JP5313568B2 - 透明導電膜 - Google Patents

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Description

本発明は、主としてタッチパネルやPDP、LCDやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ材料、太陽電池の透明電極や裏面電極、ハイブリッド型太陽電池の透明中間層、化合物半導体高速デバイスに用いる低誘電率膜、表面弾性波素子、赤外線カットなどを目的とした窓ガラスコーティング、ガスセンサー、非線形光学を活用したプリズムシート、透明磁性体、光学記録素子、光スイッチ、光導波路、光スプリッタ、光音響材料、高温発熱ヒーター材料において、高い耐環境変動性を達成可能な透明導電膜に関するものである。
タッチパネルやディスプレイ材料、太陽電池などに使用される透明導電膜は、その透明導電層として酸化インジウム錫(ITO)や酸化錫、酸化亜鉛などが広く使用されている。このような透明導電層はマグネトロンスパッタリング法やモレキュラービームエピタキシー法などの物理気相堆積法(PVD法)や熱CVDやプラズマCVDなどの化学気相堆積法(CVD法)などにより形成されるほか、無電解法により形成される方法が知られている。中でもITOは透明導電材料として非常に優れた材料であり、現在広く透明導電層に使用されている。
しかしながら、原料のインジウムが枯渇する可能性があり、資源的にもコスト的にもITOに替わる材料の探索が急務となっている。ITOに替わる材料としては酸化亜鉛(ZnO)が代表として挙げられる。ZnOはITOと比較して透明性に優れる反面、水分や熱に対する安定性に劣ることが知られている(非特許文献1)。
また、ZnOにクロムやコバルト、ケイ素などを添加することで、ZnOの化学的安定性を向上する技術も知られている(特許文献1〜2)。ZnOに珪素を4〜6atm.%含有させて高温高湿環境での耐久性を改良する方法も知られている(特許文献3)。しかし、いずれも導電性と耐久性の面で依然問題を有していた。
以上のように、ITO代替としてZnOの透明導電層への利用は幅広く開発が行われているが、現在主流となっているITO以上にすぐれた材料は実用化に至っていない。
澤田豊 監修、「透明導電膜」、1999年、6ページより(シーエムシー出版) 特開2002−75061号公報 特開2002−75062号公報 特開平8−45352号公報
上記課題を解決する為に、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、2層以上の酸化亜鉛透明導電酸化物層を有する透明導電膜構造とし、且つ透明基板から遠くに形成された酸化亜鉛透明導電酸化物層が非晶質構造として基板側の酸化亜鉛透明導電酸化物層を被覆することで、導電性を保持したまま耐環境変動性を向上することが可能であることを見出した。
すなわち本発明は、以下の構成を有するものである。
1). 透明基板上に2層以上からなる酸化亜鉛を主成分とする透明導電酸化物層を有する透明導電膜において、透明基板から遠くに形成された透明導電酸化物層が非晶質であり、前記非晶質の透明導電酸化物層は、酸化亜鉛中に二酸化珪素が7wt.%以上含有されたものであることを特徴とする透明導電膜。
2). 非晶質な透明導電酸化物層の片面または両面にカーボン層が形成されていることを特徴とする1)に記載の透明導電膜。
). カーボン層が、屈折率1.25〜1.80であることを特徴とする、透明導電膜。

). 85℃/85%RH環境下で10日間放置前後の表面抵抗の比が1.0〜1.5であることを特徴とする透明導電膜。
本発明により、タッチパネルやエレクトロルミネッセンス電極基板、太陽電池などで特に重要な要素である「導電性」「耐環境変動性」において良好な特性を示す透明導電膜を形成することが可能となる。
本発明は「透明基板上に2層以上からなる酸化亜鉛を主成分とする透明導電酸化物層を有する透明導電膜において、透明基板から遠くに形成される透明導電酸化物層が非晶質であることを特徴とする透明導電膜」について開示するものである。
酸化亜鉛はイオン結合性の強い化合物であり、薄膜材料では水や薬品に対して弱い性質がある。この弱点を補強するには、酸化亜鉛透明薄膜表面に被服層を設けて水分を遮断する方法が第一に考えられる。このような水分遮断性の材料は一般的に金属材料やポリオレフィンのような物質であり、不透明であったり、絶縁体であったりと透明導電膜材料には適していないものが多い。第二には、酸化亜鉛へのドーピングによる安定性の付与が考えられ、特許文献1〜3にコバルトやクロム、ケイ素をドーピングすることで安定性が向上することが記載されている。
