JP2692479B2 - 車両用自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の油圧制御装置

Info

Publication number
JP2692479B2
JP2692479B2 JP4027233A JP2723392A JP2692479B2 JP 2692479 B2 JP2692479 B2 JP 2692479B2 JP 4027233 A JP4027233 A JP 4027233A JP 2723392 A JP2723392 A JP 2723392A JP 2692479 B2 JP2692479 B2 JP 2692479B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
hydraulic
valve
port
engagement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4027233A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05196133A (ja
Inventor
信幸 加藤
勇仁 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP4027233A priority Critical patent/JP2692479B2/ja
Publication of JPH05196133A publication Critical patent/JPH05196133A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2692479B2 publication Critical patent/JP2692479B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数の油圧式摩擦係合装
置により2速段以上の変速段の成立が可能とされる車両
用自動変速機の油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧式低速段用摩擦係合装置および油圧
式高速段用摩擦係合装置を有する車両用自動変速機にお
いて、たとえば特公昭58−29420号公報に記載さ
れているように、低速段用油圧アクチュエータおよび高
速段用油圧アクチュエータに対する係合作動油圧の供給
または排出を制御することにより、油圧式低速段用摩擦
係合装置を係合させ且つ油圧式高速段用摩擦係合装置を
解放させて低速ギヤ段を成立させる一方、油圧式高速段
用摩擦係合装置を係合させ且つ油圧式低速段用摩擦係合
装置を解放させて高速ギヤ段を成立させることによっ
て、少なくとも2速段の変速段を達成させる形式の油圧
制御装置がある。そしてこのような油圧制御装置とし
て、低速段用油圧アクチュエータおよび高速段用油圧ア
クチュエータに対する係合作動油圧を制御するための制
御弁をそれぞれ独立に設け、これら制御弁を2つの電磁
弁から出力される2種類の信号圧により制御するように
したものが知られている。例えば特開昭63−8344
2号公報に記載されているものがそれである。このよう
な油圧制御装置によれば、2つの制御弁が2種類の信号
圧により独立して作動させられるため、変速ショックの
発生およびエンジンの吹上がり現象を好適に解消するよ
うに、低速段用摩擦係合装置および高速段用摩擦係合装
置のうちの一方の係合または解放に続く他方の解放また
は係合を微妙にタイミング制御することが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のよ
うに制御弁毎に電磁弁を設けた場合には、電磁弁が複数
となって油圧回路が複雑且つ高価となるとともに、断線
などの故障の発生する確率が高くなり、耐久性の面でも
好ましくない。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、低速段用摩擦係
合装置および高速段用摩擦係合装置が独立した制御弁に
より個々に制御される場合でも、油圧回路を複雑或いは
高価とすることなく、また油圧回路の耐久性を損なうこ
となく、ギヤ段の切換えが滑らかに行われる車両用自動
変速機の油圧制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、油圧式低速段用摩擦
係合装置および油圧式高速段用摩擦係合装置を有する車
両用自動変速機において、低速段用油圧アクチュエータ
および高速段用油圧アクチュエータに対する係合作動油
圧の供給または排出を制御することにより、それら油圧
式低速段用摩擦係合装置の係合および油圧式高速段用摩
擦係合装置の解放により成立させられる低速ギヤ段、ま
たは油圧式高速段用摩擦係合装置の係合および油圧式低
速段用摩擦係合装置の解放により成立させられる高速ギ
ヤ段の2速段の変速段を達成させる形式の油圧制御装置
であって、(a) 切換指令信号に従って信号圧を発生する
電磁式信号圧発生弁と、(b) 前記低速段用油圧アクチュ
エータ内に係合作動油圧を供給する供給位置と低速段用
油圧アクチュエータ内の係合作動油圧を排出する排出位
置との2位置に切り換えられる弁子と、その弁子を上記
2位置に切り換えるために、前記信号圧を受け入れる信
号圧ポートと前記高速段用油圧アクチュエータ内の係合
作動油圧を受け入れる高速段用作動圧ポートとを備え、
前記弁子が上記信号圧に基づいて供給位置に切り換えら
れるとともに、上記高速段用油圧アクチュエータ内の係
合作動油圧が所定の値を超えたことを以て排出位置に切
り換えられる低速段用摩擦係合装置制御弁と、(c) 前記
高速段用油圧アクチュエータ内に係合作動油圧を供給す
る供給位置と高速段用油圧アクチュエータ内の係合作動
油圧を排出する排出位置との2位置に切り換えられる弁
子と、その弁子を上記2位置に切り換えるために、前記
信号圧を受け入れる信号圧ポートと前記低速段用油圧ア
クチュエータ内の係合作動油圧を受け入れる低速段用作
動圧ポートとを備え、前記弁子が上記信号圧に基づいて
供給位置に切り換えられるとともに、上記低速段用油圧
アクチュエータ内の係合作動油圧が所定の値を超えたこ
とを以て排出位置に切り換えられる高速段用摩擦係合装
置制御弁とを、含むことにある。
【0006】
【作用】このようにすれば、低速ギヤ段を成立させるた
めの切換指令信号が出力された場合には、電磁式信号圧
発生弁からの信号圧に基づいて低速段用摩擦係合装置制
御弁の弁子が供給位置に位置させられる一方、高速段用
摩擦係合装置制御弁の弁子は、上記低速段用摩擦係合装
置制御弁の供給位置への切換えに応答して上昇を開始す
る低速段用油圧アクチュエータ内の係合作動油圧が所定
の値に到達したことを以て排出位置へ切り換えられる。
反対に、高速ギヤ段を成立させるための切換指令信号が
出力された場合には、電磁式信号圧発生弁からの信号圧
に基づいて高速段用摩擦係合装置制御弁の弁子が供給位
置に位置させられる一方、低速段用摩擦係合装置制御弁
の弁子は、上記高速段用摩擦係合装置制御弁の供給位置
への切換えに応答して上昇を開始する高速段用油圧アク
チュエータ内の係合作動油圧が所定の値に到達したこと
を以て排出位置へ切り換えられる。このように、電磁式
信号圧発生弁からの信号圧に応答してまず一方の摩擦係
合装置制御弁のみが切り換えられ、その一方の摩擦係合
装置制御弁に対応する油圧式摩擦係合装置を所定の係合
状態とするまで上昇させられた油圧アクチュエータ内の
係合作動油圧により他方の摩擦係合装置の解放が開始さ
れるため、一方の摩擦係合装置の係合に続いて他方の摩
擦係合装置が好適なタイミングで解放される。
【0007】
【発明の効果】すなわち、本発明の油圧制御装置では、
低速段用摩擦係合装置制御弁を切り換えるための切換用
信号圧として電磁式信号圧発生弁からの信号圧および高
速段用油圧アクチュエータ内の係合作動油圧が使用され
るとともに、高速段用摩擦係合装置制御弁を切り換える
ための切換用信号圧として上記信号圧および低速段用油
圧アクチュエータ内の係合作動油圧が使用されている。
このため、2つの制御弁を作動させるための電磁弁が1
つで済むこととなり、油圧回路を複雑或いは高価とする
ことなく、また油圧回路の耐久性を損なうことなくギヤ
段の切換えが滑らかに行われる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0009】図1は、本発明の一実施例の制御装置が適
用されるFF車両用横置トランスアクスルの骨子図であ
り、図2はその制御装置の構成例を示すブロック線図で
ある。図1において、エンジン10の動力は、ロックア
ップクラッチ付フルードカップリング12、前後進切換
装置14、ベルト式無段変速機(以下、CVTという)
16、副変速機18、減速ギヤ装置20、および差動歯
車装置22を経て、駆動軸24に連結された車輪26へ
伝達されるようになっている。
【0010】フルードカップリング12は、エンジン1
