JPH10169485A - ハイブリッド車両 - Google Patents

ハイブリッド車両

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JPH10169485A
JPH10169485A JP9367318A JP36731897A JPH10169485A JP H10169485 A JPH10169485 A JP H10169485A JP 9367318 A JP9367318 A JP 9367318A JP 36731897 A JP36731897 A JP 36731897A JP H10169485 A JPH10169485 A JP H10169485A
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JP
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gear
generator
oil pump
engine
rotation
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JP9367318A
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Inventor
Kozo Yamaguchi
幸蔵 山口
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Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/7072Electromobility specific charging systems or methods for batteries, ultracapacitors, supercapacitors or double-layer capacitors

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  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】オイルポンプ駆動専用のモータを不要とするハ
イブリッド車両を提供する。 【構成】エンジン11と、発電機16と、エンジン入力
軸14とをプラネタリギヤユニット13を介して連結
し、プラネタリギヤユニット13とエンジン11の間に
オイルポンプ55を設け、駆動モータ25に連結された
リングギヤRの回転が伝達されるスリーブ52と、伝達
軸17が、それぞれオイルポンプ55の入力軸58にワ
ンウェイクラッチF4、F5を介して連結されている。
そして、エンジン停止時であって後進走行時には、発電
機16をモータとして駆動さることにより、オイルポン
プを駆動させ、オイル潤滑を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハイブリッド車両にか
かり、詳しくは、エンジンの回転から動力を得るオイル
ポンプを有するハイブリッド車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンとモータとを併用した駆
動装置を有するハイブリッド車両が提供されている。こ
の種のハイブリッド車両は各種提供されており、例え
ば、エンジンを駆動することによって発生させられた回
転を発電機に伝達して発電機を駆動し、該発電機によっ
て得られた電力を直流電流に変換してバッテリに送って
充電し、さらに該バッテリの電力により駆動モータを駆
動するようにしたシリーズ(直列)式のハイブリッド車
両や、エンジンと駆動モータの駆動力を出力軸に伝達し
て車両を走行させ、主として駆動モータの出力を制御し
て増減速を行うパラレル(並列)式のハイブリッド車両
などがある。
【0003】前記シリーズ式のハイブリッド車両におい
ては、エンジンが駆動系と切り離されているので、エン
ジンを最高効率点で駆動することができる。また、パラ
レル式のハイブリッド車両においては、エンジンによっ
てトルクを発生させるとともに、電気モータによって補
助的なトルクを発生させるようになっているので、機械
エネルギーを電気エネルギーに変換する割合が少なく、
エネルギー伝達効率が高い。
【0004】ところで、ハイブリッド車両においては、
一般の自動変速機を搭載した車両と同様に、エンジンの
出力軸と同じ軸線上にオイルポンプが配設され、オイル
ポンプはオイルポンプ駆動装置によって作動させられる
ものがある。そして、オイルポンプはエンジンからの回
転を受けて作動させられ、摩擦係合要素を冷却したり、
ベアリング、ギヤ、電気モータ等を潤滑したりするよう
になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のハイブリッド車両においては、アイドル時等におい
て、エンジンを低速回転させた場合においても、摩擦係
合要素を冷却したり、ベアリング、ギヤ、電気モータ等
を潤滑する必要があるので、容量の大きなオイルポンプ
を配設し、十分な量の油を吐出することができるように
している。
【0006】ところが、オイルポンプの容量を大きくし
てしまうと、高速走行時においてエンジンを高速回転さ
せた場合、オイルポンプによって過剰な量の油が吐出さ
れ、ハイブリッド車両の燃費をその分悪くする可能性が
ある。また、通常走行時のエンジン回転数に合わせて、
オイルポンプの容量を決定すると、高い吐出量を必要と
する場合に、潤滑油の供給が不足してしまう。例えば、
高速走行や登坂を走行する場合などでは、通常走行の場
合よりも多量の潤滑油の供給が必要とされ、潤滑油の供
給が不足する。また、急発進や差動歯車装置の駆動な
ど、厳しい駆動条件が検出された場合にも、多量の潤滑
油の供給が必要となる。
【0007】さらに、車両を長期間駐車した後、モータ
によって走行を開始した場合には、オイルポンプが駆動
しないため、ベアリングや差動歯車装置に潤滑油が十分
に供給されないまま各部が駆動し、耐久性が低下するな
どの問題もある。このような問題を解決するために、オ
イルポンプを可変容量化することも可能であるが、機構
が複雑となる恐れがある。
【0008】そこで、電気モータ等によって作動させら
れる他のオイルポンプを配設し、エンジンを停止させた
ときでも、他のオイルポンプによって、冷却および潤滑
を継続することができるようにしたハイブリッド車両が
考えられる。しかし、他のオイルポンプをハイブリッド
車両に配設するようにした場合、ハイブリッド車両の重
量がその分増加し、燃費が悪くなるだけでなく、ハイブ
リッド車両が大型化し、コストが高くなってしまう。
【0009】また、2つのオイルポンプをハイブリッド
車両に配設する場合、各オイルポンプの吐出側を連結す
る必要が生じ、ハイブリッド車両の構造が複雑化してし
まう。さらに、2つのオイルポンプをそれぞれ作動させ
るための制御装置が必要になり、コストが高くなる。
【0010】本発明は、必要に応じて、オイルポンプの
吐出量を制御し得るハイブリッド車両を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、以下
の本発明により達成される。 (1) エンジンと、モータとして駆動可能な発電機
と、駆動輪を駆動する出力軸と一体的に回転する電気モ
ータと、少なくとも3個の歯車要素を有し、前記発電機
と連結された第1の歯車要素と、前記電気モータの出力
軸に連結された第2の歯車要素と、前記エンジンと連結
された第3の歯車要素とを有する差動歯車装置と、前記
第1または第3の歯車要素の一方及び前記第2の歯車要
素の各々とにワンウェイクラッチを介して連結されるオ
イルポンプと、車両へ要求されている負荷を検出する走
行負荷検出手段と、前記走行負荷検出手段の検出信号に
基づき、前記発電機をモータとして駆動して前記オイル
ポンプを作動させる発電機制御手段と、前記エンジンの
停止と前記電気モータの前進または後進駆動を検出する
発進検出手段とを有し、前記発電機制御手段は、前記発
進検出手段が前記エンジンの停止と前記電気モータの前
進又は後進駆動を検出した場合、前記発電機をモータと
して駆動して前記オイルポンプを作動させることを特徴
とするハイブリッド車両。
【0012】
【作用】エンジンの出力は、差動歯車装置を介して、一
