JP3743158B2 - ハイブリッド駆動制御装置 - Google Patents

ハイブリッド駆動制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3743158B2
JP3743158B2 JP10157998A JP10157998A JP3743158B2 JP 3743158 B2 JP3743158 B2 JP 3743158B2 JP 10157998 A JP10157998 A JP 10157998A JP 10157998 A JP10157998 A JP 10157998A JP 3743158 B2 JP3743158 B2 JP 3743158B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ratio
hybrid drive
variable transmission
motor generator
primary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10157998A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11299005A (ja
Inventor
一雅 塚本
史郎 榊原
繁男 都築
賢司 表
裕士 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP10157998A priority Critical patent/JP3743158B2/ja
Publication of JPH11299005A publication Critical patent/JPH11299005A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3743158B2 publication Critical patent/JP3743158B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃エンジン及びモータジェネレータにて車輌を駆動するハイブリット駆動装置に係り、詳しくは無限変速機構(IVT)を用いたハイブリット駆動装置を制御するハイブリッド駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は、本出願人が提案した無限変速機構において(例えば特開平8−261303号公報参照)、無段変速機のプーリ比に対する無限変速機の出力トルク比を示す図である。
【0003】
更に、該無限変速機構を、内燃エンジン及びモータジェネレータにて車輌を駆動するハイブリット駆動装置に適用することも本出願人により提案されている(特願平9−276290号;本出願時未公開)。
【0004】
該無限変速機構におけるベルト式無段変速機は、固定シーブと可動シーブとをそれぞれ有するプライマリプーリとセカンダリプーリとの間にベルトを巻掛けて構成し、可動シーブによるベルトの挟圧力を、プライマリ側を高くすることでプーリ比を小さくし、反対にセカンダリ側を高くすることでプーリ比を大きくしている。そしてプーリ比の値に応じて、プラネタリギヤのサンギヤとキャリヤとの回転を適宜に調整し、これにより、リングギヤと一体の出力軸の回転を正転し、停止し、逆転して、それぞれ前進状態、ニュートラル状態、後進状態を設定している。
【0005】
自動車の発進に際し、図9に示すように、前進時には、セレクトレバーをD(ドライブ)レンジに設定し、パワーオンして入力軸の回転を高めると共に、セカンダリ側の挟圧力を高めてプーリ比(プーリ比は、図9において、D>1.0>B>Aで設定されている)をニュートラル状態である図中BよりD方向に向けて上げ、これによりアップシフトを行って行く(Lモードの場合)。反対に、後進時には、セレクトレバーをR(リバース)レンジに設定し、パワーオンして入力軸の回転を高めると共に、プライマリ側の挟圧力を高めてプーリ比をニュートラル状態である図中BよりA方向に向けて下げながらアップシフトする。
【0006】
このようにしてニュートラル状態からの前進または後進を行う。
【0007】
しかしながら、上述の無限変速機構によると、ニュートラル状態からの自動車の発進に際し、前進か後進かの違いは、プーリ比を大きくするか小さくするか、即ち、セカンダリ側の挟圧力を大きくするかプライマリ側の挟圧力を大きくするかの違いである。したがって、前進時にコンピュータの誤動作等によって誤ってプーリ比を小さくする制御が選択されてしまった場合には、運転者の意志に反して後進が行われてしまい、反対に後進時にプーリ比を大きくする制御が選択されてしまった場合には、前進が行われてしまう。
【0008】
そこで、こうした問題を解決するために、特開平9−166215に開示されたように、Dレンジ−L又はHモードにおいて、ニュートラル状態に対応したプーリ比Bに対応した所定プーリ比以下でのダウンシフトを禁止する制御を行い、無限変速機が前進状態から不用意に後進状態になってしまうことを防止する提案がなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これでは、ダウンシフトを禁止するために、所定のプーリ比以下になった場合に、変速機がダウンシフト状態に入ることを禁止する制御機構が必要となり、変速機の構造が複雑化する不都合がある。
【0010】
また、従来の無限変速機構においては、図9に示すように、前進(Foward)と後退(Reverse)とを、無限変速機構の無段変速機の所定のプーリ比中で設定する必要があることから、どうしても、必要なプーリ比の変動幅を大きく確保する必要が生じ、無段変速機のプーリ径の大型化、重量増加などの問題も生じ、慣性モーメントの増大に伴う加減速のレスポンスの低下などにつながっていた。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑み、内燃エンジン及び/又はモータジェネレータにて車輌を駆動するハイブリット駆動制御装置において、無限変速機構による前後進の切り替えが不要なハイブリッド駆動制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、電気エネルギにより回転すると共に発電し得るモータジェネレータ(2)と、
プライマリシャフト(8)とセカンダリシャフト(15)との間に配置されこれら両シャフト間のトルク比を無段に変する無段変速装置(11)と、前記無段変速装置のプライマリ側に連動する第1の回転要素(19c)、該無段変速装置のセカンダリ側に連動する第2の回転要素(19s)、前記第1の回転要素及び第2の回転要素の回転をトルク循環を生じる状態で合成して駆動車輪に出力する第3の回転要素(19r)を有するプラネタリギヤユニット(19)と、を有し、前記無段変速装置を、前記第3の回転要素がニュートラル位置となるように自己収束するニュートラル制御と、該ニュートラル位置から無段に変速する変速制御とを行う無限変速機構(18)と、を備え、
前記モータジェネレータ(2)及び/又は内燃エンジン(1)の出力を、前記無限変速機構を介して前記駆動車輪に伝達するハイブリッ駆動制御装置において、
