JP4910192B2 - 酸化物電界発光素子 - Google Patents

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本発明は、酸化物電界発光素子及びその駆動方法に関する。
現行の電界発光材料は、無機系材料と有機系材料とに大別することができる。無機系の電界発光材料は、有機系の電界発光材料に比べて長期安定性に優れており、また高温等の苛酷な条件下でも発光するという利点がある。
無機系の電界発光材料としては、例えば、MnをドープしたZnSが知られている(非特許文献1及び2参照)。この電界発光材料は発光素子材料として実用化されているが、黄色〜橙色の光しか発光できない。
本発明者は、従前の電界発光材料の発光色が黄色〜橙色に限定されていることに鑑み、鋭意研究の結果、ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる、緑色の光を発光する電界発光材料を完成させている。具体的には、希土類元素をRとし、MはAl、Mn又はCrを示すものとし、一般式:RMO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物である(特許文献1)。
上記した緑色の光を発光する技術に加えて、黄色よりも長波長の赤色の光を得る技術が確立できれば、青色の光を発光する他の電界発光材料を組み合わせることにより光の三原色(RGB:赤、緑、青)を表すことが可能となり、これらの三原色の組み合わせにより、多用な可視波長域の光が得られる。そして、かかる技術は、ディスプレイ、照明、各種光源等の用途に応用できる点で有用である。さらに、赤色の発光が、緑色の発光が可能な前記電界発光材料から得られるのであれば、発光色ごとに異なる電界発光材料を用意する必要を減らせる点で有用性が高い。
現在、本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、緑色の発光が可能な前記電界発光材料において、1kHz以上の周波数のパルス電圧を印加する場合には、赤色の発光が得られるという知見を見出している。即ち、ペロブスカイト型結晶構造を有する前記電界発光材料において、印加するパルス電圧の周波数を選択することにより、緑色及び赤色の電界発光が得られることは本発明者において分かっている。
上記緑色及び赤色の発色に加えて、緑色よりも短波長の電界発光が得られれば、広い波長範囲での電界発光が可能となり、それらの発色の混合により、種々の色の可視光を得る自由度は高まる。前記電界発光材料において、紫外光(200〜400nmの光)が得られれば、紫外光は蛍光材料の励起光源として利用できるため、最終的に得られる発色の自由度は更に広がる。
しかしながら、前記電界発光材料をはじめ、ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物電界発光材料において、紫外光を取り出す技術は未だ見出されていない。
国際公開第WO2005/042669号パンフレット Y.A. Ono, Electroluminescent Displays, World Scientific, 1995, Singapore トリガー18巻3号21〜23頁(1999年)
本発明は、希土類元素をRとし、MはAl、Mn又はCrを示すものとし、一般式:RMO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物を電界発光材料として含む電界発光素子であって、紫外光を発光する素子を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、上記電界発光材料を一対の電極間に挟持した電界発光層に対して、前記電極間に流れる電流密度が特定の範囲となるように前記電極間に特定のパルス電圧を印加する場合には、紫外光を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の酸化物電界発光素子及びその駆動方法に関する。
1. 対向する電極間に電界発光層を有する酸化物電界発光素子であって、
(1)前記電界発光層は、希土類元素をRとし、MはAl、Mn又はCrを示すものとし、一般式:RMO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物を含有し、
(2)前記酸化物は、遷移金属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を更に含有し、
(3)前記電極間に流れる電流密度の極大値が10μA/cm2以上となるように、前記電極間に、周波数0.1Hz〜10kHzのパルス電圧を電界強度104V/cm以上で印加することにより、200〜400nmの波長の光を発光する、
