JP4530459B2 - 無機el用構造体および無機el素子 - Google Patents

無機el用構造体および無機el素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機EL用誘電体厚膜に関するものであり、特に、基板上に形成された厚膜誘電体がクラックや剥離などがなくEL素子として用いると絶縁破壊などが無く安定した発光素子として機能することが可能な無機EL用構造体および無機EL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型または、大型軽量のフラットディスプレイとして、薄膜EL素子が盛んに研究されている。黄橙色発光のマンガン添加硫化亜鉛からなる蛍光体薄膜を用いたモノクロ薄膜ELディスプレイは図3に示すような薄膜の絶縁層2,4を用いた2重絶縁型構造で既に実用化されている。図3において、基板1上には所定パターンの下部電極5が形成されていて、この下部電極5上に第1の絶縁層2が形成されている。また、この第1の絶縁層2上には、発光層3、第2の絶縁層4が順次形成されるとともに、第2の絶縁層4上に前記下部電極5とマトリクス回路を構成するように上部電極6が所定パターンで形成されている。
【0003】
さらに、ディスプレイとしてパソコン用、TV用、その他表示用に対応するためにはカラー化が必要不可欠である。硫化物蛍光体薄膜を用いた薄膜ELディスプレイは、信頼性、耐環境性に優れているが、現在のところ、赤色、緑色、青色の3原色に発光するEL用蛍光体の特性が十分でないため、カラー用には不適当とされている。青色発光蛍光体は、母体材料としてSrS、発光中心としてCeを用いたSrS:CeやZnS:Tm、赤色発光蛍光体としてはZnS:Sm、CaS:Eu、緑色発光蛍光体としてはZnS:Tb、CaS:Ceなどが候補であり研究が続けられている。
【0004】
これらの赤色、緑色、青色の3原色に発光する蛍光体薄膜は発光輝度、効率、色純度に問題があり、現在、カラーELパネルの実用化には至っていない。
【0005】
これらの課題を解決するための、高純度、高品質の硫化物蛍光体薄膜の製造方法の1つとして、形成しようとする組成の硫化物蛍光体を600℃以上の高い温度で形成する方法や600℃以上の高い温度でアニールする方法がある。
【0006】
しかしこのような方法で硫化物蛍光体薄膜を製造した場合、基板としては高温に耐える基板である必要がある。したがって、液晶ディスプレー、PDPなどで用いられている青板ガラスを用いることができない。そこで、基板として石英を用いて青色の発光素子が研究されている。しかし、石英基板は高価でありディスプレーなど大面積で用いる用途や、量産品には適さない。
【0007】
また、特開平7−50197号公報には、セラミックス基板を用いることが記されている。さらに絶縁層に厚膜を用いると通常の薄膜2重絶縁構造より格段に安定性が増し、高輝度化、低電圧化が図れることが記されている。厚膜絶縁層を用いて、EL2重絶縁構造で発光させるためには、誘電率の大きな材料を用いる必要がある。厚膜では10μm から50μm 程度と薄膜の絶縁膜より100倍から5000倍の膜厚で用いる。EL素子は通常200V程度の交流駆動を行い発光を得ている。薄膜絶縁層に比べ厚膜絶縁層は、高電圧での絶縁耐圧が非常に高いことが、最大のメリットである。
【0008】
ここで、例えば、基板として、アルミナ基板を用い、ニオブ酸鉛系のペーストを用いて、スクリーン印刷し、900℃で焼結させて、厚膜を得る方法について検討してみる。
【0009】
鉛系厚膜は一般に低温焼成が可能であり緻密な厚膜を得やすい。しかし、一方、基板との反応性が高く、基板の種類、焼成条件を詳細に選ばなくては、実現できない。基板として、アルミナを用いた場合、900℃程度でPbを含む材料が反応する。緻密化するには、高温の焼結温度が必要で、かつ基板と反応させないためには低温が必要という、相容れない条件が存在し、現状、基板との反応を抑えるために、十分高温の焼結温度を用いることができず、厚膜の密度を上げることができない。
【0010】
2重絶縁構造のELにおいて、厚膜絶縁層に100V程度の高電圧が印加されるため、密度の上がっていない緻密化の不十分な厚膜では、絶縁破壊を起こし、EL素子の構成が不可能になる。また、厚膜の緻密化が不十分であると厚膜表面に凹凸ができ、表面を研磨したとしても研磨面にポアが露出し凹凸は避けられない。厚膜の上には、5000Å程度の蛍光体薄膜が形成されるが、厚膜に凹凸があると、蛍光体薄膜が均一に形成されず、蛍光体薄膜が絶縁破壊を起こし、やはりEL素子の構成が不可能になる。
【0011】
