JP4522404B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は画像処理装置に関し、特にそれぞれが1つの層に対応した複数のフレームバッファの画像データを読み込み、重ね合わせて表示する画像処理装置に関する。
従来、表示装置に複数のウィンドウを重畳表示させる場合、下記の2種類に大別される方法を用いて画像を表示していた。第1の方法は、シングルバッファやダブルバッファで構成される単一層のフレームバッファに、各ウィンドウの画像の描画やコピーを行って画像に色を書き込み、その結果を読み出して表示装置に出力する方法である。パーソナルコンピュータやワークステーションのウィンドウシステム、ゲーム機が代表的である。第2の方法は、例えば、グラフィックスメモリ中に確保された複数層のフレームバッファの画像データをそれぞれ読み出して重畳し、表示装置に出力する方法である。カーナビゲーションや産業用機器などの組み込みシステムにおけるディスプレイシステムが代表的である。
第1の方法を代表するパーソナルコンピュータやワークステーションにおいては、単一層のフレームバッファ中に複数のウィンドウが存在する場合でも、各ウィンドウは一般的に不透明で相互に独立しているため、ウィンドウ同士が重なり合う領域を自動的に検出するだけで、上層のウィンドウの陰に隠れて見えない下層のウィンドウ画素の無駄な描画を抑止する機能を実現できた。またゲーム機においてメニューや得点などを半透明で重ねて表示する場合でも、3DCGは一般に毎フレーム再描画が必要になるため、単一層のフレームバッファにウィンドウを毎フレームコピーして合成する方法を採用しても無駄にはならなかった。
これに対し第2の方法を代表するカーナビゲーションにおいては、ウィンドウ中に不透明領域、透明領域、半透明領域が混在する使用例は珍しくなく、重畳された下層のフレームバッファに属するウィンドウであっても、上層から透けて見える場合があるため、下層側のウィンドウの画素でも省略せずにグラフィックスメモリから読み込む必要があった。
また、2D地図のようなコンテンツでは、毎フレーム再描画するのではなく、描画済み画面をスクロールさせて何フレーム分も再利用する手法が多用されていた。従って、単一層のフレームバッファにウィンドウを毎フレームコピーして合成する方法では、画面の再利用性が損なわれるため、各ウィンドウを異なる層のフレームバッファに分配し、描画やスクロールを層ごとに独立に実行し、表示装置に表示する直前に、グラフィックスLSI(Large Scale Integration circuit)側で各層を重畳混色処理する手法が採用された。
また、第2の方法において、各層のフレームバッファ単位あるいはウィンドウ単位で、透明、不透明、半透明のいずれかの属性あるいは透過率値を付与し、それに応じて重畳混色処理の方法を切替える手法が存在した(例えば特許文献1参照)。さらには、各層の画素単位で透明、不透明、半透明のいずれかの属性あるいは透過率値を切替え、グラデーションのように細密な重畳混色処理を行う手法も存在した(例えば特許文献2参照)。
しかし、ウィンドウ単位で不透明、透明、半透明のいずれかの均一な透過属性を設定する手法では、上層側に配置されるウィンドウの画像中に、例えば、不透明領域、透明領域、半透明領域が混在していた場合、半透明領域を正しく表示させるためには、ウィンドウの透過属性を半透明に設定する必要があった。この結果、上層側に配置されるウィンドウの画像中の不透明領域に関しては、その領域の画素座標に対応する下層側の画素を読み込む必要がないにも係わらず、無条件に無駄な画素の読み込みが発生していた。逆に、上層側に配置されているウィンドウ画像中の透明領域に関しては、その領域の画素座標に対応する下層側の画素のみ読み込めばよく、上層側におけるウィンドウ画像中の透明領域の画素は読み込む必要がないにも係わらず、無条件に無駄な画素の読み込みが発生するという問題があった。
また、画素単位で不透明、透明、半透明のいずれかの透過属性あるいは透過率値を設定する方式においては、上層側に配置されるウィンドウの画像に、不透明領域、透明領域、半透明領域がどのように分布していようとも、透過属性あるいは透過率値を、無条件に1画素ずつ逐次に判定する必要があった。この結果、上層側に配置されるウィンドウ画像中の不透明領域に関しては、その領域の画素座標に対応する下層側の画素を読み込む必要がないにも係わらず、無条件に無駄な画素の読み込みが発生していた。逆に、上層側に配置されるウィンドウ画像中の透明領域に関しては、その領域の画素座標に対応する下層側の画素のみを読み込めばよく、上層側におけるウィンドウ画像中の透明領域画素は読み込む必要がないにも係わらず、無条件に無駄な画素読み込みが発生するという問題があった。
特開平4−45487号公報 特開平5−225328号公報
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、グラフィックスメモリ装置への無駄なメモリアクセスを減少可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、複数の層のそれぞれに対して設けられた複数のフレームバッファの画像データを読み込み、重ね合わせて表示する、以下のような画像処理装置が提供される。
この画像処理装置は、前記複数のフレームバッファのそれぞれに割り当てられた第1透過属性を格納するフレームバッファ情報格納部と、前記複数のフレームバッファのそれぞれに対応して設けられる一時透過属性保持部と、前記複数のフレームバッファの少なくとも一のフレームバッファに対応して設けられ、前記第1透過属性とは独立の第2透過属性が割り当てられたメモリアクセスマスク領域のマスク情報を格納するマスク情報格納部と、前記マスク情報内のマスク領域を示す情報を参照して、画像データが、前記メモリアクセスマスク領域内にあるか否かを判定するマスク領域内外判定部と、を有し、前記画像データが前記メモリアクセスマスク領域内にあると判定された場合には、前記メモリアクセスマスク領域に割り当てられた前記第2透過属性を前記一時透過属性保持部に保持し、前記画像データが前記メモリアクセスマスク領域内にないと判定された場合には、前記フレームバッファに対応する前記フレームバッファ情報格納部に格納された前記第1透過属性を前記一時透過属性保持部に保持し、更に、前記一時透過属性保持部に保持された前記第1透過属性または前記第2透過属性に基づいて、前記対応するフレームバッファから画像データを読み込む画像データ読み込み部と、前記一時透過属性保持部に保持された前記第1透過属性または前記第2透過属性に基づいて重ね合わせ処理を行う重ね合わせ処理部と、を有する。
