JP4522551B2 - X線ctシステムおよびその操作コンソール並びにそれらの制御方法および記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線照射によって被検体のX線断層像を得るX線CT(Computerized Tomograpy )システムおよびその操作コンソール並びにそれらの制御方法および記憶媒体に関し、特に、騒音制御の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線CTシステムは、X線管等の高熱を発する構成要素を具備するため、これらの構成要素の近傍やガントリカバーとよばれるハウジングの排気口の近傍等に冷却用ファンを取り付け、その冷却用ファンを高速回転させることにより効果的に放熱することを可能にしている。
【0003】
その一方で、このような冷却用ファンは騒音を発生するという問題がある。騒音は、患者や操作者の不快を伴うにとどまらず、操作者の作業能率の低下を招いたり、患者の脈拍の増加、血圧の上昇等の悪影響をもたらすことがある。冷却用ファンの回転数を低く設定すれば騒音は減るものの、当然、放熱効果が落ちるため、使用可能なX線管電流や連続撮影枚数といったX線CTシステムの基本性能を落とさざるを得ない。
【0004】
従来より、このような問題の対応策として、または省電力化を目的として、システムの状態や撮影条件に基づいて回転数を自動制御する自動可変型の冷却用ファンを使用するものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる自動可変型の冷却用ファンでは、冷却用ファンの回転数の変動に伴って騒音レベルも患者や操作者の思惑とは無関係に変動することになる。このような騒音レベルの変動は却って耳障りとなり、患者や操作者に与える悪影響の排除に寄与していない。
【0006】
また、騒音に対する許容レベルは患者によって異なるため、患者ごとに騒音への配慮がなされるべきである。しかし、これまで、そのような配慮が可能なX線CTシステムは存在しなかった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、システムの安全性を確保しながら、発生する騒音レベルを制御することが可能なX線CTシステムおよびその操作コンソール並びにそれらの制御方法および記憶媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、例えば本発明のX線CTシステムは、以下の構成を備える。すなわち、
被検体に複数方向からX線を照射するスキャンを行い、該被検体を透過した各方向からのX線より得られる投影データに基づいて該被検体のX線断層像を再構成するX線CTシステムであって、該X線CTシステムを構成する所定の構成要素の近傍に設けられる冷却用ファンと、該冷却用ファンを制御する制御手段と、を備え、該制御手段は、制御モードを指定する制御モード指定手段と、該制御モード指定手段により指定された制御モードに応じて、前記冷却用ファンの駆動を制御する駆動制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
【0010】
(システム構成)
図1は、実施形態にかかるX線CTシステムのブロック構成図である。図示のように本システムは、被検体へのX線照射と被検体を透過したX線を検出するためのガントリ装置100と、ガントリ装置100に対して各種動作設定を行うとともに、ガントリ装置100から出力されたデータに基づいてX線断層像を再構成し、表示する操作コンソール200により構成されている。
【0011】
ガントリ装置100の各構成要素は、安全と体裁上の観点から、ガントリカバー150に覆われている。このガントリカバー150には内部の熱を放出するための吸気口150aおよび排気口150bが形成されている。さらに、排気口150bの近傍には排気効率を高めるための排気口用ファン17が設けられている。この排気口用ファン17の駆動は、排気口用ファンコントローラ17bで制御される排気口用ファンモータ17aにより行われる。
【0012】
ガントリ装置100は、その全体の制御をつかさどるメインコントローラ1をはじめ、以下の構成を備える。
【0013】
2は操作コンソール200との通信を行うためのインタフェース、3はテーブル12上に横たえた被検体を搬送(図面に垂直な方向で以下、Z軸ともいう)するための空洞部を有するガントリであり、内部には、X線発生源であるX線管4(X線管コントローラ5により駆動制御される)、X線の照射範囲を画定するためのスリットを有するコリメータ6、コリメータ6のX線照射範囲を画定するスリット幅の調整モータ7aが設けられている。このモータ7aの駆動はコリメータコントローラ7により制御される。