車輌の前進及び後退を指示しうるシフト手段(33)を有し、
前記シフト手段が後退を指示した場合、前記モータジェネレータ(2)を、前進の場合とは逆方向に回転させるモータ制御手段(36、37)を設けたことを特徴とするハイブリッド駆動御装置にある。
【0013】
請求項2に係る本発明は、前記内燃エンジンの出力軸(1a)と前記モータジェネレータのロータ(2a)との間に、クラッチ手段(6)を設け、
前記シフト手段(33)が後退を指示した場合に、前記クラッチ手段を解放するクラッチ制御手段(37、38)を設けて構成した請求項1記載のハイブリッド駆動制御装置にある。
【0014】
請求項3に係る本発明は、前記無限変速機構のニュートラル位置(GN)は、前記無段変速装置における変速比が最も増速方向となる位置(A)に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載のハイブリッド駆動制御装置にある。
【0015】
請求項4に係る本発明は、前記シフト手段(33)が後退を指示した際に、前記無限変速機構(18)が、アクセル開度と車速に応じた変速比となるように制御する制御手段(36、37、38)を設けて構成した請求項1から3のいずれか1項記載のハイブリッド駆動制御装置にある。
【0016】
請求項5に係る本発明は、前記シフト手段(33)が後退を指示した際に、前記無限変速機構(18)が、所定の変速比までは変速動作を行い、当該変速比に達した場合には、当該変速比で変速比を固定するように制御する制御手段(36、37、38)を設けて構成した請求項1から3のいずれか1項記載のハイブリッド駆動制御装置にある。
【0017】
請求項6に係る本発明は、前記モータジェネレータ(2)のロータ(2a)にオイルポンプ(10)を接続する共に、該オイルポンプに該オイルポンプの吸入口(10c、10d)と吐出口(10c、10d)を入れ替える流路切り替えバルブ(32)を接続し、前記流路切り替えバルブを、前記シフト手段(33)が後退を指示した場合に切り替える切り替え制御手段(37)を設けて構成した請求項1から5のいずれか1項記載のハイブリッド駆動制御装置にある。
【0018】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。以下の[作用]に関しても同様である。
【0019】
[作用]
上記した構成により、本発明は、車両を後退させる場合には、モータジェネレータ(2)が前進の場合とは逆方向に回転駆動される。
【0020】
また、モータジェネレータ(2)が逆回転する際には、クラッチ手段(6)が解放され、モータジェネレータのロータ(2a)と内燃エンジンの出力軸(1a)の接続が断たれる。
【0021】
無段変速機のプーリ比を前進及び後退用に分割して使用する必要がなくなり、ニュートラル位置を無段変速装置における変速比が最も増速方向となる位置(A)に設定することが出来る。
【0022】
モータジェネレータ(2)が逆回転しても、オイルポンプ(10)の吸入口と吐出口が逆に切り替えられるので、オイルは逆流することなく円滑に供給される。
【0023】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、車両を後退させる場合には、モータジェネレータを前進の場合とは逆方向の回転させることにより行うので、従来のように無限変速機構(IVT)の無段変速機(CVT)のプーリ比を変化させて前進と後退を切り換える複雑な制御が不要となり、簡単に後退を行うことが出来る。また、無段変速機のプーリ比に後退のためのプーリ比を設定する必要がないので、CVTのプーリ比の変動範囲を小さくすることが出来、それだけプーリの小型化が図れ、慣性モーメントを小さくして俊敏な加減速動作を可能ならしめることが出来る。
【0024】
また、従来必要であった、所定のプーリ比以下で、ダウンシフトを禁止して、前進状態から後退状態への飛込みを禁止する機構が不要となり、それだけ油圧制御機構が単純、小型化される。
【0025】
請求項2に係る本発明によると、後退(逆転)に際しては、クラッチ手段により内燃エンジンをモータジェネレータに対して切り離すことが出来るので、モータジェネレータにより効率の良い後退動作が可能となる。
【0026】
請求項3に係る本発明によると、CVTのプーリ比中に、前進と後退が混在しないことから、ギヤニュートラル位置のプーリ比をCVTにおける変速比が最も増速方向となる位置に設定した場合、CVTの減速方向における変速比を、従来のCVTよりも小さな値にすることができ、それだけプーリの径を小さくすることができるので、慣性モーメントの低減による俊敏な加減速動作が可能となる。しかも、その場合、第1の回転要素に入力されるプライマリシャフトの変速(減速)比も小さくすることができ、プライマリシャフトと第1の回転要素間の動力伝達にチェーンを使用した場合には、チェーンが空転状態となるDレンジ−Hモードにおいてチェーン速度を下げることが出来、騒音及び振動対策上有効である。また、CVTの減速方向における変速比を、従来のCVTよりも小さな値にすることが出来ることから、CVTのプーリ比を従来に比べて、伝達効率の高い1.0付近で使用することが出来るので、IVTとしてのトルク伝達効率を向上させることが出来る。
【0027】
請求項4に係る本発明によると、後退時にも変速動作を行うことにより、効率的な後退動作が可能となる。
【0028】
請求項5に係る本発明によると、後退時は所定の変速比以上にはならないので、車両が予想外に高速で後退するような事態の発生も防止することが出来、また、速度制御がモータジェネレータの出力トルク制御だけですむので制御が簡単になる。
【0029】
請求項6に係る本発明によると、モータジェネレータ2の逆転にも係らず、オイルポンプは正常に動作することが出来、円滑な変速動作が可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明に係る実施の形態について説明する。図1は、車載用ハイブリット駆動装置の全体概略を示す図で、1は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃エンジンであり、2は、ブラシレスDCモータ等のモータジェネレータである。なお、該モータジェネレータは、上記モータに限らず、直流直巻モータ、直流分差モータ、誘導モータ等の他のモータでもよい。
【0031】
そして、エンジン1の出力軸1aは、フライホィール3及びダンパ5を介してシャフト4に連結しており、該シャフトとモータジェネレータ2のロータ2aとの間に入力クラッチ6が介在している。更に、エンジン出力軸1a及びロータ2aの中心軸と整列しかつ該ロータに連結しているプライマリシャフト(第1軸)8にはオイルポンプ10の回転側10aが連結されていると共に、ベルト式無段変速装置(CVT)11のプライマリプーリ7が配置されており、更にロークラッチCL を介してスプロケット13が回転自在に支持されている。なお、前記モータジェネレータ2のロータ2aの内径部分に前記入力クラッチ6が配置されており、第1軸の短縮化を図っている。
【0032】
また、プライマリシャフト(第1軸)8に平行してセカンダリシャフト(第2軸)15が配置されており、該セカンダリシャフトには、前記CVT11のセカンダリプーリ9、シングルプラネタリギヤ19、出力ギヤ21及び前記スプロケット13とチェーン22を介して連動しているスプロケット20が配置されている。上記プラネタリギヤ19及びCVT11は、後述するギヤニュートラル(GN)を有する無限変速機構(IVT)18を構成する。
【0033】
更に、カウンタ軸(第3軸)23が配置されており、該カウンタ軸には、前記セカンダリシャフト15に支持されている出力ギヤ21に噛合する大歯車25及び小歯車26が一体に固定されている。また、小歯車26はディファレンシャル装置29のデフキャリヤに連結しているギヤ30に噛合しており、該ディファレンシャル装置29は左右前輪に連結する出力軸としてのフロントアクスルシャフト31l,31rにそれぞれ差動回転を出力する。
【0034】
ついで、上述したCVT11及びプラネタリギヤ19から構成される無限変速機構(IVT)18について、図2ないし図4に沿って説明する。なお、該IVTの油圧装置等の詳細は、本出願人による出願にて既に公開になっている以下の公開公報、特開平8−261303号公報、特開平8−326860号公報、特開平8−326893号公報、特開平9−144835号公報、特開平9−166191号公報、特開平9−166215号公報、特開平9−177928号公報を参照されたい。
【0035】
前記ロークラッチCL の出力側に連結しているスプロケット13,チェーン22及びスプロケット20にて構成される定速伝動装置16の回転と、前記プライマリプーリ7,セカンダリプーリ9及びベルト19にて構成される前記CVT11の無段変速回転とが、プラネタリギヤ19にてトルク循環を生じるように合成される。即ち、前記プラネタリギヤ19は、サンギヤ19s、リングギヤ19r及びこれら両ギヤに噛合しているピニオン19pを回転自在に支持しているキャリヤ19cを有するシングルピニオンプラネタリギヤからなり、前記サンギヤ19sがCVT11のセカンダリプーリ9に連結されて第2の回転要素を構成し、前記リングギヤ19rが出力ギヤ21に連結されて第3の回転要素を構成し、前記キャリヤ19cが定速伝動装置16のセカンダリ側スプロケット20に連結されて第1の回転要素を構成している。
【0036】
また、前記プライマリプーリ7及びセカンダリプーリ9の油圧アクチュエータ7c,9cはそれぞれ固定シーブボス部7a1 ,9a1 に固定されている仕切り部材45,46及びシリンダ部材47,49と、可動シーブ7b,9b背面に固定されているドラム部材50,51及び第2ピストン部材52,53とを有しており、仕切り部材45,46が第2ピストン部材52,53に油密状に嵌合すると共に、これら第2ピストン部材52,53がシリンダ部材47,49及び仕切り部材45,46に油密状に嵌合して、それぞれ第1の油圧室55,56及び第2の油圧室57,59からなるダブルピストン(ダブルチャンバ)構造となっている。
【0037】
そして、前記油圧アクチュエータ7c,9cにおける第1の油圧室55,56は、それぞれ可動シーブ7b,9bの背面がピストン面を構成しかつ該ピストン面の有効受圧面積が、プライマリ側及びセカンダリ側にて等しくなっている。また、プライマリ側及びセカンダリ側固定シーブボス部7a1 ,9a1 にはそれぞれ第1の油圧室55,56に連通する油路及び第2の油圧室57,59に連通する油路が形成されており、またプライマリ側及びセカンダリ側の可動シーブ7b,9bをそれぞれ固定シーブ7a,9aに近づく方向に付勢するプリロード用のスプリング65,66が縮設されている。
【0038】
また、本実施の形態の油圧制御機構(手段)54は、図4に示すように、流路切り替えバルブ32、プライマリレギュレータバルブ58、レシオコントロールバルブ60、ダウンシフトリリーフバルブ61、マニュアルバルブ62及びローハイコントロールバルブ63、ロークラッチリリーフバルブ67、クラッチモデュレーションバルブ68を備えている。更に、位置検出部材としてのセンサシュー69、ロック手段としてのインターロックロッド70を備えている。
【0039】
センサシュー69は、プライマリプーリ7の軸と平行に配置されたガイド部材69aによってスライド自在に支持されている。センサシュー69からは、連結部69bが突出されており、連結部65bは、プライマリプーリ7の可動シーブ7bに係合されている。
【0040】
更に、センサシュー69には、凹部69cが形成されており、この凹部69cには、インターロックロッド70の基端部70aが係脱される。インターロックロッド70は、バルブボディを貫通するようにして配置されており、その先端部77bは、ローハイコントロールバルブ63の凹部63a,63bに係脱される。なお、図4においては、インターロックロッド70は、その基端部70aと先端部70bとが分割して図示されているが、実際には、これは一体に形成されている。また、インターロックロッド70の基端部70aがセンサシュー69の凹部69cに係合されているときは、先端部70bは、ローハイコントロールバルブ63の凹部63a、63bのいずれにも係合されないでローハイコントロールバルブ63の表面に当接し、反対に、基端部70aがセンサシュー69の凹部69cから外れてセンサシュー69の表面に当接しているときは、先端部70bは、ローハイコントロールバルブ63の凹部63a、63bのいずれかに係合するように構成されている。
【0041】
また、オイルポンプ10は、第5図に示すように、プライマリシャフト8が接続されて該シャフト8により回転駆動される回転側10aと、ポンプ本体10e側に固定された固定側10bを有しており、ポンプ本体10eの両側には、吸入吐出口10c、10dが対向する形で設けられている。吸入吐出口10c,10dには、シフトレバ33により操作される流路切り替えバルブ32が接続しており、該切り替えバルブ32は、シフトレバ33が、P(パーキング)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、L(ロー)レンジのときに、ポートPAとPB、PCとPDが連通するポジション1を取り、シフトレバ33が、R(リバース)レンジの場合にのみ、ポートPAとPD、PBとPCが連通するポジション2を取る。ポートPBはオイルタンク12に接続され、ポートPDは、図4のプライマリレギュレータバルブ58に接続している。
【0042】
また、ハイブリッド駆動制御装置34は、図6に示すように、モータジェネレータ2に接続されたインバータ35を有しており、インバータ35には、モータジェネレータ2に対して界磁指令S1を出力するモータ制御部36が接続され、該モータ制御部36には、モータ制御部36に駆動方向指令S2、出力トルク指令S3などを出力する車両制御部37が接続している。また、車両制御部37には、該車両制御部37からの変速指令S4に基づいてIVT18を制御する、IVT18に接続されたIVT制御部38が接続している。なお、車両制御部37には、シフトレバ33及びアクセルペダル39が接続している。番号40は、ディファレンシャル装置29のフロントアクスルシャフト31l、31rに装着された駆動輪である。
【0043】
次に、上記無限変速機IVT18に基づく作用について、図2及び3に沿って説明する。エンジン1及び/又はモータジェネレータ2の回転は、プライマリシャフト(入力軸)8に伝達される。Dレンジおいて、ロークラッチCL が接続してハイクラッチCH が切断されているローモードにあっては、前記入力軸8の回転は、プライマリプーリ7に伝達されると共に、プライマリ側スプロケット13、チェーン22及びセカンダリ側スプロケット20からなる定速伝動装置16を介してプラネタリギヤ19のキャリヤ19cに伝達される。一方、前記プライマリプーリ7の回転は、後述する油圧アクチュエータ7c,9cによりプライマリ及びセカンダリプーリのプーリ比が適宜調節されることにより無段に変速されてセカンダリプーリ9に伝達され、更に該プーリ9の変速回転がプラネタリギヤ19のサンギヤ19sに伝達される。
【0044】
プラネタリギヤ19において、定速伝動装置16を介して定速回転が伝達されるキャリヤ19cが反力要素となって、ベルト式無段変速装置(CVT)11からの無段変速回転がサンギヤ19sに伝達され、これらキャリヤとサンギヤの回転が合成されてリングギヤ19rを介して出力ギヤ21に伝達される。
【0045】
この際、出力ギヤ21には反力支持要素以外の回転要素であるリングギヤ19rが連結されているため、前記プラネタリギヤ19はトルク循環を生じると共に、サンギヤ19sとキャリヤ19cとが同方向に回転する。前記トルク循環に基づき、出力軸であるフロントアクスルシャフト31l、32rの正転(前進)方向回転状態では、ベルト式無段変速装置11はセカンダリプーリ9からプライマリプーリ7へトルクが伝達さる。
【0046】
そして、ロークラッチCL が切断されかつハイクラッチCH が接続されているハイモードにあっては、定速伝動装置16を介してのプラネタリギヤ19への伝達は断たれ、該プラネタリギヤ19は、ハイクラッチCH の係合により一体回転状態となる。従って、入力軸であるプライマリシャフト8の回転は、専らベルト式無段変速装置(CVT)11及びハイクラッチCH を介して出力ギヤ21に伝達される。即ち、CVT11は、プライマリプーリ7からセカンダリプーリ9に向けて動力伝達する。更に、出力ギヤ21の回転は、カウンタ軸23の歯車25,26を介してディファレンシャル装置29に伝達され、左右のアクスルシャフト31l,31rを介して左右前輪に伝達される。
【0047】
図7のトルク特性図にて示すように、ローモードにあっては、ベルト式無段変速装置(CVT)11が増速方向の限度(O/D端、図中最右方)にある場合、プラネタリギヤ19及び定速伝動装置16のギヤ比で定まる所定プーリ比Aにおいて、出力ギヤ21の回転数が零になるニュートラル位置(GN)となるように設定されている。CVT11が減速方向(U/D方向)に変速することにより、プーリ比が上昇し、リングギヤ19rは正転方向に回転を開始し、出力ギヤ21には該正転回転即ち前進方向の回転が伝達される。この際、図7から明らかなように、上記ニュートラル位置GN近傍にあっては、出力ギヤ21のトルクは無限大に発散する。
【0048】
ついで、図7において、CVT11が減速方向(U/D、図7最左方)端のプーリ比がCの位置になると、ハイクラッチCH が接続してハイモードに切換えられる。該ハイモードにあっては、CVT11の出力回転がそのまま出力ギヤ21に伝達される。そして今度は、CVT11が増速(O/D)方向に変速されるに従って、出力ギヤ21の回転も増速方向に変更され、その分伝達トルクは減少する。
【0049】
即ち、本発明に係るIVTの特性は、図に示す従来のIVTの特性に対し、そのリバース域がなくなるように、ローモードにおいて全体に右方向(O/D方向)に所定量移行している。具体的には、定速伝動装置16のギヤ比ic(=ギヤ20の歯数/ギヤ13の歯数)が従来のIVTに比して所定量小さくなるように設定されており(例えば従来のic=1.923、本実施例のic=1.750)、またプラネタリギヤ19のギヤ比ρ(=サンギヤ19sの歯数/リングギヤ19rの歯数)が従来のIVTに比して所定量小さくなるように設定されている(例えば従来のρ=0.562、本実施例のρ=0.421)。その結果、CVT11の変速比ipは減速(O/D)側に所定量移行し(例えば従来のip=1.923〜0.520、本実施例のip=1.750〜0.519)、セカンダリプーリ9の小型化が可能となる。
【0050】
なお、図3に示すパーキングレンジP及びニュートラルレンジNにあっては、ロークラッチCL 及びハイクラッチCH が共に切断されて、エンジンからの動力は断たれる。この際、パーキングレンジPにあっては、ディファレンシャル装置29がロックされてフロントアクスルシャフト31l,31rがロックされる。
【0051】
また、プライマリプーリ7は、その固定シーブ7aのボス部がプライマリシャフト8にスプライン嵌合されており、該固定シーブボス部に可動シーブ7bが油圧アクチュエータ7cにより軸方向移動自在に支持されている。一方、セカンダリプーリ9は、その固定シーブ9aがセカンダリシャフト15と一体に構成されており、該固定シーブ9aに可動シーブ9bが油圧アクチュエータ9cにより軸方移動自在に支持されている。
【0052】
そして、Dレンジ又は後述するRレンジにあり、車速が所定速度以下にあって、かつアクセルペダルを離した状態にあると、車両制御部37から変速指令としてのギヤニュートラル信号S4がIVT制御部38に出力され、IVT制御部38は、プライマリ及びセカンダリの両油圧アクチュエータ7c,9cにおける第1の油圧室55,56に油圧を供給した状態で、両第2の油圧室57,59の油圧を解放し、両プーリ7,9の軸力を実質的に等しくする。即ち、プライマリ及びセカンダリプーリの軸力の差を、その時点でのCVTの入力トルク及びプーリ比から決定される前記両プーリの軸力の差より、その大小関係を逆転させない範囲で小さい値になるように制御する。
【0053】
これにより、CVTのギヤニュートラル(GN)点に自己収束する力が発生し、自動的に、IVT18はGN点へと移行・保持されて、無負荷或は限りなく無負荷に近い状態となる。なお、CVT11自体は、プライマリ及びセカンダリプーリがベルト張力により拮抗した状態、即ちプーリ比が1.0になる状態が安定状態にあり、該プーリ比1.0に向って力FA が発生し、従ってIVT18がGN点に無負荷状態になると同時に、CVT11がプーリ比1.0に向う力FA が発生し、該無負荷状態でのプーリ比1.0に向う力FA と、該力FA によりGN点から外れることによる負荷状態でのGN点に向う力FN が、渦状態となって前進クリープトルクが発生する。
【0054】
そして、Dレンジにあっては、ロークラッチCL が接続され、かつプライマリ及びセカンダリの前記両第1の油圧室55,56に所定油圧が供給されている状態で、セカンダリ側の第2の油圧室59に油圧が徐々に供給され、前記ギヤニュートラル(GN)点からセカンダリプーリ9の有効径が大きくなるアンダードライブ(U/D)方向(図7の図中左方向)に移動し、この状態では入力軸8からロークラッチCL 及び定速伝動装置16を介してプラネタリギヤ19のキャリヤ19cに伝達されるトルクは、サンギヤ19sを介して所定プーリ比によるCVT11にて規制されつつ(トルク循環)、リングギヤ19rを介して出力ギヤ21に出力される。
【0055】
更に、CVT11がU/Dの所定位置(図7のプーリ比C)以上において、ロークラッチCL を切断すると共にハイクラッチCH を接続し、かつプライマリ側の第2の油圧室57に油圧が供給されるように切換えられる。この状態では、プライマリシャフト8のトルクは、プライマリプーリ7からセカンダリプーリ9に伝達されるCVT11により、適宜変速され、更にハイクラッチCH を介して出力ギヤ21から取出される。なお、ダウンシフトは、上述の逆の油圧制御により行なわれる。
【0056】
また、Rレンジにあっては、後述するように、プライマリシャフト8がモータジェネレータ2により逆転駆動されるだけで、IVT18の変速動作は、Dレンジのローモードと全く同様である。Rレンジの場合には、IVT制御部38による変速動作は、所定の変速比まではDレンジの場合と同様に行うが、ある一定の変速比に到達したところで当該変速比に固定するようにCVT11を制御する。これは、Rレンジの場合には、それほど高速で車両を移動させる必要が無く、また、変速比を固定したほうが、モータジェネレータ2の出力トルクを制御するだけで車両の速度を制御できるので制御が簡単になるからである。
【0057】
ついで、上述構成の油圧制御機構54の作用について、図4に沿って説明する。
【0058】
以下においては、(1) Dレンジ−Lモード(ドライブレンジのローモード)、(2) Dレンジ−Hモード(ドライブレンジのハイモード)、(3) R(リバース)レンジ、(4) N(ニュートラル),P(パーキング)レンジの順に説明する。
【0059】
まず、(1) 〜(4) のいずれのモードにおいても、図4に示すように、オイルポンプ10からの油圧が、後述するシフトレバ33の選択位置に対応して切り替えられる切り替えバルブ32を介してプライマリレギュレータバルブ58に供給され、該プライマリレギュレータバルブ58によって油圧が適宜調圧され、出力ポートvから出力されると共に、前記油圧油圧アクチェータ7c,9cの第1の油圧室55,56に送られて両者が等圧に制御され、更にクラッチモデュレーションバルブ68に送られる。そして、クラッチモデュレーションバルブ68からの出力油圧は、(4) のN,Pレンジの場合を除いて、ロークラッチCL またはハイクラッチCH に選択的に供給される。
(1) Dレンジ−Lモード
第1の油圧室55,56に等しい油圧が供給され、ロークラッチCL が接続され、更に、アップシフトにおいては第2の油圧室59に油圧が供給される。また、ダウンシフトにおいては第2の油圧室57に油圧が供給される
即ち、アップシフトにおいては、マニュアルバルブ62がDレンジポジションに操作されて、ポートaとb、cとd、eとfが連通し、またローハイコントロールバルブ63がLモードポジションにセットされて、ポートhとi,jとk,lとmが連通すると共に、ポートgがドレーンポートExに連通するように切り換え・保持されている。
【0060】
従って、ロークラッチCL には、クラッチモデュレーションバルブ68からの油圧が、マニュアルバルブ62のポートa及びb、ローハイコントロールバルブ63のポートh及びi、そしてロークラッチリリーフバルブ67のポートn及びoを介して供給され、ロークラッチCL は係合される。また、プライマリレギュレータバルブ58の出力ポートvからの油圧は、レシオコントロールバルブ60によって、目標プーリ比に対応した油圧になるように徐々に増加され、ポートp及びポートq、マニュアルバルブ62のポートc及びd、ローハイコントロールバルブ63のポートj及びkを介して第2の油圧室59に供給される。なお、この状態では、ハイクラッチCH は、ローハイコントロールバルブ63のポートgからドレーンポートExに連通されて解放状態にあり、またプライマリ側油圧アクチュエータ7cの第2油圧室57は、ローハイコントロールバルブ63のポートm及びl、そしてマニュアルバルブ62のポートf及びe、ダウンシフトリリーフバルブ51のポートsを介してドレーンポートExに連通している。
【0061】
これにより、ロークラッチCL が接続すると共に、CVT11は、第1及び第2の油圧室56,59の両方に油圧が作用するセカンダリ側油圧アクチュエータ9cによる軸力が、第1の油圧室55のみに油圧が作用するプライマリ側油圧アクチュエータ7cによる軸力より高くなるとともに軸力が徐々に増加され、プーリ比が増加される。このとき、プライマリプーリ7の可動シーブ7bは、U/D側に移動する。この状態では、入力軸8からロークラッチCL 及び定速伝導装置16を介してプラネタリギヤ19のキャリヤ19cに伝達されるエンジントルクは、サンギヤ19sを介して前記所定プーリ比によるCVT11にて規制されつつ、リングギヤ19rを介して出力軸であるフロントアクスル31l、31rから取出される。
【0062】
アップシフトを継続した場合、プーリ比が徐々に増加するが、このプーリ比が、所定のプーリ比に到達する以前は、ソレノイド(不図示)のON、OFF作動によるローハイコントロールバルブ63の作動が禁止される。即ち、アップシフトに伴って、プライマリプーリ7の可動シーブ7bがU/D側に移動されこれに連動してセンサシュー69も同図中、下方に移動するが、プーリ比が所定のプーリ比になるまでは、インターロックロッド70の基端部70aが凹部69cに係合することはなく、センサシュー69の表面に当接している。従って、インターロックロッド70の基端部70aと反対側の先端部70bがローハイコントロールバルブ63の凹部63aに係合され、これにより、ローハイコントロールバルブ63は、Lモードを維持した状態で機械的にロックされ、作動が禁止される。アップシフトによって、プーリ比が所定のプーリ比に到達すると、インターロックロッド70の基端部70aがセンサシュー69の凹部69cに係合し、反対側の先端部70bが同図中、右方に移動し、インターロックロッド70の凹部63aに対する係合が解除される。これにより、この時点のプーリ比よりも大きなプーリ比においては、ローハイコントロールバルブ63の作動が可能となる。なお、後述のように、ローハイコントロールバルブ63は、Dレンジ−Hモードにおいても、所定のプーリ比以下では、機械的にロックされるように構成されている。
【0063】
次に、Dレンジ−Lモードにおけるダウンシフトについては、ダウンシフトリリーフバルブ61を同図中、上方に移動させてポートrとsとを連通させることにより、マニュアルバルブ62のポートe及びf、ローハイコントロールバルブ63のポートl及びmを介して、プライマリプーリ7の油圧アクチュエータ7cの第2の油圧室57に対する油圧の供給が可能となる。つまり、ダウンシフトを行うことができる。
(2) Dレンジ−Hモード
プライマリプーリ7とセカンダリプーリ9の第1の油圧室55,56に等しい油圧が供給され、ハイクラッチCH が接続され、更に、アップシフトにおいてはプライマリプーリ7の第2の油圧室57に油圧が供給される。また、ダウンシフトにおいてはセカンダリプーリ9の第2の油圧室59に油圧が供給される。所定のプーリ比以下ではローハイコントロールバルブ60の作動がセンサーシュー69やインターロックロッド70などにより機械的に禁止される。
【0064】
即ち、Dレンジ−Hモードにあっては、図4に示すように、マニュアルバルブ62は先のローモードと同じDレンジポジションにあるが、ローハイコントロールバルブ63は、Hモードポジションに切換えられ、ポートhとg,jとm,lとkがそれぞれ連通し、かつポートiがドレーンポートExに連通する。
【0065】
従って、プライマリレギュレータバルブ58の出力ポートvからの出力油圧は、マニュアルバルブ62のポートa及びb、ローハイコントロールバルブ63のポートh及びgを介してハイクラッチ用油圧サーボCH に供給されて、該クラッチCH を係合し、またレシオコントロールバルブ60のポートp及びq、マニュアルバルブ62のポートc及びd、ローハイコントロールバルブ63のポートj及びmを介してプライマリ油圧アクチュエータ7cの第2の油圧室57に供給される。なお、この状態では、ロークラッチ用油圧サーボCL は、ローハイコントロールバルブ63のポートiからドレーンポートExに連通されて解放状態にあり、またセカンダリ油圧アクチュエータ9cの第2油圧室59は、ローハイコントロールバルブ63のポートk及びl、マニュアルバルブ62のポートf及びe、ダウンシフトリリーフバルブ61のポートsを介してドレーンポートExに連通している。
【0066】
これにより、ハイクラッチCH が接続すると共に、CVT11は、第1及び第2の油圧室55,57に油圧が供給されているプライマリ側油圧アクチュエータ7cによる軸力が、第1の油圧室56のみに供給されているセカンダリ側油圧アクチュエータ9cによる軸力により大きくなり、プライマリプーリ7からセカンダリプーリ9へのトルク伝達に対応した軸力状態で、前記レシオコントロールバルブ60を適宜調整することにより、プライマリ油圧アクチュエータ7cの第2の油圧室57の油圧が調整されて、該油圧アクチュエータ7cによる軸力が調節されて、適宜のプーリ比(トルク比)が得られる。この状態では、エンジンから入力軸8に伝達されたトルクは、プライマリプーリ7からセカンダリプーリ9に伝達されるCVT11により適宜変更され、更にハイクラッチCH を介してフロントアクスルシャフト31l、31rから取出される。
【0067】
上述のDレンジ−Hモードにおいては、プーリ比が所定のプーリ比以下になった場合に、ローハイコントロールバルブ63の作動が機械的に禁止される。即ち、プーリ比が所定のプーリ比以上の場合は、プライマリプーリ7の可動シーブ7bが同図のU/D側にあって、インターロックロッド70の基端部70aがセンサシュー70の凹部69cにはまり、一方、先端部70bがローハイコントロールバルブ63の凹部63bから外れて同図中の右方に移動するため、ローハイコントロールバルブ63の作動が可能になる。これに対し、プーリ比が所定のプーリ比以下の場合は、プライマリプーリ7の可動シーブ7bがO/D側に移動し、インターロックロッド70の基端部70aがセンサシュー69の表面に当接して、反対側の先端部70bがローハイコントロールバルブ60の凹部63bにはまる。これにより、ローハイコントロールバルブ63はHモードを保持した状態で機械的にロックされ、その作動が禁止される。
【0068】
即ち、ローハイコントロールバルブ63は、前述のDレンジ−Lモード、及び上述のDレンジ−Hモードのいずれのモードにおいて所定のプーリ比以下での作動が機械的に禁止され、それぞれLモード、Hモードが保持される。これにより、フロントアクスルシャフト31l、31rの高回転時において、万一、電気的なフェールによってDレンジ−Hモードから、Dレンジ−Lモードに切り換えるように、ソレノイドバルブに信号が出力された場合でも、ローハイコントロールバルブ63は、作動することなく、エンジンのオーバーレブなどを有効に防止することができる。
【0069】
また、上述のDレンジ−Hモードにあっては、ダウンシフトはDレンジ−Lモードと同様に作用する。
(3) Rレンジ
Rレンジにあっては、後述するように、モータジェネレータ2が逆転駆動されることから、基本的にはDレンジ−Lモードと同様の制御が行われる。
(4) N,Pレンジ
マニュアルバルブ62のPレンジポジション及びNレンジポジションにあっては、ロークラッチCL 及びハイクラッチCH の両方が解放されると共に、プライマリ側及びセカンダリ側油圧アクチュエータ7c,9cの第1の油圧室55,56に所定油圧が供給される。即ち、マニュアルバルブ62は、ポートcとd,eとfが連通し、かつポートbがドレーンポートExに連通する。また、ローハイコントロールバルブ63は前述したLレンジに保持される。また、レシオコントロールバルブ60のポートqはドレーンポートExに連通する。
【0070】
従って、プライマリレギュレータバルブ58の出力ポートvからの出力油圧は、プライマリ油圧アクチュエータ7cの第1の油圧室55及びセカンダリ油圧アクチュエータ9cの第1の油圧室56に供給されるのみで、いずれのバルブにも供給されることがない。従って、プライマリ油圧アクチュエータ7c及びセカンダリ油圧アクチュエータ9cは、共に第1油圧室55,56にのみ同じ油圧が作用して、プライマリ及びセカンダリ両プーリ7,9は、略々等しい軸力が作用する。
【0071】
なお、上述した各ポジションD,N,R及びLモード、Hモードにおいて、プライマリ及びセカンダリの両油圧アクチュエータ7c,9cの第1油圧室55,56に、それぞれプライマリレギュレータバルブ58からの所定油圧が供給され、これによりベルトがスリップしないように伝達トルクに応じた所定軸力を確保し、また上記油圧アクチュエータ7c,9cのいずれか一方の第2油圧室57又は59に、レシオコントロールバルブ60からの調圧が作用して、両プーリ7,9の軸力の割合いを調節して、所定プーリ比になるように変速操作する。
【0072】
次に、車両を前進後退させる際の全体的な制御を説明する。即ち、車両制御部37は、運転者が、シフトレバ33を操作した場合、図8に示す制御フローチャートに基づいて変速制御動作を行う。ステップ1では、図6のシフトレバ33から出力されるシフトレバ位置信号S5に基づいて、現在のシフトレバ位置がP、Nレンジであるか否かを判定し、現在のシフトレバ位置がP、Nレンジの場合には、ステップS3に入り前述したP、Nレンジの場合の所定の停止制御を行い、現在のシフトレバ位置がP、Nレンジ以外の場合は、ステップS4に入り、現在のシフトレバ位置がD(Lレンジ等のローギヤレンジも含む)レンジであるか否かを判定する。現在のシフトレバ位置がDレンジである場合には、ステップS5に入り、先述した通常の変速制御に入る。
【0073】
なお、シフトレバ33がP,N,D,Lに有る場合には、シフトレバ33により、図5に示すように、流路切り替えバルブ32が第1ポジションに保持される。第1ポジションでは、ポートPAとPB、PCとPDが連通し、オイルポンプ10の吸入吐出口10cがオイルタンク12と接続され、吸入吐出口10dがプライマリレギュレータバルブ58に接続される。この状態で、ガソリンエンジン1又はモータジェネレータ2が駆動され、プライマリシャフトが回転駆動されると、オイルポンプ10の回転側10aは、図5矢印A方向に回転し、それにより、オイルタンク12内のオイル14は、流路切り替えバルブ32のポートPB、PA、吸入吐出口10c、10d、ポートPC、PBを経由して、プライマリレギュレータバルブ58に供給される。
【0074】
ステップS4で現在のシフトレバ位置がDレンジでないと判断された場合には、車両制御部37は、現在のシフトレバ33の位置をRレンジ、即ち後退と判断し、ステップS6以降の、後退制御を行う。即ち、車両制御部37はステップS6に入り、クラッチ6を開放切断し、内燃エンジン1とモータジェネレータ2の接続を断つ。次に、ステップS7に入り、モータ制御部36に対してモータジェネレータ2を、D、P、Nレンジの場合のモータジェネレータ2の回転方向を正転とした場合に、逆方向にその回転を行うように指令する。すると、モータ制御部36はインバータ35を介して公知の手法でモータジェネレータ2をそれまでの正転状態から逆転状態にその回転方向を逆転させる。すると、プライマリシャフト8も、その回転方向が前進状態の場合と逆転する。その際、オイルポンプ10の流路切り替えバルブ32は、図5に示すように、シフトレバ33がRレンジに切り替えられた時点で、ポジション2に切り替えられ、ポートPAとPD、PBとPCが連通し、オイルポンプ10の吸入吐出口10dがオイルタンク12と接続され、吸入吐出口10cがプライマリレギュレータバルブ58に接続される。この状態で、モータジェネレータ2が逆転駆動され、プライマリシャフトが逆方向に回転駆動されると、オイルポンプ10の回転側10aは、それまでの矢印A方向から図5矢印B方向に回転するが、流路切り替えバルブ32により、オイルタンク12内のオイル14は、流路切り替えバルブ32のポートPB、PC、吸入吐出口10d、10c、ポートPA、PDを経由して、プライマリレギュレータバルブ58に、シフトレバ33がP、D、Nレンジの場合と同様に円滑に供給される。
【0075】
ステップS7でモータジェネレータ2を逆転させる際には、既に述べたように、モータジェネレータ2と内燃エンジン1の接続は断たれているので、モータジェネレータ2により内燃エンジン1を回転させる必要がないので効率良くモータジェネレータ2を回転駆動することが出来る。
【0076】
こうして、モータジェネレータ2が逆転したところで、ステップS8に入り車両制御部37はDレンジ−Lモードと同様のリバース変速制御を、IVT制御部38を介して行う。即ち、後退の場合でも、Dレンジ−Lモードと同様の変速制御が行われることから、アクセル開度や車速に応じてIVT18により変速動作を行うことが出来るので、前進の場合と同様の効率の良い走行が可能となる。
【0077】
また、IVT18内でCVT11のプーリ比をギヤニュートラルGN位置よりも小さくすることにより逆回転を生み出す必要がないので、ギヤニュートラルGN位置を、第7図に示すように、CVT11のプーリ比が最小となるA位置に設定することが可能となり、その場合に、CVT11のプーリ比の全体の変動幅を小さくすることが出来、プーリの小型化(例えば、図1のセカンダリプーリ9の半径rsを小さくすること)が可能となる。
【0078】
また、上述の実施の形態は、オイルポンプ10がモータジェネレータ2により駆動される例について説明したが、オイルポンプ10は、モータジェネレータ2による駆動によらず、モータジェネレータ2とは別置きの電動オイルポンプ等により駆動するようにしてもよい。この場合、オイルポンプ10の回転駆動方向をモータジェネレータ2の回転方向とは無関係に一定とすることが出来るので、図5に示すような流路切り替えバルブ32などは不要である。
【0079】
なお、上述実施の形態は、無段変速装置(CVT)としてベルト式無段変速装置を用いたが、トロイダル方式等の他の無段変速装置を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハイブリッド駆動装置の一例を示す概略図。
【図2】無限変速機構(IVT)の一例を示す正断面図。
【図3】各クラッチの係合状態を示す図。
【図4】IVTの油圧制御機構の一例を示す油圧回路図。
【図5】オイルポンプの切り替え機構の一例を示す図。
【図6】ハイブリッド駆動制御装置の一例を示す図。
【図7】CVTのプーリ比に対するIVTの出力トルク比を示す図。
【図8】前進後退の際の制御フローチャートの一例。
【図9】従来の制御装置を使用した無限変速機構において、無段変速機のプーリ比に対する無限変速機の出力トルク比を示す図。
【符号の説明】
1 内燃エンジン
2 モータジェネレータ
2a ロータ
8 プライマリシャフト
10 オイルポンプ
10c、10d 吸入吐出口
11 無段変速装置(CVT)
15 セカンダリシャフト
18 無限変速機構(IVT)
19 プラネタリギヤユニット
19c 第1の回転要素(キャリア)
19r 第3の回転要素(リングギヤ)
19s 第2の回転要素(サンギヤ)
32 流路切り替えバルブ
33 シフト手段(シフトレバ)
36 モータ制御部
37 車両制御部
38 IVT制御部
GN ニュートラル位置(ギヤニュートラル)

Claims (6)

  1. 電気エネルギにより回転すると共に発電し得るモータジェネレータと、
    プライマリシャフトとセカンダリシャフトとの間に配置されこれら両シャフト間のトルク比を無段に変する無段変速装置と、前記無段変速装置のプライマリ側に連動する第1の回転要素、該無段変速装置のセカンダリ側に連動する第2の回転要素、前記第1の回転要素及び第2の回転要素の回転をトルク循環を生じる状態で合成して駆動車輪に出力する第3の回転要素を有するプラネタリギヤユニットと、を有し、前記無段変速装置を、前記第3の回転要素がニュートラル位置となるように自己収束するニュートラル制御と、該ニュートラル位置から無段に変速する変速制御とを行う無限変速機構と、を備え、
    前記モータジェネレータ及び/又は内燃エンジンの出力を、前記無限変速機構を介して前記駆動車輪に伝達するハイブリッ駆動制御装置において、
    車輌の前進及び後退を指示しうるシフト手段を有し、
    前記シフト手段が後退を指示した場合、前記モータジェネレータを、前進の場合とは逆方向に回転させるモータ制御手段を設けたことを特徴とする、
    ハイブリッド駆動制御装置。
  2. 前記内燃エンジンの出力軸と前記モータジェネレータのロータとの間に、クラッチ手段を設け、
    前記シフト手段が後退を指示した場合に、前記クラッチ手段を解放するクラッチ制御手段を設けて構成した、
    請求項1記載のハイブリッド駆動制御装置。
  3. 前記無限変速機構のニュートラル位置は、前記無段変速装置における変速比が最も増速方向となる位置に設定したことを特徴とする、
    請求項1又は2記載のハイブリッド駆動制御装置。
  4. 前記シフト手段が後退を指示した際に、前記無限変速機構が、アクセル開度と車速に応じた変速比となるように制御する制御手段を設けて構成した、
    請求項1から3のいずれか1項記載のハイブリッド駆動制御装置。
  5. 前記シフト手段が後退を指示した際に、前記無限変速機構が、所定の変速比までは変速動作を行い、当該変速比に達した場合には、当該変速比で変速比を固定するように制御する制御手段を設けて構成した、
    請求項1から3のいずれか1項記載のハイブリッド駆動制御装置。
  6. 前記モータジェネレータのロータにオイルポンプを接続する共に、該オイルポンプに該オイルポンプの吸入口と吐出口を入れ替える流路切り替えバルブを接続し、前記流路切り替えバルブを、前記シフト手段が後退を指示した場合に、切り替える切り替え制御手段を設けて構成した、
    請求項1から5のいずれか1項記載のハイブリッド駆動制御装置。
JP10157998A 1998-04-13 1998-04-13 ハイブリッド駆動制御装置 Expired - Fee Related JP3743158B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10157998A JP3743158B2 (ja) 1998-04-13 1998-04-13 ハイブリッド駆動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10157998A JP3743158B2 (ja) 1998-04-13 1998-04-13 ハイブリッド駆動制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11299005A JPH11299005A (ja) 1999-10-29
JP3743158B2 true JP3743158B2 (ja) 2006-02-08

Family

ID=14304312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10157998A Expired - Fee Related JP3743158B2 (ja) 1998-04-13 1998-04-13 ハイブリッド駆動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3743158B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9358971B2 (en) 2011-03-17 2016-06-07 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Power transmission apparatus for hybrid vehicle

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3951904B2 (ja) * 2002-11-29 2007-08-01 株式会社エクォス・リサーチ ハイブリッド車用駆動装置
JP4800014B2 (ja) * 2005-03-31 2011-10-26 本田技研工業株式会社 油圧回路の制御装置
JP2007211962A (ja) * 2006-02-13 2007-08-23 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 車両用変速装置及びその制御装置
KR100774665B1 (ko) 2006-09-21 2007-11-08 현대자동차주식회사 토로이달을 이용한 하이브리드 파워트레인 구조
JP5162792B2 (ja) * 2009-05-11 2013-03-13 本田技研工業株式会社 動力伝達装置
JP2013095260A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Aisin Aw Co Ltd ハイブリッド駆動装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9358971B2 (en) 2011-03-17 2016-06-07 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Power transmission apparatus for hybrid vehicle
DE102012102146B4 (de) 2011-03-17 2023-10-26 Subaru Corporation Kraftübertragungsvorrichtung für Hybridfahrzeuge

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11299005A (ja) 1999-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5961418A (en) Infinitely variable transmission
US6659901B2 (en) Infinite speed ratio continuously variable transmission
US6997831B2 (en) Vehicular transmission
JP3327263B2 (ja) ハイブリッド駆動装置の制御装置
EP0733829B1 (en) Continuously variable transmission
EP0834680B1 (en) Infinitely variable transmission
US7066860B2 (en) Driving system of motor vehicle
JP2007503356A (ja) 電気機械的トランスミッションのパワーフロー管理のための方法及び装置
JP3475678B2 (ja) 無段変速機
KR20100108274A (ko) 무단 변속기 및 그 제어 방법
JP3376892B2 (ja) 無段変速機
JP3988789B2 (ja) ハイブリット駆動装置における発進制御装置
JP4275637B2 (ja) ハイブリッド車両の駆動装置
JP3743158B2 (ja) ハイブリッド駆動制御装置
JP2001108079A (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JP3571607B2 (ja) ベルト式無段変速機
JP2005155729A (ja) ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JP3931425B2 (ja) ハイブリット駆動装置
JP4378844B2 (ja) 車両駆動装置
JP4035423B2 (ja) 変速機
JP2005180561A (ja) ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JP3475673B2 (ja) 無段変速機
JP3514052B2 (ja) 無段変速機
JP4517451B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JPH06174073A (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050309

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051025

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081125

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091125

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees