JP5521723B2 - ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置に関し、特に、走行用動力源としてのエンジンおよびモータと、エンジンを始動させるスタータモータとを備えるハイブリッド車両のエンジン始動制御装置に関する。
従来、走行用動力を出力する内燃機関であるエンジンと、バッテリ等の電源装置から供給される電力によって駆動されて走行用動力を出力する走行用モータと、エンジンを始動させる際にクランクシャフトを回転駆動してクランキングを行うための始動用モータとを備えたハイブリッド車両が知られている。
このようなハイブリッド車両では、エンジンを停止して走行用モータによる動力だけで走行するモータ走行モードと、エンジンを始動してエンジン動力のみで走行するエンジン走行モードとを、例えば車速や車両要求トルク等の車両運転状態に応じて切り替えて用いることで、燃費向上を図っている。
上記モータ走行モードから上記エンジン走行モードへ切り替えられるとき、始動用モータを駆動してエンジンをクランキングし、エンジンでの燃料供給や点火等の制御を伴ってエンジンを運転状態とすることにより、エンジンから走行用動力を出力させることができる。
上記のようなハイブリッド車両のエンジン始動制御に関連する先行技術文献として、特開2007−321651号公報(特許文献1)には、エンジン始動時にバッテリ温度が所定の判定値未満である場合、試行用クランキングトルクでスタータモータを実際に駆動して、エンジンのクランクシャフトが回転するか否かを判定し、クランクシャフトが回転していないときには、バッテリ電圧下降割合を考慮して、試行用クランキングトルクを徐々に大きくすることにより、エンジンの状態に見合った適切なクランキングトルクでスタータモータを駆動することが可能になるとともに、バッテリの温度が低い状況であってもバッテリ電圧が電圧下限値を下回ることを確実に防止することができる、ことが記載されている。
特開2007−321651号公報
上記のように車両走行中にエンジンが間欠的に運転および停止されるように制御されるハイブリッド車両において、モータ走行モードからエンジン走行モードに切り替えられるときにエンジンをクランキングして始動させる際、始動用モータにより通常のクランキングトルクを出力させてもクランクシャフトがほぼ回転できない状態(以下、この状態をクランキングロックという)になり易いクランクシャフトの回転位置(以下、これをロック回転位置という)があることを本願発明者は見出すに至った。
クランクシャフトが上記ロック回転位置にあるときに始動用モータを通常のクランキングトルクで駆動してもクランクシャフトに連結される始動モータのロータが回転できないことから、始動用モータに大電流がながれる可能性がある。その場合、始動用モータに電気接続されるインバータのスイッチング素子(以下、インバータ素子ともいう)に閾値を超える電流が比較的長時間流れることにより、大きな発熱が生じて上記スイッチング素子が劣化または破損することにつながる。
そこで、本発明は、記のような本願発明者の知見に基づいてなされたもので、クランクシャフトの回転位置が上記ロック回転位置にある場合でも、インバータ素子の劣化および破損を抑制しながらエンジン始動を確実に行うことができるようにしたハイブリッド車両のエンジン始動制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係るハイブリッド車両のエンジン始動制御装置は、走行用動力を出力可能なエンジンと、走行用動力を出力可能な走行用モータと、前記エンジンをクランキングして始動する始動用モータと、前記エンジンおよび前記始動用モータを制御して前記エンジンを間欠運転させる制御部とを備えたハイブリッド車両のエンジン始動制御装置であって、前記制御部は、前記エンジンの始動要求の有無を判定する第1判定部と、前記第1判定部によりエンジン始動要求があると判定されたときに、前記エンジンのクランクシャフトについてクランキングロックが発生しやすいロック回転位置にあるか否かを判定する第2判定部と、前記第2判定部により前記クランクシャフトが前記ロック回転位置にあると判定されたときに、クランキングトルクを、まず前記エンジン内のピストンがシリンダとの間の静止摩擦力に打ち勝つ程度のトルクTc1に設定し、次いでTc1からTc2まで一旦低下させた後、前記クランクシャフトが前記ロック回転位置を過ぎるまでは前記クランクシャフトに連結されたピストンとシリンダの内壁面との間から燃料および空気の混合ガスが漏れ出るように前記始動用モータのクランキングトルクをTc2からTc3(ここでTc2<Tc3<Tc1)まで漸増させて前記ピストンを前記シリンダ内で比較的ゆっくりと上死点に向かって移動させ、前記ロック回転位置を過ぎたら前記クランキングトルクを通常トルクまで急増させるクランキングトルク設定部と、を含む。

本発明に係るハイブリッド車両のエンジン始動制御装置において、前記制御部は、前記始動用モータに接続されるインバータ素子の昇温特性を取得する手段をさらに有し、前記クランキングトルク設定部は、前記第2判定部により前記クランクシャフトが前記ロック回転位置にないと判定されるとき、前記スイッチング素子の昇温特性に応じてクランキングトルク上限値およびクランキング時間を設定してもよい。
本発明に係るハイブリッド車両のエンジン始動制御装置によれば、クランクシャフトがロック回転位置にあるときに、クランクシャフトがロック回転位置を過ぎるまでは始動用モータのクランキングトルクを漸増させる。これにより、クランクシャフトがロック回転位置にあるときに始動用モータに通常トルクを出力させようとしたときに始動用モータに電気接続されたインバータ素子に大電流が流れるのを防止することができ、インバータ素子の劣化および破損を抑制することができる。また、上記のようなクランキングトルクの漸増により少しずつ回転するクランクシャフトがロック回転位置を過ぎたらクランキングトルクを通常トルクまで急増させる制御を実行する。これにより、エンジン始動を確実に行うことができる。
本発明の一実施形態であるエンジン始動装置を備えたハイブリッド車両の概略構成図である。 エンジンの概略構成を示す図である。 ECUにおいて実行されるクランキングトルク制御ルーチンを示すフローチャートである。 クランキング時のクランクシャフトの回転位置を説明するための図である。 クランクシャフトがロック回転位置にあるときのクランキングトルクの設定例を概略的に示すグラフである。 インバータのスイッチング素子の昇温特性を概略的に示すグラフである。 インバータのスイッチング素子の昇温特性に応じたクラッキングトルクの設定例を概略的に示すグラフである。
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。
図1は、本発明の一実施形態であるハイブリッド車両のエンジン始動制御装置(以下、適宜に「制御装置」とだけいう)10を備えたハイブリッド車両1の概略構成を示す。図1中、動力伝達系は丸棒状の軸要素として図示され、電力系は実線で図示され、信号系は破線で図示されている。
ハイブリッド車両1は、走行用動力源としてのエンジン12と、別の走行用動力源である走行用モータ(図1中「MG2」と表示、以下単にモータという)14と、エンジン12のクランクシャフト18が連結される動力分配機構20を介して回転軸22が接続される始動用モータ(図1中「MG1」と表示、以下適宜にスタータという)24と、モータおよびスタータ14,24に駆動電力を供給可能なバッテリ16と、上記エンジン12、モータ14およびスタータ24の作動を統括的に制御するとともに、バッテリ16の充放電を制御する制御部(図1中「ECU(Electronic Control Unit)」と表示)とを備える。
エンジン12は、ガソリン等を燃料とする例えば4気筒の内燃機関であり、制御部10からの指令に基づき燃料噴射、スロットルバルブ開度、点火タイミング等が制御されて始動、運転、停止等の運転状態が制御される。また、ここで例示する4気筒エンジン12は、第1番気筒〜第4番気筒を有しており、第1番気筒および第4番気筒の各ピストンが同時に上死点(TDC)にあるとき、第2番気筒および第3番気筒の各ピストンが同時に下死点(BDC)にあるように、クランクシャフト18の各クランクが形成されている。