また、上記目的を達成するために、複数の層のそれぞれに対して設けられた複数のフレームバッファの画像データを読み込み、重ね合わせて表示する、以下のような画像処理装置が提供される。
この画像処理装置は、前記複数のフレームバッファのそれぞれに割り当てられた第1透過属性を格納するフレームバッファ情報格納部と、前記複数のフレームバッファのそれぞれに対応して設けられる一時透過属性保持部と、前記複数のフレームバッファの少なくとも一のフレームバッファに対応して設けられ、前記第1透過属性とは独立の第2透過属性が割り当てられたメモリアクセスマスク領域のマスク情報を格納するマスク情報格納部と、前記マスク情報内のマスク領域を示す情報を参照して、画像データが、前記メモリアクセスマスク領域内にあるか否かを判定するマスク領域内外判定部と、前記画像データが前記メモリアクセスマスク領域内にないと判定された場合には前記フレームバッファ情報格納部に格納された前記第1透過属性に基づいて、前記画像データが前記メモリアクセスマスク領域内にあると判定された場合には前記マスク情報格納部に格納された前記第2透過属性に基づいて、対応する前記フレームバッファから画像データを読み込む画像データ読み込み部と、前記第1透過属性または前記第2透過属性に基づいて重ね合わせ処理を行う重ね合わせ処理部と、を有し、前記メモリアクセスマスク領域は、一の前記フレームバッファに対して複数設定され、前記マスク情報格納部は、複数設定された前記メモリアクセスマスク領域に対してそれぞれの優先度を保持し、前記一のフレームバッファに対して複数設定された前記メモリアクセスマスク領域の少なくとも2つが、少なくとも部分的に重なり合い、それぞれの前記第2透過属性が異なっている場合、重なり合った部分の透過属性として、前記優先度の高い前記メモリアクセスマスク領域の前記第2透過属性が選択される。
開示の画像処理装置によれば、無駄なメモリアクセスを減少させることができる。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態の画像処理装置の原理を示す図である。
本発明の実施の形態の画像処理装置10は、例えば、VRAM(Video Random Access Memory)などのグラフィックスメモリ装置20から、それぞれが1つの層に対応した複数のフレームバッファ21−1、21−2、21−3の画像データ(以下画素の画像データまたは単に画素という場合もある)を読み込み、重ね合わせて表示する装置であり、画像データ読み込み部11と、マスク情報格納部12と、マスク領域内外判定部13と、重ね合わせ処理部14とを有する。
画像データ読み込み部11は、透明、半透明または不透明といった透過属性が割り当てられた、複数のフレームバッファ21−1、21−2、21−3または、フレームバッファ21−1、21−2、21−3に属するウィンドウ22−1、22−2、22−3から画像データを走査して読み込む。
ウィンドウ22−1、22−2、22−3とは、フレームバッファ21−1、21−2、21−3が提供する画面領域よりも小さな領域であり、一様な透過属性または画素ごとに透過属性が設定されている。なお、ここでは、各層に1つずつウィンドウ22−1、22−2、22−3を有している場合について示しているが、これ以上であっても以下であってもよい。また、上記では説明を簡略化するためフレームバッファ21−1、21−2、21−3を3層に留めているが、2層でもよいしさらに多くの層を用いてもよい。
マスク情報格納部12は、このフレームバッファ21−1、21−2、21−3またはウィンドウ22−1、22−2、22−3上に定義され、独立の透過属性が割り当てられたメモリアクセスマスク領域(以下マスク領域と略す)23a、23b、23c、23dのマスク情報を格納する。マスク領域23a、23b、23c、23dとは、1つの層における画像データの中で、透過属性が同一となる領域、ということもできる。
マスク領域23a、23b、23c、23dは、フレームバッファ21−1、21−2、21−3またはウィンドウ22−1、22−2、22−3上に定義され、1つのウィンドウ22−1、22−2、22−3内に複数設定してもよい。マスク情報とは、マスク領域23a、23b、23c、23dの透過属性や、大きさや位置の情報、優先度(後述する)などである。これらのマスク情報は、画像処理装置10がフレームバッファ21−1、21−2、21−3から画像データを読み込む前に、マスク情報格納部12に格納される。
マスク領域内外判定部13は、マスク情報を参照して、画像データ読み込み部11において走査中の画像データが、マスク領域23a、23b、23c、23d内にあるか否かを判定する。
重ね合わせ処理部14は、走査中の画像データがマスク領域23a、23b、23c、23d内にある場合には、フレームバッファ21−1、21−2、21−3またはウィンドウ22−1、22−2、22−3の透過属性に係わらず、マスク領域23a、23b、23c、23dに割り当てられた透過属性に応じた重ね合わせ処理を行う。また、走査中の画像データがマスク領域23a、23b、23c、23d外にあれば、読み込む画像データが属するフレームバッファ21−1、21−2、21−3またはウィンドウ22−1、22−2、22−3の透過属性に応じた重ね合わせ処理を行う。そして重ね合わせ処理によって得られたデータを表示装置30に出力して表示させる。なお、図示を省略したが、フレームバッファ21−1、21−2、21−3またはウィンドウ22−1、22−2、22−3の、透過属性、大きさや位置の情報、または重ね順の情報なども画像処理装置10が予め格納している。
以下画像処理装置10の動作を説明する。
なお、以下では、フレームバッファ21−1(第1層)を最上層、フレームバッファ21−2(第2層)を中層、フレームバッファ21−3(第3層)を最下層とした場合について説明する。
また、フレームバッファ21−1、21−2の透過属性は一様であって透明であり、フレームバッファ21−3の透過属性も一様であって不透明であるとする。また、ウィンドウ22−1、22−2、22−3の透過属性は不透明であるとする。また、マスク領域23aは透明、マスク領域23bは半透明、マスク領域23c、23dは不透明であるとする。
