JP4524791B2 - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
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Description
NG = (nc + 1/2ni) / (A/m2) …(1)
ここで示すmは写真の倍率である。1/NGが1個の粒子の占める面積であるから、膜表面の粒径は円相当径は2/√(πNG)、正方形の一辺とすると1/√NGで得られる。
図1は、円筒タイプの固体酸化物形燃料電池の断面を示す図である。円筒状の空気極支持体1上に帯状のインターコネクター2、電解質膜3、さらに電解質膜3の上にインターコネクター2と接触しないように燃料極4が形成されている。空気極支持体の内側にAirを流し、外側に燃料ガスを流すとAir中の酸素が空気極と電解質膜の界面で酸素イオンに変わり、この酸素イオンが電解質膜を通って燃料極に達する。そして、燃料ガスと酸素イオンが反応して水および二酸化炭素になる。これらの反応は(3),(4)式で示される。燃料極4とインターコネクター2を接続することによって外部へ電気を取り出すことができる。
H2+O2-→H2O+2e- … (3)
CO+O2-→CO2+2e- … (4)
1/2O2+2e-→O2- … (2)
図1に示す円筒型固体酸化物形燃料電池を用いた。すなわち、円筒状の空気極支持体1上に帯状のインターコネクター2、電解質膜3、さらに電解質膜の上にインターコネクターと接触しないように燃料極4から構成されたもので、図2に示すように空気極と電解質膜に間には空気側電極反応層1bが設けられ、燃料極と電解質膜の間には燃料側電極反応層4bを設けたタイプのものを用いた。
空気極の組成は、La0.75Sr0.25MnO3組成で表されるSrを固溶させたランタンマンガナイトで、共沈法で作製後熱処理して空気電極原料粉末を得た。平均粒子径は、30μmであった。押し出し成形法によって円筒状成形体を作製した。さらに、1500℃で焼成を行い、空気極支持体とした。
空気側電極反応層の組成としては、La0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50を用いた。La,Sr,Mn,ZrおよびScの各々の硝酸塩水溶液を用いて、前記組成になるように調合した後、シュウ酸による共沈を行った。さらに熱処理を施し、粒径を制御した原料粉末を得た。平均粒子径は2μmであった。該空気側電極反応層の原料粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルソン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリーの粘度は100mPasであった。前記スラリーを、空気極支持体(外径15mm、肉厚1.5mm、有効長400mm)上にスラリーコート法で成膜した後に1400℃で焼結させた。厚さは20μmであった。
電解質膜の組成は、90 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3で、Zr,ScおよびYの各々の硝酸塩水溶液を用いて、前記組成になるように調合した後、シュウ酸による共沈を行った。さらに熱処理を施し、粒径を制御した原料粉末を得た。平均粒子径は0.5μmであった。該粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルソン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリー粘度は140mPasであった。
空気側電極反応層上に、スラリーコート法で成膜し、1400℃で焼成した。得られた電解質の厚さは、30μmであった。なお、後工程でインターコネクターを成膜する部分についてはマスキングを施し、膜が塗布されないようにしておいた。
燃料側電極反応層は、NiO/90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3とし、Ni,ZrおよびSc各々の硝酸塩水溶液を用いて、前記組成になるように調合した後、シュウ酸による共沈を行った。さらに、熱処理を施し、粒径を制御した後原料を得た。燃料側電極反応層の組成は、NiO/90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3 =20/80と、50/50の2種類を作製し、平均粒子径はいずれも0.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)10重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリーの粘度は70mPasであった。
燃料極は組成をNiO/90 mol%ZrO2-10mol%Y2O3=70/30とし、Ni,ZrおよびY各々の硝酸塩水溶液を用いて前記組成になるように調合した後、シュウ酸による共沈を行った。さらに熱処理を施し、粒径を制御した後原料を得た。平均粒径は2μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)20重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリーの粘度は250mPasであった。
燃料極の面積が150cm2になるように電池へマスキングをし、前記燃料側電極反応層をまずスラリーコート法により電解質上へNiO/90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3 =20/80(平均粒子径0.5μm)、50/50(0.5μm)の順に成膜した。膜厚(焼成後)は10μmとした。この上に、燃料極をスラリーコート法により成膜した。膜厚(焼成後)は90μmとした。さらに、1400℃で焼成した。
インターコネクターの組成をLa0.80Ca0.20CrO3、で表されるCaを固溶させたランタンクロマイトとし、噴霧熱分解法で作製後、熱処理を施して得た。得られた粉末の平均粒子径は1μmであった。該粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルソン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリー粘度は100mPasであった。スラリーコート法によりインターコネクターを成膜し、1400℃で焼成した。焼成後の厚みは40μmであった。
得られた電池(燃料極有効面積:150cm2)を用いて発電試験を行った。このときの運転条件は以下の通りであった。
燃料:(H2+ 11%H2O):N2 = 1:2
酸化剤:Air
発電温度:800℃
電流密度:0.3Acm-2
発電試験前に空気極支持体内部に窒素ガスを流し、空気極内部から0.1MPaの圧力を加え、電解質膜を透過するガス透過量を測定した。これにより電解質膜がガス透過性の無い膜であるかを評価した。
前記方法で作製した電池の電解質膜の膜表面を日立製作所(株)製S-4100を用いてSEM観察し、電解質膜表面を300倍の倍率で撮影した。さらに、撮影した写真でプラニメトリック法で結晶粒径を算出した。
電解質膜の焼成温度が1350℃であること以外は実施例1と同様とした。
電解質膜の焼成温度が1500℃であること以外は実施例1と同様とした。
電解質膜の焼成温度が1420℃であること以外は実施例1と同様とした。
電解質膜の焼成温度が1430℃であること以外は実施例1と同様とした。
電解質膜の焼成温度が1450℃であること以外は実施例1と同様とした。
電解質膜の焼成温度が1470℃であること以外は実施例1と同様とした。
電解質膜の焼成温度が1300℃であること以外は実施例1と同様とした。
電解質膜の焼成温度が1520℃であること以外は実施例1と同様とした。
電解質膜の組成が92 mol%ZrO2-8mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様にした。