ことを特徴とする電界発光素子。
2. 前記電極間に流れる電流密度の極大値が10μA/cm2以上となるように、前記電極間に、周波数0.1Hz〜1kHzのパルス電圧を電界強度105V/cm以上で印加することにより、200〜400nmの波長の光と、400nmを超え2500nm以下の光とを同時に発光する、上記項1に記載の電界発光素子。
3. 前記希土類元素Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb又はLuである、上記項1に記載の電界発光素子。
4. 前記遷移金属は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群から選択される少なくとも1種である、上記項1に記載の電界発光素子。
5. 前記アルカリ土類金属は、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種である、上記項1に記載の電界発光素子。
6. 前記酸化物に対する前記遷移金属の含有量は、Mに対する遷移金属のモル%で表して、0.05〜2%である、上記項1に記載の電界発光素子。
7. 前記酸化物に対する前記アルカリ土類金属の含有量は、Mに対するアルカリ土類金属のモル%で表して、0.05〜2%である、上記項1に記載の電界発光素子。
8. 対向する電極の少なくとも一つは、金及びアルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、上記項1に記載の電界発光素子。
9. 対向する電極の少なくとも一つが透明である、上記項1に記載の電界発光素子。
10. 光反射層をさらに有する、上記項1に記載の電界発光素子。
11. 前記酸化物は、Ti及び/又はCaを含むYAlO3である、上記項1に記載の電界発光素子。
12. 前記酸化物は、Ti及び/又はCaを含むLaAlO3である、上記項1に記載の電界発光素子。
13. 前記電界発光素子は、電源と接続されており、前記電極と前記電源との間に、前記電界発光素子と直列に抵抗が更に接続されている、上記項1に記載の電界発光素子。
14. 対向する電極間に電界発光層を有する酸化物電界発光素子の駆動方法であって、(1)前記電界発光層は、希土類元素をRとし、MはAl、Mn又はCrを示すものとし、一般式:RMO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物を含有し、
(2)前記酸化物は、遷移金属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を更に含有し、
(3)前記電極間に流れる電流密度の極大値が10μA/cm2以上となるように、前記
電極間に、周波数0.1Hz〜10kHzのパルス電圧を電界強度104V/cm以上で印加することにより、200〜400nmの波長の光を発光させる、
ことを特徴とする駆動方法。
15. 前記電極間に流れる電流密度の極大値が10μA/cm2以上となるように、前記電極間に、周波数0.1Hz〜1kHzのパルス電圧を電界強度105V/cm以上で印加することにより、200〜400nmの波長の光と、400nmを超え2500nm以下の光とを同時に発光させる、上記項14に記載の駆動方法。
16. 前記酸化物は、Ti及び/又はCaを含むYAlO3である、上記項14に記載の駆動方法。
17. 前記酸化物は、Ti及び/又はCaを含むLaAlO3である、上記項14に記載の駆動方法。

以下、本発明の酸化物電界発光素子及びその駆動方法について説明する。
本発明の酸化物電界発光素子は、対向する電極間に電界発光層を有し、
(1)前記電界発光層は、希土類元素をRとし、MはAl、Mn又はCrを示すものとし、一般式:RMO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物を含有し、
(2)前記酸化物は、遷移金属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を更に含有し、
(3)前記電極間に流れる電流密度の極大値が10μA/cm2以上となるように、前記電極間に、周波数0.1Hz〜10kHzのパルス電圧を電界強度104V/cm以上で印加することにより、200〜400nmの波長の光(紫外光)を発光する。
当該電界発光層は、希土類元素をRとし、MはAl、Mn又はCrを示すものとし、一般式:RMO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物を含有する。なお、当該電界発光層は、実質的に上記酸化物から形成すればよい。
希土類元素Rとしては限定的ではないが、例えば、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等が挙げられる。この中でも、特にY、La、Nd及びSmが好ましい。