画像データ読み込み部11によって、フレームバッファ21−1、21−2、21−3またはウィンドウ22−1、22−2、22−3から画像データを読み込む場合、マスク領域内外判定部13は、マスク情報格納部12に格納されたマスク情報を参照して、走査中の画像データが、マスク領域23a、23b、23c、23d内にあるか否かを判定する。ここで、重ね合わせ処理部14は、走査中の画像データがマスク領域23a、23b、23c、23d内にある場合には、フレームバッファ21−1、21−2、21−3またはウィンドウ22−1、22−2、22−3の透過属性に係わらず、マスク領域23a、23b、23c、23dに割り当てられた透過属性に応じた重ね合わせ処理を行う。走査中の画像データがマスク領域23a、23b、23c、23d外にある場合には、フレームバッファ21−1、21−2、21−3またはウィンドウ22−1、22−2、22−3の透過属性を参照して重ね合わせ処理を行い、その結果得られたデータを表示装置30に出力する。
例として、1の画素を描画する際の、最上層のフレームバッファ21−1から順に、対応する画素の画像データを読み込み、重ね合わせ処理を行う場合について具体的に説明する。画像データ読み込み部11において走査中の最上層の画素24aは、マスク領域23aの範囲外であり、フレームバッファ21−1の透過属性は透明であるので、画像データ読み込み部11は画素24aを読み込まない。中層において画素24aに対応した座標を有する画素24bは、マスク領域23cの範囲内にあるので、中層のフレームバッファ21−2の透過属性によらずマスク領域23cの透過属性が参照される。マスク領域23cの透過属性は不透明であるので、画像データ読み込み部11はその下の最下層のフレームバッファ21−3またはウィンドウ22−3において、その画素24bと対応する位置の画素の読み込みを行わない。これにより、重ね合わせ処理部14は、最下層のフレームバッファの画像データとの重ね合わせを行わず、画素24bを出力する。また、最上層の画素25aも同様に、マスク領域23aの範囲外であり、フレームバッファ21−1の透過属性が透明であるので、画像データ読み込み部11は画素25aを読み込まない。中層において画素25aに対応した座標を有する画素25bは、マスク領域23bの範囲内にあるので、そのマスク領域23bが定義されているウィンドウ22−2の透過属性によらずマスク領域23bの透過属性が参照される。マスク領域23bの透過属性は半透明であるので、重ね合わせ処理部14は、その下の最下層のフレームバッファ21−3において、画素25a、25bに対応した座標を有する画素25cとの混色処理を行い、その結果得られたデータを出力する。一方、最上層の画素26aは、マスク領域23aの範囲内にあるので、マスク領域23aが定義されているウィンドウ22−1の透過属性によらずマスク領域23aの透過属性が参照される。マスク領域23aの透過属性は透明であるので、画像データ読み込み部11は画素26aを読み込まない。中層において、画素26aに対応した座標を有する画素26bはマスク領域23bの範囲外であってウィンドウ22−2に属す。ウィンドウ22−2の透過属性は不透明であるので、画像データ読み込み部11は最下層の画像データの読み込みは行わず、重ね合わせ処理部14は画素26bを出力する。
なお、ここでは、本発明の原理を説明するため最上層からの重ね合わせ処理について説明したが、通常行われる最下層からの重ね合わせによる混色処理を行う場合の処理については後述する。
このように、本発明の実施の形態の画像処理装置10によれば、各層のフレームバッファ21−1、21−2、21−3またはウィンドウ22−1、22−2、22−3内部で、画像データ読み込みのためのメモリアクセスを特定領域のみに限定することができる。特に、最上層からの重ね合わせ処理の場合は、画像データ読み込み部11は、ある画素を描画する際、その画素に対応する画像データを上位の層から順次読み込むとともに、マスク情報により透過属性が不透明となっている層より下位の層は画像データを読み込まない。また、重ね合わせ処理部14は、マスク情報により透過属性が不透明となっている層より下位の層の画像データについては重ね合わせを行わない。その結果、無駄なメモリアクセスを減少させ、メモリバンド幅の利用効率を向上することができる。
以下本発明の実施の形態の詳細を説明する。
図2は、画像処理システムの構成例を示す図である。
図2で示す画像処理システムは、グラフィックスLSI100と、VRAM200と、表示装置300と、グラフィックスLSI100を制御するCPU(Central Processing Unit)301と、CPU301の動作領域であるメインメモリ302とを有している。
グラフィックスLSI100は、複数の層に対応したマスク制御部110−1、110−2、…、110−nを有している。また、実効的な最下層を検出する実効最下層検出部120と、一時的な画素色を保持する一時画素色レジスタ121と、メモリコントローラ123と、重ね合わせ処理部124とを有している。
各マスク制御部110−1〜110−nには、複数のマスク領域の情報を格納するマスク情報格納部111−1、111−2、…、111−mが存在する。また、マスク領域内外判定部112、後述するマスク優先度判定部113、マスク領域の透過属性を判定するマスク透過属性判定部114、フレームバッファやウィンドウの透過属性や位置や大きさなどの情報を格納したフレームバッファ/ウィンドウ情報格納部115、層の一時的な透過属性を保持する一時透過属性レジスタ116を有している。
また、各マスク情報格納部111−1〜111−mは、マスク領域が設定されたマスク領域設定レジスタ111a、マスク領域の透過属性が設定されたマスク透過属性設定レジスタ111bと、後述するマスク優先度が設定されたマスク優先度設定レジスタ111cを有している。
また、重ね合わせ処理部124は、層の重ね合わせ順を保持する重ね順保持部124aと、混色処理を行う混色処理部124bとを有している。
VRAM200には、複数の層に対応したフレームバッファ201−1、201−2、…、201−nが確保されている。
グラフィックスLSI100は、このフレームバッファ201−1〜201−nの画像データを読み込んで、重ね合わせ処理を行い表示装置300に出力する。表示装置300は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などである。
なお、グラフィックスLSI100は、図1で示した画像処理装置10に対応しており、メモリコントローラ123は画像データ読み込み部11の機能を行う。また、図2では、図1で示したマスク情報格納部12と、マスク領域内外判定部13とを層ごとの各マスク制御部110−1〜110−n内に有している。VRAM200は、図1のグラフィックスメモリ装置20に対応している。
