JP4518063B2 - 駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動装置に関するものである。
従来、駆動装置においては、動力源としてエンジン(燃焼機関)と電動機を併用するハイブリッド駆動装置では、車両走行時にフューエルカット状態のエンジンを再始動させる際に、エンジンのクランキング負荷が車輪に出力される電動機トルクに影響を与えるため、駆動トルクの変動による比較的大きなクランキングショックが生じる。そこで、従来こうしたクランキングショックを低減する技術として、特開平10−82332号公報に開示の技術がある。この従来技術では、エンジンのクランキングトルクを低減すべく、ダンパを介してクランクシャフトに機械的に結合されたモータによりエンジンをモータリングして始動する際、エンジンの吸気弁の開閉タイミングを遅角させてエンジンの有効圧縮比を小さくすることによって、エンジンをスムーズに回転駆動してクランクシャフトのねじり振動の振幅を小さくすると共に共振現象を生じる回転領域をすばやく通過させる方法が採られている(例えば、特許文献1参照。)。
国際公開第99/54621号パンフレット
しかしながら、前記従来の駆動装置においては、エンジンの停止時のクランク角度位置は毎回同じとは限らず、各回ごとにばらつくものである。このエンジンの停止位置の違いによっては、エンジン始動初期、エンジン回転数の上昇がもたつき、共振現象を生じる回転領域をすばやく通過できない場合がある。また、クランキングトルクの低減が有効になされたとしても、エンジンの停止位置の違いにより、エンジン始動時の車輪に伝達されるトルク変動が異なるため、単一な補正波形データに基づきトルク変動を補正する安価なフィードフォワード制御ができない。このトルク変動を有効に吸収するには、各回ごとに異なるトルク補正を加える必要があり、こうしたトルク補正には、複雑なフィードバック制御が必要となってしまう。
本発明は、前記従来の駆動装置の問題点を解決して、エンジン始動初期に、エンジン回転数をすみやかに上昇させて、共振現象を生じる回転領域を素早く通過させることを第1の目的とする。次に、本発明は、安価に実現可能なフィードフォワード制御あるいは単純なフィードバック制御によりエンジン始動時の出力トルク変動を補正することができ、それによりクランキングショックを低減可能な駆動装置を提供することを第2の目的とする。
そのために、本発明の駆動装置においては、モータリングにより、エンジン(1)を点火するための回転数まで上昇させる第1の電動機(2)と、第2の電動機(3)と、前記エンジン及び第1、第2の電動機を制御する制御装置(U)とを備える。
そして、前記制御装置は、前記エンジンの運転が停止中に、前記第1の電動機からエンジンを連続回転させるのに要するトルクに満たない一定トルクを一定時間だけ出力させることによって、前記エンジンのクランク軸位置を、所定のクランク軸位置に位置付けるようにプリポジショニング制御を行い、モータリング時に、前記第2の電動機を制御することによって、車輪に出力されるトルクの変動を吸収する。(請求項1)
上記の構成において、前記エンジンを連続回転させるのに要するトルクに満たない一定トルクは、前記クランク軸位置が前記エンジンのピストンの圧縮工程の上死点を超えないときのトルクにされる。(請求項2)
上記の構成において、前記一定時間は、前記クランク軸位置が所定のクランク軸位置に位置付けられるために十分な時間にされる。(請求項3)
また、上記の構成において、前記所定のクランク軸位置は、エンジンのクランキングトルクの最も高い位置である構成とするのも有効である。(請求項4)
さらに、上記の構成において、前記エンジン及び第1、第2の電動機が車輪(9)に機械的に連結され、前記制御装置は、前記プリポジショニング制御中に車輪に出力されるトルクの変動を吸収するように第2の電動機を制御するのが有効である。(請求項5)
上記の構成において、前記制御装置は、第1の電動機が出力するトルクから前記車輪に出力されるトルクの変動を演算する構成とすることができる。(請求項6)
上記の構成において、前記制御装置は、前記プリポジショニング制御に応じてあらかじめ決められた第1のトルク補正マップに基づいて、前記第2の電動機を制御する構成とすることもできる。(請求項7)
上記の構成において、前記制御装置は、前記第1、第2の電動機に同時にトルク出力させる構成とすることもできる。(請求項8)
上記の構成において、前記制御装置は、モータリングに先立って前記プリポジショニング制御を行う構成を採ることができる。(請求項9)
上記の構成において、前記制御装置は、モータリング時に、第1の電動機の回転数を制御する構成とすることができる。(請求項10)
上記の構成において、前記制御装置は、モータリング時に、第1の電動機のトルクを制御する構成とすることもできる。(請求項11)
上記の構成において、前記制御装置は、あらかじめ決められたマップに基づいて第1の電動機のトルクを制御する構成とすることができる。(請求項12)
上記の構成において、前記制御装置は、第1の電動機が出力するトルクから前記車輪に出力されるトルクの変動を演算する構成を採ることができる。(請求項13)
上記の構成において、前記制御装置は、モータリングに応じてあらかじめ決められた第2の補正マップに基づいて、前記第2の電動機を制御する構成とすることができる。(請求項14)
上記の構成において、前記制御装置は、エンジンのクランク軸位置に応じてあらかじめ決められた第3のトルク補正マップに基づいて、前記第2の電動機を更に制御する構成を採ることもできる。(請求項15)
上記の構成において、前記制御装置は、前記第1、第2の電動機に同時にトルク出力させる構成とすることができる。(請求項16)
上記クランク軸位置の制御を行ういずれかの構成において、前記制御装置は、運転者の駆動要求が所定値以下であることを条件に、前記プリポジショニング制御を行う構成とするのが有効である。(請求項17)
上記いずれかの構成において、前記制御装置は、フューエルカット後に第1の電動機によってエンジン回転を強制低減させることによるエンジンの回転停止に続けて、前記プリポジショニング制御を行う構成を採るのも有効である。(請求項18)
上記の構成において、前記制御装置は、前記エンジンの回転を強制低減中に車輪に出力されるトルクの変動を吸収するように第2の電動機を制御する構成を採るのが有効である。(請求項19)
上記いずれかの構成において、エンジンの逆回転を防止するワンウェイクラッチを備える構成とするのが有効である。(請求項20)
上記の構成において、前記制御装置は、モータリング中のクランキングトルクが所定のトルクとなるように第1の電動機を制御することを特徴とする。(請求項21)
本発明によれば、駆動装置においては、モータリングにより、エンジン(1)を点火するための回転数まで上昇させる第1の電動機(2)と、第2の電動機(3)と、前記エンジン及び第1、第2の電動機を制御する制御装置(U)とを備える。
そして、前記制御装置は、前記エンジンの運転が停止中に、前記第1の電動機からエンジンを連続回転させるのに要するトルクに満たない一定トルクを一定時間だけ出力させることによって、前記エンジンのクランク軸位置を、所定のクランク軸位置に位置付けるようにプリポジショニング制御を行い、モータリング時に、前記第2の電動機を制御することによって、車輪に出力されるトルクの変動を吸収する。(請求項1)
この場合、エンジンを始動する前のクランク軸位置が一定になるので、第1の電動機のモータリングにより常に同一条件でエンジン始動を行うことができる。そして、その際の車輪に出力されるトルク振動も同一波形となり、それに対応した波形データを出力するフィードフォワード制御等の簡易な制御によるトルク振動吸収のための駆動トルクの補正が可能になる。
しかも、エンジン始動中の駆動力の変動を第2の電動機により補正することができるので、この補正によりエンジン始動の際のクランキングによるトルク振動を相殺して、運転者の体感フィーリングの悪化を防止することができる。
また、上記の構成において、前記所定のクランク軸位置は、エンジンのクランキングトルクの最も高い位置である構成とするのも有効である。(請求項4)
この場合、クランク軸位置制御後のエンジン始動の際に、モータリング初期からクランキング回転数を速やかに高くすることができるので、共振現象を生じる回転領域をすばやく通過させることができる。
更に、上記の構成において、前記エンジン及び第1、第2の電動機が車輪に機械的に連結され、前記制御装置は、前記プリポジショニング制御中に車輪に出力されるトルクの変動を吸収するように第2の電動機を制御する構成とするのが有効である。(請求項5)
この場合、クランク軸位置制御中の駆動力変動を第2の電動機により補正することができるので、クランク軸位置制御を行なうことによる運転者の体感フィーリングの悪化を防止することができる。
上記の構成において、前記制御装置は、モータリングに先立って前記プリポジショニング制御を行う構成を採ることができる。(請求項9)
この場合、クランク軸位置制御がエンジンの始動に先立って行われるので、エンジン始動の際のクランキング開始位置の一定化が保証される。
上記の構成において、前記制御装置は、モータリングに応じてあらかじめ決められた第2の補正マップに基づいて、前記第2の電動機を制御する構成とすることができる。(請求項14)
