JP2011098464A - 透明電極付き基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】これまでの基板上に形成された透明電極付き基板では、表面粗さは基板に依存しており、基板上に形成される下地層や透明電極では表面粗さを制御できなかった。この為、透明電極付き基板のミクロンオーダー以下の凹凸の制御ができず、光学設計にも限界があった。
【解決手段】下地層の一部または全部が粒子状の酸化ケイ素からなる層を用いることで、ナノレベルの凹凸の制御ができ、酸化ケイ素の屈折率とナノレベルの凹凸形状により光学特性を大きく向上することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、タッチパネルやPDP、LCDやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ材料などに用いられる透明電極部材、フレキシブル太陽電池の部材、化合物半導体高速デバイスに用いる低誘電率膜、表面弾性波素子、赤外線カットなどを目的とした窓ガラスコーティング、ガスセンサー、非線形光学を活用したプリズムシート、透明磁性体、光学記録素子、光スイッチ、光導波路、光スプリッタ、光音響材料、および高温発熱ヒーター材料などの材料において、高い光学特性を示す透明電極付き基板に関するものである。
太陽電池やタッチパネルやディスプレイ材料などに使用される透明電極付き基板は、その透明電極層として酸化インジウム錫(ITO)や酸化錫、酸化亜鉛などが広く使用されている。このような透明電極層は基板上に、マグネトロンスパッタリング法やモレキュラービームエピタキシー法などの物理気相堆積法(PVD法)や熱CVDやプラズマCVDなどの化学気相堆積法(CVD法)などにより形成されるほか、無電解法により形成される方法が知られている。
一方、透明電極層と基板の間に形成される下地層として酸化ケイ素が広く用いられている。これは、酸化ケイ素が透明性に優れていることに加えて、基板から透明電極側に拡散してくる水や低分子量成分に対するバリア層的な役割を果たすためである。例えば特許文献1には、表面粗さを3nm以下に制御した酸化ケイ素下地層に関する技術が記載されている。しかし、ここに記載されている酸化ケイ素下地層はバリア性には非常に優れているが、以下の点から光学設計が困難である。すなわち、特許文献1における酸化ケイ素下地層は、表面がほぼ平坦であるので、表面のナノレベルの凹凸構造が形成できない。よって酸化ケイ素下地層/透明電極層および透明電極層/空気の各界面での光の反射が強くなり、光線透過率の向上が見込めない。また、その下地層は均質な膜状であると考えられ、酸化ケイ素層の屈折率制御が狭い範囲でしかできなくなる。
特開2006−19239号公報
上記課題を解決する為に、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、酸化ケイ素下地層を粒子状のものとすることで、凹凸形状制御と屈折率制御による総合的な光学設計が可能となり、結果として光学特性が向上することを見出した。
すなわち本発明は、以下の構成を有するものである。
(1)基板上に、一部または全部が粒子状の酸化ケイ素を主成分とする下地層、酸化インジウムまたは酸化亜鉛を主成分とする透明導電性酸化物層を含む透明電極層がこの順に形成された透明電極付き基板であって、当該透明電極付き基板の透明電極層表面の算術平均粗さ(Ra)が4nm以上100nm以下であり、さらに上記下地層の屈折率が1.34〜1.50の範囲であることを特徴とする透明電極付き基板。
(2)上記粒子状の酸化ケイ素の粒子径が5nm〜200nmであることを特徴とする(1)に記載の透明電極付き基板。
(3)上記透明電極層が、上記透明導電性酸化物層上にさらに透明導電性カーボン層を製膜したものを含むことを特徴とする(1)〜(2)のいずれかに記載の透明電極付き基板。
本発明により、太陽電池、タッチパネル、あるいはエレクトロルミネッセンス用電極基板などで特に重要な要素である「透明性」において、良好な特性を示す透明電極付き基板を形成することが可能となる。
透明電極付き基板の断面概略図 透明電極付き基板表面原子間力顕微鏡(AFM)画像 透明電極付き基板断面透過型電子顕微鏡(TEM)画像