部が発電機へ、残りが出力軸へ伝達される。出力軸へ伝
達された出力には電気モータの出力が加えられて、駆動
輪へ動力が伝達される。3つの歯車要素で差動歯車装置
が構成され、上記各軸は、該差動歯車装置に接続されて
いるため、前記各歯車要素と各軸の回転数は、発電機の
回転数を制御することによって、調整することが可能と
なる。そして、発電機制御手段は、オイルポンプの吐出
量が変化するように、発電機の回転数を制御する。例え
ば、走行負荷が大きくなった場合には、発電機の回転数
を上げて、オイルポンプの吐出量を増加させ、負荷が小
さくなった場合には、発電機の回転数を下げてオイルポ
ンプの吐出量を減少させる。
【0013】上記のように、オイルポンプの吐出量を適
宜調整することができるので、必要に応じて各部に潤滑
油を十分に供給することができ、また潤滑油の供給量が
過剰になることもない。従って、オイルポンプの基本吐
出量を小さくすることができる。発進検出手段によっ
て、エンジンの停止及び電気モータの前進又は後進駆動
を検出すると、発電機制御手段は、発電機をモータとし
て回転させてオイルポンプを駆動させる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について、添付図面に
基づき詳細に説明する。 <第1実施例> [駆動系の構成]図1は、本発明の第1実施例のハイブ
リッド車両の駆動系を示す概念図である。図において、
第1軸線上には、エンジン11と、エンジン11を駆動
することによって発生させられた回転を出力するクラン
ク軸10と、クランク軸10の回転がワンウェイクラッ
チF1を介して伝達される出力軸12と、該出力軸12
を介して入力された回転に対して変速を行う差動歯車装
置であるプラネタリギヤユニット13と、該プラネタリ
ギヤユニット13における変速後の回転が出力されるユ
ニット出力軸14と、該ユニット出力軸14に固定され
た第1カウンタドライブギヤ15と、回転数制御可能な
発電機16と、該発電機16とプラネタリギヤユニット
13とを連結する伝達軸17とが配置されている。ユニ
ット出力軸14は、スリーブ形状を有し、出力軸12を
包囲して配設されている。また、第1カウンタドライブ
ギヤ15は、プラネタリギヤユニット13よりエンジン
11側に配設されている。
【0015】プラネタリギヤユニット13は、第1の歯
車要素であるサンギヤSと、サンギヤSと歯合するピニ
オンPと、該ピニオンPと歯合する第2の歯車要素であ
るリングギヤRと、ピニオンPを回転自在に支持する第
3の歯車要素であるキャリヤCRとを備えている。サン
ギヤSは、伝達軸17を介して発電機16と連結され、
リングギヤRは、回転軸であるユニット出力軸14を介
して第1カウンタドライブギヤ15と連結され、キャリ
ヤCRは、出力軸12を介してエンジン11と連結され
ている。
【0016】さらに、発電機16は伝達軸17に固定さ
れ、回転自在に配設されたロータ21と、該ロータ21
の周囲に配設されたステータ22と、該ステータ22に
巻装されたコイル23とを備えている。発電機16は、
伝達軸17を介して伝達される回転によって電力を発生
させる。前記コイル23は図示しないバッテリに接続さ
れ、該バッテリに電力を供給して充電する。第1軸線と
平行な第2軸線上には、電気モータである駆動モータ2
5と、駆動モータ25の回転が出力されるモータ出力軸
26と、モータ出力軸26に固定された第2カウンタド
ライブギヤ27とが配置されている。
【0017】駆動モータ25は、モータ出力軸26に固
定され、回転自在に配設されたロータ37と、該ロータ
37の周囲に配設されたステータ38と、該ステータ3
8に巻装されたコイル39とを備えている。駆動モータ
25は、コイル39に供給される電流によってトルクを
発生させる。そのために、コイル39は図示しないバッ
テリに接続され、該バッテリから電流が供給されるよう
に構成されている。本発明のハイブリッド車両が減速状
態において、駆動モータ25は、図示しない駆動輪から
回転を受けて回生電力を発生させ、該回生電力をバッテ
リに供給して充電する。
【0018】そして、前記エンジン11の回転と同じ方
向に図示しない駆動輪を回転させるために、第1軸線及
び第2軸線と平行な第3軸線上には、駆動出力軸として
カウンタシャフト31が配設されている。該カウンタシ
ャフト31にはカウンタドリブンギヤ32が固定されて
いる。また、該カウンタドリブンギヤ32と第1カウン
タドライブギヤ15とが、及びカウンタドリブンギヤ3
2と第2カウンタドライブギヤ27とが噛合させられ、
第1カウンタドライブギヤ15の回転及び第2カウンタ
ドライブギヤ27の回転が反転されてカウンタドリブン
ギヤ32に伝達されるようになっている。さらに、カウ
ンタシャフト31には、カウンタドリブンギヤ32より
歯数が小さなデフピニオンギヤ33が固定される。
【0019】そして、第1軸線、第2軸線及び第3軸線
に平行な第4軸線上にデフリングギヤ35が配設され、
該デフリングギヤ35と前記デフピニオンギヤ33とが
噛合させられる。また、前記デフリングギヤ35にディ
ファレンシャル装置36が固定され、デフリングギヤ3
5に伝達された回転が前記ディファレンシャル装置36
によって差動させられ、駆動輪に伝達される。このよう
に、エンジン11によって発生させられた回転をカウン
タドリブンギヤ32に伝達することができるだけでな
く、駆動モータ25によって発生させられた回転をカウ
ンタドリブンギヤ32に伝達することができるので、エ
ンジン11だけを駆動するエンジン駆動モード、駆動モ
ータ25だけを駆動するモータ駆動モード、並びにエン
ジン11及び駆動モータ25を駆動するエンジン・モー
タ駆動モードでハイブリッド型車両を走行させることが
できる。また、後述するように、発電機16において発
生させられる電力を制御することによって、前記伝達軸
17の回転数を制御することができる。
【0020】◎選択手段 選択手段は、ワンウェイクラッチF1と、出力軸12に
設けられたドライブギヤ56とを備えている。ワンウェ
イクラッチF1は、既述のように、クランク軸10と出
力軸12との間に配設され、1次側がクランク軸10
に、2次側が出力軸12に接続されている。つまり、ワ
ンウェイクラッチF1の1次側がエンジン11に、2次
側がプラネタリギヤユニット13に連結されている。そ
して、該ワンウェイクラッチF1は、キャリヤCRがエ
ンジン11の反力を受ける方向に回転しようとするとき
にロックし、逆方向に回転しようとするときにフリーと
なるように設けられている。従って、ワンウェイクラッ
チF1の2次側の部材、即ち、キャリヤCR(出力軸1
2)は、エンジン11(クランク軸10)より正転方向
に速く回転することはあるが、遅く回転することはな
い。そして、出力軸12には、ドライブギヤ56が設け
られている。従って、キャリヤCRの回転よりもエンジ
ン11の回転が速い場合には、ワンウェイクラッチF1
はロックされ、ドライブギヤ56には、エンジン11の
回転が伝達される。また、エンジン11の回転よりもキ
ャリヤCRの回転が速い場合には、ワンウェイクラッチ
F1はフリーとなり、ドライブギヤ56には、キャリヤ
CRの回転が伝達される。
【0021】上記ドライブギヤ56に噛合されたドリブ
ンギヤ57にオイルポンプ55の入力軸が連結されてお
り、オイルポンプ55は、ドリブンギヤ57を介してド
ライブギヤ56から回転力を得て駆動する構成となって
いる。即ち、オイルポンプ55には、上記構成の選択手
段を介して、エンジン11の回転とキャリヤCRの回転
の内、速い方の回転が選択されて伝えられ、該伝えられ
た回転によってオイルポンプ55が駆動させられる。
【0022】[制御系の構成]次に、本発明のハイブリ
ッド車両の制御系について説明する。図2は、制御系の
構成を示すブロック図である。本実施例の制御系を構成
する制御手段は、車両制御装置41と、エンジン制御装
置42と、モータ制御装置43と、発電機制御装置44
とを有している。この車両制御装置41は、例えばCP
U(中央処理装置)、各種プログラムやデータが格納さ
れたROM(リード・オン・メモリ)、ワーキングエリ
アとして使用されるRAM(ランダム・アクセス・メモ
リ)等を備えたマイクロコンピュータによって構成する
ことができる。
【0023】さらに、この制御系は、アクセル開度αを