【0014】
また、ガントリ3には、被検体を透過したX線を検出する検出部8、及び検出部8より得られたデータを収集するデータ収集部9も備える。X線管4及びコリメータ6と、検出部8は互いに空洞部分を挟んで、すなわち、被検体を挟んで対向する位置に設けられ、その関係が維持された状態でガントリ3のまわりを回動するようになっている。この回動は、回転モータコントローラ11からの駆動信号により駆動される回転モータ10によって行われる。また、被検体を乗せるテーブル12は、Z軸向への搬送がなされるが、その駆動はテーブルモータ13によって行われる。
【0015】
さらに、ガントリ3には、X線管4の近傍にX線管冷却用ファン15が、データ収集部9の近傍にはデータ収集部冷却用ファン16が設けられている。このX線管冷却用ファン15の駆動は、X線冷却用ファンコントローラ15bで制御されるX線管冷却用ファンモータ15aにより行われる。また、データ収集部冷却用ファン16の駆動は、データ収集部冷却用ファンコントローラ16bの制御の下でデータ収集部冷却用ファンモータ16aにより行われる。
【0016】
メインコントローラ1は、インタフェース2を介して受信した各種コマンドの解析を行い、それに基づいて上記のX線管コントローラ5、コリメータコントローラ7、回転モータコントローラ11、テーブルモータコントローラ14、データ収集部9、X線管冷却用ファンコントローラ15b、データ収集部冷却用ファンコントローラ16b、そして、排気口ファンコントローラ17bに対し、各種制御信号を出力することになる。また、メインコントローラ1は、データ収集部9で収集されたデータを、インタフェース2を介して操作コンソール200に送出する処理も行う。
【0017】
操作コンソール200は、いわゆるワークステーションであり、図示するように、装置全体の制御を司るCPU51、ブートプログラムやBIOSを記憶しているROM52をはじめ、以下の構成を備える。
【0018】
RAM53は主記憶装置として機能するとともに、後述する騒音モードを記憶するための領域53aが確保されている。HDD54はハードディスク装置であって、ここにOS、ガントリ装置100に各種指示を与えたり、ガントリ装置100より受信したデータに基づいてX線断層像を再構成するための診断プログラムをはじめ、後述する騒音制御プログラム、騒音モードテーブルが格納されている。また、VRAM55は表示しようとするイメージデータを展開するメモリであり、ここにイメージデータ等を展開することでCRT56に表示させることができる。57及び58は、各種設定を行うためのキーボード及びマウスである。
また、59はガントリ装置100と通信を行うためのインタフェースである。
【0019】
(概要)
実施形態におけるX線CTシステムの構成は概ね上記の通りである。かかる構成のX線CTシステムにおいて、X線管4からのX線ビームを被検体に照射し、その透過X線を検出部8で検出する。そして、この透過X線の検出を、X線管4と検出部8を被検体の周囲を回転させながら複数のビュー方向で行う。このような透過X線の測定はスキャンと呼ばれている。そして、スキャンによって得られた複数ビューの検出データは、データ収集部9に収集されて投影データが作成され、メインコントローラ1を介して操作コンソール200に転送される。操作コンソール200は、転送された投影データに基づいて、X線断層画像を再構成し、CRT56に表示出力する。
【0020】
上記したスキャン中、熱を発生するX線管4およびデータ収集部9は各々、X線管冷却用ファン15およびデータ収集部冷却用ファン16の駆動により冷却されるとともに、排気口用ファン17によりガントリカバー150内の熱が強制的に放出される。かかる冷却機構によってシステムの動作安定性を確保しているが、一方で、これらのファンは騒音を発生する。
【0021】
実施形態では、スキャン毎に、操作者の明示的な要求によってこれらのファンを制御し、発生する騒音を制御可能とする。これを実現するために、騒音を制御するための騒音モードを用意する。ここでは、騒音モードとして、「通常モード」、「低騒音モード」、「中間モード」の3つモードを用意するものとし、操作者は各モードを任意に選択することが可能である。もちろん、本発明は特定のモードの数によって限定されるものではない。各モードにおけるファンの回転および特定のスキャン条件の制限は、HDD54に格納されている騒音モードテーブルにより規定されている。操作者が騒音モードを選択すると、選択されたモードに対応するモード値が騒音モード記憶領域53aに記憶されるとともに、騒音モードテーブルの内容に基づいて、各ファンコントローラ15b、16b、17bによって、各ファン15乃至17の回転が「高速」(例えば、4000rpm)/「低速」(例えば、2000rpm)のいずれかになるように制御される。そして、スキャン設定において、特定のスキャン条件については、この騒音モードテーブルに規定されている値以上の値を設定することができないようにする。