次に、グラフィックスLSI100の動作を説明する。
なお以下では、VRAM200に格納された3層のフレームバッファ201−1、201−2、201−3の画像データを読み込んで重ね合わせ画像を表示する際の処理について説明する。
図3、図4、図5は、VRAMに格納された3層のフレームバッファの画像データの例を模式的に示した図であり、図3は第1層のフレームバッファの画像データ、図4は第2層のフレームバッファの画像データ、図5は第3層のフレームバッファの画像データを示す図である。
図3の第1層は、ボタン401−1、401−2、…、401−14を有したフレームバッファ201−1の画像データであり、図4の第2層は、2つの図形402−1、402−2を有したフレームバッファ201−2の画像データであり、図5の第3層は、例えば、背景として用いられるフレームバッファ201−3の画像データである。なお、これらのフレームバッファ201−1、201−2、201−3をウィンドウと考えてもよい。
図6は、3層のフレームバッファの画像データを重ね合わせて得られる画像を模式的に示した図である。
ここでは、第1層のボタン401−1〜401−14を半透明とし、第2層の図形402−1、402−2を不透明とし、第3層のフレームバッファ201−3を不透明として重ね合わせしたときの図を示している。
以下では、図6のような重ね合わせ画像を表示するときの処理について説明する。
図7は、第1層のフレームバッファの画像データに対してマスク領域を重ねた模式図である。また、図8は、第1層のマスク情報格納部に格納されるマスク情報を示す図である。
マスク領域411は、矩形などの図形で設定する。そしてその位置は、図形の頂点座標をもとに定義する。図7のように、フレームバッファ201−1の横方向座標軸及び縦方向座標軸に平行に配置し、そのマスク領域411の対角をなす2頂点の横方向座標と縦方向座標を利用して位置と形状を定義すると、4個の数値の組のみで位置と大きさを確定できる。ここでのマスク領域411は、第1層において、グラフィックスLSI100が読み込む必要のない画像データの範囲を指定しているので、透過属性は透明である。
このようなマスク領域411は予めフレームバッファ201−1に対して設定されており、そのマスク情報が、図8のようにグラフィックスLSI100のマスク情報格納部に格納される。すなわちマスク領域411の左上定義座標と、右下定義座標がマスク領域設定レジスタに、透過属性がマスク透過属性設定レジスタに格納される(後述するマスク優先度についてはここでは不問としている)。
図9は、第2層のフレームバッファの画像データに対してマスク領域を重ねた模式図である。また、図10は、第2層のマスク領域格納部に格納されるマスク情報を示す図である。
第2層のフレームバッファ201−2では、図形402−1、402−2に合わせてマスク領域412、413、414、415を設定している。この場合、図形402−1、402−2が不透明であるので、マスク領域412、413、414、415の透過属性としては、不透明を割り当てる。これらのマスク情報は、第2層のマスク制御部110−2におけるそれぞれのマスク情報格納部に図10のように格納する。
これらのマスク情報をもとに、本発明の実施の形態のグラフィックスLSI100は、以下のような処理を行う。
図11は、グラフィックスLSIの処理の全体を示すフローチャートである。
ここでは、走査を開始してから1フレーム分の走査が完了するまでの処理を示している。
走査を開始すると、層の重ね合わせ処理を行い(ステップS1)、重ね合わせの結果得られたデータを現在の画素として表示装置300に表示する(ステップS2)。次に、ステップS1、S2の処理を全画素(画面全体ではなく1本のラスターに属する全画素)について完了したか否かを判定して(ステップS3)、全画素について処理が完了していない場合には、次の画素へ進み(ステップS4)、ステップS1からの処理を繰り返す。全画素の走査が完了した場合には、全ラスターについての走査が完了したか否かを判定し(ステップS5)、完了していない場合には、次のラスターに進み(ステップS6)、ステップS1からの処理を繰り返す。全ラスターについての走査が完了した場合に1フレームの走査が完了する。
図12は、重ね合わせ処理の詳細を示すフローチャートである。
なお、以下では、最下層から重ね合わせ処理を始める場合について説明する。
まず、重ね順保持部124aを参照して、走査中の画素が最下層のフレームバッファ201−3のものか否かを判断する(ステップS10)。まず始めは最下層の画素を評価するので、混色処理部124bは、メモリコントローラ123にフレームバッファ201−3から対応する画素を読み込ませ(ステップS11)、この画素の画素色を一時画素色レジスタ121に保持し、ステップS20の処理に進む(ステップS12)。最下層の画像データの評価が終わると、全層の評価が完了したか否かの判定処理(ステップS20)を行うが、この場合、“NO”であるので上層の評価に進む(ステップS21)。第2層において、走査している画素がマスク領域412、413、414、415内にあるか否かを第2層のマスク制御部110−2におけるマスク領域内外判定部が、マスク領域設定レジスタを参照して判定する(ステップS13)。ここで、走査中の画素が図9で示した第2層のマスク領域412、413、414、415内であれば、マスク透過属性判定部114は、図10で示したようなマスク情報格納部を参照してその画素が存在するマスク領域412、413、414、415の透過属性を判定する(ステップS14)。マスク領域412、413、414、415外であれば、第2層のマスク制御部110−2におけるフレームバッファ/ウィンドウ情報格納部を参照して、その画素が存在する第2層のフレームバッファ201−2の透過属性を判定する(ステップS15)。なお、判定結果となる一時的な透過属性は、第2のマスク制御部110−2の一時透過属性レジスタに保持される。混色処理部124bは、透過属性が不透明の場合には、メモリコントローラ123により前述したように走査中の画素を読み込ませ(ステップS11)、この画素の画素色で一時画素色レジスタ121を更新する(ステップS12)。透過属性が透明の場合には、混色処理部124bは、メモリコントローラ123による画素の読み込みを抑止し、一時画素色レジスタ121の更新は行わずステップS20の処理に進む(ステップS16)。透過属性が半透明の場合には、混色処理部124bはメモリコントローラ123に走査中の画素を読み込ませ(ステップS17)、一時画素色レジスタ121に保持されている画素色(図では一時画素色と表記している)との混色処理を行い(ステップS18)、得られた画素色で一時画素色レジスタ121を更新する(ステップS19)。以上のような処理を次の最上層についても繰り返し、最終的な画素色を決定する。