検出するアクセルセンサ45と、車速Vを検出する車速
センサ46と、イグニッションスイッチ47と、ディフ
ァレンシャル装置36から出力された左右の駆動輪へそ
れぞれ伝達される回転数を検出し、その左右駆動輪の回
転数の差を検出するデフセンサ48とを備えている。そ
して、それぞれのセンサ45、46、48で検出された
検出値と、イグニッションスイッチ47のON操作の信
号は車両制御装置41へ供給される。上記アクセルセン
サ45、車速センサ46、デフセンサ48とによって走
行負荷検出手段が構成される。
【0024】◎車両制御装置 車両制御装置41は、ハイブリッド車両の全体を制御す
るもので、アクセルセンサ45からのアクセル開度α
と、車速センサ46からの車速Vに応じたトルクTM*
を決定して、これをモータ制御装置43へ供給する。ま
た、車両制御装置41は、エンジン制御装置42に対し
てエンジンON/OFF信号を供給する。具体的には、
イグニッションキーがON操作されて、イグニッション
センサ47からON信号が入力されると、エンジン11
を駆動状態とするエンジンON信号を供給し、イグニッ
ションキーがOFF操作されて、イグニッションセンサ
47からOFF信号が入力されると、エンジン11を停
止状態とするエンジンOFF信号を供給する。
【0025】また、使用者がモータ駆動モードに設定し
た場合や、後進走行を設定した場合にも、エンジン11
を停止状態とするエンジンOFF信号を供給する。さら
に、車両制御装置41は、オイルポンプ55の吐出量
が、必要な量となるように、オイルポンプ55に接続さ
れるドライブギヤ56の回転数を制御する。具体的に
は、車両制御装置41は、発電機16の回転数を制御す
ることによって、プラネタリギヤユニット13を介し
て、ドライブギヤ56が接続されているキャリヤCRの
回転数を必要な値に制御する。
【0026】さらに、車両制御装置41は、上記各セン
サからの入力信号に基づいて、各駆動系に加わっている
負荷の程度を判断し、該負荷の程度に合わせてオイルポ
ンプ55の吐出量が変化するように、発電機16の目標
回転数NG*を決定し、これを指令信号として発電機制
御装置44に供給する。
【0027】◎エンジン制御装置 エンジン制御装置42は、車両制御装置41から入力さ
れる選択指令信号に基づいて、エンジン11を、エンジ
ントルクを出力している駆動状態と、停止状態とに切換
えるとともに、エンジン回転数センサから入力されたエ
ンジン回転数NEに応じてエンジン11のスロットル開
度θを制御することで、エンジン11の出力を制御する
ようになっている。
【0028】◎モータ制御装置 モータ制御装置43は、供給されたトルクTM* が駆動
モータ25から出力されるように駆動モータ25の電流
(トルク)IMを制御する。
【0029】◎発電機制御装置 発電機制御装置44は、発電機16の回転数NGを制御
し、目標回転数NG* となるように、電流(トルク)I
Gを制御する。
【0030】[駆動系の動作]次に、上記構成のハイブ
リッド車両の駆動系の動作について説明する。図3
(A)は、本発明の第1実施例のプラネタリギヤユニッ
ト13(図1)の概念図、図3(B)は、本発明の第1
実施例におけるプラネタリギヤユニット13の通常走行
時の速度線図である。
【0031】本実施例においては、図3(A)に示され
ているように、プラネタリギヤユニット13のリングギ
ヤRの歯数がサンギヤSの歯数の2倍となっている。従
って、リングギヤRに接続されるユニット出力軸14の
回転数(以下「出力回転数」という。)をNOUTと
し、キャリヤCRに接続される出力軸12の回転数(以
下「エンジン回転数」という。)をNEとし、サンギヤ
Sに接続される伝達軸17の回転数(以下「発電機回転
数」という。)をNGとした時、NOUT、NE、NG
の関係は、図3(B)に示されているように、 NG=3・NE−2・NOUT となる。
【0032】◎通常走行時の動作 図4(A)は、発電機回転数NGを制御(停止)して、
エンジン回転数NEを調整した状態を示すプラネタリギ
ヤユニット13の通常走行時の速度線図である。
【0033】ハイブリッド車両の通常走行時において
は、リングギヤR、キャリヤCRおよびサンギヤSは、
いずれも正方向に回転させられ、図3(B)に示される
ように、出力回転数NOUT、エンジンの回転数NE、
発電機回転数NGは、いずれも正の値を採り、この状態
では、オイルポンプ55へは選択手段を介してエンジン
の回転数NEが伝達される。そして、同じ出力回転数N
OUTに対しても、図4(A)と図3(B)の差に示さ
れているように、発電機回転数NGを制御することによ
って、エンジンの回転数NEを制御することができ、こ
れにより、出力回転数NOUTを一定とした状態で、オ
イルポンプ55へ伝達される回転数を調整することがで
きる。
【0034】走行負荷が大きくなり、オイルポンプ55
の吐出量を上げる必要がある場合には、発電機回転数N
Gを増加させる。また、オイルポンプ55の吐出量を下
げる必要がある場合には、発電機回転数NGを減少させ
る。
【0035】◎モータ駆動モード走行時の動作 図4(B)は、エンジン11とキャリヤCRが直結され
た構成において、エンジン11を停止させた状態を示す
プラネタリギヤユニット13の通常走行時の速度線図で
ある。図5、図6(A)、(B)は、ワンウェイクラッ
チF1を介してエンジン11とキャリヤCRが接続され
た本実施例の構成において、プラネタリギヤユニット1
3の通常走行時の速度線図である。エンジン11を停止
させ駆動モータ25だけを駆動して走行するモータ駆動
走行時においては、上記ワンウェイクラッチF1を有さ
ず、エンジン11とキャリヤCRが直結されている構成
では、図4(B)に示されているように、エンジン11
の回転数は零となるため、オイルポンプは駆動しない。
【0036】選択手段を有する本実施例の場合には、ワ
ンウェイクラッチF1がフリーとなるため、エンジン1
1が停止したままで、キャリヤCRが回転することがで
きる。このため、キャリヤCRの回転数をNPCとする
と、キャリヤ回転数NPCが、キャリヤCRの出力軸1
2に設けられているドライブギヤ56を介して、オイル
ポンプ55へ伝達される。このキャリヤ回転数NPC
は、図5、図6(A)および図6(B)に示されている
ように、発電機回転数NGを制御することによって制御
することができ、これにより、出力回転数NOUTを一
定とした状態で、オイルポンプ55へ伝達される回転数
を調整することができる。
【0037】つまり、負荷の小さい場合には、図5に示
されているように、発電機を制御して回転数NGを図4
よりも減少させることによりキャリヤCRを正転させる
ことができる。この場合、発電機16は回生電力を発電
し、バッテリ19に電力を蓄える。オイルポンプ55は
キャリヤCRの回転によって駆動する。負荷が増加し
て、オイルポンプ55の吐出量を増加させる必要がある
場合には、発電機16の回転数を制御して、図6(A)
に示されているように、発電機回転数NGを零とし、キ
ャリヤ回転数NPCを増加させる。これにより、オイル
ポンプ55に伝達される回転数が増し、オイルポンプ5
5の吐出量が増加する。
【0038】◎車両停車時の動作 図7(A)は、車両が長時間駐車されていた状態で、エ
ンジン11をスタータによって始動させた状態における
プラネタリギヤユニット13の速度線図である。
【0039】また、長時間車両が駐車されていると、ベ
アリングやディファレンシャル装置36に潤滑油が十分
供給されていないため、早期に十分な潤滑油を各部へ供
給する必要がある。つまり、長時間車両が駐車されてい
た場合には、吐出量を上げた状態でオイルポンプ55を
駆動させなければならない。図7(A)は、上記のよう
な場合のプラネタリギヤユニット13の速度線図を示し
たもので、車両が長時間駐車された後、イグニッション
がオンされた場合には、発電機16がモータとして駆動
され、オイルポンプ55が必要な吐出量となるように、
キャリヤ回転数NPCが調整される。この場合、ワンウ
ェイクラッチF1がフリーとなるためエンジン11を停
止したままで、各部に潤滑油を供給することができる。
【0040】◎モータ駆動モードで後進走行時の動作 図7(B)は、モータ駆動モードで後進走行している状
態におけるプラネタリギヤユニット13の速度線図であ
る。後進の場合には、逆転方向の出力回転数NOUTが
