JP4751972B2 - 電界発光素子の駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電界発光素子の駆動方法に関する。
現行の電界発光材料は、無機系材料と有機系材料とに大別することができる。無機系の電界発光材料は、有機系の電界発光材料に比べて長期安定性に優れており、また高温等の苛酷な条件下でも発光するという利点がある。
無機系の電界発光材料としては、例えば、MnをドープしたZnSが知られている(非特許文献1及び2参照)。この電界発光材料は発光素子材料として実用化されているが、黄色〜橙色の光しか発光できない。
本発明者は、従前の電界発光材料の発光色が黄色〜橙色に限定されていることに鑑み、鋭意研究の結果、ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる、緑色の光を発光する電界発光材料を完成させている。具体的には、希土類元素をRとし、MはAl、Mn又はCrを示すものとし、一般式:RMO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物である。
上記した緑色の光を発光する技術に加えて、黄色よりも長波長の赤色の光を得る技術が確立できれば、青色の光を発光する他の電界発光材料を組み合わせることにより光の三原色(RGB:赤、緑、青)を表すことが可能となり、これらの三原色の組み合わせにより、多様な可視波長域の光が得られる。そして、かかる技術は、ディスプレイ、照明、各種光源等の用途に応用できる点で有用である。さらに、赤色の発光が、緑色の発光が可能な前記電界発光材料から得られるのであれば、発光色ごとに異なる電界発光材料を用意する必要を減らせる点で有用性が高い。
Y.A. Ono, Electroluminescent Displays, World Scientific, 1995, Singapore トリガー18巻3号21〜23頁(1999年)
本発明は、希土類元素をRとし、MはAl、Mn又はCrを示すものとし、一般式:RMO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物を電界発光材料として含む電界発光素子であって、赤色(600〜800nmの波長)の光を発光する素子を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、希土類元素をRとし、MはAl、Mn又はCrを示すものとし、一般式:RMO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物を電界発光材料として含む電界発光素子に対して、特定周波数のパルス電圧を印加することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の電界発光素子の駆動方法に関する。
1.対向する電極間に電界発光層を有する電界発光素子の駆動方法であって、
(1)前記電界発光層は、Ti及びCaの少なくとも1種を含むYAlO 又はTi及びCaの少なくとも1種を含むLaAlO からなり、Ti及びCaの少なくとも1種の含有量がAlに対するモル%で0.01〜2%であり、
(2)前記電極間に1kHz以上の周波数のパルス電圧を印加することにより、600〜800nmの波長の光を発光させる、
ことを特徴とする駆動方法。
2.電界発光素子の対向する電極の少なくとも一つが透明である、上記項1に記載の駆動方法。
3.電界発光素子が光反射層を有する、上記項1に記載の駆動方法。
下、本発明の電界発光素子の駆動方法について、詳細に説明する。
1.電界発光素子
本発明の電界発光素子は、対向する電極間に電界発光層を有する電界発光素子であって、
(1)前記電界発光層は、希土類元素をRとし、MはAl、Mn又はCrを示すものとし、一般式:RMO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなり、
(2)電界発光層を挟持する前記電極間に1kHz以上の周波数のパルス電圧を印加することにより、600〜800nmの波長の光を発光する、ことを特徴とする。
本発明の電界発光素子は、対向する電極間に電界発光層を有する。
当該電界発光層は、希土類元素をRとし、MはAl、Mn又はCrを示すものとし、一般式:RMO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物からなる。
希土類元素Rとしては限定的ではないが、例えば、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等が挙げられる。この中でも、特にY、La、Nd及びSmが好ましい。
