JP4563539B2 - 複合基板およびこれを用いたel素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は誘電体と電極を設けた複合基板、およびその複合基板を用いたエレクトロルミネセンス素子(EL素子)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電界の印加によって物質が発光する現象をエレクトロルミネセンス(EL)といい、この現象を用いた素子は液晶ディスプレイ(LCD)や時計のバックライトとして実用化されている。
【0003】
EL素子には粉末蛍光体を有機物やホウロウに分散させ、上下に電極を設けた構造をもつ分散型素子と、電気絶縁性の基板上に2つの電極と2つの薄膜絶縁体の間に挟む形で形成した薄膜蛍光体を用いた薄膜型の素子がある。また、それぞれについて、駆動方式により直流電圧駆動型、交流電圧駆動型がある。分散型EL素子は古くから知られており、製造が容易であるという利点があるが、輝度が低く寿命も短いのでその利用は限られていた。一方、薄膜型EL素子は高輝度、長寿命という特性をもち、EL素子の実用範囲を大きく広げた。
【0004】
従来、薄膜型EL素子においては基板として液晶ディスプレーやPDPなどに用いられている青板ガラスを用い、かつ基板に接する電極をITOなどの透明電極とし、蛍光体で生じた発光を基板側から取り出す方式が主流であった。また蛍光体材料としては黄橙色発光を示すMnを添加したZnSが、成膜のしやすさ、発光特性の観点から主に用いられてきた。カラーディスプレを作製するには、赤色、緑色、青色の3原色に発光する蛍光体材料の採用が不可欠である。これらの材料としては青色発光のCeを添加したSrSやTmを添加したZnS、赤色発光のSmを添加したZnSやEuを添加したCaS、緑色発光のTbを添加したZnSやCeを添加したCaSなどが候補に上げられており、研究が続けられている。しかし現在までのところ、発光輝度、発光効率、色純度の点に問題があり、実用化にはいたっていない。
【0005】
これらの問題を解決する手段として、高温で成膜する方法や成膜後に高温で熱処理を行うことが有望であることが知られている。このような方法を用いた場合、基板として青板ガラスを用いることは耐熱性の観点から不可能である。耐熱性のある石英基板を用いることも検討されているが、石英基板は非常に高価であり、ディスプレーなどの大面積を必要とする用途には適さない。
【0006】
近年、特開平7−50197号公報や、特公平7−44072号公報に記載されているように、基板として電気絶縁性のセラミック基板を用い、蛍光体下部の薄膜絶縁体のかわりに厚膜誘電体を用いた素子の開発が報告された。
【0007】
この素子の基本的な構造を図2に示す。図2に示されるEL素子は、セラミックなどの基板11上に、下部電極12、厚膜誘電体層13、発光層14、薄膜絶縁体層15、上部電極16が順次形成された構造となっている。このように、従来の構造とは異なり、蛍光体の発光を基板とは反対側の上部から取り出すため、透明電極は上部に設けられている。
【0008】
この素子では厚膜誘電体は数10μm と薄膜絶縁体の数100〜数1000倍の厚さをもっている。そのためピンホールなどに起因する絶縁破壊が少なく、高い信頼性と高い製造時の歩留まりを得ることができるという利点を有している。
【0009】
厚い誘電体を用いることによる蛍光体層への電圧降下は高誘電率材料を誘電体層として用いることにより克服している。またセラミック基板と厚膜誘電体を用いることにより、熱処理温度を高めることができる。その結果、従来は結晶欠陥の存在により不可能であった高い発光特性を示す発光材料の成膜が可能となった。
【0010】
厚膜誘電体に用いられる誘電材料の条件として、高誘電率で絶縁抵抗、耐電圧が高いことが好ましい。しかし、基板材料として一般的に広く用いられているAl23 を用い、誘電材料として高誘電特性から広くキャパシター材料に用いられているBaTiO3 を用いると、Al23 とBaTiO3 の熱膨張率の違いにより焼成時に誘電体層にクラックが入り、EL素子としたときに十分な耐電圧が得られないといった問題が生じていた。
【0011】
厚膜誘電体に用いられる誘電材料の条件として、高誘電率で絶縁抵抗、耐電圧が高いことが好ましい。しかし、基板材料として一般的に広く用いられている結晶化ガラスやAl23 を用い、誘電材料として高い誘電特性から広くキャパシター材料に用いられているBaTiO3 を用いると、焼成時にBaTiO3 誘電体層にクラックが入ってしまうという問題が生じていた。このクラックにより誘電体層の耐電圧が低くなるので、この複合基板を用いてEL素子を作製すると容易に素子が破壊してしまった。この原因は基板材料と誘電体の熱膨張率が違うとともに、誘電体を高温で焼成しなければならないので、熱膨張の差が大きく影響しているためであると考えられている。この問題と基板材料の誘電体材料の反応を最小限に抑える必要性から、特開平7−50197号公報や、特公平7−44072号公報等では誘電体材料として焼成温度の比較的低い鉛系の誘電材料が主に検討されてきた。