0のクランク軸28と接続されているポンプ翼車30
と、そのポンプ翼車30からのオイルにより回転させら
れるタービン翼車32と、そのタービン翼車32に相対
回転不能に連結された出力軸34と、ダンパ36を介し
て出力軸34に設けられたロックアップクラッチ38と
を備えている。上記ポンプ翼車30には油圧ポンプ40
が連結されており、各部の油圧アクチュエータを作動さ
せるための油圧が発生させられるようになっている。上
記フルードカップリング12では、解放側油室46へ作
動油が供給され且つ係合側油室48内の作動油が排出さ
れると、ロックアップクラッチ38が解放され、反対
に、係合側油室48へ作動油が供給され且つ解放側油室
46の作動油が排出されると、ロックアップクラッチ3
8が係合させられて、クランク軸28と出力軸34とが
直結されるようになっている。
【0011】前後進切換装置14は、後述のシフトレバ
ー142の操作位置に従って前進ギヤ段または後進ギヤ
段に択一的に切り換えられるダブルピニオン型の遊星歯
車装置であって、CVT16を挟んで上記フルードカッ
プリング12と反対側に配設されている。フルードカッ
プリング12の出力軸34はCVT16の入力軸58の
軸心を挿通して反対側まで突き出しており、遊星歯車装
置は、その出力軸34に相対回転不能に設けられたサン
ギヤ50と、サンギヤ50と同心に設けられたリングギ
ヤ52と、それ等サンギヤ50およびリングギヤ52の
一方および他方と噛み合い且つ互いに噛み合う一対の遊
星ギヤ54および56と、それ等の遊星ギヤ54および
56を回転可能に支持するとともにCVT16の入力軸
58に相対回転不能に連結されたキャリア60とを備え
ている。上記サンギヤ50とキャリア60との間には多
板式の前進クラッチC1が設けられているとともに、リ
ングギヤ52とハウジング64との間には多板式の後進
ブレーキB1が設けられており、ハウジング64内の前
進用油圧アクチュエータ42および後進用油圧アクチュ
エータ44によってそれぞれ係合制御されるようになっ
ている。後進ブレーキB1が解放された状態において前
進クラッチC1が係合させられると、出力軸34とキャ
リア60とが相対回転不能に連結されて入力軸58が出
力軸34と一体的に回転させられ、前進クラッチC1が
解放されるとともに後進ブレーキB1が係合させられる
と、リングギヤ52の回転が阻止されるためキャリア6
0更には入力軸58が出力軸34と反対方向、すなわち
車両を後進させる方向へ変速比γFR(=出力軸34の回
転速度/入力軸58の回転速度)=−1+(リングギヤ
52の歯数ZR /サンギヤ50の歯数ZS )で減速回転
させられる。
【0012】CVT16は、上記入力軸58およびそれ
と平行な出力軸70を備えており、それ等の入力軸5
8、出力軸70には駆動側可変プーリ72、従動側可変
プーリ74がそれぞれ設けられているとともに、それら
の可変プーリ72、74間には伝動ベルト76が巻き掛
けられている。可変プーリ72および74は、入力軸5
8および出力軸70にそれぞれ固定された固定回転体7
8および80と、入力軸58および出力軸70にそれぞ
れ軸心方向の移動可能且つ軸まわりの相対回転不能に設
けられた可動回転体82および84とから成り、可動回
転体82および84がそれぞれその背面側に配設された
油圧アクチュエータ86および88によって軸心方向へ
移動させられることによりV溝幅、すなわち伝動ベルト
76の掛り径(有効径)が変化させられて、CVT16
の変速比γCVT (=入力軸58の回転速度Nin/出力軸
70の回転速度Nout )が変更されるようになってい
る。
【0013】副変速機18はシングルピニオン型の遊星
歯車装置にて構成されており、出力軸70と同心まわり
の回転可能に配設されたサンギヤ90と、出力軸70に
相対回転不能に連結されたリングギヤ92と、それ等の
サンギヤ90およびリングギヤ92と噛み合わされた遊
星ギヤ94と、その遊星ギヤ94を回転可能に支持する
とともに第2出力軸96に相対回転不能に連結されたキ
ャリア98とを備えている。上記サンギヤ90とキャリ
ア98との間には多板式の高速段用クラッチC2が設け
られているとともに、サンギヤ90とハウジング64と
の間には一方向クラッチ102および多板式の低速段用
ブレーキB2が直列に設けられている。高速段用クラッ
チC2および低速段用ブレーキB2はそれぞれ高速段用
油圧アクチュエータ106および低速段用油圧アクチュ
エータ108によって係合制御されるようになってい
る。低速段用ブレーキB2が係合させられることにより
成立させられた低速ギヤ段において、一方向クラッチ1
02は、正トルク駆動状態ではサンギヤ90のリングギ
ヤ92と反対方向の回転を阻止するが、負トルク駆動
(エンジンブレーキ)状態では、そのリングギヤ92と
同じ方向への回転を許容して駆動輪26の回転力をエン
ジン10側へ伝達する動力伝達経路を解放するものであ
る。したがって、高速段用クラッチC2が解放されると
ともに低速段用ブレーキB2が係合されると、低速ギヤ
段が成立させられる。この状態では、CVT16の出力
軸70が車両を前進させる方向へ回転させられると、キ
ャリア98および第2出力軸96は出力軸70の回転方
向と同じ方向へ、変速比γAT(=出力軸70の回転速度
/第2出力軸96の回転速度)=1+(サンギヤ90の
歯数ZS /リングギヤ92の歯数ZR )で減速回転させ
られる。逆に、低速段用ブレーキB2が解放されるとと
もに高速段用クラッチC2が係合されると、高速ギヤ段
が成立させられる。この状態では、サンギヤ90とキャ
リア98とが相対回転不能に連結されるため、かかる遊
星歯車装置は一体回転させられるようになり、第2出力
軸96は変速比γAT=1で出力軸70と同じ方向へ回転
させられる。なお、前進時には低速段用ブレーキB2を
係合させたまま高速段用クラッチC2を係合させること
によっても変速段を切り換えることができる。
【0014】上記第2出力軸96には第1歯車110が
設けられており、中間軸112に設けられた第2歯車1
14と噛み合わされている。中間軸112は、第2出力
軸96の軸心bと平行な軸心cまわりの回転可能に配設
されているとともに、差動歯車装置22の大径歯車11
6と噛み合わされた第3歯車118を備えている。第2
歯車114は第1歯車110よりも大径で、第3歯車1
18は第2歯車114よりも小径であり、これ等の第1
歯車110、第2歯車114、および第3歯車118に
よって前記減速ギヤ装置20が構成されている。差動歯
車装置22は、駆動軸24と直交する軸まわりに回転可
能に支持され且つ大径歯車116と一体的に回転する一
対の差動小歯車120と、その差動小歯車120と噛み
合い且つ駆動軸24に連結された一対の差動大歯車12
2とを備えている。したがって、減速ギヤ装置20から
伝達された動力は、差動歯車装置22において左右の駆
動軸24へ均等に分配された後、左右の前輪(駆動輪)
26へ伝達される。
【0015】図2において、エンジン10の図示しない
吸気配管に設けられたスロットルセンサ130は、スロ
ットル弁開度θthを表す信号を電子制御装置132へ供
給する。また、たとえばイグナイタなどに設けられたエ
ンジン回転センサ134は、エンジン10の回転速度N
e を表す信号を電子制御装置132へ供給する。また、
ハウジング64に設けられた入力軸回転センサ136お
よび出力軸回転センサ138は、CVT16の入力軸5
8の回転速度Ninおよび出力軸70の回転速度Nout
表す信号を電子制御装置132へそれぞれ供給する。ま
た、駆動軸24、すなわち前輪26の回転を検出するた
めにハウジング64に設けられた車速センサ140は、
車速SPDに対応する信号を電子制御装置132へ供給
する。さらに、操作位置センサ144はシフトレバー1
42の操作位置Ps を表す信号を電子制御装置132へ
供給する。
【0016】電子制御装置132は、CPU146、R
AM148、ROM150、および図示しないインター
フェースなどからなる所謂マイクロコンピュータを備え
ており、CPU146は、RAM148の一時記憶機能
を利用しつつ予めROM150に記憶されたプログラム
に従って上記入力信号を処理し、CVT16の変速比制
御、フルードカップリング12のロックアップクラッチ
38の係合制御、副変速機18の変速段切換制御のため
に、第1電磁弁152、第2電磁弁154、第3電磁弁
156、第4電磁弁158、第5電磁弁160、第6電
磁弁162を駆動する。
【0017】図3は、シフトレバー142の操作位置に
関連して制御される、前進クラッチC1および後進ブレ
ーキB1、高速段用クラッチC2および低速段用ブレー
キB2の作動状態と、変速段との関係を示している。図
において、シフトレバー142がN(ニュートラル)レ
ンジに操作されると、副変速機18の高速段用クラッチ
C2が係合される。なお、Nレンジでは、前後進切換装
置14の前進クラッチC1および後進ブレーキB1が解