これらの手法では、金属酸化物や金属塩化物を酸化亜鉛と混合した後に製膜する方法や、酸化亜鉛と二酸化ケイ素を共スパッタする方法などが用いられている。また特開平10−237630号公報では金属ターゲットに二酸化炭素をキャリアガスとする、反応性スパッタ法により透明導電層を形成する方法が述べられている。
以下、本発明に係る透明導電膜の代表的な態様を説明する。図1から4は本発明に係る透明導電膜の断面図である。透明基板1上に酸化亜鉛透明導電酸化物層2および3が形成される(図1)。図2から図4は表面側の酸化亜鉛透明導電酸化物層3の片面または両面にカーボン層4が形成されている。
透明基板1については、少なくとも可視光領域において透明な基板であれば、特に限定はされない。具体的にはガラス、合成樹脂をあげることができる。ガラスとしては、アルカリガラスやホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、サファイヤガラスをあげることができる。
ガラスを基板として用いる場合、その厚みは使用目的により任意に選択することができるが、取り扱いと重量のバランスを加味して、実用的には具体的には0.5mm〜4.5mmまでの厚さが例示できる。薄すぎるガラス基板は強度が不足するために、衝撃により割れやすい。また厚すぎるガラス基板は重量が重くなることと、機器の厚みに影響を及ぼすことから、ポータブル機器への利用は困難となる。また厚い基板は透明性とコストの面からも好ましくない。
一方、用いることができる合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂があげることができる。熱可塑性樹脂としては具体的にはアクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂などが、熱硬化性樹脂としては具体的にはポリウレタンをあげることができる。これら合成樹脂材料を板、シート、フィルムとして用いることができる。中でも柔軟性があるシートあるいはフィルムが好ましい。また合成樹脂材料の板はガラスに比べて軽量でありまた、可とう性にも優れるので好ましい。
合成樹脂材料としては、熱可塑性樹脂が好ましく、中でもポリオレフィン樹脂が好ましい。ポリオレフィン樹脂の中でもシクロオレフィンポリマー(COP)が光学等方性と水蒸気遮断性の点で好ましい。さらにはCOPを主成分とするフィルムが有効に使用できる。
COPとしては、ノルボルネンの重合体やノルボルネンとオレフィンとの共重合体、シクロペンタジエンなどの不飽和脂環式炭化水素の重合体などが挙げられる。水蒸気遮断性の観点から、構成分子の主鎖および側鎖には大きな極性を示す官能基、例えばカルボニル基やヒドロキシル基、を含まないことが好ましい。
耐熱性に優れるという観点からは、ポリエチレンナフタレート(PEN)やポリエーテルスルホン(PES)が好ましい。
合成樹脂を基板として用いる場合、その厚みは使用目的により任意に選択することができるが、0.03mm〜3.0mm程度であれば取り扱いが容易である。薄すぎるとハンドリングが困難であることと、強度が不足する点が課題となる。また厚すぎると透明性とコストに課題があり、機器の厚みも増すことから、ポータブル機器には使用が困難である。中でも0.03mmから1.0mm、さらには0.035mm〜0.5mmのフィルム形状であることが好ましい。
透明基板1としてフィルムを用いる場合は、基板フィルムを延伸して位相差を付与することができる。位相差を付与することで、偏光板との組み合わせにより低反射パネルを作製することが可能であり、画像の視認性が大幅に向上することが期待される。
位相差付与には既知の手法を用いることで可能となる。例えば一軸延伸や二軸延伸などの延伸や配向処理により可能である。この際フィルムにガラス転移温度近くの温度をかけることで、ポリマー骨格の配向を促進することが可能となる。レタデーション値の好ましい範囲は、目的とする機能によりことなるが、反射防止機能を付与する場合には50〜300nmの範囲で選択する事が好ましく、人間が最も強く認識する波長である約550nmに対して1/4となる137nm付近がより好ましい。
