JP4531382B2 - 透明導電性シート - Google Patents

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本発明は、合成樹脂シートを基材とし、導電性層との密着性が改良された透明導電性シートに関する。
透明導電性シートとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂シートを基材とし、その表面に酸化インジウムと酸化錫の混合物(ITO)の薄膜を導電性層として積層したものが知られており、以前のガラス板を基板とするものにくらべて、耐衝撃性、可撓性(フレキシビリティー)、軽量性、大面積化の容易さ、および加工性の良さ等点で勝っている。
透明導電性シートをそのまま用いたり、緩やかな条件で加工して使用する際には、それほどの支障は生じないが、液晶表示素子もしくはEL表示素子等の表示素子、または太陽電池用光電変換素子等のエレクトロニクス分野に適用する場合、ガラス板を基材とするものに較べて、基材の合成樹脂シートの耐熱性や寸法安定性等が乏く、それらの用途に合わせた種々の加工により、支障が生じることがある。
上記の支障は、基材の合成樹脂シートの素材を変更して、耐熱性や寸法安定性の優れたものを用いることにより、解消可能であるが、基材を変更しても、依然として合成樹脂シートとITO等の薄膜との密着性が完全ではないため、透明導電性シートの屈曲等によりITO等の薄膜の密着性がより低下し、甚だしい場合には、剥離が生じることさえある。
従来、PETシートにガスバリア性を付与する目的で、アルミニウム等の薄膜を積層したものが用いられており、ここでも、屈曲によるガスバリア性の低下が問題となることがあり、この点を改善するために、酸化アルミニウムの薄膜の比重を2.70〜3.30とすることにより、耐屈曲性の高いガスバリアフィルムとしたことが開示されている。(特許文献1)。
特開平5−214135号公報。
しかしながら、特許文献1には、単に薄膜全体の比重の数値範囲を規定して耐屈曲性を向上させることが記載されているのみで、ITOの薄膜について触れた記述は無く、仮にこのように薄膜全体の比重を規定することをITO薄膜の場合に適用したとしても、十分な耐屈曲性を有する透明導電性シートを得ることは困難である。
従って、本発明においては、従来技術によっては解決し得ない、ITO等の薄膜を有する透明導電性シートにおける、薄膜と基材との密着性を向上させることを課題とする。
発明者の検討により薄膜の密度を一様にするのではなく、基板界面付近の密度Aと、層全体の密度Bとを、A/Bが0.800以上0.999以下、もしくは1.001以上1.200以下で、かつBが6.0g/cm 3 〜8.0g/cm 3 とすることにより、課題を解決することができた。
課題を解決する第1の発明は、透明合成樹脂シートおよび透明導電性薄膜が積層された積層構造を有しており、前記透明導電性薄膜の前記透明合成樹脂シート側の界面付近の密度をA、前記界面付近以外の部分の密度をBとするとき、A/Bが0.800以上0.999以下、もしくは1.001以上1.200以下であり、Bが6.0g/cm 3 〜8.0g/cm 3 であることを特徴とする透明導電性シートに関するものである。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記A/Bが0.800以上0.999以下であることを特徴とする透明導電性シートに関するものである。
の発明は、第1または第2の発明において、前記透明導電性薄膜がITOを素材として構成されていることを特徴とする透明導電性シートに関するものである。
の発明は、第1〜第いずれかにおいて、前記透明合成樹脂シートは、ガラス転移点が150℃以上の樹脂で構成されたものであることを特徴とする透明導電性シートに関するものである。
の発明は、第の発明において、前記透明合成樹脂シートがポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリアクリレート、ポリアリレート、環状オレフィンポリマーのいずれかであることを特徴とする透明導電性シートに関するものである。