図13は、ある画素におけるマスク領域内外判定処理と透過属性の判定処理の具体例を説明する図であり、図14は、マスク制御部での判定結果を示す図である。
ある瞬間に走査中の画素座標421、422、423、424において、マスク領域内にあるのかマスク領域外にあるのかを判定した例である。第1層では画素座標421、424はマスク領域外にあるので、第1層のマスク制御部110−1の一時透過属性レジスタ116には、フレームバッファ201−1の透過属性(画素座標421はボタン上なので半透明、画素座標424は透明)が保持される。画素座標422、423はマスク領域411の内にあるので、一時透過属性レジスタ116に保持される一時透過属性は、マスク領域411の透過属性である“透明”となる。一方、第2層では、画素座標421、422はマスク領域外にあるので、第2層のマスク制御部110−2の一時透過属性レジスタには、フレームバッファ201−2の透過属性(透明)が保持される。また、画素座標423はマスク領域414内、画素座標424はマスク領域415内に存在するので、マスク領域414、415の透過属性である“不透明”が保持される。
このように、上記の図12のような重ね合わせの処理によれば、走査中の画像データの透過属性が透明の場合にメモリコントローラ123の画像データの読み込みを省略することができる。
以上の説明では、1つの層におけるマスク領域は重なることなく設定した場合について示したが、複数のマスク領域同士を重ね合わせてもよい。その場合、図2で示したグラフィックスLSI100のマスク優先度判定部113が使用される。
以下、マスク領域同士を重ね合わせた場合のグラフィックスLSI100の処理を説明する。
なお、以下では前述と同様に、VRAM200に格納された図3、図4、図5で示した3層のフレームバッファ201−1、201−2、201−3の画像データをもとに、図6のような重ね合わせ画像を表示するときの処理について説明する。
図15は、第1層のフレームバッファの画像データに対して複数のマスク領域同士を重ねた模式図である。また、図16は、第1層のマスク情報格納部に格納されるマスク情報を示す図である。
第1層では、フレームバッファ201−1の全体を覆うマスク領域431と、ボタン401−1〜401−7を覆うマスク領域432と、ボタン401−8〜401−14を覆うマスク領域433とを設定している。ここで、マスク領域431の透過属性は透明、マスク領域432、433の透過属性は半透明である。マスク領域431に対して、マスク領域432、433が重なっている。このような場合、走査中の画素に対してどちらの透過属性を採用すればいいかを決定するための優先度を付与する。ここでは、マスク領域431の優先度を2位として、マスク領域432、433の優先度はそれより上位である1位とする。
このようなマスク情報を、図16のように、マスク情報格納部に予め格納する。すなわちマスク領域431、432、433の左上定義座標と右下定義座標とをマスク領域設定レジスタに、透過属性をマスク透過属性設定レジスタに、優先度をマスク優先度設定レジスタに格納する。
図17は、第2層のフレームバッファの画像データに対して複数のマスク領域同士を重ねた模式図である。また、図18は、第2層のマスク領域格納部に格納されるマスク情報を示す図である。
第2層では、図形402−1を覆うようにマスク領域434と、マスク領域435を重ね合わせて設定し、図形402−2を覆うようなマスク領域436を設定し、マスク領域436の中で図形402−2を含まない領域に対してマスク領域437を設定している。ここで、マスク領域434、435、436の透過属性は不透明、マスク領域437の透過属性は透明である。ここで、マスク領域434、435はともに不透明であるので、マスク領域434、435内を走査中の画素はどちらの透過属性を参照してもよい。ここでは、ともに優先度を1位とする。また、マスク領域437内の画素の読み込みは必要ないので、マスク領域436の優先度を2位として、マスク領域437の優先度をそれより上位である1位とする。これらのマスク情報は、第2層のマスク制御部110−2におけるそれぞれのマスク情報格納部に図18のように格納する。
これらのマスク情報をもとに、本発明の実施の形態のグラフィックスLSI100は、以下のような重ね合わせ処理を行う。なお、全体の処理は、図11と同様である。
図19は、複数のマスク領域同士が重なっている場合の、重ね合わせ処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、重ね順保持部124aを参照して、走査中の画像データが最下層のフレームバッファ201−3のものか否かを判断する(ステップS30)。まず始めは最下層の画像データを評価するので、混色処理部124bは、メモリコントローラ123にフレームバッファ201−3から対応する画像データを読み込ませ(ステップS31)、この画像データを一時画素色レジスタ121に保持し、ステップS39の処理に進む(ステップS32)。最下層の画像データの評価が終わると、全層の評価が完了したか否かの判定処理(ステップS39)を行うが、この場合、“NO”であるので上層の評価に進む(ステップS40)。第2層において、第2層のマスク制御部110−2におけるマスク優先度判定部にてマスク優先度判定処理を行う(ステップS33)。マスク優先度判定処理後、混色処理部124bは、一時的な透過属性が保持された一時透過属性レジスタを参照して、一時透過属性を判定する(ステップS34)。混色処理部124bは、透過属性が不透明の場合には、前述したように走査中の画素を読み込ませ(ステップS31)、この画素の画素色で一時画素色レジスタ121を更新する(ステップS32)。透過属性が透明の場合には、メモリコントローラ123の画素の読み込みを抑止し、一時画素色レジスタ121の更新は行わずステップS39の処理に進む(ステップS35)。透過属性が半透明の場合には、走査中の画素を読み込ませ(ステップS36)、一時画素色レジスタ121に保持されている画素色(図では一時画素色と表記している)との混色処理を行い(ステップS37)、得られたデータで一時画素色レジスタ121を更新する(ステップS38)。以上のような処理を次の最上層についても繰り返し、最終的な画素色を決定する。