MはAl、Mn又はCrであればよいが、この中でもAlが好ましい。
前記酸化物は、アルカリ土類金属、アルカリ金属及び遷移金属からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含んでもよい。以下、これらの金属を「添加金属」とも言う。添加金属の含有形態としては、希土類元素Rの一部と置換(ドープ)する形態が好ましい。添加金属を含有することにより、酸化物中で発光中心(カラーセンター)となる酸素欠陥が好適に安定化される。
アルカリ土類金属としては限定的ではないが、例えば、Mg、Ca、Sr、Ba等が挙げられる。この中でも、特にCa及びSrが好ましい。
アルカリ金属としては限定的ではないが、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs等が挙げられる。この中でも、特にLi、Na及びKが好ましい。
遷移金属としては限定的ではないが、例えば、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等が挙げられる。この中でも、特にTi、Mn、Fe及びCuが好ましい。
上記した金属の中でも、Mg、Ca、Sr及びTiが好ましく、特にCa及びTiが好ましい。前記酸化物は、これらの金属を、単独又は2種以上含有(ドープ)できる。
前記酸化物に対する添加金属の含有量は限定的ではないが、次の通りである。
酸化物に対するアルカリ土類金属の含有量は、Mに対するアルカリ土類金属のモル%で表して、0.001〜10%程度が好ましく、0.005〜5%程度がより好ましく、0.01〜2%程度がさらに好ましい。
酸化物に対するアルカリ金属の含有量は、Mに対するアルカリ金属のモル%で表して、0.001〜10%程度が好ましく、0.005〜5%程度がより好ましく、0.01〜2%程度がさらに好ましい。
酸化物に対する遷移金属の含有量は、Mに対する遷移金属のモル%で表して、0.001〜10%程度が好ましく、0.005〜5%程度がより好ましく、0.01〜2%程度がさらに好ましい。
前記酸化物としては、例えば、YAlO3(イットリウムアルミネート)及びLaAlO3(ランタンアルミネート)が好適である。これらの酸化物には、Ti又はCaが添加金属として好適である。即ち、本発明の駆動方法は、YAlO3又はLaAlO3のうち、結晶格子を構成する3価のY又はLaの一部を2価のTi又はCaで置換(ドープ)した材料からなる電界発光層を有する電界発光素子に対して好適に適用できる。
前記酸化物は、単結晶、多結晶又はアモルファスのいずれでもよい。単結晶酸化物は、例えば、フローティングゾーン法により合成できる。多結晶及びアモルファス酸化物は、例えば、焼結法、スパッタ法、レーザーアブレーション法、金属塩熱分解法、金属錯体熱分解法、アルコキシドを原料とするゾル−ゲル法等により合成できる。
以下にフローティングゾーン法により単結晶酸化物を合成する方法を例示する。フローティングゾーン法は、酸化物の原料となる種々の粉末の焼結体を炉内に収容後、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の加熱手段で焼結体を加熱・溶融することにより実施できる。
例えば、YAlO3単結晶であれば、Y23粉末及びAl23粉末の混合物の焼結体をキセノンランプ、ハロゲンランプ等の加熱手段を有する赤外集光炉内で加熱・溶融するフローティングゾーン法により、好適に合成できる。
フローティングゾーン法の原料として用いる前記焼結体は、YAlO3の組成の焼結体でもよく、Y23とAl23が混合した状態の焼結体であってもよい。フローティングゾーン法の原料である前記焼結体を製造する際の焼結条件は特に限定されないが、焼結温度は600〜1100℃程度が好ましい。前記焼結体を製造する際の焼結時間は温度に応じて調整できるが、0.5〜24時間程度が好ましく、1〜12時間程度がより好ましい。焼結雰囲気は限定的ではなく、酸化性雰囲気(大気等)でもよく、水素を含む還元性雰囲気でもよい。添加金属(Ti、Ca等)を加える場合には、焼結体を製造する際に、Y23粉末及びAl23粉末の混合物にCa、Mn等を含む化合物を添加すればよい。
次いで、得られるYAlO3単結晶は、切断・研磨して薄板にすることにより電界発光層にできる。この単結晶酸化物からなる電界発光層は、電界発光効率が高く、発光強度が散乱により低下する損失が最も小さいという特性を有する。なお、ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物の結晶面と電界発光層の面とは、方向性の観点からは制限がない。
