JP2010182604A - 透明電極付き基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化亜鉛を主成分とする透明導電性酸化物の導電性を向上させ、且つ湿熱耐久性に優れる透明電極を提供する。
【解決手段】酸化亜鉛を主成分とする透明導電酸化物中に導電性ドーピング剤としてセレン化亜鉛を0.2〜6.0atom%含有する。さらに好ましくは珪素を0.5〜5.0atom%含有させることで湿熱耐久性がさらに向上する。これらの透明導電性酸化物2を透明電極層とすることで、導電性・透明性・湿熱耐久性に優れた透明電極付き基板1を作製することができる。
【選択図】図1
【解決手段】酸化亜鉛を主成分とする透明導電酸化物中に導電性ドーピング剤としてセレン化亜鉛を0.2〜6.0atom%含有する。さらに好ましくは珪素を0.5〜5.0atom%含有させることで湿熱耐久性がさらに向上する。これらの透明導電性酸化物2を透明電極層とすることで、導電性・透明性・湿熱耐久性に優れた透明電極付き基板1を作製することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、主として太陽電池の透明電極や裏面電極、ハイブリッド型太陽電池の透明中間層の他に、タッチパネルやPDP、LCDやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ材料、化合物半導体高速デバイスに用いる低誘電率膜、表面弾性波素子、赤外線カットなどを目的とした窓ガラスコーティング、ガスセンサー、非線形光学を活用したプリズムシート、透明磁性体、光学記録素子、光スイッチ、光導波路、光スプリッタ、光音響材料、高温発熱ヒーター材料、以上の材料において、高い湿熱耐久性を達成可能な透明電極付き基板とその製造方法に関するものである。
太陽電池やタッチパネル、ディスプレイ材料などに使用される透明電極付き基板は、その透明導電層として酸化インジウム錫(ITO)や酸化錫、酸化亜鉛などが広く使用されている。このような透明導電層はマグネトロンスパッタリング法やモレキュラービームエピタキシー法などの物理気相堆積法(PVD法)や熱CVDやプラズマCVDなどの化学気相堆積法(CVD法)などにより形成されるほか、無電解法により形成される方法が知られている。
中でもITOは透明導電材料として非常に優れた材料であり、現在広く透明導電層に使用されている。しかしながら、原料のインジウムが枯渇する可能性があり、資源的にもコスト的にもITOに替わる材料の探索が急務となっている。
ITOに替わる材料としては酸化亜鉛(ZnO)が代表として挙げられる。ZnOはITOと比較して透明性に優れる反面、水分や熱に対する安定性に劣ることが非特許文献1に記載されている。これは、ZnOがイオン結合性の強い性質を有していることが原因の一つだと考えられる。
特許文献1にはZnOにクロムやコバルト、に加えてIII族あるいはIV族の原子を併用した透明電極のエッチング特性が良好であることが記載されている。
一方特許文献2はプラスチック基材上に珪素4〜6原子%をドープした酸化亜鉛からなる透明導電体がシート抵抗の耐久性が良好(湿熱耐久性試験による抵抗の変化量が少ない)であることが記載されているが、珪素を約5atom.%程度含有するために、導電性が低下している。また、導電性を向上させるために珪素の含有量を減らすと、耐久性が悪くなるという結果となっている。
以上のように、ITO代替としてZnOの透明導電層への利用は幅広く開発が行われているが、現在主流となっているITO以上にすぐれた材料は実用化に至っていない。
一方、セレン化亜鉛は発光ダイオードの候補材料として研究開発がされている材料である。セレン化亜鉛はバンドギャップが2.8eVの直接遷移型の半導体であるが、そのバンドギャップが可視光領域に存在するために単独では透明電極として使用されていない。
澤田豊 監修、「透明導電膜」、6ページより(1999年)(シーエムシー出版)
上記課題を解決する為に、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、酸化亜鉛透明導電層中の酸化亜鉛の構造にセレン化亜鉛を含有させることで、導電性の低下を抑制し、かつ湿熱耐久性を向上することが可能であることを見出した。
すなわち本発明は、以下の構成を有するものである。
