以下、本発明の描画順序決定方法、描画方法および描画装置を、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に示す実施形態では、本発明の描画順序決定方法および描画方法を説明するのに先立って、本発明の描画装置すなわち表示装置が適用されたものとして、画像を含む文献の一例である電子マニュアルや電子書籍あるいはユーザーが作成する文献を閲覧し編集可能なビューアーを例に挙げて説明する。
また、以下の説明で参照する図面では、説明および図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。また、説明に必要な構成要素以外は図示を省略する場合がある。また、以下では、説明の都合上、図1、図2A、図2B、図16、図17、図18、図19、図20、図21、図22および図23~図26には、それぞれ、互いに直交する3つの軸としてX軸、Y軸、およびZ軸が図示されており、各軸を示す矢印の先端側を「+」、基端側を「-」とする。また、X軸に沿う方向を第1方向としての「横方向」、Y軸に沿う方向を第2方向としての「縦方向」、Z軸に沿う方向を「奥行き方向」という。また、横方向の-X方向を左または左側、+X方向を右または右側とし、縦方向の-Y方向を下または下側、+Y方向を上または上側として説明する。また、X軸に沿う方向に沿って、その一部を重ねて配置された画像のうち、手前側(+Z軸側)に位置する画像を「前方」に位置する画像とし、奥側(-Z軸側)に位置する画像を「後方」に位置する画像として説明する。また、本実施形態では第1方向を横方向、第2方向を縦方向としたが、第1方向が縦方向、第2方向が横方向であってもよい。つまり、第1方向と第2方向とは互いに交差していればよい。
<ビューアー>
まず、図1および図2A、図2Bを参照して、ビューアー10の概要について説明する。
図1は、ビューアーの実施形態の外観を示す平面図、図2Aは、図1のビューアーが備える画像表示部に表示されるサムネイル画像束と拡大表示されたサムネイル画像とを示す部分拡大平面図、図2Bは、図2Aに示すサムネイル画像束におけるB部を部分的に拡大した部分拡大平面図である。
ビューアー10は、本実施形態では、画像を表示する表示装置であり、この画像を表示する画像表示部2と、入力部7としてボタン7A~7Fおよびタッチパネル7Gとを有している。
この例で、ビューアー10は、文書の一例としての電子書籍を閲覧するための装置、いわゆる電子ブックリーダーである。電子書籍は、複数ページの画像を含む文献データである。ビューアー10は、電子書籍をある単位で画像表示部2に表示する。ある単位とは例えば1ページずつである。電子書籍に含まれる複数ページのうち、表示の対象となるページを選択ページという。選択ページは、ユーザーによる図1に示すボタン7A~7Fあるいはタッチパネル7Gの操作に応じて変更される。すなわち、ユーザーは、ボタン7A~7Fあるいはタッチパネル7Gの操作により、電子書籍のページをめくることができる。また、ビューアー10は、電子書籍の閲覧に加え、アプリケーションプログラムを実行する機能を有する。
画像表示部2は、図2Aに示すように、電子マニュアルや電子書籍あるいはユーザーが作成する文献の各ページを縮小した画像としてのサムネイル画像Tと、選択したサムネイル画像Tの元画像Pを表示する。画像表示部2は、複数のサムネイル画像Tすなわち画像が横方向に並んで配置されている画像束としてのサムネイル画像束SGすなわち画像群を表示する。
サムネイル画像束SGは、画像表示部2の縦方向の下側である下部において、画像表示部2の下辺に沿って配置され、サムネイル画像束SGの下端は画像表示部2の表示領域外に及んでいることもある。
サムネイル画像Tは、画像表示部2の一部を占める大きさを有する画像であって、元画像Pを縮小または拡大した画像である。元画像Pは、電子マニュアルや電子書籍あるいはユーザーが作成する文献データのページの画像である。また、元画像Pは、アプリケーションプログラムのアイコン、またはアプリケーションプログラムの動作画面であってもよい。なお、複数のサムネイル画像Tの各々には、アプリケーションプログラムおよびその動作が割り当てられてもよい。
ビューアー10は、画像表示部2が配置される面に、入力部7としてボタン7A~7Fおよびタッチパネル7Gを備える。入力部7は、外部からの入力を取り込む。入力部7は、ユーザーの操作を受け付け、入力信号として処理する。すなわち、ユーザーは、入力部7を操作して、ビューアー10に所定の入力を行う。
<ビューアーのシステム構成>
次に、図3および図4を参照して、上述した、ビューアー10のシステム構成を説明する。
図3および図4は、ビューアー10のシステム構成を示すブロック図である。
ビューアー10は、図3に示すように、バスBUSに接続される画像表示部2と、制御部3と、VRAM4(Video Random Access Memory)と、RAM5と、文献記憶部6(Random Access Memory)と、入力部7と、を備える。バスBUSに接続される各部間での信号あるいは情報の受け渡しは、バスBUSを介して行われる。
画像表示部2は、元画像Pに対応するサムネイル画像Tと、サムネイル画像Tの元画像Pとを表示する。この画像表示部2は、本実施形態では、複数のサムネイル画像Tが横方向に並んで配置されているサムネイル画像束SGを表示する。画像表示部2は、サムネイル画像束SGを俯瞰した状態である複数のサムネイル画像Tを表示する。画像表示部2は、後述する図9Eに示すように、第1の仮想軸としての第1仮想回転軸Qおよび第2の仮想軸としての第2仮想回転軸Mを含む仮想空間内における任意の視点から仮想空間内に配置されたサムネイル画像束SGを見た画像である俯瞰画像を表示する。
この画像表示部2は、液晶パネル等に画像を表示させる信号を出力する図示しない表示駆動回路を含み、VRAM4に記憶される画像データを、上述したサムネイル画像Tと元画像Pとを含む画像として表示する。
制御部3は、ビューアー10の各部を制御する装置、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)等を有するマイクロコンピューターである。CPUは、RAM5をワークエリアとして、ROMまたはRAM5に記憶されたプログラムを実行する。ROMは、例えば、ビューアー10の基本的な動作を制御するためのOS(Operating System)プログラムを記憶している。
制御部3は、ROMに記憶されたプログラムに基づいてビューアー10の各部を制御する。例えば、制御部3は、各種画像データをVRAM4に記憶させる制御や、入力部7から送られる入力信号からユーザーにより操作されるボタン7A~7Fおよびタッチパネル7Gや操作された内容を特定し、操作されたボタン7A~7Fおよびタッチパネル7Gや内容に基づいてビューアー10を動作させる制御を行う。さらに、制御部3は、画像表示部2に表示する画像に対する画像処理を制御する。画像処理としては、例えば、選択ページの拡大表示やサムネイル画像Tに対する表示強調の処理が行われる。
VRAM4は、画像表示部2に表示させる画像を示す画像データを記憶するメモリーである。VRAM4は、展開された画像データが記憶されるメモリーである。VRAM4に記憶される画像データは、画像表示部2に表示される。
RAM5は、制御部3によって実行される画像処理の内容および画像データとの関連付けが記憶されるメモリーである。
文献記憶部6は、書換え可能なメモリーであり、電子マニュアルや電子書籍あるいはユーザーが作成する文献等の文献データを記憶する。文献記憶部6は、複数の異なる文献データを記憶することができ、適宜文献データの書換えが可能である。文献記憶部6は、文献データに加え、各種のデータおよびアプリケーションプログラムを記憶する不揮発性のメモリーである。文献記憶部6は、例えば、ビューアー10が内蔵する半導体メモリーであってもよいし、SDメモリーカード等の着脱可能な外部メモリーであってもよいし、インターネット等のネットワークを介して通信可能なデータベースであってもよい。
