JPH06174073A - 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置

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JPH06174073A
JPH06174073A JP35192792A JP35192792A JPH06174073A JP H06174073 A JPH06174073 A JP H06174073A JP 35192792 A JP35192792 A JP 35192792A JP 35192792 A JP35192792 A JP 35192792A JP H06174073 A JPH06174073 A JP H06174073A
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gear
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁式変速比圧発生弁の故障時においても伝
動ベルトの負荷を低くできる車両用ベルト式無段変速機
の油圧制御装置を提供する。 【構成】 車速圧発生弁176により発生させられた、
車速Vの増大に伴って減少する車速圧PV が、油路21
9により元圧として第2調圧弁180に供給される。こ
のため、たとえば第5電磁弁160の断線のような故障
時において、第2調圧弁180により調圧される第2ラ
イン圧PL2が最大とされても、その第2ライン圧PL2
元圧である車速圧PV を超えることができず、それに等
しくなる。この結果、変速比γが増速側の小さい値であ
る高車速時では第2ライン圧PL2が低く制限されるの
で、余裕圧も小さくなる。反対に、変速比γが減速側の
大きい値である低車速時では第2ライン圧PL2も高い値
で制限されるので、余裕圧も大きくなり、伝動ベルトの
負荷を低くできて耐久性が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用ベルト式無段変
速機の油圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】伝動ベルトが巻き掛けられた一対の可変
プーリの有効径が変化させられることにより変速比が連
続的に変化させられる車両用ベルト式無段変速機におい
て、エンジンの負荷に対応するエンジン負荷圧すなわち
スロットル圧とベルト式無段変速機の変速比に対応する
変速比圧とに基づいて、伝動ベルトの張力を制御するた
めの張力制御圧を調圧する張力制御圧調圧弁と、電気信
号に従って前記変速比圧を発生させる電磁式変速比圧発
生弁とを備えた油圧制御装置が提案されている。たとえ
ば、特願平2−182979号の明細書に記載された油
圧制御装置がそれである。このような装置によれば、可
変プーリのV溝幅を機械的に検出して変速比圧を発生さ
せる速度比検知弁を用いる場合に比較して、変速比圧の
精度が高められることから、ベルト張力制御圧に設ける
余裕圧を少なくできて、動力損失の低減や耐久性の向上
が得られる利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の油圧制御装置では、変速比圧を発生させる電磁
式変速比圧発生弁は、たとえばその断線などの故障が発
生した場合には、伝動ベルトの滑りを防止することを目
的として、前記張力制御圧調圧弁により調圧される張力
制御圧を最大とするような値、たとえば零となるように
構成される。このため、電磁式変速比圧発生弁の断線の
ような故障時における張力制御圧は理想油圧に対して大
幅に高く、常時余裕圧が不要に大きい状態となるので、
伝動ベルトの負荷が大きくなって耐久性が低下する恐れ
があった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、電磁式変速比圧
発生弁の故障時においても伝動ベルトの負荷を低くでき
る車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】斯る目的を達成するため
