JP4528373B2 - 被覆工具およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工具の表面に耐摩耗性被膜を形成した、いわゆる被覆工具に関し、特に、フライス加工、旋削加工、穿孔加工等に用いられる被覆工具(被覆切削工具)と、金属の鍛造、打抜き、プレス加工等に用いられる被覆工具(被覆金型)に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年、加工の高能率化・高精度化の要求を満たすために、新しい工具材料が次々と開発されている。このような材料開発の流れの中で、各種工具素材へセラミックをコーティングして、いわゆる被覆工具を製造する技術は欠かせないものとなっている。また、最近の動向として、加工能率をより一層向上させるために、加工速度がより高速になりつつある。そのため、工具の表面のセラミック被膜の摩耗はますます激しくなる傾向にある。
【0003】
このような摩耗を抑えるために、たとえば、切削工具ではセラミックコーティング膜の成分として、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、炭窒化チタン(Ti(C,N))といったチタン系セラミックスが最もよく使われている。さらに、チタン系セラミックス材料の中にアルミニウムを添加することでセラミックコーティング膜の耐摩耗性と耐酸化性を向上させる方法も開発されている。そのため、セラミックコーティング膜として窒化チタンアルミニウム((Ti,Al)N)も普及しつつある。
【0004】
しかし、このような被膜を、被覆切削工具に形成すると切削される材料(以下、被削材と称する)が工具の切刃近傍においてセラミックコーティング膜に溶着し、切刃の欠けを誘発するという、いわゆる「溶着欠損」が生ずるという問題がある。このような溶着欠損が生じるのは、耐摩耗性被膜としてのセラミックコーティング膜と、溶着物との密着力が高く、刃先で溶着物が成長し、この成長した溶着物が切刃先端部で大規模な欠損等の現象を引起こすためと考えられる。
【0005】
また、穿孔加工において、セラミックコーティング膜が形成されたドリルでは、特に深い孔を形成する際に切屑の流出抵抗が増大し、ドリルが折れるという問題も生じていた。
【0006】
これらの問題を解決するために、二硫化モリブデンなどの層状化合物からなる潤滑性被膜を耐摩耗性被膜の上に積層した工具も提案され、かつ市販されている。これらの工具では、二硫化モリブデンなどの層状化合物は機械的強度が低いために摩耗しやすい。そのため、切削開始直後には二硫化モリブデンの潤滑作用により溶着欠損や流出抵抗の増大という問題が発生しにくい。しかしながら、切削を進めていくうちにつれて、二硫化モリブデンが減少するため、溶着欠損や切屑の流出抵抗の増大という問題が生じやすくなる。
【0007】
そのため、このような溶着欠損や切屑の流出抵抗の増大現象を抑えるためには、切削中に大量の切削油剤を用いることが一般的である。しかしながら、切削油剤を使用することは環境問題として取上げられている。また、ドリルを用いて深い孔を加工する際には切刃の先端部へ切削油剤を送り込むことは困難である。そこで、切削油剤を用いずに高速度の切削加工に耐えられる工具が必要とされている。
【0008】
一方、金型においても、金型の基材上へセラミックをコーティングする技術が欠かせないものとなっている。また、最近の動向として加工精度の向上や潤滑剤被覆工程の削減などを実現するため、温間または熱間鍛造が広まりつつある。したがって、金型材の摩耗がますます激しくなる傾向にある。
【0009】
このような摩耗を抑えるために、セラミックコーティング膜の成分として切削工具の場合と同様のものが現在広く用いられている。しかし、このようなセラミックコーティング膜は耐摩耗性向上のためには有効であるが潤滑性が少ない。したがってこの膜の上にさらにボンデライト処理膜を形成したり、さらに加工中に潤滑油、黒鉛またはホウ酸系潤滑剤を用いる技術が採用されている。
【0010】
ここで、ボンデライト処理とは、被加工材表面にリン酸亜鉛被膜を形成することである。これにより、冷間鍛造中における被加工材と金型材との、いわゆる齧り現象を抑えることができる。しかしながら、ボンデライト処理の前工程において金型材表面を酸で洗浄することが必要であるため、排液が多量に発生するという問題があった。また、冷間鍛造した後の被加工材は硬化するため、冷間鍛造のたびに被加工材を焼鈍する必要がある。この際に、被加工材表面のリン酸亜鉛被膜が被加工材から外れるため、焼鈍が終了した後にさらにボンデライト処理をしなければならないという問題があった。
【0011】
冷間鍛造におけるこれらの問題点を解決するために、温間または熱間鍛造が広く行なわれるようになっている。被加工材の温度を高く(たとえば鉄系材料の鍛造においては温度500℃以上)することで被加工材の変形抵抗を下げ、金型に対する機械的応力負荷を下げることができる。さらに、鍛造のたびに被加工材を焼鈍・ボンデライト処理する必要はないという利点がある。
【0012】
しかしながら、温間または熱間鍛造においては、ボンデライト処理に代わる信頼性の高い潤滑方法がないという問題がある。黒鉛系やホウ酸系の固体潤滑剤を用いる方法も採用されているが、この方法では十分な潤滑性が得られず、金型の表面が激しく摩耗するという問題が生じている。そのため、冷間、温間および熱間鍛造において、摩耗しにくい金型が求められている。
【0013】
そこで、この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものである。
【0014】
すなわち、この発明の1つの目的は、被覆膜の摩耗が少ない被覆工具を提供することである。
【0015】