エンジン12から動力分配機構20へと延伸するクランクシャフト18の近傍には、クランク角センサ28が設けられている。クランク角センサ28は、クランクシャフト18の回転角度を検出するためのもので、このセンサ28により検出されるクランク回転角度θcが制御部10に入力されて、エンジン回転数Neおよびクランクシャフト18の回転位置の検出に用いられるようになっている。また、エンジン12には、エンジン冷却媒体である冷却水の水温Twを検出する温度センサ13が設けられている。温度センサ13により検出された水温Twは、制御部10に送信される。
なお、本実施形態では温度センサ13によりエンジン冷却水の水温を検出するようにしたが、これに限定されず、温度センサによりエンジン12自体の温度を直に検出してもよい。
動力分配機構20は、例えば遊星歯車機構によって好適に構成されることができる。エンジン12からクランクシャフト18を介して動力分配機構20に入力された動力は、減速機30および車軸32を介して駆動輪34に伝達されて、車両1がエンジン動力によって走行することができる。
また、動力分配機構20は、クランクシャフト18を介して入力されるエンジン12の動力の一部または全部を、回転軸22を介してスタータ24に入力することができる。スタータ24は、例えば三相同期型モータジェネレータによって好適に構成されることができ、上記のようにエンジン動力が入力されることによって発電機として機能することができる。スタータ24によって発電された三相交流電力は、インバータ36によって直流電圧に変換された後、バッテリ16に充電されることができる。
また、スタータ24は、バッテリ16からインバータ36を介して供給された電力により回転駆動される電動機として機能することもでき、スタータ24が回転駆動されて回転軸22に出力される動力は動力分配機構20およびクランクシャフト18を介してエンジン12に入力され、エンジン12を始動させる際にエンジン12をクラッキングさせる。
主として電動機として機能するモータ14は、例えば三相同期型モータジェネレータによって好適に構成されることができ、バッテリ16から供給される直流電力がインバータ38で三相交流電力に変換されて駆動電圧として印加されることにより回転駆動される。モータ14が駆動されて回転軸15に出力される動力は、減速機30および車軸32を介して駆動輪34に伝達され、これによりモータ走行またはEV走行が可能になる。また、モータ14は、運転者のアクセル操作により車両1に対して急加速要求があった場合等に、走行用動力を出力してエンジン出力をアシストする機能も有する。
さらに、モータ14は、車両の回生制動時に発電機として機能することができ、駆動輪34から減速機30および回転軸15を介して入力される動力によって交流電力を発電する。モータ14で発電されて出力される三相交流電力は、インバータ38によって直流電力に変換された後、バッテリ16に充電されることができる。
インバータ36,38は、上述したように双方向の交流・直流変換機能を有する公知構成のものを用いることができる。また、スタータ24によって発電された電力をインバータ36からインバータ38へ直接供給して、モータ14の駆動電力として用いることもできる。
バッテリ16には、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛電池等の充放電可能な二次電池を好適に用いることができる。バッテリ16には、バッテリ電圧Vbを検出する電圧センサ40と、バッテリ16に出入りするバッテリ電流Ibを検出する電流センサ42、バッテリ温度Tbを検出する温度センサ44とが設けられている。各センサ40,42,44による検出値は、制御部10に入力されてバッテリ16の充電状態(SOC(State Of Charge))を管理するために用いられる。
制御部10は、各種の制御プログラムを実行するCPU(またはMPU)、制御プログラムやマップ等を予め記憶するROM、各センサ40,42,44による検出値などを一時的に記憶するRAM等を含むマイクロコンピュータとして好適に構成されることができる。制御部10は、クランク回転角度θc、バッテリ電流Ib、バッテリ電圧Vb、バッテリ温度Tb、アクセル開度信号Acc、車速Sv、エンジン冷却水の水温Tw等が入力される入力ポート、ならびに、エンジン12、インバータ36,38等の運転または作動を制御する制御信号を出力する出力ポートを含む入出力インターフェースを有する。