本発明は「基板上に、一部または全部が粒子状の酸化ケイ素を主成分とする下地層、酸化インジウムまたは酸化亜鉛を主成分とする透明導電性酸化物層を含む透明電極層がこの順に形成された透明電極付き基板であって、当該透明電極付き基板の透明電極層表面の算術平均粗さ(Ra)が4nm以上100nm以下であり、さらに上記下地層の屈折率が1.34〜1.50の範囲であることを特徴とする透明電極付き基板」に関するものである。
太陽電池やエレクトロルミネッセンス照明デバイス、タッチパネルなどに用いられる透明電極において、重要な要素として「導電性」と「透明性」がある。透明電極として用いられている酸化インジウム系化合物に代表される透明導電性酸化物は、その膜厚と導電性がほぼ比例しており、膜厚が厚くなると導電性が向上する。一方で膜厚が厚くなると透明性が悪くなる。このように、導電性と透明性は互いにトレードオフの関係にあることが多いため、両方を高いレベルで達成することは困難である。透明性を上げる手段としては「高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層」のように屈折率の異なる層を積層することで、光の干渉効果により特定の波長での透過率を向上することが可能であり、例えばタッチパネル用透明電極付き基板には有効な手段である。しかしながら、このような方法で作製された透明電極付き基板はコストに課題があり、さらに最表面の透明電極層の膜厚も光学設計に左右されるため、導電性の制御が困難であることなどから、実施には非常に高度な技術が必要となる。
本発明では、下地層として使用する酸化ケイ素を粒子状とすることで、屈折率の制御と表面の凹凸形状の制御が可能となることから、透明電極層の膜厚に関わらず良好な光学特性を実現できるものである。
以下、本発明に係る透明電極付き基板の代表的な態様を説明する。図1に本発明の透明電極付き基板の代表的な模式図を示している。基板1上に下地層2が形成され、さらに透明電極層3が形成されている。図1では下地層を形成する酸化ケイ素が粒子からなることを示している。
基板1には可視光領域で透明であるフィルム材料が主に用いられる。フィルム材料としては、熱可塑性樹脂フィルムや熱硬化製樹脂フィルムなどが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂やポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン、シクロオレフィンポリマーなどが、熱硬化製性樹脂としてはポリウレタンなどがあげられる。基板1として、特に優れた光学等方性と水蒸気遮断性に優れているシクロオレフィンポリマー(COP)を主成分とする基板を用いることが好ましい。
上記COPとしては、ノルボルネンの重合体、ノルボルネンとオレフィンとの共重合体、あるいはシクロペンタジエンに代表される不飽和脂環式炭化水素の重合体などが挙げられる。上記COPとしては、具体的には、ゼオノアフィルム(日本ゼオン社製)などが好ましく用いられる。水蒸気遮断性の観点から、構成分子の主鎖および側鎖には大きな極性を示す官能基、例えばカルボニル基やヒドロキシル基、を含まないことが好ましい。
基板1の膜厚としては、0.03mm〜3.0mm程度であることが好ましい。基板1の膜厚を0.03〜3.0mmとすることで、フィルムのハンドリングやフィルムにかかるコストの面から好ましく使用することができる。さらに、基板が厚くなりすぎないことで、例えばタッチパネルデバイスに用いる場合には、タッチパネルデバイス全体の膜厚を抑制することができ、タッチパネル搭載機器の小型化・軽量化が可能となる。また基板1として、耐熱性に優れるという観点から、ポリエチレンナフタレート(PEN)やポリエーテルスルホン(PES)を主成分とする基板なども使用できる。
基板1には傷つき防止を目的としたハードコート層を形成しても良い。ハードコート層は基板1のどちらの表面に形成しても良く、また両面に形成しても良い。ハードコート層は、ハンドリング時の傷つき防止の他に、粒子などを入れることでアンチニュートンリング性やヘイズを付与することができる。ハードコート層の材料は基板1に十分に付着するものであれば材料の種類に制限はないが、アクリル樹脂やポリエステル樹脂が好適に使用される。粒子が添加される場合には、アクリル樹脂からなる粒子やシリカ粒子などが使用される。
