問題がある。
特開昭63−97396号公報 特開平7−116892号公報 特開2006−224178号公報 特開2007−152410号公報
本発明は、溶接ビード全体にスラグが被包してスラグの被包むらおよびスラグの焼付きがなく、アーク状態が良好でスパッタ発生量が少なく、特に多層盛溶接においてスラグが自然剥離することがなく溶接終了後軽打で剥離するので、良好な溶接作業性およびビード形状が得られるとともに機械的性能も良好なガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
本発明の要旨は、鋼製外皮にフラックスを充填してなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量に対する質量%で、Ti酸化物のTiO換算値:1.0〜3.0%、SiO:0.1〜1.0%、ZrO:0.1〜0.7%、金属弗化物のF換算値:0.02〜0.08%、スラグ形成剤の合計:2.5〜4.5%、C:0.02〜0.08%、Si:0.5〜1.2%、Mn:1.5〜3.5%、Mn/Si:1.5〜4.0、Al:0.15〜0.8%を含有し、残部はFe、アーク安定剤および不可避不純物であることを特徴とする。
また、Mg:0.2%以下であることも特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにある。
本発明のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤによれば、溶接ビード全体にスラグが被包してスラグの被包むらおよびスラグの焼付きがなく、アーク状態が良好でスパッタ発生量が少なく、特に多層盛溶接においてスラグが自然剥離することがなく溶接終了後軽打で剥離するので、良好な溶接作業性およびビード形状が得られるとともに機械的性能も良好であるので、高品質の溶接部を高能率に得ることが可能となる。
本発明者らは、前記課題を解決するためにフラックス入りワイヤを種々試作して、多層盛水平すみ肉溶接に適用してアーク状態、スパッタ発生量、ビード形状、スラグの被包性、スラグ焼き付きおよびスラグ剥離状態、さらに機械的性質に及ぼす各成分組成の影響を調べた。
その結果、ワイヤ中のTiO、SiO、ZrOの量とスラグ形成剤の量を適正にし、C、Si、Mn、Al量およびMn/Siの値を適正にすることにより、アーク状態が良好でスパッタの発生量が少なく、スラグの被包性が良好でスラグの焼付きも無く、多層盛溶接においてはスラグが自然剥離することがなく溶接終了後軽打で剥離するため図1(c)に示すように良好なビード形状が得られるとともにビード止端部の美麗な溶接部が得られ、溶接金属の機械的性能も良好となることを見出した。
以下、本発明のフラックス入りワイヤの成分組成およびその含有量の限定理由について説明する。
(Ti酸化物のTiO換算値:1.0〜3.0質量%)
TiOは、スラグ形成剤の主成分であり、Ti酸化物のルチール、酸化チタン、チタン酸ソーダ、チタンスラグ、イルミナイト等から添加される。これらはビード全体を均一に包被してビード形状を整える作用を有する。また、アークを持続して安定させスパッタ発生量を低減させる効果がある。Ti酸化物のTiO換算値が1.0%未満であると、スラグ生成量が不足してビードを均一に包被できないためスラグ剥離が悪くなり、ビード形状を整えることができなくなる。また、アークを安定させる効果がなくなりスパッタ発生量も増加する。一方、3.0%を超えると、アークは安定してスパッタ発生量は減少するが、スラグが厚くなり自然剥離しやすくなり、多層盛溶接を行うとスラグが自然剥離するためビード止端部が不揃いになってビード外観が不良となる。また効果が得られる、より好ましい範囲は1.2〜2.4%である。
(SiO:0.1〜1.0%)
SiOは、珪砂、ジルコンサンド等より添加されスラグ形成剤として作用し、少量でスラグ粘性を大きくする効果がある。SiOが0.1%未満であるとスラグ形成剤としての効果が無くスラグ被包性が悪くなりスラグ剥離およびビード形状が劣化する。一方、1.0%を超えるとスラグの粘性が増大しガスの放出が阻害されるので、耐ピット性が悪くなる。また、アークも荒くなりスパッタ発生量が多くなる。また効果が得られる、より好ましい範囲は0.2〜0.8%である。