リングギヤRに入力される。ここで、図7(B)に示さ
れているように、発電機16を制御して、正転方向の発
電機回転数NGを増加させることにより、キャリヤCR
を正転方向へ回転させ、キャリヤ回転数NPCを増加さ
せることができる。これにより、オイルポンプ55を駆
動させることができ、発電機回転数NGを制御すること
により、オイルポンプ55の吐出量を調整することがで
きる。この場合、ワンウェイクラッチF1がフリーとな
るためエンジン11を停止したままで、各部に潤滑油を
供給することができる。
【0041】[制御系の制御動作]以下、車両制御装置
41によるオイルポンプ55の吐出量の制御動作につい
て説明する。図8は、アクセル開度θと発電機回転数N
Gとの関係を示すマップ、図9は、オイルポンプ55の
吐出量の制御動作を示すフローチャートである。
【0042】◎通常走行時に負荷が加わった時の動作 登坂を走行したり、急加速をすることなどにより負荷が
加わる場合には、アクセル開度θによって負荷の程度を
判断する。車両制御装置41は、アクセルセンサ45に
よってアクセル開度θを検出し(ステップS01)、図
8のマップに基づき発電機回転数NGを決定し、発電機
制御装置44に供給する(ステップS02)。以上の動
作を走行中繰り返す。また、高速走行時には、アクセル
開度θが小さくても、駆動系は高速で駆動しているた
め、通常走行の場合に比べて潤滑油の供給を増やす必要
がある。このため、車速センサ46により車速Vを検出
し、アクセル開度θの場合と同様に、予め設定されいる
マップに基づいて、車速Vに応じた発電機回転数NGを
決定する。あるいは、他の制御動作の例として、車速V
について、一定の閾値を設定し、車速がその閾値に達し
た時に、発電機回転数NGを上昇させるように制御して
もよい。
【0043】同様に、ディファレンシャル装置36から
出力された左右の駆動輪の回転数の差が大きいと、ディ
ファレンシャル装置36に供給される潤滑油の量を増加
させる必要がある。このため、デフセンサ48により左
右の駆動輪の回転数の差γを検出し、アクセル開度θの
場合と同様に、予め設定されいるマップに基づいて、回
転数差γに応じた発電機回転数NGを決定するように制
御する。なお、上記制御動作は、後進走行時においても
同様に行われる。
【0044】◎車両停車時の動作 図10は、車両始動時において、車両制御装置41によ
るオイルポンプ55の吐出量を制御する動作を示すタイ
ムチャートである。車両が長時間駐車された後、車両を
始動させる場合には、駆動系の各部に早期に潤滑油を供
給する必要があるため、次のように制御動作を行う。車
両制御装置41は、イグニッションスイッチ47のON
信号が入力されると、車両始動時に必要なオイルポンプ
55の吐出量となるような発電機回転数NG1 を決定
し、発電機制御装置44に前記決定された発電機回転数
NG1 を供給する。発電機がNG1 で回転すると(図1
0中(a)位置)、プラネタリギヤユニット13を介し
て回転が伝達され、キャリヤCRがNPC1 で回転する
(図10中(b)位置)。このキャリヤCRの回転によ
って、ドライブギヤ56からオイルポンプ55に回転が
伝達される。
【0045】車両制御装置41は、発電機16を回転数
NG1 で所定時間ΔT回転させたのち、発電機16を
元の状態に復帰させる。これに伴い、キャリヤCRの回
転数も零となる。時間ΔTの間オイルポンプ55を駆動
させることによって、走行の開始のために十分な量の潤
滑油が各部に供給される。以上は、第1実施例について
説明したが、図1に示されている実施例においては、ク
ランク軸10と出力軸12との間に、ワンウェイクラッ
チF1が配設されているが、このワンウェイクラッチF
1がなくともよい。尚、この場合エンジンを引きずるた
め、常時行うとエネルギー消費が大きくなるので、間欠
的に行うようにしてもよい。
【0046】[駆動系の構成]次に、図11に基づい
て、本発明の第2実施例のハイブリッド車両について説
明する。第2実施例の駆動系においては、プラネタリギ
ヤユニット13と、発電機16の間にワンウェイクラッ
チF2が配設されており、ワンウェイクラッチF2の1
次側はサンギヤSに接続されている伝達軸17に連結さ
れ、2次側は発電機16のロータ軸18に連結されてい
る。ワンウェイクラッチF2は、ロータ軸18がエンジ
ン11の反力を受ける方向にロックし、逆方向にフリー
となる。従って、本第2実施例における選択手段は、上
記ワンウェイクラッチF2と、その2次側であるロータ
軸18に設けられたドライブギヤ56とを備えている。
そして、発電機16の回転は正転方向に、サンギヤSよ
り速く回転することはあるが、遅く回転することはな
い。
【0047】つまり、ロータ軸18の回転よりもサンギ
ヤSの回転が速い場合には、ワンウェイクラッチF2は
ロックされ、ドライブギヤ56には、サンギヤSの回転
が伝達される。また、サンギヤSの回転よりもロータ軸
18の回転が速い場合には、ワンウェイクラッチF2は
フリーとなり、ドライブギヤ56には、発電機16の回
転が伝達される。他の駆動系の構成については、上記第
1実施例の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0048】本第2実施例の制御系の構成については、
既述の第1実施例と同様であるので省略する。また、発
電機16の回転が、ドライブギヤ56とドリブンギヤ5
7とを介して、直接オイルポンプ55に伝達されるの
で、オイルポンプ55の回転数は、発電機16の回転数
に比例する。
【0049】◎通常走行時の動作 ハイブリッド車両の通常走行時においては、リングギヤ
R、キャリヤCRおよびサンギヤSは、いずれも正方向
に回転させられ、図12(A)に示されるように、出力
回転数NOUT、エンジンの回転数NE、発電機回転数
NGは、いずれも正の値を採り、この状態では、ワンウ
ェイクラッチF2はロックされ、オイルポンプ55へは
選択手段を介して発電機16(サンギヤS)の回転数N
Gが伝達される。そして、同じ出力回転数NOUTに対
しても、図12(B)に示されているように、発電機回
転数NGを制御することによって、出力回転数NOUT
を一定とした状態で、オイルポンプ55へ伝達される回
転数を調整することができる。
【0050】走行負荷が大きくなり、オイルポンプ55
の吐出量を上げる必要がある場合には、図12(A)で
示されているように、発電機回転数NGを増加させる。
また、オイルポンプ55の吐出量を下げる必要がある場
合には、図12(B)に示されているように、発電機回
転数NGを減少させる。
【0051】◎モータ駆動モード走行時の動作 図13(A)は、ワンウェイクラッチF2を介してサン
ギヤSと発電機16とが接続された本第2実施例の構成
において、プラネタリギヤユニット13の通常走行時の
速度線図である。
【0052】エンジン11を停止させ駆動モータ25だ
けを駆動して走行するモータ駆動走行時においては、エ
ンジン11が停止したままで、サンギヤSは逆転回転す
るが、ワンウェイクラッチF2がフリーとなるため、発
電機16はサンギヤSの回転とは無関係に、正転回転さ
せることができる。このため、サンギヤSの回転数をN
PSとすると、図13(A)に示されているように、サ
ンギヤ回転数NPCは逆転回転していても、発電機回転
数NGは、正転方向に制御することが可能となる。そし
て、発電機回転数NGは、ロータ軸18に設けられてい
るドライブギヤ56を介して、オイルポンプ55へ伝達
される。即ち、オイルポンプ55の回転数は、発電機回
転数NGを制御することによって直接調節することがで
きる。
【0053】つまり、負荷の小さい場合には、図13
(A)の実線で示されているように、発電機回転数NG
を小さくしてオイルポンプ55の吐出量が少なくなるよ
うに制御することができる。また、負荷の大きい場合に
は、図13(A)の鎖線で示されているように、発電機
回転数NGを大きくしてオイルポンプ55の吐出量が大
きくなるように制御することができる。
【0054】◎車両停車時の動作 車両が停車し、エンジン11も停止している場合には、
図13(B)に示されているように、サンギヤSも停止
する。車両が長時間駐車されていた状態では、各部に十
分な潤滑油を供給する必要から、オイルポンプ55の吐
出量を増やすために、発電機回転数NGを上げる。この
