JP4524791B2 - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、出力性能および耐久性能に優れる固体酸化物形燃料電池に関する。特には、酸素イオン導電性に優れ、ガス透過性の無い電解質膜を有し、900℃以下の発電温度においても高い出力性能を有する固体酸化物形燃料電池に関する。
従来の固体酸化物形燃料電池の電解質膜として、イットリアを固溶させたジルコニア(以下、YSZと示す。)からなる層が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、900℃以下の低温において電解質膜の酸素イオン導電性が低下し、出力性能が低くなるという課題があった。
固体酸化物形燃料電池の電解質膜として、スカンジアを固溶させたジルコニア(以下、SSZと示す。)からなる層を提案しているものもある(例えば、特許文献2参照)。 しかし、焼結性が低くガス透過性の無い電解質膜を作製することが困難であるという課題があった。
固体酸化物形燃料電池の電解質膜として、スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニア(以下、SSZ/YSZと示す。)からなる層を提案しているものもある(例えば、特許文献3参照。)。しかし、特許文献3の材料で電解質膜の作製を試みたところ、ガス透過性の無い電解質膜を作製することができないケースと、出力性能が低下するケースがあることがわかった。
特開平10−158894号公報(第1−6頁、第1−12図) 特開平7−6774号公報(第1−5頁、第1−5図) 特開2000−340240号公報(第1−8頁、第1−4図)
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明では、酸素イオン導電性の高いSSZ/YSZ材料でガス透過性の無い電解質膜を形成し、出力性能および耐久性能に優れる固体酸化物形燃料電池を提供する。
上記目的を達成するために本発明は、電解質膜の片面に空気極、その反対面に燃料極を配置した単電池と、電気的接続の役割を有するインターコネクターと、を備えた固体酸化物形燃料電池であって、前記電解質膜が少なくともスカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層からなり、前記電解質膜膜表面における結晶粒の粒度分布において、3%径が3μm以上で、かつ97%径が50μm以下であって、前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層中のスカンジアとイットリアの合計固溶量が3〜12mol%であり、前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層には、さらにBi2O3を5mol%以下固溶させていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池を提供する。
本発明によれば、電解質膜がSSZ/YSZからなるので、酸素イオン導電性が高く、焼結性に優れる電解質膜を提供することができる。また、電解質膜における膜表面の粒子の粒度分布における3%径が3μm以上で、かつ97%径が50μm以下なので出力性能に優れる固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
この理由は、YSZより酸素イオン導電性が高いSSZを含んでいるので電解質膜の酸素イオン導電性が高くなることと、YSZを含んでいるため焼結性に優れ容易にガス透過性の無い電解質膜を作製できるためである。また、電解質膜における膜表面のの粒子の粒度分布における3%径が3μm未満であると電解質膜が連通した開気孔を有する膜となるため電解質膜を酸化ガスあるいは燃料ガスが透過し出力性能が低下するためで、一方、97%径が50μmより大きいと空気極および/または燃料極からのコンタミネーションが含まれるため電解質膜に電子導電性が生じ、出力性能が低下するためである。
ここで示す少なくともスカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアとは、スカンジアとイットリアの2種類が最低固溶されたジルコニアであれば良く、他の組成が固溶されていても良い。例えば、スカンジアとイットリアとセリアが固溶されたジルコニアなどもこれに該当する。
ここで示すガス透過性の無い電解質膜とは、電解質膜の片面とその反対側面の間に圧力差を設けた時、その間を透過するガス透過量で評価され、ガス透過量Q≦2.8×10-9ms-1Pa-1(より好ましくはQ≦2.8×10-10ms-1Pa-1)の膜であるものを指す。
ここで示す膜表面の粒子の粒度分布とは、以下のプラニメトリック法で求められた粒子の粒度分布である。まず、SEMで電解質膜表面の写真を撮り、この写真上で面積(A)の既知の円を描き、円内の粒子数ncと円周にかかった粒子数niから(1)式によって単位面積あたりの粒子数NGを求める。
NG = (nc + 1/2ni) / (A/m2) …(1)
ここで示すmは写真の倍率である。1/NGが1個の粒子の占める面積であるから、膜表面の粒径は円相当径は2/√(πNG)、正方形の一辺とすると1/√NGで得られる。
ここで示す膜表面の粒子の粒度分布における3%径とは、プラニメトリック法で100箇所で結晶粒径を測定したとき、粒径の小さい順番から並べた際の3番目に相当する粒径を指し、97%径とは97番目に相当する粒径を指す。なお、焼結によって粒子同士が接合しているように見える場合でも粒界が観察されれば別個の粒子と見なして測定する。
スカンジアとイットリアの合計固溶量を3〜12mol%とすることで、出力性能および耐久性能に優れる固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
この理由は、スカンジアとイットリアの合計固溶量が3 mol%未満であると材料の酸素イオン導電性が低くなり、出力性能が低下するためで、一方、12mol%より多いと結晶相が立方晶の他に菱面体晶が生成し酸素イオン導電性が低下することと、結晶相の安定性が低下し耐久性が低下するためである。
