JP4517451B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機(以下CVT(Continuously Variable ratio Transmission)という)の制御装置、特に減速時の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両の変速機の1つとしてCVTが知られており、このCVTの制御についての各種の提案がある。
【0003】
例えば、特開平11−182657号公報には、CVTの変速比を制御する流体圧(油圧)制御装置が示されている。この装置は、アップシフト用流量制御弁と、ダウンシフト用流量制御弁を有し、アップシフト用流量制御弁の開度を大きくしこの流量を大きくすることでCVTの変速比を小さくしてアップシフトし、ダウンシフト用流量制御弁の開度を大きくしこの流量を大きくすることでCVTの変速比を大きくしてダウンシフトする。また、このアップシフト用流量制御弁、ダウンシフト用流量制御弁の開度の調整をするために、アップシフト用電磁弁と、ダウンシフト用電磁弁を有しており、これら電磁弁の開閉によりここからの出力圧を制御し、これによりアップシフト用流量制御弁およびダウンシフト用流量制御弁の開度を調整する。そして、CVTの入力軸の目標回転数に応じて、アップシフト用電磁弁およびダウンシフト用電磁弁を制御することで、入力軸の回転数が目標回転数に制御される。
【0004】
さらに、この公報に記載の装置では、各電磁弁の出力圧を一方のシフト用流量制御弁を開く方向に供給するとともに、他方のシフト用流量制御弁を閉じる方向へも供給する。そこで、シフト用流量制御弁の作動を制御する電磁弁の一方が故障してオン状態に固定された時に、他方の電磁弁をオンすることで、シフト用流量制御弁をそのときの状態に固定して、CVTの変速比をそのときの変速比に固定することができる。
【0005】
従って、電磁弁の一方が故障したときにも、CVTが急増速モードや急減速モードになってしまうことを防止できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シフト用流量制御弁は、異物の噛み込み等に起因して開度が固定される、いわゆるバルブスティックに陥ることも考えられる。例えば、ダウンシフト用流量制御弁が全開状態で固定(スティック)した場合には急ダウンシフトモードになり、最大変速比まで変速比が上昇することになる。そして、高速走行時にこのような故障が発生すると、エンジン回転数が上昇しオーバーランする可能性がある。また、アクセル全閉時においてはエンジンブレーキ力が急激に増加する可能性もある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ダウンシフト用流量制御弁のスティック発生時においてもそれに基づく悪影響を減少することができる無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、無段変速機のアップシフトを実現するための作動流体の流量を制御するアップシフト用流量制御弁と、無段変速機のダウンシフトを実現するための作動流体の流量を制御するダウンシフト用流量制御弁と、アップシフト時に前記アップシフト用流量制御弁にアップシフト信号を供給するアップシフト用制御手段と、ダウンシフト時に前記ダウンシフト用流量制御弁にダウンシフト信号を供給するダウンシフト用制御手段と、を備え、無段変速機が搭載されている車両の高速走行時において、前記ダウンシフト用制御手段から前記ダウンシフト用流量制御弁に供給されるダウンシフト信号の上限を規定する上限ガード値を低速走行時に比べ低い値に設定することで、ダウンシフト用流量制御弁からの作動流体の流量の上限を低速走行時に比べ低く制限することを特徴とする。
【0009】
このように、本発明によれば、高速走行時において、ダウンシフト用流量制御弁からの作動流体の流量について制限をかける。そこで、ダウンシフト用流量制御弁がスティックした場合においても全開状態ではない。そこで、急激なダウンシフトによるエンジンのオーバーランや、アクセル全閉時の大きなエンジンブレーキの発生を防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0011】