また、この発明の別の目的は、溶着欠損や切屑の流出抵抗の増大という問題が発生せず、被覆膜の摩耗が少ない被覆切削工具を提供することである。
【0016】
この発明のさらなる別の目的は、冷間、温間および熱間鍛造において、被覆膜が減少しにくい被覆金型を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った被覆工具は基材と耐摩耗性被膜とを備える。耐摩耗性被膜は、基材の上に形成されて、少なくとも第一の膜を含む。耐摩耗性被膜全体における各成分の組成は(Tix,Aly,Vz)(Cu,Nv,Ow)(ここで、添字x、y、z、u、vおよびwは、それぞれ、Ti、Al、V、C、NおよびOの原子比率を示す)で表わされ、x、y、z、u、vおよびwの間にはx+y+z=1、u+v+w=1、0.2<x<1、0<y<0.8、0.02≦z<0.6、0≦u<0.7、0.3<v≦1および0≦w<0.5で示す関係が成立する。耐摩耗性被膜の厚さは0.5μm以上15μm以下である。
【0018】
このように構成されたこの発明の被覆工具においては、耐摩耗性被膜がチタン系セラミックスであるため硬度が高くなる。さらに、耐摩耗性被膜と、被削材の成分と、大気中の酸素とが反応することにより耐摩耗性被膜の表面に温度1000℃以下の融点を有する複合酸化物が生じる。具体的には、被加工物をクロムやニッケルを含む鉄合金とした場合、融点が温度690℃である五酸化二バナジウム(V25 )と、鉄、クロムまたはニッケルの酸化物とのバナジウム酸塩が複合酸化物となる。このバナジウム酸塩として、融点が温度860℃であるFe23 ・V25 、融点が温度850℃であるCr23 ・V25 または融点が温度900℃である3NiO・V25 がある。このような低融点酸化物の生成現象は、一般にバナジウムアタックとも呼ばれており、高温・高速の燃焼ガス雰囲気における鉄基構造材料の損耗を加速する有害な現象として知られている。しかしながら、このような現象を切削加工における潤滑性向上を目的として利用された例は全く知られていない。したがって、潤滑性被膜としての低融点酸化物の作用により、耐摩耗性被膜の摩耗が少なくなり、膜の摩耗量が減少する。しかも、仮に耐摩耗性被膜の表面に潤滑性被膜がなくなったとしても、耐摩耗性被膜と大気中の酸素と被加工物とが反応して耐摩耗性被膜の表面に新たな潤滑性被膜が生じる。この点で、この潤滑性被膜は損耗・再生を繰返すため「自己修復性」を有しているといえる。したがって従来の二硫化モリブデンコーティングのように潤滑膜がなくなった後には潤滑効果が得られないという問題がない。言い換えれば、この発明では、加工中に耐摩耗性被膜が存在する限りその表面には潤滑性被膜が生じる。その結果、耐摩耗性被膜の摩耗をさらに少なくすることができる。
【0019】
また、耐摩耗性被膜中の元素の原子比率を制限したのは以下の理由による。
チタンの原子比率xについて、0.2<xとしたのはxが0.2以下であれば耐摩耗性被膜の硬度が低下するからである。アルミニウムの原子比率yについて、y<0.8としたのはyが0.8以上となれば耐摩耗性被膜の結晶構造が面心立方構造(fcc)から六方細密充填構造(hcp)に変化し、膜の硬度が極端に低下するからである。バナジウムの原子比率zについて、0.02≦zとしたのは、zが0.02未満であればバナジウム添加の効果が得られず潤滑性を有する複合酸化物が十分に生じないからである。また、z<0.6としたのはzが0.6以上となると耐摩耗性被膜の硬度が低下するからである。炭素の原子比率uについて、u<0.7としたのはuが0.7以上になると耐摩耗性被膜中に遊離した炭素が混入し、耐摩耗性被膜が脆くなるからである。窒素の原子比率vについて0.3<vとしたのは、vが0.3以下であれば耐摩耗性被膜が脆くなるからである。酸素の原子比率wについて、w<0.5としたのは、wが0.5以上となると耐摩耗性被膜中に不安定なチタン酸化物が生成し、耐摩耗性被膜の強度が低下するためである。
【0020】
耐摩耗性被膜の膜厚は0.5μm以上である必要がある。膜厚が0.5μm未満であれば被膜自体の強度が低下し、被膜の耐摩耗性が発揮できないからである。また耐摩耗性被膜の厚さは15μm以下である必要がある。膜厚が15μmを超えると耐摩耗性被膜が剥離したり欠けやすくなるからである。
【0021】
耐摩耗性被膜は2種類の異なる膜で形成された複数の第1の膜を含む。第1の膜の各々の組成は((Tia,Alb,Vc)(Cd,Ne,Of)である。添字a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ、Ti、Al、V、C、NおよびOの原子比率を示す。a、b、c、d、eおよびfの間にはa+b+c=1、d+e+f=1、0.2<a<1、0<b<0.8、0<c<0.6、0≦d<0.7、0.3<e≦1および0≦f<0.5で示す関係が成立する。この場合、積層された複数の第1の膜の界面で膜の破壊の進行が阻止されるという効果が得られるため耐摩耗性被膜の摩耗を減少させることができる。また、構成元素の原子比率a、b、d、eおよびfを一定範囲に制限したのは原子比率x、y、u、vおよびwを制限したのと同様の理由による。また、cを0超としたのは、耐摩耗性被膜全体でのバナジウムの原子比率zが0.02以上であれば潤滑性被膜としての複合酸化物が必要量生じ、複合酸化物の生成量とcとの間には特に関連がないからである。
【0022】
また、第1の膜の各々の厚みは0.5nm以上500nm以下であることが好ましい。各々の第1の膜の厚さを0.5nm以上としたのは、第1の膜の厚さが0.5nm以上であれば第1の膜を構成する元素が固溶した状態とならず、正しい原子配置となり膜質が向上するからである。また、各々の第1の膜の厚さを500nm以下としたのは、厚さが500nm以下であれば、膜の多層化によって耐摩耗性被膜の破壊が第1の膜の界面で阻止されるという効果がさらに大きくなるからである。