本態様によれば、さらにセリアを適量固溶させることで出力性能および耐久性能に優れる固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
この理由は、セリアを固溶させると酸素イオン導電性を向上させる作用と結晶相を安定化させる作用があるためである。一方、セリアは固体酸化物形燃料電池の燃料雰囲気で電子導電性を有するので、電解質膜に多く固溶させると逆に出力性能が低下するためである。セリア固溶量としては、電子導電性の影響が少ない 5mol%以下が好ましい。
本発明においては、電解質膜の片面に空気極、その反対面に燃料極を配置した単電池と、電気的接続の役割を有するインターコネクターと、を備えた固体酸化物形燃料電池であって、前記電解質膜が少なくともスカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層からなり、前記電解質膜の膜表面における結晶粒の粒度分布において、3%径が3μm以上で、かつ97%径が50μm以下であって、前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層中のスカンジアとイットリアの合計固溶量が3〜12mol%であり、前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層には、さらにBi2O3を5mol%以下固溶させていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池を提供している。
本態様によれば、ビスマスを適量固溶させることでSSZ/YSZからなる層の焼結性が向上し、より低温でガス透過性の無い電解質膜を形成させることができる。
ビスマスを固溶させることが好ましい理由は、ビスマスは融点が820℃程度と低く、かつ沸点が1900℃程度と高いため、SSZの焼結を低温で行うことができるためである。一方、ビスマスを多く固溶させると固体酸化物形燃料電池のインターコネクターや燃料極を焼結させる工程においてビスマス成分がSSZ材料から抜け、ガス透過性の無い電解質を得ることができなくなるためである。ビスマスの固溶量としては、5mol%以下が好ましい。
本発明においては、電解質膜の片面に空気極、その反対面に燃料極を配置した単電池と、電気的接続の役割を有するインターコネクターと、を備えた固体酸化物形燃料電池であって、前記電解質膜が少なくともスカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層からなり、前記電解質膜の膜表面における結晶粒の粒度分布において、3%径が3μm以上で、かつ97%径が50μm以下であって、前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層中のスカンジアとイットリアの合計固溶量が3〜12mol%であり、前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層には、さらにセリアとBi2O3を合計5mol%以下固溶させていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池を提供する。
本態様によれば、セリアとビスマスを適量固溶させることで、より低温でガス透過性の無い電解質膜が形成でき、かつ出力性能に優れる固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
セリアとビスマスを固溶させることが好ましい理由は、セリアを固溶させることで電解質膜の酸素イオン導電性が向上し、ビスマスを固溶させることで焼結性が向上しより低温でガス透過性の無い電解質膜を形成することができるためである。一方、5mol%より多く含むとビスマスが電解質膜から抜けやすくなることと、セリアの電子導電性の影響が出やすくなり固体酸化物形燃料電池の出力性能が低下するためである。
固体酸化物形燃料電池において電解質膜がSSZ/YSZからなる層からなり、電解質膜における膜表面の粒子の粒度分布における3%径が3μm以上で、かつ97%径が50μm以下であるようにすることで、得られる電解質膜はガス透過性が無い膜となり、出力性能に優れる固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
さらに、電解質膜における膜表面の粒子の粒度分布における3%径が3μm以上で、かつ97%径が20μm以下であるようにすると、燃料ガス側の電極との密着性が向上し、耐久性能に優れる固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
また、空気側電極反応層や燃料側電極反応層を最適化することによって、700℃程度の低温下においても高い出力性能を有する固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
本発明における固体酸化物形燃料電池について図1を用いて説明する。
図1は、円筒タイプの固体酸化物形燃料電池の断面を示す図である。円筒状の空気極支持体1上に帯状のインターコネクター2、電解質膜3、さらに電解質膜3の上にインターコネクター2と接触しないように燃料極4が形成されている。空気極支持体の内側にAirを流し、外側に燃料ガスを流すとAir中の酸素が空気極と電解質膜の界面で酸素イオンに変わり、この酸素イオンが電解質膜を通って燃料極に達する。そして、燃料ガスと酸素イオンが反応して水および二酸化炭素になる。これらの反応は(3),(4)式で示される。燃料極4とインターコネクター2を接続することによって外部へ電気を取り出すことができる。
H2+O2-→H2O+2e- … (3)
CO+O2-→CO2+2e- … (4)
図2は、空気極1と電解質膜3の間に空気側電極反応層1bを、そして電解質膜3と燃料極極4の間に燃料側電極反応層4bを設けたタイプについて示した断面図である。空気側電極反応層1bは空気極からの酸素ガスと電子から酸素イオンが生成する(2)式の反応を促進させるために設けられた層であり、この空気側電極反応層1bで生成した酸素イオンが電解質膜3を通って燃料極側に移動する。そして、燃料側電極反応層4bで(3),(4)式に示す反応が行われ、燃料極4aとインターコネクター2を接続することで外部へ電気を取り出すことができる。それゆえ、空気側電極反応層、電解質膜および燃料側電極反応層の最適化を図れば700℃程度の低温まで出力性能に優れた固体酸化物形燃料電池を提供することが可能である。