この場合、車輪に出力される動力の変動が常に一定であるので、それを第2の電動機によって補正するトルクをマップ化しておくことにより、動力の変動を高速度で演算できるプロセッサを必要とすることなく、低コストでエンジン始動時のクランキングショックを低減することができる。
上記クランク軸位置の制御を行ういずれかの構成において、前記制御装置は、運転者の駆動要求が所定値以下であることを条件に、前記プリポジショニング制御を行う構成とするのが有効である。(請求項17)
この場合、駆動要求が所定値以上の場合には、エンジン始動を優先させることによって、エンジン始動に先立ちクランキング位置まで回転させる時間が短縮され、素早くエンジンを始動することができる。
上記いずれかの構成において、前記制御装置は、フューエルカット後に第1の電動機によってエンジン回転を強制低減させることによるエンジンの回転停止に続けて、前記プリポジショニング制御を行う構成を採るのも有効である。(請求項18)
この場合、クランク軸位置の制御がエンジンの回転停止に続けて行われるので、その際に生じる必然のトルク振動にエンジン位置制御の際のトルク振動を連続させることができ、それにより運転者に与えるクランク軸位置の制御の違和感をなくすことができる。
上記いずれかの構成において、エンジンの逆回転を防止するワンウェイクラッチを備える構成とするのが有効である。(請求項20)
この場合、エンジンを所定の回転負荷位置まで回転させたところで、ワンウェイクラッチによりその位置に保持することができるので、エンジン停止直後に運転者の駆動要求変化が生じたような場合でも、任意のタイミングでクランク軸位置の制御を行うことができる。
また、エンジンをクランキング位置で保持するために、第1の電動機によりトルクを連続して加えておく必要が無いので、余分な電力消費を防止することができる。
上記の構成において、前記制御装置は、モータリング中のクランキングトルクが所定のトルクとなるように第1の電動機を制御することを特徴とする。(請求項21)
この場合、エンジン始動時に、第1の電動機のトルク出力を一定にしたクランキングが行われるので、その際の車輪に出力されるトルク振動も同一波形となり、それに対応した波形データを出力するフィードフォワード制御等の簡易な制御によるトルク振動吸収のための駆動トルクの補正が可能になる。
以下、図面に沿い、本発明の実施形態を説明する。
(ギヤトレイン)
図1は、本発明が適用されるハイブリッド駆動装置のギヤトレインの構成の一例をスケルトンで示す図である。この装置は、エンジン1と、エンジン1の出力の少なくとも一部を用いて発電し、かつ、モータリングによりエンジン1を点火のための回転数まで上昇させる第1の電動機(以下、発電機という。)2と、3要素のプラネタリギヤセット(以下、プラネタリという。)6と、発電機2の回転を停止させる発電機ブレーキ7と、エンジン1の逆回転を防止するワンウェイクラッチ8と、発電機2の発電電力又はその蓄積電力を使用して車輪9に出力される動力を所定の値にすべく制御される第2の電動機(以下、駆動モータという)3とを主要な構成要素として備える。
前記ギヤトレインについて、更に詳述すると、この駆動装置では、互いに並行するエンジン軸線上にエンジン1、発電機2及びプラネタリ6、モータ軸線上に駆動モータ3、カウンタ軸線上にカウンタギヤ機構4、デフ軸線上にディファレンシャル装置5がそれぞれ配置された4軸構成とされている。そして、エンジン1と発電機2は、プラネタリ6を介して相互に駆動連結され、かつプラネタリ6を介してカウンタギヤ機構4に駆動連結され、駆動モータ3とディファレンシャル装置5は、直接カウンタギヤ機構4に駆動連結されている。
プラネタリ6は、サンギヤ61と、それに外接噛合するピニオン64を回転自在に支持するキャリア63と、ピニオン64に内接噛合するリングギヤ62とからなるシンプルプラネタリ構成とされている。
エンジン1は、そのクランク軸にフライホイールダンパを介して連結されたエンジン出力軸10をプラネタリ6のキャリア63に連結させて発電機2とカウンタギヤ機構4とに駆動連結され、発電機2は、そのロータ軸20をプラネタリ6のサンギヤ61に連結させてエンジン1とカウンタギヤ機構4とに駆動連結されている。そして、プラネタリ6のリングギヤ62がエンジン軸線上の出力軸11を介して該出力軸11と一体又はそれに固定の第1のカウンタドライブギヤ12に連結されている。また、プラネタリ6のキャリア63は、エンジン出力軸10の逆回転でロックするワンウェイクラッチ8を介して駆動装置ケース100に連結されている。更に、発電機2のロータ軸20は、発電機ブレーキ7を介して駆動装置ケース100に連結されている。
駆動モータ3は、そのロータ軸30又はそれに連結されたモータ軸に一体化又は固定された形態で設けられたカウンタドライブギヤ31を介してカウンタギヤ機構4に駆動連結されている。
カウンタギヤ機構4は、カウンタシャフト40と、それに一体化又は固定された2つのカウンタドリブンギヤ41、42及びデフドライブピニオンギヤ43で構成され、そのカウンタドリブンギヤ41にエンジン軸線上の出力軸11側のカウンタドライブギヤ12を噛合させ、カウンタドリブンギヤ42にモータ軸30側のカウンタドライブギヤ31を噛合させて、エンジン軸線上の出力軸11とモータ軸30に駆動連結されている。
ディファレンシャル装置5は、そのデフケース50に固定されたデフリングギヤ51にカウンタシャフト40のデフドライブピニオンギヤ43を噛合させてカウンタギヤ機構4に駆動連結されている。そして、ディファレンシャル装置5は、周知のように車輪9に駆動連結されている。
こうした構成からなるハイブリッド駆動装置では、プラネタリ6を介するエンジン1、発電機2及びエンジン軸線上の出力軸11の連結関係から、これら3者には図2に示す回転数の関係と、図3に示すトルクの関係が成立する。すなわち、図2に示す回転数の関係では、エンジン回転数(NE )、発電機回転数(NG )、プラネタリのリングギヤ回転数(NR )、リングギヤ/サンギヤ歯数比(λ)の間に、
(λ+1)・NE =1・NG +λ・NR
の関係が成立する。すなわち、エンジン回転数(NE )について、
E =(1・NG +λ・NR )/(λ+1) ……(1)
となる。したがって、車速に対応するリングギヤ回転数(NR )を一定として、発電機回転数(NG )を上げることで、エンジン回転数(NE )が上昇し(図上で、破線で示す回転数の関係から、実線で示す回転数の関係に移行する。)、エンジン回転数(NE )を0とすることで、発電機回転数(NG )はリングギヤ回転数(NR )のλ倍の逆回転となる(図上で、破線で示す回転数の関係から、一点鎖線で示す回転数の関係に移行する。)。
また、図3に示すトルクの関係では、エンジントルク(TE )、発電機トルク(TG )、リングギヤトルク(TR )の間に、
E :TR :TG =(λ+1):−λ:−1 ……(2)
の関係が成立する。したがって、リングギヤトルク(TR )を一定とした場合、発電機トルク(TG )の増加分は、エンジン1に駆動トルクとして作用し、逆にエンジントルク(TE )の増加分は、発電機2に駆動トルクとして作用する。
そして、この駆動装置では、車両走行のための駆動力の発揮には主としてエンジン1、駆動力の補助には駆動モータ3、発電機駆動にはエンジン1、発電には発電機2、回生制動には駆動モータ3が使用され、更に発電機2は、エンジンの始動時や停止時にも使用される。詳しくは、ディファレンシャル装置5とカウンタギヤ機構4とを介して車両の走行負荷を受けるプラネタリ6のリングギヤ62に対して、エンジン出力状態で発電機2の発電負荷を調整することで、エンジン出力を車輪9への駆動力と発電エネルギ(バッテリ充電)とに利用する割合を適宜調整しての車両走行が可能となる。また、発電機2の逆回転時に発電機2をトルク出力(力行)させることで、プラネタリ6のキャリア63にかかる反力が逆転するため、その際にワンウェイクラッチ8でキャリア63を駆動装置ケース01に係止することで、発電機2の出力をリングギヤ62に伝達することができ、モータ3と発電機2の同時出力による車両発進時の駆動力の強化(パラレルモードの走行)が可能となる。
また、このギヤトレインでは、エンジン始動の際には、エンジン軸線上の出力軸11に連結されたプラネタリ6のリングギヤ62に車輪9からの車両の走行負荷又は停止時の負荷がかかっているのを利用してこれを反力とし、逆回転している発電機2にトルク出力(回生)させてサンギヤ61を駆動することでピニオン64の公転がそのキャリア63に出力され、それによりエンジン1がモータリングされる。また、車両走行中は、エンジン停止状態でも、エンジン軸線上の出力軸11に連結されたプラネタリ6のリングギヤ62にモータ3の駆動力又は車輪9からの逆駆動力が作用し、停止中のエンジン出力軸10に連結したキャリア63に反力を取るサンギヤ61の回転で発電機が駆動される。したがって、この状態でブレーキ7の係合力を調整することで、この状態での反力要素としてのキャリア63を回転させ、それによりエンジン1の回転が可能である。
(制御システム)
図4は、前記ギヤトレインを制御する車両駆動制御系のシステム構成をブロックで示す。この車両制御系は、その主体となる車両制御装置Uと、それへの運転者の要求の入力手段としてのシフトポジションセンサSn1、ブレーキペダルセンサSn2及びアクセルペダルセンサSn3と、車両の運転状況の各種情報の入力手段としての各種センサ(発電機ロータ位置センサSn4、駆動モータロータ位置センサSn5等)と、電源としてのバッテリBと、駆動モータ3を駆動する手段としての駆動モータ用インバータInMと、発電機2を駆動するための発電機用インバータInGとから構成されている。