ハードコート層の膜厚は、基板1の柔軟性を損なわず、且つ傷付き防止などの機能を果たす膜厚で任意に設定される。具体的には1〜10μmが好ましく、さらには2〜5μmが好ましい。
下地層2は主に酸化ケイ素からなる層である。ここで言う酸化ケイ素とは化学式がSiOx(x=1.2〜2.0)で表されるものが好ましい。xがこの範囲にあることで、本発明に必要な、透明性などに優れた酸化ケイ素下地層を作製することが可能となる。
図2および図3は、それぞれ下地層2の表面からの原子間力顕微鏡(AFM)の画像(図2)、および下地層2の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)の画像(図3)である。本発明における下地層2は、図2に示すように粒子状の酸化ケイ素の集合体が含まれていることが好ましい。
図3より、下地層2が粒子状の酸化ケイ素からなっていることがわかる。粒子状の酸化ケイ素下地層は図2に示すように空隙の多い構造となっているため、下地層の屈折率をストイキオメトリックな二酸化ケイ素よりも小さくすることができ、さらに屈折率を1.34〜1.50の間で制御可能である。この範囲で屈折率を制御することで、基板/下地層および下地層/透明電極層それぞれの界面での反射を最低限に抑制することができ、界面の反射による光線透過率の低下を抑制することができる。
さらに本発明の下地層は少なくとも一部が粒子状となっていることで、下地層の算術表面粗さ(Ra)を4nm以上とすることができる。Raの好ましい範囲は4nm〜100nmであり、より好ましくは5nm〜30nmである。さらに好ましくは6〜15nmである。この範囲のRaとすることで、そのナノレベルの凹凸構造により下地層/透明電極層および透明電極層/空気のそれぞれ界面において光の反射を抑制することができ、それによって光線透過率が向上する。上記範囲のRaであれば、透明電極層の製膜後のRaを良好な値にすることができる。
本発明における粒子状の酸化ケイ素の粒子径は、例えばAFM測定において「頂点間距離」を測定することで評価可能である。頂点間距離は、AFMの断面プロファイルにおいて、各ピーク位置間の距離を平均したものであり、この頂点間距離の(1/2)×2、すなわち頂点間距離を平均的な粒子径とみなすことができる。この方法で測定した粒子径が5〜200nmであることが好ましい。より好ましくは10〜100nmである。この範囲の粒子径とすることで、本発明の透明電極付き基板に必要なRaを示すことができると同時に、酸化ケイ素下地層に空隙を設けることができ、この空隙によって下地層の屈折率を1.34〜1.50に制御することが可能となる。本発明の粒子状の酸化ケイ素は球形である必要はなく、楕円体形であっても良いし、また非球形であっても良い。
このような粒子状の酸化ケイ素は気相堆積法により作製できる。例えば、スパッタリング法やCVD法がある。スパッタリング法では、ターゲットとして、例えば酸化ケイ素SiOx(x=0〜2.0)や、強度を確保するために酸化ケイ素SiOx(x=0〜2.0)にシリコンカーバイドを添加したものを使用することができる。当該スパッタリング法におけるキャリアガスには、特に限定されないが、アルゴンと酸素を使用することが好ましい。これらのターゲットおよびキャリアガスを使用することにより本発明に必要な粒子状の酸化ケイ素を作製することができる。
透明電極層3としては、透明導電性酸化物層を含むものを用いることができる。本発明における透明導電性酸化物層は、酸化インジウムまたは酸化亜鉛を主成分とするものであって、酸化インジウムを主成分とするものは、酸化インジウム単独で使用することもできるが、導電性を付与する目的でドーピングをすることもできる。ドーピングには例えば錫や亜鉛、ニオブ、タングステン、チタン、ジルコニウム、モリブデンなどがあるが、中でも錫がドーピングされたものは「ITO」と呼ばれており、広く用いられている。酸化亜鉛を主成分とするものは、酸化亜鉛を単独で使用することもできるが、導電性を付与する目的でドーピングをすることもできる。ドーピングには例えばインジウムや錫、アルミニウムやホウ素、ガリウム、ケイ素などがある。これらの透明導電性酸化物層は公知の手法、例えば、スパッタリング法、有機金属化学気相堆積法(MOCVD)、熱CVD法、プラズマCVD法、分子線ビームエピタキシー法(MBE)、またはパルスレーザー堆積法(PLD)などで作製することができる。