放状態であれば、その前後進切換装置14においてCV
T16への動力伝達が遮断されるため、副変速機18の
高速段用クラッチC2および低速段用ブレーキB2の作
動状態は係合でも解放でも差支えないのであるが、前後
進切換装置14においてのみ動力伝達経路が解放される
ように高速段用クラッチC2が係合状態とされるのであ
る。また、NレンジおよびRレンジでは、後述するよう
に第6電磁弁162の作動に拘わらず、作動油が高速段
用油圧アクチュエータ106内に供給される一方低速段
用油圧アクチュエータ108内には供給されないように
なっているため、第6電磁弁162をオフ状態とするこ
とによっても高速段用クラッチC2が係合状態とされ且
つ低速段用ブレーキB2が解放状態とされ得る。
【0018】図2の油圧制御回路170は、たとえば図
4、図5、図6、図7にそれぞれ分割して示すように構
成されている。図4乃至図7において、前記油圧ポンプ
40は、油圧制御回路170の油圧源を構成している。
油圧ポンプ40は図示しないオイルタンク内へ還流した
作動油をストレーナ174を介して吸入する一方、戻し
油路176を介して戻された作動油を吸入して一次油路
178へ圧送する。一次油路178内の作動油はリリー
フ型式の一次調圧弁180によって上記戻し油路176
およびクラッチ圧油路182へ漏出させられることによ
り、一次油路178内の一次ライン油圧Pr1が調圧され
るようになっている。なお、184は、上記一次ライン
油圧Pr1の過昇圧を防止するためのリリーフ弁である。
【0019】上記一次調圧弁180は、スプール弁子1
90、スプリングシート192を介してスプール弁子1
90に閉弁方向の付勢力を付与するリターンスプリング
194、スプール弁子190に当接する第1プランジャ
196、およびその第1プランジャ196に当接しそれ
と同径の第2プランジャ198を備えている。スプール
弁子190は、一次油路178に連通するポート200
aと戻し油路176に連通するドレンポート200bお
よびクラッチ圧油路182に連通する200cとの間を
開閉するものである。そのスプール弁子190は、第1
ランド202と、それよりも大径の第2ランド204
と、その第1ランド202の端面にフィードバック圧を
作用させるための油室206とを備えており、第1ラン
ド202と第2ランド204との間の油室208は大気
に開放されている。その油室206には、フィードバッ
ク圧としての一次ライン油圧Pr1が絞り210を介して
作用させられ、スプール弁子190が開弁方向へ付勢さ
れるようになっている。スプール弁子190と同軸に設
けられた第1プランジャ196と第2プランジャ198
との間には、一次側油圧アクチュエータ86内の油圧P
inを分岐油路210を介して導くための油室212が設
けられており、さらに第2プランジャ198の端面には
張力制御圧Pbeltを導くための油室214が設けられて
いる。スプール弁子190の第1ランド202の受圧面
積をA1 、第1プランジャ196および第2プランジャ
198の断面積をA3 、前記リターンスプリング194
の付勢力をWとすると、スプール弁子190は数式1が
成立する位置において平衡させられて一次ライン油圧P
r1が調圧される。そして、この一次ライン油圧Pr1は、
スロットル圧Pthを調圧するスロットル弁開度検知弁2
20、各電磁弁に供給されるバルブ圧Pv を調圧するバ
ルブ圧調圧弁222、張力制御圧を調圧する張力制御圧
調圧弁224、前進クラッチC1や後進ブレーキB1を
係合作動させるための係合作動油圧Pbcを調圧する係合
作動油圧調圧弁226へそれぞれ供給される。
【0020】
【数1】Pr1=〔(Pin or Pbelt)・A3+W /A1
【0021】上記一次調圧弁180においては、一次側
油圧アクチュエータ86内の油圧Pinが張力制御圧P
belt(定常状態ではPbelt=二次側油圧アクチュエータ
88内の油圧Pout )よりも高い場合には、第1プラン
ジャ196と第2プランジャ198との間が離間して上
記一次側油圧アクチュエータ内油圧Pinによる推力がス
プール弁子190の閉弁方向に作用するが、一次側油圧
アクチュエータ内油圧Pinが張力制御圧Pbeltよりも低
い場合には、第1プランジャ196に第2プランジャ1
98が当接することから、上記第2プランジャ198の
端面に作用している張力制御圧Pbeltによる推力がスプ
ール弁子190の閉弁方向に作用する。すなわち、一次
側油圧アクチュエータ内油圧Pinと張力制御圧Pbelt
のいずれか高い方の油圧に基づく推力がスプール弁子1
90の閉弁方向に作用させられるのである。これによ
り、一次ライン油圧Pr1は、一次側油圧アクチュエータ
内油圧Pinと張力制御圧Pbeltとのいずれか高い方の油
圧に比例した値に調圧され、油圧を発生させるための動
力損失が可及的に小さくされる。
【0022】前記スロットル弁開度検知弁220は、図
示しないアクセルペダルの操作に伴って回転させられる
スロットル弁と連動するスロットルカム230と、この
スロットルカム230のカム面に係合し、このスロット
ルカム230の回動角度に関連して軸方向位置が変化さ
せられるプランジャ232と、スロットル圧Pthを調圧
するスプール弁子234と、このスプール弁子234を
開弁方向へ付勢するスプリング236とを備えている。
スプール弁子234は、スプリング238を介してプラ
ンジャ232から付与される開弁方向の推力と、上記ス
プリング236の閉弁方向の推力およびフィードバック
圧として作用するスロットル圧Pthに基づいて発生する
閉弁方向の推力とが平衡するように位置させられること
により、一次ライン油圧Pr1を減圧し、スロットル弁開
度θthとともに大きくなるスロットル圧Pthを発生させ
る。
【0023】前記バルブ圧調圧弁222は、スプリング
240から付与される開弁方向の推力とフィードバック
圧として作用するバルブ圧Pv に基づいて発生する閉弁
方向の推力とが平衡するように位置させられるスプール
弁子242を備え、元圧である一次ライン油圧Pr1の変
動に拘わらず、それを減圧して一定のバルブ圧Pv を発
生させる。このバルブ圧Pv は、第3電磁弁156、第
4電磁弁158、第5電磁弁160へそれぞれ供給され
る。上記第3電磁弁156、第4電磁弁158は、バル
ブ圧Pv が供給される入力ポートと、ドレンポートと、
出力ポートとを備え、球状弁子がドレンポートを閉じ且
つ入力ポートおよび出力ポート間を連通させるオン状態
と、球状弁子が入力ポートを閉じ且つドレンポートおよ
び出力ポート間を連通させるオフ状態とに切り換えられ
る3ポート2位置弁である。また、第5電磁弁160
は、スプリング244およびフィードバック圧により閉
弁方向に付勢されるスプール弁子246と、励磁電流に
応じた推力でそのスプール弁子246を開弁方向に付勢
するリニヤソレノイド248とを備え、その励磁電流に
応じて増大する信号圧Plin を発生させるように構成さ
れている。
【0024】前記張力制御圧調圧弁224は、一次ライ
ン油圧Pr1を導く一次油路178と張力制御圧Pbelt
導く張力制御圧油路260との間を開閉するスプール弁
子262、スプリングシート264を介して開弁方向の
付勢力をスプール弁子262に付与するリターンスプリ
ング266、スプール弁子262に当接して開弁方向の
付勢力を付与するプランジャ268を備えている。ま
た、スプール弁子262の軸端には、順に径が大きくな
る第1ランド270、第2ランド272が順次形成され
ている。第1ランド270と第2ランド272との間に
は、フィードバック圧としての張力制御圧Pbeltが絞り
274を通して導入される油室276が設けられてい
る。また、スプール弁子262の第1ランド270端面
側には、前記第5電磁弁160から出力される信号圧P
lin が作用される油室278が設けられており、スプー
ル弁子262が変速比γcvt に基づいて閉弁方向へ付勢
されるようになっている。プランジャ268には、スプ
ール弁子262側から順に径の小さくなる第3ランド2
80および第4ランド282が設けられている。第4ラ
ンド282の端面側にはスロットル圧Pthを作用させる
ための油室284が設けられており、スプール弁子26
2がこのスロットル圧Pthにより開弁方向へ付勢される
ようになっている。また、上記第3ランド280および
第4ランド282の間には、第4電磁弁158から出力
される信号圧Psol4が作用される油室286が設けら
れ、この信号圧Psol4が発生させられた場合には、スプ
ール弁子262が開弁方向へ付勢されて張力制御圧P
beltが所定圧高められるようになっている。したがっ
て、上記第1ランド270の受圧面積をA4 、第2ラン
ド272の断面の面積をA5 、第3ランド280の断面
の面積をA6 、第4ランド282の受圧面積をA7 、リ
ターンスプリング266の付勢力をWとすると、スプー
ル弁子262は数式2が成立する位置において平衡させ
られる。張力制御圧Pbeltは、エンジン10の出力トル