の、本発明の要旨とするところは、伝動ベルトが巻き掛
けられた一対のプーリの有効径が変化させられることに
より変速比が連続的に変化させられる車両用ベルト式無
段変速機において、エンジンの負荷に対応するエンジン
負荷圧とそのベルト式無段変速機の変速比に対応する変
速比圧とに基づいて、前記伝動ベルトの張力を制御する
ための張力制御圧を調圧する張力制御圧調圧弁と、電気
信号に従って前記変速比圧を発生させる電磁式変速比圧
発生弁とを備えた油圧制御装置であって、(a) 車速の増
大に伴って減少する車速圧を発生させる車速圧発生手段
と、(b) その車速圧を前記張力制御圧調圧弁にその元圧
として供給する車速圧供給手段とを含むことにある。
【0006】
【作用】このようにすれば、車速圧発生手段により発生
させられた、車速の増大に伴って減少する車速圧が、車
速圧供給手段により元圧として張力制御圧調圧弁に供給
される。このため、たとえば電磁式変速比圧発生弁の断
線のような故障時において、張力制御圧調圧弁により調
圧される張力制御圧が最大とされても、その張力制御圧
は車速圧を超えることができず、それに等しくなる。
【0007】
【発明の効果】上記のように、車速の増大に伴って減少
する車速圧が張力制御圧調圧弁の元圧であるから、電磁
式変速比圧発生弁の断線のような故障時においては、変
速比が増速側の小さい値である高車速時では張力制御圧
が低く制限されるので、余裕圧も小さくなる。反対に、
変速比が減速側の大きい値である低車速時では張力制御
圧も高い値で制限されるので、余裕圧も大きくなる。し
たがって、電磁式変速比圧発生弁の断線のような故障時
において、不要に余裕圧が過大となることがなく、伝動
ベルトの負荷を低くできて耐久性が高められる。また、
車両の急停止に際しては、車速の低下により余裕圧が大
きく形成されるので、ベルト式無段変速機の最減速側へ
の変速速度が高められ、確実に最大変速比が得られる利
点がある。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0009】図1は、本発明の一実施例の制御装置が適
用される車両の動力伝達装置の一例である横置トランス
アクスルの骨子図であり、図2はその制御装置の構成例
を示すブロック線図である。図1において、エンジン1
0の動力は、ロックアップクラッチ付フルードカップリ
ング12、前後進切換装置14、ベルト式無段変速機
(以下、CVTという)16、副変速機18、減速ギヤ
装置20、および差動歯車装置22を経て、駆動軸24
に連結された車輪26へ伝達されるようになっている。
【0010】フルードカップリング12は、エンジン1
0のクランク軸28と接続されているポンプ翼車30
と、そのポンプ翼車30からのオイルにより回転させら
れるタービン翼車32と、そのタービン翼車32に相対
回転不能に連結された出力軸34と、ダンパ36を介し
て出力軸34に設けられたロックアップクラッチ38と
を備えている。上記ポンプ翼車30には油圧ポンプ40
が連結されており、各部の油圧アクチュエータを作動さ
せるための油圧が発生させられるようになっている。上
記フルードカップリング12では、解放側油室46へ作
動油が供給され且つ係合側油室48内の作動油が排出さ
れると、ロックアップクラッチ38が解放され、反対
に、係合側油室48へ作動油が供給され且つ解放側油室
46の作動油が排出されると、ロックアップクラッチ3
8が係合させられて、クランク軸28と出力軸34とが
直結されるようになっている。
【0011】前後進切換装置14は、後述のシフトレバ
ー142の操作位置に従って前進ギヤ段または後進ギヤ
段に択一的に切り換えられるダブルピニオン型の遊星歯
車装置であって、CVT16を挟んで上記フルードカッ
プリング12と反対側に配設されている。フルードカッ
プリング12の出力軸34はCVT16の入力軸58の
軸心を挿通して反対側まで突き出しており、遊星歯車装
置は、その出力軸34に相対回転不能に設けられたサン
ギヤ50と、サンギヤ50と同心に設けられたリングギ
ヤ52と、それ等サンギヤ50およびリングギヤ52の