時、ワンウェイクラッチF2はフリーとなり、図13
(B)に示されているように、発電機16はサンギヤS
よりも速く回転している。
【0055】◎モータ駆動モードで後進走行時の動作 後進の場合には、逆転方向の出力回転数NOUTがリン
グギヤRに入力される。エンジン11は停止されている
ことから、サンギヤSは正転方向に従動する。この時ワ
ンウェイクラッチF2はロックされ、サンギヤSの回転
がロータ軸18に伝達される。図14の実線で示されて
いるように、このロータ軸18の回転(NPS)によっ
てオイルポンプ55が駆動される。
【0056】後進走行時に負荷が加わり、オイルポンプ
55の吐出量を増加させる必要がある場合には、図14
の鎖線で示されているように、発電機16を正転駆動さ
せて発電機回転数NGをサンギヤ回転数NPCより大き
くさせることにより、オイルポンプ55の吐出量が大き
くなるように制御することができる。
【0057】[制御系の構成と制御動作]本第2実施例
の制御系の構成については、第1実施例の構成と同様で
あるため、第1実施例の説明を援用して、その説明を省
略する。また、制御系の制御動作についても第1実施例
の制御動作と同様であるが、第1実施例では発電機回転
数NGは、プラネタリギヤユニット13を介してドライ
ブギヤ56に伝達されるため、発電機回転数NGが直接
ドライブギヤ56の回転数となる第2実施例と比べる
と、発電機回転数NGを発電機16からドライブギヤ5
6へ伝達したときの変速比が異なる。このため、第2実
施例においては、オイルポンプ55の吐出量を調整する
ために、発電機回転数NGを変化させる量は、第1実施
例と比較して異なるものとなる。例えば、通常走行時
で、オイルポンプ55の吐出量を調整する場合には、第
1実施例の構成よりも第2実施例の構成による場合の方
が、発電機回転数NGを少量制御するだけで同量の吐出
量変化を実現できる。
【0058】<第3実施例の説明> [駆動系の構成]次に本発明の第3実施例のハイブリッ
ド車両について説明する。図15は、第3実施例の駆動
系の構成を示す概念図である。本実施例の駆動系は、エ
ンジン(EG)11と、エンジン11のクランク軸10
と、クランク軸10の回転がワンウェイクラッチF3を
介して伝達される出力軸12と、出力軸12に連結され
た発電機(G)66と、一端が発電機66のロータ71
に連結された伝達軸19と、伝達軸19の他端に連結さ
れた駆動モータ(M)25と、伝達軸19に設けられた
カウンタドライブギヤ75とを備えている。
【0059】また、発電機66は、回転自在に配設され
たロータ71と、該ロータ71の周囲において回転自在
に配設されたステータ72と、該ステータに巻装された
コイル73とを備えている。この発電機66は、出力軸
12を介して伝達される回転によって電力を発生させ
る。なお、前記コイル73は、図示しないバッテリに接
続され、該バッテリに電力が供給され充電される。
【0060】駆動モータ25の構成については、上記第
1実施例の構成と同様であるので、、第1実施例の説明
を援用し、説明を省略する。なお、ハイブリッド車両の
減速時においては、駆動モータ25は図示しない駆動輪
から回転を受けて回生電力を発生させ、この回生電力を
図示しないバッテリに供給して充電する。さらに、本実
施例の駆動系には、エンジン11の回転と同じ方向に回
転させるためにカウンタシャフト31が配設され、該カ
ウンタシャフト31には、カウンタドリブンギヤ32が
固定されいてる。また、カウンタシャフト31には、カ
ウンタドリブンギヤ32より歯数の少ないデフピニオン
ギヤ33が固定される。
【0061】該デフピニオンギヤ33にはデフリングギ
ヤ35が噛合し、該デフリングギヤ35は、ディファレ
ンシャル装置36に固定されている。そして、デフリン
グギヤ35に伝達された回転が前記ディファレンシャル
装置36によって差動させられ、駆動輪に伝達される。
【0062】本第3実施例における選択手段は、ワンウ
ェイクラッチF3と、出力軸12に設けられた駆動歯車
56とを備えている。ワンウェイクラッチF3は、既述
のように、クランク軸10と出力軸12との間に配設さ
れ、1次側がクランク軸10に、2次側が出力軸12に
接続されている。つまり、ワンウェイクラッチF3の1
次側がエンジン11に、2次側が発電機66に連結され
ている。そして、該ワンウェイクラッチF3は、ステー
タ72がエンジン11の反力を受ける方向に回転しよう
とするときにロックし、逆方向に回転しようとするとき
にフリーとなるように設けられている。従って、ワンウ
ェイクラッチF3の2次側の部材、即ち、ステータ72
(出力軸12)は、1次側の部材に連結されたエンジン
11(クランク軸10)より正転方向に速く回転するこ
とはあるが、遅く回転することはない。そして、出力軸
12には、駆動歯車56が設けられている。従って、ス
テータ72の回転よりもエンジン11の回転が速い場合
には、ワンウェイクラッチF3はロックされ、駆動歯車
56には、エンジン11の回転が伝達される。また、エ
ンジン11の回転よりもステータ72の回転が速い場合
には、ワンウェイクラッチF3はフリーとなり、駆動歯
車56には、ステータ72の回転が伝達される。
【0063】上記駆動歯車56に噛合された従動歯車5
7にオイルポンプ55の入力軸が連結されており、オイ
ルポンプ55は、従動歯車57を介して駆動歯車56か
ら回転力を得て駆動する構成となっている。即ち、オイ
ルポンプ55には、上記構成の選択手段を介して、エン
ジン11の回転とステータ72の回転の内、速い方の回
転が選択されて伝えられ、該伝えられた回転によってオ
イルポンプ55が駆動させられる。
【0064】発電機66において、ステータ72に対す
るロータ73の相対回転数を発電機の回転数とすると、
伝達軸19に伝達される回転数は、出力軸12の回転数
に発電機66の回転数を引いたものとなる。
【0065】[駆動系の動作]以上の構成における本第
3実施例の駆動系の動作について説明する。 ◎通常走行時の動作 エンジン11が回転していると、通常走行状態において
は、ワンウェイクラッチF3はロックする。高負荷が加
わった場合には、負荷に応じて発電機回転数を上げて駆
動歯車56の回転を増速し、オイルポンプ55の吐出量
を増加させることができる。
【0066】◎モータ駆動モード走行時の動作 エンジン11を停止させ駆動モータ25だけを駆動して
走行するモータ駆動走行時においては、発電機回転数を
制御することによって、駆動歯車56を介してオイルポ
ンプ55の吐出量を調整することができる。この時、ワ
ンウェイクラッチF3はフリーとなるので、エンジン1
1は停止状態を維持することができる。エンジン11が
回転している場合と同様に、負荷に応じて発電機回転数
を制御することによって、駆動歯車56を介してオイル
ポンプ55の吐出量を調整することができる。なお、駆
動歯車56に伝達される回転数は、駆動モータ25の回
転数に発電機66の回転数を加えた値となり、駆動歯車
56へ伝達すべき回転数が、駆動モータ25の回転数よ
り大きい場合には、発電機66はモータとして駆動さ
せ、小さい場合には発電機66として駆動させる。
【0067】◎車両停車時の動作 発電機66をモータとして駆動させ、その回転数を制御
することによって、オイルポンプ55の吐出量を調整す
ることができる。この場合、発電機66の回転数が直接
駆動歯車56の回転数となる。
【0068】◎モータ駆動モードで後進走行時の動作 発電機66をモータとして駆動させ、その回転数を制御
することによって、オイルポンプ55の吐出量を調整す
ることができる。この場合、駆動モータ25は逆方向へ
回転しているので、発電機66の回転方向も逆向きと
し、その回転数は駆動モータ25の回転数以上の正転と
なるように制御される。
【0069】[制御系の構成と制御動作]本第3実施例
の制御系の構成については、第1実施例の制御系の構成
と同様であるので、該第1実施例の説明を援用して、本
第3実施例の説明を省略する。制御動作についても、同
様であるが、上記第2実施例の場合と同様に、オイルポ
ンプ55の吐出量を調整するために、発電機回転数を変
化させる量は、第1実施例と比較して異なるものとな
る。
【0070】<第4実施例の説明> [駆動系の構成]次に本発明の第4実施例のハイブリッ
ド車両について説明する。図16は、第4実施例の駆動