MはAl、Mn又はCrであればよいが、この中でもAlが好ましい。
前記酸化物は、遷移金属及びアルカリ土類金属の少なくとも1種を更に含有する。これらの含有態様としては、希土類元素Rの一部と置換(ドープ)する形態が好ましい。遷移金属及びアルカリ土類金属の少なくとも1種を含有することにより、酸化物中で発光中心(カラーセンター)となる酸素欠陥が好適に安定化される。
遷移金属としては限定的ではないが、例えば、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。これらの中でも、Ti、Mn、Fe及びCuが好ましく、Tiがより好ましい。
アルカリ土類金属としては限定的ではないが、例えば、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。これらの中でも、Ca、Srがより好ましく、Caが最も好ましい。
前記酸化物に対する遷移金属及び/又はアルカリ土類金属の含有量としては限定的ではないが、Mに対する遷移金属及びアルカリ土類金属の合計量をモル%で表して0.05〜2%程度が好ましく、0.1〜1.5%程度がより好ましい。
遷移金属及び/又はアルカリ土類金属の含有量が多すぎるときは、電界発光層における紫外〜可視域の光吸収が多くなるため、発生した紫外光が電界発光層に吸収されて発光が弱くなるおそれがある。含有量を上記範囲に設定する場合には、発光中心の安定化により紫外光が発生し易く、また電界発光層への吸収も少ないために好ましい。
前記酸化物としては、具体的に、遷移金属としてTiを含む、YAlO3(イットリウムアルミネート)、LaAlO3(ランタンアルミネート)等が好ましい。また、アルカリ土類金属としてCaを含む、YAlO3、LaAlO3も好ましい。これらの酸化物は、YAlO3又はLaAlO3の中で結晶格子を構成する3価のY又はLaの一部を4価のTi又は2価のCaで置換(ドープ)したものである。
前記酸化物は、単結晶、多結晶又はアモルファスのいずれでもよい。単結晶酸化物は、例えば、フローティングゾーン法により合成できる。多結晶及びアモルファス酸化物は、例えば、焼結法、スパッタ法、レーザーアブレーション法、金属塩熱分解法、金属錯体熱分解法、アルコキシドを原料とするゾル−ゲル法等により合成できる。
以下にフローティングゾーン法により単結晶酸化物を合成する方法を例示する。フローティングゾーン法は、酸化物の原料となる種々の粉末の焼結体を炉内に収容後、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の加熱手段で焼結体を加熱・溶融することにより実施する。
例えば、YAlO3単結晶であれば、Y23粉末及びAl23粉末の混合物の焼結体をキセノンランプ、ハロゲンランプ等の加熱手段を有する赤外集光炉内で加熱・溶融するフローティングゾーン法により、好適に合成できる。
フローティングゾーン法の原料として用いる前記焼結体は、YAlO3の組成の焼結体でもよく、Y23とAl23が混合した状態の焼結体であってもよい。フローティングゾーン法の原料である前記焼結体を製造する際の焼結条件は特に限定されないが、焼結温度は600〜1100℃程度が好ましい。前記焼結体を製造する際の焼結時間は温度に応じて調整できるが、0.5〜24時間程度が好ましく、1〜12時間程度がより好ましい。焼結雰囲気は限定的ではなく、酸化性雰囲気(大気等)でもよく、水素を含む還元性雰囲気でもよい。
なお、焼結体を製造する際に、Y23粉末及びAl23粉末の混合物に遷移金属を含む化合物及び/又はアルカリ土類金属を含む化合物を添加することにより、遷移金属及び/又はアルカリ土類金属をドープできる。例えば、Tiをドープする場合には、TiO2を添加すればよい。また、Caをドープする場合には、CaOを添加すればよい。
次いで、得られるYAlO3単結晶は、切断・研磨して薄板にすることにより電界発光層にできる。この単結晶酸化物からなる電界発光層は、電界発光効率が高く、発光強度が散乱により低下する損失が最も小さいという特性を有する。なお、ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物の結晶面と電界発光層の面とは、方向性の観点からは制限がない。
なお、フローティングゾーン法により得られるYAlO3単結晶を平均粒径1〜5μm程度に粉砕後、圧縮成形又は粉砕物を含むペーストを成膜・乾燥する方法でも電界発光層を作製できる。この方法では、切断・研磨では作製し難い形状の電界発光層でも容易に形成できる。ペーストに含まれる液状成分としては、例えば、トルエン、アルコール、水等を使用できる。
以下に焼結法により多結晶酸化物を合成する方法を例示する。この方法は、酸化物の原料となる種々の粉末を原料として、粉砕、圧縮、焼結を行うことにより実施する。
例えば、LaAlO3多結晶であれば、La23粉末及びAl23粉末の混合物をボールミルで粉砕してスラリー化し、乾燥、再粉砕後、圧縮して作製したペレットを炉内で焼結することにより、好適に合成できる。
なお、焼結体を製造する際に、Y23粉末及びAl23粉末の混合物に遷移金属を含む化合物及び/又はアルカリ土類金属を含む化合物を添加することにより、遷移金属及び/又はアルカリ土類金属をドープできる。例えば、Tiをドープする場合には、TiO2を添加すればよい。また、Caをドープする場合には、CaOを添加すればよい。
焼結条件は特に限定されないが、焼結温度は1400〜1800℃程度が好ましい。焼結時間は温度条件(昇温速度等)に応じて調整できるが、0.5〜24時間程度が好ましく、1〜12時間程度がより好ましい。焼結雰囲気は限定的ではなく、酸化性雰囲気(大気等)でもよく、水素を含む還元性雰囲気でもよい。
次いで、得られるLaAlO3多結晶は、例えば、平均粒径1〜5μm程度に粉砕後、圧縮成形又は粉砕物を含むペーストを成膜・乾燥する方法により電界発光層にできる。この焼結法は、比較的簡単な方法で不純物量の少ない電界発光層が得られるため好ましい。
電界発光層の厚みは特に限定されないが、0.005〜0.5mm程度が好ましく、0.01〜0.1mm程度がより好ましい。
電界発光層の電気伝導性は、10-6〜1S/cm程度が好ましく、10-5〜0.1S/cm程度がより好ましい。電界発光層の電気伝導性は、例えば、前記酸化物に含まれる遷移金属及び/又はアルカリ土類金属の濃度を制御することにより調整する。なお、これらの濃度は、紫外光の取り出し効率を低下させない限度で調整することが望ましい。
電界発光層は、対向する電極間に挟持されている。電極は特に限定されず、公知の電界発光素子に用いられる電極(陽極及び陰極)を使用できる。
陽極としては、仕事関数の大きい材料が好ましい。具体的には、金、白金等の金属;インジウム−スズ酸化物(ITO)等の透明金属酸化物などが挙げられる。この中でも、金が好ましい。
上記金は、酸化等の変化が実質的になく、陽極として電界発光層表面に均一な薄膜状に形成し易い。また、金薄膜電極は光を良く反射するため、電界発光層から発生する光を金薄膜電極に反射させて外部に取り出す場合に、反射効率が高い。金薄膜電極は、例えば、DCスパッタリング法により形成する。この方法は、比較的穏やかな条件で且つ短時間で電極形成できるため、電界発光層を厳しい酸化還元条件下に晒すことがないため、電極薄膜形成時に電界発光層に物性変化が生じて発光を阻害するおそれが殆どない。
他方、上記ITOは、透明性であるため、ITO電極を通して発光を取り出せるという利点がある。しかしながら、ITOは金と比較して薄膜成形が困難な場合があり、短絡や仕事関数の不均一化が生じるおそれがある。形成方法も、DCスパッタリングではなく、RFスパッタリングや真空蒸着等の方法が必要である。また、その際、ITOは酸化物であるため、酸化還元条件を適切に管理する必要がある。更に、金薄膜作製条件と比較して、厳しい条件に晒すことが多いため、条件によっては、ITO電極薄膜形成中に電界発光層の物性変化が生じて発光し難くなるおそれがある。
陰極としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。具体的には、カルシウム、ナトリウ
ム、マグネシウム、アルミニウム等の金属が好ましい。マグネシウムは、銀又はインジウムとの合金(例えば、共蒸着により得られる)又は混合物として用いることが、耐酸化性及び電界発光層との密着性の観点から好ましい。アルミニウムは、カルシウム、ナトリウム及びマグネシウムと比較して、大気中で酸化され難いため、経時的安定性を考慮すると最も実用的である。また、アルミニウムは光を良く反射する点、真空蒸着などの穏やかな条件において均一な薄膜を形成し易い点などからも好ましい。
上記陽極と陰極との組み合わせとしては、例えば、金とアルミニウムとの組み合わせが好ましいものとして挙げられる。
電極の厚みは限定的ではないが、通常は20〜1000nm程度が好ましく、50〜500nm程度がより好ましい。
電界発光素子の構造としては、下部電極/電界発光層/抵抗/上部電極の積層体が最も簡単な構造である。下部電極又は上部電極のいずれかを陽極又は陰極とする。また、発光を取り出す側(少なくとも一方)の電極は、透明が好ましい。透明には、発光を取り出せる限り、半透明が含まれる。その他、櫛形不透明電極を用いることにより発光を取り出してもよい。
電界発光素子は、必要に応じて、補助層(絶縁層など)、基板等を有してもよい。次に、電界発光素子の具体的な構造を挙げる。
1)下部電極/絶縁層/電界発光層/抵抗/透明上部電極からなる構造、
2)ガラス基板/透明下部電極/電界発光層/抵抗/透明上部電極からなる構造、