一方および他方と噛み合い且つ互いに噛み合う一対の遊
星ギヤ54および56と、それ等の遊星ギヤ54および
56を回転可能に支持するとともにCVT16の入力軸
58に相対回転不能に連結されたキャリア60とを備え
ている。上記サンギヤ50とキャリア60との間には多
板式の前進クラッチC1が設けられているとともに、リ
ングギヤ52とハウジング64との間には多板式の後進
ブレーキB1が設けられており、ハウジング64内の前
進用油圧アクチュエータ42および後進用油圧アクチュ
エータ44によってそれぞれ係合制御されるようになっ
ている。後進ブレーキB1が解放された状態において前
進クラッチC1が係合させられると、出力軸34とキャ
リア60とが相対回転不能に連結されて入力軸58が出
力軸34と一体的に回転させられ、前進クラッチC1が
解放されるとともに後進ブレーキB1が係合させられる
と、リングギヤ52の回転が阻止されるためキャリア6
0更には入力軸58が出力軸34と反対方向、すなわち
車両を後進させる方向へ変速比γFRで減速回転させられ
る。
【0012】CVT16は、上記入力軸58およびそれ
と平行な出力軸70を備えており、それ等の入力軸5
8、出力軸70には駆動側可変プーリ72、従動側可変
プーリ74がそれぞれ設けられているとともに、それら
の可変プーリ72、74間には伝動ベルト76が巻き掛
けられている。可変プーリ72および74は、入力軸5
8および出力軸70にそれぞれ固定された固定回転体7
8および80と、入力軸58および出力軸70にそれぞ
れ軸心方向の移動可能且つ軸まわりの相対回転不能に設
けられた可動回転体82および84とから成り、可動回
転体82および84がそれぞれその背面側に配設された
油圧アクチュエータ86および88によって軸心方向へ
移動させられることによりV溝幅、すなわち伝動ベルト
76の掛り径(有効径)が変化させられて、CVT16
の変速比γCVT (=入力軸58の回転速度Nin/出力軸
70の回転速度Nout )が変更されるようになってい
る。
【0013】副変速機18はシングルピニオン型の遊星
歯車装置にて構成されており、出力軸70と同心まわり
の回転可能に配設されたサンギヤ90と、出力軸70に
相対回転不能に連結されたリングギヤ92と、それ等の
サンギヤ90およびリングギヤ92と噛み合わされた遊
星ギヤ94と、その遊星ギヤ94を回転可能に支持する
とともに第2出力軸96に相対回転不能に連結されたキ
ャリア98とを備えている。上記サンギヤ90とキャリ
ア98との間には多板式の高速段用クラッチC2が設け
られているとともに、サンギヤ90とハウジング64と
の間には一方向クラッチ102および多板式の低速段用
ブレーキB2が直列に設けられている。高速段用クラッ
チC2および低速段用ブレーキB2はそれぞれ高速段用
油圧アクチュエータ106および低速段用油圧アクチュ
エータ108によって係合制御されるようになってい
る。低速段用ブレーキB2が係合させられることにより
成立させられた低速ギヤ段において、一方向クラッチ1
02は、正トルク駆動状態ではサンギヤ90のリングギ
ヤ92と反対方向の回転を阻止するが、負トルク駆動
(エンジンブレーキ)状態では、そのリングギヤ92と
同じ方向への回転を許容して駆動輪26の回転力をエン
ジン10側へ伝達する動力伝達経路を解放するものであ
る。したがって、高速段用クラッチC2が解放されると
ともに低速段用ブレーキB2が係合されると、低速ギヤ
段が成立させられる。この状態では、CVT16の出力
軸70が車両を前進させる方向へ回転させられると、キ
ャリア98および第2出力軸96は出力軸70の回転方
向と同じ方向へ、変速比γATで減速回転させられる。逆
に、低速段用ブレーキB2が解放されるとともに高速段
用クラッチC2が係合されると、高速ギヤ段が成立させ
られる。この状態では、サンギヤ90とキャリア98と
が相対回転不能に連結されるため、かかる遊星歯車装置
は一体回転させられるようになり、第2出力軸96は変
速比γAT=1で出力軸70と同じ方向へ回転させられ
る。なお、前進時には低速段用ブレーキB2を係合させ