【0023】
また、第1の膜の各々の厚みは0.5nm以上50nm以下であることが好ましい。第1の膜の厚さを50nm以下としたのは第1の膜の厚さが50nm以下であればそれぞれの単層膜の持つ硬度を上回る高い硬度が得られるからである。
【0024】
また、第1の膜の各々の組成および厚さは互いに異なる。この場合は第1の膜の厚さと組成がほぼ同一の場合に比べて第1の膜の界面で耐摩耗性被膜の破壊の進行が阻止されるという効果が大きくなり耐摩耗性被膜の摩耗が少なくなる。
【0025】
また、耐摩耗性被膜は、複数の積層された第1の膜と第2の膜とを含み、第2の膜は窒化バナジウム(VN)、炭化バナジウム(VC)、炭窒化バナジウム(V(C,N))、炭酸化バナジウム(V(C,O))、酸窒化バナジウム(V(N,O))または炭酸窒化バナジウム(V(C,N,O))の1種または2種以上を含むことが好ましい。この場合、バナジウムを含む合金層としての第1の膜と、独立したバナジウム層としての第2の膜とを積層することにより容易に積層構造を形成することができる。また、第1および第2の膜の各々の厚さは0.5nm以上500nm以下であることが好ましい。ここで、第2の膜の厚さを0.5nm以上500nm以下としたのは第1の膜の厚さを0.5nm以上500nm以下としたのと同様の理由によるものである。
【0026】
また、第1および第2の膜の各々の厚さは0.5nm以上50nm以下であることがさらに好ましい。ここで、第2の膜の厚さを50nm以下としたのは第1の膜の厚さを50nm以下としたのと同様の理由によるものである。
【0027】
また、第1の膜と第2の膜とは交互に積層されていることが好ましい。
耐摩耗性被膜は複数の積層された第1の膜と第3の膜とを含み、第3の膜は窒化アルミニウム(AlN)と、炭窒化アルミニウム(Al(C,N))との一方または両方を含み、さらに第3の膜の厚さは0.5nm以上50nm以下であることが好ましい。この場合、アルミニウムを含む合金層としての第1層と、独立したアルミニウム層としての第3層とを積層することにより、容易に積層構造を形成することができる。また、第3の膜の厚さを0.5nm以上としたのは、厚さが0.5nm未満であればそれぞれの成分が固溶した状態となる。そのため薄膜を積層したような構造とはならず、結果的に耐摩耗性被膜の膜質が低下するからである。また、第3の膜の厚さを50nm以下としたのは、厚さが50nmを超えると耐摩耗性被膜の硬度が上昇しないからである。
【0028】
また、第1の膜と第3の膜とは交互に積層されていることが好ましい。
また、耐摩耗性被膜はTiNからなる密着層を含み、その密着層は基材と接することが好ましい。この場合、基材と耐摩耗性被膜との密着性が向上するため、耐摩耗性被膜が基材から剥離しにくくなる。その結果、被覆工具の寿命が向上するという効果がある。
【0029】
また、基材として、セラミックス、超硬合金、サーメット、高速度鋼、ダイス鋼、プレハードン鋼または析出硬化型ステンレス鋼を用いることが好ましい。
【0030】
耐摩耗性被膜は面心立方構造を有し、耐摩耗性被膜の結晶構造をθ−2θ法によるX線回折法で調べれば耐摩耗性被膜に由来する回折線のうち、(111)面からの回折線が相対的に最高強度を示すこの場合、耐摩耗性被膜が面心立方構造を有することにより耐摩耗性が向上する。また、耐摩耗性被膜が(111)面に配向していることにより原子密度が最も高い結晶面が基材の表面と平行に配置され、さらに耐摩耗性が向上する。
【0031】
また、耐摩耗性被膜の結晶構造をθ−2θ法によるX線回折法で調べれば、回折パターンは、1種類の面心立方構造に由来する回折線のみから構成され、かつ面心立方構造を有する耐摩耗性被膜に由来する回折線のうち(111)面からの回折線が相対的に最高強度を示すことが好ましい。この場合、積層された第1〜第3の層はほぼ同一の構造を有しているといえる。この現象は2種類の異なる組成の物質を積層する際に層の厚さを50nmより薄くするとお互いの膜の結晶格子の面間隔が近づき合うという「歪み整合」という現象として把握される。この歪み整合が起こった場合には、たとえば常温常圧下で存在する六方晶の窒化アルミニウムは超高圧下にあるかのような作用を受け、面心立方晶の窒化アルミニウムに変化する。面心立方晶の窒化アルミニウムは六方晶の窒化アルミニウムに比べて硬度が著しく高い。そのため、耐摩耗性被膜内で歪み整合が生じた場合には、耐摩耗性被膜の硬度がさらに上昇する。
【0032】
また、被覆工具は被覆切削工具であることが好ましい。この場合、被覆切削工具の表面が大気中の酸素と被削材と反応して被覆切削工具の表面に低融点の酸化物被膜が形成されるため溶着欠損や切屑の流出抵抗の増大という問題が発生せず、被覆膜の摩耗が少ない切削工具を得ることができる。
【0033】
また、被覆工具は被覆金型であることが好ましい。この場合、被覆金型の表面が大気中の酸素と被加工物と反応して被覆金型の表面に低融点の酸化物被膜が生成する。この低融点の酸化物の潤滑作用により冷間、温間および熱間鍛造を行なった場合にも被覆膜が減少しにくい被覆金型を得ることができる。
【0034】
この発明に従った被覆工具の製造方法はTi、AlまたはVのうちの1種以上を含む膜原料を蒸着法またはスパッタリング法により基材上に供給し、窒素、炭素または酸素の1種以上を含むガスと膜原料とを反応させるPVD法により耐摩耗性被膜を形成するものである。このような製造方法においては、製造しようとする膜と同一成分の材料を用意し、この材料をターゲットとして蒸着法等により膜原料を供給することにより容易に耐摩耗性被膜を形成することができる。
【0035】
PVD法の例として、カソードアークイオンプレーティング法や反応性スパッタリング法がある。
【0036】