入力部7は、図1に示すボタン7A~7Fを備える。入力部7は、ボタン7A~7Fが操作されると、操作されたボタンに対応する入力信号を制御部3へ送信する。入力部7は、タッチパネル7Gを備える。
かかる構成のビューアー10において、制御部3は、図4に示すように、画像生成部としてのGUI基盤部30と、画像データ処理部32と、を備える。
GUI基盤部30は、画像生成部として機能し、第1仮想回転軸Q上に配置される複数のサムネイル画像Tのそれぞれを、第1仮想回転軸Qと交差するそれぞれの第2仮想回転軸Mを中心にして回転し、さらに第1仮想回転軸Qを中心に回転してサムネイル画像Tを作成する。GUI基盤部30は、仮想空間内に配置されたサムネイル画像束SGを、仮想空間内における任意の視点から見た画像である俯瞰画像を作成する。
このGUI基盤部30は、有効矩形処理部34と、画像配置部36と、3D画像処理部38と、タッチ処理部40と、ファイル指示部42と、を備える。
有効矩形処理部34は、占有領域としてのサムネイル画像表示領域を設定する。
画像配置部36は、第2仮想回転軸Mを中心にして回転するサムネイル画像Tの回転角θを決定する。決定した回転角θに基づいて、GUI基盤部30でサムネイル画像Tを作成する。
画像配置部36は、複数のサムネイル画像Tで構成されたサムネイル画像束SGを、隣り合うサムネイル画像Tと一部が重なって表示される状態で、サムネイル画像T同士が等間隔で並ぶ静的部分Lと、隣り合うサムネイル画像T同士の間隔が、静的部分Lにおけるサムネイル画像T同士の間隔よりも広く配置されている動的部分Vと、に分け、静的部分Lと動的部分Vとの共通の標準ページピッチを計算する。
画像配置部36は、見開きのページの幅と、画像幅全体から各ページの標準ページピッチと見開きページの幅が占める分を除いた動的部分Vのページで分け合う幅と、を計算する。また、サムネイル画像束SGの動的部分Vに縦長のサムネイル画像Tや図19に示すような横長のサムネイル画像TWが混在している場合に、静的部分Lに比べて、動的部分Vのページ数を減らすか、または、動的部分Vの配置で適用される正規分布を急峻にする。
画像配置部36は、上述した計算を行い、サムネイル画像束SGを構成する複数のサムネイル画像Tの配置順序を決定する。すなわち、サムネイル画像束SGを構成する有透明画像と不透明画像とを配置する位置をそれぞれ特定する。
3D画像処理部38は、画像配置部36により決定された、サムネイル画像束SGを構成する複数のサムネイル画像Tの配置順序に基づいて、各サムネイル画像Tを画像表示部2に描画する。すなわち、サムネイル画像束SGを表示する。
この3D画像処理部38は、サムネイル画像束SGを構成する各サムネイル画像Tを表示すなわち描画する順序を決定する決定部381と、この順序にしたがって画像表示部2に各サムネイル画像Tを表示すなわち表示する描画部382とを有している。
また、本発明では、決定部381は、サムネイル画像束SG中において、各サムネイル画像Tの配置順序の後方から見て、最初に描画する画像を決定するものであり、各サムネイル画像Tの配置順序の後方から見て、透明部分を有するサムネイル画像Tとしての有透明画像の1つ後方の透明部分を有しないサムネイル画像Tとしての不透明画像を、最初に描画する画像として決定する第1決定部と、さらに、各サムネイル画像Tの配置順序の最前方のサムネイル画像Tとしての不透明画像を、最初に描画する画像として決定する第2決定部とを含み、そして、描画部382は、決定部381で決定された最初に描画する画像を、画像として画像表示部2に描画するように構成されている。3D画像処理部38を、このような決定部381と描画部382とを備える構成とすることで、画像表示部2におけるサムネイル画像束SGの描画を、速い処理速度で実施することができるが、その詳細な説明は、後に行うこととする。
3D画像処理部38は、例えば、FrameBuffer、GPUで構成される。
タッチ処理部40は、ユーザーのタッチパネル7Gへのタッチを検出する。タッチ処理部40は、タッチパネル7Gからのタッチ信号を取得する。
ファイル指示部42は、タッチ処理部40から供給されるデータに基づいて、画像データ処理部32に文献データのページの元画像Pの読み込みを指示する。ファイル指示部42は、例えば、モバイル機器向けのオペレーションシステムのアンドロイド(登録商標)の機能である。
画像データ処理部32は、例えば、PDFライブラリーである。
画像データ処理部32は、画像サイズ取得部44と、画像取得部46と、ページ数取得部48と、を備える。
画像サイズ取得部44は、文献記憶部6から文献データのページの元画像Pの横方向の長さを取得する。画像サイズ取得部44は、文献記憶部6から文献データのページの元画像Pの縦方向の長さを取得する。
画像取得部46は、文献記憶部6から文献データのページの元画像P、および、その属性の他、元画像Pに関する情報等を取得する。
この元画像Pに関する情報には、サムネイル画像束SGを構成する複数のサムネイル画像T、すなわち、本発明では、透明部分を有する少なくとも1つの有透明画像と、透明部分を有しない複数の不透明画像との情報を含み、さらに、サムネイル画像束SGすなわち画像群とする際に、各サムネイル画像Tの配置順序に関する情報についても含まれている。すなわち、画像取得部46は、元画像Pとともに、有透明画像と、不透明画像とを含むサムネイル画像Tを有し、予め各サムネイル画像Tの配置順序が決定されているサムネイル画像束SGを、元画像Pに関する情報として取得する。
ページ数取得部48は、文献記憶部6から文献データのページ数を取得する。
アプリケーション部28は、例えば、写真や文書等の印刷ソフト、年賀状印刷ソフト、写真や文書等をプロジェクターで投影する投影ソフト等のアプリケーションソフトである。
<ビューアーの動作>
次に、図5~図15Bを参照し、上述した、ビューアーの動作を説明する。
図5、図6、図7、図11、図13、および図15A、図15Bは、ビューアー10の処理の一例を示すフローチャート、図8は、回転角θを決める処理を説明する図、図9A~図9Eは、サムネイル画像の生成処理を説明する図、図10A~図10Cは、サムネイル画像の配置方法を説明する図、図12は、見開きを説明する図、図14は、動的部分に見開きが配置された配置方法を説明する図である。
以降、初めに、図5のフローチャートに沿って、図2A、図2Bを参照しつつ制御部3の動作を説明する。
制御部3は、生成されたサムネイル画像Tが所定の順序で配置されたサムネイル画像束SGを作成する(図2B参照)。
画像配置部36は、サムネイル画像束SGを静的部分Lと動的部分Vに分け、静的部分Lにおけるサムネイル画像Tの配置順序と、動的部分Vにおけるサムネイル画像Tの配置順序と、をそれぞれ計算し、サムネイル画像束SGを構成する複数のサムネイル画像Tの配置順序を決定する。
図5のフローは、所定のイベント、例えば、ビューアー10の電源が投入されたこと、または、ビューアー10において例えば、メニュー画面の表示が指示されたことを契機として開始される。
まず、ステップS101において、ファイル指示部42は、入力部7のボタン7A~7Fあるいはタッチパネル7Gを使用してユーザーに指定された元画像Pを文献記憶部6から読み出すことを画像取得部46に指示する。そして、制御部3すなわち画像取得部46は、処理対象となるサムネイル画像束SG、この例ではサムネイル画像束SGに含まれる複数のサムネイル画像Tの元画像Pを取得する。
本発明では、制御部3で取得されるサムネイル画像束SGすなわち画像群に含まれる複数のサムネイル画像Tは、透明部分を有する少なくとも1つの有透明画像と、透明部分を有しない複数の不透明画像とを備えている。なお、この透明部分は、完全に透明である必要はなく、有透明画像よりも後方に位置するサムネイル画像Tが透けて、視認可能な程度の透明性を有するものであれば、有透明画像は、透明部分を有していると言うこととする。
次に、ステップS102において、制御部3すなわち画像取得部46は、複数のサムネイル画像Tの並び順を示すデータを取得する。