図2は、例えば4気筒を有するエンジン12の1つの気筒50の上部を示す拡大断面を示す。この気筒50は、内部にシリンダ51が形成されたシリンダブロック52、シリンダ51内に気密状態を保ちながら摺動可能に配置されたピストン54、シリンダブロック52に固定されるシリンダヘッド56、シリンダヘッド56にそれぞれ取り付けられた吸気バルブ58および排気バルブ60を含んで構成されている。
シリンダヘッド56には、シリンダ51に対向する略円錐台状の凹部57が形成されている。シリンダ51の内壁面、ピストン54および上記凹部57によって燃焼室62が形成されている。また、シリンダヘッド56には点火プラグ64が取り付けらており、点火プラグ64の先端64aが燃焼室62に臨んで配置されている。
また、シリンダヘッド56には、吸気ポート66および排気ポート68が燃焼室62にそれぞれ連通して形成されている。吸気バルブ58は、制御部10からの作動信号を受けて動作する吸気バルブ用アクチュエータ59によって吸気ポート66を燃焼室62に対して所定のタイミングで開閉動作する。また、排気バルブ60は、制御部10からの作動信号を受けて動作する排気バルブ用アクチュエータ61によって排気ポート68を燃焼室62に対して所定のタイミングで開閉動作する。
さらに、吸気ポート66に連通するようにシリンダヘッド56に接続された吸気管72には、吸気ポート66に向けて燃料を噴射する燃料噴射用インジェクタ74が設置されている。また、吸気管72には、モータ駆動により開度調節可能に開閉駆動されるスロットルバルブ(図示せず)が設けられている。インジェクタ74による燃料噴射およびスロットルバルブの開度調節による燃焼用空気取り込みは、制御部10からの作動信号に応じて制御される。
上記構成からなるハイブリッド車両1では、制御部10は、車両運転状態に応じてエンジン出力で走行するエンジン走行モードと、モータ出力で走行するモータ走行モードとを切り替える制御を行う。例えば低速域(発進時を含む)から中速域にかけての車速領域でモータ走行モードにより走行するとき、スタータ24で発電動力が必要とされる場合を除いてエンジン12の運転が停止される。一方、中速域以上の車速領域でエンジン走行モードに移行するとき、制御部10は、スタータ24を駆動して動力分配機構20を介してクランクシャフト18を回転させてクランキングするとともに、インジェクタ74による燃料噴射、吸気バルブ58および排気バルブ60の開閉動作、ならびに点火プラグ64による点火タイミング等を制御して、エンジン12を始動させて運転状態にする。これにより、中速域から高速域の車速領域において、エンジン走行が可能となる。このようにハイブリッド車両1では、車両走行中に車速や車両要求パワー等に応じて、エンジン12が間欠運転するように制御される。
上記のようにモータ走行モードからエンジン走行モードに切り替えられるときにエンジン12をクランキングして始動させる際、スタータ24により通常のクランキングトルクを出力させてもクランクシャフト18がほぼ回転できないクランキングロック状態になり易いロック回転位置があることを本願発明者は見出すに至った。このようなクランキングロック状態は、通常は短時間で解消されてクランクシャフト18のクランキングが開始されることが多い。しかし、短時間といえどもクランクシャフト18に動力分配機構20を介して機械的に接続されているスタータ24のロータが回転できないことで、バッテリ16からインバータ36を介してスタータ24へ大電流が流れ、これによりインバータ36を構成するスイッチング素子(例えばIGBT等)に大きな発熱が生じて劣化や破損を来たすことになる。そこで、本実施形態における制御部10では、エンジン始動時に下記のようなクランキングトルク制御を実行することとした。
図3は、制御部10において実行されるクランキングトルク制御ルーチンの処理を示すフローチャートである。この制御は、CPUにおいて実行されるソフトウェア要素によって好適に構成されるが、少なくともその一部がハードウェア要素によって実現されてもよい。また、上記クランキングトルク制御ルーチンを構成する制御プログラムは、所定の時間間隔ごとにROM等から読み出されて実行されることができる。
図3を参照すると、まず制御部10は、ステップS10によって、スタータ用インバータ36のスイッチング素子の昇温特性を取得する。ここで、スイッチング素子の昇温特性とは、スイッチング素子に或る一定電流が所定時間流れたときにスイッチング素子がどのくらい昇温するかを示すもので、スイッチング素子の経時的劣化等によって使用期間が長くなる程に昇温程度が大きくなる傾向にある。このような昇温特性は、予め試験やシミュレーション等から得られたものをROMに記憶しておき随時読み出して用いることができる。また、上記スイッチング素子の温度を監視するセンサを設けておき、制御部10は、ユーザによって車両が使用されている期間中に上記スイッチング素子に流れる電流と温度とを関連付けて記憶して学習し、スイッチング素子の昇温特性を現状により即したものに更新するようにしてもよい。
次いで、制御部10は、ステップS12(第1判定部)によって、エンジン始動要求があるか否かを判定する。エンジン始動要求は、例えば、アクセル開度Accや車速Svに基づいて制御部10において算出される車両要求パワーがモータ走行モードの所定上限閾値を超えたときに、エンジン走行モードへ移行するために制御部10において生成される。したがって、上記エンジン始動要求は、制御部10内においてエンジン始動要求が生成されているか否かで判定される。
ステップS12においてエンジン始動要求がないと判定されるとき、そのまま処理を終了する。この場合、スタータ24は、通常のクランキングトルクTcgを出力するよう制御される。
一方、ステップS12においてエンジン始動要求があると判定されると、続くステップS14(第2判定部)によって、クランクシャフト18はクランキングロックが発生し易いロック回転位置にあるか否かが判定される。ここでロック回転位置について図4を参照して説明する。
図4は、クランクシャフト18の回転位置を模式的に示す。図4の円において、鉛直最上部を上死点TDCで回転角度0°とし、鉛直最下部を下死点BDCで回転角度180°としている。そして、点Aは第1番気筒および第4番気筒の各ピストン54の位相位置を示し、上記点Aに対して径方向に対向する点Bは第2番気筒および第3番気筒の各ピストン54の位相位置を示し、各点A,Bは時計回り方向に回転するものとする。
図4においてロック回転位置範囲Rθlockが例えば約240°〜約280°までの角度範囲で示される。このロック回転位置範囲Rθlockの最下流側の角度位置θ1は、ピストン54が上死点TDCへ向かおうとしている気筒の吸気バルブ58が閉じるタイミングに相当する。エンジン12のクランキング開始時に上記点Aまたは点Bが上記ロック回転位置範囲Rθlock内にあるときにクランキングロックが発生し易いことが実機試験により確認されたもので、上記ロック回転位置範囲Rθlockは予めROMに記憶されている。
したがって、上記ステップS12では、クランク角センサ28による検出値に基づき把握される点Aまたは点Bの回転位置が上記ロック回転位置範囲Rθlock内にあるか否かによって判定される。この判定により肯定判定されると、ステップS16のクランキングトルク設定処理に進み、一方、否定判定されるとステップS18のクランキングトルク設定ステップに進む。
上記ステップS12において肯定判定されると、続くステップS16(クランキングトルク設定部)によって、スタータ24によるクランキングトルクTcを図5に示すように設定する。まず、エンジン12内のピストン54の静摩擦力に打ち勝つ程度のトルクTc1に第1時間期間t1〜t2だけ設定する。この間に各気筒50内のピストン54はシリンダ51の内壁面に対して摺動を開始する。