【0012】
しかし、人体に有害な鉛を原料に用いることは製造上および廃品回収コストを増大させるので好ましくない。また鉛系の誘電体材料は一般に焼成温度がBaTiO3 より低いゆえに、EL素子としたときの蛍光体層の熱処理温度を高めることができず、十分な発光特性を得ることができなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、基板と電極の間にセラミックからなる応力緩和層をもうけることにより、種種の基板材料と誘電体材料の組み合わせにおいて、クラックのない厚膜誘電体をもつ複合基板を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(1) 基板上に電極と厚膜誘電体層が順次形成されている複合基板であって、
前記基板と電極の間にセラミックからなる応力緩和層を有する複合基板。
(2) 前記応力緩和層は、その熱膨張率が基板の熱膨張率と誘電体層の誘電体の熱膨張率との間にある上記(1)の複合基板。
(3) 前記応力緩和層は、傾斜組成を有する上記(1)または(2)の複合基板。
(4) 前記誘電体はチタン酸バリウム(BaTiO3 )を主成分とするセラミック焼結体である上記(1)〜(3)のいずれかの複合基板。
(5) 前記誘電体層は、酸化マンガン(MnO),酸化マグネシウム(MgO),酸化タングステン(WO3 ),酸化カルシウム(CaO),酸化ジルコニウム(ZrO2 ),酸化ニオブ(Nb25 )および酸化コバルト(Co23 )から選択される1種または2種以上の酸化物を含有する上記(4)の複合基板。
(6) 前記誘電体層は、希土類元素(Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLu)から選択される元素の酸化物を1種または2種以上含有する上記(4)または(5)の複合基板。
(7) 前記誘電体層は、酸化シリコン(SiO2 )からなるガラス成分を含有する上記(4)〜(6)のいずれかの複合基板。
(8) 上記(1)〜(7)のいずれかの複合基板上に、少なくとも発光層と第2の電極を有するEL素子
(9) さらに発光層と第2の電極との間に第2の絶縁体層を有する上記(8)のEL素子。
【0015】
【作用】
本発明においては、基板と電極の間にセラミックからなる応力緩和層を設けることによりクラックのない厚膜誘電体を有する複合基板を作製することができる。応力緩和層の存在により、基板材料と誘電体材料の熱膨張率の差に起因する焼成時の誘電体層のクラックを抑制することができ、誘電体層の耐電圧を高くすることができる。その結果、この複合基板を用いたEL素子において、高い発光特性をもたらす高電圧駆動が可能となる。
【0016】
一般に基板材料として広く用いられているAl23 と高い誘電特性と高信頼性から広くキャパシター材料として用いられているBaTiO3 の組み合わせのように、大きな熱膨張率の差と高い焼成温度から誘電体層のクラックの発生が不可避であった場合でも、クラックのない複合基板を作製できる。それ以外にも応力緩和層の組成を変えることにより、種種の基板材料と誘電体材料の組み合わせが可能となる。そのため、従来のように誘電体として焼成温度の低い鉛系の誘電材料を用いる必要がなく、環境汚染防止の観点からも有利である。
【0017】
さらに、このように焼成温度の高い複合基板を用いてEL素子を作製すると、蛍光体層の熱処理温度を上げることができるため、蛍光体層中の結晶欠陥を減らし、高い発光特性を得ることができる。この作用は、特に青色発光を生じるCeを添加したSrS蛍光体層を成膜する上で特に有効である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の複合基板は、電気絶縁性を有する基板上に電極と厚膜誘電体層が順次形成されている複合基板において、前記基板と電極の間にセラミックからなる応力緩和層を有するものである。
【0019】
また、好ましくは前記厚膜誘電体はチタン酸バリウム(BaTiO3 )を主成分とするセラミック焼結体である。そして、この厚膜誘電体層は、酸化マンガン(MnO),酸化マグネシウム(MgO),酸化タングステン(WO3 ),酸化シリコン(SiO2 ),酸化カルシウム(CaO),酸化ジルコニウム(ZrO2 ),酸化ニオブ(Nb25 )および酸化コバルト(Co23 )から選択される1種または2種以上の酸化物を含有するか、あるいは希土類元素(Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLu)から選択される元素の酸化物を1種または2種以上を含有していてもよい。