このデータは、サムネイル画像Tの並び順を示す番号と、サムネイル画像Tの識別子としてのファイル名とを含んでいる。このデータは、文献記憶部6に記憶されている。ステップS101において、制御部3は、文献記憶部6からこのデータを読み出し、このデータに含まれるファイル名を有する元画像Pを文献記憶部6から取得する。そして、ステップS102において、制御部3は、このデータからサムネイル画像Tすなわち有透明画像および不透明画像のサムネイル画像束SGにおける予め決定されている並び順すなわち配置順序を取得する。
次に、ステップS103において、制御部3は、サムネイル画像束SGの表示に用いられるパラメーターを取得する。これらのパラメーターは、サムネイル画像束SGの識別子とともに、文献記憶部6に記憶されている。ここで取得されるパラメーターには、画像数や画像の幅寸法が含まれる。画像数は、サムネイル画像束SGに含まれるサムネイル画像Tの数を示すパラメーターである。画像の幅寸法は、サムネイル画像束SGの横方向の長さを示すパラメーターである。
次に、ステップS104において、制御部3は、GUI基盤部30で生成されたサムネイル画像Tを用いてサムネイル画像束SGを作成する。詳細には、制御部3は、GUI基盤部30がステップS101において取得した元画像Pを縮小または拡大し、生成したサムネイル画像Tを用いてサムネイル画像束SGを作成する。
このサムネイル画像束SGすなわち画像群を作成する際に、本発明の描画順序決定方法および描画方法が適用されるが、以下、図6のフローチャートに沿って、制御部3を用いて、サムネイル画像Tを作成し、サムネイル画像Tを配置してサムネイル画像束SGを作成する動作を説明する。
まず、ステップS201において、画像配置部36は、後述する図9Aに示す各ページの第2仮想回転軸Mを中心にして回転する回転角θを決める。なお、この動作を図7のフローチャートに沿って、説明する。
まず、ステップS301において、画像配置部36は、元画像PのNページ目の読み込みを開始する。Nは1以上の整数である。
次に、ステップS302において、画像配置部36は、Nページ目が動的部分Vでない場合は、「No」としてステップS306に進み、Nページ目の回転角θを最大回転角θmaxと設定し、ステップS304に進む。また、Nページ目が動的部分Vである場合は、「Yes」としてステップS303に進み、Nページ目の回転角θを「最大回転角-最大削減回転角*該当する正規分布の値/正規分布の中央値」と設定する。なお、動的部分Vに配置されるページの回転角θは、図8に示すように、削減回転角の正規分布に従って計算され、動的部分Vの横方向の中心となる所定の位置Kに近いほどページの回転角θが小さくなる。つまり、所定の位置Kに1番目に近いページの回転角θ1<2番目に近いページの回転角θ2<3番目に近いページの回転角θ3となる。
次に、ステップS304において、画像配置部36は、見開きより右側なら角度の正負を逆転する。つまり、所定の位置Kより右側のページは、回転角θを-θ1、-θ2、-θ3、-θmaxと設定する。
次に、ステップS305において、画像配置部36は、ステップS301に戻り、ステップS301からステップS305の動作をページ数分繰り返し、Nページ目の読み込みを完了し、各ページの回転角θの設定を終了する。
図6に戻り、ステップS202において、制御部3は、各ページのサムネイル画像Tを作成する。具体的には、GUI基盤部30において、第1仮想回転軸Q上に配置される複数のサムネイル画像Tのそれぞれを、第1仮想回転軸Qと交差するそれぞれの第2仮想回転軸Mを中心にして回転し、さらに第1仮想回転軸Qを中心に回転してサムネイル画像Tを作成する。
すなわち、GUI基盤部30は、図9Aに示すように、ページTaを仮想空間内の仮想水平面Nに設定された第1仮想回転軸Q上に立てて配置し、第1仮想回転軸Qと交差するそれぞれの第2仮想回転軸Mを中心にして、ページTaの横方向が表示領域の横方向に平行な基準位置Rから回転角θで回転させる。さらに、GUI基盤部30は、仮想空間内においてそれぞれの第2仮想回転軸Mを中心にして回転されたページTaを、第1仮想回転軸Qを中心にして図示しない俯角φで回転させた画像を作成する。即ち、GUI基盤部30は、仮想空間内において、第2仮想回転軸Mを中心にして回転されたページTaの上辺より上の視点から、ページTaを図示しない俯角φで斜めに見下ろしている画像を作成する。換言すれば、各サムネイル画像は、仮想空間内においてページTaの上辺より上の視点からページTaを図示しない俯角φで斜視し、俯瞰している画像として生成される。なお、ページを回転させていない場合、ページの横方向が表示領域の横方向に平行な状態であり、回転角θは0°である。また、俯角φは予め定められた角度となっている。また、第2仮想回転軸Mは、ページの縦方向である第2方向の辺に沿って平行である構成に限定されるものではなく、ページの横方向の辺と交差する構成であってもよい。
具体的には、まず、GUI基盤部30は、各ページを正面から見た図9Bに示す画像Tbに対して、図9Cに示すように、横幅を変化させないようにしつつ、縦方向の変形を加え、図9Bの画像Tbの右辺を左辺に対してS・sinθ・tanφだけずらした画像Tcを作成する。次に、GUI基盤部30は、図9Dに示すように、図9Cの画像Tcを、cosθの倍率で横方向に縮小した画像Tdを作成する。この結果、画像Tdの横幅は、S・cosθとなる。そして、GUI基盤部30は、最後に図9Eに示すように、図9Dの画像Tdをcosφの倍率で縦方向に縮小した画像Teを作成する。この結果、画像Teの縦方向の寸法は、L・cosφとなる。これにより、ページを、第2仮想回転軸Mを中心にして回転角θで回転させ、さらに、第1仮想回転軸Qを中心に回転させたサムネイル画像Tが生成される。換言すれば、ページを、第2仮想回転軸Mを中心にして回転角θで回転させ、且つ、ページの上辺より上の視点からページを俯角φで見下ろした時のサムネイル画像Tが生成される。
再び図6に戻り、ステップS203において、画像配置部36は、動的部分Vと静的部分Lとの共通の標準ページピッチLaを計算する。
標準ページピッチLaは、「全体占有幅*標準ページピッチ占有幅比率/(ページ数-1)」で計算される。ここで、ページピッチが図10Aで示す正規分布の場合、図10Bに示すように、静的部分Lのページピッチは、標準ページピッチLaとなり、動的部分Vのページピッチは、標準ページピッチLaの間にページピッチL1,L2,L3が入ったピッチとなる。なお、全体占有幅とは、静的部分Lのページピッチの合計と動的部分Vのページピッチの合計とを加算し、さらに「標準ページ幅*cos(最大回転角θmax)」の1/2に相当する両端の2つのページピッチLbを加算した長さWmaxである。また、標準ページピッチ占有幅比率とは、図10Cに示すように、動的部分VのページピッチL1,L2,L3を除いた標準ページピッチ占有幅の長さWaの全体占有幅の長さWmaxに対する比率である。
次に、ステップS204において、画像配置部36は、見開きの幅を計算する。なお、見開きとは、図8に示す動的部分Vの所定の位置Kを挟む2枚のサムネイル画像Tのことである。
以下、図11のフローチャートに沿って、画像配置部36の見開きの幅を計算する動作を説明する。
まず、ステップS401において、画像配置部36は、見開きの実表示幅を、予め決められた見開きギャップGAとする。なお、見開きギャップGAとは、図12に示すように、見開き左のページと見開き右のページとの間隔である。
次に、ステップS402において、見開きが動的部分Vである場合、「Yes」としてステップS403に進み、ステップS403において、見開きの状態が、「見開き左≧ページ総数-1または全ページ右向き」や「見開き右≦0ページまたは全ページ左向き」でない「他」の場合には、ステップS404に進み、画像配置部36は、見開き左の実表示幅WLを、「見開き左のページ幅*cos(回転角θ)」とする。なお、全ページ右向きとは、全ページが図12における「見開き左」の場合であり、全ページ左向きとは、全ページが図12における「見開き右」の場合である。
次に、ステップS405において、画像配置部36は、見開き右の実表示幅WRを、「見開き右のページ幅*cos(回転角θ)」とする。