本願発明においては、透明基板上に2層からなる酸化亜鉛を主成分とする透明導電酸化物層(透明導電酸化物層2、3)を有し、透明基板から遠くに形成された透明導電酸化物層(透明導電酸化物層3)が非晶質であることが特徴の透明導電膜である。
本発明における透明導電酸化物層2には透明導電酸化物の中でも、透明性の高さとカーボン膜の製膜時に発生する水素プラズマに対して還元反応が起こらないという点から酸化亜鉛が用いられる。上記透明導電酸化物には抵抗制御や安定性を目的としてドーピング剤を添加することができる。ドーピング剤としては例えば、アルミニウムやガリウム、インジウム、錫、ホウ素を含む化合物やリン、窒素を含む化合物などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
透明導電酸化物層2の形成方法としては、均一な薄膜が形成される手段であれば特に限定されない。例えば、スパッタリングや蒸着などのPVD法や、各種CVD法などの気相堆積法などの他に、透明導電酸化物層の原料を含む溶液をスピンコート法やロールコート法、スプレー塗布やディッピング塗布などにより塗布した後に加熱処理などで透明導電酸化物層を形成する方法が挙げられるが、ナノメートルレベルの薄膜を形成しやすいという観点から気相堆積法が好ましい。
気相堆積法で透明導電酸化物層2を形成する場合、基板の温度は、基板の軟化温度により変化するが、室温〜基板のガラス転移温度以下が好ましく、さらに好ましくは室温〜基板のガラス転移温度より30℃低温が好ましい。基板の温度が低すぎると、透明導電酸化物の結晶性が悪くなり、透明性や導電性が目的を達成できない可能性がある。基板の温度が高すぎると基板に付与した位相差が損失する可能性がある。透明導電酸化物層の形成には必要に応じてプラズマ放電を利用することができる。
プラズマのパワーには特に制限はないが、生産性や結晶性の観点から10W〜600Wが好ましい。低すぎる場合には製膜されない可能性がある。高すぎる場合には基板へのダメージや装置へのダメージが懸念される。透明導電酸化物層の形成に使用するキャリアガスは一般的な気相堆積法に使用されるガスを使用することができる。例えばアルゴンや水素、酸素や窒素ガスを使用することができる。
透明導電酸化物層2の膜厚は200Å以上が好ましい。透明導電酸化物層をこの範囲にすることで、本発明に必要な透明導電膜の導電性を作製することができる。タッチパネル用途に使用する場合には、500〜1000Åの膜厚とすることで適当な導電性の透明導電膜を作製可能である。太陽電池やELデバイスなどには、それ以上の膜厚の透明導電酸化物層を作製することで効果を得ることができる。
透明導電酸化物層3は酸化亜鉛を主成分とする酸化物により構成される非晶質層であるが、非晶質層であることが本発明において重要な技術である。二酸化珪素を含有することで透明導電酸化物層3が非晶質となりやすくなるので好ましい。透明導電酸化物層3が非晶質層であることにより、結果として透明導電膜の高温高湿環境下に対する耐久性が向上する。
透明導電膜の高温高湿環境下に対する耐久性としては、製膜後の透明導電膜を85℃/85%RHの環境に設定した高温高湿装置に投入し10日間放置し、試験前後の表面抵抗を測定し、その比を変化度として評価することができる。この比の値が1.0〜1.5であることが好ましく、さらには1.0〜1.4、特には1.05〜1.35であることが好ましい。
表面が非晶質となる微結晶構造と異なり結晶粒界が存在しないために、空気や水の分子に対するバリア性が高くなると考えられる。さらに透明導電酸化物層3は二酸化珪素が導入されることにより共有結合性が強い化合物となり、イオン結合性が強い酸化亜鉛に対して耐久性が強くなると考えられる。
二酸化珪素の含有量は7wt.%以上が好ましい。より好ましくは7〜45wt.%さらには8〜35wt.%、特には8〜25wt.%が好ましい。二酸化珪素の含有量が少ない場合には、透明導電酸化物層3が非晶質となりにくく、その場合、耐久性の向上効果が小さい。一方二酸化珪素が多すぎる場合には、透明導電酸化物層3が誘電体となり、表面抵抗が大きくなり、好ましくない。
透明導電酸化物層3の膜厚は、透明導電膜に悪影響を与えない範囲で任意に調整可能であるが、60Å以上、さらには80Å以上の膜が好ましく、バリア性に対して効果が期待できる。それ以下の膜厚では透明導電酸化物層3が縞状成長となる可能性があり、バリア性の効果が少なくなる。また透明導電酸化物3の膜厚は500Å以下が好ましく、さらには300Å以下が好ましい。この膜厚が厚すぎる場合、導電性の低下の可能性がある。