「CVTの全体構成」
図1は、本実施形態の車両駆動装置1の概略構成を示す図である。原動機としてのエンジン2の出力は、動力伝達装置3を介して駆動輪4に伝達され、車両を駆動する。車両駆動装置1を制御する制御部5は、エンジン2の運転状態や動力伝達装置3の動作状態などの車両の走行状態を示す所定のパラメータから、エンジン2および動力伝達装置3の所定の制御パラメータを算出する。制御パラメータは、例えば、スロットル弁開度、燃料噴射量、変速比などであり、これらを制御することにより、エンジン2、動力伝達装置3が所定の状態に制御される。
【0012】
図2は、CVT(無段変速機)を含む動力伝達装置3の概略構成図である。エンジン2の出力は、流体伝達機構としてのトルクコンバータ10、前後進切換機構12、CVT14、減速機構16、差動装置18を介してドライブシャフト20に伝達され、車両を駆動する。
【0013】
トルクコンバータ10のフロントカバー22は、エンジン2の動力により回転し、この回転をポンプインペラ24、オイルポンプ26に伝達する。オイルポンプ26は、動力伝達装置3の各部の油圧制御機構に対し作動流体を供給する。また、この作動流体は潤滑油としても機能する。ポンプインペラ24は、トルクコンバータ10内に満たされた作動流体をタービンライナ28に対して送り出し、これを受けてタービンライナ28が回転する。タービンライナ28はトルクコンバータ出力軸30と共に回転するように結合され、これによりタービンライナ28の回転がトルクコンバータ10の出力となる。タービンライナ28を通過した作動流体は、ステータライナ32を通過し、ポンプインペラ24に送られる。ステータライナ32は、一方向クラッチ34を介して支持されている。トルクコンバータ10の入出力の速度比が比較的低い領域(クラッチ点以下)では、一方向クラッチ34が係止状態となり、ステータライナ32が固定される。このとき、ステータライナ32はタービンライナ28から送出された作動流体の向きを変え、ポンプインペラ24の回転後方よりこれに向けて作動流体を送り込む。これによってトルクが増幅される。トルクコンバータ10の速度比がクラッチ点を超えると、タービンライナ28から送出される作動流体は、ステータライナ32の背面に当たるように流れ、これにより一方向クラッチ34が解放状態となり、ステータライナ32が空転する。このとき、トルク増幅は行われず、トルクコンバータ10は、流体継手として機能する。
【0014】
トルクコンバータ10は、直結機能を有する。直結クラッチプレート36は、フロントカバー22に対向するように配置され、またトルクコンバータ出力軸30に対し、一体となって回転し、また軸方向に摺動可能に支持されている。また、フロントカバー22と接触する外周部と、出力軸30に支持される中央部の間には、ねじり方向の衝撃、振動を吸収するねじりダンパ38が配置されている。
直結時には、制御部5により制御される流体圧制御回路40からの作動流体が直結クラッチプレート36の背面側42に供給され、この圧力によって当該プレート36が図中右方向に摺動し、フロントカバー22に係合する。これによって、作動流体を介さずに動力伝達がなされる。直結状態を解除する場合には、直結クラッチプレート36の前面側44に作動流体が供給され、この圧力によって当該プレート36が図中左方向に摺動し、フロントカバー22より離される。
【0015】
前後進切換機構12は、2列のプラネタリギアを有する、いわゆるダブルプラネタリ式遊星歯車機構として構成される。サンギア46は、トルクコンバータ出力軸30に結合されている。また、2列のプラネタリギア48は共通のキャリア50に回動可能に支持されている。キャリア50は、前進用クラッチ52を介してトルクコンバータ出力軸30に結合されている。キャリア50はまた、CVT14の入力軸54とも結合されている。リングギア56には、後進用ブレーキ58が係合可能となっている。
【0016】
前進時には、流体圧制御回路40からの作動流体の供給によって前進用クラッチ52が係合状態となり、トルクコンバータ出力軸30とCVT入力軸54が直結状態となる。後進時には、前進用クラッチ52が解放状態に制御される一方、流体圧制御回路40からの作動流体の供給により後進用ブレーキ58が係合状態に制御される。これにより、トルクコンバータ出力軸30とキャリア50が互いに逆方向に回転する。すなわち、前後進切換装置12の前後において回転方向が逆転する。