基板上に絶縁膜を600℃以上の高温において形成する場合、薄膜においては、J.A.P.76(12)、45,7833(1994)やA.P.L.L59(20)、11,2524(1991)に述べられているように、膜面内に非常に大きな2次元応力が発生することが指摘されている。応力発生の主要な原因は、下地である基板とその上に形成する材料の物性の違い、特に熱膨張係数差による。厚膜の場合も全く同じで、基板であるアルミナの熱膨張係数は8×10-6/℃と一般に厚膜誘電体材料に対して著しく小さいので、高温での厚膜形成後、室温までの冷却過程で、厚膜中に引っ張り応力が残り、厚膜中のクラック、剥離、基板のそりが発生してしまう。
【0012】
以上述べたように、EL素子用の厚膜絶縁層では、厚膜の密度を上げることと、厚膜の応力を減少させることが必要である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、石英など高価な基板を用いることなく、安価で大面積の形成が可能な無機EL用構造体および無機EL素子を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(7)のいずれかの構成により達成される。
(1) 基板上に誘電体厚膜が形成されている無機EL用構造体であって、
前記誘電体厚膜と基板との間に中間層を有する無機EL用構造体。
(2) 前記中間層は、基板と誘電体厚膜との反応を防止する反応防止層である上記(1)の無機EL用構造体。
(3) 前記中間層の材料がMgO、ZrO2 、HfO2 、希土類酸化物およびこれらの固溶体、混合物のいずれかを主成分とする上記(1)または(2)の無機EL用構造体。
(4) 前記中間層は基板と誘電体厚膜との間の応力を緩和する応力緩和層である上記(1)の無機EL用構造体。
(5) 前記中間層が酸化物材料で相転移点を有し、この相転移点の温度が300〜600℃の間である上記(1)または(4)の無機EL用構造体。
(6) 前記中間層の材料が金属である上記(1)、(4)または(5)のいずれかの無機EL用構造体。
(7) 上記(1)〜(6)のいずれかの無機EL用構造体を有する無機EL素子。
【0015】
【作用】
本発明に用いられる無機EL用誘電体厚膜は、高温で焼結形成する。高温で厚膜焼結形成するには、基板と厚膜との反応を最小限にしなければならない。さらに、基板と厚膜材料とは、熱収縮係数が異なるため、焼結形成温度から室温まで冷却する過程で厚膜の面内に二次元引っ張り応力が発生する。温度差があればあるほどこの応力は大きくなる。この応力はGPaオーダーにも達し、もはや基板上の厚膜が維持できなくなる。すなわち、クラック、剥離、そりが生じてしまう。高温での焼結、厚膜形成を行うため、より激しいクラック、剥離、そりが生じる。したがって、基板上の厚膜形態を保つためには、基板との反応を防止し、かつ冷却過程での何らかの応力緩和を行わなくてはならない。
【0016】
そこで、本発明では、基板と厚膜材料との間に反応防止層または応力緩和層として中間層を設け、誘電体層と基板との反応を防止し、かつ冷却過程での応力緩和を行わせている。
【0017】
反応防止層としては、酸化物で、厚膜誘電体と反応のしにくい材料たとえばMgO、ZrO2 、HfO2 、希土類酸化物およびこれらの固溶体、混合物などを中間層として用いる。
【0018】
応力緩和層としては、酸化物材料で相転移点を有し、好ましくは相転移点が2箇所以上であり、かつ相転移温度が室温から誘電体厚膜の焼結温度の間であり、特にいずれかの相転移点が300〜600℃の間である材料、または金属材料を中間層として用いる。
【0019】
相転移点では、厚膜材料の結晶系が変化するため、相転移点で厚膜の二次元面内に応力が入っている場合、それを緩和するように結晶転移、変形し、その温度での応力がほぼゼロになる。また、金属材料は、金属の転位を利用する。塑性変形しやすいため、せん断応力を塑性変形により応力緩和が行われる。このため、相転移点は室温から誘電体厚膜の焼結温度の間である必要があり、特にいずれかの相転移点の温度が300〜600℃の間であると有効に応力を緩和することができる。その際、他の相転移点の温度は室温〜300℃の間にあることが好ましい。
【0020】
したがって、焼結形成温度から室温までの間に相転移かある材料、または、金属材料を基板と厚膜との間に中間層として用いることにより、厚膜を室温に冷却したときの残留応力が大幅に減少し、クラック、剥離、そりの発生を防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の無機EL用構造体は、2重絶縁層型EL素子に用いる構造体であって、少なくとも、基板上に内部に電極を有した厚膜を形成した構造、例えば、図1、2に示すような構造を有するものである。基板、電極、厚膜のそれぞれの間には、密着を上げるための層、応力を緩和するための層、反応を防止する層、など中間層を設けてもよい。また厚膜表面は研磨したり、平坦化層を用いるなどして平坦性を向上させてもよい。
