JP4520397B2 - 起伏可動堰及びその施工方法 - Google Patents
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Description
本発明の起伏可動堰の好適な実施態様を、図面を用いてより具体的に説明する。図1は、剛板を限界まで起立させたときにおける本発明の起伏可動堰の全体を示した斜視図である。本実施態様の起伏可動堰は、図1に示すように、水路中央部を止水するための剛板(面A10A11A12と面A10A12A22A20と面A20A21A22とで表される部分)と、水路岸部を止水するための可撓シート(面B10B11B12と面B20B21B22とで表される部分)と、剛板を水路の底面(面C10C11C21C20で表される部分)に対して起伏動作させる駆動手段(図示省略)とを備えたものとなっている。
(1) 剛板の素材
剛板の素材は、想定される水圧に耐えうる程度の剛性を発揮できるものであれば特に限定されず、硬質樹脂や木材などであってもよいが、通常、金属が採用される。本実施態様の起伏可動堰において、剛板は、鋼で形成されており、耐水性にも優れたものとなっている。剛板を金属で形成した場合には、その表面に防錆加工を施してもよい。
折り曲げ部の形状は、特に限定されないが、逆三角形状であると好ましい。これにより、起伏可動堰の構造をより簡素にすることができる。本実施態様の起伏可動堰においては、図2に示すように、剛板の側縁A10A11の近傍を、線分A10A12を折り線として剛板の背面側に折り曲げることによって、逆三角形状の折り曲げ部を形成している。
折り曲げ部の折り線(線分A10A12)は、図2に示すように、剛板を限界まで倒伏させたときに、水路の底面と水路岸部の法面との境界C10C11に重なるように設けると好ましい。これにより、剛板が限界まで倒伏したときにおける起伏可動堰の通水断面積を広く確保することが可能になる。本実施態様の起伏可動堰においては、折り曲げ部の折り線を、剛板の下縁A10A14に対して垂直になるように設けており、かつ、剛板の下端A10を、境界C10C11に重なる位置に設定している。
折り曲げ部の広がり角度(∠A11A10A12の大きさ)は、0°よりも大きく、90°よりも小さければ特に限定されない。しかし、折り曲げ部の広がり角度を小さく設定しすぎると、起伏可動堰の施工スペースが増大するだけでなく、可撓シートを広く確保しなければならなくなり、起伏可動堰の耐久性が低下するおそれがある。また、剛板の起立角度(∠C11A10A12の大きさ(図2〜図4を参照))によっては、水路の水が剛板を越流するよりも先に可撓シートを越流してしまい、可撓シートが破損するおそれもある。このため、折り曲げ部の広がり角度は、通常、5°以上に設定される。折り曲げ部の広がり角度は、10°以上であると好ましく、15°以上であるとより好ましく、20°以上であるとさらに好ましい。
折り曲げ部の折り曲げ角度(面A10A12A13A14の延長面と面A10A11A12とがなす角の大きさ)は、0°よりも大きく180°よりも小さければ特に限定されない。しかし、この折り曲げ角度を小さく設定しすぎると、剛板を水路の底面と平行になるまで倒伏させることができなくなり、剛板を限界まで倒伏させたときにおける起伏可動堰の通水断面積を広く確保することができなくなるおそれがある。このため、折り曲げ部の折り曲げ角度は、通常、水路岸部の法面の傾斜角度(図2における∠C13C10C16の大きさ)以上に設定される。
本実施態様の起伏可動堰においては、図1に示すように、剛板の本体部(面A10A12A22A20で表される部分)が矩形に形成されており、本体部の上縁A12A22は直線状になっているが、この形態に限定されない。例えば、本体部の上縁A12A22を下縁A10A20の側に凹ませて形成することも好ましい。これにより、本体部の上縁A12A22における最下点の高さをより低く設定することが可能になる。このため、水路の水が剛板を越流するよりも先に可撓シートを越流するのをさらに確実に防止することが可能になる。
剛板の本体部の寸法は、水路の幅や水位などに応じて適宜選択され、特に限定されない。本実施態様の起伏可動堰において、本体部は、図1に示すように、その下縁A10A20の長さが水路の底面の幅(線分C10C20の長さ)と略等しくなるように設定されている。本実施態様の起伏可動堰において、本体部は、1枚の板によって構成されているが、これに限定されず、複数枚の板によって構成されたものであってもよい。
水路に対する剛板の取り付けは、水路の底面に対して剛板が起立及び倒伏できるように行う。本実施態様の起伏可動堰においては、蝶番(図示省略)を用いて取り付けている。前記蝶番には、開き角度が可変な一対の可動片を備えたものを用いており、一方の可動片を水路の底面にボルト留めし、他方の可動片を剛板の下縁にボルト留めしている。剛板は、通常、その下縁A10A20が水路に対して垂直(線分C10C20に対して平行)となるように取り付けられている。