3)(プラスチック、セラミックス等の基板)/下部電極/電界発光層/抵抗/透明上部電極からなる構造。
上記1)では、絶縁破壊を防止するための絶縁層を有する。発光は、透明上部電極を通して取り出せる。
上記2)では、ガラス基板及び両電極が透明であり、電界発光層の両側から発光が取り出せる。
上記3)の構造では、不透明基板を有する。発光は、透明上部電極を通して取り出せる。
なお、電界発光素子の構造は、上記に限定されず、基板上に形成された下部電極の上に、電界発光層と上部電極とを複数組積層した構造なども挙げられる。
前記絶縁層は、過大電流による絶縁破壊を防止するものであり、電界発光層と上部電極との間、並びに、電界発光層と下部電極との間、の一方又は両方に設置できる。
絶縁層の材質は、絶縁効果が得られる限り特に限定されない。例えば、SiO2、SiON、Al23、Si34、SiAlON、Y23、BaTiO3、Sm23、Ta25、BaTa26、PbNb26、Sr(Zr,Ti)O3、SrTiO3、PbTiO3、HfO3等が挙げられる。これらを複合した絶縁性セラミックスも使用できる。
絶縁層の厚さは、絶縁性が得られる限り薄いことが望ましい。通常は50〜800nm程度が好ましく、100〜400nm程度がより好ましい。
電界発光素子は、光反射層をさらに有することが好ましい。光反射層は、通常は発光を取り出す側とは反対側に設ける。光反射層を設けることによって、発光に指向性が生じ、光の強度(輝度)が高まる。光反射層としては、例えば、アルミニウム、銀、金等の光輝性材料のほか、高屈折率を有する透明性材料が使用できる。光反射層の厚さは限定的ではないが、反射効率の観点から、100nm以上、特に200nm以上が好ましい。
上記電界発光素子は、(1)電極間に流れる電流密度の極大値が10μA/cm2以上となるように、電極間に、周波数0.1Hz〜10kHzのパルス電圧を電界強度104V/cm以上で印加することにより、200〜400nmの紫外光を発光する。また、上記電界発光素子は、(2)電極間に流れる電流密度の極大値が10μA/cm2以上となるように、電極間に、周波数0.1Hz〜1kHzのパルス電圧を電界強度105V/cm以上で印加することにより、200〜400nmの紫外光と、400nmを超え2500nm以下の光(可視〜近赤外光)とを同時に発光する。
上記(1)、(2)のいずれの場合でも、電極間に流れる電流密度の極大値は、10μA/cm2(0.01mA/cm2)以上に設定すればよいが、0.1mA/cm2以上が好ましく、1mA/cm2以上がより好ましい。なお、上記電流密度の極大値は、パルス電圧の印加時に電極間に瞬間的に流れる電流密度の極大値を言う。
上記(1)の場合には、周波数0.1Hz〜10kHzのパルス電圧を電界強度104V/cm以上で印加する。周波数は0.1Hz〜1kHzであれば好ましく、1Hz〜1kHzであればより好ましい。電界強度は104V/cm以上であればよいが、105V/cm以上であれば好ましく、106V/cm以上であればより好ましい。かかる条件でパルス電圧を印加することにより、波長200〜400nmの紫外光が得られる。
上記(2)の場合には、周波数0.1Hz〜1kHzのパルス電圧を電界強度105V/cm以上で印加する。周波数は0.1Hz〜100Hzであれば好ましく、1Hz〜100Hzであればより好ましい。電界強度は105V/cm以上であればよいが、5×105V/cm以上であれば好ましく、106V/cm以上であればより好ましい。かかる条件でパルス電圧を印加することにより、波長200〜400nmの紫外光と、400nmを超え2500nm以下の光(例えば、410〜2500nm)(可視〜近赤外光)とが同時に得られる。
パルス電圧を発生させる電源は限定されず、例えば、上記周波数でパルス電圧を印加し得るバイポーラー電源が使用できる。
パルス電圧の波形は限定的ではないが、パイポーラーの矩形波に電圧印加のない緩和時間を加えた波形(バイポーラー対称駆動波形)が好ましい。つまり、経時的に印加電圧をゼロ→正(一定値、一定時間)→ゼロ(緩和時間)→負(一定値、一定時間)→ゼロ(緩和時間)と周期的に変化させることが好ましい。正負電圧印加時間と緩和時間は、パルス電圧の周波数によって変わる。この波形を用いる場合には、パルス電圧がゼロから正負の極大値まで急峻に立ち上がる(又は落ち込む)ため、電極から電界発光層へのキャリア注入が起こり易い。また、緩和時間において電界発光層が放冷されて過度の温度上昇を抑制し易い。これにより、強い紫外発光と紫外・近赤外発光とが同時に得られ易いのであると考えられる。他方、緩和時間のない矩形波や急峻な電圧変化のないサイン波又は三角波を用いる場合には、バイポーラー対称駆動波形を用いる場合に比して、発光特性が弱くなる傾向がある。また、バイポーラー電源を用いてパルス電圧を印加する場合には、対向電極の両方が陽極としても陰極としても働いている可能性がある。