(ZrO:0.1〜0.7%)
ZrOは、ジルコンサンドおよび酸化ジルコニウム等より添加され、少量でスラグ被包性を改善してビード形状を改善するスラグ形成剤として作用する。ZrOを添加することによりスラグの凝固温度が高くなりスラグの凝固が早くなるが、他のスラグ形成剤と比較して、その添加量が同量であっても生成スラグの厚みが薄くなるので耐ピット性に有効である。ZrOが0.1%未満であるとスラグ厚みが増加するので耐ピット性が悪くなる。一方、0.7%を超えるとアークが荒くなりスパッタ発生量が多くなるとともに、スラグが硬くなりビードにスラグが均一に被包し難くなるので、焼付いてスラグ除去が困難となりスラグ剥離性が悪くなる。 また効果が得られる、より好ましい範囲は0.2〜0.6%である。
(金属弗化物のF換算値:0.02〜0.08%)
Fは、弗化ソーダ、珪弗化カリ、氷晶石、弗化アルミ、弗化リチウムおよびホタル石等より添加され、アークの安定性を向上させる。金属弗化物のF換算値が0.02%未満であるとアークの集中性が弱くなり安定したアーク状態を得ることができない。一方、0.08%を超えるとアークが荒くなりスパッタ発生量が多くなる。また効果が得られる、より好ましい範囲は0.02〜0.07%である。
(スラグ形成剤の合計:2.5〜4.5%)
スラグ形成剤は、合金の一部が脱酸されてスラグ中に添加されるSi酸化物、Mn酸化物等とともに溶接後にスラグの一部となり、ビード形状を整える作用がある。スラグ形成剤の合計が2.5%未満であると、スラグ生成量が不足してビードを均一に包被できないためスラグ剥離が悪くなるとともにビード形状を整えることができなくなる。また、アークが荒くなりスパッタ発生量が多くなる。一方、4.5%を超えるとアークが安定してスパッタも減少するが、スラグ生成量が多くスラグが自然剥離しやすくなるため多層盛溶接では、ビード止端部が不揃いになってビード外観が不良となる。また、耐ピット性が悪くなる。また効果が得られる、より好ましい範囲は2.7〜4.3%である。
なお、スラグ形成剤には前記金属弗化物も含み、TiO、SiO、ZrO、KO、NaO、Al、FeO、Fe、MgO等の酸化物の合計をいう。
(C:0.02〜0.08%)
Cは、鋼製外皮、Fe−Mnおよびグラファイト等より添加され、溶接金属の強度を調整する重要な元素の1つである。Cが0.02%未満であると溶接金属の強度および靭性が低下する。一方、0.08%を超えるとアークが強くなりすぎてスパッタ発生量が多くなる。さらに溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。また効果が得られる、より好ましい範囲は0.03〜0.07%である。
(Si:0.5〜1.2%)
Siは、鋼製外皮、金属Si、Fe−SiおよびFe−Si−Mn等より添加され、脱酸剤として作用して溶接金属の強度および靭性を確保するために添加する。また、溶接金属の粘性を向上させて溶接ビードを整える役割も果たす。Siが0.5%未満であると脱酸不足となり溶接部にピット等の溶接欠陥が発生するとともに強度および靭性が低下する。また、溶接金属の粘性が低下して溶接ビードが垂れ気味になる。一方、1.2%を超えると溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。また効果が得られる、より好ましい範囲は0.6〜1.1%である。
(Mn:1.5〜3.5%)
Mnは、鋼製外皮、金属MnおよびFe−Mn等より添加され、脱酸剤として作用するとともに溶接金属の強度および靭性を確保するために添加する。Mnが1.5%未満であると脱酸不足となり溶接部にピット等の溶接欠陥が発生する。さらに溶接金属の強度および靭性が低下する。一方、3.5%を超えると溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。また効果が得られる、より好ましい範囲は1.7〜3.3%である。
(Mn/Si:1.5〜4.0)