クに対応するスロットル弁開度θthと変速比γcvt とに
基づいて基本的に調圧されることにより、伝動ベルト7
6の張力、すなわち挟圧力が必要かつ充分な値に制御さ
れ、動力損失が低減されるとともに、伝動ベルト76の
耐久性が高められている。
【0025】
【数2】Pbelt=〔A7・Pth+(A6 −A7) Psol4+W −
A4・Plin 〕/(A5−A4)
【0026】前記係合作動油圧調圧弁226は、一次油
路178と係合作動圧油路290との間を開閉するスプ
ール弁子292と、スプリングシート294を介してス
プール弁子292を開弁方向へ付勢するスプリング29
6と、スプール弁子292に当接するプランジャ298
とを備えている。スプール弁子292には、その端部か
ら順に大径となる第1ランド300と第2ランド302
とが設けられており、それら第1ランド300と第2ラ
ンド302との間には、係合作動油圧Pbcがフィードバ
ック圧として作用される油室304が設けられている。
また、上記プランジャ298には、スプール弁子292
側から順次小径となる第3ランド306および第4ラン
ド308が設けられており、それら第3ランド306お
よび第4ランド308の間には、シフトレバー142が
Rレンジへ操作されたときにマニュアル弁310から出
力されるRレンジ圧PR が供給される油室312が設け
られている。また、上記第4ランド308の端面に作用
させるスロットル圧Pthを受け入れるための油室314
が設けられている。したがって、スプール弁子292
は、スロットル圧Pth或いはスロットル圧PthおよびR
レンジ圧PR に基づく開弁方向の推力およびスプリング
296による開弁方向の推力と、フィードバック圧に基
づく閉弁方向の推力とが平衡するように作動させられ、
スロットル圧Pthに応じた大きさの係合作動油圧Pbc
発生させる。また、Rレンジ圧PR が供給された場合に
は、その係合作動油圧Pbcを所定圧だけ高める。これに
より、係合作動油圧Pbcは、スロットル圧Pthすなわち
エンジン10の出力トルクに応じて増大させられるとと
もに、シフトレバー142がRレンジへ操作されたとき
にはそれから所定圧だけさらに高められるので、前進ク
ラッチC1、後進ブレーキB1、高速段用クラッチC
2、或いは低速段用ブレーキB2はそれぞれ必要かつ充
分な推力で係合させられる。なお、上記係合作動油圧P
bcは、第1電磁弁152、第2電磁弁154、第6電磁
弁162へも供給されている。第6電磁弁162は、前
述の第3電磁弁156、第4電磁弁158と同様に構成
されており、一方、第1電磁弁152および第2電磁弁
154は、オフ状態であるときに絞り318および32
0より下流側をそれぞれドレンへ開放するが、オン状態
であるときに絞り318および320より下流側をそれ
ぞれ係合作動油圧Pbcとする2ポート2位置弁である。
【0027】上記第1電磁弁152は、CVT16の変
速比変化方向を切り換えるための変速方向切換弁330
を制御し、第2電磁弁154は、CVT16の変速比変
化速度を制御するための変速速度制御弁332を制御す
る。変速方向切換弁330は、一次油路178と連通す
る第1入力ポート334、中程度の絞り336を介して
一次油路178と連通する第2入力ポート338、比較
的小さな絞り340および比較的大きな絞り342を介
して一次側の油圧アクチュエータ86に連通する第1出
力ポート344、変速速度制御弁332の入力ポート3
46と連通する第2出力ポート348、ドレンポート3
50と、オフ位置においては第1入力ポート334と第
1出力ポート344との間および第2入力ポート338
と第2出力ポート348との間をそれぞれ連通させる
が、オン位置においては第2出力ポート348とドレン
ポート350との間を連通させるスプール弁子352
と、そのスプール弁子352をオフ位置へ向かって付勢
するスプリング354とを備えている。したがって、第
1電磁弁152がオフ状態とされると、スプール弁子3
52はそのオフ位置に位置させられて一次側の油圧アク
チュータ86内へ作動油が供給されてCVT16は増速
方向へ変化させられる。反対に、第1電磁弁152がオ
ン状態とされると、スプール弁子352はそのオン位置
に位置させられて一次側の油圧アクチュータ86内の作
動油が上記ドレンポート350から排出されてCVT1
6は減速方向へ変化させられる。
【0028】変速速度制御弁332は、前記入力ポート
346と、一次側の油圧アクチュータ86に連通する出
力ポート356と、オン位置においてはそれら入力ポー
ト346および出力ポート356の間を連通させ、オフ
位置においては遮断するスプール弁子358と、そのス
プール弁子358をオフ位置へ向かって付勢するスプリ
ング360とを備えている。したがって、第2電磁弁1
54がオフ状態とされると、スプール弁子358は入力
ポート346および出力ポート356の間を遮断するの
で、第1電磁弁152がオン状態であるときは緩減速モ
ードとなり、第1電磁弁152がオフ状態であるときに
は緩増速モードとなる。また、第2電磁弁154がオン
状態とされると、スプール弁子358は入力ポート34
6および出力ポート356の間を連通させるので、第1
電磁弁152がオフ状態であるときは急増速モードとな
り、第1電磁弁152がオン状態であるときには急減速
モードとなる。
【0029】前記マニュアル弁310は、前記シフトレ
バー142と連動するスプール弁子364と、第1ポー
ト366と、第2ポート368と、第3ポート370と
を備えており、その第2ポート368には、前記係合作
動圧調圧弁226により調圧された係合作動油圧Pbc
元圧として供給されている。第1ポート366からは、
シフトレバー142がDレンジ、Sレンジ、Lレンジな
どの前進レンジへ操作された場合に前進レンジ圧PF
出力され、第3ポート370からは、シフトレバー14
2がRレンジへ操作された場合に後進レンジ圧PR が出
力される。
【0030】上記第1ポート366から出力された前進
レンジ圧PF は、絞り374を通して、或いは絞り37
6およびシフトタイミング弁378を通して前進用油圧
アクチュエータ42へ供給される。シフトタイミング弁
378のスプール弁子380は、前進用油圧アクチュエ
ータ42内の油圧の高まりに応じてスプリング382に
抗して移動し、流入流量を抑制する。なお、シフトレバ
ー142が前進レンジ以外のレンジへ操作されると、前
進用油圧アクチュエータ42内の作動油は、逆止弁38
4およびマニュアル弁310を通して速やかにドレンさ
れる。
【0031】また、シフトレバー142がRレンジへ操
作されると、第3ポート370から出力された後進レン
ジ圧PR は、前記係合作動油圧調圧弁226の油室31
2へ供給されるとともに、リバースインヒビット弁37
2および絞り386を通して後進用油圧アクチュエータ
44へ供給される。反対に、シフトレバー142がRレ
ンジ以外のレンジへ操作されると、後進用油圧アクチュ
エータ44内の作動油は逆止弁387、リバースインヒ
ビット弁372、およびマニュアル弁310をやかにド
レンへ排出され、後進レンジPR は大気圧とされる。
【0032】リバースインヒビット弁372は、第1ラ
ンド388、それよりも大径の第2ランド390、それ
と同径の第3ランド392を有し、その第2ランド39
0によって第3ポート370と後進用油圧アクチュエー
タ44との間を開閉するスプール弁子394と、そのス
プール弁子394を開弁方向へ付勢するスプリング39
6と、スプール弁子394を開弁方向へ付勢するために
それに接するプランジャ398とを備えている。また、
このプランジャ398は、第1ランド388と第2ラン
ド390との断面積差と同じ断面積を有している。上記
第1ランド388の端面には第3電磁弁156がオン状
態(ロックアップクラッチ38の係合状態)であるとき
に発生させられる信号圧Psol3が作用させられるととも
に、第1ランド388と第2ランド390との間には後
進レンジ圧PR が作用させられている。また、プランジ
ャ398の端面には係合作動油圧Pbcが常時作用させら
れるとともに、スプール弁子394とプランジャ398
との間には後進用油圧アクチュエータ44内の油圧が作
用させられるようになっている。このため、後進レンジ
圧PR によってスプール弁子394を開弁方向へ付勢す
る推力と係合作動油圧Pbcによってスプール弁子394
を閉弁方向へ付勢する推力とが相殺されることから、シ
フトレバー142がRレンジ(後進レンジ)へ操作され
た場合には、スプール弁子394はスプリング396の
付勢力によって開弁位置に位置させられるとともに、信
号圧Psol3が作用させられるとスプール弁子394が閉
弁方向、すなわちインヒビット位置へ位置させられる。
したがって、ロックアップクラッチ38が係合させられ
ている前進走行中においては、信号圧Psol3が作用され
ている状態であるので、シフトレバー142がRレンジ
(後進レンジ)へ操作されると、スプール弁子394が