車両制御装置Uは、CPU、メモリ等から成り、車両全体の制御を行う制御装置であり、エンジン制御装置UE 、発電機制御装置UG 及び駆動モータ制御装置UM を備える。エンジン制御装置UE は、CPU、メモリ等から成り、エンジン1の制御を行うために、スロットル開度θ、燃料噴射量等の指令信号をエンジン1に送るべく信号ラインLE を介してエンジン1に接続されている。また、発電機制御装置UG は、CPU、メモリ等から成り、3相交流電動機(例えば、永久磁石形同期電動機)からなる発電機2の制御を行うために、インバータInGに制御信号を送るべく信号ラインLG を介してインバータInGに接続されている。また、駆動モータ制御装置UM は、3相交流電動機からなる駆動モータ3の制御を行うために、インバータInMに制御信号を送るべく信号ラインLM を介してインバータInMに接続されている。両インバータInG、InMは、直流パワーラインLS を介してバッテリBに接続されるとともに、3相(U、V、Wの3相)交流パワーラインLA G、LA Mを介して駆動モータ3と発電機2のそれぞれのステータ21、31の3相コイルに接続されている。なお、符号Cnは、直流パワーラインLS の直流電圧の変動を抑制して平滑化する平滑コンデンサを示す。
更に詳述すると、インバータInGは、発電機制御装置UG が信号ラインLG に出力するPWM(パルス幅変調)信号に基づいて制御され、力行時には、バッテリBから直流パワーラインLS を介して供給される直流の電流を、U、V、W各相の電流IUG、IVG、IWGに変換し、各電流IUG、IVG、IWGを3相交流パワーラインLA Gを経て発電機2の3相コイルに送る。また、発電又は回生時には、発電機2の3相コイルに発生するU、V、W各相の電流IUG、IVG、IWGを3相交流パワーラインLA Gを経て供給され、これを直流の電流に変換して、直流パワーラインLS 経由でバッテリBに送る。
また、インバータInMは、駆動モータ制御装置UM が信号ラインLM に出力する制御信号に基づいて制御され、力行時には、バッテリBから直流パワーラインLS を介して供給される直流の電流を、U、V、W各相の電流IUM、IVM、IWMに変換し、各電流IUM、IVM、IWMを3相交流パワーラインLA Mを経て駆動モータ3の3相コイルに送る。また、発電又は回生時には、駆動モータ3の3相コイルに発生するU、V、W各相の電流IUM、IVM、IWMを3相交流パワーラインLA Mを経て供給され、これを直流の電流に変換して、直流パワーラインLS 経由でバッテリBに送る。
そして、各種センサのうち、信号ラインLB のみを示すバッテリセンサは、バッテリBの状態、すなわち、バッテリ電圧(VB )、バッテリ電流(IB )、バッテリ温度、バッテリ残量(SOC:ステートオブチャージ)等を検出し、それらの情報を発電機制御装置UG と駆動モータ制御装置UM に入力するものとされる。エンジン回転速度センサSn6は、エンジン回転数(NE )を検出するものとされる。シフトポジションセンサSn1は、図示しない選速操作手段のシフトポジション(SP)を検出するものとされる。アクセルペダルセンサSn3は、アクセルペダルの位置すなわち踏込量(AP)を検出するものとされる。ブレーキペダルセンサSn2は、ブレーキペダルの位置すなわち踏込量(BP)を検出するものとされる。エンジン温度センサSn7は、エンジン1の温度(tE )を検出するものとされる。発電機温度センサSn8は、発電機2の温度(tG )を例えばコイルの温度から検出するものとされる。駆動モータ温度センサSn9は、駆動モータ3の温度(tM )を例えばコイルの温度からを検出するものとされる。そして、3相交流パワーラインLA G、LA Mのそれぞれの電流センサSn10〜Sn12は、3相中の2相の電流値、すなわちIUG、IVG、IUM、IVMを検出する電流センサとされる。
かくしてこの車両制御装置Uは、エンジン制御装置UE にエンジン制御信号を送って、後に詳記するエンジン1の駆動・停止を設定し、発電機2のロータ位置(θG )を読み込んで発電機回転数(NG )を算出し、駆動モータ3のロータ位置(θM )を読み込んで駆動モータ回転数(NM )を算出し、前記回転数関係式(1)によってエンジン回転数(NE )を算出し、エンジン制御装置UE にエンジン回転数(NE )の目標値を表すエンジン目標回転数(NE * )を設定し、発電機制御装置UG に発電機目標回転数(NG * )、及び発電機目標トルク(TG * )を設定し、駆動モータ制御装置UM に駆動モータ目標トルク(TM * )、及び駆動モータトルク補正値(δTM )を設定する等の各種演算処理を行う。
本形態においては、車両制御装置Uによってエンジン回転数(NE )が算出されるが、エンジン回転数センサSn6からエンジン回転数(NE )を読み込むこともできる。また、車速(V)については、駆動モータ3のロータ位置(θM )に基づいて算出されるが、プラネタリ6のリングギヤ回転数(NR )や車輪9の回転数に基づいて算出することもできる。その場合、車速検出手段として、リングギヤ回転速度センサ、車輪回転速度センサ等が配設される。
また、車両制御装置Uには、更にギヤトレインのブレーキ7の油圧制御と機構各部の潤滑及び冷却のための油圧回路LF とその制御のための油圧制御装置も設けられているが、それらの詳細の図示は省略されている。
次に、車両制御装置Uによる駆動装置の運転制御について、フローチャートを参照して説明する。
(制御フロー)
図5及び図6は、車両制御装置Uによる制御のメインフローを分割して示す。まず、図5に示す当初のステップS1において、アクセルペダルセンサSn3からアクセルペダル位置(AP)及びブレーキペダルセンサSn2からブレーキペダル位置(BP)の入力を行うとともに、ステップS2において、駆動モータ3のロータ位置センサSn5からロータ位置(θM )を読み込んで、その変化率から車速(V)を算出する。なお、この車速(V)の算出は、前記のように、別の形態として、別途車速センサを設け、それからの読み込みによることもできる。
次のステップS3では、車両要求トルク(TOUT * )を決定する。この処理は、アクセルペダルが踏み込まれていて、アクセルペダル位置(AP)の入力がある場合は、車両制御装置Uのメモリに記憶された図7の上段に示す車両要求トルクマップを参照し、また、プレーキペダルが踏み込まれていて、ブレーキペダル位置(BP)の入力がある場合は、同じくメモリに記憶された図7の下段に示す車両要求トルクマップを参照して、アクセルペダル位置、ブレーキペダル位置及び車速に対応させてあらかじめ設定された車両要求トルク(TOUT * )を決定する。
続いて、ステップS4では、先のステップで設定された車両要求トルク(TOUT * )が、予め駆動モータ3の定格として設定されている駆動モータ最大トルクより大きいか否かを判断する。この判断が成立(YES)する場合、トルク不足となるため、ステップS9に移行して、エンジン1が停止中であるか否かを判断し、この判断が成立(YES)のエンジン停止中の場合は、エンジン1による駆動力の補助ができないので、ステップS10の急加速制御サブルーチンを実行する。この場合、後に詳記するように、駆動モータ3及び発電機2を共に駆動して、パラレルモードの走行を行うことになる。
また、ステップS4で、車両要求トルク(TOUT * )が駆動モータ最大トルク以下の場合、次のステップS5に進み、運転者要求出力(PD )を演算する。この運転者要求出力(PD )は、車両要求トルク(TOUT * )と車速(V)の積(PD =TOUT * ・V)として算出される。次に、ステップS6で、バッテリ充放電要求出力(PB )を入力する。この処理は、バッテリセンサの信号ラインLB からバッテリ残量(SOC)を読み込み、それに基づき算出される。更に、ステップS7により、車両要求出力(POUT )を演算する。この車両要求出力(POUT )は、運転者要求出力(PD )とバッテリ充放電要求出力(PB )の和(POUT =PD +PB )として算出される。次に、ステップS8で、エンジンの運転ポイント(エンジン目標トルクTE * 、エンジン目標回転数NE * )を決定する。この処理は、車両制御装置Uのメモリに記憶された図8に示すエンジン目標運転状態マップを参照し、車両要求出力(POUT )を表す破線C1〜C3と、各アクセルペダル位置(α1%〜α6%)におけるエンジン作動曲線(エンジン1の効率が最も高くなる運転ポイントを結んだ等高線状の曲線)が交差するポイント(A1〜A3、Amin)を、エンジン1の運転ポイントとして決定し、該運転ポイントにおけるエンジントルク(TE 1〜TE 3、TE min)をエンジン目標トルク(TE * )として決定し、これら運転ポイントにおけるエンジン回転数(NE 1〜NE 3、NE min)をエンジン目標回転数(NE * )として決定する処理である。