カソードアークイオンプレーティング法、反応性スパッタリング法のいずれの場合においてもコーティングを行なう反応容器の内側に蒸発源を取付ける。反応容器の中心部に位置する、垂直な回転軸を持った基材支持治具に基材をセットする。治具を回転させることにより、工具基材の表面に耐摩耗性被膜を形成する。蒸発源としては、被膜と同一組成を有するTi−Al−V合金を用いる。炭素源としては炭化水素ガスを、窒素源としては窒素ガスまたはアンモニアガスを、酸素源としては二酸化炭素ガスを用いることができる。異なる組成の膜を積層する場合には、それぞれの膜を同一組成を有する2種類のTi−Al−V合金を蒸発源として用いる。反応容器の内側の向かい合う2面に蒸発源を配置する。基材支持治具に基材をセットし、治具を回転させることにより、基材上に耐摩耗性被膜が形成される。4面に蒸発源を取付け可能な装置では、向かい合う面に同じ蒸発源を取り、治具を回転させることで耐摩耗性被膜が形成される。いずれの場合であっても膜形成速度と治具の回転数を調整することにより、所定の積層周期とすることが可能である。また、各層の厚みや積層周期が比較的大きい場合(たとえば厚さが50nm以上)には、個々の蒸発源を用いて所定の厚さの膜を形成した後蒸発を停止させ、基板を移動させた後、別の蒸発源を用いて膜を積層することも可能である。
【0037】
【実施例】
(実施例1)
図1はこの発明の実施例1で用いた被膜製造装置の上面図である。図2は、図1中のII−II線に沿って見た断面を示す図である。図1および図2を参照して、被膜製造装置は、反応槽1と、基材支持具3と、原料ガス供給ノズル4と、直流電源5、6a、6bと、ヒータ7と、金属蒸発源8、9とを備えている。
【0038】
反応槽1は真空ポンプと連結されており、反応槽1内の圧力を変化させることが可能である。反応槽1内に基材支持具3と原料供給用ノズル4と、ヒータ7と、金属蒸発源8、9が設けられている。基材支持具3は矢印Rで示す方向に回転可能である。基材支持具3は直流電源5と電気的に接続されている。直流電源5の正極がアースされ、負極が基材支持具3と接続されている。金属蒸発源8は直流電源6aと電気的に接続されている。直流電源6aの正極はアースされかつ反応槽1に接続されている。直流電源6aの負極は金属蒸発源8に接続されている。金属蒸発源9は直流電源6bの負極と電気的に接続されている。金属蒸発源8、9は、基材支持具3を介して互いに向かい合うように配置されている。
【0039】
このような装置を用いて、まず、有機溶剤等の洗浄液で洗浄した基材2を基材支持具3に固定した。金属蒸発源8には金属チタンをセットした。金属蒸発源9にはTi、Al、Vが所望の比率である合金をセットした。
【0040】
真空ポンプにより反応槽1の内圧を1×10-3Pa以下とした。原料ガス供給ノズル4からアルゴンガスを流しながらヒータ7により基材2を加熱した。基材が高速度鋼の場合は基材の温度を300〜450℃とした。基材が超硬合金、サーメットおよびセラミックスの場合は基材を温度を400〜600℃とした。基材2の温度が所定の温度になると反応槽1内の圧力が2.7Pa(20mTorr)となるようにアルゴンガスの流量を調節した。直流電源5により基材支持具3および基材2の電位を−1000Vとし、反応槽1の内部にアルゴンプラズマを発生させて基材2の表面をプラズマクリーニングした。この操作によって、基材2の表面の軽度の汚れが除去された。
【0041】
次に、反応槽1内の圧力が0.7Pa(5mTorr)になるようにアルゴンガスの流量を調節した。直流電源6aから金属蒸発源8へ−30V、100Aの電力を供給し、金属蒸発源8からチタンイオンを発生させた。これにより、チタンイオンが基材2の表面をスパッタクリーニングし基材2の表面の強固な汚れや酸化膜が完全に除去された。
【0042】
この状態のまま、まず反応槽1内の圧力が4.0Pa(30mTorr)になるように原料ガス供給ノズル4から窒素ガスを導入し金属蒸発源8の電位を−200Vとした。すると、基材2の表面においてTiN膜の形成が始まりTiN膜が所定の厚みに達するまでこの状態を維持した。
【0043】
TiN膜の形成が終了すると直流電源6bから金属蒸発源9へ−30V、100Aの電力を供給して金属蒸発源9からチタンイオン、アルミニウムイオン、バナジウムイオンを発生させた。すると、このチタンイオン、アルミニウムイオン、バナジウムイオンが反応槽1内の窒素と反応して基材2の表面に所望の原子比率を有するTi、Al、Vからなる合金の窒化膜が形成され、目標とする(Ti,Al,V)N膜が得られた。(Ti,Al,V)N膜の形成が終了したら金属蒸発源9への電力の供給を停止した。次に窒素ガスおよびアルゴンガスの導入を停止する。その後基材支持具3の電位を0Vとした。ヒータなどによる加熱を停止した。基材2の温度が100℃以下となったことを確認して基材2を反応槽1から取出した。これにより、耐摩耗性被膜を得た。
【0044】
また、上述の(Ti,Al,V)N膜形成とほぼ同様の手順とし、膜形成の際に窒素ガスに加えてメタンガスと二酸化炭素ガスを所定の流量添加して(Ti,Al,V)(C,N,O)膜を形成した。
【0045】
さらに、金属蒸発源9にセットする合金中のTi、Al、Vの原子比率を変てTi、Al、Vの比率が異なる膜を形成した。たとえば(Ti0.5 、Al0.4 、V0.1 )N膜を形成する場合は、金属蒸発源9にセットする合金中のチタンとアルミニウムとバナジウムの原子比率を50%と、40%と、10%とした。
【0046】
上述のような手順により、基材上に耐摩耗性被膜が形成された被覆切削工具を作製した。また、ダイヤモンド圧子を用いた引っかき試験を行ない、被覆切削工具の耐摩耗性被膜の密着強度を評価した。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004528373
【0048】