また上記基板1としてガラス基板や高い軟化(溶融)温度を有する軟質な材料を用い、当該基板1上に透明導電性酸化物層が形成された透明電極付き基板は、導電性と光線透過率を上げるためにアニール処理をすることができる。アニール処理は真空または不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。酸素雰囲気下でアニール処理すると、透明導電性酸化物層が熱酸化され、導電率が低下するため好ましくない。例えば、酸化亜鉛を透明導電性酸化物層に用いる場合のアニール温度は、酸化亜鉛の結晶性が向上する温度以上であり、かつ基板の溶融温度以下であることが好ましく、具体的には200〜450℃程度でアニール処理することで良好な透明電極付き基板を作製することができる。
透明導電性酸化物層の膜厚は100〜5000Å、さらには150〜2000Åであることが好ましい。この範囲の膜厚の透明導電性酸化物層を用いることで、高い透明性と導電性を併せ持つ透明電極付き基板を作製することができるため好ましい。また、製膜時のピンホールのような抜けや、基板と透明導電性酸化物層との応力差によるクラックなどが入りにくくなることが期待できるため好ましい。
本発明の透明電極付き基板における透明電極層3としては、透明導電性酸化物層上に保護層として透明導電性カーボン層を製膜したものを用いることができる。透明導電性カーボン層はダイヤモンドライクカーボンのようなアモルファスカーボンが代表例として挙げられるが、結晶性の成分が含有されていてもよい。透明導電性カーボン層として、特には、水素化アモルファスカーボンが好適に用いられ、これにより耐熱性や湿熱耐久性の向上が可能となる。
透明導電性カーボン層の膜厚は1〜20nmが好ましく、さらには2〜8nmが好ましい。透明導電性カーボン層は一般的な透明導電性酸化物層よりも導電性が低いため、透明導電性酸化物の高い導電性を阻害しないような膜厚とする必要があることと、耐熱性や湿熱耐久性の確保の観点から上記の範囲が好ましい。
本発明の透明導電性カーボン層は、気相堆積法により製膜することができる。例えばカーボンをターゲットとしたスパッタリング法や、プラズマCVD法のほか、パルスレーザー堆積法やイオンプレーティング法などあるが、大面積に均一に製膜できるという観点から、スパッタリング法かプラズマCVD法が好ましい。スパッタリング法の場合には、キャリアガスに水素が存在することで、保護層として有用な透明導電性カーボン層を形成可能である。プラズマCVDの場合には、メタンやエタン、ベンゼンなどを炭素源として、これらを水素で希釈してプラズマ放電により気体状のものに分解することで、水素化アモルファスカーボンを製膜できる。
本発明の透明電極付き基板の透明電極層表面の算術平均表面粗さ(Ra)は4nm以上とすることができる。この中で好ましい範囲は4nm〜100nmであり、より好ましくは4.5nm〜30nmである。さらに好ましくは4.5〜15nmである。この範囲のRaとすることで、そのナノレベルの凹凸構造により下地層/透明電極層および透明電極層/空気のそれぞれ界面において光の反射を抑制することができ、結果として光線透過率の向上が可能となる。透明電極層のRaは下地層のRaに反映されるため、透明電極層表面のRaが100nmより大きい場合、透明電極層を均一に製膜することが困難となり、ピンホールの原因となるため好ましくない。一方、透明電極層表面のRaが4nmより小さい場合、ナノレベルの凹凸構造による光学特性の向上効果がなくなるため好ましくない。
次に透明電極付き基板のシート抵抗について説明する。作製される透明電極付き基板のシート抵抗は、使用用途によってさまざまであるが、一般的に100〜1000Ω/□の範囲で使用される。
本発明において、シート抵抗は抵抗率計ロレスタGP MCT−610(三菱化学社製)を用い、JISK−7194に基づいて測定した。光線透過率はU−4000(日立製作所製)を用いた。透明導電性酸化物層などの各層の膜厚は分光エリプソメーターVASE(J.Aウーラム社製)を使用した。フィッティングはChaucyモデルにより行った。透過電子顕微鏡はH−8100(日立製作所製)を用いた。原子間力顕微鏡はJSPM−4200(日本電子製)を用い、このデータよりRaを求めた。また、得られたAFMの断面プロファイルから平均の頂点間距離を計算することで酸化ケイ素の粒子径を求めた。