第1の発明によれば、透明導電性薄膜の界面付近の密度と界面付近以外の部分の密度との関係を規定したので、基材の透明合成樹脂シートとの密着性、特に耐屈曲性の優れた透明導電性シートを提供することができる。さらに、透明導電性薄膜の密度を規定したので、実用性の高い透明導電性薄膜を有する透明導電性シートを提供することができる。
第2の発明によれば、透明導電性薄膜をパターン化する際に、パターン化が容易な透明導電性シートを提供することができる。
の発明によれば、第1又は第2いずれかの発明の効果に加えて、透明性および導電性の優れた透明導電性薄膜を有する透明導電性シートを提供することができる。
の発明によれば、第1〜第いずれかの発明の効果に加えて、透明合成樹脂シートのガラス転移点を規定したので、耐熱性の優れた透明導電性シートを提供することができる。
の発明によれば、第の発明の効果に加えて、基材の透明合成樹脂シートとして特定の素材からなるものを選択したので、基材の入手および取り扱いが容易な透明導電性シートが得られる。
図1および図2は、いずれも本発明の実施例の透明導電性シートの積層構造を示す図である。
図1(a)に示すように、本発明の透明導電性シート1は、最も基本的には、合成樹脂シート2の図中の上面側である片面に透明導電性薄膜3が積層された積層構造を有するものである。このように合成樹脂シート2の片面に透明導電性薄膜3が積層された積層構造において、合成樹脂シート2と透明導電性薄膜3との間には無機化合物薄膜4が積層されていてもよい。
図2に示すように、本発明の透明導電性シート1における透明導電性薄膜3は、基材である合成樹脂シート2の両面に積層されていてもよく、例えば、図2(a)に示すように、合成樹脂シート2の図中の上面側に透明導電性薄膜3a、および下面側に透明導電性薄膜3bが積層された積層構造を有して、透明導電性シート1が構成されていてもよい。このように、両面に透明導電性薄膜3aおよび3bが積層されている場合、合成樹脂シート2と透明導電性薄膜3aの間、および合成樹脂シート2と透明導電性薄膜3bの間には、図1(b)を引用して説明したのと同様、無機化合物薄膜が積層されていてもよい。無機化合物薄膜は、図1(b)中、上面側の透明導電性薄膜3aとの間にのみ無機化合物薄膜4aが積層されているように、合成樹脂シート2といずれか一方の透明導電性薄膜の間にのみ積層されていてもよいし、あるいは、図1(c)に示すように、合成樹脂シート2と図中では上面側の透明導電性薄膜3aとの間に無機化合物薄膜4aが積層され、かつ下面側の透明導電性薄膜3bとの間に無機化合物薄膜4bが積層されていてもよい。
上記における透明合成樹脂シート2としては、汎用性のプラスチックシートから選択して使用することができるが、特に、素材の合成樹脂としては、耐熱性の高いものが好ましく、ガラス転移点があるものについては、ガラス転移点が150℃以上のものを用いることが好ましい。ガラス転移点が150℃未満のものでは、本発明におけるような、比重を厚み方向に変化させて透明導電性薄膜を形成するために必要な熱負荷に耐える耐熱性が十分でない場合があり、必ずしも十分な性能を持ったものが得られないことがあるからである。素材の合成樹脂のガラス転移点が150℃以上の透明合成樹脂シートとしては、具体的には、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアリレート、環状オレフィンポリマー等からなるシートが好ましく、これらは、入手および取り扱いが容易である利点を有する。なお、合成樹脂シートのガラス転移点は高いほどより好ましく、制限するものではないが、現状、入手し得る範囲では400℃未満である。これら以外にも透明合成樹脂シート2としては、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、シンジオタクティック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂、ポリエーテルニトリル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、もしくは熱可塑性ポリイミド等からなるシートを挙げることができる。透明合成樹脂シート2の厚みは用途に合せて適宜に選択するので一律には決まらないが、5μm〜500μm程度である。