【0020】
このように、基板と厚膜誘電体層との間に応力緩和層を設けることにより、基板と厚膜誘電体層との間の応力が緩和され、厚膜誘電体層のクラックを抑制することができ、厚膜誘電体層の耐電圧を高くすることができる。その結果、この複合基板を用いたEL素子において、高い発光特性をもたらす高電圧駆動が可能となる。
【0021】
ここで、厚膜誘電体層とは、気相堆積法などの薄膜形成工程以外の方法、具体的には、ペースト化された材料をブレードコーティング、グリンシート等により整形し、高温処理工程を経て得られる、いわゆる厚膜工程で得られた誘電体層をいう。
【0022】
図1に、本発明の複合基板を用いたエレクトロルミネセンス素子(EL素子)の断面図を示す。複合基板は、電気絶縁性のセラミックまたは結晶化ガラス基板1上にセラミックの応力緩和層2と、所定のパターンにパターニング形成された厚膜電極(第1の電極)3、その上に厚膜法により形成された高誘電率セラミック焼結体からなる誘電体層(第1の誘電体層)4を有する積層セラミック構造体となっている。
【0023】
応力緩和層2は、その熱膨張率が基板材料と誘電体材料の熱膨張率の中間となるような組成をもつことが好ましい。あるいは傾斜組成にし、基板と接する面においては基板材料と同じような熱膨張率をもつようにし、誘電体層と接する面においては誘電体材料と同じような熱膨張率をもつようにしてもよい。この場合、応力緩和層がそれぞれ接する側の材料との熱膨張率の差が、好ましくは90%以内、特に50%以内であることが好ましい。
【0024】
複合基板を使用したEL素子は、例えば図1に示すように複合基板の誘電体層上に真空蒸者、スパッタ法、CVD法等で形成された薄膜発光層(蛍光層)5、薄膜絶縁層(第2の絶縁層)6、透明電極(第2の電極)7からなる基本構造を有している。また、薄膜絶縁層を省略した片絶縁構造としてもよい。
【0025】
本発明の複合基板およびそれを用いたEL素子は、応力緩和層を採用することにより、基板材料と熱膨張率の異なる誘電材料でもクラック無しに基板上に厚膜形成できることを特徴としている。このとき、例えば高温で焼成を行うBaTiO3 などを用いれば、鉛を含んでいないので環境汚染防止の意味からも有効である。また複合基板は高温で焼成を行っているため、本発明の複合基板を用いてエレクトロルミネセンス素子を作製すると、蛍光体層の熱処理温度を高めることができ、高い発光特性を得ることができる。
【0026】
応力緩和層の材料としては、上記の熱膨張率を有し、基板や誘電体層との反応し難い材料であれば特に限定されるものではない。具体的には、結晶化ガラスまたはアルミナ(Al23 )を主成分とすることが好ましい。前記誘電体はチタン酸バリウム(BaTiO3 )を主成分とするセラミック焼結体が好ましい。アルミナ(Al23 )、チタン酸バリウム(BaTiO3 )は必ずしも化学量論組成を有する必要はなく、多少偏倚していてもよい。
【0027】
これらの材料により形成される応力緩和層の膜厚は、好ましくは0.5μm を超えるものであり、より好ましくは1〜100μm 、特に5〜20μm 程度である。また、形成された応力緩和層の熱膨張係数は、1〜14ppm/K-1程度、特に5〜12ppm/K-1程度が好ましい。
【0028】
基板として用いる材料は、厚膜形成温度、およびEL蛍光層の形成温度、EL素子のアニール温度に耐えうる耐熱温度ないし融点が600℃以上、好ましくは700℃以上、特に800℃以上の基板を用い、その上に形成されるEL素子が形成でき、所定の強度を維持できるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、アルミナ(Al23 )、フォルステライト(2MgO・SiO2 )、ステアタイト(MgO・SiO2 )、ムライト(3Al23 ・2SiO2 )、ベリリア(BeO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC+BeO)等のセラミック基板、結晶化ガラスなど耐熱性ガラス基板を挙げることができる。これらの耐熱温度はいずれも1000℃程度以上である。これらのなかでも特にアルミナ基板、結晶化ガラスが好ましく、熱伝導性が必要な場合にはベリリア、窒化アルミニウム、炭化シリコン等が好ましい。
【0029】
また、このほかに、石英、熱酸化シリコンウエハー等、チタン、ステンレス、インコネル、鉄系などの金属基板を用いることもできる。金属等の導電性基板を用いる場合には、絶縁処理を施すか基板上に内部に電極を有した厚膜を形成した構造が好ましい。
【0030】