1). 基材上に少なくとも1層からなる酸化亜鉛を主成分とする透明導電性酸化物層を有する透明電極付き基板において、該透明導電性酸化物中にセレンが酸素に対して0.2〜6.0atom%含有されていることを特徴とする透明電極付き基板。
2). 上記透明導電性酸化物層にさらに珪素が酸化亜鉛に対して0.5〜5.0atom%含有されていることを特徴とする1)に記載の透明電極付き基板。
3). 透明導電性酸化物層形成直後の表面抵抗(R0)と、85℃/85%RH環境下で10日間放置した後の表面抵抗(R1)の比(R1/R0)が2.0以下であることを特徴とする、1)または2)に記載の透明電極付き基板。
本発明により、太陽電池やタッチパネル、エレクトロルミネッセンス電極基板などで特に重要な要素である「導電性」「湿熱耐久性」において良好な特性を示す透明電極付き基板を形成することが可能となる。
本発明は「基材上に少なくとも1層からなる酸化亜鉛を主成分とする透明導電性酸化物層を有する透明電極付き基板において、該透明導電性酸化物中にセレンが0.5〜10.0wt%含有されていることを特徴とする透明電極付き基板。」に関するものである。
以下、本発明に係る透明電極付き基板の代表的な態様を説明する。図1は本発明の一態様に係る透明電極付き基板の断面図である。基材1上に酸化亜鉛透明導電性酸化物層2が形成される(図1)。
上記基材1については、用途によって使い分けられるが、透明電極の基材として使用する場合には、少なくとも可視光領域において透明な基板であれば、硬質または軟質材料は特に限定されない。硬質材料としてはガラス、サファイヤを用いることができる。ガラスの具体例としては、アルカリガラスやホウ珪酸ガラス、無アルカリガラスなどがあげられる。
ガラスあるいはサファイヤを用いた基板の厚みは使用目的により任意に選択することができるが、取り扱いと重量のバランスを加味して、0.5mm〜4.5mmが好ましい範囲として例示できる。薄すぎると強度が不足するために、衝撃により割れやすい。また厚すぎると重量が重くなることと、機器の厚みに影響を及ぼすことから、ポータブル機器への利用は困難となる上、透明性とコストの面からも好ましくない。
一方、軟質な材料としては、熱可塑性樹脂や熱硬化製樹脂があげられる。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂やポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン、シクロオレフィンポリマーなどが、熱硬化製性樹脂としてはポリウレタンがあげられる。特に優れた光学等方性と水蒸気遮断性に優れているシクロオレフィンポリマー(COP)を主成分とする基材が好ましい。これら軟質材料の基材の厚みとしては0.03mm〜3.0mm程度をあげることができ好ましい。
COPとしては、ノルボルネンの重合体やノルボルネンとオレフィンとの共重合体、シクロペンタジエンなどの不飽和脂環式炭化水素の重合体などが挙げられる。水蒸気遮断性の観点から、構成分子の主鎖および側鎖には大きな極性を示す官能基、例えばカルボニル基やヒドロキシル基、を含まないことが好ましい。
厚みが薄いとハンドリングが困難であることと、強度が不足する点が課題となる。また厚みが厚いと透明性とコストに課題があり、機器の厚みも増すことから、ポータブル機器には使用が困難である。その他耐熱性に優れるという観点から、ポリエチレンナフタレート(PEN)やポリエーテルスルホン(PES)なども使用できる。
太陽電池やELデバイス中の中間層として使用する場合は、光電変換層や発光層を基材として、その上に本発明の酸化亜鉛透明導電性酸化物を製膜することができる。この場合の光電変換層は、単結晶や非単結晶シリコンやその混合積層構造体、多元系化合物半導体からなる層を使用できる。発光層はアルミニウムや希土類原子などを金属中心とする有機金属錯体などが使用できる。
本発明における透明導電性酸化物層2には、高い導電性と湿熱耐久性を付与させることを目的としてセレンを添加することができる。セレンの添加量は酸素に対して0.2〜6.0atom%が好ましく、さらには0.3〜5.0atom%、さらには0.4〜4.0atom%が好ましい。セレンは透明導電性酸化物層中で酸素原子と置換されて存在すると考えられる。従って、実質酸化亜鉛とセレン化亜鉛の混合物としてモデリングすることができる。
酸化亜鉛は伝導帯下端のエネルギーが約12.2eV(平均)であり、一方のセレン化亜鉛の価電子帯上端のエネルギーが約10.6eVであり、両者のエネルギー差は1.6eVもある。このため、2つのエネルギーバンドは相互作用することはほとんどなようであるが、構造の歪みにより酸化亜鉛の伝導帯のエネルギーバンド縮退が解けて相互作用が起こる。