表1中「高速度鋼」とは、基材としてグレードがJIS SKH51の高速度鋼を用いたことを示す。また、「超硬合金」とは、基材としてグレードがJISP30の超硬合金を用いたことを示す。「サーメット」とは、基材として炭窒化チタン基サーメットを用いたことを示す。「セラミック」とは、基材としてTiC−Al23 系セラミックを用いたことを示す。また、表1中「スクラッチ臨界荷重」とは、耐摩耗性被膜が剥離する際のダイヤモンド圧子に加えた荷重を示す。表1からわかるように、TiN膜が存在するサンプルNo.101〜104の方がTiN膜のないサンプルNo.105〜108よりも耐摩耗性被膜の密着性が高いことがわかる。
【0049】
(実施例2)
図3は実施例2で用いた被膜製造装置の上面図である。図4は、図3中のIV−IV線に沿って見た面を示す図である。図1および図2で示す被膜製造装置では、金属蒸発源が2つであったのに対して、図3および図4で示す装置では、金属蒸発源を4つとした。金属蒸発源8、10には、金属チタン、金属バナジウムをセットした。金属蒸発源9、11には、所望の比率の(Ti、Al、V)からなる合金をセットした。金属蒸発源8〜11は直流電源に接続した。さらに、ヒータ7の配置を変えた。それ以外の点では図1および2で示す被膜製造装置と図3および4で示す被膜製造装置とは同一である。
【0050】
このような装置を用いて実施例1と同様の手順で基材上に膜厚、組成、積層構造の異なる複数のサンプルを製造した。これらのサンプルに対してダイヤモンド圧子を使った引っかけ試験を行ない耐摩耗性被膜の密着強度を評価した。また、耐摩耗性被膜のヌープ硬度(測定荷重20g)を測定した。その結果を表2および表3に示す。
【0051】
【表2】
Figure 0004528373
【0052】
【表3】
Figure 0004528373
【0053】
表2中「アークIP」とはアークイオンプレーティング法により耐摩耗性被膜を製造したことを示す。また、「スパッタ」とは、スパッタリング法により耐摩耗性被膜を製造したことを示す。また、「膜組成」とは、膜中のそれぞれの成分の原子比率を示す。また、表3中において「膜全体における各成分の組成比率」とは、膜全体における各成分の原子比率を示す。
【0054】
図2および図3から、本発明品のうちTiN層が存在するサンプルNo.201〜216ではTiN膜が存在しないサンプルNo.217〜228に比べてスクラッチ臨界荷重が小さいことがわかる。また、サンプルNo.229〜234は、膜を構成する成分の原子比率が本発明の範囲外であるため、または全体の厚みが本発明の範囲外であるためスクラッチ臨界荷重は低かった。
【0055】
サンプルNo.201、202、204〜207、209〜214、216、217、219〜221では被膜硬度が特に高くなっている。これは、構成膜を薄くすることにより、いわゆる歪み整合現象が生じているからだと考えられる。
【0056】
このように、本発明品では、比較例に比べて耐摩耗性被膜の密着性と硬度が高いことがわかる。
【0057】
(実施例3)
実施例1で示した手順によりさまざまな組成の被膜を有するエンドミルを作製した。エンドミルの基材はJIS規格P30超硬合金とした。この被膜の構造をθ−2θ法によるX線回折で調べた。また、このエンドミルを用いて切削性能試験を行なった。切削条件は以下のとおりであった。
【0058】
エンドミル:φ6mm、2枚刃、JIS P30 超硬合金
被削材 :チタン合金(Ti−6Al−4V)
切削方法 :側面加工ダウンカット
切削速度 :80m/min
送り :0.03mm/刃
送り込み :Rd 1mm×Ad 7mm
条件 :乾式エアブロー
評価 :切削長20mでの外周の逃げ面摩耗幅
これらの結果を表4および表5に示す。
【0059】
【表4】
Figure 0004528373
【0060】
【表5】
Figure 0004528373
【0061】
表4および表5から、本発明品のうち、密着層としてのTiN膜がないサンプル(サンプルNo.308および309)と(111)面に配向していないサンプル(サンプルNo.310〜312)では、膜が剥離しやすくなるため、または膜の硬度が低いため逃げ面摩耗幅がやや大きい。また、各成分の組成が本発明の範囲外のサンプル(サンプルNo.313〜318)と、被膜の厚さが本発明の範囲外であるサンプル(サンプルNo.319、320)では、逃げ面摩耗幅が極端に大きくなることがわかる。また、すべてのサンプルについて切れ刃の摩耗状態を詳細に観察した。その結果、サンプルNo.313〜320では、溶着しやすいチタン合金を切削したため構成刃先の成長と脱落により切れ刃先端部で微小な欠けが蓄積し、これが原因で逃げ面摩耗幅が大きいことがわかった。
【0062】
(実施例4)
実施例2と同様の手順でさまざまな組成の耐摩耗性被膜を形成し、ドリルを作製した。ドリルの基材は高速度鋼JIS規格SKH51とした。このドリルを用いて穴あけ加工における切削性能試験を行なった。切削条件は以下のとおりであった。
【0063】
ドリル :φ10mm、高速度鋼SKH51
被削材 :SS41
切削速度 :30m/min
送り :0.15mm/回転
切削長さ :30mm(貫通孔)
切削油 :乾式
寿命判定 :穴径が基準値(10±0.05mm)を超えた時点での加工穴数
耐摩耗性被膜の組成、厚さ、構造、試験結果を表6〜8に示す。
【0064】
【表6】
Figure 0004528373
【0065】
【表7】
Figure 0004528373
【0066】
【表8】
Figure 0004528373
【0067】