第1の電極である下部電極層は、少なくとも絶縁処理された基板側に形成されるか、絶縁層内に形成される。絶縁層形成時、さらに発光層と共に熱処理の高温下にさらされる電極層は、主成分としてパラジウム、ロジウム、イリジウム、レニウム、ルテニウム、白金、銀、金、タンタル、ニッケル、クロム、チタン等の通常用いられている金属電極を用いればよい。
【0031】
また、Pd,Pt,Au,Agやそれらの合金を用いた場合には大気中で焼成することができる。耐還元性をもたせたるよう調整されたBaTiO3 を用いた場合には還元雰囲気で焼成が行えるので、Niなどの卑金属を内部電極として用いることができる。
【0032】
また、第2の電極となる上部電極層は、所定の発光波長域で透光性を有する透明な電極が良い。この場合、ZnO、ITOなどの透明電極を用いることが特に好ましい。ITOは、通常In2 3 とSnOとを化学量論組成で含有するが、O量は多少これから偏倚していてもよい。In2 3 に対するSnO2 の混合比は、1〜20wt%、さらには5〜12wt%が好ましい。また、IZOでのIn2 3 に対するZnOの混合比は、通常、12〜32wt%程度である。
【0033】
また、電極層は、シリコンを有するものでも良い。このシリコン電極層は、多結晶シリコン(p−Si)であっても、アモルファス(a−Si)であってもよく、必要により単結晶シリコンであってもよい。
【0034】
電極層は、主成分のシリコンに加え、導電性を確保するため不純物をドーピングする。不純物として用いられるドーパントは、所定の導電性を確保しうるものであればよく、シリコン半導体に用いられている通常のドーパントを用いることができる。具体的には、B、P、As、Sb、Al等が挙げられ、これらのなかでも、特にB、P、As、SbおよびAlが好ましい。ドーパントの濃度としては0.001〜5at%程度が好ましい。
【0035】
これらの材料で電極層を形成する方法としては、蒸着法、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法、印刷焼成法など既存の方法を用いればよいが、特に、基板上に内部に電極を有した厚膜を形成した構造を作製する場合、誘電体厚膜と同じ方法が好ましい。
【0036】
電極層の好ましい抵抗率としては、発光層に効率よく電界を付与するため、1Ω・cm以下、特に0.003〜0.1Ω・cmである。電極層の膜厚としては、形成する材料にもよるが、好ましくは50〜10000nm、特に100〜5000nm、さらには100〜3000nm程度である。
【0037】
誘電体厚膜材料(第1の絶縁層)としては、公知の誘電体厚膜材料を用いることができる。比較的誘電率、耐電圧、絶縁抵抗の大きな材料が好ましい。
【0038】
例えばチタン酸鉛系、ニオブ酸鉛系、チタン酸バリウム系等の材料を主成分として用いることができる。
【0039】
誘電体層は、さらに酸化マンガン(MnO),酸化マグネシウム(MgO),酸化タングステン(WO3 ),酸化カルシウム(CaO),酸化ジルコニウム(ZrO2 ),酸化ニオブ(Nb25 )および酸化コバルト(Co23 )から選択される1種または2種以上の酸化物か、希土類元素(Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLu)から選択される元素の酸化物を1種または2種以上を副成分として含有していてもよい。これらの副成分は、主成分、特にBaTiO3 に対し好ましくは50 mol%以下、より好ましくは0.004〜40 mol%、特に0.01〜30 mol%含有することが好ましい。
【0040】
また、誘電体層は酸化シリコン(SiO2 )からなるガラス成分を、好ましくは2wt%以下、特に0.05〜0.5wt%以下含有していてもよい。ガラス成分を含有することにより、焼結性の向上が図れる。
【0041】
また、以下の材料および以下の材料の2種類以上の混合物などが好適である。
【0042】
(A) ペロブスカイト型材料:PbTiO3 、希土類元素含有チタン酸鉛、PZT(ジルコンチタン酸鉛)、PLZT(ジルコンチタン酸ランタン鉛)等のPb系ペロブスカイト化合物、NaNbO3 、KNbO3 、NaTaO3 、KTaO3 、CaTiO3 、SrTiO3 、BaTiO3 ,BaZrO3 、CaZrO3 、SrZrO3 、CdZrO3 、CdHfO3 、SrSnO3 、LaAlO3 、BiFeO3 、Bi系ペロブスカイト化合物など。以上のような単純、さらには金属元素を3種以上含有する複合ペロブスカイト化合物、複合、層状の各種ペロブスカイト化合物。
【0043】