1/2O2+2e-→O2- … (2)
本発明における電解質膜は、固体酸化物形燃料電池の発電温度で空気雰囲気および燃料ガス雰囲気において、従来用いられているYSZより酸素イオン導電性が高いこと、ガス透過性の無い膜であること、電子導電性が無いものであることが好ましい。
YSZより酸素イオン導電性が高く、電子導電性が無いという観点からはSSZが好ましい。しかし、SSZは焼結性が低いためにガス透過性の無い膜を容易に作製することができないことが課題として挙げられていた。それゆえ、酸素イオン導電性が高いSSZと焼結性に優れるYSZを含み、ガス透過性の無い膜を容易に作製することができるSSZ/YSZを本発明では用いる。
また、本発明におけるSSZ/YSZからなる電解質膜を有する固体酸化物形燃料電池においては、出力性能と耐久性を向上させるために電解質膜表面の粒子の粒度分布を最適化したものがより好ましい。膜表面の粒子の粒度分布としては、3%径が3μm以上、かつ97%径が50μm以下の範囲が好ましく、より好ましくは3%径が3μm以上、かつ97%径が20μm以下の範囲である。この理由は、3μm未満の粒子が多いとSSZ/YSZ膜は連通した開気孔を有する膜であるため、燃料極は微量の酸素に曝され、空気極は微量の燃料に曝されるため長時間発電によって燃料極および空気極が劣化する可能性があるためで、一方、50μmより大きい粒子が多いと粒子間の空孔が大きく、電解質膜におけるガス透過性が大きくなるため、出力性能が低下する。また、50μmより大きい粒子が多いと、粒界が少ないのでアンカー効果が小さく、燃料ガス側の電極との密着性が低いため、サーマルサイクルによる耐久性が低下する。3%径が3μm以上、かつ97%径が20μm以下程度のの粒子の粒度分布からなるSSZ/YSZ膜は、適度な閉気孔を有するので酸素ガスおよび燃料ガスを通さずガス透過性が低いことと、粒界が多く、アンカー効果により燃料側の電極との密着性が向上するためサーマルサイクル特性にも優れ、耐久性の観点からもより好ましい。
本発明におけるSSZ/YSZにおける原料粉末としては、ガス透過性が無く、適正な膜の粒子の粒度分布を形成できるものであればよく特に限定はない。BET値が0.5〜20m2g-1で、粒度分布が0.1〜2μmおよび平均粒子径が0.3〜1μm程度に制御した原料粉末であるとより好ましい。
ここで示すBET値とは、島津製作所製の流動式比表面積測定装置フローソーブII2300形を用いて測定して得られた値である。また、粒度分布は島津製作所製のレーザ回折式粒度分布測定装置SALD-2000を用いて測定して得られた値である。さらに、平均粒子径とは、島津製作所製のレーザ回折式粒度分布測定装置SALD-2000を用いて測定して得られるメディアン径(50%径)の値である。
本発明におけるSSZ/YSZからなる層において、酸素イオン導電性向上のためにCeO2以外にSm2O3,Gd2O3などを固溶させたものであっても良い。固溶量としては5mol%以下が好ましい。Sm2O3、Gd2O3を単独で固溶させたものでも良いし、Sm2O3とGd2O3の2種類を固溶させるなど複数の酸化物を固溶させたものであっても良い。さらに、Sm2O3を固溶させたCeO2とSSZ/YSZの混合材料でも良い。混合材料におけるSm2O3を固溶させたCeO2の割合は5mol%以下が好ましい。
また、低温焼結を可能にするためにBi2O3以外にAl2O3、SiO2などを添加させても良い。
本発明における電解質膜の作製法については特に限定はないが量産性に優れ、低コストであるという観点からスラリーコート法、スクリーン印刷法、シート接着法が好ましい。
本発明における電解質膜原料の作製法についてはイットリアおよびスカンジアの固溶を均一にできる方法であれば良く特に限定はない。共沈法が一般的である。
本発明における空気極は固体酸化物形燃料電池の空気雰囲気下において電子導電性が高く、酸素ガス透過性が高く、(2)式の反応が効率よく行えるものであることが好ましい。この観点から好ましい材料として(La1-xAxyMnO3 (但し、A=CaまたはSrのいずれか)で表されるランタンマンガナイトを挙げることができる。
(2)式の反応を効率よく行うことができるようにし、出力性能を向上させるという観点からは空気極と電解質膜の間に空気側電極反応層を介在させることが好ましい。
空気側電極反応層は、(2)式の反応を効率良く行い、出力性能を向上させるために設けられた層であるので酸素イオン導電性が高いことが好ましい。また、空気側電極反応層にさらに電子導電性を有すると(2)式の反応をより促進させることができることからより好ましい。さらに、電解質膜材料との熱膨張係数が近く、電解質膜および空気極との反応性が低く、密着性が良好である材料であることが好ましい。これらのすべての特性に対し良好な材料であれば、700℃程度の低温においても高い出力特性を得ることが可能である。上記観点から好ましい材料としてLaAMnO3/SSZなどが挙げられる。
本発明において、空気側電極反応層のLaAMnO3(A=CaまたはSrのいずれか)/SSZにおけるLaAMnO3の組成としては、700℃以上における電子導電性、材料の安定性等から、(La1-xAx)yMnO3と表記した場合、x,yの値は0.15≦x≦0.3、0.97≦y≦1の範囲がより好ましい。
この理由は、x<0.15、x>0.3の範囲では電子導電性が低下するためで、y<0.97では反応性が高くなり電極反応層の活性を低下させるためで、y>1ではジルコニアと反応してLa2Zr2O7で示される絶縁層を生成するためにセルの出力性能を低下させるためである。
空気側電極反応層におけるランタンマンガナイトには、SrまたはCaに加えて、Ce,Sm,Gd,Pr,Nd,Co,Al,Fe,Cr,Ni等を固溶させたものであっても良い。特に、Niを固溶させるとLa2Zr2O7で表されるランタンジルコネートと呼ばれる絶縁層の生成を抑制させることができるので好ましい。
本発明における空気側電極反応層のSSZには、さらにCeO2,Sm2O3,Gd2O3,Bi2O3等が5mol%以下固溶されていても良い。また、2種以上固溶させたものであっても良い。これらの材料が固溶されると、酸素イオン導電性の向上および/または焼結性の向上が期待できるので含んでいる方が好ましい。