透明導電性薄膜は、金属アルコキシド等の加水分解物をコーティングすることによって形成される無機酸化物を主成分とするコーティング層であってもよいし、またはインジウム−錫系酸化物(ITO)、インジウム−錫−亜鉛系酸化物(ITZO)、ZnO2系、CdO系、もしくはSnO2系等から適宜選択して使用し、抵抗加熱蒸着法、誘導加熱蒸着法、EB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、もしくはプラズマCVD法等の真空成膜法によって形成される薄膜であり得る。
なかでも、透明性および導電性が優れている点でインジウム−錫系酸化物(ITO)が好ましく、インジウム−錫系酸化物(ITO)における錫の含有量が5〜15モル%であるものが特に好ましい。このインジウム−錫系酸化物(ITO)薄膜の厚さは、10nm〜1000nmが好ましく、より好ましくは60nm〜450nmである。10nm未満の厚みの場合には透明電極層として使用したときの導電性が不十分になり、200nm以上の場合には透明性や耐屈曲性の悪化が見られ好ましくない。また、このインジウム−錫系酸化物(ITO)薄膜は、非結晶性のものでも結晶性のものでもよく、非結晶性−結晶性の中間性(混合タイプ)のものでもよい。より高い導電性を得るためには結晶性のものがより優れているが、耐屈曲性については、非結晶性のものがより優れている。
得られる透明導電性薄膜3の導電性を維持しながら、透明導電性薄膜3と下層との密着性を向上させ、透明性導電性シート1の耐屈曲性を向上させるには、透明導電性薄膜3の下層との界面付近の密度と、それ以外の部分の密度とが、特定の関係を有するものであることが好ましく、合成樹脂シート2側の界面付近の密度Aおよび前記界面付近以外の密度Bとが、A/Bが0.800以上0.999以下、もしくは1.001以上1.200以下であることが好ましい。A/Bが0.800未満の場合、透明導電性薄膜3の下層との界面付近の密度が低すぎるため、その上の膜形成が正常に行われず、得られる透明導電性薄膜3の導電性の低下が起き、ピンホール、クラック等もできやすくなり、またヘイズ度も上がるため、好ましくなく、また、A/Bが1.200を超えると、界面付近の密度が稠密になりすぎ、耐屈曲性が劣化するからである。なお、A/Bが0.999を超え、1.001未満のときは、透明導電性薄膜3と透明合成樹脂シート2との密着性の向上効果が見られない。
このように、本発明の透明導電性シート1の透明導電性薄膜3としては、下層との界面付近の構造が過度に稠密でないものが好ましいが、逆に過度に疎であると、透明導電性薄膜3が本来的に必要とする稠密さが得られず、従って、十分な導電性が得られない上、ピンホール、クラック等の欠点も生じやすいことが、発明者の検討により判明した。
なお、透明導電性シート1の透明導電性薄膜3をパターン化する必要があるときは、例えば、レジストパターンを積層してエッチングする際に、エッチングの速度が低下せず、しかも得られる透明導電性薄膜3のパターンの精度が高い等により、上記のA/Bは0.999以下であることがより好ましい。
ここでいう界面付近とは、X線反射率法の測定結果を最小二乗法フィッテイングすることにより算出されるものであり、その部分の膜厚は適宜変化するが、透明導電性薄膜3の全体の厚みの1〜49%である。X線反射率法は、反射X線強度プロファイルの多層薄膜試料へのX線入射角依存性を、シミュレーション結果と合せることによって、物性を評価する手法で、薄膜/薄膜界面の平坦な試料については、反射X線強度は理論的には試料へのX線入射角θの4乗に逆比例して減衰し、薄膜/薄膜界面が平坦でない場合には、さらに急激に減衰する。そこで、この入射角依存性の効果を相殺するために、最小二乗法を用いてベースラインを決定し、測定データに含まれる振動成分のみを抽出する。次いで、解析モデルにおけるパラメータとなる各膜の膜厚、密度、および界面ラフネスの値を適当に変えながらシミュレートした結果と、測定データに含まれる振動成分とを対比させ、所定の誤差に収まるように最小二乗法フィッティングすることによって、各層の膜厚み、および密度等を決定するものである。ここでいう層全体の密度とは、全膜厚から界面付近の膜厚を差し引いた部分の密度である。また界面付近密度と全体密度として数値を切り離しているが、そこに必ずしも目に見える境界があるわけではない。