なお、フローティングゾーン法により得られるYAlO3単結晶を平均粒径1〜5μm程度に粉砕後、圧縮成形又は粉砕物を含むペーストを成膜・乾燥する方法でも電界発光層を作製できる。この方法では、切断・研磨では作製し難い形状の電界発光層でも容易に形成できる。ペーストに含まれる液状成分としては、例えば、トルエン、アルコール、水等を使用できる。
以下に焼結法により多結晶酸化物を合成する方法を例示する。この方法は、酸化物の原料となる種々の粉末を原料として、粉砕、圧縮、焼結を行うことにより実施できる。
例えば、LaAlO3多結晶であれば、La23粉末及びAl23粉末の混合物をボールミルで粉砕してスラリー化し、乾燥、再粉砕後、圧縮して作製したペレットを炉内で焼結することにより、好適に合成できる。添加金属(Ti、Ca等)を加える場合には、予め上記混合物にTi、Ca等を含む化合物を添加すればよい。焼結条件は特に限定されないが、焼結温度は1400〜1800℃程度が好ましい。焼結時間は温度条件(昇温速度等)に応じて調整できるが、0.5〜24時間程度が好ましく、1〜12時間程度がより好ましい。焼結雰囲気は限定的ではなく、酸化性雰囲気(大気等)でもよく、水素を含む還元性雰囲気でもよい。
次いで、得られるLaAlO3多結晶は、例えば、平均粒径1〜5μm程度に粉砕後、圧縮成形又は粉砕物を含むペーストを成膜・乾燥する方法により電界発光層にできる。この焼結法は、比較的簡単な方法で不純物量の少ない電界発光層が得られるため好ましい。
電界発光層の厚みは特に限定されないが、0.005〜0.5mm程度が好ましく、0.01〜0.1mm程度がより好ましい。
電界発光層の電気伝導性も特に限定されないが、10-6〜102S/cm程度が好ましく、10-5〜10S/cm程度がより好ましい。電界発光層の電気伝導性は、例えば、前記酸化物に含まれる添加金属の濃度を制御することにより調整できる。
電界発光層は、対向する電極間に挟持されている。電極は特に限定されず、公知の電界発光素子に用いられる電極(陽極及び陰極)を使用できる。
陽極としては、仕事関数の大きい材料が好ましい。具体的には、金、白金等の金属;インジウム−スズ酸化物(ITO)等の透明金属酸化物などが挙げられる。
陰極としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。具体的には、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム等の金属が好ましい。マグネシウムは、銀又はインジウムとの合金(例えば、共蒸着により得られる)又は混合物として用いることが、耐酸化性及び電界発光層との密着性の観点から好ましい。アルミニウムは、カルシウム、ナトリウム及びマグネシウムと比較して、大気中で酸化され難いため、経時的安定性を考慮すると最も実用的である。
電極の厚みは限定的ではないが、通常は20〜1000nm程度が好ましく、50〜500nm程度がより好ましい。
電界発光素子の構造としては、下部電極/電界発光層/上部電極の積層体が最も簡単な構造である。下部電極又は上部電極のいずれかを陽極又は陰極とする。また、発光を取り出す側(少なくとも一方)の電極は、透明が好ましい。透明には、発光を取り出せる限り、半透明が含まれる。その他、櫛形不透明電極を用いることにより発光を取り出してもよい。
電界発光素子は、必要に応じて、補助層(絶縁層など)、基板等を有してもよい。次に、電界発光素子の具体的な構造を挙げる。
1)下部電極/絶縁層/電界発光層/透明上部電極からなる構造、
2)ガラス基板/透明下部電極/電界発光層/透明上部電極からなる構造、
3)(プラスチック、セラミックス等の基板)/下部電極/電界発光層/透明上部電極からなる構造。
上記1)では、絶縁破壊を防止するための絶縁層を有する。発光は、透明上部電極を通して取り出せる。
上記2)では、ガラス基板及び両電極が透明であり、電界発光層の両側から発光が取り出せる。
上記3)の構造では、不透明基板を有する。発光は、透明上部電極を通して取り出せる。
なお、電界発光素子の構造は、上記に限定されず、基板上に形成された下部電極の上に、電界発光層と上部電極とを複数組積層した構造なども挙げられる。
前記絶縁層は、過大電流による絶縁破壊を防止するものであり、電界発光層と上部電極との間、並びに、電界発光層と下部電極との間、の一方又は両方に設置できる。