本発明におけるLaAMnO3/SSZからなる空気側電極反応層の電極活性を高めるために、用いる原料粉末の平均粒子径やBET値を傾斜させた構造でも良い。例えば、空気極側から電解質膜方向へ平均粒子径を5μm、3μm、1μmにしたり、BET値を1m2g-1、3m2g-1、5m2g-1とするようなものでも良い。(2)式の反応を効率良く行うという観点からは平均粒子径やBET値を傾斜させたものから構成されたものの方が好ましい。
本発明におけるLaAMnO3/SSZからなる空気側電極反応層の電極活性を高めるために組成を傾斜させた構造でも良い。例えば、空気極側から電解質膜方向へLaAMnO3/SSZ:80/20、50/50、20/80のようなものでも良い。空気極と電解質膜の熱膨張差を緩和できることと(2)式の反応を効率良く行えるという観点からは組成を傾斜させた方が好ましい。
本発明におけるLaAMnO3/SSZからなる空気側電極反応層のSSZにおけるスカンジアの固溶量は3〜12mol%が好ましい。この理由はこの範囲の組成のものが酸素イオン導電性が高いためである。酸素イオン導電性が高いという観点から8〜12 mol%がより好ましい。
本発明におけるLaAMnO3/SSZにおけるSSZにはさらにセリウム酸化物が固溶されていても良い。この理由は、SSZにセリウム酸化物を固溶させたものの方が酸素イオン導電性が高くなるためである。セリウム酸化物の固溶量としては、0.5〜5mol%程度が好ましい。この理由は、0.5mol%より少ないと、SSZより酸素イオン導電性が高くなるという効果が現れないためで、一方、5mol%より多いと酸素イオン導電性が低下するためである。
本発明におけるLaAMnO3/SSZの原料作製法については空気側電極反応層として好ましい特性を満足できるものであれば良く、特に限定はない。共沈法、粉末混合法、噴霧熱分解法、ゾルゲル法などが挙げられる。
本発明において、空気極の(La1-xAxyMnO3 (但し、A=CaまたはSrのいずれか)で表されるランタンマンガナイトの組成としては、700℃以上における電子導電性、材料の安定性等から、x,yの値は0.15≦x≦0.3、0.97≦y≦1の範囲がより好ましい。
この理由は、x<0.15、x>0.3の範囲では電子導電性が低下するためで、y<0.97では反応性が高くなり電極反応層の活性を低下させるためで、y>1ではジルコニアと反応してLa2Zr2O7で示される絶縁層を生成してセルの出力性能を低下させるためである。
空気極におけるランタンマンガナイトには、SrまたはCaに加えて、Ce,Sm,Gd,Pr,Nd,Co,Al,Fe,Cr,Ni等を固溶させたものであっても良い。
本発明における空気極原料の作製法については特に限定はない。粉末混合法、共沈法、噴霧熱分解法、ゾルゲル法などが挙げられる。
本発明における燃料極は固体酸化物形燃料電池の燃料ガス雰囲気において電子導電性が高く、燃料ガス透過性が高く、(3),(4)式の反応を効率良く行えるものであることが好ましい。この観点からは好ましい材料としてはNiO/YSZ等を挙げることができる。NiOは固体酸化物形燃料電池の燃料ガス雰囲気下で還元されてNiとなり、該層はNi/YSZとなる。
(3),(4)式の反応を効率良く行うことができ、出力性能を向上させるという観点からは電解質膜と燃料極の間に燃料側電極反応層を設けることが好ましい。
本発明における燃料側電極反応層としては電子導電性と酸素イオン導電性の両方の特性に優れるNiO/SSZまたはNi/SSZが好ましい。NiOは固体酸化物形燃料電池の燃料雰囲気下で還元されてNiとなり、該層はNi/SSZとなる。また、NiO/SSZの比率は重量比で10/90〜50/50が好ましい。この理由は、10/90未満では電子導電性が低すぎるためで、一方50/50より大きいと酸素イオン導電性が低すぎるためである。
本発明のNiO/SSZまたはNi/SSZにおけるSSZのスカンジアの固溶量としては、3〜12mol%が好ましい。この理由は、この範囲であれば酸素イオン導電性が高く(3),(4)の反応を促進させることができるためである。また、700℃程度の低温下においても酸素イオン導電性が高いので、700℃程度の低温まで高い出力性能を有する固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
本発明のNiO/SSZまたはNi/SSZにおけるSSZにはさらにCeO2,Sm2O3,Gd2O3,Bi2O3等が5mol%以下固溶されていても良い。また、2種以上固溶させたものであっても良い。これらの材料が固溶されると燃料ガス雰囲気下で酸素イオン導電性の向上だけでなく電子導電性の向上も期待できるので含んでいる方が好ましい。
燃料ガス雰囲気下で、酸素イオン導電性が高く、電子導電性が高いという観点からNiOとSSZとセリウム酸化物が所定の重量比で均一に混合された層(以下、NiO/SSZ/セリウム酸化物と示す。)であっても良い。NiOは固体酸化物形燃料電池の燃料ガス雰囲気下で還元されてNiとなり、該層はNi/SSZ/セリウム酸化物となる。
ここで示すセリウム酸化物とは、セリウムが含まれた酸化物であれば良く特に限定はない。一般式(CeO2)1-2X(B2O3)X (但し、B=Sm,Gd,Yのいずれか一種、0.05≦X≦0.15)で表されるものが酸素イオン導電性が高く、好ましい。
本発明における燃料極はIR損を低くするために電子導電性が高いものであることが好ましい。この観点からNiO/YSZの比率は重量比で50/50〜90/10が好ましい。この理由は、50/50未満では電子導電性が低いためで、一方90/10越えではNi粒子の凝集によって出力性能が低下するためである。
本発明における燃料極の組成については、NiO/YSZ以外の組成としてNiO/SSZ、また、NiOと、カルシウムを固溶させたジルコニアが均一に混合されたもの(以下、NiO/CSZと示す)を挙げることができる。SSZよりYSZの方が安価であることからYSZの方が好ましいが、CSZはYSZよりさらに安価であることからコストの観点からはNiO/CSZが最も好ましい。なお、NiO/CSZにおいても固体酸化物形燃料電池の燃料ガス雰囲気下においてはNi/CSZとなる。