透明導電性薄膜3の前記透明合成樹脂シート2側の界面付近の密度をA、前記界面付近以外の部分の密度をBとするとき、A/Bを0.800以上0.999以下、もしくは1.001以上1.200以下に制御するには、透明導電性薄膜3の薄膜の形成過程における諸条件を調整することにより行なう。調整する諸条件としては、(1)薄膜の形成前、形成中、もしくは形成後における透明合成樹脂シート2の温度、(2)薄膜の形成の際の真空容器内の圧力、(3)薄膜の形成時の成膜レート等がある。例えば、(1)の温度に関しては、成膜前に透明合成樹脂シート2を120℃に加熱し、成膜中は非加熱とすると、透明合成樹脂シート2の伸縮により、薄膜の厚み方向に密度の差が生じる。(2)の真空容器内の圧力に関しては、成膜初期段階の圧力と成膜中の圧力とを変え、成膜初期段階の圧力を高めに保つことにより、A/Bを0.800以上0.999以下に設定できる。また、(3)の成膜レートに関しては、成膜初期段階の成膜レートと成膜中の成膜レートとを変えることにより、膜の形成に差が生じ、A/Bを所望の比に設定できる。ただ、これらの諸条件は、使用する装置の形状や大きさによって異なるため、使用する装置に応じて最適化する必要がある。
図を引用して既に例示したように、本発明の透明導電性シート1は、合成樹脂シート2と透明導電性薄膜との間に無機化合物薄膜4が介在したものであってもよい。無機化合物薄膜4の介在により、合成樹脂シート2と透明導電性薄膜との間の密着性の向上を図ることができる上、ガスバリア性の向上等の効果も生じる。無機化合物薄膜4を構成する素材としては、一般的に真空成膜される材料であれば原則的に使用可能であり、中でもセラミック材料を用いると、透明性を活かした透明性ガスバリア膜としての薄膜を形成することができる。セラミック材料としては、SiOx、AlOx、SiOxNy、SiNx、SiOxNyCz、SiNxCy、AlOxNy、AlNx、AlOxNyCz、AlNxCy等を例示することができる。
このような無機化合物薄膜4は、抵抗加熱蒸着法、誘導加熱蒸着法、EB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、もしくはプラズマCVD法等の真空成膜法により形成することができ、10nm〜1000nm、好ましくは20〜500nmの範囲で適宜設定することができる。透明導電性シート1の用途にもよるが、この厚みの範囲であれば、合成樹脂シート2と透明導電性薄膜との間の密着性の向上、および得られる透明導電性シート1のガスバリア性の向上等の効果が生じる。なお、無機化合物薄膜4が介在する透明導電性シート1は、介在しない透明導電性シート1にくらべ、応力が増加する、もしくは透明性が低下する傾向があるので、応力や透明性が問題になる場合には、素材および厚みを適宜に選択することが好ましい。
透明導電性シート1がフレキシブルな表示素子の基材として利用される場合、高いガスバリア性を持たせる必要からも上記の範囲内であることが好ましく、無機化合物薄膜4の厚みが上記した範囲の下限未満であると、高いガスバリア性(酸素透過率が0.1cc/m2/day未満、および水蒸気透過率が0.1g/m2/day未満程度のガスバリア性)を発現できないし、また、無機化合物薄膜4の厚みが上記の範囲を超えると、無機化合物薄膜4の形成に起因する応力により合成樹脂シート2の変形の問題が生じ、また成膜に要する時間が長くなるので好ましくない。
本発明の透明導電性シート1は、必要に応じ、反射防止層、表面平滑層、もしくはハードコート層等の機能層を有するものであってもよい。例えば、合成樹脂シート/平坦化層/無機化合物薄膜の積層構造のものであり得る。この場合、平坦化層は、樹脂層でもゾルゲル法による層であってもよい。あるいは、無機化合物薄膜4が単独の層で構成されたものではなく、2層以上の層から構成されたものであってもよい。