図20は、マスク優先度判定処理の詳細を示すフローチャートである。
マスク優先度判定処理では、同一層において複数(m個)設定したマスク領域の番号をmとすると、まずm=0に初期化し(ステップS50)、一時的に保持するマスク優先度(以下一時マスク優先度という)を最低に初期化し(ステップS51)、現在の層におけるフレームバッファの透過属性で一時透過属性を初期化する(ステップS52)。なお、これらステップS50、S51、S52の処理の順序は入れ替わってもよく、並列処理してもよい。
続いて、現在の画素座標が、マスク番号mに相当するマスク領域内か否かを判定する(ステップS53)。もしマスク番号mに相当するマスク領域の外であれば、ステップS56の処理に進む。現在の画素座標が、マスク領域内にある場合、現在保持されている一時マスク優先度と、マスク番号mのマスク領域に設定された優先度とを比較する(ステップS54)。もしマスク番号mのマスク優先度のほうが高ければ、マスク番号mのマスク領域の優先度をもって一時マスク優先度を更新し、マスク番号mのマスク領域の透過属性で一時透過属性を更新する(ステップS55)。その後、現在の層に属する全てのマスク領域の評価が完了したか否かを判定し(ステップS56)、完了していればマスク優先度判定処理を終了し、完了していなければ次のm=m+1として次のマスク領域へ進む(ステップS57)。
このようなマスク優先度判定処理により、現在の画素座標における、もっとも優先度の高いマスク領域の透過属性が、ある層における一時透過属性レジスタに保持される。現在の画素座標がいずれのマスク領域にも属さない場合には、初期化時に一時透過属性レジスタに保持したフレームバッファの透過属性がそのまま残る。このようにして確定した一時透過属性を、図19の一時透過属性判定処理(ステップS34)で用いる。
図21は、ある画素におけるマスク領域内外判定処理と優先度判定処理と透過属性の判定結果の具体例を説明する図であり、図22は、マスク制御部での判定結果を示す図である。
ある瞬間に走査中の画素座標441、442、443、444において、マスク領域内外判定部によりマスク領域内にあるのかマスク領域外にあるのかを判定し、マスク優先度判定部によりマスク領域の優先度を判定して、一時透過属性を決定する例を示している。
第1層において、画素座標441は、マスク領域431、432内にある。マスク優先度判定部は、図20の処理により、採用されたマスク領域432の透過属性である“半透明”を一時透過属性として、一時透過属性レジスタに保持させる。画素座標442、443は、マスク領域431内である。この場合、マスク領域431の透過属性である“透明”が一時透過属性となる。画素座標444は、マスク領域431、433内にある。マスク優先度判定部は、図20の処理により、採用されたマスク領域433の透過属性である“半透明”が一時透過属性となる。
一方、第2層において、画素座標441はマスク領域外であるので、一時透過属性は第2層のフレームバッファ201−2の透過属性(透明)となる。また画素座標442は、マスク領域434、435内にある。マスク領域434、435の優先度は等しいので、マスク優先度判定部は、図20の処理により、マスク番号が小さいほうのマスク領域434を採用し、その透過属性である“不透明”を一時透過属性とする。画素座標443は、マスク領域436、437内にある。マスク優先度判定部は、図20の処理により、優先度が高いマスク領域437を採用し、その透過属性である“透明”を一時透過属性とする。画素座標444は、1つのマスク領域436内にあるので、一時透過属性はマスク領域436の透過属性である“不透明”となる。
このようにすることにより、透過属性の異なるマスク領域同士が重なり合うような配置が許容されるようになり、より柔軟なマスク領域の配置を定義できる。この結果、複雑な形状の図形も効率よくマスク領域で囲めるようになり、VRAM200への無駄なメモリアクセスをさらに減少できる。
なお、図15では、異なる透過属性を持つマスク領域の重なり合いを説明するため、第1層のフレームバッファ201−1全体をマスク領域431であえて囲んだが、第1層のフレームバッファ201−1の透過属性を透明にすれば、マスク領域431が無くとも結果は同等である。また、図17のマスク領域434、435の優先度はともに1位としたが、両者の透過属性はともに不透明なので、マスク領域431より優先度を高く設定しさえすれば、マスク領域434、435の優先度が異なっていてもよく、どちらの優先度が高いかは不問である。さらに、図17では、マスク領域434、435、436を、第2層の不透明な図形402−1、402−2の外側から囲むように配置した。このような場合、マスク領域の透過属性が不透明であっても、マスク領域434、435、436と図形402−1、402−2との隙間を、透明として適切に扱う必要がある。しかしながら、それは一般的によく利用されている公知の技術により実現可能であり、ここでは説明を省略する。
以上の図12、図19で示した重ね合わせ処理では、最下層から重ね合わせ処理をするため、ある層において透過属性が不透明の領域があっても、その下の層の画像データの読み込みを抑止できない。以下では、これを抑止するための処理について説明する。
この処理を行うために、図2に示したグラフィックスLSI100の実効最下層検出部120の機能が用いられる。
以下、実効最下層検出部120を用いた重ね合わせ処理を説明する。なお、全体の処理は、図11と同様である。
また、ここではまず、前述してきたマスク領域を用いない場合について説明する。
図23は、実効最下層の検出機能を用いた重ね合わせ処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、VRAM200に格納されているフレームバッファ201−1〜201−nにおいて、最上層からの順序をレイヤー番号kで示す。最上層の場合はk=0である。この重ね合わせ順序は、重ね順保持部124aにより保持されている。