ドーピング量の検出方法は、通常元素分析に用いられる手法であれば、どのような方法においても精度良く検出可能である。例えば、原子吸光分析や蛍光X線分析などの元素分析手段の他にX線光電子分光やオージェ電子分光、電子線マイクロアナライザなどの分光学的手法や二次イオン質量分析などの手法がある。
中でも、エネルギー分散型X線分析(EDX)は走査電子顕微鏡(SEM)や透過電子顕微鏡(TEM)による形状観察と同時に精度良く元素分析を行うことができ、かつ比較的簡便な手法である。これらの手法を用いる場合、珪素のドーピング量は、亜鉛との相対比較により下記式により容易に計算することができる。
(珪素のドーピング量)=(珪素の原子数)÷((珪素の原子数)+(亜鉛の原子数))
透明導電酸化物層3の結晶性については、X線回折測定により容易に判断可能である。
カーボン層4は、酸化亜鉛透明導電酸化物層の空気や水分に対する保護や透明導電層表面の物理的衝撃に対する耐久性向上と、高い光線透過率を可能とすることを目的として使用される。これらのカーボン層には構造中に水素を含むハイドロカーボンが好ましく、物理的強度や透明性の観点から、アモルファスハイドロカーボンやテトラヘドラルアモルファスハイドロカーボンがより好ましく使用される。
さらに、本発明に係るカーボン層の屈折率は1.25〜1.80の範囲であることが、さらには1.25〜1.75であることが、特には1.25〜1.70であることが好ましい。このようなカーボン層を有することで、光線透過率の向上が可能となる。これらのカーボン層は、CVD法やスパッタ法、イオンプレーティング法や蒸着法など公知の技術により形成されるのが一般的であるが、本発明に係るカーボン層は高周波プラズマCVD法またはマグネトロンスパッタリング法を用いることが好ましい。
使用する高周波電源には、RF・VHF・マイクロ波などの種類があるが、どの電源を用いても所望のカーボン層を得ることができる。高周波プラズマCVD法でカーボン層を形成する場合、原料は通常使用されるものを使用でき、所望するカーボン層の構造によりメタンガスのみの場合や、水素により希釈して製膜する場合がある。プラズマのパワーは特に制限はないが5W〜600Wが好ましい。低い場合は製膜されず、逆に高い場合はプラズマにより透明導電層2がエッチングされる可能性がある。
マグネトロンスパッタリング法でカーボン層を形成する場合は、カーボンターゲットを使用し、キャリアガスにアルゴンや水素、二酸化炭素を混合したものを使用して実施することができる。中でもアルゴンと二酸化炭素の混合ガスを用いるのが好ましく、さらには二酸化炭素量が50体積未満のキャリアガスを用いることが好ましい。具体的にはアルゴンの分圧:二酸化炭素の分圧=9:1〜6:4、さらには8.5:1.5〜7:3であるキャリアガスを用いることが好ましい。
使用する電源については、とくに制限なく本発明に必要なカーボン層を形成することができる。パワーについては生産性のある製膜速度が得られ、且つ既に形成された透明導電酸化物層がエッチングされない程度のパワーであれば任意に設定することができる。
カーボン層4は単層で形成されても、本発明に必要な効果を十分に得ることが可能であるが、物理的耐久性の向上などの観点から、多層の積層構造にすることができる。この場合、多層膜中の少なくとも1層のカーボン層において屈折率が上記の範囲にあれば、高光線透過率に寄与することが可能となる。
カーボン層4の膜厚は、単層の場合も多層の場合も全体で200〜1600Å、さらには250〜1300Å、特には250〜1000Åであることが好ましい。厚すぎる場合には吸収ロスによる透過率の低下や、導電性の低下など透明導電膜の機能低下につながる可能性がある。薄すぎると光学的には意味のない層となり、光線透過率の向上など効果が得られない。
作製される透明導電膜の表面抵抗は、使用用途によってさまざまであるが、例えば太陽電池やEL素子の場合では10〜20Ω/□程度が好ましく、タッチパネル用途などの場合は200〜1000Ω/□、さらには25〜600Ω/□が好ましい。
以下に、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
二酸化珪素含有量 : 走査電子顕微鏡JSM−6390−LA(日本電子社製)を用いた。
表面抵抗 : 抵抗率計ロレスタGP MCT−610(三菱化学社製)を用いて測定を行った。
光線透過率 : 分光光度計U−4000(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた。