絶縁層の材質は、絶縁効果が得られる限り特に限定されない。例えば、SiO2、SiON、Al23、Si34、SiAlON、Y23、BaTiO3、Sm23、Ta25、BaTa26、PbNb26、Sr(Zr,Ti)O3、SrTiO3、PbTiO3、HfO3等が挙げられる。これらを複合した絶縁性セラミックスも使用できる。
絶縁層の厚さは、絶縁性が得られる限り薄いことが望ましい。通常は50〜800nm程度が好ましく、100〜400nm程度がより好ましい。
電界発光素子は、光反射層をさらに有することが好ましい。光反射層は、通常は発光を取り出す側とは反対側に設ける。光反射層を設けることによって、発光に指向性が生じ、光の強度(輝度)が高まる。光反射層としては、例えば、アルミニウム、銀、金等の光輝性材料のほか、高屈折率を有する透明性材料が使用できる。光反射層の厚さは限定的ではないが、反射効率の観点から、100nm以上、特に200nm以上が好ましい。
2.電界発光素子の駆動方法
本発明の電界発光素子の駆動方法は、前記電界発光素子の電極間(電界発光層を挟持する電極間)に1kHz以上の周波数のパルス電圧を印加することにより、600〜800nm程度の波長の光(赤色光)を発光させる。発光は、電界発光層から得られる。
パルス電圧を発生させる電源は特に限定されず、例えば、公知のバイポーラー電源が使用できる。周波数(駆動周波数)は、1kHz以上であればよいが、10kHz〜5MHzが好ましく、100kHz〜5MHzがより好ましい。
前記電界発光素子は、電極間に10Hz程度のパルス電圧を印加することにより、緑色(400〜550nm程度)に発光することが本発明者において知られている。同一のペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物を含む電界発光素子において、電極間に印加するパルス電圧の周波数を変えることにより、大きく異なる波長の電界発光が生じる理由については不詳であるが、次のように考えられる。
即ち、印加するパルス電圧の周波数が大きく異なる場合には、電界発光層が同一であるにも関わらず、層中のキャリア分布状態に差が生じ、種類の異なる電界発光層であるかのように振る舞うことが理由の一つと考えられる。
低い周波数(10Hz程度)のパルス電圧を印加する場合には、電場の正負が交替する時間間隔が長いため、正の電場により生じるキャリア分布は、次に負の電場が印加される前に、電場を印加しない場合の平衡的なキャリア分布に戻ると推測される。
一方、高い周波数(1kHz以上)のパルス電圧を印加する場合には、電場の正負が交替する時間間隔が短いため、正の電場により生じるキャリア分布は、電界発光層の全体で均等に生じているとは考え難い。また、前記時間間隔が短いため、負の電場が印加される前に、電場を印加しない場合の平衡的なキャリア分布に戻るとも考え難い。さらに、前記時間間隔が短いため、電場が有効に印加される範囲は、電界発光層の表面(電極との界面近傍)に限定される可能性が考えられる。
以上より、パルス電圧の周波数が大きく異なる場合には、電界発光層が同一であっても、層中のキャリアの分布状態及び有効に電場が印加される範囲が異なるため、異なる種類のカラーセンターとなる欠陥準位が励起され、これにより大きく異なる波長の電界発光が生じるものと推測される。また、電界発光層のキャリア分布が異なるため、周波数が大きく異なる場合には、電界発光を生じさせるための電界強度にも差が生じているものと考えられる。
上記の通り、本発明で用いる電界発光素子は、印加する周波数を変えることにより、緑色(10Hz程度)の発光及び赤色(1kHz以上)の発光ができる。即ち、周波数を調整することにより、同一の酸化物からなる電界発光素子において、光の三原色(赤、緑、青)のうちの2つを表すことができる。
そのため、例えば、本発明の電界発光素子と青色の発光を行う電界発光素子とを多数配列したディスプレイパネルを作製し、個々の電界発光素子に対して印加電圧の周波数制御を行うことにより、多様な可視光域の光をディスプレイパネルから取り出すことができる。
本発明の電界発光素子は、前記ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物を含み、電極間に1kHz以上の周波数のパルス電圧を印加することにより、600〜800nmの波長の光(赤色光)を発光する。
実施例1で作製した電界発光素子に、バイポーラーACパルス電圧(周波数100kHz、±9V)を印加した際の電界発光特性を示す図である。 実施例2で作製した電界発光素子に、バイポーラーACパルス電圧(周波数5MHz、±9V)を印加した際の電界発光特性を示す図である。 実施例3で作製した電界発光素子に、バイポーラーACパルス電圧(周波数1kHz、±450V)を印加した際の電界発光特性を示す図である。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