重ね合わせ処理が開始すると、レイヤー番号kを0に初期化して、最上層のフレームバッファ201−1を参照できるようにする(ステップS60)。続いて、走査中の画素におけるレイヤー番号kの層(フレームバッファまたはウィンドウ)の透過属性を判定する(ステップS61)。もしレイヤー番号kの層の透過属性が半透明あるいは透明であったり、透明色が有効である場合は、レイヤー番号kの層が最下層か否かを判定する(ステップS62)。最下層でない場合、レイヤー番号kを増加(k=k+1)して1つ下層に進みステップS61からの処理を繰り返す(ステップS63)。レイヤー番号kの層の透過属性が不透明であったり、最下層である場合には、レイヤー番号kの層を実効最下層に設定する(ステップS64)。なお、透明色というのは、一般的によく利用されているものであり、ある層の透明色が有効に設定されていると、その層のフレームバッファのある画素色が透明色に一致した場合、その画素は透明とみなされ、下層の画素色が表示される。
レイヤー番号kの層が実効最下層として確定した後、レイヤー番号kの層の透過属性に応じて異なる方法で、重ね合わせ処理が行われる。図23で示すステップS66〜S72の処理は、図19などで示した処理と同様であるので説明を省略する。ただ、重ね合わせ処理に利用する始めの層として、実際の最下層ではなく、ステップS64までの処理で設定した実効最下層を採用する点が異なる。すなわちステップS73の処理では、k=k−1としてレイヤー番号kの実効最下層から上の層へ処理を進める。
このような処理によれば、実効最下層が実際の最下層よりも上層である場合に、実効最下層よりも下層のフレームバッファの画像データを読み込む必要がなくなり、VRA200への無駄なメモリアクセスを抑制できる。
なお、各層の画面上での配置と大きさが全て等しい場合には、実効最下層の抽出処理は画素ごとに行う必要はないので、グラフィックスLSI100の、全体の処理である図11の画素走査処理内で行う必要はない。しかしながら、各層の画面上での配置と大きさが異なり、ウィンドウ上に部分的に表示され、層が重ならない領域が発生する場合は、画素座標によって実効最下層が異なる場合がある。このような場合には、走査画素ごとに実効最下層を抽出する。
次に、実効最下層とマスク領域を用いた場合の処理について説明する。
図24は、実効最下層とマスク領域を用いた重ね合わせ処理を示すフローチャートである。
図のように、マスク優先度判定処理及び実効最下層検出処理(ステップS80)と、混色処理(ステップS81)とからなる。
図25は、マスク優先度判定処理及び実効最下層検出処理の詳細のフローチャートである。
処理を開始すると、まず、レイヤー番号kを0に初期化して最上層のフレームバッファ201−1を参照できるようにする(ステップS90)。次に、レイヤー番号kの層において、図20で示したマスク優先度判定処理を行い、走査中の画素における一時透過属性を決定する(ステップS91)。続いて、図23のステップS51〜S54と同様の処理を行い、実効最下層を検出する(ステップS92〜S95)。なお、ステップS92の透過属性の判定処理では、マスク領域の透過属性を考慮したレイヤー番号kの層の、一時透過属性が用いられる。図25の処理を完了すると、実効最下層と、実効最下層より上層の各層の一時透過属性が確定する。
図26は、混色処理の詳細を示すフローチャートである。
図26で示す混色処理(ステップS100〜S108)は、図23で示したステップS65〜S73と同様の処理を行っている。ただし、ステップS100の透過属性判定処理では、レイヤー番号kの層の透過属性ではなく、マスク領域の透過属性を考慮したレイヤー番号kの層の一時透過属性が用いられる。
以上のように、実効最下層とマスク領域を用いて重ね合わせ処理を行うことにより、VRAM200へのメモリアクセスを大幅に削減することができる。
なお、上記では、説明を簡略化するために主に3層の重ね合わせ処理について示したが、実際には更に多くの層を用いてもよい。
本発明は、例えば、複数のウィンドウを重畳表示させるカーナビゲーション装置などに適用される。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
本発明の実施の形態の画像処理装置の原理を示す図である。 画像処理システムの構成例を示す図である。 第1層のフレームバッファの画像データの例を模式的に示した図である。 第2層のフレームバッファの画像データの例を模式的に示した図である。 第3層のフレームバッファの画像データの例を模式的に示した図である。 3層のフレームバッファの画像データを重ね合わせて得られる画像を模式的に示した図である。 第1層のフレームバッファの画像データに対してマスク領域を重ねた模式図である。 第1層のマスク情報格納部に格納されるマスク情報を示す図である。 第2層のフレームバッファの画像データに対してマスク領域を重ねた模式図である。 第2層のマスク領域格納部に格納されるマスク情報を示す図である。 グラフィックスLSIの処理の全体を示すフローチャートである。 重ね合わせ処理の詳細を示すフローチャートである。 ある画素におけるマスク領域内外判定処理と透過属性の判定処理の具体例を説明する図である。 マスク制御部での判定結果を示す図である。 第1層のフレームバッファの画像データに対して複数のマスク領域同士を重ねた模式図である。 第1層のマスク情報格納部に格納されるマスク情報を示す図である。 第2層のフレームバッファの画像データに対して複数のマスク領域同士を重ねた模式図である。 第2層のマスク領域格納部に格納されるマスク情報を示す図である。 複数のマスク領域同士が重なっている場合の、重ね合わせ処理の詳細を示すフローチャートである。 マスク優先度判定処理の詳細を示すフローチャートである。 ある画素におけるマスク領域内外判定処理と優先度判定処理と透過属性の判定結果の具体例を説明する図である。 マスク制御部での判定結果を示す図である。 実効最下層の検出機能を用いた重ね合わせ処理の詳細を示すフローチャートである。 実効最下層とマスク領域を用いた重ね合わせ処理を示すフローチャートである。 マスク優先度判定処理及び実効最下層検出処理の詳細のフローチャートである。 混色処理の詳細を示すフローチャートである。
10 画像処理装置
11 画像データ読み込み部
12 マスク情報格納部
13 マスク領域内外判定部
14 重ね合わせ処理部
20 グラフィックスメモリ装置
21−1、21−2、21−3 フレームバッファ
22−1、22−2、22−3 ウィンドウ
23a、23b、23c、23d メモリアクセスマスク領域
24a、24b、25a、25b、25c、26a、26b 画素
30 表示装置

Claims (9)

  1. 複数の層のそれぞれに対して設けられた複数のフレームバッファの画像データを読み込み、重ね合わせて表示する画像処理装置において、
    前記複数のフレームバッファのそれぞれに割り当てられた第1透過属性を格納するフレームバッファ情報格納部と、