【0017】
なお、前進用クラッチ52および後進用ブレーキ58を共に解放することによって、動力伝達装置3が中立状態となる。
【0018】
CVT14は、CVT入力軸54と一体に回転する入力側プーリ60と、出力側プーリ62と、これらのプーリ60,62に巻掛けられたベルト64を有する。出力側プーリ62は、CVT出力軸66を回転させ、動力を減速機構16に送り出す。
【0019】
入力側プーリ60は、さらに固定シーブ68と可動シーブ70を備えている。
これらのシーブ68,70は、CVT入力軸54の方向に並列配置され、その対向する面が円錐または円錐台の側面に形成されている。可動シーブ70は、CVT入力軸54と一体に回転する一方、それ自身が流体圧アクチュエータとして機能し、流体圧制御回路40による作動流体の供給量制御により軸方向に移動する。可動シーブ70の移動によって、前記円錐等の側面形状に形成された二つのシーブ68,70の対向する面の間隔が変更される。出力側プーリ62も、入力側と同様に、略円錐側面形状の対向面を有する固定シーブ72と可動シーブ74を備えている。可動シーブ74も、作動流体の供給量の制御によって軸方向に移動し、これにより二つのシーブ72,74の間隔が変更される。
【0020】
ベルト64は、入力側、出力側プーリ60,62のそれぞれの固定シーブ68,72と可動シーブ70,74の対向面の形状と係合する概略台形の断面形状を有し、固定シーブ68,72と可動シーブ70,74に挟まれるように保持されている。固定シーブ68,72と可動シーブ70,74の間隔が変化することにより、ベルト64の巻きかかっている位置の回転半径が変化する。また、ベルト64が巻きかかっている位置の回転半径が入出力側で変化することにより、CVTの入出力軸54,66の速度比が変化する。可動シーブ70,74の位置は、連続的に任意の位置に決定可能であるので、CVT14の速度比は所定の範囲において連続的な値を採ることができる。
【0021】
流体圧制御回路40は、オイルポンプ26から送出される作動流体を、車両走行状況に応じた適切な部位に供給する。車両走行状況は、車両の速度を検出する車速センサ76、エンジン2の回転速度を検出するNEセンサ78、レバーにより選択されたシフト位置を検出するシフトセンサ80、アクセルペダルの操作量を検出するペダルセンサ82、入力側プーリ60の入力軸の回転数を検出する入力軸回転数センサ84などにより判断される。なお、図2において作動流体の戻り回路については省略されている。
【0022】
「流体圧制御回路40の構成」
次に、流体圧制御回路40について、図3に基づいて説明する。アップシフト用流量制御弁92は、4つのポート92a、92b、92c、92dと、図の上下方向に移動するスプール92sと、スプール92sを図の下方に付勢するばね92fと、ばね92fが設置されているばね室92gと、制御圧が導入される制御圧室92hを有している。アップシフト用電磁弁96は、3つのポート96a、96b、96cを有している。アップシフト用電磁弁96がオンのとき(図の右側)、ポート96aと96bとが連通する。そして、アップシフト用電磁弁96は、オン時において、制御部5からのパルス幅制御された制御信号により一定周期でオンとオフを繰り返す。このため、制御信号のデューティ比を制御することにより、一定圧制御弁により一定に調圧された流体圧を大気圧から一定圧の間で所定の圧力に制御し、これを制御圧(アップシフト信号)としてアップシフト用流量制御弁92のポート92aから制御圧室92hに供給する。
【0023】
アップシフト用電磁弁96からの制御圧が制御圧室92hに導入されると、この制御圧によってスプール92sは上方に押圧される。一方、ばね室92gのばね92fによってスプール92sは下方に押圧されており、これらの力のバランスにより、作動流体路R4を通じてポート92cから導入されたライン圧が制御され、ポート92dから作動流体路R5を介して入力側プーリ60へ供給され、可動シーブ70に所定の圧力が供給される。
【0024】