系の構成を示す概念図である。本第4実施例の選択手段
は、プラネタリギヤユニット13と発電機16との間に
設けられている。第4実施例の選択手段は、リングギヤ
Rに連結された回転軸であるスリーブ52から伝達され
た回転および伝達軸17から伝達された回転の内、いず
れか速い方の回転を選択してオイルポンプ55へ伝達す
る。この選択手段以外の構成は、上記第2実施例の構成
と同様であるので、第2実施例の説明を援用し、説明を
省略する。
【0071】◎選択手段の説明 第4実施例の選択手段は、ワンウェイクラッチF4を介
して伝達軸17に支持されている第1駆動歯車53と、
伝達軸17を包囲するスリーブ52にワンウェイクラッ
チF5を介して支持されている第2駆動歯車56と、と
もにオイルポンプ55の入力軸58に固定されている第
1従動歯車54と第2従動歯車57とを備えている。そ
して、第1駆動歯車53は第1従動歯車54と、第2駆
動歯車56は第2従動歯車57とそれぞれ噛合してい
る。
【0072】そして、ワンウェイクラッチF4は、第1
駆動歯車53の回転数が、伝達軸17の回転数以下の場
合にロックし、第1駆動歯車53の回転数が、伝達軸1
7の回転数より高い場合にフリーとなる。ワンウェイク
ラッチF5は、第2駆動歯車56の回転数が、スリーブ
52の回転数以下の場合にロックし、第2駆動歯車56
の回転数が、スリーブ52の回転数より高い場合にフリ
ーとなる。そして、ワンウェイクラッチF4がロックさ
れている場合には、伝達軸17の回転が、第1駆動歯車
53から第1従動歯車54を介してオイルポンプ55へ
伝達される。ワンウェイクラッチF5がロックされてい
る場合には、スリーブ52の回転が、第2駆動歯車56
から第2従動歯車57を介してオイルポンプ55へ伝達
される。
【0073】従って、第1駆動歯車53および第2駆動
歯車56の内、回転数の高い方の回転が入力軸58に伝
達され、オイルポンプ55が駆動される。即ち、伝達軸
17に接続されている発電機16の回転数(NG)と、
スリーブ52に接続されているリングギヤRの回転数
(出力回転数NOUT)の内、回転数が高い方の回転が
選択されてオイルポンプ55へ伝達され、オイルポンプ
55が駆動される。
【0074】[駆動系の動作]以上の構成における本第
4実施例の駆動系の動作について説明する。 ◎通常走行時の動作 通常走行時においては、図3(B)や図4(A)に示さ
れているように、発電機回転数NG(伝達軸17の回転
数)より、スリーブ52の回転数である出力回転数NO
UTの方が高いため、ワンウェイクラッチF5がロック
され、ワンウェイクラッチF4はフリーとなり、オイル
ポンプ55にはスリーブ52の回転が伝達される。従っ
て、オイルポンプ55の吐出量は、車速が増加するに従
って増加する。また、さらに走行負荷が加わった場合に
は、発電機回転数NGを上げることにより、車速を変更
することなくオイルポンプ55の吐出量を増加させるこ
とができる。
【0075】◎モータ駆動モード走行時の動作 エンジン11を停止させ駆動モータ25だけを駆動して
走行するモータ駆動走行時においても、駆動モータ25
の回転が、カウンタドリブンギヤ32と第1カウンタド
ライブギヤ15を介してスリーブ52に伝達されるの
で、ワンウェイクラッチF5がロックされ、ワンウェイ
クラッチF4はフリーとなって、スリーブ52の回転が
オイルポンプ55に伝達される。この場合にもオイルポ
ンプ55の吐出量は、車速が増加するに従って増加す
る。
【0076】◎車両停車時の動作 図17の速度線図に示されているように、車両停車中に
エンジン11をアイドリングさせているいる場合には、
スリーブ52は停止し、発電機16が回転しているの
で、ワンウェイクラッチF4がロックし、発電機16の
回転がオイルポンプ55に伝達される。また、エンジン
11を始動していない場合にも、発電機を回転させてオ
イルポンプ55を駆動させることができる。この場合に
は、上述の第1ないし第3実施例とは異なり、エンジン
11も同時に回される。
【0077】エンジン11の始動は、発電機16をモー
タとして駆動させることにより行うことができ、この際
ワンウェイクラッチF4がロックして、発電機16の回
転がオイルポンプ55に伝達される。
【0078】◎モータ駆動モードで後進走行時の動作 後進の場合には、逆転方向の出力回転数NOUTがリン
グギヤRに入力され、エンジン11は非駆動状態となっ
ている。この時、リングギヤRに接続されているスリー
ブ52は逆転しているので、ワンウェイクラッチF5は
フリーとなる。この場合には、発電機16をモータとし
て駆動させ、その回転数NGを制御することによって、
オイルポンプ55の吐出量を調整することができる。
【0079】[制御系の構成と動作]この第4実施例の
駆動系の構成においては、発電機16の回転数制御によ
るオイルポンプ55の吐出量の調整は、通常走行時と後
進走行時において行われる。この場合の制御系の構成と
動作は、第1実施例と同様であるので、説明を省略す
る。
【0080】<第5実施例の説明> [駆動系の構成]次に本発明の第5実施例のハイブリッ
ド車両について説明する。図18は、第5実施例の駆動
系の構成を示す概念図である。本第5実施例の選択手段
は、エンジン11と、プラネタリギヤユニット13との
間に設けられている。第5実施例の選択手段は、ユニッ
ト出力軸14から伝達された回転および出力軸12から
伝達された回転の内、いずれか速い方の回転を選択して
オイルポンプ55へ伝達する。この選択手段以外の構成
は、上記第1実施例の構成と同様であるので、第1実施
例の説明を援用し、説明を省略する。
【0081】◎選択手段の説明 第5実施例の選択手段は、ユニット出力軸14に固定さ
れた第1駆動歯車53と、出力軸12に固定された第2
駆動歯車56と、オイルポンプ55の入力軸58にワン
ウェイクラッチF6を介して支持された第1従動歯車5
4と、同じく入力軸58にワンウェイクラッチF7を介
して支持された第2従動歯車57とを備えている。そし
て、第1駆動歯車53は第1従動歯車54と、第2駆動
歯車56は第2従動歯車57とそれぞれ噛合している。
【0082】そして、ワンウェイクラッチF6は、第1
従動歯車54の回転数が、オイルポンプ55の入力軸5
8の回転数より高い場合にロックし、第1従動歯車54
の回転数が、オイルポンプ55の入力軸58の回転数以
下である場合にフリーとなる。ワンウェイクラッチF7
は、第2従動歯車57の回転数が、オイルポンプ55の
入力軸58の回転数より高い場合にロックし、第2従動
歯車57の回転数が、オイルポンプ55の入力軸58の
回転数以下である場合にフリーとなる。
【0083】従って、第1従動歯車54および第2従動
歯車57の内、回転数の高い方の回転が入力軸58に伝
達され、オイルポンプ55が駆動される。即ち、ユニッ
ト出力軸14および出力軸12の内、回転数が高い方の
回転が選択されてオイルポンプ55へ伝達され、オイル
ポンプ55が駆動される。
【0084】[駆動系の動作]以上の構成における本第
5実施例の駆動系の動作について説明する。 ◎通常走行時の動作 通常走行時においては、図3(B)や図4(A)に示さ
れているように、エンジン回転数NE(出力軸12の回
転数)より、ユニット出力軸12の回転数である出力回
転数NOUTの方が高いため、ワンウェイクラッチF6
がロックされ、ワンウェイクラッチF7はフリーとな
り、オイルポンプ55にはユニット出力軸12の回転が
伝達される。従って、オイルポンプ55の吐出量は、車
速が増加するに従って増加する。さらに高いオイルポン
プ吐出量が必要な場合には、発電機回転数NGをさらに
上げて、エンジン回転数NEを出力回転数NOUTより
も上げて、オイルポンプ吐出量を増量することができ
る。
【0085】◎モータ駆動モード走行時の動作 エンジン11を停止させ駆動モータ25だけを駆動して
走行するモータ駆動走行時においても、駆動モータ25
の回転が、カウンタドリブンギヤ32と第1カウンタド
ライブギヤ15を介してユニット出力軸12に伝達され
るので、ワンウェイクラッチF6がロックされ、ワンウ
ェイクラッチF7はフリーとなって、ユニット出力軸1
2の回転がオイルポンプ55に伝達される。この場合に
もオイルポンプ55の吐出量は、車速が増加するに従っ
て増加する。