【0022】
図2は、騒音モードテーブルの一例を示す図である。騒音モード記憶領域の内容“00”、“01”、“10”(いずれも2進値)は各々、通常モード、中間モード、低騒音モードに対応している。通常モードでは、各ファン15、16、17のすべてを「高速」とし、設定可能な最大X線管電流は例えば440mA、最大スキャン画像枚数は例えば120枚に規定される。中間モードでは、X線管冷却用ファン15を「高速」、データ収集部冷却用ファン16および排気口用ファン17を「低速」とし、設定可能な最大X線管電流は例えば360mA、最大スキャン画像枚数は例えば60枚に規定される。また、低騒音モードでは、各ファン15、16、17のすべてを「低速」とし、設定可能な最大X線管電流は例えば300mA、最大スキャン画像枚数は例えば35枚に規定される。このように、低騒音モードを選択すると、各ファンは低速で駆動制御されることになるためスキャン能力が制限されるようにテーブルの内容が規定されている。
【0023】
(処理の内容)
次に、ガントリ装置100の騒音を制御するための動作について、より詳しく説明する。
【0024】
図3は、システムの電源投入後、HDD54にインストールされている診断プログラムによりスキャンを行うまでの処理の概略を示すフローチャートである。電源を投入するとOSが起動し(ステップS1)、その後、診断プログラムを起動する(ステップS2)。診断プログラムの起動は自動的に行うようにしてよいし、操作者からの要求によって起動させるようにしてもよい。診断プログラムは、ステップS3で、RAM53の騒音モード記憶領域53aの内容をリセットする(“00”(2進値)にセットする)。続いて、ステップS4に進み、騒音モードテーブルを参照して、現在の騒音モード(この場合はリセット直後であるから、“00”(2進値)に対応する通常モード)に対応する制御内容に従い、各ファンを制御する。以上の処理を経てX線CTシステムがスタンバイ状態となる。次に、ステップS5で、診断プログラムは騒音制御プログラムをコールする。なお、騒音制御プログラムはこのように診断プログラムから自動的にコールされるが、使用者からの明示的な要求によってもコールすることが可能である。騒音制御プログラムが起動すると、ステップS6に進み、騒音モードを設定する。続くステップS7では、騒音モードテーブルを参照して、設定されたモードに対応する制御内容に従い、各ファンを制御する。その後、スキャン設定を行い(ステップS8)、スキャンを実行する(ステップS9)。
【0025】
次に、図3のステップS6の騒音モードの設定について、詳しく説明する。
【0026】
図4は、騒音モード設定の処理を示すフローチャートである。ステップS5(図3を参照)で騒音制御プログラムが起動すると、まずステップS601で、騒音モードを選択する。このとき例えば、図6に示すような騒音モード選択画面がCRT56に表示される。操作者はこの選択画面上で、マウス58またはキーボード57を使用して所望の騒音モードを選択することができる。
【0027】
次に、ステップS602に進み、選択された騒音モードが通常モードであるか否かを判定する。通常モードであれば、ステップS603に進み、騒音モード記憶領域53aに通常モードであることを示す“00”(2進値)を記憶して、騒音モード設定処理を終了する。通常モードでなければ、ステップS604に進み、選択された騒音モードが中間モードであるか否かを判定する。ここで、中間モードであったときは、ステップS605に進み、騒音モード記憶領域53aに中間モードであることを示す“01”(2進値)を記憶して、騒音モード設定処理を終了する。また、ステップS604の判定が中間モードでなければ、ステップS606に進み、低騒音モードであるか否かを判定する。ここで、低騒音モードであったときは、ステップS607に進み、騒音モード記憶領域53aに低騒音モードであることを示す“10”(2進値)を記憶して、騒音モード設定処理を終了する。また、ステップS606の判定が低騒音モードでなければ、そのまま処理を終える。以上の処理により騒音モードが選択され、その騒音モードが記憶された。