(B) タングステンブロンズ型材料: ニオブ酸鉛、SBN(ニオブ酸ストロンチウムバリウム)、PBN(ニオブ酸鉛バリウム)、PbNb26 、PbTa26 、PbNb411 、Ba2KNb515 、Ba2LiNb515 、Ba2AgNb515 、Ba2RbNb515 、SrNb26 、Sr2NaNb515 、Sr2LiNb515 、Sr2KNb515 、Sr2RbNb515 、Ba3Nb1028 、Bi3Nd1747 、K3Li2Nb515 、K2RNb515 (R:Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho)、K2BiNb515 、Sr2TlNb515 、Ba2NaNb515 、Ba2KNb515 等のタングステンブロンズ型酸化物など。
【0044】
(C) YMnO3 系材料:希土類元素(ScおよびYを含む)とMnとOとを含み、六方晶系YMnO3 構造をもつ酸化物など。例えば、YMnO3 、HoMnO3等。
【0045】
これらの多くは、強誘電体である。以下、これらの材料について説明する。
【0046】
(A) ペロブスカイト型材料のうち、BaTiO3 やSr系ペロブスカイト化合物などは、一般に化学式ABO3 で表される。ここで、AおよびBは各々陽イオンを表す。AはCa、Ba、Sr、Pb、K、Na、Li、LaおよびCdから選ばれた1種以上であることが好ましく、BはTi、Zr、TaおよびNbから選ばれた1種以上であることが好ましい。
【0047】
こうしたペロブスカイト型化合物における比率A/Bは、好ましくは0.8〜1.3であり、より好ましくは0.9〜1.2である。
【0048】
A/Bをこのような範囲にすることによって、誘電体の絶縁性を確保することができ、また結晶性を改善することが可能になるため、誘電体特性または強誘電特性を改善することができる。これに対し、A/Bが0.8未満では結晶性の改善効果が望めなくなり、またA/Bが1.3をこえると均質な薄膜の形成が困難になってしまう。
【0049】
このようなA/Bは、成膜条件を制御することによって実現する。また、ABO3 におけるOの比率は、3に限定されるものではない。ペロブスカイト材料によっては、酸素欠陥または酸素過剰で安定したペロブスカイト構造を組むものがあるので、ABOX において、xの値は、通常、2.7〜3.3程度である。なお、A/Bは、蛍光X線分析法から求めることができる。
【0050】
本発明で用いるABO3 型のペロブスカイト化合物としては、A1+5+3 、A2+4+3 、A3+3+3 、AX BO3 、A(B′0.67B″0.33)O3 、A(B′0.33B″0.67)O3 、A(B0.5 +30.5 +5 )O3 、A(B0.5 2+0.5 6+ )O3 、A(B0.5 1+0.5 7+ )O3 、A3+(B0.5 2+0.5 4+ )O3 、A(B0.25 1+0.75 5+)O3 、A(B0.5 3+0.5 4+ )O2.75、A(B0.5 2+0.5 5+ )O2.75等のいずれであってもよい。
【0051】
具体的には、PZT、PLZT等のPb系ペロブスカイト化合物、NaNbO3 、KNbO3 、NaTaO3 、KTaO3 ,CaTiO3 、SrTiO3 、BaTiO3 ,BaZrO3 、CaZrO3 、SrZrO3 、CdHfO3 、CdZrO3 、SrSnO3 、LaAlO3 、BiFeO3 、Bi系ペロブスカイト化合物などおよびこれらの固溶体等である。
【0052】
なお、上記PZTは、PbZrO3 −PbTiO3 系の固溶体である。また、上記PLZTは、PZTにLaがドープされた化合物であり、ABO3 の表記に従えば、(Pb0.890.91La0.110.09)(Zr0.65Ti0.35)O3 で示される。
【0053】
また、層状ペロブスカイト化合物のうちBi系層状化合物は、一般に
式 Bi2m-1m3m+3
で表わされる。上記式において、mは1〜5の整数、Aは、Bi、Ca、Sr、Ba、Pb、Na、Kおよび希土類元素(ScおよびYを含む)のいずれかであり、Bは、Ti、TaおよびNbのいずれかである。具体的には、Bi4 Ti312、SrBi2 Ta29 、SrBi2 Nb29 などが挙げられる。本発明では、これらの化合物のいずれを用いてもよく、これらの固溶体を用いてもよい。
【0054】
本発明に用いることが好ましいペロブスカイト型化合物は、誘電率が高いものが好ましく、NaNbO3 、KNbO3 、KTaO3 、CdHfO3 、CdZrO3 、BiFeO3 、Bi系ペロブスカイト化合物などであり、より好ましいものはCdHfO3 である。
【0055】
(B) タングステンブロンズ型材料としては、強誘電体材料集のLandoit-Borenstein Vol. 16記載のタングステンブロンズ型材料が好ましい。タングステンブロンズ型材料は、一般に化学式Ay515 で表される。ここで、AおよびBは各々陽イオンを表す。AはMg、Ca、Ba、Sr、Pb、K、Na、Li、Rb、Tl、Bi、希土類およびCdから選ばれた1種以上であることが好ましく、BはTi、Zr、Ta、Nb、Mo、W、FeおよびNiから選ばれた1種以上であることが好ましい。