【0022】
図1,2は本発明の無機EL素子の構造を示す一部断面斜視図である。図1において、基板1上には中間層7が形成され、さらに所定パターンの下部電極5が形成されていて、この下部電極5上に厚膜の第1の絶縁層(誘電体層)2が形成されている。また、この第1の絶縁層2上には、発光層3、第2の絶縁層(誘電体層)4が順次形成されるとともに、第2の絶縁層4上に前記下部電極5とマトリクス回路を構成するように上部電極6が所定パターンで形成されている。
【0023】
図2は、図1における下部電極5を第1の絶縁層中に形成した例を示した図である。その他の構成は図1と同様であり、同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。図1の構成とするか、図2の構成とするかは、構成膜の形成プロセスや、要求される特性などに応じて適宜決めればよい。
【0024】
中間層として、反応防止層とするための材料としては、酸化物が好ましい。厚膜誘電体と反応のし難い材料たとえばMgO、ZrO2 、HfO2 、希土類酸化物およびこれらの固溶体、混合物が好ましい。これらは、耐熱性が高く、特にPb系材料と反応しにくい。
【0025】
中間層が応力緩和層である場合には、酸化物材料で相転移点を有し、好ましくは相転移点が2箇所以上であり、かつ相転移温度が室温から誘電体厚膜の焼結温度の間であり、特にいずれかの相転移点が300〜600℃の間である材料、または金属材料を用いる。ここで、誘電体の焼結温度は、通常800〜1100℃程度である。
【0026】
いずれかの相転移点が300〜600℃の間にある場合、他の相転移点の温度は室温〜300℃の間にあることが好ましい。2つの相転移点を有する場合、2つの相転移点同士の温度差は、好ましくは10℃以上、特に200〜300℃程度の間にあることが好ましい。
【0027】
酸化物で相転移温度が室温〜誘電体の焼結温度、特に300〜600℃の間である材料は、具体的には、例えば以下の材料および以下の材料の2種類以上の混合物が好適である。
【0028】
(A) ペロブスカイト型材料:PbTiO3 、希土類元素含有チタン酸鉛、PZT(ジルコンチタン酸鉛)、PLZT(ジルコンチタン酸ランタン鉛)等のPb系ペロブスカイト化合物、NaNbO3 、KNbO3 、NaTaO3 、KTaO3 、CaTiO3 、SrTiO3 、BaTiO3 ,BaZrO3 、CaZrO3 、SrZrO3 、CdZrO3 、CdHfO3 、SrSnO3 、LaAlO3 、BiFeO3 、Bi系ペロブスカイト化合物など。以上のような単純、さらには金属元素を3種以上含有する複合ペロブスカイト化合物、複合、層状の各種ペロブスカイト化合物。
【0029】
(B) タングステンブロンズ型材料: ニオブ酸鉛、SBN(ニオブ酸ストロンチウムバリウム)、PBN(ニオブ酸鉛バリウム)、PbNb26 、PbTa25 、PbNb411 、Ba2KNb515 、Ba2LiNb515 、Ba2AgNb515 、Ba2RbNb515 、SrNb26 、Sr2NaNb515 、Sr2LiNb515 、Sr2KNb515 、Sr2RbNb515 、Ba3Nb1028 、Bi3Nd1747 、K3Li2Nb515 、K2RNb515 (R:Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho)、K2BiNb515 、Sr2TlNb515 、Ba2NaNb515 、Ba2KNb515 等のタングステンブロンズ型酸化物など。
【0030】
(C) YMnO3 系材料:希土類元素(ScおよびYを含む)とMnとOとを含み、六方晶系YMnO3 構造をもつ酸化物など。例えば、YMnO3 、HoMnO3等。
【0031】
これらの多くは、相転移点を室温以上に持ち、強誘電体である。以下、これらの材料について説明する。
【0032】
(A) ペロブスカイト型材料のうち、BaTiO3 やSr系ペロブスカイト化合物などは、一般に化学式ABO3 で表される。ここで、AおよびBは各々陽イオンを表す。AはCa、Ba、Sr、Pb、K、Na、Li、LaおよびCdから選ばれた1種以上であることが好ましく、BはTi、Zr、TaおよびNbから選ばれた1種以上であることが好ましい。
【0033】
こうしたペロブスカイト型化合物における比率A/Bは、好ましくは0.8〜1.3であり、より好ましくは0.9〜1.2である。
【0034】
A/Bをこのような範囲にすることによって、誘電体の絶縁性を確保することができ、また結晶性を改善することが可能になるため、誘電体特性または強誘電特性を改善することができる。これに対し、A/Bが0.8未満では結晶性の改善効果が望めなくなり、またA/Bが1.3をこえると均質な薄膜の形成が困難になってしまう。