【0028】
次に、図3のステップS8のスキャン設定処理について、詳しく説明する。
【0029】
図5は、スキャン設定の処理を示すフローチャートである。まず、ステップS801で、現在の騒音モードに対応するスキャン制約条件を騒音モードテーブルより読み出す。次に、ステップS802で、操作者がスキャン条件を入力する。このとき例えば、図7に示すようなスキャン設定画面がCRT56に表示され、操作者は各項目毎に所望の数値を入力していく。次に、ステップS803で、入力されたスキャン条件のうち、ステップS801で読み出したスキャン制約条件に適合しないものがあるかどうかを判定する。適合しない入力値がある場合には、ステップS804に進み、当該入力値を例えば赤色等の目立つ色で表示して操作者に注意を促し、ステップS802に戻る。操作者に注意を促すためであるから、このように表示色を変えるもののほか、警告音を発するようにしてもよいし、別の警告ウィンドウをポップアップ表示させるようにしてもよい。ステップS803において、スキャン制約条件に適合しない入力値がなければ、ステップS805に進み、この入力値でよければ、ステップS806に進み、修正の必要があればステップS802に戻る。ステップS806では、確定したスキャン条件をRAM53に記憶して、このスキャン設定処理を終える。
【0030】
以上説明したように、操作者の明示的な要求によって、発生する騒音レベルを制御することが可能である。また、騒音レベルの低く抑える場合には、各ファンの回転数を低く設定することになるため、設定可能なスキャン条件に制約が自動的に加えられるため、システムの安全を確保することができる。
【0031】
(他の実施形態)
上記した実施形態は、ガントリ装置100に備えられているX線管冷却用ファン15、データ収集部冷却用ファン16、および排気口用ファン17の各々の回転数を制御する例であったが、排気効率をよりいっそう高めるために排気口用ファン17および排気口用ファンモータ17aを複数個備えるシステムにおいては、各排気口用ファン17の回転数ではなく、動作させる排気口用ファン17の数量を制御するようにしてもよい。このような排気口用ファン17を多数備えるシステムにおいては、X線管冷却用ファン15、データ収集部冷却用ファン16の制御は特に行わずに、各排気口用ファン17の動作数量を制御するだけで十分な効果を奏する。
【0032】
図8は、ガントリカバー150の上面図であり、排気口用ファン17が15個設けられていることを示している。図示はしないが、各排気口用ファン17には対応する排気口用ファンモータ17aが設けられている。このように多数の排気口用ファン17、排気口用ファンモータ17aを備えるシステムに対しても、上記した実施形態の如く、各ファンモータ17aに対して排気口用ファンコントローラ17bを設け、回転数を制御することが可能であることは理解できよう。しかしながら、設けられるファンがこのように増えると、ファンの回転数制御およびその設定が複雑になる。そこで、排気口用ファン(排気口用ファンモータ)を小数のファンブロック(ファンモータブロック)にグループ化して、ファンブロック毎に動作のオン/オフを制御するようにする。
【0033】
例えば、排気口用ファン17に対応する各排気口用ファンモータ17aは、図9に示すように、両端列にある計6個のファンモータからなる17a1と、中央部の9個のファンモータからなるファンモータブロック17a2とにグループ化する。そして、図示のように、ファンモータブロック17a1は、リレーR1を介して電源に接続されている。また、ファンモータブロック17a2は、リレーR2を介して電源に接続されている。かかる構成によれば、リレーR1をONにするとファンモータブロック17a1に電源が供給され、対応する各ファンモータ17aが駆動する。リレーR1をOFFにすれば、ファンモータブロック17a1への電源は遮断され、対応する各ファンモータ17aの駆動が停止する。同様に、リレーR2をONにするとファンモータブロック17a2に電源が供給され、対応する各ファンモータ17aが駆動する。リレーR2をOFFにすれば、ファンモータブロック17a2への電源は遮断され、対応する各ファンモータ17aの駆動が停止する。
【0034】