また、アップシフト用電磁弁96がオフのとき(図の左側)、ポート96bと96cとが連通し、制御圧室92hの流体圧がポート96cよりドレンされ大気圧まで減圧される。従って、アップシフト用流量制御弁92のスプール92sが下方に移動し、ポート92dが閉じられる。
【0025】
ダウンシフト用流量制御弁94は、4つのポート94a、94b、94c、94dと、図の上下方向に移動するスプール94sと、スプール94sを図の下方に付勢するばね94fと、ばね94fが設置されているばね室94gと、制御圧が導入される制御圧室94hを有している。ダウンシフト用電磁弁98は、3つのポート98a、98b、98cを有している。ダウンシフト用電磁弁98がオンのとき(図の右側)、ポート98aと98bとが連通する。そして、ダウンシフト用電磁弁98は、オン時において、制御部5からのパルス幅制御された制御信号により一定周期でオンとオフを繰り返す。このため、制御信号のデューティ比を制御することにより、一定圧制御弁により一定に調圧された流体圧を大気圧から一定圧の間で所定の圧力に制御し、これを制御圧(ダウンシフト信号)としてダウンシフト用流量制御弁94のポート94aから制御圧室94hに供給する。
【0026】
ダウンシフト用電磁弁98からの制御圧が制御圧室94hに導入されると、この制御圧によってスプール94sは上方に押圧される。一方、ばね室94gのばね94fによってスプール94sは下方に押圧されており、これらの力のバランスにより、作動流体路R6を通じてポート94cから導入されたライン圧が制御され、ポート94dからドレンされる。従って、作動流体路R6を介して入力側プーリ60の可動シーブ70から所定流量の作動流体がドレンされる。
【0027】
また、ダウンシフト用電磁弁98がオフのとき(図の左側)、ポート98bと98cとが連通し、制御圧室94hの流体圧がポート98cよりドレンされ大気圧まで減圧される。従って、ダウンシフト用流量制御弁94のスプール94sが下方へ移動し、ポート94dが閉じられる。
【0028】
このような流体圧制御回路40において、制御部5からのアップシフトの指令が発生されると、アップシフト用電磁弁96が所定のデューティー比でオンされ、このデューティー比に応じた制御圧がアップシフト用流量制御弁92のポート92aから、その制御圧室92hに導入される。その結果、スプール92sが図の上方に押し上げられ、ポート92cとポート92dが連通され、流体圧が入力側プーリ60の可動シーブ70に供給される。このとき、ダウンシフト用電磁弁94には、オフ指令が供給されているため、ダウンシフト用流量制御弁94のポート94dは閉じており、入力側プーリ60への流体圧が維持され、入力側プーリ60の径が大きくなる。また、出力側プーリ62は、入力側プーリ60のプーリ径が大きくなった分だけ、出力側プーリ62のプーリ径が小さくなる。これによって、CVTのアップシフトが行われる。
【0029】
一方、制御部5からのダウンシフトの指令が発生されると、ダウンシフト用電磁弁98が所定のデューティー比でオンされ、制御圧がダウンシフト用流量制御弁94のポート94aから、その制御圧室94hに導入される。その結果、スプール94sが図の上方に押し上げられ、ポート94cとポート94dが連通され、入力側プーリ60の可動シーブ70の流体圧が減少される。このとき、アップシフト用電磁弁96には、オフ指令が供給されているため、アップシフト用流量制御弁92のポート92dは閉じられており、入力側プーリ60の流体圧が減少され、入力側プーリ60の径が小さくなる。また、出力側プーリ62は入力側プーリ60のプーリ径が小さくなった分だけ、出力側プーリ62のプーリ径が大きくなる。これによって、CVTのダウンシフトが行われる。
【0030】
また、ポート92bには、ダウンシフト用電磁弁98からの制御圧がばね室92gに作動流路R17を介し供給されるようになっており、ダウンシフト用電磁弁98をオンすることによって、アップシフト用流量制御弁92のポート92dが閉じられる。そこで、アップシフト用電磁弁96がオンのまま故障してしまっても、ダウンシフト用電磁弁98をオンすることによって、アップシフトを中止できる。
【0031】