【0035】
このようなA/Bは、成膜条件を制御することによって実現する。また、ABO3 におけるOの比率は、3に限定されるものではない。ペロブスカイト材料によっては、酸素欠陥または酸素過剰で安定したペロブスカイト構造を組むものがあるので、ABOX において、xの値は、通常、2.7〜3.3程度である。なお、A/Bは、蛍光X線分析法から求めることができる。
【0036】
本発明で用いるABO3 型のペロブスカイト化合物としては、A1+5+3 、A2+4+3 、A3+3+3 、AX BO3 、A(B′0.67B″0.33)O3 、A(B′0.33B″0.67)O3 、A(B0.5 +30.5 +5 )O3 、A(B0.5 2+0.5 6+ )O3 、A(B0.5 1+0.5 7+ )O3 、A3+(B0.5 2+0.5 4+ )O3 、A(B0.25 1+0.75 5+)O3 、A(B0.5 3+0.5 4+ )O2.75、A(B0.5 2+0.5 5+ )O2.75等のいずれであってもよい。
【0037】
具体的には、PZT、PLZT等のPb系ペロブスカイト化合物、NaNbO3 、KNbO3 、NaTaO3 、KTaO3 ,CaTiO3 、SrTiO3 、BaTiO3 ,BaZrO3 、CaZrO3 、SrZrO3 、CdHfO3 、CdZrO3 、SrSnO3 、LaAlO3 、BiFeO3 、Bi系ペロブスカイト化合物などおよびこれらの固溶体等である。
【0038】
なお、上記PZTは、PbZrO3 −PbTiO3 系の固溶体である。また、上記PLZTは、PZTにLaがドープされた化合物であり、ABO3 の表記に従えば、(Pb0.890.91La0.110.09)(Zr0.65Ti0.35)O3 で示される。
【0039】
また、層状ペロブスカイト化合物のうちBi系層状化合物は、一般に
式 Bi2m-1m3m+3
で表わされる。上記式において、mは1〜5の整数、Aは、Bi、Ca、Sr、Ba、Pb、Na、Kおよび希土類元素(ScおよびYを含む)のいずれかであり、Bは、Ti、TaおよびNbのいずれかである。具体的には、Bi4 Ti312、SrBi2 Ta29 、SrBi2 Nb29 などが挙げられる。本発明では、これらの化合物のいずれを用いてもよく、これらの固溶体を用いてもよい。
【0040】
本発明に用いることが好ましいペロブスカイト型化合物は、相転移温度が200℃以上でかつ誘電率が高いものが好ましくNaNbO3 、KNbO3 、KTaO3 、CdHfO3 、CdZrO3 、BiFeO3 、Bi系ペロブスカイト化合物などであり、より好ましいものはCdHfO3 である。
【0041】
(B) タングステンブロンズ型材料としては、強誘電体材料集のLandoit-Borenstein Vol. 16記載のタングステンブロンズ型材料が好ましい。タングステンブロンズ型材料は、一般に化学式Ay515 で表される。ここで、AおよびBは各々陽イオンを表す。AはMg、Ca、Ba、Sr、Pb、K、Na、Li、Rb、Tl、Bi、希土類およびCdから選ばれた1種以上であることが好ましく、BはTi、Zr、Ta、Nb、Mo、W、FeおよびNiから選ばれた1種以上であることが好ましい。
【0042】
こうしたタングステンブロンズ型化合物における比率O/Bは、15/5に限定されるものではない。タングステンブロンズ材料によっては、酸素欠陥または酸素過剰で安定したタングステンブロンズ構造を組むものがあるので、比率O/Bにおいては、通常、2.6〜3.4程度である。
【0043】
具体的には、(Ba,Pb)Nb26 、PbNb26 、PbTa26 、PbNb411、PbNb26 、ニオブ酸鉛、SBN(ニオブ酸ストロンチウムバリウム)、Ba2KNb515 、Ba2LiNb515 、Ba2AgNb515 、Ba2RbNb515 、SrNb23 、BaNb26 、Sr2NaNb515 、Sr2LiNb515 、Sr2KNb515 、Sr2RbNb515 、Ba3Nb1028 、Bi3Nd1747 、K3Li2Nb515 、K2RNb515 (R:Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho)、K2BiNb515 、Sr2TlNb515 、Ba2NaNb515 、Ba2KNb515 等のタングステンブロンズ型酸化物などおよびこれらの固溶体等が好ましく、特に、SBN〔(Ba,Sr)Nb26 〕やBa2KNb515 、Ba2LiNb515 、Ba2AgNb515 、Sr2NaNb515 、Sr2LiNb515 、Sr2KNb515 が好ましい。
【0044】