【0086】◎車両停車時の動作 車両停車中にエンジン11をアイドリングさせているい
る場合には、出力軸12が回転しているので、ワンウェ
イクラッチF7がロックし、出力軸12の回転がオイル
ポンプ55に伝達される。エンジン11が始動されてい
なくても、発電機16をモータとして駆動させることに
より図17のように、エンジン11と出力軸12を強制
的に回転させることができる。この際ワンウェイクラッ
チF7がロックして、出力軸12の回転がオイルポンプ
55に伝達される。
【0087】◎モータ駆動モードで後進走行時の動作 後進の場合には、逆転方向の出力回転数NOUTがリン
グギヤRに入力され、エンジン11は非駆動状態となっ
ている。この時、ユニット出力軸14は逆転しているの
で、ワンウェイクラッチF6はフリーとなる。この場合
には、発電機16をモータとして駆動させて、図7
(B)のように、キャリヤCRに連結された出力軸12
を回転させ、オイルポンプ55を駆動させることができ
る。このオイルポンプ55の吐出量は、発電機16の回
転数を制御することによって調整される。
【0088】[制御系の構成と動作]この第5実施例の
駆動系の構成においては、発電機16の回転数制御によ
るオイルポンプ55の吐出量の調整は、後進走行時にお
いて行われる。この場合の制御系の構成と動作は、第1
実施例と同様であるので、説明を省略する。なお、本発
明のハイブリッド車両は、以上説明した実施例の構成に
限定されるものではない。
【0089】以上説明した本発明の各実施形態について
その構成を示すと、以下の通りとなる。 (1) 内燃エンジンと、指令信号に基づき回転数が制
御される発電機と、電流が供給されて駆動される電気モ
ータと、少なくとも3個の歯車要素を有し、前記発電機
と連結された第1の歯車要素と、出力軸が連結された第
2の歯車要素と、前記内燃エンジンと連結された第3の
歯車要素とを有する差動歯車装置と、前記内燃エンジン
の出力軸と、前記発電機に接続された伝達軸と、前記第
1の歯車要素と、前記第2の歯車要素と、前記第3の歯
車要素との内、少なくとも2つが連結され、その内の最
も速い回転を選択して出力する選択手段と、該選択手段
から出力された回転によって駆動するオイルポンプと、
前記発電機の回転数を制御することによって、前記オイ
ルポンプの吐出量を制御する制御手段とを有することを
特徴とするハイブリッド車両。
【0090】(2) 前記選択手段は、前記内燃エンジ
ンの出力軸が連結された1次側の部材と、前記第3の歯
車要素が連結された2次側の部材と、前記2次側の部材
に接続され、前記オイルポンプに回転を伝える駆動歯車
とを有し、前記2次側の部材が前記内燃エンジンの反力
を受ける方向に回転しようとするときにロックし、逆の
方向に回転しようとするときにフリーとなるワンウェイ
クラッチである上記(1)に記載のハイブリッド車両。
【0091】(3) 前記選択手段は、前記第1の歯車
要素が連結された1次側の部材と、前記伝達軸が連結さ
れた2次側の部材と、前記2次側の部材に接続され、前
記オイルポンプに回転を伝える駆動歯車とを有し、前記
2次側の部材が内燃エンジンの反力を受ける方向に回転
しようとするときにロックし、逆の方向に回転しようと
するときにフリーとなるワンウェイクラッチである上記
(1)に記載のハイブリッド車両。
【0092】(4) 前記選択手段は、前記第2の歯車
要素の回転軸に連結された第1の駆動歯車と、前記オイ
ルポンプの入力軸に接続され、前記第1の駆動歯車に噛
合する第1の従動歯車と、前記伝達軸に連結された第2
の駆動歯車と、前記オイルポンプの入力軸に接続され、
前記第2の駆動歯車に噛合する第2の従動歯車とを有
し、前記駆動歯車と前記従動歯車のうち一方は、ワンウ
ェイクラッチを介して前記回転軸、入力軸または伝達軸
に接続されており、該ワンウェイクラッチは、前記入力
軸の回転数よりも前記第2の歯車要素の回転数または前
記伝達軸の回転数が高い時にロックするものである上記
(1)に記載のハイブリッド車両。
【0093】(5) 前記選択手段は、前記第2の歯車
要素の回転軸に接続された第1の駆動歯車と、前記オイ
ルポンプの入力軸に接続され、前記第1の駆動歯車に噛
合する第1の従動歯車と、前記内燃エンジンの出力軸に
接続された第2の駆動歯車と、前記オイルポンプの入力
軸に接続され、前記第2の駆動歯車に噛合する第2の従
動歯車とを有し、前記駆動歯車と前記従動歯車のうち一
方は、ワンウェイクラッチを介して前記回転軸、入力軸
または伝達軸に接続されており、該ワンウェイクラッチ
は、前記入力軸の回転数よりも前記第2の歯車要素の回
転数または前記内燃エンジンの出力軸の回転数が高い時
にロックするものである上記(1)に記載のハイブリッ
ド車両。
【0094】(6) 内燃エンジンと、いずれも回転自
在に配設されたステータおよびロータとを備え、前記エ
ンジンからの回転がステータに入力される回転数制御可
能な発電機と、該発電機のロータと連結され、電力が供
給されて駆動する電気モータと、前記エンジンと発電機
との間に配設され、前記発電機のステータがエンジンの
反力を受ける方向に回転しようとする時にロックし、逆
の方向へ回転しようとする時にフリーとなるワンウェイ
クラッチと、前記ワンウェイクラッチの2次側に接続さ
れた駆動歯車と、前記駆動歯車から伝達される回転によ
って駆動するオイルポンプと、前記発電機の回転数を制
御することによって、前記オイルポンプの吐出量を制御
する制御手段とを有することを特徴とするハイブリッド
車両。
【0095】(7) 内燃エンジンと、指令信号に基づ
き回転数が制御される発電機と、電流が供給されて駆動
される電気モータと、少なくとも3個の歯車要素を有
し、前記発電機と連結された第1の歯車要素と、出力軸
が連結された第2の歯車要素と、前記内燃エンジンと連
結された第3の歯車要素とを有する差動歯車装置と、前
記内燃エンジンと、発電機との内1つと前記差動歯車装
置との間に配設され、2次側の部材が内燃エンジンの反
力を受ける方向に回転しようとするときにロックし、逆
の方向に回転しようとするときにフリーになるワンウェ
イクラッチと、前記ワンウェイクラッチの2次側の部材
の回転によって駆動するオイルポンプと、前記発電機の
回転数を制御することによって、前記オイルポンプの吐
出量を制御する制御手段とを有することを特徴とするハ
イブリッド車両。
【0096】(8) 内燃エンジンと、指令信号に基づ
き回転数が制御される発電機と、電流が供給されて駆動
される電気モータと、少なくとも3個の歯車要素を有
し、前記発電機と連結された第1の歯車要素と、出力軸
が連結された第2の歯車要素と、前記内燃エンジンと連
結された第3の歯車要素とを有する差動歯車装置と、走
行負荷を検出する走行負荷検出手段と、前記走行負荷検
出手段で検出された検出値に基づき前記指令信号を供給
する制御手段と、前記第2の歯車要素の回転数に対し
て、前記第1の歯車要素または前記第3の歯車要素の回
転数を比較して、回転数の高い方の歯車要素の回転を出
力する選択手段と、該選択手段から出力された回転によ
って駆動するオイルポンプとを有し、前記制御手段は、
走行負荷に応じて発電機の回転数を制御することによっ
て、前記オイルポンプの吐出量を制御することを特徴と
するハイブリッド車両。
【0097】そして、以上のような構成に基づいて、以
下の作用が発揮される。エンジンの出力は、差動歯車装
置を介して、一部が発電機へ、残りが出力軸へ伝達され
る。出力軸へ伝達された出力には電気モータの出力が加
えられて、駆動輪へ動力が伝達される。
【0098】選択手段には、内燃エンジンの出力軸と、
発電機に接続された伝達軸と、第1の歯車要素と、第2
の歯車要素と、第3の歯車要素との内、少なくとも2つ
が連結され、その内の最も速い回転が選択されてオイル
ポンプへ伝達される。前記3つの歯車要素で差動歯車装
置が構成され、上記各軸は、該差動歯車装置に接続され
ているため、前記各歯車要素と各軸の回転数は、発電機
の回転数を制御することによって、調整することが可能
となる。
【0099】そして、制御手段は、オイルポンプの吐出
量が変化するように、発電機の回転数を制御する。例え
ば、走行負荷が大きくなった場合には、発電機の回転数
を上げて、オイルポンプの吐出量を増加させ、負荷が小
さくなった場合には、発電機の回転数を下げてオイルポ
ンプの吐出量を減少させる。上記のように、オイルポン