無機化合物層の形成
環状オレフィンポリマーシート(日本ゼオン(株)製、「ゼオノア」(登録商標)、厚み;100μm、大きさ;15cm×15cm)を準備し、スパッタ装置のチャンバー内の上部電極にこのシートを装着した。次いで、チャンバー内を油回転ポンプおよびターボ分子ポンプにより、到達真空度5×10-5Paまで減圧した。上記のスパッタ装置は、チャンバーとともに、電源、排気弁、排気装置、ガス導入口、ガス供給源を備えている。また、タ−ゲットとしてITO(99.99%以上)を用い、酸素ガス(太陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上))、アルゴンガス(太陽東洋酸素(株)製(純度99.999%以上))を準備した。
次に、アルゴンガスをチャンバー内に導入し、真空度を5×10-2Paとした後、装着されたシートを120℃の温度で1時間加熱した後、放電電圧(投入電力;730W)を印加した。印加後、電極近傍に設けられたガス導入口からチャンバー内に、アルゴン(毎分の導入量;75sccm)、および酸素(毎分の導入量;1sccm)を導入し、排気装置とチャンバーとの間にある排気弁の開閉度を制御することにより、チャンバー内圧力を0.25Paに保ちつつ、上記のシート上に厚みが150nmのITO膜からなる透明導電性薄膜を形成し、透明導電性シートを得た。またこの透明導電性薄膜のシート側の界面付近の密度Aは6.643g/cm3、透明導電性薄膜の界面付近を除いた部分の密度Bは6.775g/cm3であり、A/Bは0.980であった。なお、透明導電性薄膜の密度および膜厚は以下の条件で測定を行ったものである。なお、後記の表2では、密度Aを界面密度、密度Bを全体密度と略称する。
まず、透明導電性薄膜の密度および膜厚の測定に先立ち、屈曲性試験を行なった。先に屈曲性試験を行なった理由は、透明導電性シートの耐屈曲性を見るためである。屈曲性試験、ならびにその他の項目の測定および評価の方法は以下の通りである。
屈曲性試験
透明導電性シートを幅;1cm、長さ;16cmの形状に切り出したテープを、直径10mmφのステンレス製丸棒の周囲に、テープの透明導電性薄膜が外側になるようにして密着させてほぼ5重に巻きつけ、巻きつけたままの状態で5分間放置した。放置後、テープを巻きつけた状態から解放して裏返し、今度は透明導電性薄膜が内側になるようにした以外は同様にして巻きつけ、5分間放置し、その後、テープを巻いた状態から解放した。
膜厚及び膜密度の測定
X線回折装置(リガク電機工業(株)製、ATX−E)を用いて測定を行い、得られたデータを解析ソフト(リガク電機工業(株)製、RGXR)を用い、反射率を非線形最小二乗法によりフィッティングし、膜厚および膜密度を求めた。解析の際のR値が1%未満であることを正確性の判断基準とした。X線としては、18kWのX線発生装置を用い、Cuターゲットによる波長(λ);1.5405ÅのCuKα線を発生させ、モノクロメーターとしては放物面人口多層膜ミラーおよびGe(220)モノクロ結晶を用いた。試料の透明導電性シートを基板ホルダーにマグネットで装着し、自動アライメント機能を利用して0°位置調整を行なった後、スキャン速度;0.1000°/min、サンプリング幅;0.002°、およびスキャン範囲;0〜4.0000°の設定条件にてスキャンしながら反射率を測定した。測定で得られた反射率データは、上記の解析ソフトを用い、初期値として薄膜の元素比を入力し、フィッティングエリア;0.560°〜4.000°の条件で最小二乗法によるフィッティングを行なって、膜厚および膜密度を求めた。
シート抵抗の測定
「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法」(JIS K7194)に準拠して行なった。
密着性の測定