X線回折では、組成No.[21]〜[29]については、(111)面による1本の大きなピークが得られた。表6〜表8より、A膜およびB膜の厚さが0.5nm〜50nmであるサンプル(サンプルNo.401〜408)では、加工穴数が特に多かった。これは、A層およびB層がいわゆる歪み整合現象により完全に面心立方構造となっているからだと考えられる。一方、サンプルNo.409については膜厚は好ましい範囲であるが密着層としてのTiN層がないために加工穴数が若干少なくなったと考えられる。また、サンプルNo.410、411では、TiN膜がないため加工穴数が少なくなったと考えられる。サンプルNo.412〜414では、A膜およびB膜の厚さが0.5〜50nmの範囲外となったため、サンプルNo.415および416では、A膜またはB膜の厚さが0.5〜500nmの範囲から外れたため加工穴数が少なくなったと考えられる。また、サンプルNo.417〜418では膜中にfcc構造以外の構造が存在するため、サンプルNo.419〜422では、(111)面に配向していないため、それぞれ加工穴数が少なくなったと考えられる。一方、サンプルNo.423〜432では、膜の組成または膜厚が本発明の範囲外であったため加工穴数が著しく少なくなったと考えられる。
【0068】
(実施例5)
実施例4で示された組成No.[21]〜[52]の耐摩耗性被膜を実施例2と同様の手順でアークイオンプレーティング法により形成し、フライス加工用のチップを製造した。チップの基材は炭窒化チタン基サーメットとした。このチップを用いてフライス加工における切削性能試験を行なった。切削条件は以下のとおりであった。
【0069】
チップ :SDKN42、JIS P10 炭窒化チタン基サーメット
被削材 :SS41
切削速度 :150m/min
送り :0.15mm/刃
切り込み :7.0mm
切削油 :乾式
寿命判定 :切削長30mでの逃げ面摩耗幅
試験結果を表9に示す。
【0070】
【表9】
Figure 0004528373
【0071】
表9より本発明によるフライス加工用チップ(サンプルNo.501〜522)は、本発明外のフライス加工用チップ(サンプルNo.523〜530)や、従来品(サンプルNo.531、532)に比べて逃げ面摩耗幅が小さく寿命が長いことが確認された。
【0072】
(実施例6)
実施例4で示された組成No.[21]〜[52]の耐摩耗性被膜を実施例2と同様の手順でスパッタリング法により形成し、旋削加工用チップを作製した。チップの基材はAl23 −TiC系セラミックとした。このチップを用いて連続旋削加工における切削性能試験を行なった。切削条件は以下のとおりであった。
【0073】
チップ :CNMN433、JIS K01 Al23 −TiC系セラミック
被削材 :FCD45
切削速度 :300、230、180m/min
送り :0.1mm/回転
切り込み :0.3mm
切削油 :乾式
寿命判定 :切削長50mでの逃げ面摩耗幅
試験結果を表10に示す。
【0074】
【表10】
Figure 0004528373
【0075】
表10より、本発明によるチップ(サンプルNo.601〜622)は、本発明外のチップ(サンプルNo.623〜630)や、従来品(サンプルNo.631、632)に比べて逃げ面摩耗幅が小さく寿命が長いことが確認できた。
【0076】
(実施例7)
実施例2と同様の手順でさまざまな組成の耐摩耗性被膜を有するドリルをアークイオンプレーティング法により作製した。ドリルの基材はJIS K10の超硬合金とした。また比較のため本発明品のドリル基材と同一材料・形状のドリル基材にバナジウムを含まない耐摩耗性被膜を被覆したドリルを作製した。また、その耐摩耗性被膜上に二硫化モリブデンをコーティングしたドリルを作製した。なお二硫化モリブデンはスパッタリング法により形成した。これらのドリルにより穴あけ加工における切削性能試験を行なった。切削条件は以下のとおりであった。
【0077】
工具 :φ10mm、ツイストドリル、JIS K10 超硬合金
被削材 :S50C
切削速度 :70m/min
送り :0.3mm/回転
穴深さ :32mm(とまり穴)
切削油 :乾式
寿命判定 :加工可能な穴数
その他評価:加工された穴の内径寸法の変化と、加工可能な穴数
試験結果を表11に示す。
【0078】
【表11】
Figure 0004528373
【0079】
表11より本発明によるドリル(サンプルNo.701〜705)は、加工可能な穴数だけでなく加工された穴の内径寸法の精度も高いことが確認された。また、サンプルNo.705では、密着層としてのTiN層がないため、他の発明品(サンプルNo.701〜704)に比べて若干加工可能な穴数が小さく精度も劣ることがわかった。一方、比較例であるサンプルNo.706、707では、500個の穴を加工する前にドリルが破損した。そのため、500穴加工時の穴の内径寸法精度を測定できなかった。また、比較例であるサンプルNo.708、709では、加工穴数が100個までは穴内径寸法精度は高かった。しかし、それ以上の穴数になると切屑が異常に延びて試験を継続するのが危険な状態になったため試験を中止した。この原因は、潤滑膜である二硫化モリブデンコーティング膜が摩耗により失われ潤滑効果がなくなったからであるということが試験後のドリルの表面状態の検査でわかった。
【0080】
(実施例8)
実施例1と同様の手順でダイス鋼からなる基材上にさまざまな組成の耐摩耗性被膜を形成した。この耐摩耗性被膜の密着強度を、ダイヤモンド圧子を使った引っかき試験により測定した。その結果を表12に示す。
【0081】
【表12】
Figure 0004528373
【0082】
表12より、密着層としてのTiN層が存在するサンプル(サンプルNo.801〜803)は、TiN層が存在しないサンプル(サンプルNo.804)に対して高い密着強度を有することがわかった。
【0083】
(実施例9)
実施例2と同様の手順でダイス鋼からなる基材の上にさまざまな組成を有する耐摩耗性被膜を形成した。これらの耐摩耗性被膜の密着強度を、ダイヤモンド圧子を使った引っかき試験で測定した。また、耐摩耗性被膜のヌープ硬度(測定荷重25g)を測定した。これらの結果を表13に示す。