本発明における燃料極原料の合成法については、NiO/SSZおよびNiO/YSZなどの燃料極材料が均一に混合されていれば良く特に限定はない。共沈法、スプレードライ法などが挙げられる。
本発明におけるインターコネクターは、固体酸化物形燃料電池の発電温度の空気雰囲気および燃料ガス雰囲気において電子導電性が高い、ガス透過性が無い、酸化還元雰囲気に対して安定であるものが好ましい。この観点からランタンクロマイトが最も好ましい。
ランタンクロマイトは、難焼結性であるため固体酸化物形燃料電池の焼成温度(1500℃以下)でガス透過性の無いインターコネクターを作製することが難しい。焼結性を向上させるためにCa,Sr,Mgを固溶させて用いていることが好ましい。焼結性が最も高く、固体酸化物形燃料電池の他材料と同程度の温度でガス透過性の無い膜を作製できるという点からCaを固溶させたものが最も好ましい。
インターコネクターに用いられるCaを固溶させたランタンクロマイトの固溶量については、特に限定はない。Ca固溶量が多いほど電子導電性が高くなるが、材料の安定性が低下することからCaの固溶量としては10〜40mol%程度が好ましい。
本発明における固体酸化物形燃料電池の形状については特に限定はなく、平板型、円筒型いずれであっても良い。なお、平板型ではインターコネクターをセパレータと呼び、役割はインターコネクターと同様である。セパレータの場合は、耐熱ステンレス等の金属であっても良い。
本発明における固体電解質型燃料電池はマイクロチューブのタイプ(外径10mm以下より好ましくは5mm以下)にも適応可能である。
(実施例1)
図1に示す円筒型固体酸化物形燃料電池を用いた。すなわち、円筒状の空気極支持体1上に帯状のインターコネクター2、電解質膜3、さらに電解質膜の上にインターコネクターと接触しないように燃料極4から構成されたもので、図2に示すように空気極と電解質膜に間には空気側電極反応層1bが設けられ、燃料極と電解質膜の間には燃料側電極反応層4bを設けたタイプのものを用いた。
(1)空気極支持体の作製
空気極の組成は、La0.75Sr0.25MnO3組成で表されるSrを固溶させたランタンマンガナイトで、共沈法で作製後熱処理して空気電極原料粉末を得た。平均粒子径は、30μmであった。押し出し成形法によって円筒状成形体を作製した。さらに、1500℃で焼成を行い、空気極支持体とした。
(2)空気側電極反応層の作製
空気側電極反応層の組成としては、La0.75Sr0.25MnO3/ 90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3=50/50を用いた。La,Sr,Mn,ZrおよびScの各々の硝酸塩水溶液を用いて、前記組成になるように調合した後、シュウ酸による共沈を行った。さらに熱処理を施し、粒径を制御した原料粉末を得た。平均粒子径は2μmであった。該空気側電極反応層の原料粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルソン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリーの粘度は100mPasであった。前記スラリーを、空気極支持体(外径15mm、肉厚1.5mm、有効長400mm)上にスラリーコート法で成膜した後に1400℃で焼結させた。厚さは20μmであった。
(3)電解質膜のスラリー作製:
電解質膜の組成は、90 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3で、Zr,ScおよびYの各々の硝酸塩水溶液を用いて、前記組成になるように調合した後、シュウ酸による共沈を行った。さらに熱処理を施し、粒径を制御した原料粉末を得た。平均粒子径は0.5μmであった。該粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルソン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリー粘度は140mPasであった。
(4)電解質膜の作製
空気側電極反応層上に、スラリーコート法で成膜し、1400℃で焼成した。得られた電解質の厚さは、30μmであった。なお、後工程でインターコネクターを成膜する部分についてはマスキングを施し、膜が塗布されないようにしておいた。
(5)燃料側電極反応層のスラリー作製
燃料側電極反応層は、NiO/90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3とし、Ni,ZrおよびSc各々の硝酸塩水溶液を用いて、前記組成になるように調合した後、シュウ酸による共沈を行った。さらに、熱処理を施し、粒径を制御した後原料を得た。燃料側電極反応層の組成は、NiO/90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3 =20/80と、50/50の2種類を作製し、平均粒子径はいずれも0.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)10重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリーの粘度は70mPasであった。
(6)燃料極のスラリー作製:
燃料極は組成をNiO/90 mol%ZrO2-10mol%Y2O3=70/30とし、Ni,ZrおよびY各々の硝酸塩水溶液を用いて前記組成になるように調合した後、シュウ酸による共沈を行った。さらに熱処理を施し、粒径を制御した後原料を得た。平均粒径は2μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)20重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリーの粘度は250mPasであった。
(7)燃料極の作製
燃料極の面積が150cm2になるように電池へマスキングをし、前記燃料側電極反応層をまずスラリーコート法により電解質上へNiO/90 mol%ZrO2-10mol%Sc2O3 =20/80(平均粒子径0.5μm)、50/50(0.5μm)の順に成膜した。膜厚(焼成後)は10μmとした。この上に、燃料極をスラリーコート法により成膜した。膜厚(焼成後)は90μmとした。さらに、1400℃で焼成した。