【0056】
こうしたタングステンブロンズ型化合物における比率O/Bは、15/5に限定されるものではない。タングステンブロンズ材料によっては、酸素欠陥または酸素過剰で安定したタングステンブロンズ構造を組むものがあるので、比率O/Bにおいては、通常、2.6〜3.4程度である。
【0057】
具体的には、(Ba,Pb)Nb26 、PbNb26 、PbTa26 、PbNb411、PbNb26 、SBN(ニオブ酸ストロンチウムバリウム)、Ba2KNb515 、Ba2LiNb515 、Ba2AgNb515 、Ba2RbNb515 、SrNb26 、BaNb26 、Sr2NaNb515 、Sr2LiNb515 、Sr2KNb515 、Sr2RbNb515 、Ba3Nb1028 、Bi3Nd1747 、K3Li2Nb515 、K2RNb515 (R:Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho)、K2BiNb515 、Sr2TlNb515 、Ba2NaNb515 、Ba2KNb515 等のタングステンブロンズ型酸化物などおよびこれらの固溶体等が好ましく、特に、SBN〔(Ba,Sr)Nb26 〕やBa2KNb515 、Ba2LiNb515 、Ba2AgNb515 、Sr2NaNb515 、Sr2LiNb515 、Sr2KNb515 が好ましい。
【0058】
(C) YMnO3 系材料は、化学式RMnO3 で表せる。Rは希土類元素(ScおよびYを含む)から選ばれた1種以上であることが好ましい。YMnO3 系材料における比率R/Mnは、好ましくは0.8〜1.2であり、より好ましくは0.9〜1.1である。このような範囲にすることにより、絶縁性を確保することができ、また結晶性を改善することが可能になるため、強誘電特性を改善することができる。これに対し、比率R/Mnが0.8未満、1.2をこえる範囲では、結晶性が低下する傾向がある。また特に、比率R/Mnが1.2をこえる範囲では、強誘電性が得られず、常誘電的特性になる傾向があり、分極を利用した素子への応用が不可能になってくることがある。このようなR/Mnは、成膜条件を制御することによって実現する。なお、R/Mnは、蛍光X線分析法から求めることができる。
【0059】
本発明に用いることが好ましいYMnO3 系材料は、結晶構造が六方晶系のものである。YMnO3 系材料は、六方晶系の結晶構造を持つものと斜方晶系の結晶構造を持つものとが存在する。相転移の効果を得るためには、六方晶系の結晶材料が好ましい。具体的には、組成が実質的にYMnO3 、HoMnO3 、ErMnO3 、YbMnO3 、TmMnO3 、LuMnO3 であるものか、これらの固溶体などである。
【0060】
誘電体層厚膜の抵抗率としては、108 Ω・cm以上、特に1010〜1018 Ω・cm程度である。また比較的高い誘電率を有する物質であることが好ましく、その誘電率εとしては、好ましくはε=100〜10000程度である。膜厚としては、5〜50μmが好ましく、10〜30μmが特に好ましい。
【0061】
誘電体層厚膜の形成方法は、特に限定されず、10〜50μm厚の膜が比較的容易に得られる方法が良いが、ゾルゲル法、印刷焼成法などが好ましい。
【0062】
印刷焼成法による場合には、材料の粒度を適当に揃え、バインダーと混合し、適当な粘度のペーストとする。このペーストを基板上にスクリーン印刷法により形成し、乾燥させる。このグリーンシートを適当な温度で焼成し、厚膜を得る。
【0063】
得られた厚膜表面は、凹凸や穴が1μm以上と大きい場合、必要に応じ、研磨または、平坦化層をその上に形成して、平坦性を向上させることが好ましい。
【0064】
無機EL(エレクトロルミネッセンス)素子の発光層に用いられる材料としては、赤色発光を得る材料として、ZnS、Mn/CdSSe等、緑色発光を得る材料として、ZnS:TbOF、ZnS:Tb等、青色発光を得るための材料として、SrS:Ce、(SrS:Ce/ZnS)n、CaCa24:Ce、SrGa24:Ce等を挙げることができる。また、白色発光を得るものとして、SrS:Ce/ZnS:Mn多層膜等が知られている。
【0065】
本発明では、このようなEL素子の蛍光薄膜に用いれる材料として、II族−硫黄化合物、II族−III族−硫黄化合物または希土類硫化物とは、主にSrSに代表されるII−S系化合物または、主にSrGa24 に代表されるII−III2−S4系化合物(II=Zn、Cd、Ca、Mg、Be、Sr、Ba、希土類、III=B、Al、Ga、In、Tl)または、Y23などの希土類硫化物、およびこれらの化合物を用いた複数成分の組み合わせの混晶または混合化合物が好ましい。
【0066】