このような構造の歪みは酸素とセレンのイオン半径の差により生じると考えられる。このようなバンド構造では、バンド中心のいわゆる深いエネルギー準位が少なくなるため、導電性キャリアがトラップされにくくなり、キャリア移動度をあげることができる。さらに、上記の構造の歪みが膜中に適当な残留応力を発生し、湿熱耐久性も向上させていると考えられる。
この為、セレンのドーピング量が多くなり過ぎると、セレン化亜鉛の吸収ロスの影響で透明性が低下する可能性がある。一方ドーピング量が少なすぎる場合には導電性・湿熱耐久性ともに向上しにくくなる可能性がある。
セレンドープ酸化亜鉛ターゲットは、例えば、酸化亜鉛とセレン化亜鉛を混合し、焼結することで作製することができる。バッキングプレートにはホットプレスにより接着させることができる。上記混合比は、膜中に含有されるセレンの量と同じ量で決定される。例えば、3.0atom%のセレンドープ酸化亜鉛は、酸化亜鉛とセレン化亜鉛を95:5の比で混合し、焼結することで作製することができる。スパッタリングにはアルゴンガスを用いることでターゲットと透明導電性酸化物層2の組成が同じになる。
例えば、酸素ガスをスパッタリングのキャリアガスとして用いる場合には、アルゴン/酸素の混合ガスとして、ガス混合比を9/1よりも酸素が少なくなるようにすることが好ましい。なぜならば、酸素の量が多くなると、セレンと酸素が置換し、ターゲットの組成比よりも透明導電性酸化物層2中の酸化亜鉛量が多くなるためである。
本発明における透明導電性酸化物層2には、湿熱耐久性を向上させるために珪素を含有することができる。珪素を併用する場合、酸化亜鉛に対して0.5〜5.0atom%であることが、さらには1.0〜3.0atom%含有していることが好ましい。珪素が果たす役割については明確でないが、珪素が酸化亜鉛の結晶粒界付近に導電性を低下させない程度に偏在し、結晶粒界近傍に酸素や水が付着することで発生する電解によるキャリアの散乱を抑制していると推定される。
珪素の添加量が少ない場合には湿熱耐久性が良くない。このことは、上記推定から、酸化亜鉛の結晶粒界でのキャリアの散乱を抑制するほど結晶粒界に珪素が偏在しない為であると説明できる。また珪素の添加量が多い場合は、導電性が著しく低いものとなり、透明電極付き基板として機能し難くなる。このことは、上記推定では、珪素の量が多くなり、酸化亜鉛の結晶粒界での珪素の偏析が大きくなり、酸化亜鉛結晶粒間でのキャリアの移動が起こりにくくなる為であると説明できる。
ここで用いる珪素は、透明導電性酸化物層中で酸化珪素として存在していると予想される。酸化珪素の状態は一酸化珪素であっても二酸化珪素であっても同様な効果を期待できる。一酸化珪素と二酸化珪素の混合状態であっても効果に変わりはない。
本発明における透明導電性酸化物層2をマグネトロンスパッタリング法により作成した場合、当該酸化物層はマグネトロンスパッタリングターゲットの組成比と同じ組成比で作成できるので、酸化物層2の成分の制御が容易となり、酸化物層の作成方法として好ましい。
マグネトロンスパッタリングの際の電源は直流電源や高周波(RF、VHF)等の電源を使用することができる。このときのパワー密度は4W/cm2以上の条件により本願発明の基板を製造することが好ましい。また、パワー密度は、さらには4W/cm2〜15W/cm2、特には5W/cm2〜10W/cm2であることが好ましい。
これよりパワー密度が低い場合は製膜速度が向上せず、また結晶性の問題であると予想され、湿熱耐久性が良くないことがある。一方パワー密度が大きすぎる場合には、プラズマ中で生成する酸素イオンによる透明導電性酸化物層の再スパッタされるために、透明性・導電性の良くない透明電極付き基板となる可能性があるため好ましくない。
さらに、電源の印加方式は、連続波でもパルス波でもよく、製膜装置による最適条件により任意に決定できる。
スパッタリング時の基板の温度は基板の軟化温度以下であればどのような温度でも可能である。特には、25℃以下で製膜することが好ましい。基板温度を下げることで、スパッタ粒子の運動エネルギーを急激に低下させ、結晶粒を密にすること、組成によっては非晶質に近い状態にすることが可能となる。これにより湿熱耐久性の向上が可能となる。