次に、ステップS406において、画像配置部36は、見開きの実表示幅に、「(見開き左の実表示幅WL/2)+(見開き右の実表示幅WR/2)」を加算し、見開きの実表示幅の計算を終了する。
次に、ステップS403に戻り、見開きの状態が、「見開き右≦0ページまたは全ページ左向き」の場合には、ステップS407に進み、見開き右の実表示幅WRを、「見開き右のページ幅*cos(回転角θ)」とする。
次に、ステップS408において、画像配置部36は、見開きの実表示幅に、「見開き右の実表示幅WR/2」を加算し、見開きの実表示幅の計算を終了する。
再び、ステップS403に戻り、見開きの状態が、「見開き左≧ページ総数-1または全ページ右向き」の場合には、ステップS409に進み、見開き左の実表示幅WLを、「見開き左のページ幅*cos(回転角θ)」とする。
次に、ステップS410において、画像配置部36は、見開きの実表示幅に、「見開き左の実表示幅WL/2」を加算し、見開きの実表示幅の計算を終了する。
次に、ステップS402に戻り、見開きが動的部分Vでない場合、「No」としてステップS411に進み、ステップS411において、「見開き右≦0ページまたは見開き左≧ページ総数-1」である場合には、「Yes」としてステップS412に進む。
ステップS412において、画像配置部36は、見開きの実表示幅に、「標準ページ幅*cos(最大回転角θmax)/2」を加算し、見開きの実表示幅の計算を終了する。
次に、ステップS411に戻り、「見開き右≦0ページまたは見開き左≧ページ総数-1」でない場合には、「No」としてステップS413に進み、ステップS413において、画像配置部36は、見開きの実表示幅に、「標準ページ幅*cos(最大回転角θmax)」を加算し、見開きの実表示幅の計算を終了する。
再び、図6に戻り、ステップS205において、画像配置部36は、動的部分Vのページで分け合う幅を計算する。
動的部分Vのページで分け合う幅は、「全体占有幅*(1-標準ページピッチ占有幅比率)-見開きの実表示幅」で計算される。なお、全体占有幅は、上述した静的部分Lのページピッチの合計と動的部分Vのページピッチの合計とを加算し、さらに静的部分Lのページピッチ1個を加算した長さWmaxである。また、標準ページピッチ占有幅比率とは、標準ページピッチ占有幅の長さWaの全体占有幅の長さWmaxに対する比率である。
次に、ステップS206において、画像配置部36は、動的部分Vの累積正規分布を計算する。
以下、図13のフローチャートに沿って、画像配置部36の動的部分の累積正規分布を計算する動作を説明する。
まず、ステップS501において、画像配置部36は、累積正規分布を「0」とする。
次に、ステップS502において、画像配置部36は、動的部分VのMページ目の読み込みを開始する。Mは1以上の整数である。
次に、ステップS503において、画像配置部36は、見開きより右側なら回転角θの角度の正負を逆転する。
次に、ステップS504において、Mページ目が見開きの左右どちらかである場合には、「Yes」としてステップS505に進み、ステップS505において、画像配置部36は、累積正規分布に、「Mページ目の正規分布/2」を加算する。
次に、ステップS506において、画像配置部36は、Mページ目の読み込みを完了し、累積正規分布の計算を終了する。
ステップS504に戻り、Mページ目が見開きの左右どちらかでない場合には、「No」としてステップS507に進み、ステップS507において、画像配置部36は、累積正規分布に、「Mページ目の正規分布」を加算する。
次に、ステップS506において、画像配置部36は、ステップS502に戻り、ステップS502からステップS506の動作をページ数分繰り返し、Mページ目の読み込みを完了し、累積正規分布の計算を終了する。
以上の累積正規分布の計算を行うことで、図14に示すように、動的部分Vに見開きがある配置を計算することができる。
再び、図6に戻り、ステップS207において、画像配置部36は、各ページのサムネイル画像Tを配置し、サムネイル画像束SGを作成する。
以下、図15Aのフローチャートに沿って、画像配置部36の各ページを配置する動作を説明する。
まず、ステップS601において、画像配置部36は、0ページ目のX座標を「標準ページ幅La*cos(最大回転角θmax)/2」とする。なお、X座標とは、最初のページの横方向に対向する両端部の左側の端部を0とし、左側の端部からの横方向となるX軸方向の長さである。
次に、ステップS602において、画像配置部36は、元画像PのNページ目の読み込みを開始する。Nは1以上の整数である。
次に、ステップS603において、Nページ目が見開きの右である場合には、「Yes」としてステップS604に進み、ステップS604において、Nページ目が動的部分Vである場合には、「Yes」としてステップS605に進む。
次に、ステップS605において、画像配置部36は、X座標に「動的部分で分け合う幅*Nページ目の正規分布/累積正規分布/2」を加算する。
次に、ステップS606において、画像配置部36は、Nページ目のX座標をX座標とする。
次に、ステップS607において、Nページ目が見開き右である場合には、「Yes」としてステップS608に進む。Nページ目が見開き右でない場合には、「No」としてステップS614に進み、ステップS614において、画像配置部36は、X座標に「動的部分で分け合う幅*Nページ目の正規分布/2」を加算し、ステップS608に進む。
次に、ステップS604に戻り、Nページ目が動的部分Vでない場合には、「No」としてステップS613において、Nページ目のX座標をX座標とし、ステップS608に進む。
次に、ステップS603に戻り、Nページ目が見開き右でない場合には、「No」としてステップS611に進み、ステップS611において、X座標に見開きの実表示幅を加算する。
次に、ステップS612において、Nページ目のX座標をX座標とし、ステップS608に進む。
次に、ステップS608において、X座標に標準ページピッチLaを加算し、ステップS609において、画像配置部36は、ステップS602に戻り、ステップS602からステップS609の動作をページ数分繰り返し、Nページ目の読み込みを完了し、各ページのX座標の計算を終了する。
その後、画像配置部36で計算した各ページのX座標に基づいて、GUI基盤部30で生成した、各ページに対応した各サムネイル画像Tを第1仮想回転軸Q上に配置することでサムネイル画像束SGの生成が終了されるが、第1仮想回転軸Q上に、各サムネイル画像Tを配置する配置順序の決定に、本発明の描画順序決定方法が適用される。
以下、図15Bのフローチャートに沿って、画像配置部36および3D画像処理部38により、各ページすなわち各サムネイル画像Tを配置する配置順序を決定する際の動作を説明する。
なお、以下では、図2Bに示すように、サムネイル画像束SGが有する各サムネイル画像Tのうち、右側の見開きのサムネイル画像Tから右側に位置する各サムネイル画像Tを用いて、各サムネイル画像Tを描画する描画順序を決定し、さらに、この描画順序にしたがって各サムネイル画像Tを描画する場合について説明するが、左側の見開きのサムネイル画像Tから左側に位置する各サムネイル画像Tについては、右側に位置する各サムネイル画像Tを、鏡像的に反転させて、+X方向を前方方向として実施すればよいことから、その説明を省略する。
まず、ステップS701において、画像配置部36は、サムネイル画像束SG中において、第1仮想回転軸Q上に配置されるX座標が決定された各ページすなわち各サムネイル画像Tについて、それぞれ、透明部分を有する有透明画像と、透明部分を有しない不透明画像とが配置される位置をそれぞれ特定する(特定工程)。
具体的には、本実施形態では、図2Bに示すように、配置順序Cおよび配置順序Gの位置に配置されているサムネイル画像Tが有透明画像であり、それ以外の配置順序に位置するサムネイル画像Tが不透明画像である。画像配置部36は、このような配置順序で配置されている、有透明画像および不透明画像の位置をそれぞれ特定する。