(8)インターコネクターの作製:
インターコネクターの組成をLa0.80Ca0.20CrO3、で表されるCaを固溶させたランタンクロマイトとし、噴霧熱分解法で作製後、熱処理を施して得た。得られた粉末の平均粒子径は1μmであった。該粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエタレンアルキルソン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。このスラリー粘度は100mPasであった。スラリーコート法によりインターコネクターを成膜し、1400℃で焼成した。焼成後の厚みは40μmであった。
(9)発電試験
得られた電池(燃料極有効面積:150cm2)を用いて発電試験を行った。このときの運転条件は以下の通りであった。
燃料:(H2+ 11%H2O):N2 = 1:2
酸化剤:Air
発電温度:800℃
電流密度:0.3Acm-2
(10)ガス漏れ試験
発電試験前に空気極支持体内部に窒素ガスを流し、空気極内部から0.1MPaの圧力を加え、電解質膜を透過するガス透過量を測定した。これにより電解質膜がガス透過性の無い膜であるかを評価した。
(11)電解質膜表面の粒子の粒度分布測定
前記方法で作製した電池の電解質膜の膜表面を日立製作所(株)製S-4100を用いてSEM観察し、電解質膜表面を300倍の倍率で撮影した。さらに、撮影した写真でプラニメトリック法で結晶粒径を算出した。
(実施例2)
電解質膜の焼成温度が1350℃であること以外は実施例1と同様とした。
(実施例3)
電解質膜の焼成温度が1500℃であること以外は実施例1と同様とした。
(実施例4)
電解質膜の焼成温度が1420℃であること以外は実施例1と同様とした。
(実施例5)
電解質膜の焼成温度が1430℃であること以外は実施例1と同様とした。
(実施例6)
電解質膜の焼成温度が1450℃であること以外は実施例1と同様とした。
(実施例7)
電解質膜の焼成温度が1470℃であること以外は実施例1と同様とした。
(比較例1)
電解質膜の焼成温度が1300℃であること以外は実施例1と同様とした。
(比較例2)
電解質膜の焼成温度が1520℃であること以外は実施例1と同様とした。
(比較例3)
電解質膜の組成が92 mol%ZrO2-8mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様にした。
表1に3%径、97%径、平均結晶粒径、800℃の電流密度0.3Acm-2における電位および電解質膜のガス透過量の結果を示す。燃料電池の実用において、出力密度と発電効率のバランスを考慮すると、例えば電流密度0.3Acm-2の場合は電池の電位が0.6V以上であることが好ましい。実施例1〜7においては電位が0.6V以上で、ガス透過量Q≦2.8×10-9ms-1Pa-1をいずれの条件においても達成していることがわかる。一方、比較例1においては電位が0.45V,ガス透過量が28×10-9ms-1Pa-1となりいずれも不十分であり、比較例2ではガス透過量Q≦2.8×10-9ms-1Pa-1は満たしているものの電位が0.55Vと低い。比較例3ではより好ましいガス透過量Q≦2.8×10-10ms-1Pa-1を満たし、かつ3%径が3μm、97%径が13μmであるにも関わらず電位については実施例1〜3と比較して低い。YSZ材料はさらに発電温度が低下すると酸素イオン導電率が大きく低下し、電位低下が大きくなる。それゆえ、SSZを含むSSZ/YSZと比較して電位低下が大きくなると考えられ、好ましくない。以上の結果から電解質膜はSSZ/YSZからなり、膜の粒子の粒度分布における3%径が3μm以上であり、かつ97%径が50μm以下であることが好ましいことがわかった。
Figure 0004524791
ここで示す平均結晶粒径とは、前記プラニメトリック法で測定された膜表面粒子の粒度分布におけるの50%径に相当する粒子の粒径である。
(12)耐久試験
実施例1〜7および比較例1、2の電池について、前記発電試験の条件下で1000時間保持した。室温まで下げた後、再度800℃まで昇温し同様の条件で500時間保持した。再度室温まで下げた後、800℃まで昇温し同様の条件で500時間保持した。このようにヒートサイクルを2回含む合計2000時間の耐久試験を実施した。
燃料:(H2+11%H2O):N2 = 1:2
酸化剤:Air
発電温度:800℃
電流密度:0.3Acm-2
表2に実施例1〜7および比較例1、2の耐久試験における電位変化を示す。1回目の1000時間耐久では実施例1〜7での電位低下は認められなかったが、比較例1,2では電位低下が認められた。さらに、ヒートサイクル後に耐久試験を行うと、実施例1,2および4においては電位変化が認められなかったが、実施例3,5,6においては徐々に電位が低下する傾向が見られた。比較例1および2と比較すると、低下の割合は低いので好ましい。以上の結果から、耐久性を考慮すると、SSZ/YSZにおける膜の粒子の粒度分布における3%径は3μm以上であり、かつ97%径が20μm以下であることがより好ましいことが確認された。なお、比較例2では、電位低下が大きいが燃料極の剥がれが有り、これが大きく電位を低下させた原因であると考えられた。他の電池については、試験後に燃料極の剥がれ等の変化は見られなかった。
Figure 0004524791
SSZ/YSZの組成について
(実施例8)
電解質膜の組成が97 mol%ZrO2-1.5mol%Sc2O3-1.5mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例9)
電解質膜の組成が94 mol%ZrO2-3mol%Sc2O3-3mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例10)
電解質膜の組成が92 mol%ZrO2-4mol%Sc2O3-4mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例11)
電解質膜の組成が88 mol%ZrO2-6mol%Sc2O3-6mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例12)