たまま高速段用クラッチC2を係合させることによって
も変速段を切り換えることができる。
【0014】上記第2出力軸96には第1歯車110が
設けられており、中間軸112に設けられた第2歯車1
14と噛み合わされている。中間軸112は、第2出力
軸96の軸心bと平行な軸心cまわりの回転可能に配設
されているとともに、差動歯車装置22の大径歯車11
6と噛み合わされた第3歯車118を備えている。第2
歯車114は第1歯車110よりも大径で、第3歯車1
18は第2歯車114よりも小径であり、これ等の第1
歯車110、第2歯車114、および第3歯車118に
よって前記減速ギヤ装置20が構成されている。差動歯
車装置22は、駆動軸24と直交する軸まわりに回転可
能に支持され且つ大径歯車116と一体的に回転する一
対の差動小歯車120と、その差動小歯車120と噛み
合い且つ駆動軸24に連結された一対の差動大歯車12
2とを備えている。したがって、減速ギヤ装置20から
伝達された動力は、差動歯車装置22において左右の駆
動軸24へ均等に分配された後、左右の前輪(駆動輪)
26へ伝達される。
【0015】図2において、エンジン10の図示しない
吸気配管に設けられたスロットルセンサ130は、スロ
ットル弁開度θthを表す信号を電子制御装置132へ供
給する。また、たとえばイグナイタなどに設けられたエ
ンジン回転センサ134は、エンジン10の回転速度N
e を表す信号を電子制御装置132へ供給する。また、
ハウジング64に設けられた入力軸回転センサ136お
よび出力軸回転センサ138は、CVT16の入力軸5
8の回転速度Ninおよび出力軸70の回転速度Nout
表す信号を電子制御装置132へそれぞれ供給する。ま
た、駆動軸24、すなわち前輪26の回転を検出するた
めにハウジング64に設けられた車速センサ140は、
車速SPDに対応する信号を電子制御装置132へ供給
する。さらに、操作位置センサ144はシフトレバー1
42の操作位置Ps を表す信号を電子制御装置132へ
供給する。
【0016】電子制御装置132は、CPU146、R
AM148、ROM150、および図示しないインター
フェースなどからなる所謂マイクロコンピュータを備え
ており、上記CPU146は、RAM148の一時記憶
機能を利用しつつ予めROM150に記憶されたプログ
ラムに従って上記入力信号を処理し、CVT16の変速
比制御のために第1電磁弁152、第2電磁弁154を
駆動し、フルードカップリング12のロックアップクラ
ッチ38の係合制御のために第3電磁弁156、第4電
磁弁158を駆動し、伝動ベルト76の張力制御圧P
beltの制御のために第5電磁弁160を駆動し、副変速
機18の変速段切換制御のために第6電磁弁162を駆
動する。
【0017】図3は、電子制御装置102および油圧制
御回路170により、シフトレバー142の操作位置に
関連して制御される前進クラッチC1、後進ブレーキB
1、高速段用クラッチC2、低速段用ブレーキB2の作
動状態と、変速段との関係を示している。図において、
シフトレバー142がN(ニュートラル)レンジに操作
されると、副変速機18の高速段用クラッチC2が係合
される。
【0018】図4は、油圧制御回路170の要部を示し
ている。図において、油圧ポンプ40により第1ライン
油路172を介して圧送された作動油は、第1調圧弁1
74により第1ライン圧PL1に調圧され、この第1ライ
ン圧PL1は、車速圧発生弁176、第5電磁弁160、
ガバナ弁178、および図示しない変速制御弁などに供
給される。車速圧発生弁176は、ガバナ弁178の出
力圧PG に基づき、車速Vが増大するほど小さくなる車
速圧PV を発生させる。そして、車速圧発生弁176か
らの車速圧PV は第2ライン圧PL2を調圧する第2調圧
弁180にその元圧として供給される。この第2ライン
圧PL2は、伝動ベルト76の張力を必要かつ充分な値に
制御するために従動側可変プーリ74のV溝幅を変更す
る油圧アクチュエータ88へ供給される。したがって、
本実施例では、第2ライン圧PL2が張力制御圧に対応
し、第2調圧弁180が張力制御圧調圧弁として機能し