フローチャートに戻って、図5と接続記号Aでつながる図6を参照して、次のステップS11では、エンジン運転領域にあるか否かの判断を行う。この判断は、先のステップで求めた車両要求トルク(TOUT * )と車速(V)から、車両制御装置Uのメモリに記憶された図9に示すエンジン運転領域マップを参照して、エンジン1が運転領域に置かれているかどうかを判断することでなされる。図9において、OFF→ONを表す矢印と交差する線は、停止させられているエンジンを始動させる境界線、ON→OFFを表す矢印と交差する線は、運転中のエンジンを停止させる境界線、それらの中間の領域は制御の安定を保つためのヒステリシス領域であり、ヒステリシス領域より車速又は車両要求トルクが大きい側がエンジン運転領域、小さい側がエンジン停止領域である。なお、エンジンを始動させるOFF→ONを表す矢印と交差する線は、バッテリ残量(SOC)が大きいほど図の右方に移動させられ、エンジンの運転領域が狭くされ、バッテリ残量SOCが小さいほど図の左方に移動させられて、運転領域が広くされる。
前記マップに基づくステップS11の判断が成立(YES)する場合は、次のステップS12に進み、エンジン運転中の判断を行う。この判断が不成立(NO)となる場合は、エンジン1が運転領域にあるにも拘わらず運転されていないことになるので、ステップS26によりエンジン始動制御サブルーチン(後述)を実行する。また、ステップS11の段階でエンジン運転領域判断が不成立(NO)となった場合は、ステップS24に移行して、別途、エンジン運転中か否かの判断を行う。そしてこの判断が成立(YES)の場合は、エンジンが停止領域にあるにも拘わらず運転されていることになるので、次のステップS25によりエンジン停止制御サブルーチン(後述)を実行する。
ステップS12に戻って、エンジン運転中の判断が成立(YES)の場合、ステップS13によりエンジン制御サブルーチンを実行する。この処理は、周知の制御であるので、その具体的内容の説明及び図示は省略する。
次に、ステップS14では、発電機目標回転数(NG * )を決定する。この決定は、先のプラネタリの回転数関係式(1)を用いて、車速(V:本形態において、駆動モータ3のロータ位置θM の変化率から求める。)とエンジン目標回転数(NE * )からなされる。
続いて、ステップS15では、発電機目標回転数(NG * )の絶対値が第1の所定回転数(例えば、500rpm)を超えるか否かの判断を行う。この判断は、後の発電機ブレーキのON、OFF選択のためになされるが、そうした発電機ブレーキのON、OFF選択の理由は、エネルギロスの低減にある。すなわち、車両をエンジンが駆動しているモードで走行させている場合、発電機回転数(NG )が低いと、消費電力が大きくなり、発電機2の発電効率が低くなるとともに、車両の燃費がその分悪くなってしまう。そこで、発電機回転数(NG )の絶対値が所定の回転数より小さい場合、発電機ブレーキ7を係合させ、発電機2を機械的に停止させ、燃費を良くしている。そして、この判断が成立(YES)の場合、次のステップS16で発電機ブレーキOFF状態の確認を行い、これが成立の場合は、ステップS17により発電機回転数制御サブルーチン(後述)を実行し、不成立の場合は、ステップ23に移行して発電機ブレーキOFF制御サブルーチン(後述)を実行する。また、先のステップS15の判断が不成立の場合は、ステップS21により、発電機ブレーキON状態の確認を行い、これが不成立の場合は、ステップS22により発電機ブレーキON制御サブルーチンを実行し、また成立の場合は、ステップS17による発電機回転数制御サブルーチンの後のステップに戻る。
こうしてステップS17による発電機回転数制御サブルーチンの実行下で、次のステップS18により、プラネタリを介して出力される駆動軸トルク(TR OUT )を推定する。この処理は、先のプラネタリのトルク釣り合い式(2)を用いて発電機トルク(TG )からリングギヤトルク(TR )を推定し、カウンタギヤ比を考慮して、駆動軸トルク(TR OUT )を算出する処理である。
この処理について更に詳述すると、前述のように、エンジントルクTE 、リングギヤトルクTR 及び発電機トルクTG は互いに反力を受け合うので、発電機トルクTG がリングギヤトルクTR に変換されてリングギヤ62から出力される。そして、リングギヤトルクTR がリングギヤ62から出力されるのに伴って、発電機回転速度NG が変動し、リングギヤトルクTR が変動すると、変動したリングギヤトルクTR が車輪9に伝達され、車両の走行フィーリングが低下してしまう。そこで、発電機回転速度NG の変動に伴う発電機2のイナーシャ分のトルクを見込んでリングギヤトルクTR を算出するようにしている。そのために、車両制御装置Uによる演算処理でリングギヤトルクを計算し、発電機目標トルクTG * を読み込み、該発電機目標トルクTG * 、及び前述のギヤ比λに基づいてリングギヤトルクTR を算出する。すなわち、発電機2のイナーシャをIG とし、発電機2の角加速度(回転変化率)をαG としたとき、サンギヤ62に加わるサンギヤトルクTS は、
S =TG * +IG ・αG
になる。そして、リングギヤトルクTR は、ギヤ比の関係からサンギヤトルクTS のλ倍であるので、
R =λ・TS
=λ・(TG * +IG ・αG
になる。このように、発電機目標トルクTG * からリングギヤトルクTR を算出することができる。この処理については、発電機ブレーキがON状態に限って、リングギヤトルク(TR )をプラネタリのトルク釣り合い式(2)を用いてエンジントルク(TE :エンジン制御装置から教示)から推定する形態を採ることもできる。
次のステップS19では、駆動モータ目標トルク(TM * )を決定する。この処理は、車両要求トルク(TOUT * )と駆動軸トルク(TR OUT )の差から決定する処理である。そして、最後に、ステップS20により駆動モータ制御を行い、一連のフローを終わって、当初のステップにリターンする。なお、途中でステップS10の急加速制御に移行した場合は、その後の全てのステップを跳ばして、図の接続記号Bに示すように直接当初のステップにリターンする。
次に、前記メインフロー中の各サブルーチンを説明する。
(急加速制御)
まず、メインフロー中のステップS6における急加速制御ルーチンでは、図10に示すように、ステップS101で、先のステップS3で決定した車両要求トルク(TOUT * )の入力を行い、次のステップS102で、駆動モータ目標トルク(TM * )に駆動モータの最大トルクを設定する。更に次のステップS103で、車両要求トルク(TOUT * )と駆動モータ目標トルク(駆動モータ最大トルク)(TM * )との差トルクを算出し、駆動モータ最大トルクでは不足する分を発電機目標トルク(TG * )として設定する。そしてこれらの設定に基づき、次のステップS104で駆動モータ目標トルク(TM * )に従い駆動モータ制御を行うとともに、ステップS105で発電機目標トルク(TG * )に従い発電機トルク制御を行う。
(駆動モータ制御)
駆動モータ制御ルーチンでは、図11に示すように、ステップS104aで駆動モータ目標トルク(TM * )の入力を行う。また、ステップS104bで駆動モータのロータ位置(θM )の入力を行う。この入力は、レゾルバ等の位置センサを用いても、センサレスで検出してもよい。そして、ステップS104cで駆動モータ回転数(NM )の演算を行う。この演算は、本形態では、駆動モータのロータ位置(θM )の変化率から求められる。他の形態として、別途、回転数センサを設けて検出する形態も採り得る。更に、ステップS104dでバッテリ電圧(VB )の入力を行う。そして、次のステップS104eでd軸電流指令値(IdM * )及びq軸電流指令値(IqM * )を決定する。この処理は、先のステップで入力した駆動モータ目標トルク(TM * )、駆動モータ回転数(NM )、バッテリ電圧(VB )から図示しないマップを参照して決定する処理である。続いて、ステップS104fで3相交流電流(IUM、IVM、IWM)の入力を行う。この処理におけるU、V相の電流値(IUM、IVM)は、電流センサSn12、Sn13を用いて、また、W相の電流値(IWM)は、IWM=IUM−IVMの関係式から求められる。もちろん、3相とも電流センサを設ける別のシステム形態を採る場合、各電流センサで直接求める方法も採り得る。次のステップS104gでは、3相(IUM、IVM、IWM)→2相(IdM、IqM)変換を行う。そして、これらの数値に基づき、(IdM、IqM)とd軸電流指令値(IdM * )、q軸電流指令値(IqM * )との差がそれぞれ0となるように、次のステップS104hで、電圧指令値(VdM * 、VqM * )の演算を行う。これにより求めた数値を基に、次のステップS104iにより、2相(VdM * 、VqM * )→3相(VUM * 、VVM * 、VWM * )変換を行う。最後に、こうして求めた電圧指令値(VUM * 、VVM * 、VWM * )をパルス幅変調して、ステップS104jによりインバータInMにPWM(パルス幅変調)信号で出力する。
(発電機トルク制御)