(C) YMnO3 系材料は、化学式RMnO3 で表せる。Rは希土類元素(ScおよびYを含む)から選ばれた1種以上であることが好ましい。YMnO3 系材料における比率R/Mnは、好ましくは0.8〜1.2であり、より好ましくは0.9〜1.1である。このような範囲にすることにより、絶縁性を確保することができ、また結晶性を改善することが可能になるため、強誘電特性を改善することができる。これに対し、比率R/Mnが0.8未満、1.2をこえる範囲では、結晶性が低下する傾向がある。また特に、比率R/Mnが1.2をこえる範囲では、強誘電性が得られず、常誘電的特性になる傾向があり、分極を利用した素子への応用が不可能になってくることがある。このようなR/Mnは、成膜条件を制御することによって実現する。なお、R/Mnは、蛍光X線分析法から求めることができる。
【0045】
本発明に用いることが好ましいYMnO3 系材料は、結晶構造が六方晶系のものである。YMnO3 系材料は、六方晶系の結晶構造を持つものと斜方晶系の結晶構造を持つものとが存在する。相転移の効果を得るためには、六方晶系の結晶材料が好ましい。具体的には、組成が実質的にYMnO3 、HoMnO3 、ErMnO3 、YbMnO3 、TmMnO3 、LuMnO3 であるものか、これらの固溶体などである。
【0046】
以上述べた材料のうち室温〜厚膜形成温度の間に2回相転移する材料が好ましい。このうち、単体で厚膜焼成温度から室温〜厚膜形成温度の間に2回相転移する材料であってもよい。たとえば、SrZrO3 、CdHfO3 、PbHfO3 、(Na,K)NbO3 など、固溶体としては、PbNb26 とPbTiO3 の固溶体、PbNb26 とPbZrO3 の固溶体、Ba4Na2Nb1030 など、さらに上記材料では、相転移の回数は1回であるが、これらの混合物とすることにより2回以上の相転移をする材料としてもよい。なお、焼結性を向上させるため、相転移温度を調整するため、誘電率、導電性を制御するためなどの目的から添加物を加えてもよい。
【0047】
応力緩和層としては、酸化物に代えて上記相転移点を有する材料として、金属材料を中間層として用いてもよい。具体的には、主成分としてパラジウム、ロジウム、イリジウム、レニウム、ルテニウム、白金、タンタル、ニッケル、クロム、ステンレス、インコネル、コバール、インバール、パーマロイ、ニクロム、モネル、ハステロイ、鉄系などの材料が好ましい。パラジウム、ロジウム、イリジウム、レニウム、ルテニウム、白金、などの貴金属は、塑性変形しやすくかつ、Pbなど厚膜材料との反応も少ないので好ましい。また、ステンレス、特にSUS304、SUS321、SUS347は、Ni含有量が少ないので好ましい。無機EL素子は、蛍光体に硫化物材料を用いることが多い。Niは、Feなどに比べると高温でイオウと反応しやすく含有量が少ないことが好ましい。
【0048】
以上のような中間層の膜厚としては、0.1〜5μm程度が好ましい。
【0049】
中間層の形成方法は、特に限定されず、0.1〜5μm程度の膜が比較的容易に得られる方法、たとえばゾルゲル法、印刷焼成法でも良いが、緻密で均一にかつ付着強度の強い薄膜が形成できるスパッタ法、イオンプレーティング法、蒸着法、反応性蒸着法などPVD法、CVD法が好ましい。
【0050】
誘電体厚膜材料(第1の絶縁層)としては、公知の誘電体厚膜材料を用いることができる。さらに比較的誘電率の大きな材料が好ましい。
【0051】
例えばチタン酸鉛系、ニオブ酸鉛系、チタン酸バリウム系等の材料を用いることができる。
【0052】
誘電体厚膜の抵抗率としては、108 Ω・cm以上、特に1010〜1018 Ω・cm程度である。また比較的高い誘電率を有する物質であることが好ましく、その誘電率εとしては、好ましくはε=100〜10000程度である。膜厚としては、5〜50μm が好ましく、10〜30μm が特に好ましい。
【0053】
絶縁層厚膜の形成方法は、特に限定されず、10〜50μm 厚の膜が比較的容易に得られる方法が良いが、ゾルゲル法、印刷焼成法などが好ましい。
【0054】
印刷焼成法による場合には、材料の粒度を適当に揃え、バインダーと混合し、適当な粘度のペーストとする。このペーストを基板上にスクリーン印刷法により形成し、乾燥させる。このグリーンシートを適当な温度で焼成し、厚膜を得る。
【0055】
得られた厚膜表面は、凹凸や穴が1μm 以上と大きい場合、必要に応じ、研磨または、平坦化層をその上に形成して、平坦性を向上させることが好ましい。
【0056】