また、ポート94bには、アップシフト用電磁弁96からの制御圧がばね室94gに作動流路R16を介し供給されるようになっており、アップシフト用電磁弁96をオンすることによって、ダウンシフト用流量制御弁94のポート94dが閉じられる。そこで、ダウンシフト用電磁弁98がオンのまま故障してしまっても、アップシフト用電磁弁96をオンすることによって、ダウンシフトを中止できる。
【0032】
「高速時の制御」
本実施形態においては、車速センサ76の検出値に応じて、上述したダウンシフトについて、特別の制限を加える。これについて、図4に基づいて説明する。
【0033】
まず、制御部5は、車速センサ76からの車速SPD、ペダルセンサ82からのアクセルペダル操作量PA、入力軸回転数センサ84からの入力軸回転数NINを読み込む(S11)。次に、読み込んだこれらセンサからのデータに基づき、目標入力軸回転数NINTを算出する(S12)。この目標入力軸回転数は、車速が高いほど高く、アクセルペダル操作量が大きいほど高くなるなるように設定されており、制御部5がマップとして記憶している。
【0034】
このように、目標入力軸回転数NINTが決定された場合には、シフト用流量制御弁(アップシフト用流量制御弁92またはダウンシフト用流量制御弁94)の制御量QSCを算出する(S13)。この算出は、次の式により行う。
【0035】
【数1】
QSC=K*(NINT−NIN)
ここで、Kは所定の定数であり、制御量QSCは、目標入力軸回転数と現在の入力軸回転数の差に応じた量であり、このQSCに応じてアップシフト用流量制御弁92、ダウンシフト用流量制御弁94の流量が制御される。
【0036】
次に、制御量QSCが0以上であるかを判定する(S14)。このS14の判定でNOの場合には、アップシフト用流量制御弁92の流量が所定のものになるように作動指令を出力する(S15)。この場合、アップシフト用流量制御弁92のデューティー比が、制御量QSCに応じたものにされ、このデューティ比に基づく制御圧がアップシフト用電磁弁96から出力される。このため、このデューティー比に応じてアップシフト用流量制御弁92におけるスプール92sの位置が決定され、アップシフト用流量制御弁92から入力側プーリ60への作動流体の流量が決定される。従って、指令に応じた速度で、入力側プーリ60の可動シーブ70が移動し、アップシフトされる。
【0037】
一方、S14の判定においてYESの場合には、車速SPDに応じて、上限ガードをセットする(S16)。すなわち、制御部5は、図5に示すような車速に応じ上限ガードのマップを持っており、上限ガードとして高速の場合に低速に比べ上限ガード値を小さく設定する。すなわち、所定の車速以上では、上限ガード値を車速に対し徐々に減少させ、ある車速以上では低速時の上限ガード値より低い一定値に上限ガード値を設定する。
【0038】
そして、S16の上限ガード値設定の後、設定された上限ガード値を超えない範囲で、制御量QSCに基づく、ダウンシフト用流量制御弁の作動指令を出力する(S17)。
【0039】
すなわち、低速走行状態の場合には、S13において得られた制御量QSCに基づいたデューティー比によるダウンシフト用電磁弁98のオンによりダウンシフト用流量制御弁94の開度が設定され、そこから入力側プーリ60からドレンされる作動流体の流量が設定される。一方、S13において得られた制御量QSCがそのときの車速に基づく上限ガード値を超えていた場合には、制御量QSCが上限ガード値に設定される。
【0040】
なお、図5において、車速が低い場合にもQSC上限ガード値が設定されているが、これはダウンシフト用流量制御弁94の全開時の流量に対応し、ダウンシフト用電磁弁98のデューティ比に制限を加える必要はない。
【0041】
このように、本実施形態においては、高速走行時において、制御量QSCの値は、最大値が小さめに制限される。従って、高速時においてQSCが制限され、ダウンシフト用流量制御弁94は全開状態にならず、入力側プーリ60における可動シーブ70からドレンされる作動流体の流量が制限される。
【0042】