発電機トルク制御ルーチンでは、図12に示すように、ステップS105aで発電機目標トルク(TG * )の入力を行う。更に、ステップS105bで発電機ロータ位置(θG )の入力を行う。この入力は、レゾルバ等の位置センサを用いても、センサレスで検出してもよい。また、ステップS105cにより、発電機回転数(NG )を演算する。この発電機回転数(NG )は、発電機のロータ位置(θG )の変化率から求められる。別途、回転数センサを設けて検出する形態も採り得る。更に、ステップS105dでバッテリ電圧(VB )の入力を行う。そして、ステップS105eにより、d軸電流指令値(IdG * )及びq軸電流指令値(IqG * )を決定する。この処理は、先のステップで入力した発電機目標トルク(TG * )、発電機回転数(NG )、バッテリ電圧(VB )から図示しないマップを参照して決定する処理である。ついで、ステップS105fで電流(IUG、IVG、IWG)の入力を行う。この処理におけるU、V相の電流値(IUG、IVG)は、電流センサSn10、Sn11を用いて、また、W相の電流値(IWG)は、IWG=IUG−IVGの式から求められる。もちろん3相とも電流センサを設ける別のシステム形態を採る場合、各電流センサで直接求める方法も採り得る。次のステップS105gでは、3相(IUG、IVG、IWG)→2相(IdG、IqG)変換を行う。そして、これらの数値に基づき、(IdG、IqG)とd軸電流指令値(IdG * )、q軸電流指令値(IqG * )との差がそれぞれ0となるように、次のステップS105hで電圧指令値(VdG * 、VqG * )を演算する。これにより求めた数値を基に、次のステップS105iで2相(VdG * 、VqG * )/3相(VUG * 、VVG * 、VWG * )変換を行う。最後に、こうして求めた電圧指令値(VUG * 、VVG * 、VWG * )をパルス幅変調して、ステップS105jでインバータInGにPWM(パルス幅変調)信号を出力する。
(発電機回転数制御)
次に、図6のステップS17における発電機回転数制御ルーチンについて説明する。図13は発電機回転数制御ルーチンのフローを示す。このフローでは、まず、ステップS17aで発電機目標回転数(NG * )の入力を行う。また、ステップS17bで発電機回転数(NG )の入力を行う。そして、ステップS17cで発電機目標トルク(TG * )を決定する。この発電機目標トルク(TG * )は、PI制御(先のステップで入力した発電機目標回転数(NG * )と発電機回転数(NG )との差回転数に基づいて、差回転数が大きいほど、発電機目標トルク(TG * )は大きくするとともに、その正負も考慮される。)により決定する。こうした決定した発電機目標トルク(TG * )に基づき、次のステップS17dにより、発電機トルク制御を行う。この場合の発電機トルク制御の内容は、先の発電機トルク制御ルーチンで述べた内容と同様である。
(発電機ブレーキON制御)
次に、図6のステップS22における発電機ブレーキON制御ルーチンについて説明する。図14は発電機ブレーキON制御ルーチンのフローを示す。このフローでは、当初のステップS22aで、発電機目標回転数(NG * )に0rpmを設定する。そして、ステップS22bで発電機回転数制御を実行する。この制御内容については、先の発電機回転数制御ルーチンで述べた内容と同様である。次いで、ステップS22cにより、プラネタリを介して出力される駆動軸トルク(TR OUT )を推定する。そして、ステップS22dで駆動モータ目標トルク(TM * )に、推定した駆動軸トルク(−TR OUT )を設定する。こうして次のステップS22eにより駆動モータ制御を実行する。この制御内容は、先の駆動モータ制御ルーチンで述べた内容と同様である。これらステップS22cからステップS22eまでの制御は、ステップS22bで発電機回転数制御を実行している際、該発電機からプラネタリを介して出力される駆動軸トルク(TR OUT )が、ショックとして車輪に伝達されないように、駆動モータにより打ち消すものである。この制御の下で、ステップS22fにより、発電機回転数(NG )の絶対値が第2の所定回転数(例えば、100rpm)未満となっているか否かを判断する。そして、この判断が成立しない限り、ステップS22bに戻るループを繰り返す。そして、ステップS22fの判断が成立したところで、ステップS22gに進み、発電機ブレーキONの処理を実行する。次いでこの発電機ブレーキON状態で、ステップS22hにより、プラネタリを介して出力される駆動軸トルク(TR OUT )を推定し、更に、ステップS22iにより駆動モータ目標トルク(TM * )に、推定した駆動軸トルク(−TR OUT )を設定する。こうして次のステップS22jにより駆動モータ制御を実行する。この制御内容も、先の駆動モータ制御ルーチンで述べた内容と同様である。また、これらステップS22hからステップS22jまでの制御も、ステップS22bで発電機回転数制御を実行している際、該発電機からプラネタリを介して出力される駆動軸トルク(TR OUT )が、ショックとして車輪に伝達されないように、駆動モータにより打ち消すものである。この制御の下で、ステップS22kにより発電機ブレーキON状態で所定時間経過したか否かを判断する。このタイマ判断は、発電機ブレーキONにより実際に発電機の回転が止まるまでの待ち時間としてなされる。こうして発電機の回転停止が保証されたところで、次のステップS22lにより発電機へのSW(スイッチング)停止処理を行い、このルーチンを終わり、リターンする。
(発電機ブレーキOFF制御)
次に、図6のステップS23における発電機ブレーキOFF制御ルーチンについて説明する。図15は発電機ブレーキOFF制御ルーチンのフローを示す。このフローでは、ステップS23aによりエンジントルク(TE )相当分を発電機目標トルク(TG * )に設定し、それに従い、ステップS23bにより発電機トルク制御を行う。そして、この状態で、ステップS23cにより、プラネタリを介して出力される駆動軸トルク(TR OUT )を推定し、次のステップS23dで、駆動モータ目標トルク(TM * )に、推定した駆動軸トルク(−TR OUT )を設定する。そして、これに従い、ステップS23eにより駆動モータ制御を実行する。この制御内容も、先の駆動モータ制御ルーチンで述べた内容と同様である。これらステップS23cからステップS23eまでの制御は、ステップS23bで発電機トルク制御を実行している際、該発電機からプラネタリを介して出力される駆動軸トルク(TR OUT )が、ショックとして車輪に伝達されないように、駆動モータにより打ち消すものである。こうしてステップS23fにより所定時間経過判断が成立するまでステップS23bの発電機トルク制御に戻って、以降の処理を繰り返す。やがて所定時間が経過し、ステップS23fの経過判断が成立したところで、次のステップS23gに進み、発電機ブレーキOFFの処理を行う。続いて、ステップS23hにより、発電機目標回転数(NG * )に0rpmを設定する。そして、ステップS23iで、発電機回転数制御を実行する。この制御内容は、先の発電機回転数制御ルーチンの内容と同様である。こうして発電機回転数制御を行いながら、ステップS23jにより、プラネタリを介して出力される駆動軸トルク(TR OUT )を推定し、それに応じて、ステップS23kで、駆動モータ目標トルク(TM * )に、推定した駆動軸トルク(−TR OUT )を設定する。そして、最後に、ステップS23lにより、駆動モータ制御を実行する。この制御内容も、先の駆動モータ制御ルーチンで述べた内容と同様である。また、これらステップS23jからステップS23lまでの制御も、ステップS23iで発電機回転数制御を実行している際、該発電機からプラネタリを介して出力される駆動軸トルク(TR OUT )が、ショックとして車輪に伝達されないように、駆動モータにより打ち消すものである。こうして駆動モータ制御状態となったところで、このルーチンを終わり、リターンする。
(エンジン停止制御)
次に、図6のステップS25におけるエンジン停止制御ルーチンについて説明する。図16はエンジン停止制御ルーチンのフローを示す。この制御では、最初に、ステップS25aにより、発電機ブレーキOFF状態の判断を行い、この判断が成立しない場合は、ステップS25bにより発電機ブレーキOFF制御を行って、発電機を回転可能状態とする。そして、ステップS25cにより、エンジンへの燃料噴射、点火停止の処理を行う。更に、ステップS25dにより、スロットル開度を全閉とし、エンジンを迅速に停止させるべく、ステップS25eで発電機目標回転数(NG * =0)を決定する。そして、この決定に従い、ステップS25fにより発電機回転数制御を行う。また、ステップS25gにより、この状態でプラネタリを介して出力される駆動軸トルク(TR OUT )を推定する。更に、ステップS25hにより、駆動モータ目標トルク(TM * )に、推定した駆動軸トルク(−TR OUT )を設定する。そして、ステップS25iにより駆動モータ制御を行う。この制御内容も、先の駆動モータ制御ルーチンで述べた内容と同様である。これらステップS25gからステップS25iまでの制御は、ステップS25fで発電機回転数制御を実行している際、該発電機からプラネタリを介して出力される駆動軸トルク(TR OUT )が、ショックとして車輪に伝達されないように、駆動モータにより打ち消すものである。こうしてステップS25jによる判断で、エンジン回転数(NE )≦停止回転数が成立したところで、ステップS25kにより、発電機へのSW(スイッチング)停止とし、このルーチンを終わって、リターンする。
(エンジン始動制御)