プの吐出量を適宜調整することができるので、必要に応
じて各部に潤滑油を十分に供給することができ、また潤
滑油の供給量が過剰になることもない。従って、オイル
ポンプの基本吐出量を小さくすることができる。
【0100】選択手段に、出力軸と第3の歯車要素との
間に設けられたワンウェイクラッチを用いると、出力軸
の回転数が第3の歯車要素の回転数より高い場合には、
ワンウェイクラッチはロックされ、出力軸の回転が2次
側の第3の歯車要素を介してオイルポンプへ伝達され
る。第3の歯車要素の回転数が出力軸の回転数より高い
場合には、ワンウェイクラッチはフリーとなり、第3の
歯車要素の回転がオイルポンプへ伝達される。
【0101】選択手段に、第1の歯車要素と伝達軸との
間に設けられたワンウェイクラッチを用いると、第1の
歯車要素の回転数が伝達軸の回転数より高い場合には、
ワンウェイクラッチはロックされ、第1の歯車要素の回
転が2次側の伝達軸を介してオイルポンプへ伝達され
る。伝達軸の回転数が第1の歯車要素の回転数より高い
場合には、ワンウェイクラッチはフリーとなり、伝達軸
の回転がオイルポンプへ伝達される。ここで駆動歯車
は、2次側の伝達軸に設けられているため、直接発電機
の回転がオイルポンプに伝達されるため、発電機回転数
の制御によるオイルポンプの吐出量の調整が容易とな
る。
【0102】選択手段が、第2の歯車要素に連結された
第1の駆動歯車と、伝達軸に連結された第2の駆動歯車
と、オイルポンプの入力軸にそれぞれ接続され、第1の
駆動歯車に噛合する第1の従動歯車と、第2の駆動歯車
に噛合する第2の従動歯車とを有し、駆動歯車と従動歯
車のうち一方を、ワンウェイクラッチを介して前記各軸
に支持した構成である場合、第2の歯車要素および伝達
軸のうち回転数の高い方の回転がオイルポンプに伝達さ
れる。
【0103】選択手段が、第2の歯車要素に接続された
第1の駆動歯車と、内燃エンジンの出力軸に接続された
第2の駆動歯車と、オイルポンプの入力軸にそれぞれ接
続され、第1の駆動歯車に噛合する第1の従動歯車と、
第2の駆動歯車に噛合する第2の従動歯車とを有し、駆
動歯車と従動歯車のうち一方を、ワンウェイクラッチを
介して前記各軸に支持した構成である場合には、第3の
歯車要素と内燃エンジンの出力軸のうち回転数の高い方
の回転がオイルポンプに伝達される。
【0104】さらに、ロータとステータが共に回転可能
に支持された発電機を、内燃エンジンと電気モータとの
間に設け、発電機と内燃エンジンの間にワンウェイクラ
ッチを設けた構成では、オイルポンプがワンウェイクラ
ッチの発電機側に接続されているので、発電機の回転が
直接オイルポンプに入力されるので、発電機の回転数制
御によるオイルポンプの吐出量の調整が容易となる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のハイブリ
ッド車両によれば、発電機回転数の制御によって、必要
に応じてオイルポンプの吐出量を制御することができる
ので、駆動系の各部に必要な量の潤滑油を適宜供給する
ことができ、十分な潤滑と冷却を確保することができ
る。
【0106】また、オイルポンプの基本吐出量を小さく
できるので、通常走行時の燃費を向上させることがで
き、ポンプの大きさも大きくする必要がなく給油系も複
雑とならないので、車両全体の軽量化と小型化を図るこ
とができる。
【0107】さらに、エンジンが停止している状態にお
いても、発電機を回転させることにより、潤滑油の供給
が可能となり、例えば急速始動運転などをおこなって
も、潤滑油不足による駆動系の劣化を防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるハイブリッド車両の
駆動系の構成例を示す概念図である。
【図2】本発明の第1実施例であるハイブリッド車両の
制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】(A)本発明の第1実施例におけるプラネタリ
ギヤユニットの概念図である。 (B)本発明の第1実施例における通常走行時の速度線
図である。
【図4】(A)本発明の第1実施例における通常走行時
の速度線図である。 (B)従来の駆動系において、モータ駆動モード走行時
の速度線図である。
【図5】本発明の第1実施例において、モータ駆動モー
ド走行時の速度線図である。
【図6】(A)本発明の第1実施例において、モータ駆
動モード走行時の速度線図である。 (B)本発明の第1実施例において、モータ駆動モード
走行時の速度線図である。
【図7】(A)本発明の第1実施例において、エンジン
始動時の速度線図である。 (B)本発明の第1実施例において、後進走行時の速度
線図である。
【図8】アクセル開度と発電機回転数との関係を示すマ
ップである。
【図9】制御系の制御動作を示すフローチャートであ
る。
【図10】制御系の制御動作を示すタイムチャートであ
る。
【図11】本発明の第2実施例の駆動系の構成例を示す
概念図である。
【図12】(A)本発明の第2実施例における通常走行
時の速度線図である。 (B)本発明の第2実施例における通常走行時の速度線
図である。
【図13】(A)本発明の第2実施例において、モータ
駆動モード走行時の速度線図である。 (B)本発明の第2実施例において、エンジン始動時の
速度線図である。
【図14】本発明の第2実施例において、後進走行時の
速度線図である。
【図15】本発明の第3実施例の駆動系の構成例を示す
概念図である。
【図16】本発明の第4実施例の駆動系の構成例を示す
概念図である。
【図17】本発明の第4実施例において、エンジンをア
イドリング状態とした場合の、速度線図である。
【図18】本発明の第5実施例の駆動系の構成例を示す
概念図である。
【符号の説明】
11 エンジン 12 出力軸 13 プラネタリギヤユニット(差動歯車装
置) 14 ユニット出力軸(回転軸) 15 第1カウンタドライブギヤ 16 発電機 17 伝達軸 18 ロータ軸 19 伝達軸 21 ロータ 22 ステータ 23 コイル 25 駆動モータ 26 モータ出力軸 27 第2カウンタドライブギヤ 31 カウンタシャフト 32 カウンタドリブンギヤ 33 デフピニオンギヤ 35 デフリングギヤ 36 デファレンシャル装置 37 ロータ 38 ステータ 39 コイル 41 車両制御装置 42 エンジン制御装置 43 モータ制御装置 44 発電機制御装置 45 アクセルセンサ 46 車速センサ 47 イグニッションスイッチ 48 デフセンサ 52 スリーブ(回転軸) 53 第1駆動歯車 54 第1従動歯車 55 オイルポンプ 56 駆動歯車(第2駆動歯車) 57 従動歯車(第2従動歯車) 58 入力軸 66 発電機 71 ロータ 72 ステータ 73 コイル 75 カウンタドライブギヤ R リングギヤ(第2の歯車要素) CR キャリヤ(第3の歯車要素) S サンギヤ(第1の歯車要素) F1〜F7 ワンウェイクラッチ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと、 モータとして駆動可能な発電機と、 駆動輪を駆動する出力軸と一体的に回転する電気モータ
    と、 少なくとも3個の歯車要素を有し、前記発電機と連結さ
    れた第1の歯車要素と、前記電気モータの出力軸に連結
    された第2の歯車要素と、前記エンジンと連結された第
    3の歯車要素とを有する差動歯車装置と、 前記第1または第3の歯車要素の一方及び前記第2の歯
    車要素の各々とにワンウェイクラッチを介して連結され
    るオイルポンプと、 車両へ要求されている負荷を検出する走行負荷検出手段
    と、 前記走行負荷検出手段の検出信号に基づき、前記発電機
    をモータとして駆動して前記オイルポンプを作動させる
    発電機制御手段と、 前記エンジンの停止と前記電気モータの前進または後進
    駆動を検出する発進検出手段とを有し、 前記発電機制御手段は、前記発進検出手段が前記エンジ
    ンの停止と前記電気モータの前進又は後進駆動を検出し
    た場合、前記発電機をモータとして駆動して前記オイル
    ポンプを作動させることを特徴とするハイブリッド車
    両。
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