ここで、このような制限がなければ、アクセルペダルの急な踏み込みなどにより、目標入力軸回転数NINTが大きくなった場合には、高速走行状態においても制御量QSCは全開状態にセットされる。これにより、急激なダウンシフトが実施される。そして、この全開状態で、ダウンシフト用流量制御弁94から作動流体が入力側プーリ60からドレンされる。そこで、急激なダウンシフトが行われる。そして、この全開状態でダウンシフト用流量制御弁94がスティックした場合には、その後アップシフトについての指令が発生しても、全開状態のダウンシフト用流量制御弁94から作動流体が入力側プーリ60からドレンされ続けるため、CVT最大変速比まで、シフトダウンが継続されてしまう。このため、エンジン回転数が最大回転数を超え、オーバーランを起こすおそれがある。また、この状態でアクセルが離された場合には、大きなエンジンブレーキがかかることにもなる。
【0043】
ところが、本実施形態によれば、高速走行状態のダウンシフト用流量制御弁94の開度が全開ではなくある程度の開度に制限される。そこで、この状態でダウンシフト用流量制御弁94がスティックした場合にもダウンシフト用流量制御弁94の開度は制限された状態のままである。一方、入力軸回転数が大きくなると、アップシフトの指令が出され、S13において演算算出される制御量QSCは正になり、アップシフト用流量制御弁92から入力側プーリ60へ作動流体が供給される。そして、この制御により、急激なダウンシフトは中止される。
【0044】
このように、本実施形態によれば、高速走行時において、ダウンシフト用流量制御弁94の開度について制限をかける。そこで、アップシフト用流量制御弁92を全開状態にすることで、急激なダウンシフトを中止でき、エンジンのオーバーランや、アクセル全閉時の大きなエンジンブレーキの発生を防止することができる。
【0045】
なお、上述の記載における流体は通常油であり、油圧制御系が本実施形態の流体圧制御系として採用される。また、実施形態において、アップシフト用電磁弁96、ダウンシフト用電磁弁98がアップシフト用制御手段、ダウンシフト用制御手段として機能し、これらから出力される制御圧がアップシフト用流量制御弁92、ダウンシフト用流量制御弁94に対する制御信号として機能する。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高速走行時において、ダウンシフト用流量制御弁からの作動流体の流量について制限をかける。そこで、ダウンシフト用流量制御弁がスティックした場合においても全開状態ではない。そこで、急激なダウンシフトによるエンジンのオーバーランや、アクセル全閉時の大きなエンジンブレーキの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 システムの全体構成を示す図である。
【図2】 CVTの全体構成を示す図である。
【図3】 流体圧制御回路の構成を示す図である。
【図4】 変速制御の動作を示すフローチャートである。
【図5】 上限ガードの特性を示す図である。
【符号の説明】
5 制御部、40 流体圧制御回路、60 入力側プーリ、62 出力側プーリ、70,74 可動シーブ、92 アップシフト用流量制御弁、94 ダウンシフト用流量制御弁、96 アップシフト用電磁弁、98 ダウンシフト用電磁弁。

Claims (1)

  1. 無段変速機のアップシフトを実現するための作動流体の流量を制御するアップシフト用流量制御弁と、
    無段変速機のダウンシフトを実現するための作動流体の流量を制御するダウンシフト用流量制御弁と、
    アップシフト時に前記アップシフト用流量制御弁にアップシフト信号を供給するアップシフト用制御手段と、
    ダウンシフト時に前記ダウンシフト用流量制御弁にダウンシフト信号を供給するダウンシフト用制御手段と、
    を備え、
    無段変速機が搭載されている車両の高速走行時において、前記ダウンシフト用制御手段から前記ダウンシフト用流量制御弁に供給されるダウンシフト信号の上限を規定する上限ガード値を低速走行時に比べ低い値に設定することで、ダウンシフト用流量制御弁からの作動流体の流量の上限を低速走行時に比べ低く制限することを特徴とする無段変速機の制御装置。
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Citations (4)

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