ている。
【0019】上記第1調圧弁174は、リリーフ弁形式
の調圧弁であって、第1ライン油路172内の作動油の
戻し油路182への逃がし量を制御するスプール弁子1
84と、そのスプール弁子184を開弁方向へ付勢する
ために第1ライン圧PL1を受け入れるのフィードバック
油室186と、駆動側油圧アクチュエータ86内の油圧
inおよび第2ライン圧PL2のうちの高い側の油圧に基
づいてスプール弁子184を閉弁方向へ付勢するため
に、第2ライン圧PL2および油圧Pinをそれぞれ受け入
れる第1油室188および第2油室190を形成する第
1プランジャ192および第2プランジャ194と、ス
プール弁子184を閉弁方向へ付勢するためのスプリン
グ196とを備え、第2ライン圧PL2および油圧Pin
うちのいずれか高い側の油圧よりも所定圧高くなるよう
に第1ライン圧PL1を調圧する。
【0020】前記ガバナ弁178は、車輪26とともに
回転する部材たとえば第2出力軸96に作動的に連結さ
れることにより車速Vに伴って増加する出力圧PG を発
生するよく知られたものであり、軸まわりに回転させら
れる複数個のウエイト200と、このウエイト200の
拡開によって軸方向に移動させられることにより出力圧
G を変化させる弁子202とを備えている。
【0021】前記車速圧発生弁176は、本実施例の車
速圧発生手段として機能する減圧弁形式の調圧弁であっ
て、第1ランド204およびそれよりも小径の第2ラン
ド206を有して第1ライン圧PL1が供給される入力ポ
ート208と車速圧PV を出力する出力ポート210と
の間を開閉するスプール弁子212と、そのスプール弁
子212を閉弁方向へ付勢するために車速圧PV を受け
入れるフィードバック油室214と、スプール弁子21
2を閉弁方向へ付勢するために前記ガバナ弁176の出
力圧PG を受け入れる制御油室216と、スプール弁子
212を閉弁方向へ付勢するためのスプリング218と
を備えている。上記第1ランド204の受圧面積を
1 、第2ランド206の受圧面積をA2 、スプリング
218の荷重をW1 とすると、車速圧PV は数式1に従
って発生させられる。すなわち、車速圧PV は、図5に
示すように、車速Vとともに増加するガバナ弁176の
出力圧PG の増加に伴って減少するように調圧される。
そして、このようにして発生させられた車速圧PV は、
車速圧供給手段として機能する油路219を介して第2
調圧弁180の入力ポート236へ元圧として供給され
る。
【0022】
【数1】PV =(W1 −A2 ・PG )/A1
【0023】前記第5電磁弁160は、電子制御装置1
32からの電気信号に従って作動する所謂リニアソレノ
イド弁であって、電子制御装置132において演算され
た変速比γCVT (=入力軸58の回転速度Nin/出力軸
70の回転速度Nout )を主として表す変速比圧Pr
出力する。すなわち、この第5電磁弁160は、第1ラ
イン圧PL1が供給される入力ポート220と変速比圧P
r を出力する出力ポート222との間を開閉するスプー
ル弁子224と、このスプール弁子224を閉弁方向に
付勢するために変速比圧Pr を受け入れるフィードバッ
ク油室226と、スプール弁子224を閉弁方向に付勢
するスプリング228と、スプール弁子224を開弁方
向に付勢するリニアソレノイド230とを備えており、
変速比γが大きくなるに伴って圧力が小さくなる変速比
圧Pr を出力する。また、リニアソレノイド230の断
線などの故障が発生すると、スプリング228の付勢力
に従ってスプール弁子224が閉弁されて変速比圧Pr
は零となる。本実施例では、この第5電磁弁160が電
磁式変速比圧発生弁として機能している。
【0024】前記第2調圧弁180は、第1ランド23
2およびそれよりも小径の第2ランド234を有して車
速圧PV が供給される入力ポート236と第2ライン圧
L2を出力する出力ポート238との間を開閉するスプ
ール弁子240と、そのスプール弁子240を閉弁方向
に付勢するために第2ライン圧PL2を受け入れるフィー