上記時間t2のタイミングで、クランキングトルクTcをTc1からTc2まで一旦低下させる。そして、続く第2時間期間t2〜t3の間に、クランキングトルクTcをTc2からTc3(ここでTc2<Tc3<Tc1)まで漸増させる。そうするとシリンダ51内で摺動を開始したピストン54は、比較的ゆっくりと上死点TDCへ向かって移動する。この移動中に吸気バルブ58が閉じられる(ピストン移動開始時に既に閉じられている場合もある)と燃焼室62内の燃料および空気の混合ガスがピストン54によって圧縮されるが、上記のようにピストン54の移動が比較的ゆっくりとしたものであるため、混合ガスが急峻に圧縮されて高圧になることはなく、むしろピストン54の外周のピストンリング55とシリンダ51の内壁面との間から若干の混合ガスが漏れ出ることが想定される。そのため、上記第2時間期間t2〜t3では混合ガスの圧縮による抵抗をさほど伴うことなくピストン54を移動させる、すなわちクランクシャフト18を回転させることができる。
そして、クランクシャフト18の回転位置が上記ロック回転位置範囲Rθlockの最下流側位置θ1を過ぎるタイミングt3で、クランキングトルクTcを急増させて通常のクランキングトルクTcg(ここでTc1<Tcg)に第3時間期間t3〜t4で設定する。これにより、クランクシャフト18は上記ロック回転位置Rθlockを過ぎていることから、エンジン12を確実にクランキングして始動させることができる。
このように本実施形態のエンジン始動制御装置よれば、クランクシャフト18がロック回転位置Rθlockにあるときに、クランクシャフト18がロック回転位置Rθlockを過ぎるまではスタータ24のクランキングトルクTcを漸増させる。これにより、クランクシャフト18がロック回転位置Rθlockにあるときにスタータ24に通常トルクTcgを出力させようとしたときにインバータ36のスイッチング素子に大電流が流れるのを防止することができ、インバータ素子の劣化および破損を抑制することができる。また、上記のようなクランキングトルクTcの漸増により少しずつ回転するクランクシャフト18がロック回転位置Rθlockを過ぎたらクランキングトルクTcを通常トルクTcgまで急増させる。これにより、エンジン12の始動を確実に行うことができる。
一方、上記ステップS12において否定判定、すなわちクランクシャフトの回転位置が上記ロック回転位置範囲Rθlock内にないと判定されると、ステップS18によるクランキングトルク設定処理が次のように実行される。
図6はインバータ36のスイッチング素子の昇温特性を概略的に示すグラフであり、図7はインバータ36のスイッチング素子の昇温特性に応じたクラッキングトルクTcの設定例を概略的に示すグラフである。
図6を参照すると、曲線80はスイッチング素子が劣化していない正常時の昇温特性を示している。これに対し、スイッチング素子の劣化が進行すると、同じ電流が同一時間流れたときの昇温特性が曲線82で示されるように大きくなり、耐熱性が低下しているスイッチング素子が破損するおそれがある。
そこで、上記ステップS18では、スイッチング素子の昇温特性に応じたクランキングトルクに設定する処理を実行する。具体的には、スイッチング素子の昇温特性が正常な場合、スタータ24により出力させるクランキングトルクTcを通常のクランキングトルクTcgで通常のクランキング時間t5に設定する。これにより、エンジン始動時間の短縮を優先させる。
一方、スイッチング素子の昇温特性が上記のように大きくなるのに応じてクランキングトルクTcを上記通常時のトルクTcgよりも小さくトルク値Tc4で上記通常クランキング時間t5よりも長いクランキング時間t6に設定する。これにより、クランキング時間は若干長くなるものの、スタータ24およびインバータ36を流れる電流が小さくしてインバータ36のスイッチング素子の温度上昇を抑制し、スイッチング素子のさらなる劣化および破損を抑制することができる。
なお、図6には2つのスイッチング素子の昇温特性だけを示すが、これはあくまで例示であって、上記昇温特性が多数の段階に分けられて予め記憶されているものの中から該当するものを選択するようにしてもよいし、または、上記のように学習によって更新されたスイッチング素子の昇温特性を用いてもよい。同様に、図7には2つのクランキングトルクの設定例を示すが、多数のクランキングトルク値およびクランキング時間の設定例が予め記憶されており、その中からスイッチング素子の昇温特性に応じて適宜に選択されるクランキングトルク値およびクランキング時間が用いられてもよい。