これらの化合物の組成比は厳密に上記した値をとるのではなく、それぞれの元素に関してある程度の固溶限を有している。従って、その範囲の組成比であればよい。
【0067】
通常、EL蛍光体薄膜は、母体材料に発光中心を添加する。発光中心は、既存の遷移金属、希土類を既存の量、添加すればよい。例えば、Ce,Euなどの希土類、Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Bi,Agなどを金属または硫化物の形で原料に添加する。添加量は、原料と形成される薄膜で異なるので、薄膜が既存の添加量となるように原料の組成を調整する。
【0068】
これらの材料でEL蛍光体薄膜を形成する方法としては、蒸着法、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法、印刷焼成法など既存の方法を用いればよい。
【0069】
発光層の膜厚としては、特に制限されるものではないが、厚すぎると駆動電圧が上昇し、薄すぎると発光効率が低下する。具体的には、蛍光材料にもよるが、好ましくは100〜1000nm、特に150〜700nm程度である。
【0070】
高輝度の硫化物蛍光体薄膜を得るために、必要に応じて、形成しようとする組成の硫化物蛍光体を600℃以上の高い温度で形成したり、600℃以上の高い温度でアニールすることが好ましい。特に高輝度の青色蛍光体を得るためには、高温プロセスが有効である。本発明の無機EL用誘電体厚膜はこのような高温プロセスに耐えることができる。
【0071】
無機EL素子は、好ましくは上記電極層と蛍光薄膜(発光層)との間に、薄膜絶縁体層(第2の絶縁層)を有する。薄膜絶縁層の構成材料としては、例えば酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(Si34 )、酸化タンタル(Ta25)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化イットリウム(Y23)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、PZT、ジルコニア(ZrO2)、シリコンオキシナイトライド(SiON)、アルミナ(Al23)、ニオブ酸鉛、PMN−PT系材料等およびこれらの多層または混合薄膜を挙げることができ、これらの材料で絶縁層を形成する方法としては、蒸着法、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法、印刷焼成法など既存の方法を用いればよい。この場合の絶縁層の膜厚としては、好ましくは50〜1000nm、特に100〜500nm程度である。
【0072】
また、必要により薄膜絶縁層を形成した後、さらに他の材料を用いて薄膜絶縁層を2重に形成してもよい。
【0073】
さらに、好ましくはこの薄膜絶縁層上には、電極層(第2の電極)が形成される。電極層材料はすでに述べた電極材料が好ましい。
【0074】
このような方法により、本発明の複合基板を用い、EL素子を構成することができる。蛍光体薄膜の高温プロセスが可能になり、従来輝度が不足していた青色蛍光体の特性を大幅に向上できるため、フルカラーのELディスプレーが実現可能となる。さらに、本発明では、高密度でクラックの無い絶縁厚膜が得られるので、EL素子の絶縁破壊が起こりにくく、通常の薄膜2重絶縁構造より格段に安定性が増し、高輝度化、低電圧化が図れる。
【0075】
複合基板は、好ましくは通常の厚膜積層技術により製造される。すなわち、電気絶縁性の結晶化ガラス、またはAl23 などのセラミック基板上に、応力緩和層の原料粉末にバインダを混合して作製されたペーストをスクリーン印刷法またはシート法などの厚膜形成法により形成し、その上にPdやPtのような導体粉末を原料とするペーストをスクリーン印刷法などによりパターン化して印刷する。さらにその上に、粉末状の誘電体材料を原料として作製された誘電体ペーストを用い、厚膜を形成する。あるいは誘電体ペーストをキャスティング成膜することによりグリーンシートを形成し、これを電極上に積層圧着してもよい。また、誘電体のグリーンシート上に電極を印刷し、これを基板上の応力緩和層の上に圧着してもよい。
【0076】
さらには、応力緩和層、電極、誘電体からなる積層グリーンシートを別に作製し、これを基板上に厚着してもよい。傾斜組成をもった応力緩和層は、組成をずらした層を順次積層させることにより作成することができる。以上の構造を応力緩和層およぴ誘電体層に適した温度で焼成を行う。
【0077】
【実施例】
次に、実施例を示し本発明の複合基板、およびEL素子についてより具体的に説明する。
【0078】