基板として用いる材料は、厚膜形成温度、およびEL蛍光層の形成温度、EL素子のアニール温度に耐えうる耐熱温度ないし融点が600℃以上、好ましくは700℃以上、特に800℃以上の基板を用い、その上に形成されるEL素子が形成でき、所定の強度を維持できるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、アルミナ(Al23 )、フォルステライト(2MgO・SiO2 )、ステアタイト(MgO・SiO2 )、ムライト(3Al23 ・2SiO2 )、ベリリア(BeO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC+BeO)等のセラミック基板、結晶化ガラスなど耐熱性ガラス基板を挙げることができる。これらの耐熱温度はいずれも1000℃程度以上である。これらのなかでも特にアルミナ基板、結晶化ガラスが好ましく、熱伝導性が必要な場合にはベリリア、窒化アルミニウム、炭化シリコン等が好ましい。
【0057】
また、このほかに、石英、熱酸化シリコンウエハー等、チタン、ステンレス、インコネル、鉄系などの金属基板を用いることもできる。金属等の導電性基板を用いる場合には、基板上に内部に電極を有した厚膜を形成した構造が好ましい。
【0058】
電極層(下部電極)は、少なくとも基板側または厚膜内に形成される。厚膜形成時、さらに発光層と共に熱処理の高温下にさらされる電極層は、主成分としてパラジウム、ロジウム、イリジウム、レニウム、ルテニウム、白金、タンタル、ニッケル、クロム、チタン等の通常用いられている金属電極を用いればよい。
【0059】
また、他の電極層(上部電極)は、通常発光を基板と反対側から取り出すため、所定の発光波長域で透光性を有する透明な電極が好ましい。透明電極は、基板が透明であれば、発光光を基板側から取り出すことが可能なため、下部電極としてもよい。この場合、ZnO、ITOなどの透明電極を用いることが特に好ましい。ITOは、通常In2 3 とSnOとを化学量論組成で含有するが、O量は多少これから偏倚していてもよい。In2 3 に対するSnO2 の混合比は、1〜20wt%、さらには5〜12wt%が好ましい。また、IZOでのIn2 3 に対するZnOの混合比は、通常、12〜32wt%程度である。
【0060】
また、電極層は、シリコンを有するものでも良い。このシリコン電極層は、多結晶シリコン(p−Si)であっても、アモルファス(a−Si)であってもよく、必要により単結晶シリコンであってもよい。
【0061】
電極層は、主成分のシリコンに加え、導電性を確保するため不純物をドーピングする。不純物として用いられるドーパントは、所定の導電性を確保しうるものであればよく、シリコン半導体に用いられている通常のドーパントを用いることができる。具体的には、B、P、As、Sb、Al等が挙げられ、これらのなかでも、特にB、P、As、SbおよびAlが好ましい。ドーパントの濃度としては0.001〜5at%程度が好ましい。
【0062】
これらの材料で電極層を形成する方法としては、蒸着法、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法、印刷焼成法など既存の方法を用いればよいが、特に、基板上に内部に電極を有した厚膜を形成した構造を作製する場合、誘電体厚膜と同じ方法が好ましい。
【0063】
電極層の好ましい抵抗率としては、発光層に効率よく電界を付与するため、1Ω・cm以下、特に0.003〜0.1Ω・cmである。電極層の膜厚としては、形成する材料にもよるが、好ましくは50〜2000nm、特に100〜1000nm程度である。
【0064】
無機EL(エレクトロルミネッセンス)素子の発光層に用いられる材料としては、赤色発光を得る材料として、ZnS、Mn/CdSSe等、緑色発光を得る材料として、ZnS:TbOF、ZnS:Tb等、青色発光を得るための材料として、SrS:Ce、(SrS:Ce/ZnS)n、CaCa24:Ce、SrGa24:Ce等を挙げることができる。また、白色発光を得るものとして、SrS:Ce/ZnS:Mn等が知られている。
【0065】
本発明では、このようなEL素子の蛍光薄膜に用いれる材料として、II族−硫黄化合物、II族−III族−硫黄化合物または希土類硫化物とは、主にSrSに代表されるII−S系化合物または、主にSrGa24 に代表されるII−III2−S4系化合物(II=Zn、Cd、Ca、Mg、Be、Sr、Ba、希土類、III=B、Al、Ga、In、Tl)または、Y23などの希土類硫化物、およびこれらの化合物を用いた複数成分の組み合わせの混晶または混合化合物が好ましい。
【0066】
これらの化合物の組成比は厳密に上記した値をとるのではなく、それぞれの元素に関してある程度の固溶限を有している。従って、その範囲の組成比であればよい。
【0067】