次に、図6のステップS26におけるエンジン始動制御ルーチンについて説明する。図17はエンジン始動制御ルーチンのフローを示す。この制御では、最初にスロットル開度をディフォールの0%とするための処理を行う。そのために最初のステップS26aで、スロットル開度=0%の判断を行い、これが満たされない場合に、ステップS26bで、エンジン制御装置UE による出力でスロットル開度を0%にする。そして、この条件の成立下で、ステップS26cにより車速(V)の入力を行う。次いで、ステップS26dにより、エンジンの運転ポイント(エンジン目標トルクTE * 、エンジン目標回転数NE * )の入力を行う。そして、次のステップS26eで、回転が停止中のエンジンを所定のクランク軸位置に位置付けるべく、本発明の主題に係るプリポジショニング制御を行う。この内容については、後に詳記する。次に、ステップS26fにより発電機目標回転数(NG * )を決定する。続いて、ステップS26gにより、エンジン回転数(NE )≧始動回転数の判断を行う。この判断は、当初は不成立となるので、ステップS26hに移行し、発電機回転数制御を実行してエンジン回転数を上昇させるとともに、それによる駆動軸出力トルクの変動を打ち消すべく、ステップS26iにより、変動トルク打ち消し制御を行って、ステップS26cの車速(V)の入力のステップに戻る。このようにして、ステップS26gの判断が成立して、エンジン回転数の条件が整ったことが確認されたところで、ステップS26jのエンジンへの燃料噴射、点火開始を行う。この後も、ステップS26kによる発電機回転数制御と、ステップS26lによる変動トルク打ち消し制御を行う。更に、ステップS26mでスロットル開度の調整を行う。次のステップS26nは、エンジンの始動確認のためのステップであり、ここでは、発電機トルク(TG )<モータリングトルクの判断でこの確認を行う。その後、最終ステップS26oで、エンジン回転数の安定を待つ所定時間経過判断を行い、この判断が成立したところで、このルーチンを終わって、リターンする。
(プリポジショニング制御)
次に、本発明の主題に係るエンジン始動制御中のプリポジショニング制御について説明する。先のエンジン始動制御におけるエンジン始動は、発電機2にエンジン1を連続回転させるに充分なトルクを出力させ(図17に示すステップS26hの制御)、所要の回転数(例えば、アイドリング回転数)に達したことを判断して(同じく、図17に示すステップS26gの判断)、燃料噴射・点火を開始する(同じく、図17に示すステップS26kによる。)ことで行われる。この場合、発電機2の回転数制御によってプラネタリを介して出力される駆動軸トルク(TR OUT )は
R OUT =(TG −IG ・ωG )α
C :カウンタ軸トルク
G :発電機トルク
G :発電機イナーシヤ
ωG :発電機角加速度
α:プラネタリ、カウンタを考慮したギヤ比
のトルクが生じる。これに対して、駆動モータ3で上記トルク相当分を補正出力することにより、駆動軸のトルク変動を打ち消すことが可能である。この場合の駆動モータ補正トルクΔTM
ΔTM =TOUT * −TR OUT
OUT * :車両要求トルク
となる。
上記の場合の発電機角加速度ωG は、エンジン回転負荷によって変動するものであるから、角加速度検出のためには、高精度の発電機ロータ位置検出手段と、その結果を高速度で演算処理できるプロセッサが必要となるが、本発明では、こうした必要性を排除すべく、フューエルカット中のエンジン1を、発電機2のモータリングにより、所定のクランキング開始位置に位置付けるクランク軸位置制御が車両制御装置Uにより行われる。
図18は4気筒エンジンのクランク角度とクランキングトルクの関係を模式化して示す。この関係は、周知のように主として各シリンダ内でのピストンの行程と燃焼室容積の拡縮の関係(○、□、△、×印で各気筒ごとのトルクを示す。)の合成で定まるものであり、特定のシリンダでの圧縮が進行するところでクランキングトルクは増大し、上死点を過ぎると減少する関係にある。しかしながら、実際のクランキング負荷は、一旦エンジンの回転が始まると、当初回転の抵抗となっていたイナーシャトルクが、フライホイールイナーシャの発生により、逆にトルク変動を抑制する要素として働くようになるため、回転の立ち上がり時のみ極端に大きく、その後もトルク変動は残るものの、それより低いほぼ一定の値となる特性を有する。したがって、エンジンを停止させたときの状態で定まるクランク角度のばらつきで、クランキングの際の当初の回転の立ち上げのためのクランキング負荷は大きく変動する。
そこで、本発明では、上記クランキングの際の当初の回転の立ち上げのためのクランキング負荷を実質上一定にすることを狙って、図示の○印A位置(この位置は、回転負荷がほぼ0に近いことで、自然にエンジン停止時に取り得る一般的位置を表す。)で停止した、または停止するであろうエンジンを、○印B位置(この位置は、回転負荷がある程度大きく、自然のエンジン停止時には通常取り得ない位置を表すが、必ずしも図に破線で示すようなエンジンを最初のピーク負荷を越えて連続回転に至らせるに最低限必要なトルク位置の手前極近傍に限るものではない。)、すなわち所定のクランキング開始位置まで回転させる制御(本明細書を通じてクランク軸位置制御という。)をクランキングに先行させて行うことを主眼とする。この趣旨から、本発明の対象とするプリポジショニング制御は、エンジンの停止中であると回転中であるとを問わず、エンジンに対する燃料噴射や点火、スロットル開度の調整が行われていない状態で行われる。したがって、本発明にいう運転が停止中のエンジンとは、上記の状態を意味し、必ずしも回転が停止状態のエンジンを意味しない。
図19はプリポジショニング制御の第1実施形態の制御のタイムチャートを示す。この形態では、発電機にクランキングトルク(TG c)を出力させる前に、クランク軸位置調整トルク(TG p)を出力させ、エンジンを非連続回転下で上記のA位置からB位置まで回転させて、所定のクランキング開始位置に位置付けるクランク軸位置制御を行う。この所定のクランキング開始位置は、後記するように、その位置を検出することで所定のクランク角位置としてもよいし、エンジンを始動させるに要するトルクより小さな所定トルクをかけて一定時間経過させることで保証してもよし、これらの組み合わせによってもよい。これと併せて、モータには車両の走行に必要な駆動トルク(前記車両要求トルクTOUT * )から発電機トルク分を出力軸で0とする打ち消し分のトルク(TM p)を減じたトルクを出力させて、出力軸トルク変動を防ぐ。なお、図において駆動モータトルクについては、この補正分のトルクのみを示す。
このようにクランク軸位置をB位置に設定した後、今度は図17のステップS26fに移って発電機にエンジンを連続回転させるに足るクランキングトルク(TG c)を出力させてエンジン始動を行う。この場合も、クランキングトルクを補正するトルク(TM c)を駆動モータに出力させて出力軸トルク変動を防ぐ。
こうした制御によって、駆動軸トルクはクランキング当初に図示実線のように若干変動するものの、図に破線で示すA位置からのクランキングの場合のトルク変動に比してそのピーク値を低く抑えることができる。この変動は、エンジンのクランキングトルクが、図18に示すように、クランク角度に応じて変動することに起因するものである。そして、特にB位置を図18に破線で示すピーク負荷レベルの手前極近傍に設定した場合、この大きなトルク負荷に応じたてクランキングトルク(TG c)出力が当初から大きくなるため、エンジン回転数の図示B位置からの立ち上がりが速くなり、トルク振動が生じる期間も短縮される。
図20は上記の処理をタイマー制御で行う場合のフローチャートを示す。このプリポジショニング制御では、ステップS26e−1で、発電機目標トルク(TG * )に任意の一定トルクを設定する。この場合の一定トルクは、エンジンを始動させるに要するトルクより小さな、例えば1.5Nmとされる。そして、この設定に従って、ステップS26e−2により、先に述べたと同様の内容の発電機トルク制御を行うとともに、ステップS26e−3により、変動トルク打ち消し制御を行う。この場合の変動トルク打ち消し制御の1つのパターンを図21にフローチャートで示す。この変動トルク打ち消し制御ルーチンでは、まず、ステップS26e−31により、先に述べたと同様の方法でプラネタリを介して出力される駆動軸トルク(TR OUT )を推定し、このトルクを単純に打ち消すようなトルクを、ステップS26e−32により駆動モータ目標トルク(TM * )に−TR OUT として設定し、これに従い、ステップS26e−33で、先に述べたと同様の内容の駆動モータ制御を実行する。図20に戻って、こうして、最後のステップS26e−4により所定時間経過判断を行う。この場合の所定時間は、例えば0.3秒とされる。なお、前記の駆動モータ目標トルク(TM * )に設定する補正トルクは、前記のように演算により設定することができるが、他の方法として、図22に示すような、任意の一定トルクに合わせた発電機トルクに対応させた駆動モータでの補正トルクのマップを車両制御装置Uのメモリに設定しておき、これを用いて行うこともできる。
次の図23は上記タイマ制御をクランク軸位置の検出に置き換えた第2実施形態の制御内容をフローチャートで示す。このプリポジショニング制御ルーチンの最初のステップS26e−1で設定する任意の一定トルクは、必ずしもモータリングに要するトルクより小さくする必要はなく、例えば、先の第1実施形態より高い5Nmに設定することができる。そして、この場合のステップS26e−3の変動トルク打ち消し制御は、先の第1実施形態の場合と同様に、2つのパターンのいずれかとすることができる。最後のステップS26e−5である所定クランク軸位置の判定には、種々のセンサを用いることができる。例えば、高分解能で詳細なクランク軸位置の検出が可能なセンサや、図24又は図25に示すようなクランク軸と同期回転する円板状の検出体Sn21、Sn22の周面に、クランク軸の回転に合わせた凹凸やノッチを設けたもの(例えば、4気筒エンジンの場合、クランク軸の1回転につき、所定のクランク軸位置は2回あるため、凹凸やノッチをそれに合わせて180°間隔で形成したもの。)を検出体とするセンサを用いることができる。更に他の方法として、エンジンからの回転数信号を積分して求める方法や、発電機及び駆動モータの回転数からプラネタリの回転数式(1)を用いてエンジン回転数を求め、それを積分して求める方法も可能である。