99.5%Al23 基板上にAl23とBaTiO3 をモル比で3:1の割合で含む混合粉末を原料とするペーストを印刷し、110℃で数分間乾操を行った。この印刷工程を2回線り返した後、同様の工程をAl23とBaTiO3 原料粉末をモル比で1:1,1:3をそれぞれ含むペーストを用いて行った。最後にBaTiO3 粉末を原料とするペーストを2回印刷し、乾燥させた。その上に電極としてPd粉末からなるペーストを幅:1.6mm、ギャップ:1.5mmのストライプ状のパターンに印刷し、1100℃で数分間乾燥を行った。
【0079】
これらとは別に、BaTiO3 粉末にMnO,MgO,Y23 ,V25 ,(Ba,Ca)SiO3 ,Li2SiO3 を所定濃度添加し、水中で混合を行った。混合した粉末を乾燥した後、バインダーと混合し、誘電体ペーストを作製した。作製した誘電体ペーストを前記の電極のパターンを印刷した基板上に30μm の厚さとなるよう印刷し、乾燥を行い、大気中1200℃で2時間焼成を行った。焼成後の誘電体層の厚みは10μm であった。
【0080】
誘電体層の電気特性を測定するため、前記誘電体ペーストの乾操を行った後に電極のパターンに直交するように1.5mm幅、ギャップ1.5mmのストライプ状のPd電極パターンを印刷・乾操し、前記の温度パターンで焼成を行ったサンプルを別に作製した。エレクトロルミネセンス素子は、複合基板を250℃に加熱した状態でMnをドープしたZnSターゲットを用い、ZnS蛍光体薄膜を厚さ0.7μm となるようスパッタ法により形成した後、真空中で10分間熱処理した。次に、第2絶縁層としてSi34 薄膜と第2電極としてITO薄膜をスパッタ法により順次形成することによりエレクトロルミネセンス素子とした。
【0081】
発光特性は、得られた素子構造の印刷焼成電極、ITO透明電極から電極を引き出し、1KHzのパルス幅50μs の電界を印加して測定した。
【0082】
以上のようにして作製した複合基板上の誘電体層の電気特性とこれらの複合基板を用いて作製したエレクトロルミネセンス素子の発光特性を表1に示す。
【0083】
【表1】
Figure 0004563539
【0084】
表1から明らかなように、応力緩和層を設けず、下部電極と誘電体を直接基板上に形成した場合には誘電体表面のクラックによりエレクトロルミネセンス素子とした場合に、発光開始前に素子が破壊してしまった。しかし応力緩和層を設けた場合には誘電体表面にクラックは見られず、発光を観測することができた。また、従来の鉛系の材料を誘電体に用いた場合に比べ、蛍光層の熱処理温度を高めることができるため、発光輝度向上と発光開始電圧の低下が見られた。
【0085】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、基板と電極の間にセラミックからなる応力緩和層をもうけることにより、種種の基板材料と誘電体材料の組み合わせにおいて、クラックのない厚膜誘電体をもつ複合基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のEL素子の構成例を示す概略断面図である。
【図2】従来のEL素子の構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 応力緩和層
3 電極(下部電極)
4 誘電体層
5 発光層(蛍光層)
6 誘電体層
7 電極(上部電極)

Claims (8)

  1. 基板上に電極と厚膜誘電体層が順次形成されている複合基板であって、
    前記基板と電極の間にセラミックからなる応力緩和層を有しており、
    前記応力緩和層は、傾斜組成を有する、複合基板。
  2. 前記応力緩和層は、その熱膨張率が基板の熱膨張率と誘電体層の誘電体の熱膨張率との間にある請求項1に記載の複合基板。
  3. 前記誘電体はチタン酸バリウム(BaTiO3 )を主成分とするセラミック焼結体である請求項1又は2に記載の複合基板。
  4. 前記誘電体層は、酸化マンガン(MnO),酸化マグネシウム(MgO),酸化タングステン(WO3),酸化カルシウム(CaO),酸化ジルコニウム(ZrO2),酸化ニオブ(Nb25)および酸化コバルト(Co23)から選択される1種または2種以上の酸化物を含有する請求項の複合基板。
  5. 前記誘電体層は、希土類元素(Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLu)から選択される元素の酸化物を1種または2種以上含有する請求項またはの複合基板。
  6. 前記誘電体層は、酸化シリコン(SiO2)からなるガラス成分を含有する請求項のいずれかの複合基板。
  7. 請求項1〜のいずれかの複合基板上に、少なくとも発光層と第2の電極を有するEL素子
  8. さらに発光層と第2の電極との間に第2の絶縁体層を有する請求項のEL素子。
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