なお、電極と電源との間には、電界発光素子と直列に抵抗を接続することが好ましい。
電界発光層から紫外光を取り出すためには、電界発光層に電流が流れることが必要である。このとき、比較的低い電圧を印加する場合には、抵抗を直列に接続しなくても、電界発光層が破損する危険は少ない。他方、比較的高い電圧を印加する場合には、電界発光層に過大な電流が流れ、大きなジュール熱のために電界発光層が破損するおそれがある。よって、特に高電圧を印加する場合には、直列に抵抗を接続する必要がある。
また、抵抗を直列に接続することは、電界発光層の保護以外にも利点がある。即ち、抵抗を接続することによって、紫外光が発生し易くなると考えられる。つまり、抵抗を直列に接続することにより、電極間にパルス電圧を印加した際に電界発光層と抵抗とが一体にコンデンサーのように作用し、抵抗を接続しない場合に比べて多くの電荷を蓄積・放出し、大きな電界が電界発光層に印加され、それ故、紫外光を発生させ易くなると考えられる。
上記抵抗の好適な大きさは、電界発光層の材質、厚さ等によって異なるが、例えば、電界発光層がYAlO3、LaAlO3等であって、直径2〜3mm、厚さ0.1〜0.3mmの円盤状である場合には、抵抗値は次のように設定することが望ましい。即ち、上記(1)の場合には、1Ω〜1MΩ(好ましくは10Ω〜100kΩ、より好ましくは10Ω〜10kΩ)の抵抗を直列に接続することが望ましい。また、上記(2)の場合には、1Ω〜100kΩ(好ましくは1Ω〜10kΩ、より好ましくは1Ω〜1kΩ)の抵抗を直列に接続することが望ましい。なお、接続する抵抗が1Ωより小さい場合又は抵抗を接続しない場合であっても、微弱にはなるが発光は観測される。
上記駆動条件によって、電界発光層から紫外光(及び可視〜近赤外光)が発生する機構については明らかではないが、次のように考えられる。
つまり、発明者らが従来明らかにしてきたような、可視光のみを得る駆動条件では、パルス電圧印加時に、電界発光層に電流は流れていないと考えられる。即ち、可視光のみを得る場合には、高電圧によって加速されたキャリヤ(電子や正孔)が、電界発光層中の発光中心に衝突し、発光中心が励起され、その後基底状態に戻る際に発光が生じているものと考えられる。
これに対して、紫外光が発生する場合には、電極から電界発光層中へと、キャリヤ(電子や正孔)が注入され、電界発光層中で電子−正孔対が形成され、次いで電子と正孔が再結合する際に電界発光層中の発光中心を励起し、発光が生じることが考えられる。紫外光が生じる駆動条件をもとにして、印加電圧を高めていくと、発生する紫外光強度が強まり、それに加えて、可視〜近赤外光が同時に発生するようになる。この現象の原因として、例えば、発生した紫外光が、蛍光体である電界発光層を励起し、その結果、電界発光層が、可視〜近赤外波長域の蛍光を発生した可能性が考えられる。
また、パルス電圧印加で発生する紫外光、あるいは、紫外光および可視〜近赤外光は、一概には言えないが、比較的、パルス電圧が低周波数、高電圧で、接続する抵抗が低抵抗の場合に強く、高周波数、低電圧、高抵抗の場合に弱いという傾向がある。パルス電圧の周波数が低い場合には、パルス電圧が極大値で印加されている比較的長い時間が、電界発光層中へのキャリヤ注入とそれに続く発光までに要する時間に対して、相対的に適切であったのではないかと考えられる。また、パルス電圧の周波数が低い場合には、電圧が印加されない時間も長くなることから、電圧印加時にジュール熱によって上昇した電界発光層の温度を、次の周期のパルス電圧印加直前までに十分に下げるためにも有利と考えられ、そのような比較的長時間の放冷過程が、強い電界発光を生じさせるために作用した可能性が考えられる。
本発明の電界発光素子は、電界発光素子に作用させる印加周波数を変えることにより、紫外光(波長200〜400nm)及び可視〜近赤外光(波長400〜2500nm)の同時発光が得られる。即ち、駆動条件を選ぶことにより、同一の酸化物からなる電界発光素子において、赤色、緑色に加えて紫外光、さらに、紫外光と可視〜近赤外光を発生することができる。
当該紫外光は、各種蛍光体の励起光源としても用いることができる。例えば、本発明の電界発光素子を多数配列し、適当な蛍光体と組み合わせたディスプレイパネルを作製し、個々の電界発光素子に対して駆動条件の制御を行うことにより、多様な波長域の光をディスプレイパネルから取り出すことができる。
以下に実施例を示して本発明を説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
フローティングゾーン法により、1%(Alに対するTiのモル%)チタンドープしたYAlO3単結晶(黄褐色半透明)を得た。
前記単結晶を切断・研磨し、直径約2.9mm、厚さ0.137mmの円形薄板を得た。