    前記複数のフレームバッファのそれぞれに対応して設けられる一時透過属性保持部と、
    前記複数のフレームバッファの少なくとも一のフレームバッファに対応して設けられ前記第1透過属性とは独立の第2透過属性が割り当てられたメモリアクセスマスク領域のマスク情報を格納するマスク情報格納部と、
    前記マスク情報内のマスク領域を示す情報を参照して、画像データが、前記メモリアクセスマスク領域内にあるか否かを判定するマスク領域内外判定部と、を有し、
    前記画像データが前記メモリアクセスマスク領域内にあると判定された場合には、前記メモリアクセスマスク領域に割り当てられた前記第2透過属性を前記一時透過属性保持部に保持し、前記画像データが前記メモリアクセスマスク領域内にないと判定された場合には、前記フレームバッファに対応する前記フレームバッファ情報格納部に格納された前記第1透過属性を前記一時透過属性保持部に保持し、更に、
    前記一時透過属性保持部に保持された前記第1透過属性または前記第2透過属性に基づいて、前記対応するフレームバッファから画像データを読み込む画像データ読み込み部と、
    前記一時透過属性保持部に保持された前記第1透過属性または前記第2透過属性に基づいて重ね合わせ処理を行う重ね合わせ処理部と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記重ね合わせ処理部は、前記画像データが前記メモリアクセスマスク領域内にあり、前記メモリアクセスマスク領域に割り当てられた前記第2透過属性が透明である場合、前記画像データ読み込み部での前記画像データの読み込みを抑止することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記重ね合わせ処理部は、前記画像データが前記メモリアクセスマスク領域内にあり、前記メモリアクセスマスク領域に割り当てられた前記第2透過属性が半透明である場合、前記画像データが属する層の下層側の前記フレームバッファにおいて対応する前記画像データとの混色処理を行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記重ね合わせ処理部は、前記画像データが前記メモリアクセスマスク領域内にあり、前記メモリアクセスマスク領域に割り当てられた前記第2透過属性が不透明である場合、前記画像データが属する層の下層側の前記フレームバッファにおいて、前記画像データ読み込み部での対応する前記画像データの読み込みを抑止することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  5. 前記メモリアクセスマスク領域は、一の前記フレームバッファに対して複数設定され、前記マスク情報格納部は、複数設定された前記メモリアクセスマスク領域に対してそれぞれの優先度を保持することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  6. 前記一のフレームバッファに対して複数設定された前記メモリアクセスマスク領域の少なくとも2つが、少なくとも部分的に重なり合い、それぞれの前記第2透過属性が異なっている場合、重なり合った部分の透過属性として、前記優先度の高い前記メモリアクセスマスク領域の前記第2透過属性が選択されること特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
  7. 複数の前記フレームバッファの重ね順を保持する重ね順保持部と、
    各層における前記画像データが存在する前記フレームバッファの前記第1透過属性に応じて実効的な最下層を検出する実効最下層検出部と、を有し、
    前記画像データ読み込み部は、前記最下層と判定された前記フレームバッファから上層側の前記フレームバッファの前記画像データのみ読み込むことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  8. 前記実効最下層検出部は、前記重ね順を参照して、最上層から順に、前記画像データが、前記メモリアクセスマスク領域内にある場合には、前記メモリアクセスマスク領域に割り当てられた前記第2透過属性を判定し、前記メモリアクセスマスク領域外にある場合には前記フレームバッファの前記第1透過属性を判定し、前記第1透過属性または前記第2透過属性が最初に不透明であると判定された層を前記最下層とすることを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
  9. 複数の層のそれぞれに対して設けられた複数のフレームバッファの画像データを読み込み、重ね合わせて表示する画像処理装置において、
    前記複数のフレームバッファのそれぞれに割り当てられた第1透過属性を格納するフレームバッファ情報格納部と、
    前記複数のフレームバッファのそれぞれに対応して設けられる一時透過属性保持部と、
    前記複数のフレームバッファの少なくとも一のフレームバッファに対応して設けられ、前記第1透過属性とは独立の第2透過属性が割り当てられたメモリアクセスマスク領域のマスク情報を格納するマスク情報格納部と、
    前記マスク情報内のマスク領域を示す情報を参照して、画像データが、前記メモリアクセスマスク領域内にあるか否かを判定するマスク領域内外判定部と、
    前記画像データが前記メモリアクセスマスク領域内にないと判定された場合には前記フレームバッファ情報格納部に格納された前記第1透過属性に基づいて、前記画像データが前記メモリアクセスマスク領域内にあると判定された場合には前記マスク情報格納部に格納された前記第2透過属性に基づいて、対応する前記フレームバッファから画像データを読み込む画像データ読み込み部と、
    前記第1透過属性または前記第2透過属性に基づいて重ね合わせ処理を行う重ね合わせ処理部と、を有し、
    前記メモリアクセスマスク領域は、一の前記フレームバッファに対して複数設定され、前記マスク情報格納部は、複数設定された前記メモリアクセスマスク領域に対してそれぞれの優先度を保持し、
    前記一のフレームバッファに対して複数設定された前記メモリアクセスマスク領域の少なくとも2つが、少なくとも部分的に重なり合い、それぞれの前記第2透過属性が異なっている場合、重なり合った部分の透過属性として、前記優先度の高い前記メモリアクセスマスク領域の前記第2透過属性が選択されることを特徴とする画像処理装置。
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