スパッタリング時のキャリアガスとしてはアルゴンガスや窒素などの不活性ガスの他に、水素や二酸化炭素、メタンを用いた反応性スパッタリングも可能である。この時の製膜圧力は1.0Pa以下であれば本発明に有効な透明導電性酸化物層を形成することが可能である。
本発明における透明電極付き基板は、導電性を上げるために透明導電性酸化物層2を製膜後に水素プラズマ処理を実施しても良い。水素プラズマ処理により、再配列による格子間欠損の消滅からなる導電キャリアの生成や、キャリア移送に関わる酸素欠損の生成などが起こると考えられる。
これらの導電性については、JIS−K7194に記載されている4探針式抵抗測定による抵抗と、エリプソメトリーや接触段差から求められる膜厚の両方の値から導電率を求めることができる。導電キャリアについてはホール測定などにより評価が可能である。
またガラス基板や高い軟化(溶融)温度を有する軟質な材料上に形成された透明電極付き基板は、導電性と光線透過率を上げるためにアニール処理をすることができる。アニール雰囲気は大気中でも可能であるが、真空または不活性ガス気流下が好ましい。アニール温度は酸化亜鉛の結晶性が向上する温度以上であり、基板の溶融温度以下であることが好ましく、具体的には100〜450℃程度でアニールすることで良好な透明電極付き基板を作製することができる。
透明導電性酸化物層2の膜厚は150〜5000Åさらには200〜3000Åであることが好ましい。この範囲の膜厚の透明導電性酸化物層を用いることで、高い透明性と導電性を併せ持つ透明電極付き基板を作製することができる。膜厚が薄くなると、マグネトロンスパッタリングでの製膜では、透明導電性酸化物が縞状成長となり、膜とならないので好ましくない。一方膜厚が厚くなると、透明導電性酸化物による光の吸収が大きくなり透過率が低下し、また応力により透明導電性酸化物層にクラックが入りやすくなるため好ましくない。
作製される透明電極付き基板のシート抵抗は、使用用途によってさまざまであるが、例えば太陽電池やEL素子の場合では5〜20Ω/□程度が好ましく、タッチパネル用途などの場合は50〜2500Ω/□程度が好ましい。これらのシート抵抗は透明導電性酸化物の膜厚を制御することにより任意のシート抵抗に調整可能である。
本発明における透明電極付き基板は、光線透過率の向上を目的として、基板1と透明導電性酸化物層2との間もしくは透明導電性酸化物層2表面に光学設計層を設けても良い。具体的には、基板1と透明導電性酸化物層2との間には酸化チタンや酸化ハフニウム、酸化ニオブのような高屈折率層と二酸化珪素のような低屈折率層を「基板1/高屈折率層/低屈折率層/透明導電性酸化物層2」のように積層することで、基板から透明導電性酸化物層に至るまでの界面での光の反射を抑制し、結果として光線透過率を向上させることができる。
透明導電性酸化物層2上に設ける場合には、透明導電性酸化物層よりも低屈折率のものを形成すると光の反射の抑制効果が大きい。具体的にはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)やポリスチレンスルフォネート(PSS)の混合体などが適当である。その他、導電性多孔質カーボン材料なども使用できる。
本発明において、ドーピング量測定には走査電子顕微鏡JSM−6390−LA(日本電子社製)を用いた。ドーピング量の測定の結果、使用したターゲット材料と形成された透明導電酸化物層の組成は同じであった。シート抵抗測定は抵抗率計ロレスタGP MCT−610(三菱化学社製)を用いた。透明導電性酸化物層の膜厚は分光エリプソメーターVASE(J.Aウーラム社製)を使用した。フィッティングはChaucyモデルにより行った。
透明電極付き基板形成直後のシート抵抗と、85℃/85%RH環境下で10日間放置した後のシート抵抗の比を湿熱耐久性とした。
湿熱耐久性については以下のように評価した。製膜直後の透明電極付き基板のシート抵抗(R0)測定後に、85℃/85%RH設定の恒温恒湿試験機に投入し、10日間放置した後に透明電極付き基板を取出し、室温まで十分に冷ました後にシート抵抗(R1)を測定した。評価は次式の値で評価した。
(湿熱耐久性)=(R1)÷(R0)
湿熱耐久性の値は、透明電極付き基板の耐環境変動性に係る品質安定性を示すものであり、この値は0.75〜2.0であることが好ましく、さらには0.75〜1.55、特には0.80〜1.40であることが好ましい。この値が大きいものや小さいものでは、抵抗の不安定性のために、ディスプレイ材料では画像の悪化、太陽電池などの材料では変換効率の悪化、タッチパネルなどの材料では精度の悪化へとつながりやすい。