前記円形薄板の片面全部に、真空蒸着法により、厚さ150nmのアルミニウム電極層(陰極)を形成した。陰極形成面とは逆面の半分に、DCスパッタリング法により、厚さ75nmの半円状金電極層(陽極)を形成した。これにより、電界発光素子を作製した。
電界発光素子の陰極及び陽極に白金線を接続し、末端をバイポーラー電源に接続した。バイポーラー電源と陰極(陽極でもよい)との間には、100Ωの抵抗を直列接続した。
バイポーラー電源から、電界強度±4.4×106V/m、1kHzの周波数のパルス電圧を電界発光素子に印加したところ、波長290〜430nmの範囲に数本の強い発光が現れ、ピーク波長は336nmであった。また、波長220〜250nm及び760〜780nmに数本の弱い発光が見られた。パルス電圧印加時に、前記電極間に流れた電流密度の極大値は1mA/cm2以上であった。
ここで、パルス電圧の波形としては、バイポーラーの矩形波に電圧印加のない緩和時間を加えた波形(バイポーラー対称駆動波形)を用いた。つまり、経時的に印加電圧をゼロ→正(一定値、一定時間)→ゼロ(緩和時間)→負(一定値、一定時間)→ゼロ(緩和時間)と周期的に変化させた。正負電圧印加時間と緩和時間は、パルス電圧の周波数によって変わる。また、パルス電圧の波形として、緩和時間のない矩形波、サイン波又は三角波を用いた場合には、弱い紫外発光が見られた。
発光波長(nm)と発光強度(任意単位)との関係を図1に示す。
実施例2
実施例1と同様に、1%(Alに対するTiのモル%)チタンドープしたYAlO3単結晶の、直径約2.9mm、厚さ0.137mmの円形薄板を作製し、厚さ150nmのアルミニウム電極層(陰極)および厚さ75nmの半円状金電極層(陽極)を形成し、電界発光素子を作製した。
電界発光素子の陰極及び陽極に白金線を接続し、末端をバイポーラー電源に接続した。バイポーラー電源と陰極又は陽極との間には、1kΩの抵抗を直列接続した。
バイポーラー電源から、電界強度±3.7×106V/m、50Hzの周波数のパルス電圧を電界発光素子に印加したところ、波長290〜430nmの範囲に数本の強い発光が現れ、ピーク波長は338nmであった。また、波長515〜555nm、760〜780nmに数本のやや強い発光、波長220〜250nmに弱い発光が見られた。更に、波長430〜800nmに、弱いが幅広い発光が見られた。パルス電圧印加時に、前記電極間に流れた電流密度の極大値は1mA/cm2以上であった。
ここで、パルス電圧の波形としては、実施例1と同様にバイポーラー対称駆動波形を用いた。また、パルス電圧の波形として、緩和時間のない矩形波、サイン波又は三角波を用いた場合には、弱い紫外発光が見られた。
発光波長(nm)と発光強度(任意単位)との関係を図2に示す。
実施例3
実施例1と同様に、1%(Alに対するTiのモル%)チタンドープしたYAlO3単結晶の、直径約2.9mm、厚さ0.137mmの円形薄板を作製し、厚さ150nmのアルミニウム電極層(陰極)および厚さ75nmの半円状金電極層(陽極)を形成し、電界発光素子を作製した。
電界発光素子の陰極及び陽極に白金線を接続し、末端をバイポーラー電源に接続した。バイポーラー電源と陰極又は陽極との間には、1kΩの抵抗を直列接続した。
バイポーラー電源から、電界強度±1.1×106V/m、1Hzの周波数のパルス電圧を電界発光素子に印加したところ、波長260〜400nmの範囲に数本の強い発光が現れ、ピーク波長は328nmであった。また、波長515〜555nm、580〜600nm、760〜780nmに数本の発光(やや弱〜やや強)が見られた。更に、波長400〜800nmに幅広い強い発光が見られ、この幅広い発光の強度は700〜800nm付近で最大であった。パルス電圧印加時に、前記電極間に流れた電流密度の極大値は1mA/cm2以上であった。
ここで、パルス電圧の波形としては、実施例1と同様にバイポーラー対称駆動波形を用いた。また、パルス電圧の波形として、緩和時間のない矩形波、サイン波又は三角波を用いた場合には、弱い紫外発光が見られた。
発光波長(nm)と発光強度(任意単位)との関係を図3に示す。
実施例4
フローティングゾーン法により、また、0.1%(Alに対するTiのモル%)チタンドープしたYAlO3単結晶(淡褐色半透明)を得た。
前記単結晶を切断・研磨し、直径約2.1mm、厚さ0.137mmの円形薄板を得た。
前記円形薄板の片面全部に、真空蒸着法により、厚さ150nmのアルミニウム電極層(陰極)を形成した。陰極形成面とは逆面の半分に、DCスパッタリング法により、厚さ75nmの半円状金電極層(陽極)を形成した。これにより、電界発光素子を作製した。
電界発光素子の陰極及び陽極に白金線を接続し、末端をバイポーラー電源に接続した。バイポーラー電源と陰極(陽極でもよい)との間には、1MΩの抵抗を直列接続した。