なお、各サムネイル画像Tのうち、有透明画像は、透明部分を有する旨を特定するフラグを有していることが好ましい。これにより、複数のサムネイル画像Tの中からの有透明画像の特定を、比較的容易に実施することが可能となる。
次に、ステップS702において、3D画像処理部38は、サムネイル画像束SGを、配置順序の後方から見たとき、すなわち、図2B中、-X方向側を前方、+X方向側を後方として、後方から前方を見たときに、有透明画像が存在する場合には、「Yes」としてステップS703に進み、ステップS703において、このステップS703が1回目である場合には、「Yes」としてステップS704に進む。
次に、ステップS704において、3D画像処理部38は、配置順序の後方から見て、有透明画像の1つ後方の不透明画像を、最初に描画する画像として決定する。
具体的には、本実施形態では、図2Bに示すように、配置順序の後方から見て、すなわち+X方向から-X方向に見て、配置順序Gの位置に配置されている有透明画像の1つ後方すなわち1つ+X方向に配置されている、配置順序Hの不透明画像を、最初に描画する画像として決定する。
このステップS704により、配置順序の後方から見て、有透明画像の1つ後方の不透明画像を、最初に描画する画像として決定する第1ステップが構成される。
次に、ステップS705において、3D画像処理部38は、最初に描画する画像から後方すなわち+X方向に向かって順次配置されている不透明画像の順序を、画像を順次描画する順番すなわち描画順序として決定する。
具体的には、本実施形態では、図2Bに示すように、最初に描画する画像としての配置順序Hの不透明画像から後方すなわち+X方向に向かって順次配置されている、配置順序I、Jの不透明画像の順序で、サムネイル画像Tを順次描画する順番として決定する。すなわち、配置順序H、I、Jの不透明画像の順序で順次描画することを決定する。
ただし、この描画する順番を決定する本実施形態の他、他の構成例では、3D画像処理部38は、最初に描画する画像から後方に向かって順次配置されている不透明画像の順序と、このステップS705において描画する画像順番の決定に用いた有透明画像との順序を、画像を順次描画する順番として決定することもできる。
具体的には、他の構成例では、最初に描画する画像としての配置順序Hの不透明画像から後方すなわち+X方向に向かって順次配置されている、配置順序I、Jの不透明画像と、配置順序Gの有透明画像との順序で、サムネイル画像Tを順次描画する順番、すなわち、配置順序H、I、Jの不透明画像と配置順序Gの有透明画像との順序で順次描画することを決定することもできる。
次に、ステップS702に戻り、3D画像処理部38は、サムネイル画像束SGを、配置順序の後方から見たとき、すなわち後方から前方を見たときに、すでに描画する順番が決定された有透明画像とは別の有透明画像が存在する場合には、「Yes」としてステップS703に進み、そして、このステップS703が2回目以降である場合には、「No」としてステップS706に進む。
次に、ステップS706において、3D画像処理部38は、上述した各工程で、すでに描画する順番が決定された各サムネイル画像Tを除いて、配置順序の後方から見て、有透明画像の1つ後方の不透明画像を、最初に描画する画像として決定する。
具体的には、本実施形態では、図2Bに示すように、配置順序Cの位置に配置されている有透明画像の1つ後方に配置されている、配置順序Dの不透明画像を、最初に描画する画像として決定する。
このステップS706によっても、配置順序の後方から見て、有透明画像の1つ後方の不透明画像を、最初に描画する画像として決定する第1ステップが構成される。
次に、ステップS707において、3D画像処理部38は、最初に描画する画像から後方に向かって順次配置されている不透明画像と、1つ前のステップS704で描画する画像順番の決定に用いた有透明画像との順序を、画像を順次描画する順番として決定する。
具体的には、本実施形態では、図2Bに示すように、最初に描画する画像としての配置順序Dの不透明画像から後方に向かって順次配置されている、配置順序E、Fの不透明画像と、配置順序Gの有透明画像との順序で、サムネイル画像Tを順次描画する順番として決定する。すなわち、配置順序D、E、Fの不透明画像と配置順序Gの有透明画像との順序で順次描画することを決定する。
ただし、この描画する順番に決定する本実施形態の他、他の構成例では、3D画像処理部38は、最初に描画する画像から後方に向かって順次配置されている不透明画像の順序と、このステップS707において描画する画像順番の決定に用いた有透明画像との順序を、画像を順次描画する順番として決定することもできる。
具体的には、他の構成例では、最初に描画する画像としての配置順序Dの不透明画像から後方すなわち+X方向に向かって順次配置されている、配置順序E、Fの不透明画像と、配置順序Cの有透明画像との順序で、サムネイル画像Tを順次描画する順番、すなわち、配置順序D、E、Fの不透明画像と配置順序Cの有透明画像との順序で順次描画することを決定することもできる。
なお、有透明画像の枚数がn(nは2以上の整数)枚である場合には、n回目となるまで、ステップS702、ステップS703、ステップS706およびステップS707のフローを繰り返して実施する。
すなわち、サムネイル画像束SGにおいて、n枚(n=2以上の整数)の有透明画像を有するとき、n回目となるまで、ステップS706を含む第1ステップをn回繰り返した後に、後述するステップS708を含む、第2ステップが実施される。
次に、ステップS702に戻り、3D画像処理部38は、サムネイル画像束SGを、上述した各工程で、描画する順番がすでに決定された各サムネイル画像Tを除いて、配置順序の後方から見たときに、有透明画像が存在しない場合には、「No」としてステップS708に進み、配置順序の最前方すなわち-X方向における最前方の不透明画像を、最初に描画する画像として決定する。
具体的には、本実施形態では、図2Bに示すように、配置順序において最前方である配置順序Aに位置する不透明画像を、最初に描画する画像として決定する。
このステップS708によって、配置順序の最前方の不透明画像を、最初に描画する画像として決定する第2ステップが構成され、前記第1ステップと、本第2ステップとにより、サムネイル画像束SGすなわち画像群中において、最初に描画する画像を決定する決定工程が構成される。
次に、ステップS709において、3D画像処理部38は、最初に描画する画像から後方すなわち+X方向に向かって順次配置されている不透明画像と、1つ前のステップS704またはステップS706で描画する画像順番の決定に用いた有透明画像との順序を、画像を順次描画する順番として決定することで、各サムネイル画像Tを描画する順序の決定を終了する。
具体的には、本実施形態では、図2Bに示すように、最初に描画する画像としての配置順序Aの不透明画像から後方すなわち+X方向に向かって順次配置されている、配置順序Bの不透明画像と、配置順序Cの有透明画像との順序で、サムネイル画像Tを順次描画する順番として決定する。すなわち、配置順序A、Bの不透明画像と配置順序Cの有透明画像との順序で順次描画することを決定することで、各サムネイル画像Tを描画する順序の決定を終了する。
ただし、この描画する順番に決定する本実施形態の他、他の構成例では、3D画像処理部38は、最初に描画する画像から後方に向かって順次配置されている不透明画像の順序を、画像を順次描画する順番として決定することもできる。
具体的には、他の構成例では、最初に描画する画像としての配置順序Aの不透明画像から後方すなわち+X方向に向かって順次配置されている、配置順序Bの不透明画像との順序で、サムネイル画像Tを順次描画する順番、すなわち、配置順序A、Bの不透明画像の順序で順次描画することを決定することもできる。
その後、画像配置部36で計算した各ページすなわち各サムネイル画像TのX座標と、3D画像処理部38で決定した各ページすなわち各サムネイル画像Tの描画順序に基づいて、GUI基盤部30で生成した、各ページに対応した各サムネイル画像Tを、決定した描画順序にしたがって、第1仮想回転軸Q上に配置することでサムネイル画像束SGが生成される。