次に示す図26は、第3実施形態のプリポジショニング制御の制御内容をフローチャートで示す。この形態では、前記のような高分解能で詳細な位置検出が可能なセンサによることを前提として、当初のステップS26e−6でクランク軸位置(θ)の入力を行い、次のステップS26e−7で、所定のクランク軸位置に至るまでの時間(t)を演算する。この場合の時間(t)は、図27に示すようなクランク軸位置(θ°)に対する時間(t)の関係を、車両制御装置Uのメモリにマップとして設定しておくことができるし、計算によって求めることもできる。次のステップS26e−1の発電機目標トルクに設定する任意のトルクは、先の第2実施形態の場合と同様に、例えば5Nmとされる。この場合、クランク軸位置の判断は、最後のステップS26e−8による時間(t)の経過判断でなされる。その余のステップについては先の第1又は第2実施形態の場合と同様である。
次に示す図28は、第4実施形態のプリポジショニング制御の制御内容をフローチャートで示す。この形態では、先の3つの実施形態とは異なり、クランク軸位置設定のためのトルクを可変としたものである。この形態の場合、当初のステップS26e−6で、先の第3実施形態と同様にクランク軸位置(θ)の入力を行うが、次のステップS26e−9では、クランク軸位置に応じた発電機目標トルク(TG * )を設定する処理がなされる。この設定は、例えば図29に示すようなクランキングトルク(図18参照。)に沿って可変とされた発電機目標トルク(TG * )のマップを車両制御装置のメモリに設定しておき、これによりなされる。この場合の変動トルク打ち消し制御については、先に挙げた図20のフローに従う補正が可能であるが、別途、図29に示すような第1のトルク補正マップによる補正も可能である。この第1のトルク補正マップは、可変のトルクマップによる発電機目標トルク(TG * )をギヤ比を考慮して単純に打ち消すような駆動モータ目標トルク(TM * )のマップである。
ところで、前記第1実施形態のエンジン始動制御では、プリポジショニング制御後のエンジンのモータリングを、発電機の回転数制御(図17のステップS23k参照。)で行っているが、発電機回転数が同じでも、温度によって発電機出力が異なるため、モータリング中の変動トルクを打ち消すトルクをマップ化しても補正しきれない場合があり、これに対応するには、別途の温度補正制御等の複雑な制御が必要となる。そこで、次に図30にフローを示す第5実施形態では、モータリングを発電機のトルク制御で行い、それに対応した打ち消しトルクをマップ化して、単純な制御で、より正確なトルク補正を期している。
図30に示すエンジン始動制御ルーチンと図17に示すエンジン始動制御ルーチンとの違いは、本質的に上記の発電機の回転数制御に対するトルク制御の違いにあるので、対応するステップに同様のステップ番号を付して共通部分の説明に代え、以下、相違点のみ説明する。この形態におけるステップS26q、S26sの発電機トルク制御の内容は、図12を参照して先に説明した内容と同様である。ステップS26r、S26tの変動トルク打ち消し制御は、先に挙げた図21に示す補正方法が第1の補正パターン(以下、通常の補正パターンという。)としてあるほかに、以下に示すような補正パターンがある。
第2の補正パターンは、図31にフローを示す発電機トルク打ち消しマップによる補正である。このパターンでは、図32に示すような、発電機の回転数制御によるモータリング時に発生する発電機トルクを実験的に求め、単純にそれを打ち消すように駆動モータ目標トルク(TM * )をマップ化したものを用い、これにより駆動モータ目標トルク(TM * )を設定して、駆動モータ制御を行っている。
第3の補正パターンは、図33に示すように、通常の補正パターンとクランク軸位置に応じた駆動軸トルク変動打ち消しマップによる補正である。したがって、この補正パターンは、高分解能で詳細な位置が検出できるセンサの使用を前提とする。このパターンでの駆動モータ目標トルク(TM * )の決定には、通常の計算による補正に加えて、図34又は図35に示す駆動軸トルク打ち消しマップも使用される。このマップは、クランク軸位置(θ°)に対して駆動モータ目標トルク(TM * )を設定したもので、図19の出力軸トルク(実線)で示されるクランク角度に応じて変動するクランキングトルクを打ち消そうとするものである。特に図35に示すマップは、エンジン点火時のトルク変動まで含めた設定としたマップであり、このように補正することで、ほぼ完全に駆動軸トルクの変動を取り除くことができる。
第4の補正パターンは、図36に示すように、発電機トルク打ち消しマップによる補正と、クランク軸位置に応じた駆動軸トルク打ち消しマップによる補正を組み合わせたものである。この補正による図37に示すトルク補正マップの駆動モータ目標トルク(TM * )は、図32に示すマップと、図34に示すマップを参照したトルク値の和として設定される。
次に示す図38のエンジン始動制御ルーチンは、先の図17に示すエンジン始動制御ルーチンに対して、車両要求トルクが大きい場合に、プリポジショニング制御を禁止する処理を付加した第6実施形態を示す。この制御形態では、車速(V)の入力ステップの後に、ステップS26uの車両要求トルク(TOUT * )の入力を加え、エンジンの運転ポイントの入力の後に、ステップS26vの車両要求トルク(TOUT * )≦所定トルクの判断を加えており、この判断が不成立の場合に、プリポジショニング制御をスキップするフローとされている。その余のフローについては、図17に示す第1実施形態のエンジン始動制御ルーチンと同様であるので、対応するステップに同様のステップ番号を付して説明に代える。
以上の各実施形態では、エンジン始動の前処理としてプリポジショニング制御を行っているが、この制御は、エンジン停止時の後処理として行うこともできる。次の図39はこうした処理を行う第7実施形態のタイムチャートを示す。この形態では、フューエルカット状態でイナーシャトルクにより回転している状態のエンジンを発電機にトルク吸収させてすばやく停止させる制御を行う。この場合も、駆動モータには発電機トルクを出力軸で0とするような補正トルクを出力させる。これによりエンジンはアイドリング回転から急速に減速され、停止寸前の回転数のところでトルク変動による出力軸トルクの変動が生じるが、この変動は回転状態からの変動であるため、先の第1実施形態のクランキング当初のトルク変動と同様に小さい。こうしてエンジン回転数がほぼ0となったところでエンジン位置調整トルク(TG p)の出力を行い、非連続回転下でエンジン位置をA位置からB位置に移動させる。この場合も、併せて駆動モータトルク出力(TM p)の調整により発電機トルクを出力軸で0となるように補正を行う。このようにしてB位置で停止したエンジンのクランク軸には、以降の走行状態によっては、A位置に戻す逆転方向へのトルクが作用する場合があるが、エンジン1の逆転はワンウェイクラッチ8の係合により阻止され、その位置に保持することができる。したがって、この形態では、エンジン1をクランキング位置で保持すべく、発電機2によりトルクを連続して加えておく必要が無いため、余分な電力消費を防止できる。
図40は上記制御内容をフローチャートで示す。この場合のエンジン停止制御ルーチンは、第1実施形態におけるステップS25のエンジン停止制御ルーチンの一部をプリポジショニングのための制御に置き換えたものである。すなわち駆動モータ制御の関連部分のステップS25g〜S25iを、ステップS25lの変動トルク打ち消し制御に置き換え、最後のステップS25kの前にステップS25mのプリポジショニング制御ステップを付加したものである。この場合の変動トルク打ち消し制御中のトルク補正パターンとしては、第1実施形態の場合と同様の通常の補正パターンを用いることができる。また、プリポジショニング制御中のトルク補正パターンとしても、第1実施形態のと同様の通常の補正パターンを用いることができる。この他にも、始動制御時と同様に種々のパターンが考えられるが、基本的にはエンジン始動に先立って実行する方法と同様であるので、説明を省略する。
このような制御形態によると、エンジン始動に先立つクランク軸位置制御を必要としないため、エンジン停止直後に運転者の駆動要求変化が生じたような場合でも、任意のタイミングで直接エンジンのクランキングを開始させる迅速な対応が可能となる。しかも、その場合のトルク振動は、予めなされているエンジン停止時のクランク軸位置制御により第1実施形態の場合と同様に低減することができる。