通常、EL蛍光体薄膜は、母体材料に発光中心を添加する。発光中心は、既存の遷移金属、希土類を既存の量、添加すればよい。例えば、Ce,Euなどの希土類、Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Bi,Agなどを金属または硫化物の形で原料に添加する。添加量は、原料と形成される薄膜で異なるので、薄膜が既存の添加量となるように原料の組成を調整する。
【0068】
これらの材料でEL蛍光体薄膜を形成する方法としては、蒸着法、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法、印刷焼成法など既存の方法を用いればよい。
【0069】
発光層の膜厚としては、特に制限されるものではないが、厚すぎると駆動電圧が上昇し、薄すぎると発光効率が低下する。具体的には、蛍光材料にもよるが、好ましくは100〜1000nm、特に150〜700nm程度である。
【0070】
高輝度の硫化物蛍光体薄膜を得るために、必要に応じて、形成しようとする組成の硫化物蛍光体を600℃以上の高い温度で形成したり、600℃以上の高い温度でアニールすることが好ましい。特に高輝度の青色蛍光体を得るためには、高温プロセスが有効である。本発明の無機EL用誘電体厚膜はこのような高温プロセスに耐えることができる。
【0071】
無機EL素子は、上記電極層と蛍光薄膜(発光層)との間に、絶縁層を有する。絶縁層の構成材料としては、例えば酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、酸化タンタル(Ta25)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化イットリウム(Y23)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、PZT、ジルコニア(ZrO2)、シリコンオキシナイトライド(SiON)、アルミナ(Al23)、ニオブ酸鉛、PMN−PT系材料等およびこれらの多層または混合薄膜を挙げることができ、これらの材料で絶縁層を形成する方法としては、蒸着法、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法、印刷焼成法など既存の方法を用いればよい。この場合の絶縁層の膜厚としては、好ましくは50〜1000nm、特に100〜500nm程度である。
【0072】
また、必要により絶縁層を形成した後、さらに他の材料を用いて絶縁層を2重に形成してもよい。
【0073】
さらにこの絶縁層上には、電極層が形成される。電極層材料はすでに述べた電極材料が好ましい。
【0074】
このような方法により、本発明の無機EL用構造体を用い、無機EL素子を構成することができる。蛍光体薄膜の高温プロセスが可能になるため、従来輝度が不足していた青色蛍光体の特性を大幅に向上できるため、フルカラーのELディスプレーが実現可能となる。さらに、本発明では、高密度でクラックの無い絶縁厚膜が得られるので、EL素子の絶縁破壊が起こりにくく、通常の薄膜2重絶縁構造より格段に安定性が増し、高輝度化、低電圧化が図れる。
【0075】
以上述べたように、本発明の無機EL用構造体を用いると、石英など高価な基板を用いることなく、安価で大面積の形成が可能な無機EL用厚膜を提供することができる。
【0076】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
図1に本発明のEL素子の実施例を説明するための素子構造を示す。基板1としてアルミナ基板を用いた。まず、この基板1を600℃に加熱し、Y23 薄膜を反応性蒸着法により0.1μm中間層7として形成した。
【0077】
この上にPd電極ペーストをライン状に、スクリーン印刷し、乾燥させた後、大気雰囲気中1200℃で15分焼成し、パターン電極5付基板を得た。
【0078】
次に、この基板1上に誘電体厚膜2を形成した。誘電体ペーストは市販のニオブ酸鉛系厚膜用ペーストを用いた。誘電体ペーストをドクターブレードにより焼き上がり膜厚が30μm になるようにスクリーン印刷し、乾燥させた後、大気雰囲気900℃で焼成し、誘電体厚膜を得た。
【0079】
得られた誘電体厚膜2は、中間層7が介在しているため基板1との反応がなく、クラックフリーであった。この誘電体厚膜の誘電率は、約5000であった。
【0080】
形成された誘電体厚膜の表面をさらに平坦化するため研磨を行い、膜厚を20μmにした。この上に、基板温度を600℃とし、EB蒸着法によりSrS:Ce蛍光体薄膜(発光層)4を0.6μm形成した。
【0081】
さらに、SiNx 絶縁層(第2の絶縁層)4をスパッタリング法によりSrS:Ce蛍光体薄膜上に200nm形成し、この上にITO酸化物ターゲットを用いRFマグネトロンスパッタリング法により、基板温度250℃で、膜厚200nmのITO透明電極6を形成し、EL素子を完成した。得られた構造のPd電極、ITO透明電極から電極を引き出し、1KHzのパルス幅50μsの電界を印加することにより、140cd/m2 の発光輝度が再現良く得られ300Vのドライブで絶縁破壊は見られなかった。