Mn/Siは、溶接金属の粘性に影響する。Mn/Siが大きくなれば溶接金属の粘性が低下し、逆にMn/Siが小さくなると溶接金属の粘性は高くなる。溶接金属の粘性を高くすると溶接金属の形状を整える効果があるためスラグ量が少なくても溶接ビードを美麗にすることができる。Mn/Siが1.5未満であるとSiに対するMn量が少なくなるので靭性が劣化する。一方、4.0を超えると溶接金属の粘性が低くなりすぎてビードが垂れる。また効果が得られる、より好ましい範囲は1.7〜3.8である。
(Al:0.15〜0.8%)
Alは、鋼製外皮、金属Al、Fe−AlおよびAl−Mg等から添加され脱酸剤として作用するとともに、SiおよびMnの溶接金属中への歩留まりを上げて強度および靭性を調整する効果を有する。また、スラグ中にAl酸化物として放出され、スラグ包被を整える役割を果たす。溶接金属の粘性については上げる作用を有しビード形状を整える効果がある。Alが0.15%未満であると脱酸剤としての効果が少なく溶接部にピット等の溶接欠陥が発生する。また、スラグ中のAl酸化物の量が少なくスラグ包被を整える効果が無くなり、特に水平すみ肉溶接時のビード上部のスラグが均一に包被しなくなってスラグ焼付きが生じる。さらに溶接金属の粘性が低下するためにビードが垂れる。一方、0.8%を超えるとアークの集中性が高くなりすぎるためスパッタ発生量が多くなる。また、強度が高くなりすぎて靭性が低下する。また効果が得られる、より好ましい範囲は0.2〜0.7%である。
(Mg:0.2%以下)
Mgは、金属MgおよびAl−Mg等から添加され、脱酸剤として作用する。しかし、本発明のようにスラグ量が少ない場合には、Mgを添加しすぎるとスラグの粘性が過剰となりスラグが均一に包被しなくなる。そのため、Mgが0.2%を超えると特に水平すみ肉溶接時のビード上部のスラグが均一に包被しなくなり、スラグ剥離性およびビード形状が悪くなる。なお、Mgの下限は特に限定するものではないが、脱酸剤として作用させるには0.01%とすることが好ましい。
本発明のフラックス入りワイヤは、好ましくは、前記成分の他、アークを安定にしスラグ剥離性を改善するためにフラックスにワイヤ全質量当り鉄粉:12%以下、Na化合物およびK化合物のNaおよびK換算値の合計:0.2%以下、金属BiおよびBi酸化物のB換算値:0.03%以下使用できる。
また、本発明のフラックス入りワイヤは、好ましくは、フラックス充填後の伸線加工性が良好な軟鋼または合金鋼の外皮内にフラックスを、ワイヤ全重量に対して10〜20%程度充填後、ダイス伸線やローラ圧延加工により所定のワイヤ径(1.0〜1.6mm)に縮径して製造されるものである。ワイヤの断面構造は、特に限定するものではない。
以下、実施例により本発明の効果をさらに詳細に説明する。
まず、鋼製外皮にJIS G3141 SPCC帯鋼を使用し、表1に示すワイヤ径1.2mmの各種成分のフラックス入りワイヤを試作した。
表1に示すフラックス入りワイヤを用いて、板厚12mmの無塗装鋼板(JIS G3106 SM490A)をT字すみ肉試験体(長さ500mm)とし、表2に示す溶接条件で図1に示す3層盛水平すみ肉溶接を各パススラグを除去することなく行い、アーク状態、スパッタ発生量、スラグ剥離性、ビード形状・外観およびピット発生数を調査した。スラグ剥離性は、自然剥離せず軽打で剥離するものを良好とした。また、スパッタ発生量の測定は、発生したスパッタ全量を捕集し、溶接時間1分間当たりの発生量に換算した。なお、スパッタ発生量は3g/min以下が良好である。
Figure 2009082981
Figure 2009082981
さらに、JIS Z3313に準じて板厚20mmの鋼板(JIS G3106 SM490A)を用いて溶着金属試験を表2に示す溶接条件で行い、引張試験片と衝撃試験片を採取して試験した。なお、引張強さは490〜620N/mm、吸収エネルギーは試験温度0℃で3本の平均値が70J以上を良好とした。それらの結果を表3にまとめて示す。
Figure 2009082981
表1および表3中ワイヤNo.1〜10が本発明例、ワイヤNo.11〜21は比較例である。本発明例であるワイヤNo.1〜10は、Ti酸化物のTiO換算値、SiO、ZrO、金属弗化物のF換算値、スラグ形成剤の合計、C、Si、Mn、Mn/SiおよびAlを適量含み、さらにMg量も適量であるので、アーク状態、スラグ被包性、スラグ剥離性およびビード形状・外観が良好で、スパッタ発生量が少なく、ピットの発生もなく、溶接金属の機械的性能も優れており極めて満足な結果であった。