図5に戻り、ステップS105において、制御部3は、ステップS104で生成したサムネイル画像Tで構成されたサムネイル画像束SGを、ステップS104で決定したサムネイル画像Tの描画順序にしたがって、画像表示部2に表示する。
すなわち、制御部3は、本発明の描画順序決定方法を含むステップS104で決定したサムネイル画像Tの描画順序にしたがって、サムネイル画像束SGが有するサムネイル画像Tを画像表示部2に順次描画する(描画工程)。
このとき、制御部3は、本発明の描画順序決定方法を含むステップS104で決定したそれぞれの最初に描画する画像を、最初に描画する画像の候補とし、その後、これらのうちの少なくとも1つを、最初に描画する画像として描画した後に、決定した描画順序にしたがって、最初に描画する画像以降の画像を描画する。そして、他の最初に描画する画像を、さらに、最初に描画する画像として描画した後に、決定した描画順序にしたがって、最初に描画する画像以降の画像を描画する。
具体的には、GUI基盤部30で生成した、各サムネイル画像Tに対応した第1仮想回転軸Q上の配置に、本実施形態では、図2Bに示すように、まず、1回目の描画で、配置順序Hの不透明画像を、最初に描画する画像として描画し、次いで、配置順序Hよりも後方に位置する、配置順序I、Jの不透明画像をこの順で描画する。また、2回目の描画で、配置順序Dの不透明画像を、最初に描画する画像として描画し、次いで、配置順序Dよりも後方に位置する、配置順序E、Fの不透明画像と、配置順序Gの有透明画像とをこの順で描画する。さらに、3回目の描画で、配置順序Aの不透明画像を、最初に描画する画像として描画し、次いで、配置順序Aよりも後方に位置する、配置順序Bの不透明画像と、配置順序Cの有透明画像とをこの順で描画することで、サムネイル画像束SGが画像表示部2に表示される。
なお、1回目の描画~3回目の描画は、この順序で描画するのが好ましいが、各回においてそれぞれ規定した描画順序が守られていれば、各回の描画は、3つ供にほぼ同時に開始されてもよいし、これらのうちの2つがほぼ同時に開始され、残りの1つが最後に開始されてもよいし、これらのうちの1つが最初に開始され、残りの2つがほぼ同時もしくは順次開始されてもよい。
ここで、サムネイル画像束SGでは、図2A、図2Bに示すように、サムネイル画像束SGすなわち画像群中において、有透明画像は、その一部が後方の不透明画像と重なりを有している。
このような重なりを有するサムネイル画像Tを備えるサムネイル画像束SGを、3D描画する場合では、一般的に、奥行きの表現すなわち重なりを有している領域の表現を行うために、画像表示部2すなわちスクリーンに描画する1枚のサムネイル画像Tとは別に、深度情報を有している。この深度情報は、「新しく描画するサムネイル画像Tの深度より浅い位置にすでにサムネイル画像Tがある場合、新しいサムネイル画像Tを描画しない」という情報であり、この情報に基づいて、描画処理が実施される。
この深度情報を用いた描画処理を利用して、前記背景技術で説明した通り、画像表示部2において、前方に存在するものから描画を行うことで、重なりを有している領域の描画を行う処理すなわち画像データの取得や色の計算等を実施する処理を省略することができる。そのため、画像表示部2においてサムネイル画像束SGを描画する際の高速化が図られると言う利点が得られる。
しかしながら、前方から描画を行う際に、図2Bに示すように、サムネイル画像束SGにおいて、サムネイル画像Tとして、その少なくとも一部に透明な領域を有する有透明画像を含む場合では、その後方に位置するサムネイル画像Tにおいて描画を行う必要がある領域が存在していたとしても、深度情報によって描画を行う必要がないと判断されてしまい、その結果、透明な領域に対応する後方のサムネイル画像Tの描画が正しく行われないと言う問題があった。
これに対して、本発明では、前述の通り、サムネイル画像束SGを、ステップS104で決定したサムネイル画像Tの描画順序にしたがって、画像表示部2に表示している。簡略して言えば、図2Bに示すように、有透明画像の1つ後方の不透明画像を、最初に描画する画像として決定し、その後、最初に描画する画像から後方に向かって順次配置されている不透明画像と、前回の最初に描画する画像を決定する際に用いた有透明画像との順序で、サムネイル画像Tを画像表示部2に表示する。そのため、サムネイル画像Tとして、有透明画像が含まれていたとしても、この有透明画像の後方に位置するサムネイル画像Tの描画を正確に実施するとともに、サムネイル画像束SGを描画する際の高速化を確実に図ることができる。
なお、図2A、図2Bに示すようなサムネイル画像束SG、特に、サムネイル画像束SGの動的部分Vでは、各サムネイル画像Tは、その大部分の領域がそれよりも前方に位置するサムネイル画像Tで隠れてしまう。そのため、描画を行わなくてもよい領域の専有面積が広く、深度情報を用いた描画処理を実施することによる高速化の恩恵を大きく受けることができる。
以上のフローにより、画像表示部2の横方向に沿って、右側から左側へページ番号の昇順で配置したサムネイル画像束SGが画像表示部2に表示される。
なお、各ステップで算出された各種計算値は、ページごとにRAM5に記憶され、計算に必要な際に、その都度、RAM5から読み出され各種計算に用いられる。
上述のような表示装置としてのビューアー10や表示方法によれば、静的部分Lに配置されたサムネイル画像Tは、隣り合うサムネイル画像Tと一部が重なって表示されるので、サムネイル画像Tの記載内容の一部を確認することができる。また、動的部分Vに配置されたサムネイル画像Tは、所定の位置Kに近いサムネイル画像Tであるほど、第2仮想回転軸Mを中心とする回転角θが小さくなるように表示されているので、所定の位置Kに近いサムネイル画像Tほど、画像幅が広くなり、サムネイル画像Tの記載内容をより確認し易くなる。従って、全てのサムネイル画像Tの記載内容を一括して確認することができる。
また、所定の位置Kが、複数のサムネイル画像Tが並ぶ横方向において、動的部分Vの中心であるので、所定の位置Kの両側に画像幅の広いサムネイル画像Tが配置され、動的部分Vに配置されたサムネイル画像Tの記載内容をより確認し易くなる。
次に、入力部7のボタン7A~7Fあるいはタッチパネル7Gを使用してユーザーが所定の操作を行った場合の表示方法や上述した制御部3を制御するプログラム以外に予めプログラムされた表示方法について、表示例1~表示例9として説明する。
[表示例1]
画像束を拡大表示する表示方法について、図16を参照して説明する。
図16は、サムネイル画像束を拡大表示した図である。なお、ビューアー10における構成部位に関しては、上述と同符号を付して説明する。
図16に示すように、ユーザーがサムネイル画像束SGを指で矢印A1が示すように上方に移動させ、指をタッチパネル7Gから離すと、制御部3は、サムネイル画像束SGを所定の拡大率で拡大し、画像表示部2においてサムネイル画像束SGを指で移動した付近で、拡大されたサムネイル画像束SGを表示する処理を行う。また、拡大されたサムネイル画像束SGは、ユーザーが指で下方に移動させ、タッチパネル7Gから指を離すと、元の大きさのサムネイル画像束SGとなり表示される。
なお、拡大されたサムネイル画像束SGは、幅方向である横方向の長さが元のサムネイル画像束SGと同じで、各サムネイル画像Tが所定の拡大率で拡大されて表示される。
この表示方法によれば、サムネイル画像束SGを所定の拡大率で拡大して表示することにより、サムネイル画像束SGの各サムネイル画像Tの記載内容を容易に認識することができる。
[表示例2]
動的部分Vの画像数が所定の画像数より少ない画像束を表示する表示方法について、図17を参照して説明する。
図17は、動的部分の画像数が所定の画像数より少ないサムネイル画像束を表示した図である。なお、ビューアー10における構成部位に関しては、上述と同符号を付して説明する。
図17に示すように、動的部分Vの画像数が所定の画像数より少ない場合、例えば、動的部分Vにおける所定の画像数が6枚で、動的部分Vの画像数が4枚の場合、制御部3は、架空の2枚を実存する4枚の左側に追加した配置を計算し、図17に示すように、動的部分Vにおいて、右側に寄せて4枚のサムネイル画像Tを表示する。