ドバック油室242と、スプール弁子240を閉弁方向
に付勢するために変速比圧Pr を受け入れる油室244
と、スプール弁子240を開弁方向に付勢するスプリン
グ246と、スプール弁子240を開弁方向に付勢する
ために図示しないスロットル開度検知弁から出力される
スロットル圧Pthを受け入れる油室248を形成するプ
ランジャ250とを備えている。これにより上記第1ラ
ンド232の受圧面積をA3 、第2ランド234の受圧
面積をA4 、プランジャ250の受圧面積をA5 、スプ
リング246の荷重をW2 とすると、第2ライン圧PL2
は、数式2に従って調圧される。すなわち、第2ライン
圧PL2は、変速比圧Pr の減少に伴って換言すれば変速
比γの増加に伴って増加するように調圧される。
【0025】
【数2】 PL2=(W2 +A5 ・Pth−A4 ・Pr )/A3
【0026】上述のように、本実施例によれば、車速圧
発生弁176により発生させられた、車速Vの増大に伴
って減少する車速圧PV が、油路219により元圧とし
て第2調圧弁180に供給される。このため、たとえば
第5電磁弁160の断線のような故障時において、第2
調圧弁180により調圧される第2ライン圧PL2が最大
とされても、その第2ライン圧PL2は元圧である車速圧
V を超えることができず、それに等しくなる。この結
果、変速比γが増速側の小さい値である高車速時では第
2ライン圧PL2が低く制限されるので、余裕圧も小さく
なる。反対に、変速比γが減速側の大きい値である低車
速時では第2ライン圧PL2も高い値で制限されるので、
余裕圧も大きくなる。したがって、第5電磁弁160の
断線のような故障時においては、不要に余裕圧が過大と
なることがなく、伝動ベルト76の負荷を低くできて耐
久性が高められる。また、車両の急停止に際しては、車
速Vの低下により余裕圧が大きく形成されるので、CV
T16の最減速側への変速速度が高められ、確実に最大
変速比が得られる利点がある。さらに、本実施例では、
車速圧PV を発生させる車速圧発生弁176がメカニカ
ルに構成されているので、第5電磁弁160を制御する
ために電気信号を出力する電子制御装置132が故障し
た場合でも、車速圧PV が車速に応じて減少するため、
伝動ベルト76に過大な負荷が加えられることが防止さ
れる利点がある。
【0027】因に、図6では、高車速VH で走行中にお
ける第2ライン圧PL2(張力制御圧)の理論値(そのと
きのエンジン10の出力トルクを伝動ベルト76の滑り
を発生させないで伝動するための理論式から導かれる
値)が実線で示されるとともに、その時に第5電磁弁1
60が断線したときに出力される第2ライン圧PL2が1
点鎖線で示されている。また、図7では、低車速VL
走行中における第2ライン圧PL2(張力制御圧)の理論
値が実線で示されるとともに、その時に第5電磁弁16
0が断線したときに出力される第2ライン圧PL2が1点
鎖線で示されている。図6に示すように、スロットル弁
開度θthが100%であってエンジン回転速度(入力軸
回転速度)Ninが6000r.p.m.である高速走行時でも
余裕圧PMHが所定量存在し、図7に示すように、低速走
行であっても、余裕圧PMLが比較的小さく、図5の1点
鎖線で示されている理論値に対して、領域Aで示されて
いるように、各車速毎に適切な余裕圧が存在するのであ
る。
【0028】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0029】たとえば、前述の実施例において、第5電
磁弁160は、変速比γが大きくなるほど小さくなる変
速比圧Pr が出力されるように構成されていたが、反対
に、変速比γが大きくなるほど増加する変速比圧Pr
出力されるように構成されてもよい。このような場合に
は、第2調圧弁180において、変速比圧Pr を受け入
れる油室244がスプール弁子240を開弁する方向の
推力が発生する側に配置される。
【0030】また、前述の実施例では、車速Vとともに
増加するガバナ弁178の出力圧PG を、車速Vの増加
とともに減少する車速圧PV に変換するために車速圧発