【0084】
【表13】
Figure 0004528373
【0085】
表13よりA膜およびB膜の厚さが0.5〜50nmの範囲のサンプル(サンプルNo.901〜905)では、被膜の硬度が特に高いことがわかる。これはA膜およびB膜でいわゆる歪み整合現象が生じているためであると考えられる。また、A膜またはB膜の厚さが0.5〜500nmの範囲外のサンプル(サンプルNo.906〜908)では、被膜硬度はサンプルNo.901〜905に比べて若干低かった。また、A膜およびB膜の厚さが0.5〜50nmの範囲内のサンプル(サンプルNo.901〜905)において、密着層としてのTiN層が存在するサンプル(サンプルNo.901〜904)は、TiN層が存在しないサンプル(サンプルNo.905)よりも膜の密着性が高かった。
【0086】
(実施例10)
実施例1と同様の手順で超硬合金からなる基材上に組成No.[1]〜[20]の耐摩耗性被膜をアークイオンプレーティング法により形成して冷間鍛造用パンチを製造した。このパンチを用いて冷間鍛造における寿命評価試験を行なった。試験条件は以下のとおりであった。
【0087】
パンチ形状 :先端φ15mm、JIS V40 超硬合金
被加工材 :Cr−V鋼のロッド切断体
部品名 :ソケットレンチヘッド
鍛造スピード:50サイクル/分
使用マシン :200トンプレス
加工物の潤滑:なし
ダイス :JIS V40 超硬合金+鋼ケースに焼きばめ
評価 :焼付きまでの加工可能数量
試験結果を表14に示す。
【0088】
【表14】
Figure 0004528373
【0089】
表14から密着層としてのTiN層が存在し、被膜の組成および厚さが本発明の範囲であり、さらにX線回折の最高強度面が(111)面であるサンプル(サンプルNo.1001〜1007)が特に優れた結果を示した。またTiN膜がないサンプル(サンプルNo.1008、1109)や、被膜が(111)面に配向していないサンプル(サンプルNo.1010〜1013)は、サンプルNo.1001〜1007に対して若干加工可能数量が少なくなった。一方サンプルNo.1013〜1018は膜の組成が本発明の範囲外であるため、サンプルNo.1019、1021は膜の厚さが本発明の範囲外であるためいずれも加工可能数量が著しく少なくなった。
【0090】
サンプルNo.1017〜1020についてパンチの摩耗状態を詳細に観察したところ、潤滑剤がない状態で鍛造を実施したため、これらのサンプルについてはパンチの先端部で溶着物の成長と脱落により欠けが生じていることがわかった。
【0091】
(実施例11)
熱間ダイス鋼からなる基材上に実施例4で示した組成No.[21]〜[53]の耐摩耗性被膜を実施例2と同様の手順でスパッタリング法により形成して温間鍛造用パンチを作製した。このパンチを用いて温間鍛造における寿命評価試験を行なった。試験条件は以下のとおりであった。
【0092】
パンチ形状 :先端φ80mm、熱間ダイス鋼SKD61
被加工材 :S45C
部品名 :等速ボールジョイントのアウタレース
鍛造時温度 :800℃
鍛造スピード:50サイクル/分
使用マシン :1000トンプレス
加工物の潤滑:硼酸系潤滑剤使用
ダイス :熱間ダイス鋼SKD61
評価 :焼付きまでの加工可能数量
試験結果を表15に示す。
【0093】
【表15】
Figure 0004528373
【0094】
表15から、本発明によるサンプル(サンプルNo.1101〜1122)は、本発明外のサンプル(サンプルNo.1123〜1130)や、従来品(サンプルNo.1131、1132)に比べて加工可能数が多いことがわかった。
【0095】
サンプルNo.1123〜1132のパンチの摩耗状態を詳細に観察したところ、潤滑が完全ではない硼酸系潤滑剤を使用して鍛造したことにより溶着物の成長と脱落によってパンチ先端部に破損が生じていることがわかった。このことが、サンプルNo.1123〜1132が短寿命であった原因と考えられる。
【0096】
(実施例12)
熱間ダイス鋼からなる基材上に実施例4で示した組成No.[21]〜[52]の耐摩耗性被膜を実施例2と同様の手順でアークイオンプレーティング法により形成し熱間鍛造用パンチを作製した。このパンチを使用して実際の熱間打抜き加工における寿命評価試験を行なった。試験の条件は以下のとおりであった。
【0097】
パンチ形状 :先端φ40mm、熱間ダイス鋼SKD61
被加工材 :SUJ2
部品名 :ボールベアリングのアウタレース
鍛造時の温度:900℃
加工スピード:60回/分
使用マシン :200トンプレス
加工物の潤滑:硼酸系潤滑剤使用
ダイス :熱間ダイス鋼SKD61
評価 :焼付きまでの加工可能数量
試験結果を表16に示す。
【0098】
【表16】
Figure 0004528373
【0099】
表16から、本発明のサンプル(サンプルNo.1201〜1222)は、本発明外のサンプル(サンプルNo.1223〜1230)や、従来品(サンプルNo.1231、1232)に比べて加工可能数が多いことがわかった。
【0100】
(実施例13)
高速度鋼からなる基材上に実施例4で示した組成No.[21]〜[52]の耐摩耗性被膜を実施例2と同様の手順でスパッタリング法により形成し金型を作製した。この金型の冷間打抜き加工における寿命評価試験を行なった。試験の条件は以下のとおりであった。
【0101】
パンチ形状 :先端φ30mm、高速度鋼SKH9
被加工材 :SS41(6mm厚み)
部品名 :変圧器容器
加工スピード:120回/分
使用マシン :50トンNCプレス
加工物の潤滑:極圧添加剤入りプレス油
ダイス :高速度鋼SKH9
評価 :焼付きまでの加工可能数量
試験結果を表17に示す。
【0102】
【表17】
Figure 0004528373