【0082】
[実施例2]
実施例1と同様な構造で、Y23 中間層にかえて、Pt薄膜を中間層7として形成した。
【0083】
Pt薄膜は、600℃の基板温度で蒸着法により、0.2μm形成した。
【0084】
次に、この上に誘電体厚膜2を形成した。誘電体ペーストは市販のニオブ酸鉛系厚膜用ペーストを用いた。誘電体ペーストをドクターブレードにより焼き上がり膜厚が30μm になるようにスクリーン印刷し、乾燥させた後、大気雰囲気中900℃で焼成し、誘電体厚膜2を得た。
【0085】
この上にPd電極ペーストをライン状に、スクリーン印刷し、乾燥させた後、大気雰囲気中1200℃で15分焼成し、パターン電極を作製した。
【0086】
再度、この構造体上に誘電体厚膜2を形成した。上記と同様に誘電体ペーストをドクターブレードにより焼き上がり膜厚が30μm になるようにスクリーン印刷し、乾燥させた後、大気雰囲気900℃で焼成し、図2に示すような基板1上に内部に電極を有した厚膜を形成した構造を得た。
【0087】
得られた誘電体厚膜2は、中間層7により基板1との反応がなく、クラックフリーであった。この誘電体厚膜の誘電率は、約5000であった。
【0088】
実施例1と同様に、誘電体厚膜の表面をさらに平坦化するため研磨を行い、EL素子を作製した。電極に1KHzのパルス幅50μsの電界を印加することにより、180cd/m2 の発光輝度が再現良く得られ300Vのドライブで全く絶縁破壊は見られなかった。
【0089】
[実施例3]
実施例1と同様な構造で、Y23 中間層にかえて、PZT薄膜を中間層として形成した。PZT薄膜は、600℃の基板温度で反応性多元蒸着法により、0.5μm 形成した。
【0090】
このPZT薄膜は、450℃に相転移点を有する。
【0091】
この上に実施例1と同様に電極、誘電体厚膜、蛍光体薄膜、絶縁体薄膜、ITO電極を形成し、EL素子を作製した。電極に1KHzのパルス幅50μsの電界を印加することにより、200cd/m2 の発光輝度が再現良く得られ300Vのドライブで全く絶縁破壊は見られなかった。
【0092】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明の無機EL用構造体は、従来の厚膜での問題であった基板との反応、厚膜のクラック、剥離を解決し、蛍光体薄膜形成中に要求される高いプロセス温度に耐えうる厚膜構造体を実現できる。このような厚膜構造体を用いたEL素子は、発光特性に優れ、特に、多色EL素子やフルカラーEL素子を形成する際、絶縁破壊が全くなく、再現良くEL素子を製造することができ、実用的価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるEL素子構造の概略断面図である。
【図2】本発明の実施例である他のEL素子構造の概略断面図である。
【図3】従来の2重絶縁層型EL素子構造の概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 第1の絶縁層(誘電体層)
3 蛍光体薄膜(発光層)
4 第2の絶縁層(誘電体層)
5 下部電極
6 上部電極(透明電極)
7 中間層

Claims (4)

  1. 無機EL用構造体を製造する方法であって、
    基板を用意するステップと、
    前記基板上に中間層を形成するステップと、
    前記中間層上に誘電体ペーストを載せて前記中間層の相転移温度よりも高い温度で焼結することにより、前記中間層上に5−50μmの厚さを有する誘電体厚膜を形成するステップであって、前記中間層と前記誘電体厚膜との間又は前記誘電体厚膜の中に第1の電極が配置された状態で前記誘電体厚膜を形成するステップと、
    前記誘電体厚膜上に発光層を形成するステップと、
    前記発光層上に絶縁層を形成するステップと、
    前記絶縁層上に第2の電極を形成するステップと、
    を含み、
    前記中間層は、前記基板と前記誘電体厚膜との間の応力を緩和する応力緩和層である、無機EL用構造体を製造する方法。
  2. 前記中間層が酸化物材料で相転移点を有し、この相転移点の温度が300〜600℃の間である請求項の無機EL用構造体を製造する方法
  3. 前記中間層の材料が金属である請求項の無機EL用構造体を製造する方法
  4. 請求項1〜のいずれか一項の方法により製造された無機EL用構造体を有する無機EL素子。
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