この表示方法によれば、少ない枚数で飛び飛びに配置されず、連続した画像が集中した位置に表示されるので、見た目が美しくなる。
[表示例3]
動的部分Vの画像数が所定の画像数より少ない画像束を表示するもう一つの表示方法について、図18を参照して説明する。
図18は、動的部分の画像数が所定の画像数より少ないサムネイル画像束を表示した図である。なお、ビューアー10における構成部位に関しては、上述と同符号を付して説明する。
図18に示すように、動的部分Vの画像数が所定の画像数より少ない場合、ユーザーが指で動的部分Vのサムネイル画像Tをタッチすることで、制御部3は、動的部分Vに配置されたサムネイル画像Tの回転角θを動的部分Vに所定の画像数が配置されている場合に比べ、小さくして表示する処理を行う。具体的には、動的部分Vの画像数が所定の画像数より少ない場合には、所定の位置Kに一番近いサムネイル画像Tの回転角θ1を動的部分Vに所定の画像数が配置されている場合の所定の位置Kに1番目に近いサムネイル画像Tの回転角θ1より小さくする。また、所定の位置Kに2番目に近いサムネイル画像Tの回転角θ2を動的部分Vに所定の画像数が配置されている場合の所定の位置Kに2番目に近いサムネイル画像Tの回転角θ2より小さくする。
なお、動的部分Vの画像数が所定の画像数より少ない場合には、動的部分Vに所定の画像数が配置されている場合に比べ、動的部分Vに配置されたサムネイル画像Tの回転角θを小さくするように自動的に制御するプログラムとしても構わない。
この表示方法によれば、動的部分Vにおけるサムネイル画像Tの第2仮想回転軸Mを中心とする回転角θを小さくして表示することで、動的部分Vに配置されたサムネイル画像Tの画像幅がより広くなり、動的部分Vに配置されたサムネイル画像Tの記載内容をより確認し易くなる。
[表示例4]
縦長画像と横長画像とが混在する画像束を表示する表示方法について、図19を参照して説明する。
図19は、縦長画像と横長画像とが混在するサムネイル画像束を表示した図である。なお、ビューアー10における構成部位に関しては、上述と同符号を付して説明する。
図19に示すように、動的部分Vに横方向の長さが縦方向の長さに比べ短い縦長のサムネイル画像Tと、横方向の長さが縦方向の長さに比べ長い横長のサムネイル画像TWと、が混在しているサムネイル画像束SGにおいて、制御部3は、動的部分Vに縦長のサムネイル画像Tよりも横長のサムネイル画像TWが多い場合に、縦長のサムネイル画像Tよりも横長のサムネイル画像TWが少ない場合の画像数に比べ、画像数を減らして表示する処理を行う。
この表示方法によれば、動的部分Vに縦長のサムネイル画像Tよりも横長のサムネイル画像TWが多い場合に、動的部分Vの画像数を減らして表示することで、横長のサムネイル画像TWと隣り合う画像との間隔が広くなり、重なり領域が小さくなるので、横長のサムネイル画像TWの記載内容をより確認し易くなる。
[表示例5]
縦長画像と横長画像とが混在する画像束で、各画像の端部を揃えて表示する表示方法について、図20を参照して説明する。
図20は、縦長画像と横長画像とが混在するサムネイル画像束で、各サムネイル画像の端部を揃えて表示した図である。なお、ビューアー10における構成部位に関しては、上述と同符号を付して説明する。
縦長のサムネイル画像Tと横長のサムネイル画像TWとが混在しているサムネイル画像束SGは、各サムネイル画像T,TWを縦方向に中央寄せして表示される。そのため、ユーザーがサムネイル画像束SGを指でタッチし、サムネイル画像束SGを上方または下方に移動させ、サムネイル画像束SGの上端または下端の一部が画像表示部2に表示されなくなると、制御部3は、サムネイル画像T,TWの縦方向に対向する両端部のうち、どちらか一方の端部を揃えて表示する処理を行う。具体的には、図20に示すように、サムネイル画像束SGの所定の範囲となるサムネイル画像束SGの上方部分のみが表示され、つまり、サムネイル画像T,TWの下端が画像表示部2に表示されなくなると、各サムネイル画像T,TWの上端部を揃えたサムネイル画像束SGが表示される。また、サムネイル画像束SGの所定の範囲となるサムネイル画像束SGの下方部分のみが表示され、つまり、サムネイル画像T,TWの上端が画像表示部2に表示されなくなると、各サムネイル画像T,TWの下端部を揃えたサムネイル画像束SGが表示される。
この表示方法によれば、サムネイル画像束SGを構成する複数のサムネイル画像T,TWに縦長のサムネイル画像Tや横長のサムネイル画像TWが混在し、複数のサムネイル画像T,TWの縦方向に対向する両端部のどちらかが表示されない場合でも、サムネイル画像束SGを構成する複数のサムネイル画像T,TWの縦方向に対向する両端部のうち、どちらか一方を揃えて表示することで、横長のサムネイル画像TWの記載内容を確認することができる。
[表示例6]
操作画像と隣り合う画像との間隔を広げて表示する表示方法について、図21を参照して説明する。
図21は、操作サムネイル画像と隣り合うサムネイル画像との間隔を広げて表示した図である。なお、ビューアー10における構成部位に関しては、上述と同符号を付して説明する。
図21に示すように、ユーザーが操作画像としての操作サムネイル画像TSを指でタッチする等の所定の操作が行われると、制御部3は、操作サムネイル画像TSと隣り合うサムネイル画像Tとの間隔を広げて表示する処理を行う。具体的には、操作サムネイル画像TSの左側のサムネイル画像Tとの間隔W1と操作サムネイル画像TSの右側のサムネイル画像Tとの間隔W2を、操作サムネイル画像TSが指でタッチされる所定の操作前の間隔より、それぞれ広くして表示される。
この表示方法によれば、操作サムネイル画像TSと隣り合うサムネイル画像Tとの間隔を広げて表示されるので、操作サムネイル画像TSと隣り合うサムネイル画像Tとの重なる領域が小さくなり、操作サムネイル画像TSと隣り合うサムネイル画像Tの記載内容を確認し易くなる。
[表示例7]
操作画像と隣り合う画像とが重ならないように表示する表示方法について、図22を参照して説明する。
図22は、操作サムネイル画像と隣り合うサムネイル画像とが重ならないように表示した図である。なお、ビューアー10における構成部位に関しては、上述と同符号を付して説明する。
図22に示すように、ユーザーが動的部分Vに配置された操作画像としての操作サムネイル画像TSを所定の時間以上、例えば1秒以上指でタッチする等の所定の操作が行われると、制御部3は、操作サムネイル画像TSと隣り合うサムネイル画像T同士が重ならないように表示する処理を行う。具体的には、操作サムネイル画像TSの左側のサムネイル画像Tとの間隔G1と操作サムネイル画像TSの右側のサムネイル画像Tとの間隔G2とが設けてられて表示される。
この表示方法によれば、動的部分Vに配置された操作サムネイル画像TSと隣り合うサムネイル画像T同士が重ならないように表示されるので、操作サムネイル画像TSと隣り合うサムネイル画像Tの記載内容を容易に確認することができる。
[表示例8]
動的部分Vの画像を静的部分Lへ移して表示する表示方法について、図23および図24を参照して説明する。
図23は、動的部分のサムネイル画像を静的部分へ移して表示する方法を説明する図であり、図24は、動的部分のサムネイル画像を静的部分へ移して表示した図である。なお、ビューアー10における構成部位に関しては、上述と同符号を付して説明する。
図23に示すように、ユーザーが動的部分Vに配置されたサムネイル画像Tを指でタッチし、矢印A2が示すように右側に移動させると、制御部3は、指でタッチされたサムネイル画像Tと、指でタッチされたサムネイル画像Tと静的部分Lとの間に配置されているサムネイル画像Tと、を静的部分Lに移動し、図24に示すように、静的部分Lに配置し表示する処理を行う。つまり、動的部分Vに表示されているサムネイル画像Tを静的部分Lに移動可能である。なお、静的部分Lに表示されているサムネイル画像Tを動的部分Vに移動させることも可能である。具体的には、静的部分Lのサムネイル画像Tを指でタッチし、動的部分Vへ移動させることで表示することができる。