【0103】
表17から本発明品であるサンプル(サンプルNo.1301〜1322)は、本発明外のサンプル(サンプルNo.1323〜1330)や、従来品(サンプルNo.1331、1332)に比べて加工可能数が多いことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた被膜製造装置の上面図である。
【図2】図1中のII−II線に沿って見た面を示す図である。
【図3】実施例2で用いた被膜製造装置の上面図である。
【図4】図3中のIV−IV線に沿って見た面を示す図である。

Claims (15)

  1. 基材と、
    その基材の上に形成された少なくとも第一の膜を含む耐摩耗性被膜とを備え、
    その耐摩耗性被膜全体における各成分の組成は(Tix,Aly,Vz)(Cu,Nv,Ow)(ここで、添字x、y、z、u、vおよびwは、それぞれ、Ti、Al、V、C、NおよびOの原子比率を示す)で表わされ、x、y、z、u、vおよびwの間にはx+y+z=1、u+v+w=1、0.2<x<1、0<y<0.8、0.02≦z<0.6、0≦u<0.7、0.3<v≦1および0≦w<0.5で示す関係が成立し、前記耐摩耗性被膜の厚さは0.5μm以上15μm以下であり、前記耐摩耗性被膜は、その組成と膜厚がそれぞれ異なる2種類の膜で形成された第1の膜を含み、その第1の膜の各々の組成は((Tia,Alb,Vc)(Cd,Ne,Of)(ここで、添字a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ、Ti、Al、V、C、NおよびOの原子比率を示す)で表わされ、a、b、c、d、eおよびfの間にはa+b+c=1、d+e+f=1、0.2<a<1、0<b<0.8、0<c<0.6、0≦d<0.7、0.3<e≦1および0≦f<0.5で示す関係が成立し、前記耐摩耗性被膜は面心立方構造を有し、前記耐摩耗性被膜の結晶構造をθ−2θ法によるx線回折法で調べれば、前記耐摩耗性被膜に由来する回折線のうち、(111)面からの回折線が相対的に最高強度を示すことを特徴とする、被覆工具。
  2. 前記第1の膜の各々の厚みは0.5nm以上500nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の被覆工具。
  3. 前記第1の膜の各々の厚みは0.5nm以上50nm以下であることを特徴とする、請求項2に記載の被覆工具。
  4. 前記耐摩耗性被膜は、複数の積層された前記第1の膜と第2の膜とを含み、前記第2の膜は窒化バナジウム、炭化バナジウム、炭窒化バナジウム、炭酸化バナジウム、酸窒化バナジウムおよび炭酸窒化バナジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1に記載の被覆工具。
  5. 前記第1および第2の膜の各々の厚さは0.5nm以上500nm以下であることを特徴とする、請求項4に記載の被覆工具。
  6. 前記第1および第2の膜の各々の厚さは0.5nm以上50nm以下であることを特徴とする、請求項5に記載の被覆工具。
  7. 前記第1の膜と前記第2の膜とは交互に積層されていることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の被覆工具。
  8. 前記耐摩耗性被膜は、複数の積層された前記第1の膜と第3の膜とを含み、前記第3の膜は窒化アルミニウムおよび炭窒化アルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含み、前記第3の膜の厚さは0.5nm以上50nm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の被覆工具。
  9. 前記第1の膜と前記第3の膜とは交互に積層されていることを特徴とする、請求項8に記載の被覆工具。
  10. 前記耐摩耗性被膜は、TiNからなる密着層をさらに含み、その密着層は前記基材と接することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の被覆工具。
  11. 前記基材は、セラミックス、超硬合金、サーメット、高速度鋼、ダイス鋼、プレハードン鋼および析出硬化型ステンレス鋼からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の被覆工具。
  12. 前記耐摩耗性被膜の結晶構造をθ−2θ法によるx線回折法で調べれば、回折パターンは、1種類の面心立方構造に由来する回折線のみから構成され、かつ面心立方構造を有する前記耐摩耗性被膜に由来する回折線のうち(111)面からの回折線が相対的に最高強度を示すことを特徴とする、請求項3、6または8に記載の被覆工具。
  13. 前記被覆工具は、被覆切削工具であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の被覆工具。
  14. 前記被覆工具は、被覆金型であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の被覆工具。
  15. Ti、AlおよびVからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む膜原料を蒸着法またはスパッタリング法により前記基材の上に供給し、窒素、酸素および炭素からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むガスを前記膜原料と反応させるPVD法により請求項1〜12のいずれか1項に記載の耐摩耗性被膜を形成することを特徴とする、被覆工具の製造方法。
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