セロハンテープによる引きはがし試験(JIS H8504)に準拠して行ない、得られた透明導電性シートの透明導電性薄膜の表面に18×20mmの面積でセロハンテ−プ(積水化学工業社製)を貼りつけた後、剥離試験を行い、セロハンテープの貼りつけ面積に対する基材から膜が剥離した面積の割合(剥離率)を測定し、密着性を評価した。なお、評価雰囲気は、22℃、65%RHである。
エッチング適性の評価
塩酸:水:硫酸=1:1:0.08の混合酸性溶液に、透明導電性シートを4分間浸漬し、外観の変化、特に剥離の有無を観察すると同時に、処理前後のシート抵抗の変化を調べた。すなわち、処理後のシート抵抗値が∞のときはエッチングが良好に行われたものと判断し、導電性が確認されたときはエッチングが不十分であると判断した。
透明導電性薄膜として厚みが145nmのIZO膜を形成した以外は、実施例1と同様にして透明導電性シートを得た。
真空容器内の圧力を、成膜初期段階のみ0.40Paに変更し、以降は実施例1におけるのと同様に行ない、厚みが140nmのITO膜を形成した以外は、実施例1と同様にして透明導電性シートを得た。
真空容器内へのアルゴンガス導入量を、成膜初期段階のみ25sccmに変更し、以降は実施例1におけるのと同様に行ない、厚みが135nmのITO膜を形成した以外は、実施例1と同様にして透明導電性シートを得た。
基材として、実施例1において使用したのと同じ環状オレフィンポリマーシートに厚みが100nmのSiON薄膜を形成した複合シートを用い、厚みが140nmのITO膜を形成した以外は、実施例1と同様にして透明導電性シートを得た。
真空容器内の圧力を、成膜初期段階のみ0.75Paに変更し、以降は実施例1と同様に行ない、厚みが150nmのITO膜を形成した以外は、実施例1と同様にして透明導電性シートを得た。
真空容器内へのガス導入を、成膜初期段階のみ、アルゴンガス;10sccm、ヘリウムガス;10sccmとし、以降は、実施例1と同様に行ない、厚みが140nmのITO膜を形成した以外は、実施例1と同様にして透明導電性シートを得た。
<比較例1>
成膜中の酸素導入量を4sccmで一定にして行ない、厚みが140nmのITO膜を形成した以外は、実施例1と同様にして透明導電性シートを得た。
<比較例2>
装着されたシートの加熱を行なった以外は実施例1と同様にして透明導電性シートを得た。
以降の表1に、実施例1も含めた透明導電性シートの作成条件を示し、表2に試験および評価の結果を示す。
Figure 0004531382
Figure 0004531382
透明導電性薄膜を片面に1層有する透明導電性シートを示す図である。 透明導電性薄膜を表裏に2層有する透明導電性シートを示す図である。
符号の説明
1……透明導電性シート
2……合成樹脂シート
3……透明導電性薄膜
4……無機化合物薄膜

Claims (5)

  1. 透明合成樹脂シートおよび透明導電性薄膜が積層された積層構造を有しており、前記透明導電性薄膜の前記透明合成樹脂シート側の界面付近の密度をA、前記界面付近以外の部分の密度をBとするとき、
    A/Bが0.800以上0.999以下、もしくは1.001以上1.200以下であり、
    Bが6.0g/cm3〜8.0g/cm3であることを特徴とする透明導電性シート。
  2. 前記A/Bが0.800以上0.999以下であることを特徴とする請求項1記載の透明導電性シート。
  3. 前記透明導電性薄膜がITOを素材として構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の透明導電性シート。
  4. 前記透明合成樹脂シートは、ガラス転移点が150℃以上の樹脂で構成されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか記載の透明導電性シート。
  5. 前記透明合成樹脂シートがポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリアクリレート、ポリアリレート、環状オレフィンポリマーのいずれかであることを特徴とする請求項4記載の透明導電性シート。
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