以下に、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
シクロオレフィンポリマーフィルム(商品名ゼオノアフィルムZF−16、日本ゼオン社製、厚み100μm)を基板として用い、当該基板上に下地層として酸化ケイ素を製膜した。製膜条件は、二酸化ケイ素をターゲットとしたマグネトロンスパッタリング法であり、キャリアガスとしてアルゴンと酸素を用い、流量を160/10sccm、圧力を0.5Paとして50nmの膜厚で製膜した。この下地層の屈折率は1.38であった。またAFM測定より下地層のRaが5nmであり、当該下地層が粒子状であることが確認できた。AFMの頂点間距離から測定された粒子の粒子径は20nmであった(図3)。この上にインジウム−錫複合酸化物(ITO:酸化錫10重量%含有)を25nmの膜厚で製膜した。製膜条件は、インジウム−錫複合酸化物(ITO:酸化錫10重量%含有)をターゲットとしたマグネトロンスパッタリング法であり、キャリアガスとしてアルゴンと酸素を用い、流量を200/4sccm、圧力を0.4Paとした。
このようにして作製された透明電極付き基板のシート抵抗は300Ω/□であり、AFMから測定した透明電極層表面のRaは4.5nmであった。また500nmでの光線透過率は89%であった。
(実施例2)
実施例1で作製した透明電極付き基板のITO表面に透明導電性カーボン層を製膜した。製膜条件は、カーボンをターゲットとしたマグネトロンスパッタリング法であり、キャリアガスとして水素を使用し、流量を100sccm、圧力を0.8Paとして、5nmの膜厚で製膜した。この下地層の屈折率は1.38であった。
このようにして作製された透明電極付き基板のシート抵抗は320Ω/□であり、AFMから測定した透明電極層表面のRaは4.2nmであった。また500nmでの光線透過率は89%であった。
(実施例3)
酸化ケイ素下地層の膜厚が100nmとなるように製膜した以外は、実施例1と同様にして透明電極付き基板を作成した。当該下地層の屈折率は1.38であった。AFMより下地層のRaは5nmであり、当該下地層が粒子状であることを確認した。またAFMの頂点間距離より粒子径は20nmであった。
このようにして作製された透明電極付き基板のシート抵抗は300Ω/□であり、AFMより透明電極層表面のRaは20.3nmであった。また500nmでの光線透過率は89%であった。
(比較例1)
酸化ケイ素下地層の膜厚が50nmとなるように製膜した。製膜条件は、二酸化ケイ素をターゲットとしたマグネトロンスパッタリング法であり、キャリアガスとしてアルゴンと酸素を用い、流量を160/1sccmとして、圧力を0.3Paとした。それ以外は実施例1と同様にして透明電極付き基板を作製した。当該下地層の屈折率は1.51であった。AFMより下地層のRaは2.6nmであり、AFMによる表面モルフォロジー観察より、当該下地層が膜状であることを確認した。
このようにして作製された透明電極付き基板のシート抵抗は300Ω/□であり、AFMより透明電極層表面のRaは2.8nmであった。また500nmでの光線透過率は85%だった。
以上の結果から、粒子状の酸化ケイ素下地層を製膜することで、透明電極にナノレベルの凹凸を形成することが可能となり、結果として光線透過率が向上する、すなわち「透明性」が良好となることがわかった。
1 基板
2 下地層
3 透明電極層

Claims (3)

  1. 基板上に、一部または全部が粒子状の酸化ケイ素を主成分とする下地層、酸化インジウムまたは酸化亜鉛を主成分とする透明導電性酸化物層を含む透明電極層がこの順に形成された透明電極付き基板であって、当該透明電極付き基板の透明電極層表面の算術平均粗さ(Ra)が4nm以上100nm以下であり、さらに上記下地層の屈折率が1.34〜1.50の範囲であることを特徴とする透明電極付き基板。
  2. 上記粒子状の酸化ケイ素の粒子径が5nm〜200nmであることを特徴とする請求項1に記載の透明電極付き基板。
  3. 上記透明電極層が、上記透明導電性酸化物層上にさらに透明導電性カーボン層を製膜したものを含むことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の透明電極付き基板。
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