電解質膜の組成が98 mol%ZrO2-1mol%Sc2O3-1mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例13)
電解質膜の組成が85 mol%ZrO2-7.5mol%Sc2O3-7.5mol%Y2O3であること以外は実施例1と同様にした。
表3に800℃の電流密度0.3Acm-2における電位および電解質膜のガス透過量の結果を示す。電解質膜のガス透過においては電解質膜として要求されるガス透過量Q≦2.8×10-9ms-1Pa-1をいずれの条件においても達成しているが、実施例12、13においてはより好ましいガス透過量Q≦2.8×10-10ms-1Pa-1を満たしていないことがわかる。電位においては実施例1、実施例8〜11においては0.6Vを上回っているのに対し、実施例12、13においてはわずかながら0.6Vを下回っている。以上の結果から、実施例12、13よりは、実施例1、8〜11が好ましいことがわかった。膜表面の粒子の粒度分布についてはいずれの実施例においても3%径が3μm以上であり、かつ97%径が50μm以下であることが確認された。以上の結果から電解質膜がSSZ/YSZからなりスカンジアとイットリアの固溶量の合計が3〜12mol%の範囲が好ましいことが確認された。また、実施例1、実施例10および実施例11においては実施例8および実施例9の結果と比較して電位が高いことからスカンジアとイットリアの固溶量の合計が8〜12 mol%であるとより好ましいことが確認された。
Figure 0004524791
SSZ/YSZにおけるスカンジアの固溶比率について
(実施例14)
電解質膜の組成は、90 mol%ZrO2-2mol%Sc2O3-8mol%Y2O3(20%) であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例15)
電解質膜の組成は、90 mol%ZrO2-7mol%Sc2O3-3mol%Y2O3(70%) であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例16)
電解質膜の組成は、90 mol%ZrO2-9mol%Sc2O3-1mol%Y2O3(90%) であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例17)
電解質膜の組成は、90 mol%ZrO2-1.5mol%Sc2O3-8.5mol%Y2O3(15%) であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例18)
電解質膜の組成は、90 mol%ZrO2-9.5mol%Sc2O3-0.5mol%Y2O3(95%) であること以外は実施例1と同様にした。
表4に800℃の電流密度0.3Acm-2における電位、電解質膜のガス透過量および電解質膜表面の粒子の粒度分布の結果を示す。実施例1、14、15および16においては電位が高く、ガス透過量においても電解質膜としてより好ましいガス透過量Q≦2.8×10-10ms-1Pa-1となっている。一方、実施例17では、ガス透過量はより好ましいガス透過量Q≦2.8×10-10ms-1Pa-1であるが電位は他の実施例と比較して低く、実施例18では、電位は高いがガス透過量に関してはQ≦2.8×10-9ms-1Pa-1であるもののより好ましいガス透過量Q≦2.8×10-10ms-1Pa-1よりは悪くなっている。膜表面の粒子の粒度分布についてはいずれの実施例においても3%径が3μm以上であり、かつ97%径が50μm以下であることが確認された。以上の結果から、SSZ/YSZにおけるスカンジアの固溶比率は20〜90%であることが好ましいことが確認された。
Figure 0004524791
<セリア、酸化ビスマスの固溶について>
(実施例19)
電解質膜の組成は、89 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-1mol%CeO2であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例20)
電解質膜の組成は、85 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-5mol%CeO2であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例21)
電解質膜の組成は、84 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-6mol%CeO2であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例22)
電解質膜の組成は、89 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-1mol%Bi2O3であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例23)
電解質膜の組成は、85 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-5mol%Bi2O3であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例24)
電解質膜の組成は、84 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-6mol%Bi2O3であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例25)
電解質膜の組成は、89 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-0.5mol%CeO2-0.5mol%Bi2O3であること以外は実施例1と同様にした。
(実施例26)
電解質膜の組成は、88 mol%ZrO2-5mol%Sc2O3-5mol%Y2O3-3mol%CeO2-3mol%Bi2O3であること以外は実施例1と同様にした。