生弁176が設けられているけれども、ガバナ弁178
が車速Vの増加とともに減少する出力圧PG を発生させ
るように構成されている場合には、車速圧発生弁176
が不要となるとともに、そのガバナ弁178が車速圧発
生手段として機能することになる。
【0031】また、前述の実施例では、第2調圧弁18
0により調圧された第2ライン圧PL2が従動側油圧シリ
ンダ88に常時且つ直接に作用される形式の油圧制御回
路であったが、たとえば、特開平1−229145号、
特開平3−48061号公報に記載されているように、
変速制御弁を介して関節的に従動側油圧シリンダへ作用
させられる形式であってもよいのである。
【0032】また、前述の実施例では、第2調圧弁18
0の油室248に作用されるエンジン負荷圧としてスロ
ットル圧Pthが用いられていたが、アクセルペダルの操
作量、燃料噴射量、吸入空気量などを表す圧が用いられ
てもよい。要するに、エンジン10の負荷を表す圧であ
ればよいのである。
【0033】また、前述の実施例では、副変速機18が
CVT16に設けられていたが、その副変速機18が除
去されていても差支えない。
【0034】また、前述の実施例では、車速圧PV を発
生させる車速圧発生弁176とガバナ弁178がメカニ
カルに構成されているが、その車速圧PV は電子制御装
置132からの指令に基づいて作動するリニアソレノイ
ド弁により発生させられてもよい。
【0035】また、前述の実施例の第2調圧弁180
は、そのスプール弁子240を閉弁に付勢する位置に油
室244が設けられていたが、この油室244は開弁方
向に付勢する位置に設けられてもよい。この場合には、
第5電磁弁160の出力特性は、その駆動電流に対して
逆とされる。
【0036】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された動力伝達装置の一例を示す
骨子図である。
【図2】図1の実施例の制御構成を説明するブロック線
図である。
【図3】図2の電子制御装置および油圧制御回路によっ
て制御される、シフトレバーの操作位置およびギヤ段と
各摩擦係合装置および第6電磁弁の作動状態との関係を
説明する図表である。
【図4】図2の油圧制御回路の要部を説明する回路図で
ある。
【図5】第5電磁弁の断線等の故障時において、図4の
油圧制御回路の作動により形成される余裕圧を各車速に
わたって示す図である。
【図6】高車速時における理論圧と、第5電磁弁の断線
等の故障時における第2ライン油圧との関係を示す図で
ある。
【図7】低車速時における理論圧と、第5電磁弁の断線
等の故障時における第2ライン油圧との関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
10:エンジン 16:ベルト式無段変速機 72,74:可変プーリ(一対のプーリ) 76:伝動ベルト 160:第5電磁弁(電磁式変速比圧発生弁) 176:車速圧発生弁(車速圧発生手段) 180:第2調圧弁(張力制御圧調圧弁) 219:油路(車速圧供給手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝動ベルトが巻き掛けられた一対のプー
    リの有効径が変化させられることにより変速比が連続的
    に変化させられる車両用ベルト式無段変速機において、
    エンジンの負荷に対応するエンジン負荷圧と該ベルト式
    無段変速機の変速比に対応する変速比圧とに基づいて、
    前記伝動ベルトの張力を制御するための張力制御圧を調
    圧する張力制御圧調圧弁と、電気信号に従って前記変速
    比圧を発生させる電磁式変速比圧発生弁とを備えた油圧
    制御装置であって、 車速の増大に伴って減少する車速圧を発生させる車速圧
    発生手段と、 該車速圧を前記張力制御圧調圧弁にその元圧として供給
    する車速圧供給手段とを含むことを特徴とする車両用ベ
    ルト式無段変速機の油圧制御装置。
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