湿熱耐久性の値は、透明電極付き基板の耐環境変動性に係る品質安定性を示すものであり、この値は0.75〜2.0であることが好ましく、さらには0.75〜1.55、特には0.80〜1.40であることが好ましい。この値が大きいものや小さいものでは、抵抗の不安定性のために、ディスプレイ材料では画像の悪化、太陽電池などの材料では変換効率の悪化、タッチパネルなどの材料では精度の悪化へとつながりやすい。
以下に、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜3)
無アルカリガラス(商品名OA−10、膜厚0.7mm、日本電気硝子社製)に、透明導電性酸化物層をマグネトロンスパッタリング製膜した。セレン化亜鉛の含有量、二酸化珪素の含有量を変更した酸化亜鉛を主成分とするターゲットを使用し、アルゴンガスを20sccm流しながら、圧力を0.2Paに調整し、8W/cm2のパワー密度をかけて100nmの膜厚を製膜した。基板温度は25℃で製膜を行った。電源は高周波電源(周波数:13.56MHz)を使用した。
無アルカリガラス(商品名OA−10、膜厚0.7mm、日本電気硝子社製)に、透明導電性酸化物層をマグネトロンスパッタリング製膜した。セレン化亜鉛の含有量、二酸化珪素の含有量を変更した酸化亜鉛を主成分とするターゲットを使用し、アルゴンガスを20sccm流しながら、圧力を0.2Paに調整し、8W/cm2のパワー密度をかけて100nmの膜厚を製膜した。基板温度は25℃で製膜を行った。電源は高周波電源(周波数:13.56MHz)を使用した。
作製されたこれらの透明電極は比較例1を除いて目視で透明であった。比較例1では製膜後に着色しており透明でなかった。これは、ZnSeのドーピング量が多くなりすぎ、吸収ロスの影響が大きくなったことが原因だと考えられる。これらの作製された透明電極付き基板について、膜厚・透過率・シート抵抗を測定後に湿熱耐久性試験を実施した。
以上の実施例および比較例の検討結果を表1に示す。表1内にはターゲットへの添加物とその添加量を示す。これらの結果から、酸化亜鉛中にセレン化亜鉛を添加した透明電極付き基板は、導電性・湿熱耐久性に優れた特性を示すことがわかった。さらに二酸化珪素を添加したターゲットを用いてスパッタ製膜した透明電極付き基板はさらに湿熱耐久性が優れることがわかった。
1 基板
2 透明導電性酸化物層
2 透明導電性酸化物層
Claims (3)
- 基材上に少なくとも1層からなる酸化亜鉛を主成分とする透明導電性酸化物層を有する透明電極付き基板において、該透明導電性酸化物中にセレンが酸素に対して0.2〜6.0atom%含有されていることを特徴とする透明電極付き基板。
- 上記透明導電性酸化物層にさらに珪素が酸化亜鉛に対して0.5〜5.0atom%含有されていることを特徴とする請求項1に記載の透明電極付き基板。
- 透明導電性酸化物層形成直後の表面抵抗(R0)と、85℃/85%RH環境下で10日間放置した後の表面抵抗(R1)の比(R1/R0)が2.0以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の透明電極付き基板。
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Cited By (1)
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WO2012105229A1 (ja) * | 2011-02-02 | 2012-08-09 | 株式会社クラレ | 耐湿熱膜とその製造方法、デバイス、及び太陽電池 |
-
2009
- 2009-02-09 JP JP2009026941A patent/JP2010182604A/ja active Pending
Cited By (2)
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WO2012105229A1 (ja) * | 2011-02-02 | 2012-08-09 | 株式会社クラレ | 耐湿熱膜とその製造方法、デバイス、及び太陽電池 |
JPWO2012105229A1 (ja) * | 2011-02-02 | 2014-07-03 | 株式会社クラレ | 耐湿熱膜とその製造方法、デバイス、及び太陽電池 |
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