表5に800℃の電流密度0.3Acm-2における電位、電解質膜のガス透過量および電解質膜表面の結晶粒径の結果を示す。まず、実施例1、19、20、21からセリア固溶量について比較すると、セリアを5mol%まで加えた実施例19と20についてはセリアを固溶させていない実施例1より電位が高くなっているが、実施例21では低下していることがわかる。電解質膜のガス透過量についてはセリアの固溶量が多いほど値が大きくなっているが、いずれもQ≦2.8×10-9ms-1Pa-1であり問題ない。膜表面の粒子の粒度分布についてはいずれの実施例においても3%径が3μm以上であり、かつ97%径が50μm以下の範囲に入っていることが確認された。以上の結果から出力性能の観点からセリアの固溶量は5mol%以下が好ましいことが確認された。
Figure 0004524791
実施例1、22、23、24から酸化ビスマス固溶量について比較すると、酸化ビスマスを固溶させると電解質膜のガス透過量が低下していることがわかる。電位については5mol%固溶まではほとんど変化していないが6mol%固溶させると低下していることがわかる。膜表面の粒子の粒度分布における97%径が酸化ビスマス固溶量に依存して大きくなる傾向が見られた。以上の結果から酸化ビスマスを固溶させることによってさらに低温で焼結させることができることがわかったが5mol%より多く固溶させると出力が低下する傾向が見られたので酸化ビスマスの固溶量としては5mol%以下が好ましいことがわかった。
実施例25、26はセリアと酸化ビスマスを固溶させた結果である。セリアのみを固溶させたものと酸化ビスマスを固溶させたものの結果と比較すると電位、ガス透過量および膜表面の粒子の粒度分布いずれの結果もセリア固溶の結果と酸化ビスマス固溶の結果の間に入っているのがわかる。以上の結果から、セリアと酸化ビスマスの合計固溶量についても5mol%以下が好ましいことが確認された。

<発電温度の効果>
実施例1と比較例1について発電温度700〜1000℃で発電試験を実施した。運転条件を以下に示す。
燃料:(H2+11%H2O):N2 = 1:2
酸化剤:Air
発電温度:700〜1000℃
電流密度:0.3Acm-2
図3に実施例1、比較例1、比較例2および比較例3の700〜1000℃における電位を示す。比較例3においては1000℃では実施例とほぼ同じだが、900℃以下になると電位低下が大きくなっている。比較例1、比較例2では1000℃で電位が低く、低温になるにつれて比較例3と同じような電位低下をしている。一方、実施例1では700〜1000℃において電位低下が小さく、700℃においても0.6V以上の電位を有していることがわかる。以上の結果から、電解質膜をSSZ/YSZとし、かつ電解質膜の結晶粒径の適正化を図ることで、700℃程度の低温下においても高い出力性能を有することを確認することができた。
円筒タイプの固体酸化物形燃料電池の断面を示す図である。 図1に示す固体酸化物形燃料電池の空気極、電解質膜および燃料極構成について詳細に示した断面図である。 発電温度(横軸)と試験電池の発電電位(縦軸)の関係を示すグラフである。
符号の説明
1:空気極支持体
2:インターコネクター
3:電解質膜
4:燃料極
1b:空気側電極反応層
4b:燃料側電極反応層

Claims (3)

  1. 電解質膜の片面に空気極、その反対面に燃料極を配置した単電池と、電気的接続の役割を有するインターコネクターと、を備えた固体酸化物形燃料電池であって、
    前記電解質膜が少なくともスカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層からなり、
    前記電解質膜膜表面における結晶粒の粒度分布において、3%径が3μm以上で、かつ97%径が50μm以下であって、
    前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層中のスカンジアとイットリアの合計固溶量が3〜12mol%であり、
    前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層には、さらにセリアを5mol%以下固溶させていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 電解質膜の片面に空気極、その反対面に燃料極を配置した単電池と、電気的接続の役割を有するインターコネクターと、を備えた固体酸化物形燃料電池であって、
    前記電解質膜が少なくともスカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層からなり、
    前記電解質膜膜表面における結晶粒の粒度分布において、3%径が3μm以上で、かつ97%径が50μm以下であって、
    前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層中のスカンジアとイットリアの合計固溶量が3〜12mol%であり、
    前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層には、さらにBi2O3を5mol%以下固溶させていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  3. 電解質膜の片面に空気極、その反対面に燃料極を配置した単電池と、電気的接続の役割を有するインターコネクターと、を備えた固体酸化物形燃料電池であって、
    前記電解質膜が少なくともスカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層からなり、
    前記電解質膜膜表面における結晶粒の粒度分布において、3%径が3μm以上で、かつ97%径が50μm以下であって、
    前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層中のスカンジアとイットリアの合計固溶量が3〜12mol%であり、
    前記スカンジアとイットリアを固溶させたジルコニアからなる層には、さらにセリアとBi2O3を合計5mol%以下固溶させていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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