最後に示す図41〜図43は、本発明によるプリポジショニング制御の効果をを検証すべく、従来のエンジン始動と、本発明によるプリポジショニング制御を伴うエンジン始動制御とを比較して実測のタイムシャートで示す。こられらのタイムチャートは、いずれも波形の複雑化を防ぎ、参照を容易にする趣旨で、車両停止状態でのデータを例示する。図41に示すプリポジショニング制御なしのエンジン始動では、発電機によるモータリングがいきなり始まることで(2.8sec)からの発電機トルクと発電機回転数の変化を参照。)、最も負荷のかかる圧縮行程終了(同じく、3.2secのトルクピーク参照。)まで、クランク軸が勢いよく回転し、その後、徐々にモータリングが進行するため、ダンパからの跳ね返しにより、発電機の回転が一瞬落ち込む(3.1secの位置参照。)。これにより発電機目標回転数と実際の発電機回転数との差が大きくなってしまい、実際の発電機回転数がこれに追従しようとする状態が生じている。この結果、発電機回転数は急激に増加する。これが駆動軸に大きなトルク変動を生じさせている(3.1sec〜3.2secの駆動軸トルクの立ち上がり勾配参照。)のが分かる。その後は、不規則に乱れて長時間収束しないトルク変動となっている。
これに対して、図42に示す本発明によるエンジン始動時プリポジショニング制御によると、クランク軸位置制御が3.7sec付近から始まり(発電機トルクの変化参照。)、4.1sec付近でクランク軸位置制御が終わり、その位置かあらクランキングが開始され、4.3sec付近で発電機回転数の落ち込みも極めて小さく抑えられているのが分かる。この結果、駆動軸トルクに生じるトルク変動が有効に減じられている。しかも、その後の駆動軸のトルク変動の乱れは生じていない。
また、図43に示す本発明によるエンジン停止時プリポジショニング制御によると、15.3sec付近から始まるクランク軸位置制御が、それ以前のエンジン停止処理による駆動軸トルク変動の発生に対して、実質上無視し得る程度に小さなものとなるのが分かる。
以上、本発明を種々の実施形態に基づき詳説したが、本発明はこれらの実施形態に限るものではなく、特許請求の範囲に記載の事項の範囲内で種々に具体的構成を変更して実施することができる。例えば、エンジン停止時にプリポジショニング制御を行う第2実施形態において、プリポジショニング制御をエンジン停止後の適宜の時期に行う構成とすることもできる。この場合の時期は、運転者が駆動要求を変化させるアクセル操作やブレーキ操作等を行った際の駆動トルク変化の制御がなされる時期に合わせるのが、運転者に違和感を与えずにエンジン位置制御を行うことができる点で適切である。また、本発明の適用対象として、エンジンと電動機を動力源とするハイブリッド駆動装置を例示して説明したが、本発明の適用対象は、これに限るものではなく、車両の停止時に不要なアイドリングを防止する、エンジンを自動停止・自動始動させるシステム等に使用することもできる。
本発明の適用に係るハイブリッド駆動装置のギヤトレインのスケルトン図である。 ハイブリッド駆動装置のプラネタリギヤセットの速度線図である。 ハイブリッド駆動装置のプラネタリギヤセットのトルク線図である。 ハイブリッド駆動装置の制御系のシステム構成図である。 制御装置のメインルーチンの前半部分のフローチャートである。 制御装置のメインルーチンの後半部分のフローチャートである。 車両要求トルクマップである。 エンジン目標運転状態マップである。 エンジン運転領域マップである。 急加速制御ルーチンのフローチャートである。 駆動モータ制御ルーチンのフローチャートである。 発電機トルク制御ルーチンのフローチャートである。 発電機回転数制御ルーチンのフローチャートである。 発電機ブレーキON制御ルーチンのフローチャートである。 発電機ブレーキOFF制御ルーチンのフローチャートである。 エンジン停止制御ルーチンのフローチャートである。 エンジン始動制御ルーチンのフローチャートである。 エンジンクランキングトルク特性図である。 第1の実施形態のエンジン始動制御におけるプリポジショニング制御のタイムチャートである。 プリポジショニング制御ルーチンのフローチャートである。 変動トルク打ち消し制御ルーチンのフローチャートである。 トルク補正マップである。 第2の実施形態のプリポジショニング制御ルーチンのフローチャートである。 クランク軸位置検出に用いるセンサの検出体の模式図である。 他の形式の検出体を示す模式図である。 第3の実施形態のプリポジショニング制御のフローチャートである。 クランク軸位置決定のマップである。 第4の実施形態のプリポジショニング制御ルーチンのフローチャートである。 プリポジショニング制御に用いる可変のトルクマップ及びトルク補正マップである。 第5の実施形態のエンジン始動制御ルーチンのフローチャートである。 変動トルク打ち消し制御ルーチンのフローチャートである。 変動トルク打ち消し制御に用いるトルクマップである。 他の変動トルク打ち消し制御ルーチンのフローチャートである。 他の変動トルク打ち消し制御に用いるトルクマップである。 他のトルクマップである。 更に他の変動トルク打ち消し制御ルーチンのフローチャートである。 更に他の変動トルク打ち消し制御に用いるトルクマップである。 第6の実施形態のエンジン始動制御ルーチンのフローチャートである。 第7の実施形態のエンジン停止制御におけるプリポジショニング制御のタイムチャートである。 エンジン始動制御ルーチンのフローチャートである。 従来のエンジン始動のタイムチャートである。 本発明によるエンジン始動時プリポジショニング制御のタイムチャートである。 本発明によるエンジン停止時プリポジショニング制御のタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 第1の電動機
U 制御装置

Claims (21)

  1. モータリングにより、エンジン(1)を点火するための回転数まで上昇させる第1の電動機(2)と、
    第2の電動機(3)と、
    前記エンジン及び第1、第2の電動機を制御する制御装置(U)とを備える駆動装置において、
    前記制御装置は、前記エンジンの運転が停止中に、前記第1の電動機からエンジンを連続回転させるのに要するトルクに満たない一定トルクを一定時間だけ出力させることによって、前記エンジンのクランク軸位置を、所定のクランク軸位置に位置付けるようにプリポジショニング制御を行い、モータリング時に、前記第2の電動機を制御することによって、車輪に出力されるトルクの変動を吸収することを特徴とする駆動装置。
  2. 前記エンジンを連続回転させるのに要するトルクに満たない一定トルクは、前記クランク軸位置が前記エンジンのピストンの圧縮工程の上死点を超えないときのトルクである請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記一定時間は、前記クランク軸位置が所定のクランク軸位置に位置付けられるために十分な時間である請求項1に記載の駆動装置。
  4. 前記所定のクランク軸位置は、エンジンのクランキングトルクの最も高い位置である請求項1〜3のいずれか1項に記載の駆動装置。
  5. 前記エンジン及び第1、第2の電動機が車輪(9)に機械的に連結され、
    前記制御装置は、前記プリポジショニング制御中に車輪に出力されるトルクの変動を吸収するように第2の電動機を制御する請求項1〜4のいずれか1項に記載の駆動装置。
  6. 前記制御装置は、第1の電動機が出力するトルクから前記車輪に出力されるトルクの変動を演算する請求項5に記載の駆動装置。
  7. 前記制御装置は、前記プリポジショニング制御に応じてあらかじめ決められた第1のトルク補正マップに基づいて、前記第2の電動機を制御する請求項5に記載の駆動装置。
  8. 前記制御装置は、前記第1、第2の電動機に同時にトルク出力させる請求項7に記載の駆動装置。
  9. 前記制御装置は、モータリングに先立って前記プリポジショニング制御を行う請求項1〜8のいずれか1項に記載の駆動装置。
  10. 前記制御装置は、モータリング時に、第1の電動機の回転数を制御する請求項に記載の駆動装置。
  11. 前記制御装置は、モータリング時に、第1の電動機のトルクを制御する請求項に記載の駆動装置。
  12. 前記制御装置は、あらかじめ決められたマップに基づいて第1の電動機のトルクを制御する請求項11に記載の駆動装置
  13. 記制御装置は、第1の電動機が出力するトルクから前記車輪に出力されるトルクの変動を演算する請求項に記載の駆動装置。
  14. 前記制御装置は、モータリングに応じてあらかじめ決められた第2の補正マップに基づいて、前記第2の電動機を制御する請求項に記載の駆動装置。
  15. 前記制御装置は、エンジンのクランク軸位置に応じてあらかじめ決められた第3のトルク補正マップに基づいて、第2の電動機を更に制御する請求項1、13及び14のいずれか1項に記載の駆動装置。
  16. 前記制御装置は、前記第1、第2の電動機に同時にトルク出力させる請求項14又は15に記載の駆動装置。
  17. 前記制御装置は、運転者の駆動要求が所定値以下であることを条件に、前記プリポジショニング制御を行う請求項1及び9〜16のいずれか1項に記載の駆動装置。
  18. 前記制御装置は、フューエルカット後に第1の電動機によってエンジン回転を強制低減させることによるエンジンの回転停止に続けて、前記プリポジショニング制御を行う請求項1〜17のいずれか1項に記載の駆動装置。
  19. 前記制御装置は、前記エンジンの回転を強制低減中に車輪に出力されるトルクの変動を吸収するように第2の電動機を制御する請求項18に記載の駆動装置。
  20. エンジンの逆回転を防止するワンウェイクラッチ(8)を備える請求項1〜19のいずれか1項に記載の駆動装置。
  21. 前記制御装置は、モータリング中のクランキングトルクが所定のトルクとなるように第1の電動機を制御する請求項1に記載の駆動装置。
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