フローティングゾーン法により、0.1%(Alに対するTiのモル%)チタンドープしたYAlO3単結晶(薄い褐色を帯びた半透明)を作製した。
前記単結晶を切断・研磨して、直径約2.1mm、厚さ0.137mmの円形薄板を作製した。
前記円形薄板の片面全部に、真空蒸着法により、厚さ150nmのアルミニウム電極層(陰極)を形成した。陰極形成面とは逆面の半分に、DCスパッタリング法により、厚さ75nmの半円状金電極層(陽極)を形成した。これにより、電界発光素子を作製した。
電界発光素子の陰極及び陽極に白金線を接続し、末端をバイポーラー電源に接続した。
バイポーラー電源から、100kHzの周波数のACパルス電圧を電界発光素子に印加したところ、±9Vで赤色の発光が得られた。ピーク波長は676nmであった。
発光波長(nm)と発光強度(任意単位)との関係を図1に示す。
なお、実施例1において、添加金属の種類をTiからCaに変えた場合にも、赤色の発光が得られる。
なお、実施例1において、酸化物の種類をLaAlO3(単結晶)に変えた場合(添加金属はTi)にも、赤色の発光が得られる。また、この場合において、添加金属をCaに変えた場合にも、赤色の発光が得られる。
実施例2
フローティングゾーン法により、0.1%(Alに対するTiのモル%)チタンドープしたYAlO3単結晶(薄い褐色を帯びた半透明)を作製した。
前記単結晶を切断・研磨して、直径約2.1mm、厚さ0.137mmの円形薄板を作製した。
前記円形薄板の片面全部に、真空蒸着法により、厚さ150nmのアルミニウム電極層(陰極)を形成した。陰極形成面とは逆面の半分に、DCスパッタリング法により、厚さ75nmの半円状金電極層(陽極)を形成した。これにより、電界発光素子を作製した。
電界発光素子の陰極及び陽極に白金線を接続し、末端をバイポーラー電源に接続した。
バイポーラー電源から、5MHzの周波数のACパルス電圧を電界発光素子に印加したところ、±9Vで赤色の発光が得られた。ピーク波長は629nmであった。
発光波長(nm)と発光強度(任意単位)との関係を図2に示す。
なお、実施例2において、添加金属の種類をTiからCaに変えた場合にも、赤色の発光が得られる。
なお、実施例2において、酸化物の種類をLaAlO3(単結晶)に変えた場合(添加金属はTi)にも、赤色の発光が得られる。また、この場合において、添加金属をCaに変えた場合にも、赤色の発光が得られる。
実施例3
フローティングゾーン法により、1%(Alに対するTiのモル%)チタンドープしたYAlO3単結晶(黄褐色を帯びた半透明)を作製した。
前記単結晶を切断・研磨して、直径約2.1mm、厚さ0.137mmの円形薄板を作製した。
前記円形薄板の片面全部に、真空蒸着法により、厚さ150nmのアルミニウム電極層(陰極)を形成した。陰極形成面とは逆面の半分に、DCスパッタリング法により、厚さ75nmの半円状金電極層(陽極)を形成した。これにより、電界発光素子を作製した。
電界発光素子の陰極及び陽極に白金線を接続し、末端をバイポーラー電源に接続した。
バイポーラー電源から、1kHzの周波数のACパルス電圧を電界発光素子に印加したところ、±450Vで赤色の発光が得られた。ピーク波長は625nmであった。
発光波長(nm)と発光強度(任意単位)との関係を図3に示す。
なお、実施例3において、添加金属の種類をTiからCaに変えた場合にも、赤色の発光が得られる。
なお、実施例3において、酸化物の種類をLaAlO3(単結晶)に変えた場合(添加金属はTi)にも、赤色の発光が得られる。また、この場合において、添加金属をCaに変えた場合にも、赤色の発光が得られる。

Claims (3)

  1. 対向する電極間に電界発光層を有する電界発光素子の駆動方法であって、
    (1)前記電界発光層は、Ti及びCaの少なくとも1種を含むYAlO 又はTi及びCaの少なくとも1種を含むLaAlO からなり、Ti及びCaの少なくとも1種の含有量がAlに対するモル%で0.01〜2%であり、
    (2)前記電極間に1kHz以上の周波数のパルス電圧を印加することにより、600〜800nmの波長の光を発光させる、
    ことを特徴とする駆動方法。
  2. 電界発光素子の対向する電極の少なくとも一つが透明である、請求項1に記載の駆動方法
  3. 電界発光素子が光反射層を有する、請求項1に記載の駆動方法
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