実施例1〜7および比較例1、2の電池について、前記発電試験の条件下で1000時間保持した。室温まで下げた後、再度800℃まで昇温し同様の条件で500時間保持した。再度室温まで下げた後、800℃まで昇温し同様の条件で500時間保持した。このようにヒートサイクルを2回含む合計2000時間の耐久試験を実施した。
燃料:(H2+11%H2O):N2 = 1:2
酸化剤:Air
発電温度:800℃
電流密度:0.3Acm-2
(実施例8)
電解質膜の組成が97 mol%ZrO2-1.5mol%Sc2O3-1.5mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成が94 mol%ZrO2-3mol%Sc2O3-3mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成が92 mol%ZrO2-4mol%Sc2O3-4mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成が88 mol%ZrO2-6mol%Sc2O3-6mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成が98 mol%ZrO2-1mol%Sc2O3-1mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成が85 mol%ZrO2-7.5mol%Sc2O3-7.5mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例14)
電解質膜の組成は、90 mol%ZrO2-2mol%Sc2O3-8mol%Y2O3(20%) であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成は、90 mol%ZrO2-7mol%Sc2O3-3mol%Y2O3(70%) であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成は、90 mol%ZrO2-9mol%Sc2O3-1mol%Y2O3(90%) であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成は、90 mol%ZrO2-1.5mol%Sc2O3-8.5mol%Y2O3(15%) であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成は、90 mol%ZrO2-9.5mol%Sc2O3-0.5mol%Y2O3(95%) であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例19)
電解質膜の組成は、89 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-1mol%CeO2であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成は、85 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-5mol%CeO2であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成は、84 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-6mol%CeO2であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成は、89 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-1mol%Bi2O3であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成は、85 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-5mol%Bi2O3であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成は、84 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-6mol%Bi2O3であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成は、89 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-0.5mol%CeO2-0.5mol%Bi2O3であること以外は実施例1と同様にした。
電解質膜の組成は、88 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-3mol%CeO2-3mol%Bi2O3であること以外は実施例1と同様にした。
実施例1と比較例1について発電温度700〜1000℃で発電試験を実施した。運転条件を以下に示す。
燃料:(H2+11%H2O):N2 = 1:2
酸化剤:Air
発電温度:700〜1000℃
電流密度:0.3Acm-2
2:インターコネクター
3:電解質膜
4:燃料極
1b:空気側電極反応層
4b:燃料側電極反応層
Claims (3)
- 電解質膜の片面に空気極、その反対面に燃料極を配置した単電池と、電気的接続の役割を有するインターコネクターと、を備えた固体酸化物形燃料電池であって、
前記電解質膜が少なくともスカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層からなり、
前記電解質膜の膜表面における結晶粒の粒度分布において、3%径が3μm以上で、かつ97%径が50μm以下であって、
前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層中のスカンジアとイットリアの合計固溶量が3〜12mol%であり、
前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層には、さらにセリアを5mol%以下固溶させていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 電解質膜の片面に空気極、その反対面に燃料極を配置した単電池と、電気的接続の役割を有するインターコネクターと、を備えた固体酸化物形燃料電池であって、
前記電解質膜が少なくともスカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層からなり、
前記電解質膜の膜表面における結晶粒の粒度分布において、3%径が3μm以上で、かつ97%径が50μm以下であって、
前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層中のスカンジアとイットリアの合計固溶量が3〜12mol%であり、
前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層には、さらにBi2O3を5mol%以下固溶させていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 電解質膜の片面に空気極、その反対面に燃料極を配置した単電池と、電気的接続の役割を有するインターコネクターと、を備えた固体酸化物形燃料電池であって、
前記電解質膜が少なくともスカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層からなり、
前記電解質膜の膜表面における結晶粒の粒度分布において、3%径が3μm以上で、かつ97%径が50μm以下であって、
前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層中のスカンジアとイットリアの合計固溶量が3〜12mol%であり、
前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層には、さらにセリアとBi2O3を合計5mol%以下固溶させていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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