この表示方法によれば、動的部分Vに配置されたサムネイル画像Tを減らすことができ、動的部分Vに配置されたサムネイル画像Tがより見易くなる。
[表示例9]
画像束の幅を縮めて表示する表示方法について、図25および図26を参照して説明する。
図25および図26は、サムネイル画像束の幅を縮めて表示する方法を説明する図である。なお、ビューアー10における構成部位に関しては、上述と同符号を付して説明する。
図25に示すように、ユーザーが指でサムネイル画像束SGの一番左側に配置されたサムネイル画像Tにタッチし、矢印A3が示すように右側に移動させると、制御部3は、サムネイル画像束SGの幅方向である横方向の長さを縮めて、図26に示すように、表示する処理を行う。また、タッチパネル7Gから指を離すと、元の幅のサムネイル画像束SGが表示される。なお、サムネイル画像束SGを左側に寄せて縮めて表示することも可能である。
この表示方法によれば、拡大されたサムネイル画像Tや他のサムネイル画像束SG等にサムネイル画像束SGが重ねて表示されている場合、サムネイル画像束SGの幅を縮めて表示することにより、サムネイル画像束SGと重なっていた拡大されたサムネイル画像Tやサムネイル画像束SGの記載内容を容易に確認することができる。
以下に、上述した実施形態から導き出される内容を記載する。
表示方法は、第1の仮想軸上に配置された複数の画像のそれぞれが、前記第1の仮想軸と交差するそれぞれの第2の仮想軸を中心にして回転し、さらに前記第1の仮想軸を中心に回転して表示部に表示させる表示方法であって、第1方向に沿って配置された前記複数の画像で構成されている画像束は、隣り合う前記画像と一部が重なって表示される状態で、前記画像同士が等間隔で並ぶ静的部分Lと、隣り合う前記画像同士の間隔が、前記静的部分Lにおける前記画像同士の間隔よりも広く配置される動的部分Vと、を有し、前記動的部分Vに表示される前記画像は、前記静的部分Lに移動可能であり、前記動的部分Vにおける前記画像は、所定の位置に近い前記画像であるほど、前記第1方向と交差する第2方向に沿った前記第2の仮想軸を中心とする回転角が小さくなる。
この表示方法によれば、静的部分Lに配置された画像は、隣り合う画像と一部が重なって表示されるので、画像の記載内容の一部を確認することができる。また、動的部分Vに配置された画像は、所定の位置に近い画像であるほど、第2の仮想軸を中心とする回転角が小さくなるように表示されているので、所定の位置に近い画像ほど、画像幅が広くなり、画像の記載内容をより確認し易くなる。従って、全ての画像の記載内容を一括して確認することができる。
上述の表示方法において、前記所定の位置は、前記第1方向において、前記動的部分Vの中心であることとしても良い。
この表示方法によれば、所定の位置が、複数の画像が並ぶ第1方向において、動的部分Vの中心であるので、所定の位置の両側に画像幅の広い画像が配置され、動的部分Vに配置された画像の記載内容をより確認し易くなる。
上述の表示方法において、前記画像束が前記第2方向に移動された場合、前記画像束を所定の拡大率で拡大して表示することとしても良い。
この表示方法によれば、画像束を所定の拡大率で拡大して表示することにより、画像束の各画像の記載内容を容易に認識することができる。
上述の表示方法において、前記動的部分Vにおける前記複数の画像が、所定の画像数よりも少ない場合、前記動的部分Vにおける前記複数の画像の前記回転角を前記所定の画像数の場合より小さくして表示することとしても良い。
この表示方法によれば、動的部分Vにおける画像の第2の仮想軸を中心とする回転角を小さくして表示することで、動的部分Vに配置された画像の画像幅がより広くなり、動的部分Vに配置された画像の記載内容をより確認し易くなる。
上述の表示方法において、前記動的部分Vにおいて、前記第1方向の長さが前記第2方向の長さに比べ短い前記画像よりも前記第1方向の長さが前記第2方向の長さに比べ長い前記画像が多い場合、前記第1方向の長さが前記第2方向の長さに比べ短い前記画像が多い場合よりも、前記動的部分Vにおける前記画像数を減らして表示することとしても良い。
この表示方法によれば、動的部分Vに第1方向の長さが第2方向の長さに比べ短い縦長画像よりも第1方向の長さが第2方向の長さに比べ長い横長画像が多い場合、動的部分Vの画像数を減らして表示することで、横長画像と隣り合う画像との間隔が広くなり、重なり領域が小さくなるので、動的部分Vに配置された横長画像の記載内容をより確認し易くなる。
上述の表示方法において、前記画像束の一部が表示されない場合、前記画像束を構成する前記複数の画像のそれぞれの前記第2方向に対向する両端部のうち、どちらか一方の前記端部を揃えて表示することとしても良い。
この表示方法によれば、画像束を構成する複数の画像に縦長の画像や横長の画像が混在し、複数の画像の第2方向に対向する両端部のどちらかが表示されない場合でも、画像束を構成する複数の画像の第2方向に対向する両端部のうち、どちらか一方を揃えて表示することで、横長の画像の記載内容を確認することができる。
上述の表示方法において、前記画像束において所定の操作が行われた操作画像は、隣り合う前記画像との間隔を前記所定の操作前より広げて表示することとしても良い。
この表示方法によれば、操作画像と隣り合う画像との間隔を広げて表示されるので、操作画像と隣り合う画像とが重なる領域が小さくなり、操作画像と隣り合う画像の記載内容を確認し易くなる。
上述の表示方法において、前記画像束において所定の操作が行われた操作画像が前記動的部分Vに配置されている場合、隣り合う前記画像同士が重ならないように表示することとしても良い。
この表示方法によれば、動的部分Vに配置された操作画像と隣り合う画像同士が重ならないように表示されるので、操作画像と隣り合う画像の記載内容を容易に確認することができる。
表示装置は、第1方向に沿って配置された複数の画像で構成されている画像束を表示する表示部と、前記第1方向に沿った第1の仮想軸上に配置された前記複数の画像のそれぞれが、前記第1の仮想軸と交差するそれぞれの第2の仮想軸を中心にして回転し、さらに前記第1の仮想軸を中心に回転して前記複数の画像を作成する画像生成部と、隣り合う前記画像と一部が重なって表示される状態で、前記画像同士が等間隔で並ぶ静的部分Lと、隣り合う前記画像同士の間隔が、前記静的部分Lにおける前記画像同士の間隔よりも広く配置される動的部分Vと、を有する前記画像束を表示させ、前記動的部分Vにおける前記画像は、所定の位置に近い前記画像であるほど、前記第1方向と交差する第2方向に沿った前記第2の仮想軸を中心とする回転角が小さくなるように表示させる制御部と、を備えている。
この表示装置によれば、静的部分Lに配置された画像は、隣り合う画像と一部が重なって表示されるので、画像の記載内容の一部を確認することができる。また、動的部分Vに配置された画像は、所定の位置に近い画像であるほど、第2の仮想軸を中心とする回転角が小さくなるように表示されているので、所定の位置に近い画像ほど、画像幅が広くなり、画像の記載内容をより確認し易くなる。従って、全ての画像の記載内容を一括して確認することができる。
なお、本発明の描画装置は、図1のビューアーの他にも、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた電子機器、医療機器、魚群探知機、各種測定機器、計器類、フライトシミュレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等の画像表示部を備えるものに適用することができる。
以上、本発明の描画順序決定方法、描画方法および描画装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
例えば、本発明の描画順序決定方法および描画方法では、必要に応じて、1以上の任意の目的の工程を追加してもよい。
また、本発明の描画装置において、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。