閉弁位置へ移動させられて、後進用油圧アクチュエータ
44はリバースインヒビット弁372のドレンポート4
00と連通させられ、後進用ブレーキB1の作動が阻止
される。しかし、後進レンジ圧PR が一旦後進用油圧ア
クチュエータ44内に作用させられると、その後進レン
ジ圧PR がスプール弁子394の開弁方向の推力を発生
させるので、たとえ信号圧Psol3が作用されたとしても
スプール弁子394は開弁位置に保持される。
【0033】上記前進用油圧アクチュエータ42および
後進用油圧アクチュエータ44には、スロットル圧Pth
が背圧として作用させられているアキュムレータ402
および404がそれぞれ接続されており、伝達トルクが
大きくなるほどそれらの前進用油圧アクチュエータ42
および後進用油圧アクチュエータ44内の油圧の上昇が
緩やかとされ、前進用クラッチC1および後進用ブレー
キB1の係合がそれぞれ滑らかとなるようにされてい
る。
【0034】副変速機18の高速段用クラッチC2およ
び低速段用ブレーキB2は、第6電磁弁162と低速段
用油圧アクチュエータ108内の係合作動油圧B2圧と
により切り換えられるC2制御弁410、および第6電
磁弁162と高速段用油圧アクチュエータ106内の係
合作動油圧C2圧とにより切り換えられるB2制御弁4
12によってそれぞれ切り換えられるようになってい
る。本実施例では上記第6電磁弁162が本発明の電磁
式信号圧発生弁に、高速段用クラッチC2および低速段
用ブレーキB2が本発明の油圧式高速段用摩擦係合装置
および油圧式低速段用摩擦係合装置に、C2制御弁41
0およびB2制御弁412が本発明の高速段用摩擦係合
装置制御弁および低速段用摩擦係合装置制御弁にそれぞ
れ相当する。
【0035】上記C2制御弁410は、高速段用油圧ア
クチュエータ106に連通する出力ポート414と、係
合作動油圧Pbcが絞り415を介して供給されるポート
416と、高速段用油圧アクチュエータ106内のC2
圧を絞り417を介してドレンさせるためのドレンポー
ト418と、上記出力ポート414をポート416また
はドレンポート418に択一的に連通させるスプール弁
子420と、このスプール弁子420を図7の左側のH
が付された供給位置へ向かって付勢するスプリング42
2と、第6電磁弁162からの信号圧Psol6を受け入れ
る信号圧ポート424と、スプール弁子420のスプリ
ング422側とは反対側の端面に低速段用油圧アクチュ
エータ108内のB2圧を作用させるために絞り425
を介してそのB2圧を受け入れるB2圧ポート426と
を備えている。このB2圧ポート426が本発明の低速
段用作動圧ポートに相当する。
【0036】そして、上記C2制御弁410は、少なく
とも信号圧ポート424に信号圧Psol6が供給されてい
るとき、または信号圧ポート424およびB2圧ポート
426のいずれにも信号圧Psol6およびB2圧が供給さ
れないときには、スプール弁子420は供給位置(図7
のH側位置)に位置させられることにより、高速段用油
圧アクチュエータ106内に係合作動油圧Pbcが供給さ
れて高速段用クラッチC2が係合させられるようになっ
ている。しかし、信号圧ポート424に信号圧Psol6
供給されない状態でB2圧ポート426に前進レンジ圧
F より低い所定圧Px1以上のB2圧が供給されると、
スプール弁子420が図7の右側のLが付された排出位
置に位置させられることにより、高速段用油圧アクチュ
エータ106内の作動油がドレンされ、高速段用クラッ
チC2が解放されるようになっている。上記所定圧Px1
は、スプリング422の付勢力に対応する推力を発生さ
せる値であり、適切なタイミングで高速段用クラッチC
2が解放されるようにスプリング422の付勢力に関連
して設定されている。なお、B2制御弁412を介して
係合作動圧PbCまたはスロットル圧Pthが背圧として供
給されるアキュムレータ428は、高速段用クラッチC
2の係合を滑らかにするためのものである。
【0037】また、B2制御弁412は、ドレンポート
430と、低速段用油圧アクチュエータ108に接続さ
れた第1ポート432と、前進レンジ圧PF が供給され
る第2ポート434と、上記第1ポート432をドレン
ポート430または第2ポート434に択一的に切り換
えるスプール弁子436と、そのスプール弁子436を
図7の左側のLが付された供給位置へ向かって付勢する
スプリング438と、第6電磁弁162からの信号圧P
sol6を受け入れる信号圧ポート440と、スプール弁子
436のスプリング438側と反対側の端面に高速段用
油圧アクチュエータ106内のC2圧を作用させるため
にそのC2圧を受け入れるC2圧ポート442とを備え
ている。このC2圧ポート442が本発明の高速段用作
動圧ポートに相当する。
【0038】そして、上記B2制御弁412は、信号圧
ポート440およびC2圧ポート442に信号圧Psol6
および上記C2圧の少なくとも一方が供給されないとき
には、スプール弁子436が上記供給位置(図7のL側
位置)に位置させられることにより、低速段用油圧アク
チュエータ108内に前進レンジ圧PF が供給されて低
速段用ブレーキB2が係合させられるようになってい
る。しかし、信号圧ポート440に信号圧Psol6が供給
された状態でC2圧ポート442に係合作動圧Pbcより
低い所定圧Px2以上のC2圧が供給されると、スプール
弁子436が図7の右側のHが付された排出位置に位置
させられることにより、低速段用油圧アクチュエータ1
08内の作動油がドレンされ、低速段用ブレーキB2が
解放されるようになっている。上記所定圧Px2は、スプ
リング438の付勢力に対応する推力を発生させる値で
あり、適切なタイミングで低速段用ブレーキB2が解放
されるようにスプリング422の付勢力に関連して設定
されている。
【0039】図3に示すように、車両のシフトレバー1
42がR(後進)レンジ或いはN(ニュートラル)レン
ジに操作されている場合には電子制御装置132により
第6電磁弁162がオン状態に保持される。これによ
り、C2制御弁410において信号圧ポート424に信
号圧Psol6が供給されるとともに、マニュアル弁310
から前進レンジ圧PF が出力されないことからB2圧ポ
ート426にはB2圧が供給されないため、C2制御弁
410のスプール弁子420が供給位置(図7のH側位
置)に位置させられて高速段用クラッチC2が係合状態
に維持される。一方、B2制御弁においては信号圧ポー
ト440に信号圧Psol6が供給されるとともに、C2圧
ポート442には高速段用クラッチC2が係合状態であ
るために係合作動圧Pbcと略等しいC2圧が供給される
ため、B2制御弁412のスプール弁子436が排出位
置(図7のH側位置)に位置させられて低速段用ブレー
キB2が解放状態に維持される。ここで、第6電磁弁1
62がオフ状態とされた場合でも、前進レンジ圧PF
出力されないために低速段用ブレーキB2はB2制御弁
412の作動位置に拘わらず解放状態とされるととも
に、高速段用クラッチC2は、信号圧ポート424およ
びB2圧ポート426のいずれにも信号圧Psol6および
B2圧が供給されないためにC2制御弁410のスプー
ル弁子420が供給位置(図7のH側位置)に位置させ
られて係合状態に維持される。図8は、上記のようにシ
フトレバー142がRレンジ或いはNレンジに操作され
ている場合におけるC2圧およびB2圧を示している。
なお、シフトレバー142がRレンジに操作されている
場合には、後進ギヤ段の伝達トルクに対応した係合力が
得られるようにRレンジ圧PR が係合作動油圧調圧弁2
26の油室312に作用されて係合作動圧Pbcが所定圧
高められるので、C2圧はRレンジに操作されていると
きの方がNレンジに操作されている時よりも高くなって
いる。
【0040】シフトレバー142がNレンジからD(前
進)レンジへ操作されると、電子制御装置132からの
切換指令信号に従って第6電磁弁162がオン状態から
オフ状態に切り換えられる。これにより、B2制御弁4
12において、信号圧ポート440にそれまでの信号圧
sol6が供給されなくなってスプール弁子438が供給
位置(図7のL側位置)に位置させられ、低速段用ブレ
ーキB2を作動させる低速段用油圧アクチュエータ10
8内に第2ポート434および第1ポート432を介し
て前進レンジ圧PF が供給される。一方、C2制御弁4
10においては、信号圧ポート424にそれまでの信号
圧Psol6が供給されなくなるが、第6電磁弁162のオ
フ状態への切換えから所定期間はB2圧ポート426に
供給されるB2圧がPx1を下回っているためにスプール
弁子420は供給位置(図7のH側位置)のまま維持さ
れる。そして、上記B2圧が徐々に上昇させられてPx1
まで到達すると、スプール弁子420が供給位置から排
出位置(図7のL側位置)へ移動させられるため、高速
段用油圧アクチュエータ106内の油圧が第1ポート4
14およびドレンポート418を介してドレンされる。