これら2つのリレーのON/OFFの組み合わせによって、例えば、「通常モード」と「低騒音モード」の、2つのモードを用意することができる。図10は、この2つのモードの内容を示す騒音モードテーブルの一例を示す図である。騒音モード記憶領域の内容“0”、“1”(いずれも2進値)は各々、通常モード、低騒音モードに対応している。通常モードでは、リレーR1、R2の両方をONとし、設定可能な最大X線管電流は例えば440mA、最大スキャン画像枚数は例えば120枚に規定することを示している。また、低騒音モードでは、リレーR1をOFF、R2をONとし、設定可能な最大X線管電流は例えば300mA、最大スキャン画像枚数は例えば35枚に制限することを示している。
【0035】
図11は、上記15個の排気口用ファンモータを3段階のモードで制御することを可能にするための、別の形態による接続図である。図11において、両端列にある計6個のファンモータからなるファンモータブロック17a1と、中央部の9個のファンモータのうち上端行および下端行にある計6個のファンモータからなるファンモータブロック17a2と、中央部の9個のファンモータのうち中間行にある3個のファンモータからなるファンモータブロック17a3とにグループ化する。そして、図示のように、ファンモータブロック17a1は、リレーR1を介して電源に接続され、ファンモータブロック17a2は、リレーR2を介して電源に接続されている。また、ファンモータブロック17a3は、リレーR3を介して電源に接続されている。かかる構成によれば図9と同様に、リレーR1乃至R3の各々のON/OFFによって、対応するファンモータブロックへの電源の供給/遮断を切り換え、各ファンモータの動作を制御することができる。
【0036】
これら3つのリレーのON/OFFの組み合わせによって、例えば、「通常モード」、「中間モード」、および「低騒音モード」の、3つのモードを用意することができる。図12は、この3つのモードの内容を示す騒音モードテーブルの一例を示す図である。騒音モード記憶領域の内容“00”、“01”、“10”(いずれも2進値)は各々、通常モード、中間モード、低騒音モードに対応している。通常モードでは、リレーR1、R2、R3をいずれもONとし、設定可能な最大X線管電流は例えば440mA、最大スキャン画像枚数は例えば120枚に規定することを示す。中間モードでは、リレーR1をOFF、R2およびR3をONとし、設定可能な最大X線管電流は例えば360mA、最大スキャン画像枚数は例えば60枚に制限することを示す。また、低騒音モードでは、リレーR1およびR2をOFF、R3をONとし、設定可能な最大X線管電流は例えば300mA、最大スキャン画像枚数は例えば35枚に規定することを示す。
【0037】
以上の接続および騒音モードテーブルを使用して、図3乃至5に示した処理手順に従えば、リレーのオン/オフ動作の組み合わせによる比較的簡単な構成によって、本発明を実現することができる。
【0038】
なお、実施形態におけるX線CTシステムの制御のほとんどは操作コンソール200において行った。操作コンソール200の構成自体は、汎用の情報処理装置(ワークステーションやパーソナルコンピュータ等)で実現できるものであるので、ソフトウェアを同装置にインストールし、それでもって実現することも可能である。
【0039】
つまり、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても実現できるものである。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0040】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図3乃至図5に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、システムの安全性を確保しながら、発生する騒音レベルを制御することが可能なX線CTシステムおよびその操作コンソール並びにそれらの制御方法および記憶媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のX線CTシステムのブロック構成図である。
【図2】騒音モードテーブルの一例を示す図である。
【図3】実施形態における診断プログラムによりスキャンを行うまでの処理の概略を示すフローチャートである。
【図4】実施形態における騒音モード設定の処理を示すフローチャートである。
【図5】実施形態のスキャン設定の処理を示すフローチャートである。
【図6】騒音モード選択画面の一例を示す図である。
【図7】スキャン設定画面の一例を示す図である。
【図8】他の実施形態に係るガントリカバーの上面図である。
【図9】他の実施形態に係る排気口用ファンモータの接続形態の一例を示す図である。
【図10】他の実施形態に係る騒音モードテーブルの一例を示す図である。