屈折率:分光エリプソメトリーM2000(ジェイエーウーラム社製)を用いて測定測定を行った。
X線回折 : リガク社製の薄膜評価用X線解説装置を使用し、ピークの有無から結晶性を判断した。
耐久性 : 製膜後の透明導電膜を85℃/85%RHの環境に設定した高温高湿装置に投入し10日間放置した。耐久試験前後の表面抵抗を測定し、その比を変化度として評価した。
(実施例1〜3)
無アルカリガラス(商品名OA−10、膜厚0.7mm、日本電気硝子社製)に、2wt.%酸化アルミニウムドーピングされた酸化亜鉛をスパッタ製膜した。製膜はマグネトロンスパッタリング法に従い、10W/cm−2の高周波電源を用いて3.6Å/秒の製膜速度で400Åの透明導電酸化物層2を形成した。
その上に透明導電酸化物層3を形成した。該層の形成にはマグネトロンスパッタリング法を用い、酸化亜鉛中に二酸化珪素を10wt.%(実施例1)、20wt.%(実施例2)、40wt.%(実施例3)含有したターゲットを用いて、10W/cm−2の高周波電源を用いて3.0Å/秒の製膜速度で100Åの膜厚を製膜した。
(実施例4〜5)
実施例1と同様に透明導電酸化物層3まで形成したものにカーボン層を製膜した。カーボン層の製膜条件は以下のようにした。
(実施例4)スパッタターゲットにはカーボンターゲットを用い、アルゴン/二酸化炭素の分圧比を8/2として全圧を8.0Paとし、0.15W/cm−2の高周波電源を用いて2.5Å/秒の製膜速度で600Åのカーボン層4(表1におけるカーボン層1)を形成した。このカーボン層の550nmでの屈折率は1.26であった。
(実施例5)スパッタターゲットにはカーボンターゲットを用い、水素/二酸化炭素の分圧比を8/2として全圧を8.0Paとし、0.15W/cm−2の高周波電源を用いて1.5Å/秒の製膜速度で600Åのカーボン層4(表1におけるカーボン層2)を形成した。このカーボン層の550nmでの屈折率は1.65であった。
(実施例6〜7)
実施例1と同様にして透明導電酸化物層2まで形成したものの上に、実施例4・5と同様にしてカーボン層4を製膜し、さらにその上に実施例1と同様にして透明導電酸化物層3を形成した(順に実施例6・実施例7)。
(実施例8〜9)
カーボン層の膜厚を300Åとした以外は実施例6・7と同様にして透明導電酸化物層3まで形成し、さらにその上に実施例4・5と同様にしてカーボン層を300Å形成した(順に実施例8・実施例9)。
(比較例1)
透明導電酸化物層3の二酸化珪素の含有量を5wt.%とした酸化亜鉛ターゲットを用いた以外は実施例1と同様にして透明導電膜を作成した。
(比較例2)
実施例1と同様に400Åの透明導電酸化物層2を形成した。
以上の透明導電膜において、カーボン層の種類、透明導電酸化物層3における二酸化珪素の含有量、X線回折から判断される結晶性、550nmでの光線透過率、表面抵抗、耐久試験による表面抵抗の変化度、耐久性の良否判断を表1に、表1の各項目の単位を表2に示す。
今回の結果から、酸化亜鉛透明導電酸化物層を用いた透明導電膜において、表面側の酸化亜鉛透明導電酸化物に二酸化珪素を含有し非晶質構造とすることで、導電性・耐久性に優れる透明導電膜を作製可能であることがわかった。
透明導電膜(請求項1)の断面説明図 透明導電膜(請求項2)の断面説明図 透明導電膜(請求項2)の断面説明図 透明導電膜(請求項2)の断面説明図
符号の説明
1 基板
2 透明導電酸化物層
3 透明導電酸化物層(非晶質)
4 カーボン層

Claims (4)

  1. 透明基板上に2層以上からなる酸化亜鉛を主成分とする透明導電酸化物層を有する透明導電膜において、透明基板から遠くに形成された透明導電酸化物層が非晶質であり、
    非晶質の透明導電酸化物層は、酸化亜鉛中に二酸化珪素が7wt.%以上含有されたものであることを特徴とする透明導電膜。
  2. 非晶質な透明導電酸化物層の片面または両面にカーボン層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜。
  3. カーボン層が、屈折率1.25〜1.80であることを特徴とする、請求項に記載の透明導電膜。
  4. 85℃/85%RH環境下で10日間放置前後の表面抵抗の比が1.0〜1.5であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電膜。
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