このようなB2制御弁412およびC2制御弁410の
切換作動により、まず低速段用ブレーキB2が係合させ
られ、これに所定時間遅れて高速段用クラッチC2が解
放されることにより低速ギヤ段が成立させられる。
【0041】図9にはNレンジからDレンジへの切換え
の際のB2圧およびC2圧の変化が示されている。Nレ
ンジからDレンジへの切換えにより低速ギヤ段が成立さ
せられるに際しては、第6電磁弁162のオン状態から
オフ状態への切換作動に同期してB2制御弁410が排
出位置から供給位置へ切り換えられることによりまず低
速段用油圧アクチュエータ108内の油圧B2圧の上昇
が開始され、このB2圧のPx1までの圧力上昇を待って
C2制御弁410のスプール弁子420が供給位置から
排出位置へ移動させられることにより、高速段用油圧ア
クチュエータ106内の油圧C2圧の下降が開始される
のである。
【0042】上記のように低速ギヤ段が成立させられた
走行状態において、たとえば特開昭61−241561
号公報に記載されているように、車両の走行状態が予め
記憶された図10に示す変速線図の低速ギヤ段から高速
ギヤ段への切換許可領域内となると、電子制御装置13
2からの切換指令信号に従って第6電磁弁162がオフ
状態からオン状態に切り換えられる。これにより、C2
制御弁410において、それまで出力されていなかった
信号圧Psol6が信号圧ポート426に供給されてスプー
ル弁子420が供給位置(図7のH側位置)に位置させ
られ、高速段用クラッチC2を作動させる高速段用油圧
アクチュエータ106内に第2ポート416および第1
ポート414を介して係合作動圧Pbcが供給される。一
方、B2制御弁412においては、信号圧ポート440
に信号圧Psol6が供給されるようになるが、第6電磁弁
162のオン状態への切換えから所定期間はC2圧ポー
ト442に供給されるC2圧がPx2を下回っているため
にスプール弁子436は供給位置(図7のL側位置)の
まま維持される。そして、上記C2圧が徐々に上昇させ
られてPx2まで到達すると、スプール弁子436が供給
位置(図7のL側位置)から排出位置(図7のH側位
置)へ移動させられるため、低速段用油圧アクチュエー
タ108内の油圧が第1ポート432およびドレンポー
ト430を介してドレンされる。このようなC2制御弁
410およびB2制御弁412の切換作動により、まず
高速段用クラッチC2が係合させられ、これに所定時間
遅れて低速段用ブレーキB2が解放されることにより高
速ギヤ段が成立させられる。
【0043】図11には上述した低速ギヤ段から高速ギ
ヤ段へのアップシフト時のC2圧およびB2圧の変化が
示されている。低速ギヤ段から高速ギヤ段が成立させら
れるに際しては、第6電磁弁162のオフ状態からオン
状態への切換作動に同期してB2制御弁410が排出位
置から供給位置へ切り換えられることによりまず高速段
用油圧アクチュエータ106内の油圧C2圧の上昇が開
始され、このC2圧のPx2までの上昇を待ってB2制御
弁412のスプール弁子436が供給位置から排出位置
へ移動させられることにより、低速段用油圧アクチュエ
ータ108内の油圧B2圧の低下が開始されるのであ
る。これにより、低速段用ブレーキB2および高速段用
クラッチC2圧の両者が一時的に重複係合させられる期
間が最小限且つ確実に設けられるため、副変速機18の
低速ギヤ段から高速ギヤ段への切換えに関連して発生す
る変速ショックが好適に防止されるとともに、エンジン
10の吹上がりが確実に防止される。
【0044】高速ギヤ段での車両の走行中において図示
しないアクセルペダルを大きく踏み込むキックダウン操
作が実行された場合には、電子制御装置132により第
6電磁弁162がオン状態からオフ状態に切り換えられ
る。このようなシフトダウン時には、B2圧およびC2
圧がB2制御弁412およびC2制御弁410の供給位
置から排出位置への切換作動に応じて前述の図9のよう
に変化させられることにより、低速ギヤ段が成立させら
れる。これにより、低速段用ブレーキB2および高速段
用クラッチC2圧の両者が一時的に重複係合させられる
期間が最小限且つ確実に設けられるため、副変速機18
の高速ギヤ段から低速ギヤ段への切換えに関連して発生
する変速ショックが好適に防止されるとともに、エンジ
ン10の吹上がりが確実に防止される。なお、この一時
的な重複係合は、車両の後進中においてシフトレバー1
42がNレンジからDレンジへ操作されたときでも、副
変速機18のロックが強く感じられないように、絞り4
25の大きさおよびスプリング422の付勢力が設定さ
れている。
【0045】次に、前記クラッチ圧油路182内のクラ
ッチ油圧Pclは、クラッチ圧調圧弁450によりスロッ
トル圧Pthに応じて調圧されるようになっている。この
クラッチ油圧Pclはロックアップクラッチ38の係合圧
力に関連するものであるが、クラッチ圧油路182内の
作動油は、絞り453を通して伝動ベルト76の摺動部
分、軸受け部分、遊星歯車の噛合部分、差動歯車装置2
2などへ潤滑油として圧送される。また、クラッチ圧調
圧弁450のリリーフポート455から流出させられる
作動油も潤滑油として同様に圧送される。クラッチ圧調
圧弁450は、クラッチ圧油路182内の作動油を戻し
油路176へ逃がすためのスプール弁子452と、この
スプール弁子452を閉弁方向へ付勢するためのスプリ
ング454と、スロットル圧Pthを受けてそれに基づく
閉弁方向の推力をスプール弁子452に伝達するプラン
ジャ456と、スプール弁子452に開弁方向の推力を
付与するためにフィードバック圧としてクラッチ油圧P
clを受け入れる油室458とを備えている。
【0046】ロックアップクラッチ38の係合および解
放を制御するために、第3電磁弁156により切り換え
られるロックアップリレー弁460と、第4電磁弁15
8により切り換えられるロックアップ制御弁462が設
けられている。ロックアップリレー弁460は、ドレン
ポート464、逆止弁466を介してクラッチ油圧Pcl
が供給される第1ポート468、第2ポート470、第
3ポート472、第4ポート474、第5ポート47
6、ドレンポート478と、それらのポート間を切り換
えるためのスプール弁子480と、そのスプール弁子4
80を油室482側へ付勢するスプリング484とを備
えている。このため、第3電磁弁156からの信号圧P
sol3が油室482へ供給されない状態では、スプール弁
子480は油室482側へ位置させられるので、第1ポ
ート468と第2ポート470、第3ポート472と第
4ポート474、第5ポート476とドレンポート47
8がそれぞれ連通させられる。反対に、第3電磁弁15
6からの信号圧Psol3が油室482へ供給された状態で
は、スプール弁子480は油室482側へ位置させられ
るので、ドレンポート464と第2ポート470、第1
ポート468と第3ポート472、第4ポート474と
第5ポート476がそれぞれ連通させられる。
【0047】ロックアップ制御弁462は、逆止弁46
6を介してクラッチ油圧Pclが供給される第1ポート4
90、ロックアップリレー弁460の第2ポート470
と接続された第2ポート492、ロックアップリレー弁
460の第5ポート476と接続された第3ポート49
4、ロックアップリレー弁460の第3ポート472と
接続された第4ポート496、フルードカップリング1
2の解放側油室46と接続された第5ポート498、フ
ルードカップリング12の係合側油室48と接続された
第6ポート500と、それらのポート間を切り換えるた
めのスプール弁子502と、そのスプール弁子502を
油室504側へ付勢するスプリング506とを備えてい
る。このため、第4電磁弁158からの信号圧Psol4
油室504へ供給されない状態では、スプール弁子50
2は油室504側へ位置させられるので、第2ポート4
92と第5ポート498、第4ポート496と第6ポー
ト500がそれぞれ連通させられる。反対に、第4電磁
弁158からの信号圧Psol4が油室504へ供給された
状態では、スプール弁子502はスプリング506側へ
位置させられるので、第1ポート490と第5ポート4
98、第3ポート494と第6ポート500がそれぞれ
連通させられる。
【0048】したがって、第4電磁弁158のオフ状態
において第3電磁弁156がオフ状態とされると、クラ
ッチ油圧Pclが第1ポート468、第2ポート470、
第2ポート492、第5ポート498を順次介して解放
側油室46へ作用させられると同時に、係合側油室48
内の作動油は第6ポート500、第4ポート496、第
3ポート472、第4ポート474、オイルクーラ51
0を順次介してドレンされ、ロックアップクラッチ38
が解放される。このとき、係合側油室48から排出され
る作動油の一部も、オイルクーラ510を経てドレンさ
れる。このオイルクーラ510の上流側には、係合側油
室48から排出される作動油の圧力が所定値を超えたと
きにオイルクーラ510を経ないでドレンするためのク