剛板を限界まで起立させたときにおける剛板の起立角度(図3における∠C11A10A12の大きさ。以下においては、限界起立角度と呼ぶことがある。)は、通常、90°以下に設定される。というのも、剛板の起立角度がθ(0°≦θ≦90°)であるときの堰高と、剛板の起立角度が180°−θであるときの堰高は等しく、剛板の限界起立角度を90°を超える値に設定したとしても、堰高を調節することのできる範囲は広がらないためである。本実施態様の起伏可動堰においては、剛板の限界起立角度を60°に設定している。
(1) 可撓シートの素材
可撓シートの素材は、剛板の起立又は倒伏の動作に追従できる程度の可撓性と、想定される水圧に耐えうる程度の強度を有する素材で形成されたものであれば特に限定されない。本実施態様の起伏可動堰において、可撓シートは、ゴムで形成されたものとなっており、可撓性や耐水性だけでなく、弾力性にも優れたものとなっている。このため、剛板が限界まで倒伏した状態から限界まで起立した状態となるまでの間、可撓シートを常に張った状態に保つこともできるようになっている。
可撓シートの形状は、折り曲げ部の寸法形状や、水路岸部の法面の傾斜角度によって異なり、特に限定されない。本実施態様の起伏可動堰において、可撓シートは、図2に示すように、逆三角形状に形成されたものとなっている。
可撓シートの寸法も、折り曲げ部の寸法形状や、水路岸部の法面の傾斜角度によって異なり、特に限定されない。本実施態様の起伏可動堰において、可撓シートの側縁B10B11の長さは、剛板の側縁A10A11の長さに等しく設定されている。また、可撓シートの側縁B10B12の長さは、剛板が限界まで起立したとき(図3を参照)に、剛板の上縁A11A12,A12A13における最下点よりも可撓シートの上端B12を高くすることのできる長さに設定されている。さらに、可撓シートの上縁B11B12の長さは、剛板が限界まで起立したときにおける線分B11B12の長さ以下となるように設定されている。
可撓シートの側縁B10B11は、図2に示すように、折り曲げ部の側縁A10A11に固定される。折り曲げ部に対する可撓シートの固定は、可撓シートと折り曲げ部との境界から水が漏れることのないように行う。本実施態様の起伏可動堰においては、複数本のボルト(図示省略)を用いて固定している。
可撓シートの側縁B10B12は、図2に示すように、水路岸部の法面に固定される。水路岸部の法面に対する可撓シートの固定は、可撓シートと水路岸部の法面との境界から水が漏れることのないように行う。本実施態様の起伏可動堰においては、複数本のボルト(図示省略)を用いて固定している。可撓シートの側縁B10B12は、通常、直線状に固定される。
可撓シートの側縁B10B12における上端B12は、剛板が限界まで倒伏したとき(図2を参照)における線分B11B12の長さ(L1とする)と、剛板が限界まで起立したとき(図3を参照)における線分B11B12の長さ(L2とする)とを等しくできる位置を選んで固定すると好ましい。長さL1と長さL2は、可撓シートの上端B12を、図2に示す線分A10C19上の点P1で固定すれば、等しくすることができる。
駆動手段は、剛板を水路の底面に対して起伏動作させることのできるものであれば特に限定されない。駆動手段としては、(a)剛板と水路の底面との間に配された袋体と、該袋体に流体を注入する注入手段とからなり、前記袋体に空気などの流体を注入して前記袋体を膨張させることによって剛板を起立させ、前記袋体から流体を排出して前記袋体を収縮させることによって剛板を倒伏させるもののほか、(b)エアシリンダや油圧シリンダや水圧シリンダなどの流体圧シリンダの動作によって剛板を起立又は倒伏させるものや、(c)一端が剛板に固定されたロープやチェーンやベルトなどの索条体を巻き上げ又は送り出すことによって剛板を起立又は倒伏させるものや、(d)歯車などのメカ機構の動作によって剛板を起立又は倒伏させるものなどが例示される。
次に、本発明の起伏可動堰の動作について説明する。図5は、本発明の起伏可動堰の剛板を限界まで倒伏させて、水路に水を流している状態を示した斜視図である。本実施態様の起伏可動堰は、図5に示すように、剛板を限界まで倒伏させることによって、水路の水を遮ることなく自然な状態で流すことができるものとなっている。
本発明の起伏可動堰は、その用途を特に限定されず、各種の堰として用いることができる。なかでも、農業用水を取水するためなどに用いられる取水堰として好適に用いることができる。
Claims (5)
- 水路中央部を止水するための剛板と、水路岸部を止水するための可撓シートと、剛板を水路の底面に対して起伏動作させる駆動手段とを備えた起伏可動堰であって、剛板の側縁近傍の背面側に折り曲げ部が所定の折り曲げ角度で形成され、可撓シートの一方の側縁を折り曲げ部に固定し、可撓シートの他方の側縁を水路岸部の法面に固定するとともに、可撓シートの上縁を弛むことが可能な状態とした起伏可動堰。
- 折り曲げ部が略逆三角形状に形成された請求項1記載の起伏可動堰。
- 折り曲げ部の折り曲げ角度が水路岸部の法面の傾斜角度に一致した請求項1又は2記載の起伏可動堰。
- 剛板を限界まで起立させたときの可撓シートの上縁の長さと、剛板を限界まで倒伏させたときの可撓シートの上縁の長さとが等しく設定された請求項1〜3いずれか記載の起伏可動堰。
- 請求項1〜4いずれか記載の起伏可動堰を水路に施工する起伏可動堰の施工方法。
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