【図11】他の実施形態に係る排気口用ファンモータの接続形態の一例を示す図である。
【図12】他の実施形態に係る騒音モードテーブルの一例を示す図である。
Claims (6)
- 被検体に複数方向からX線を照射するスキャンを行い、該被検体を透過した各方向からのX線より得られる投影データに基づいて該被検体のX線断層像を再構成するX線CTシステムであって、
該X線CTシステムを構成する所定の構成要素の近傍に設けられる冷却用ファンと、
該冷却用ファンを制御する制御手段と、
を備え、
該制御手段は、
通常の制御モードと騒音の程度を前記通常の制御モードよりも低くする制御モードとを含む複数の制御モードから、操作者により、スキャン毎に、選択的に指定可能とする制御モード指定手段と、
該制御モード指定手段により指定された制御モードに応じて、前記冷却用ファンの駆動を制御する駆動制御手段と、
前記制御モード指定手段により指定された制御モードに応じて、スキャン条件の設定可能範囲を規定する手段と
を備えることを特徴とするX線CTシステム。 - 前記制御モード毎に、前記冷却用ファンの速度に関する情報及びスキャン条件に関する情報が記憶された制御モードテーブルをさらに備え、
前記駆動制御手段は、前記制御モードテーブルに基づいて前記冷却用ファンの駆動を制御するものであり、
前記駆動制御手段は、前記制御モードテーブルに基づいて前記スキャン条件の設定可能範囲を規定するものである
ことを特徴とする請求項1に記載のX線CTシステム。 - 前記冷却用ファンは、複数設けられ、
前記制御モードテーブルは、前記複数の冷却用ファンそれぞれの速度に関する情報が記憶されているものであることを特徴とする請求項2に記載のX線CTシステム。 - 被検体に複数方向からX線を照射するスキャンを行い、該被検体を透過した各方向からのX線より得られる投影データに基づいて該被検体のX線断層像を再構成するX線CTシステムの操作コンソールであって、
該X線CTシステムを構成する所定の構成要素の近傍に設けられる冷却用ファンと、
該冷却用ファンを制御する制御手段と、
を備え、
該制御手段は、
通常の制御モードと騒音の程度を前記通常の制御モードよりも低くする制御モードとを含む複数の制御モードから、操作者により、スキャン毎に、選択的に指定可能とする制御モード指定手段と、
該制御モード指定手段により指定された制御モードに応じて、前記冷却用ファンの駆動を制御する駆動制御手段と、
前記制御モード指定手段により指定された制御モードに応じて、スキャン条件の設定可能範囲を規定する手段と
を備えることを特徴とするX線CTシステムの操作コンソール。 - 被検体に複数方向からX線を照射するスキャンを行い、該被検体を透過した各方向からのX線より得られる投影データに基づいて該被検体のX線断層像を再構成するX線CTシステムの操作コンソールの制御方法であって、
該X線CTシステムを構成する所定の構成要素の近傍に設けられる冷却用ファンを制御する制御工程を備え、
該制御工程は、
通常の制御モードと騒音の程度を前記通常の制御モードよりも低くする制御モードとを含む複数の制御モードから、操作者により、スキャン毎に、選択的に指定可能とする制御モードを指定する制御モード指定工程と、
前記制御モード指定工程で指定された制御モードに応じて、前記冷却用ファンの駆動を制御する駆動制御工程と、
前記制御モード指定工程で指定された制御モードに応じて、スキャン条件の設定可能範囲を規定する工程と
を有することを特徴とするX線CTシステムの操作コンソールの制御方法。 - 被検体に複数方向からX線を照射するスキャンを行い、該被検体を透過した各方向からのX線より得られる投影データに基づいて該被検体のX線断層像を再構成するX線CTシステムの操作コンソール用の制御プログラムコードを格納する記憶媒体であって、
該X線CTシステムを構成する所定の構成要素の近傍に設けられる冷却用ファンを制御する制御工程のプログラムコードを備え、
該制御工程のプログラムコードは、
通常の制御モードと騒音の程度を前記通常の制御モードよりも低くする制御モードとを含む複数の制御モードから、操作者により、スキャン毎に、選択的に指定可能とする制御モード指定工程のプログラムコードと、
前記制御モード指定工程で指定された制御モードに応じて、前記冷却用ファンの駆動を制御する駆動制御工程のプログラムコードと、
前記制御モード指定工程で指定された制御モードに応じて、スキャン条件の設定可能範囲を規定する工程のプログラムコードと
を有することを特徴とする記憶媒体。
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