上記ステップS16またはS18のクランキングトルク設定処理が完了すると、クランキングトルク制御ルーチンを終了する。
なお、本発明に係るハイブリッド車両のエンジン始動制御装置は、上述した実施形態のものに限定されず、種々の得改良や変更が可能である。
上記エンジン12は4気筒エンジンであって第1,4番気筒と第2,3番気筒とが180°の位相差でもってクランクシャフト18に連結されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、第1,3番気筒と第2,4番気筒とが180°の位相差でもってクランクシャフト18に連結されている4気筒エンジンであってもよいし、あるいは、6気筒エンジンであってもよい。
また、上記においてはクランキングロックが発生し易いロック回転位置範囲Rθlockが予めROMに記憶されているとして説明したが、このロック回転位置範囲Rθlockは必ずしも固定範囲である必要はない。例えば、クランキング時にスタータ24に流れる電流とクランク角センサ28の検出値とからクランクシャフト18のロック状態を検知できることから、クランキングロックが発生し易いロック回転位置範囲を現状により即したものに更新して記憶するようにしてもよい。
1 ハイブリッド車両、10 制御部、12 エンジン、13 温度センサ、14 走行用モータ、15 回転軸、16 バッテリ、18 クランクシャフト、20 動力分配機構、22 回転軸、24 スタータ、28 クランク角センサ、30 減速機、32 車軸、34 駆動輪、36,38 インバータ、40 電圧センサ、42 電流センサ、44 温度センサ、50 気筒、51 シリンダ、52 シリンダブロック、54 ピストン、55 ピストンリング、56 シリンダヘッド、57 凹部、58 吸気バルブ、59 吸気バルブ用アクチュエータ、60 排気バルブ、61 排気バルブ用アクチュエータ、62 燃焼室、64 点火プラグ、66 吸気ポート、68 排気ポート、72 吸気管、74 燃料噴射用インジェクタ。

Claims (2)

  1. 走行用動力を出力可能なエンジンと、走行用動力を出力可能な走行用モータと、前記エンジンをクランキングして始動する始動用モータと、前記エンジンおよび前記始動用モータを制御して前記エンジンを間欠運転させる制御部とを備えたハイブリッド車両のエンジン始動制御装置であって、
    前記制御部は、前記エンジンの始動要求の有無を判定する第1判定部と、前記第1判定部によりエンジン始動要求があると判定されたときに、前記エンジンのクランクシャフトについてクランキングロックが発生しやすいロック回転位置にあるか否かを判定する第2判定部と、前記第2判定部により前記クランクシャフトが前記ロック回転位置にあると判定されたときに、クランキングトルクを、まず前記エンジン内のピストンがシリンダとの間の静止摩擦力に打ち勝つ程度のトルクTc1に設定し、次いでTc1からTc2まで一旦低下させた後、前記クランクシャフトが前記ロック回転位置を過ぎるまでは前記クランクシャフトに連結されたピストンとシリンダの内壁面との間から燃料および空気の混合ガスが漏れ出るように前記始動用モータのクランキングトルクをTc2からTc3(ここでTc2<Tc3<Tc1)まで漸増させて前記ピストンを前記シリンダ内で比較的ゆっくりと上死点に向かって移動させ、前記ロック回転位置を過ぎたら前記クランキングトルクを通常トルクまで急増させるクランキングトルク設定部と、を含む
    ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両のエンジン始動制御装置において、
    前記制御部は、前記始動用モータに接続されるインバータ素子の昇温特性を取得する手段をさらに有し、前記クランキングトルク設定部は、前記第2判定部により前記クランクシャフトが前記ロック回転位置にないと判定されるとき、前記スイッチング素子の昇温特性に応じてクランキングトルク上限値およびクランキング時間を設定することを特徴とするハイブリッド車両のエンジン始動制御装置。
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