バイポーラー電源から、電界強度±6.6×106V/m、10Hzの周波数のパルス
電圧を電界発光素子に印加したところ、波長290〜410nmの範囲に数本の強い発光が現れ、ピーク波長は337nmであった。更に、波長550〜800nmに、弱いが幅広い発光が見られた。パルス電圧印加時に、前記電極間に流れた電流密度の極大値は1mA/cm2以上であった。
ここで、パルス電圧の波形としては、実施例1と同様にバイポーラー対称駆動波形を用いた。また、パルス電圧の波形として、緩和時間のない矩形波、サイン波又は三角波を用いた場合には、弱い紫外発光が見られた。
発光波長(nm)と発光強度(任意単位)との関係を図4に示す。
実施例5
フローティングゾーン法により、0.1%(Alに対するCaのモル%)カルシウムドープしたYAlO3単結晶(白色半透明)を得た。
前記単結晶を切断・研磨し、直径約2.0mm、厚さ0.245mmの円形薄板を得た。
前記円形薄板の片面全部に、真空蒸着法により、厚さ150nmのアルミニウム電極層(陰極)を形成した。陰極形成面とは逆面の半分に、DCスパッタリング法により、厚さ75nmの半円状金電極層(陽極)を形成した。これにより、電界発光素子を作製した。
電界発光素子の陰極及び陽極に白金線を接続し、末端をバイポーラー電源に接続した。バイポーラー電源と陰極(陽極でもよい)との間には、1MΩの抵抗を直列接続した。
バイポーラー電源から、電界強度±3.3×106V/m、10Hzの周波数のパルス電圧を電界発光素子に印加したところ、波長230〜430nmの範囲に数本の強い発光が現れ、ピーク波長は395nm(紫外域の最大ピーク)、338nm(紫外域の2番目に大きなピーク)、および、329nm(紫外域の3番目に大きなピーク)であった。また、波長515〜555nm及び610〜800nmに数本の発光(やや弱〜やや強)が見られた。更に、波長430〜800nmに弱いが幅広い発光が見られた。パルス電圧印加時に、前記電極間に流れた電流密度の極大値は1mA/cm2以上であった。
ここで、パルス電圧の波形としては、実施例1と同様にバイポーラー対称駆動波形を用いた。また、パルス電圧の波形として、緩和時間のない矩形波、サイン波又は三角波を用いた場合には、弱い紫外発光が見られた。
発光波長(nm)と発光強度(任意単位)との関係を図5に示す。
また、0.5%(Alに対するCaのモル%)カルシウムドープしたLaAlO3単結晶(淡黄色半透明)を用いて上記同様にパルス電圧を印加したところ、紫外波長域の発光が得られた。
他方、電流密度の極大値が、請求項1の範囲から外れた場合、例えば、0.1μA/cm2以下であった場合には、電極間に印加するパルス電圧が、請求項1の範囲、即ち、周波数0.1Hz〜10kHz及び電界強度104V/cm以上である場合でも、紫外光の発生は観測できなかった。
実施例1の電界発光素子の発光波長と発光強度との関係を示す図である。 実施例2の電界発光素子の発光波長と発光強度との関係を示す図である。 実施例3の電界発光素子の発光波長と発光強度との関係を示す図である。 実施例4の電界発光素子の発光波長と発光強度との関係を示す図である。 実施例5の電界発光素子の発光波長と発光強度との関係を示す図である。

Claims (4)

  1. 対向する電極間に電界発光層を有する酸化物電界発光素子の駆動方法であって、
    (1)前記電界発光層は、希土類元素をRとし、MはAl、Mn又はCrを示すものとし、一般式:RMOで表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物を含有し、
    (2)前記酸化物は、遷移金属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を更に含有し、
    (3)前記電極間に流れる電流密度の極大値が10μA/cm以上となるように、前記電極間に、周波数Hz〜kHzのパルス電圧を電界強度1.1×10 V/cm〜6.6×10 V/cmで印加することにより、200〜400nmの波長の光を発光させる、
    ことを特徴とする駆動方法。
  2. 前記電極間に流れる電流密度の極大値が10μA/cm以上となるように、前記電極間に、周波数Hz〜1kHzのパルス電圧を電界強度1.1×10 V/cm〜6.6×10 V/cmで印加することにより、200〜400nmの波長の光と、400nmを超え800nm以下の光とを同時に発光させる、請求項に記載の駆動方法。
  3. 前記酸化物は、Ti及び/又はCaを含むYAlOである、請求項に記載の駆動方法。
  4. 前記酸化物は、Ti及び/又はCaを含むLaAlOである、請求項に記載の駆動方法。
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