比較例中ワイヤNo.11は、Ti酸化物のTiO換算値が多いのでスラグが自然剥離してビードの止端部が不揃いとなった。また、ZrOが少ないのでピットも発生した。
ワイヤNo.12は、Ti酸化物のTiO換算値が少ないのでアークが不安定でスパッタ発生量が多く、スラグが均一に包被されずスラグが焼付いた。さらにビード形状も不良であった。また、Cが少ないので引張強さおよび吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤNo.13は、SiOが多いのでアークが荒くスパッタ発生量が多く、ピットも発生した。また、Mnが多いので引張強さが高く吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤNo.14は、SiOが少ないのでスラグが均一に包被されずスラグが焼付き、ビード形状も不良であった。また、Mnが少ないのでピットが発生し、引張強さが低く吸収エネルギーも低値であった。
ワイヤNo.15は、ZrOが多いのでアークが荒くスパッタ発生量が多く、スラグが均一に被包せずスラグ焼付きも生じた。また、金属弗化物のF換算値が少ないのでアークが不安定であった。
ワイヤNo.16は、金属弗化物のF換算値が多いのでアークが荒くスパッタ発生量が多かった。また、Mgが多いのでスラグが均一に包被されずスラグが焼付き、ビード形状も不良であった。
ワイヤNo.17は、スラグ形成剤の合計が多いのでスラグが自然剥離してビードの止端部が不揃いとなった。さらにピットも生じた。また、Siが多いので引張強さが高く吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤNo.18は、スラグ形成剤の合計が少ないのでスラグが均一に包被されずスラグ剥離が焼付き、ビード形状が不良であった。さらにアークが荒くスパッタ発生量も多かった。また、Siが少ないのでピットが発生し、引張強さが低く吸収エネルギーも低値であった。
ワイヤNo.19は、Cが多いのでアークが強くスパッタ発生量が多かった。さらに引張強さが高く吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤNo.20は、Mn/Siが高いのでビード形状が不良であった。また、Alが多いのでスパッタ発生量が多く、さらに引張強さが高く吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤNo.21は、Mn/Siが低いので吸収エネルギーが低値であった。また、Alが低いのでスラグが均一に包被せずスラグが焼き付いてビード形状も不良で、ピットも発生した。
(a),(b),(c) 多層盛水平すみ肉溶接におけるビード断面形状例を示す模式図である。

Claims (2)

  1. 鋼製外皮にフラックスを充填してなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量に対する質量%で、
    Ti酸化物のTiO換算値:1.0〜3.0%、
    SiO:0.1〜1.0%、
    ZrO:0.1〜0.7%、
    金属弗化物のF換算値:0.02〜0.08%、
    スラグ形成剤の合計:2.5〜4.5%、
    C:0.02〜0.08%、
    Si:0.5〜1.2%、
    Mn:1.5〜3.5%、
    Mn/Si:1.5〜4.0、
    Al:0.15〜0.8%を含有し、残部はFe、アーク安定剤および不可避不純物であることを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  2. さらにMg:0.2%以下であることを特徴とする請求項1記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
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