ーラバイパス弁512が設けられている。また、第4電
磁弁158のオン状態において第3電磁弁156がオン
状態とされると、クラッチ油圧Pclが第1ポート49
0、第5ポート498を介して解放側油室46へ作用さ
せられると同時に、係合側油室48内の作動油は第6ポ
ート500、第3ポート494、第5ポート476、第
4ポート474、およびオイルクーラ510を経てドレ
ンされ、ロックアップクラッチ38が解放される。ロッ
クアップクラッチ38を解放させるための2つのモード
が存在するのである。
【0049】第4電磁弁158のオン状態において第3
電磁弁156がオフ状態とされると、クラッチ油圧Pcl
が第1ポート490、第5ポート498を介して解放側
油室46へ作用させられると同時に、係合側油室48内
の作動油は第6ポート500、第3ポート494、第5
ポート476、ドレンポート478を介してドレンさ
れ、ロックアップクラッチ38が速やかに解放される。
この場合には、係合側油室48内の作動油がオイルクー
ラ510を経ないでドレンへ流出させられるのに加え
て、第4電磁弁158からの信号圧Psol4が張力制御圧
調圧弁224の油室286へ作用されて張力制御圧P
beltが高められるとともに、その張力制御圧Pbeltが一
次調圧弁180の油室214に作用されて一次ライン油
圧Pr1も高められるので、この一次ライン油圧Pr1を元
圧とするスロットル弁開度検知弁220から出力される
スロットル圧Pthも高められ、クラッチ圧調圧弁450
において調圧されるクラッチ圧Pclが高められることか
ら、ロックアップクラッチ38が急速に解放されるので
ある。このようなロックアップクラッチ38の急解放モ
ードは、車両の急停止に関連してCVT16の急減速変
速を実行する際に選択される。
【0050】第4電磁弁158のオフ状態において第3
電磁弁156がオン状態とされると、クラッチ油圧Pcl
が第1ポート468、第3ポート472、第4ポート4
96、第6ポート500を介して係合側油室48に作用
させられると同時に、解放側油室46内の作動油は第5
ポート498、第2ポート492、第2ポート470、
ドレンポート464を介してドレンされ、ロックアップ
クラッチ38が係合される。
【0051】前記電子制御装置132では、CVT16
の変速比制御、ロックアップクラッチ38の係合制御、
CVT16の急減速制御、張力制御圧制御、副変速機1
8の変速段切換制御などが実行される。
【0052】CVT16の変速比制御では、たとえば、
燃費および運転性が得られる最適曲線上に沿ってエンジ
ン10が作動するように第1電磁弁152および第2電
磁弁154が駆動されて変速比γCVT が調節される。ま
た、ロックアップクラッチ38の係合制御では、たとえ
ば、予め記憶された関係から車速SPDおよびスロット
ル弁開度θthに基づいて係合領域か否かが判断され、係
合領域であると判断された場合には第4電磁弁158が
オフとされた状態で第3電磁弁156がオンとされ、解
放領域であると判断された場合には第4電磁弁158が
オフとされた状態で第3電磁弁156もオフとされる。
また、車両の急停止に先立つCVT16の急減速制御で
は、第1電磁弁152および第2電磁弁154が共にオ
ン状態とされて急減速変速モードとされるとともに、上
記第3電磁弁156がオフとされると共に第4電磁弁1
58がオンとされることにより、ロックアップクラッチ
38が速やかに解放される。また、張力制御圧制御で
は、たとえば、二次側の油圧アクチュエータ88に作用
される張力制御圧Pbeltが伝動ベルト76のすべりが生
じない範囲で小さな値となる目標圧が得られるように予
め記憶された関係から第5電磁弁160が制御される。
副変速機18の変速段切換制御では、たとえば、特開昭
61−241561号公報或いは特開昭62−1372
39号公報に記載されているように、予め記憶された関
係から実際のスロットル弁開度θthと変速比γCVT 或い
は車速SPDに基づいて切り換えるべきギア段を判定
し、判定結果が高速ギヤ段であれば第6電磁弁162を
オン状態とし、低速ギヤ段であれば第6電磁弁162を
オフ状態とするための切換指令信号を出力する。
【0053】上述のように、本実施例によれば、低速ギ
ヤ段を成立させるための切換指令信号が電子制御装置1
32から出力された場合には、第6電磁弁162がオフ
状態とされて信号圧Psol6が発生させられないことに基
づいて、信号圧ポート440に信号圧Psol6が供給され
ないためにB2制御弁412のスプール弁子436が供
給位置に位置させられる一方、C2制御弁410のスプ
ール弁子420は、上記スプール弁子436の供給位置
への切換えに応答して上昇を開始する低速段用油圧アク
チュエータ108内の係合作動油圧B2圧が所定圧Px1
に到達したことを以て排出位置へ切り換えられる。反対
に、高速ギヤ段を成立させるための切換指令信号が電子
制御装置132から出力された場合には、第6電磁弁1
62がオン状態とされて信号圧Psol6が発生させられる
ことに基づいて、信号圧ポート424に信号圧Psol6
供給されるためにC2制御弁410のスプール弁子42
0が供給位置に位置させられる一方、B2制御弁412
のスプール弁子436は、上記スプール弁子420の供
給位置への切換えに応答して上昇を開始する高速段用油
圧アクチュエータ106内の係合作動油圧C2圧が所定
の値Px2に到達したことを以て排出位置へ切り換えられ
る。このように、第6電磁弁162からの信号圧Psol6
のオンまたはオフに応答してまずB2制御弁412およ
びC2制御弁410の一方のみが供給位置に切り換えら
れ、これに対応する低速段用油圧アクチュエータ108
内のB2圧および高速段用油圧アクチュエータ106内
のC2圧の一方が所定圧Px1またはPx2を超えると、高
速段用クラッチC2および低速段用ブレーキB2の他方
の解放が開始されるため、一方の摩擦係合装置の係合に
続いて他方の摩擦係合装置が好適なタイミングで解放さ
れる。
【0054】すなわち、本実施例の油圧制御装置では、
B2制御弁412を切り換えるための切換用信号圧とし
て第6電磁弁162からの信号圧Psol6および高速段用
油圧アクチュエータ106内の係合作動油圧C2圧が使
用されるとともに、C2制御弁410を切り換えるため
の切換信号圧として上記信号圧Psol6および低速段用油
圧アクチュエータ108内の係合作動油圧B2圧が使用
されている。このため、上記2つの制御弁410および
412を作動させるための電磁弁が1つで済むこととな
り、油圧回路を複雑或いは高価とすることなく、また油
圧回路の耐久性を損なうことなくギヤ段の切換えが簡単
かつ滑らかに行われる。
【0055】また、本実施例によれば、高速段用クラッ
チC2が係合状態とされ且つ低速段用ブレーキB2が解
放状態とされることにより高速ギヤ段が成立させられる
ため、高速ギヤ段でも車両の後進走行が可能となる。こ
のため、車両の操作性の自由度を狭めることなく車両を
高速ギヤ段で発進させることが可能となり、このような
高速ギヤ段での発進を実行することにより燃費が向上さ
せられたり、或いは低速ギヤ段から高速ギヤ段への切換
えが不要となるために、低速ギヤ段から高速ギヤ段への
切換えの際の変速ショックが防止される等の効果が得ら
れる。
【0056】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0057】たとえば、前述の実施例では第6電磁弁1
62から信号圧Psol6が出力されて信号圧ポート424
にその信号圧Psol6が供給されるとC2制御弁410の
スプール弁子420が供給位置に切り換えられ、第6電
磁弁162からの出力が大気圧とされて信号圧ポート4
40に信号圧Psol6が供給されない場合にB2制御弁4
12のスプール弁子436が係合位置に切り換えられる
ように、C2制御弁410およびB2制御弁412が構
成されていたが、反対に信号圧Psol6が出力されること
によりスプール弁子436が係合位置に切り換えられる
とともに、信号圧Psol6が発生させられない場合にスプ
ール弁子420が係合位置に切り換えられるようにして
も良い。
【0058】また、前述の実施例の動力伝達装置におい
て、第6電磁弁162はオン状態で信号圧Psol6を出力
するように構成されているが、オフ状態で油圧を出力す
るように構成されてもよい。このような場合には、電子
制御装置132から第6電磁弁162に供給される切換
指令信号のオンオフが反対とされる。
【0059】また、前述の実施例では副変速機18に本
発明が適用された例が記載されていたが、複数の摩擦係
合装置の作動の組合わせにより複数のギヤ段が成立させ
られる遊星歯車式多段自動変速機にも適用され得る。
【0060】また、前記実施例では副変速機18は前進
2段のギヤ段を備えていたが、3段以上のギヤ段を備え
ていてもよい。
【0061】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の実施例が適用される車両用動力伝達装置
の骨子図である。
【図2】本発明の一実施例の制御装置の構成を説明する
ブロック線図である。
【図3】図1の動力伝達装置において、シフトレバーの
操作位置とギヤ段との関係を説明する図表である。
【図4】図2の油圧制御装置の構成を示す油圧回路図の
一部である。
【図5】図2の油圧制御装置の構成を示す油圧回路図の
一部である。
【図6】図2の油圧制御装置の構成を示す油圧回路図の
一部である。
【図7】図2の油圧制御装置の構成を示す油圧回路図の
一部である。
【図8】図7の油圧回路においてRレンジおよびNレン
ジ操作時におけるB2圧およびC2圧の状態をそれぞれ
説明するタイムチャートである。
【図9】図7の油圧回路図においてNレンジからDレン
ジへの操作に関連して低速ギヤ段へ切り換えられた直後
におけるB2圧、およびC2圧の変化をそれぞれ説明す
るタイムチャートである。
【図10】図1の副変速機のギヤ段を切り換えるための
変速線図である。
【図11】図7の油圧回路図において、Dレンジでの走
行状態において第6電磁弁がオフ状態からオン状態へ切
り換えられた直後におけるB2圧およびC2圧の変化を
それぞれ説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
C2 高速段用クラッチ(油圧式高速段用摩擦係合装
置) 106 高速段用油圧アクチュエータ B2 低速段用ブレーキ(油圧式低速段用摩擦係合装
置) 108 低速段用油圧アクチュエータ 162 第6電磁弁(電磁式信号圧発生弁) 410 C2制御弁(高速段用摩擦係合装置制御弁) 412 B2制御弁(低速段用摩擦係合装置制御弁) 424 信号圧ポート 426 B2圧ポート(低速段用作動圧ポート) 440 信号圧ポート 442 C2圧ポート(高速段用作動圧ポート)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧式低速段用摩擦係合装置および油圧
    式高速段用摩擦係合装置を有する車両用自動変速機にお
    いて、低速段用油圧アクチュエータおよび高速段用油圧
    アクチュエータに対する係合作動油圧の供給または排出
    を制御することにより、該油圧式低速段用摩擦係合装置
    の係合および該油圧式高速段用摩擦係合装置の解放によ
    り成立させられる低速ギヤ段、または該油圧式高速段用
    摩擦係合装置の係合および該油圧式低速段用摩擦係合装
    置の解放により成立させられる高速ギヤ段の2速段の変
    速段を達成させる形式の油圧制御装置であって、 切換指令信号に従って信号圧を発生する電磁式信号圧発
    生弁と、 前記低速段用油圧アクチュエータ内に係合作動油圧を供
    給する供給位置と該低速段用油圧アクチュエータ内の係
    合作動油圧を排出する排出位置との2位置に切り換えら
    れる弁子と、該弁子を該2位置に切り換えるために、前
    記信号圧を受け入れる信号圧ポートと前記高速段用油圧
    アクチュエータ内の係合作動油圧を受け入れる高速段用
    作動圧ポートとを備え、前記弁子が該信号圧に基づいて
    前記供給位置に切り換えられるとともに、該高速段用油
    圧アクチュエータ内の係合作動油圧が所定の値を超えた
    ことを以て前記排出位置に切り換えられる低速段用摩擦
    係合装置制御弁と、 前記高速段用油圧アクチュエータ内に係合作動油圧を供
    給する供給位置と該高速段用油圧アクチュエータ内の係
    合作動油圧を排出する排出位置との2位置に切り換えら
    れる弁子と、該弁子を該2位置に切り換えるために、前
    記信号圧を受け入れる信号圧ポートと前記低速段用油圧
    アクチュエータ内の係合作動油圧を受け入れる低速段用
    作動圧ポートとを備え、前記弁子が該信号圧に基づいて
    前記供給位置に切り換えられるとともに、該低速段用油
    圧アクチュエータ内の係合作動油圧が所定の値を超えた
    ことを以て前記排出位置に切り換えられる高速段用摩擦
    係合装置制御弁と、 を含むことを特徴とする車両用自動変速機の油圧制御装
    置。
JP4027233A 1992-01-17 1992-01-17 車両用自動変速機の油圧制御装置 Expired - Fee Related JP2692479B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4027233A JP2692479B2 (ja) 1992-01-17 1992-01-17 車両用自動変速機の油圧制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4027233A JP2692479B2 (ja) 1992-01-17 1992-01-17 車両用自動変速機の油圧制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05196133A JPH05196133A (ja) 1993-08-06
JP2692479B2 true JP2692479B2 (ja) 1997-12-17

Family

ID=12215359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4027233A Expired - Fee Related JP2692479B2 (ja) 1992-01-17 1992-01-17 車両用自動変速機の油圧制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2692479B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05196133A (ja) 1993-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0579554A (ja) 車両用無段変速機の制御装置
US4682518A (en) Method and apparatus for controlling hydraulically-operated power transmitting system including continuously variable transmission
JP2653249B2 (ja) ロックアップクラッチ付トルクコンバータを備えた車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JP2626256B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JPH0323783B2 (ja)
JPH04249665A (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JP2527056B2 (ja) 車両用無段変速機の油圧制御装置
JPH0543897B2 (ja)
JP2629389B2 (ja) 車両用無段変速機の油圧制御装置
JPH0510427A (ja) 車両用無段変速機の油圧制御装置
JP3116666B2 (ja) 車両用無段変速機の変速制御装置
JP2699598B2 (ja) 車両用無段変速機の油圧制御装置
JP2626360B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
WO2019239885A1 (ja) 自動変速機の制御装置
JPS61241562A (ja) 車両用変速機の制御方法
JP4892969B2 (ja) 車両の制御装置
JP2692479B2 (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JP2626392B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JPH0510426A (ja) 車両用無段変速機の油圧制御装置
JP3036284B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JP2848179B2 (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JPH0727215A (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JPH05118424A (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JP2964757B2 (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
KR100310912B1 (ko) 자동변속기의제어장치

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees