JP5162792B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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本発明は、無段変速機構及びギヤ列を備える動力伝達装置に関する。
ドライブプーリ、ドリブンプーリ、及びVベルトを有する無段変速機構を備える動力伝達装置においては、ドライブプーリのプーリ径が最小となる最大変速比、及び、ドリブンプーリのプーリ径が最小となる最小変速比で、Vベルトの伝達効率が低下する。
そこで、従来の動力伝達装置においては、無段変速機構と、最大変速比を確保するローギヤ列とを並列に配置し、最大変速比における動力伝達をローギヤ列で受け持つように構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
この動力伝達装置は、入力軸、出力軸、及び中間軸を備え、入力軸と中間軸との間に、入力軸上に相対回転自在に設けられたドライブプーリと、中間軸上に設けられたドリブンプーリと、ドライブプーリ及びドリブンプーリ間に設けられたVベルトとを有して構成される無段変速機構が配置されている。入力軸には発進クラッチが設けられており、発進クラッチを作動させ、ドライブプーリを入力軸に結合することにより、無段変速機構での動力伝達を可能にしている。
入力軸にはロードライブギヤも設けられており、ロードライブギヤは、アイドラギヤを介して、中間軸上に相対回転自在に設けられたロードリブンギヤと噛み合っている。これらロードライブギヤ、アイドラギヤ、及びロードリブンギヤがローギヤ列を構成している。中間軸にはロークラッチが設けられており、ロークラッチを作動させ、ロードリブンギヤを中間軸に結合することにより、ローギヤ列での動力伝達を可能にしている。
特開2004−257408号公報
しかしながら、従来の動力伝達装置では、無段変速機構の他に、ロードライブギヤ、あるいはオーバードライブギヤ等を追加する場合、例えばローギヤ列専用のロークラッチ、あるいはオーバードライブクラッチ等を必要とするため、軸長が長くなり、変速機が大型化、重量化するという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、小型化、軽量化を図りつつ、無段変速機構に、例えばオーバードライブギヤ等のギヤ列を追加可能な動力伝達装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、エンジンからの出力を同軸上の第1入力軸、第2入力軸、及び該入力軸と並列の第1中間軸、第2中間軸のいずれかの軸を介して出力軸に伝達し、前記入力軸と前記第1中間軸との間に、該入力軸上のドライブプーリ、第1中間軸上のドリブンプーリ、及び両プーリの間に掛けたVベルトを有する無段変速機構を備えた動力伝達装置であって、該入力軸と同軸上で第1入力軸、第2入力軸を選択可能なクラッチ機構を備え、前記第2入力軸上に後退ギヤ列及び出力軸に動力伝達する第2駆動ギヤ列を配置し、該第2入力軸と同軸上で後退ギヤ列又は第2駆動ギヤ列を選択可能な選択機構を備え、前記第1中間軸と前記出力軸の間に前記無段変速機構を経て出力軸に動力伝達する第3駆動ギヤ列を配置したことを特徴とする。
上記構成によれば、クラッチ機構及び選択機構を設けるだけで、その切換によって、第2駆動ギヤ列、第3駆動ギヤ列(無段変速機構を含む。)、及び後退ギヤ列を選択できるので、小型化、軽量化を図りつつ、無段変速機構に第2駆動ギヤ列(例えばオーバードライブギヤ列)を追加できる。そして、すべての運転モード切換がスムーズになる。
上記構成において、前記選択機構は、前記クラッチ機構により第1入力軸が選択され、第2入力軸が非選択のとき、第2入力軸上の後退ギヤ列又は第2駆動ギヤ列を予め選択可能に構成されていてもよい。
上記構成によれば、第1入力軸が選択されたときに、非選択で、非回転の第2入力軸に配置された後退ギヤ列、又は第2駆動ギヤ列が選択機構により予め選択されるので、クラッチ機構を既に結合していた第1入力軸及び第2入力軸の一方から切り離すとともに、第1入力軸及び第2入力軸の他方に結合させるだけの、いわゆる2クラッチ切換によって、スムーズに直接変速できる。
上記構成において、前記第3駆動ギヤ列の内、第1中間軸と出力軸の間を連結するギヤ列の一部が、前記第2駆動ギヤ列と同一直線上に配置され、当該ギヤ列の一部が前記第2駆動ギヤ列の一部を兼ねてもよい。
上記構成によれば、第2駆動ギヤ列の一部を別に設ける必要がなくなるので、ギヤ数を削減できるとともに、出力軸を短くできる。
上記構成において、前記第3駆動ギヤ列の内、第1中間軸と出力軸の間を連結するギヤ列の一部が、前記後退ギヤ列の一部と同一直線上に配置され、当該ギヤ列の一部が前記後退ギヤ列の一部を兼ねてもよい。
上記構成によれば、後退ギヤ列の一部を別に設ける必要がなくなるので、ギヤ数を削減できるとともに、出力軸を短くできる。
上記構成において、前記クラッチ機構は、エンジンと第1入力軸又は第2入力軸とを切り離す発進クラッチを兼ねてもよい。
上記構成によれば、発進クラッチを別に設ける必要がなくなるので、入力軸を短くできる。
上記構成において、前記入力軸が内メイン軸と、内メイン軸の外周に相対回転自在に嵌合した外メイン軸とを備え、両軸が前記クラッチ機構により選択可能であり、外メイン軸が軸方向に分割されて第1外メイン軸、及び第2外メイン軸を備え、第1外メイン軸上に前記第2駆動ギヤ列が配列され、第2外メイン軸上に前記後退ギヤ列が配列されていてもよい。
上記構成によれば、入力軸が内外メイン軸の二重構造に形成されるので、各軸を直列に配置する場合に比べ、入力軸を短くできる。
上記構成において、前記第1入力軸上に出力軸に動力伝達する第1駆動ギヤ列が配置されていてもよい。
上記構成によれば、クラッチ機構及び選択機構を設けるだけで、その切換によって、第1駆動ギヤ列、第2駆動ギヤ列、第3駆動ギヤ列(無段変速機構を含む。)、及び後退ギヤ列を選択できるので、小型化、軽量化を図りつつ、無段変速機構に第1駆動ギヤ列(例えばローギヤ列)及び第2駆動ギヤ列(例えばオーバードライブギヤ列)を追加できる。そして、すべての運転モード切換がスムーズになる。
上記構成において、前記第1駆動ギヤ列が、第1入力軸上のドライブギヤ、該ドライブギヤに噛み合う出力軸上のドリブンギヤで構成されてもよい。
上記構成によれば、第1駆動ギヤ列を中間軸に設ける必要がなくなるので、ギヤ数を削減できるとともに、中間軸を短くできる。
上記構成において、前記第1駆動ギヤ列と前記出力軸との間に、前記第1駆動ギヤ列から前記出力軸の方向のみに動力伝達可能なワンウェイクラッチが配置されてもよい。
上記構成によれば、エンジンの駆動力が第2駆動ギヤ列、第3駆動ギヤ列又は後退ギヤ列を介して出力軸に伝達される際に、ワンウェイクラッチが空転するので、駆動力が出力軸から第1駆動ギヤ列へと逆伝達されるのを防止できる。また、ワンウェイクラッチは、油圧で作動する断接クラッチに比べて小型であり、油圧を発生させる駆動力が不要なため、断接クラッチを設ける場合に比べ燃費を向上できる。
上記構成において、エンジンと電動機の出力を出力軸に伝達するハイブリッド車両用の動力伝達装置であって、前記電動機を構成するロータを前記クラッチ機構の外周に該クラッチ機構と一体回転可能に配置し、該ロータの外周にステータを配置してもよい。
上記構成によれば、クラッチ機構の外周にハイブリッド車両の電動機が配置されるので、入力軸を短くできる。
上記構成において、前記クラッチ機構に前記エンジンを切り離すクラッチ部を一体に形成してもよい。
上記構成によれば、電動機用のクラッチ部がクラッチ機構に一体に形成されるので、入力軸を短くできる。
本発明によれば、第1入力軸、第2入力軸を選択可能なクラッチ機構と、後退ギヤ列又は第2駆動ギヤ列を選択可能な選択機構とを備えたため、クラッチ機構及び選択機構を設けるだけで、その切換によって、第2駆動ギヤ列、第3駆動ギヤ列(無段変速機構を含む。)、及び後退ギヤ列を選択できるので、小型化、軽量化を図りつつ、無段変速機構に第2駆動ギヤ列(例えばオーバードライブギヤ列)を追加できる。そして、すべての運転モード切換がスムーズになる。
また、選択機構は、クラッチ機構により第1入力軸が選択され、第2入力軸が非選択のとき、第2入力軸上の後退ギヤ列又は第2駆動ギヤ列を予め選択可能に構成されているため、第1入力軸が選択されたときに、非選択で、非回転の第2入力軸に配置された後退ギヤ列、又は第2駆動ギヤ列が選択機構により予め選択されるので、クラッチ機構を既に結合していた第1入力軸及び第2入力軸の一方から切り離すとともに、第1入力軸及び第2入力軸の他方に結合させるだけの、いわゆる2クラッチ切換によって、スムーズに直接変速でき、変速に要する時間を短縮できるとともに、変速時の振動を低減できる。
また、第3駆動ギヤ列の内、第1中間軸と出力軸の間を連結するギヤ列の一部が、第2駆動ギヤ列と同一直線上に配置され、ギヤ列の一部が第2駆動ギヤ列の一部を兼ねるため、第2駆動ギヤ列の一部を別に設ける必要がなくなるので、ギヤ数を削減できるとともに、出力軸を短くでき、その結果、小型化、軽量化が図れる。
また、第3駆動ギヤ列の内、第1中間軸と出力軸の間を連結するギヤ列の一部が、後退ギヤ列の一部と同一直線上に配置され、ギヤ列の一部が後退ギヤ列の一部を兼ねるため、後退ギヤ列の一部を別に設ける必要がなくなるので、ギヤ数を削減できるとともに、出力軸を短くでき、その結果、小型化、軽量化が図れる。
また、クラッチ機構が、エンジンと第1入力軸又は第2入力軸とを切り離す発進クラッチを兼ねるため、発進クラッチを別に設ける必要がなくなるので、入力軸を短くでき、その結果、小型化、軽量化が図れる。
また、入力軸が内メイン軸と、軸方向に第1外メイン軸、及び第2外メイン軸に分割された外メイン軸とを備え、第1外メイン軸上に第2駆動ギヤ列が配列され、第2外メイン軸上に後退ギヤ列が配列されているため、入力軸が内外メイン軸からなる二重構造に形成されるので、各軸を直列に配置する場合に比べ、入力軸を短くでき、その結果、小型化、軽量化が図れる。
また、第1入力軸上に出力軸に動力伝達する第1駆動ギヤ列が配置されているため、クラッチ機構及び選択機構を設けるだけで、その切換によって、第1駆動ギヤ列、第2駆動ギヤ列、第3駆動ギヤ列(無段変速機構を含む。)、及び後退ギヤ列を選択できるので、小型化、軽量化を図りつつ、無段変速機構に第1駆動ギヤ列(例えばローギヤ列)及び第2駆動ギヤ列(例えばオーバードライブギヤ列)を追加できる。そして、すべての運転モード切換がスムーズになる。
また、第1駆動ギヤ列が、第1入力軸上のドライブギヤ、ドライブギヤに噛み合う出力軸上のドリブンギヤで構成されるため、第1駆動ギヤ列を中間軸に設ける必要がなくなるので、ギヤ数を削減できるとともに、中間軸を短くでき、その結果、小型化、軽量化が図れる。
また、第1駆動ギヤ列と出力軸との間に、第1駆動ギヤ列から出力軸の方向のみに動力伝達可能なワンウェイクラッチが配置されるため、エンジンの駆動力が第2駆動ギヤ列、第3駆動ギヤ列又は後退ギヤ列を介して出力軸に伝達される際に、ワンウェイクラッチが空転するので、駆動力が出力軸から第1駆動ギヤ列へと逆伝達されるのを防止できる。また、ワンウェイクラッチは、油圧で作動する断接クラッチに比べて小型であり、油圧を発生させる駆動力が不要なため、断接クラッチを設ける場合に比べ燃費を向上できる。
また、エンジンと電動機の出力を出力軸に伝達するハイブリッド車両用の動力伝達装置であって、電動機を構成するロータをクラッチ機構の外周にクラッチ機構と一体回転可能に配置し、ロータの外周にステータを配置したため、クラッチ機構の外周に電動機が配置されるので、入力軸を短くでき、その結果、小型化、軽量化が図れる。
さらに、EVモードでの走行を可能とすべくクラッチ機構にエンジンを切り離すクラッチ部を一体に形成したため、電動機用のクラッチ部がクラッチ機構に一体に形成されるので、入力軸を短くでき、その結果、小型化、軽量化が図れる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
〔第一の実施の形態〕
図1は、本発明の第一の実施の形態に係る動力伝達装置を示すスケルトン図である。
図1において、Eはエンジンを示す。エンジンEは、クランク軸11をクランキングして始動される。エンジンEには、動力伝達装置100が接続されている。動力伝達装置100は発進機構14を有し、発進機構14は、エンジンEのクランク軸11に連結されている。発進機構14は、湿式や乾式の摩擦機構よりなる発進クラッチとダンパとを備えて構成されている。この発進機構14は、ダンパのみを用いて構成してもよいし、例えばトルクコンバータやフルードカップリング等の流体継ぎ手、電磁パウダー式のクラッチやブレーキを用いて構成してもよい。発進機構14には、この発進機構14と一体回転自在なクラッチ機構15が接続されている。クラッチ機構15は油圧多板クラッチであり、回転自在な内メイン軸16と、内メイン軸16の外周に相対回転自在に嵌合した中空の外メイン軸17とを有し、クラッチ切換により、内メイン軸16の回転、又は外メイン軸17の回転を選択可能に構成されている。すなわち、クラッチ機構15は、エンジンE側と内外メイン軸16,17とを切り離す従来の発進クラッチを兼ねている。このため、発進クラッチを別に設ける必要がなくなり、発進クラッチと選択機構を別に設ける場合に比べ、内外メイン軸16,17を短くすることが可能になる。
外メイン軸17は軸方向に分割されており、クラッチ機構15側から順に、第1外メイン軸17A、及び第2外メイン軸17Bに2分割されている。なお、内メイン軸16は、第1入力軸を構成し、外メイン軸17、第1外メイン軸17A、及び第2外メイン軸17Bは、第2入力軸を構成している。この構成により、入力軸が内外メイン軸16,17からなる二重構造に形成されるので、第1入力軸及び第2入力軸を直列に配置する場合に比べ、入力軸を短くすることが可能になる。
内メイン軸16のクラッチ機構15と反対側の端部にはロードライブギヤ(ドライブギヤ)18が設けられ、第1外メイン軸17Aにはオーバードライブギヤ19が設けられ、第2外メイン軸17Bにはリバースギヤ20が設けられている。
第1外メイン軸17Aと第2外メイン軸17Bとの間には、選択機構21が配置され、選択機構21は、その切換により、第1外メイン軸17A(オーバードライブギヤ19)、又は第2外メイン軸17B(リバースギヤ20)の回転を選択可能に構成されている。選択機構21は、例えばシンクロメッシュ機構を用いて構成され、軸方向に作動して、第1外メイン軸17A又は第2外メイン軸17Bを外メイン軸17に選択的に接続させる。すなわち、選択機構21は、外メイン軸17とリバースギヤ20とを切り離す従来の後退クラッチを兼ねている。このため、後退クラッチを別に設ける必要がなくなり、後退クラッチと選択機構を別に設ける場合に比べ、内外メイン軸16,17を短くすることが可能になる。
内外メイン軸16,17と平行に、回転自在な第1中間軸22が配置されている。内メイン軸16と第1中間軸22との間に、無段変速機構CVTが配置されている。
無段変速機構CVTは、内メイン軸16上に設けられたドライブプーリ23と、第1中間軸22上に設けられたドリブンプーリ24と、ドライブプーリ23及びドリブンプーリ24間に設けられたVベルト25とを有して構成される。
ドライブプーリ23は、内メイン軸16上に固定された固定側プーリ半体23Aと、固定側プーリ半体23Aと一体回転するとともに固定側プーリ半体23Aに対して接近・離反するように軸方向に移動可能に設けられた可動側プーリ半体23Bとを備えて構成されている。可動側プーリ半体23Bの側面にはドライブ油室23Cが形成されており、ドライブ油室23Cにドライブ制御油圧を供給して可動側プーリ半体23Bの軸方向移動を制御するようになっている。
ドリブンプーリ24は、第1中間軸22上に固定された固定側プーリ半体24Aと、固定側プーリ半体24Aと一体回転するとともに固定側プーリ半体24Aに対して接近・離反するように軸方向に移動可能に設けられた可動側プーリ半体24Bとを備えて構成されている。可動側プーリ半体24Bの側面にはドリブン油室24Cが形成されており、ドリブン油室24Cにドリブン制御油圧を供給して可動側プーリ半体24Bの軸方向移動を制御するようになっている。
無段変速機構CVTの変速比は、エンジンEの負荷および回転数に応じてドライブ油室23C及びドリブン油室24Cへの油圧供給を制御することにより、無段階に変化する。例えば、ドライブプーリ23の可動側プーリ半体23Bを固定側プーリ半体23Aに接近させてドライブプーリ23のプーリ径を大きくし、ドリブンプーリ24の可動側プーリ半体24Bを固定側プーリ半体24Aから離反させてドリブンプーリ24のプーリ径を小さくすると、無段変速機構CVTの変速比が無段階に小さくなる。
逆に、ドライブプーリ23の可動側プーリ半体23Bを固定側プーリ半体23Aから離反させてドライブプーリ23のプーリ径を小さくし、ドリブンプーリ24の可動側プーリ半体24Bを固定側プーリ半体24Aに接近させてドリブンプーリ24のプーリ径を大きくすると、無段変速機構CVTの変速比が無段階に大きくなる。
第1中間軸22のクラッチ機構15側の端部には、第1ギヤ33が設けられている。第1ギヤ33は、オーバードライブギヤ19と同一直線上に配置されている。
第2中間軸26には、クラッチ機構15の反対側から順に、リバースギヤ20と噛み合う第1リバースアイドラギヤ31と、第2リバースアイドラギヤ32とが設けられている。第2リバースアイドラギヤ32は、オーバードライブギヤ19と同一直線上に配置されている。
第1中間軸22に平行な出力軸34上には、クラッチ機構15側から順に、ファイナルドライブギヤ35と、オーバードライブギヤ19、第1ギヤ33、又は第2リバースアイドラギヤ32と噛み合う第2ギヤ36と、ロードライブギヤ18と噛み合うロードリブンギヤ(ドリブンギヤ)128とが設けられている。ロードリブンギヤ128は、ワンウェイクラッチ130を介して出力軸34に支持されている。
ワンウェイクラッチ130は、車両が前進走行する際に内メイン軸16側から出力軸34側に駆動力が伝達するときに出力軸34と結合し、その逆方向に駆動力が伝達するときに空転する。このワンウェイクラッチ130は、油圧で作動する断接クラッチに比べて小型であり、油圧を発生させる駆動力が不要なため、断接クラッチを設ける場合に比べ燃費を向上できる。
ファイナルドライブギヤ35は、ディファレンシャルギヤ37に繋がるファイナルドリブンギヤ38に噛み合っている。ディファレンシャルギヤ37には、左右の車輪(不図示)へと延びる車軸39が接続されている。
図2は、動力伝達装置100の軸配列位置を示す図である。
図2に示すように、同一軸上に配置した内外メイン軸16,17に対して第1中間軸22が後上方に配置され、第1中間軸22に対して出力軸34が後下方に配置され、出力軸34に対して車軸39が後下方に配置されている。
第2中間軸26は、内外メイン軸16,17の後下方であって出力軸34の前下方に配置されている。
一般に、無段変速機構CVTでは、発進機構14、ドライブプーリ23、ドリブンプーリ24、及びファイナルドリブンギヤ38が大きなCVT配置スペースを占める。
本構成では、図2に示す軸配列位置から明らかなように、付加されたロードライブギヤ18、ロードリブンギヤ128、オーバードライブギヤ19、第1ギヤ33、及び第2ギヤ36等が、従来のCVT配置スペース内に概ね納まっている。
この軸配列位置により、無段変速機構CVTを含む動力伝達装置100の寸法を小型化し、動力伝達装置100の大型化を回避している。
図3は、動力伝達装置100の変速段を示す。
動力伝達装置100は、運転モードとして、ニュートラル段N、ロー段L(図4)、ドライブ段D(図5)、オーバードライブ段OD(図6)、リバース段R(図7)の各変速段を備える。
ニュートラル段Nでは、図1に示すクラッチ機構15が解放され、エンジンEからの駆動力は、内外メイン軸16,17に伝達されない。
ニュートラル段Nの状態から、クラッチ機構15が内メイン軸16に結合されると、動力伝達装置100の変速段は、ニュートラル段Nから、図4に示すように、ロー段Lとなる。
ロー段Lでは、エンジンEの駆動力は、図4に太線で示すように、クラッチ機構15から内メイン軸16、ロードライブギヤ18、ロードリブンギヤ128、ワンウェイクラッチ130、出力軸34、ファイナルドライブギヤ35、ファイナルドリブンギヤ38、及びディファレンシャルギヤ37を介して車軸39に伝達される。
この経路は、第1駆動力伝達経路(ロー段L)と定義される。ロードライブギヤ18及びロードリブンギヤ128は、第1駆動ギヤ列(ローギヤ列)を構成している。
ロー段Lでは、選択機構21は第2外メイン軸17Bに結合され、リバースギヤ20は外メイン軸17に予め間接的に接続された状態になる。また、ロー段Lでは、ワンウェイクラッチ130の作用により、車輪駆動方向の駆動力は伝達されるが、これと逆方向の駆動力は伝達されない。
動力伝達装置100は、ドライブプーリ23のプーリ径が最小となりVベルト25の伝達効率が低下する最大変速比において、動力伝達を第1駆動力伝達経路、すなわちローギヤ列18,128で受け持つように構成されている。このため、動力伝達装置100は、最大変速比を無段変速機構が受け持つ場合に比べ、より高い駆動力を得ることができ、その結果、車両をスムーズに発進させ、あるいは車両を効率良く低速走行させることができる。
上記ニュートラル段Nの状態では、無段変速機構CVTの変速比は最大変速比(ドライブプーリ23のプーリ径が最小で、ドリブンプーリ24のプーリ径が最大。)に制御されている。そして、上記ロー段L時に、エンジンEの回転速度が増速して、無段変速機構CVTの変速比が最大変速比未満であって最小変速比(ドライブプーリ23のプーリ径が最大で、ドリブンプーリ24のプーリ径が最小。)より大きく制御されると、動力伝達装置100の変速段は、図5に示すように、ドライブ段Dとなる。
すなわち、ロー段Lの変速比は、無段変速機構CVTの変速比が最大変速比となるドライブ段Dの最大変速比と略同一に設定されているので、ロー段L時において、出力軸34及びロードリブンギヤ128の回転速度は略同一になる。したがって、ワンウェイクラッチ130は出力軸34に結合し、エンジンEの駆動力はロー段Lのギヤ列を介して車軸39に伝達される。
しかしながら、エンジンEの回転数が上記ロー段Lを超えてドライブ段Dに増速すると、出力軸34はロードリブンギヤ128より速く回転するので、ワンウェイクラッチ130が空転する。
ドライブ段Dでは、エンジンEの駆動力は、図5に太線で示すように、クラッチ機構15から内メイン軸16、無段変速機構CVT、第1中間軸22、第1ギヤ33、第2ギヤ36、出力軸34、ファイナルドライブギヤ35、ファイナルドリブンギヤ38、及びディファレンシャルギヤ37を介して車軸39に伝達される。
この経路は、第3駆動力伝達経路(ドライブ段D)と定義される。第1ギヤ33及び第2ギヤ36は、第3駆動ギヤ列を構成している。
ドライブ段Dでは、選択機構21は第1外メイン軸17Aに結合され、オーバードライブギヤ19は外メイン軸17に予め間接的に接続された状態になる。
ドライブ段Dの状態から、無段変速機構CVTの変速比が最小変速比に制御されると、動力伝達装置100の変速段は、ドライブ段Dから、図6に示すように、オーバードライブ段ODとなる。
オーバードライブ段ODでは、エンジンEの駆動力は、図6に太線で示すように、クラッチ機構15から外メイン軸17、第1外メイン軸17A、オーバードライブギヤ19、第2ギヤ36、出力軸34、ファイナルドライブギヤ35、ファイナルドリブンギヤ38、及びディファレンシャルギヤ37を介して車軸39に伝達される。
この経路は、第2駆動力伝達経路(オーバードライブ段OD)と定義される。オーバードライブギヤ19及び第2ギヤ36は、第2駆動ギヤ列(オーバードライブギヤ列)を構成している。
このとき、第1外メイン軸17A(オーバードライブギヤ19)は、選択機構21により外メイン軸17に予め接続されているので、クラッチ機構15を内メイン軸16から切り離すとともに外メイン軸17に結合するだけで、駆動力の伝達経路が第3駆動力伝達経路から第2駆動力伝達経路にスムーズに直接変更される。
動力伝達装置100は、ドリブンプーリ24のプーリ径が最小となりVベルト25の伝達効率が低下する最小変速比において、動力伝達を第2駆動力伝達経路、すなわちオーバードライブギヤ列19,36で受け持つように構成されている。このため、動力伝達装置100は、最小変速比を無段変速機構が受け持つ場合に比べ、車両を効率良く高速走行できる。
オーバードライブ段ODの状態から、無段変速機構CVTの変速比が最小変速比より大きく、かつ、最大変速比未満に制御されると、動力伝達装置100の変速段はオーバードライブ段ODからドライブ段Dとなる。
この場合も、クラッチ機構15を外メイン軸17から切り離すとともに、内メイン軸16に結合するだけで、駆動力の伝達経路が第2駆動力伝達経路から第3駆動力伝達経路にスムーズに直接変更される。
動力伝達装置100の変速段をドライブ段Dとオーバードライブ段ODとの間で変更する際には、第1外メイン軸17A(オーバードライブギヤ19)は、選択機構21により外メイン軸17に予め接続されている。これにより、動力伝達装置100は、クラッチ機構15を既に結合していた内メイン軸16及び外メイン軸17の一方から切り離すとともに、内メイン軸16及び外メイン軸17の他方に結合させるだけの、いわゆる2クラッチ切換により、スムーズに直接変速でき、変速に要する時間を短縮できるとともに、変速時の振動を低減できる。
また、ロー段Lの状態からリバース段Rに変更されると、図7に示すように、クラッチ機構15が内メイン軸16から切り離されるとともに、外メイン軸17に結合する。
リバース段Rでは、エンジンEの駆動力は、図7に太線で示すように、外メイン軸17から、第2外メイン軸17B、リバースギヤ20、第1リバースアイドラギヤ31、第2中間軸26、第2リバースアイドラギヤ32、第2ギヤ36、出力軸34、ファイナルドライブギヤ35、ファイナルドリブンギヤ38、及びディファレンシャルギヤ37を介して車軸39に伝達される。
この経路は、第4駆動力伝達経路と定義される。リバースギヤ20、第1リバースアイドラギヤ31、第2リバースアイドラギヤ32、及び第2ギヤ36は、後退ギヤ列を構成している。
このとき、第2外メイン軸17B(リバースギヤ20)は、選択機構21により外メイン軸17に予め接続されているので、クラッチ機構15の切換だけで、駆動力の伝達経路が第1駆動力伝達経路から第4駆動力伝達経路にスムーズに直接変更される。
リバース段Rからロー段Lに変更される場合も、クラッチ機構15を、外メイン軸17から切り離すとともに、内メイン軸16と結合するだけで、駆動力の伝達経路が第4駆動力伝達経路から第1駆動力伝達経路にスムーズに直接変更される。
ロー段Lとリバース段Rとの間で変更する際には、第2外メイン軸17B(リバースギヤ20)は、選択機構21により外メイン軸17に予め接続されている。これにより、動力伝達装置100は、クラッチ機構15を既に結合していた内メイン軸16及び外メイン軸17の一方から切り離すとともに、内メイン軸16及び外メイン軸17の他方に結合させるだけの、いわゆる2クラッチ切換により、スムーズに直接変速でき、変速に要する時間を短縮できるとともに、変速時の振動を低減できる。
このように動力伝達装置100は、ローギヤ列18,128、オーバードライブギヤ列19,36、第3駆動ギヤ列33,36、及び後退ギヤ列20,31,32,36がクラッチ機構15及び選択機構21により選択可能に構成されている。このため、本構成の動力伝達装置100は、クラッチ機構15及び選択機構21を設けるだけで、無段変速機構CVTに、ローギヤ列18,128及びオーバードライブギヤ列19,36を追加できる。
また動力伝達装置100では、クラッチ機構15により内メイン軸16が選択され、外メイン軸17が非選択で非回転のとき、動力伝達装置100の変速段がロー段Lの場合には、第2外メイン軸17B(リバースギヤ20)が選択機構21により予め選択され、ドライブ段Dの場合には、第1外メイン軸17A(オーバードライブギヤ19)が選択機構21により予め選択される。
本実施の形態では、第3駆動ギヤ列33,36の一部(第2ギヤ36)がオーバードライブギヤ列19,36と同一直線上に配置され、第3駆動ギヤ列33,36の一部(第2ギヤ36)が、オーバードライブギヤ列19,36の一部(第2ギヤ36)を兼ねている。さらに、第3駆動ギヤ列33,36の一部(第2ギヤ36)が後退ギヤ列20→36の一部(第2リバースアイドラギヤ32及び第2ギヤ36)と同一直線上に配置され、第3駆動ギヤ列33,36の一部(第2ギヤ36)が、後退ギヤ列20→36の一部(第2ギヤ36)を兼ねている。したがって、本構成では、オーバードライブギヤ列19,36の一部(第2ギヤ36)、及び後退ギヤ列20→36の一部(第2ギヤ36)を別に設ける必要がなく、オーバードライブギヤ列19,36、及び後退ギヤ列20→36を配置する空間を削減できる。
ローギヤ列18,128、オーバードライブギヤ列19,36、第3駆動ギヤ列33,36、及び後退ギヤ列20→36は、オーバードライブギヤ19、第1ギヤ33、第2リバースアイドラギヤ32、及び第2ギヤ36の列と、リバースギヤ20、及び第1リバースアイドラギヤ31の列と、ロードライブギヤ18、及びロードリブンギヤ128の列との3列で構成される。したがって、駆動ギヤ列の数、あるいは駆動力伝達経路の数に対するギヤ列の数が削減されるので、ギヤ数が削減され、内外メイン軸16,17、第1中間軸22、第2中間軸26、及び出力軸34を短くでき、小型化、軽量化が図れる。
ロー段Lの変速比は、ドライブ段Dの最大変速比と略同一に設定されている。
オーバードライブ段ODの変速比は、ドライブ段Dの最小変速比以下に設定されている。オーバードライブ段ODの変速比は、車両の特性に合わせて、ドライブ段Dの最小変速比近傍の適切な所定値、例えば最小変速比よりもやや大きい値に設定してもよい。また、オーバードライブ段ODの変速比は、最も頻度の高い変速比に設定してもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、内メイン軸16、外メイン軸17を選択可能なクラッチ機構15と、後退ギヤ列20→36又はオーバードライブギヤ列19,36を選択可能な選択機構21とを備え、内メイン軸16上に出力軸34に動力伝達するローギヤ列18,128が配置されている。このため、クラッチ機構15及び選択機構21を設けるだけで、その切換によって、ローギヤ列18,128、オーバードライブギヤ列19,36、第3駆動ギヤ列33,36(無段変速機構CVTを含む。)、及び後退ギヤ列20→36を選択できる。したがって、動力伝達装置100は、小型化、軽量化を図りつつ、無段変速機構CVTにローギヤ列18,128及びオーバードライブギヤ列19,36を追加できる。そして、すべての運転モード切換がスムーズになる。
すなわち、動力伝達装置100は、ドライブプーリ23のプーリ径が最小となりVベルト25の伝達効率が低下する最大変速比において、動力伝達をローギヤ列18,128で受け持つように構成され、ドリブンプーリ24のプーリ径が最小となりVベルト25の伝達効率が低下する最小変速比において、動力伝達をオーバードライブギヤ列19,36で受け持つように構成されている。このため、動力伝達装置100は、最大変速比を無段変速機構が受け持つ場合に比べ、より高い駆動力を得ることができ、その結果、車両をスムーズに発進させ、あるいは車両を効率良く低速走行させることができ、かつ、最小変速比を無段変速機構が受け持つ場合に比べ、車両を効率良く高速走行できる。
また、本実施の形態によれば、選択機構21は、クラッチ機構15により内メイン軸16が選択され、外メイン軸17が非選択のとき、外メイン軸17に間接的に接続される後退ギヤ列20→36又はオーバードライブギヤ列19,36を予め選択可能に構成されている。このため、内メイン軸16が選択されたときに、非選択で、非回転の外メイン軸17に間接的に接続された後退ギヤ列20→36又はオーバードライブギヤ列19,36が選択機構21により予め選択される。したがって、動力伝達装置100は、クラッチ機構15を既に結合していた内メイン軸16及び外メイン軸17の一方から切り離すとともに、内メイン軸16及び外メイン軸17の他方に結合させるだけの、いわゆる2クラッチ切換によって、スムーズに直接変速でき、その結果、変速に要する時間を短縮できるとともに、変速時の振動を低減できる。
また、本実施の形態によれば、第3駆動ギヤ列33,36の内、第1中間軸22と出力軸34の間を連結するギヤ列の一部(第2ギヤ36)が、オーバードライブギヤ列19,36と同一直線上に配置され、ギヤ列の一部(第2ギヤ36)がオーバードライブギヤ列19,36の一部(第2ギヤ36)を兼ねる。このため、オーバードライブギヤ列19,36の一部(第2ギヤ36)を別に設ける必要がなくなるので、ギヤ数を削減できるとともに、出力軸34を短くでき、その結果、小型化、軽量化が図れる。
また、本実施の形態によれば、第3駆動ギヤ列33,36の内、第1中間軸22と出力軸34の間を連結するギヤ列の一部(第2ギヤ36)が、後退ギヤ列20→36の一部(第2リバースアイドラギヤ32及び第2ギヤ36)と同一直線上に配置され、ギヤ列の一部(第2ギヤ36)が後退ギヤ列20→36の一部(第2ギヤ36)を兼ねる。このため、後退ギヤ列20→36の一部(第2ギヤ36)を別に設ける必要がなくなるので、ギヤ数を削減できるとともに、出力軸34を短くでき、その結果、小型化、軽量化が図れる。
また、本実施の形態によれば、クラッチ機構15が、エンジンEと内外メイン軸16,17とを切り離す発進クラッチを兼ねている。このため、動力伝達装置100は、発進クラッチを別に設ける必要がなくなり、発進クラッチとクラッチ機構を別に設ける場合に比べ、内外メイン軸16,17を短くでき、その結果、小型化、軽量化が図れる。
また、本実施の形態によれば、入力軸が内メイン軸16と、軸方向に第1外メイン軸17A、及び第2外メイン軸17Bに分割された外メイン軸17とを備え、第1外メイン軸17A上にオーバードライブギヤ列19,36が配列され、第2外メイン軸17B上に後退ギヤ列20→36が配列されている。このため、動力伝達装置100は、入力軸が内外メイン軸16,17からなる二重構造に形成されるので、第1入力軸及び第2入力軸を直列に配置する場合に比べ、入力軸を短くでき、その結果、小型化、軽量化が図れる。
また、本実施の形態によれば、ローギヤ列18,128が、内メイン軸16上のロードライブギヤ18、ロードライブギヤ18に噛み合う出力軸34上のロードリブンギヤ128で構成される。このため、ローギヤ列18,128を中間軸22,27に設ける必要がなくなるので、ギヤ数を削減できるとともに、中間軸22,27を短くでき、その結果、小型化、軽量化が図れる。
また、本実施の形態によれば、ロードリブンギヤ128と出力軸34との間に、ロードリブンギヤ128から出力軸34の方向のみに動力伝達可能なワンウェイクラッチ130が配置されている。このため、エンジンEの駆動力が第3駆動ギヤ列33,36、オーバードライブギヤ列19,36、又は後退ギヤ列20→36を介して出力軸34に伝達される際に、ワンウェイクラッチ130が空転するので、駆動力が出力軸34からロードリブンギヤ128へと逆伝達されるのを防止することが可能になる。また、ワンウェイクラッチ130は、油圧で作動する断接クラッチに比べて小型であり、油圧を発生させる駆動力が不要なため、断接クラッチを設ける場合に比べ燃費を向上できる。
〔第二の実施の形態〕
次に、図8を参照して、第二の実施の形態を説明する。なお図8では、図1に示す動力伝達装置100と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
第三の実施の形態に係る動力伝達装置300は、電動機301を備え、ハイブリッド車両に適用される。動力伝達装置300はダンパ13を有し、ダンパ13は、エンジンEのクランク軸11に連結されている。
ダンパ13には、クラッチ装置302が接続されている。クラッチ装置302は、ドラム状のクラッチハウジング302Aを備え、クラッチハウジング302A内にクラッチ機構15と、このクラッチ機構15からエンジンE側を切り離すクラッチ部303とを一体に備えている。クラッチ部303は、その切換により、ダンパ13の出力軸13Aをクラッチ機構15に結合可能に構成されている。クラッチハウジング302Aの外周には、車両に搭載されたバッテリ(図示略)から電力供給されて駆動される電動機301が配置されている。電動機301は、ロータ301Aとステータ301Bとを備えている。ロータ301Aは、クラッチハウジング302Aの外周に、クラッチハウジング302Aと一体回転可能に配置されている。ステータ301Bは、ロータ301Aの外周に配置されており、固定部に固定される。
この動力伝達装置300は、駆動モードとして、エンジンEで駆動する通常モードと、エンジンE及び電動機301で駆動するアシストモードと、電動機301で駆動するEVモードと、電動機301を回生制動する回生モードとを備える。
通常モードでは、クラッチ部303が結合され、エンジンEの駆動力が動力伝達装置300に出力される。通常モードでは、動力伝達装置300の変速段は、図1に示す動力伝達装置100と同様に、ニュートラル段N、ロー段L、ドライブ段D、オーバードライブ段OD、及びリバース段Rの各変速段に変速される。各段におけるギヤ列は、図1に示す対応したギヤ列と同様の構成である。
通常モード時に電動機301を駆動すると、エンジンE及び電動機301の駆動力を伝達するアシストモードとなる。アシストモードでは、動力伝達装置300の変速段は、図1に示す動力伝達装置100と同様に、ニュートラル段N、ロー段L、ドライブ段D、オーバードライブ段OD、及びリバース段Rの各変速段に変速される。アシストモードでは、電動機301の駆動力により、エンジンEの駆動力がアシストされる。
EVモードでは、クラッチ部303が解放され、電動機301の駆動力が動力伝達装置300に出力される。動力伝達装置300の変速段は、図1に示す動力伝達装置100と同様に、ニュートラル段N、ロー段L、ドライブ段D、オーバードライブ段OD、及びリバース段Rの各変速段に変速される。
EVモードで減速する場合には、車軸39から駆動力を逆伝達し、電動機301を回転させて回生制動する回生モードとなる。
電動機301を回生制動する場合、電動機301の回転数を回生効率が最も高くなる回転数に近づけるのが望ましい。したがって、車速に応じて、ロー段Lと、オーバードライブ段ODと、ドライブ段Dとに変速される。無段変速機構CVTを含むドライブ段Dに変速する場合には、電動機301の回転数が回生効率の最も高くなる回転数に一致するように無段変速機構CVTの変速比が制御される。これにより、車両の運動エネルギーを電気エネルギーとして効率的に回収することが可能になる。
EVモード時又は回生モード時には、クランク軸11をクランキングしてエンジンEを駆動する。この場合、クラッチ機構15からエンジンE側を切り離すクラッチ部303を解放しておくことで、エンジンEの始動による振動がクラッチ機構15に伝達されず、エンジンEの始動時の振動や騒音を防止できる。
このように、本実施の形態によれば、エンジンEと電動機301の出力を出力軸34に伝達するハイブリッド車両用の動力伝達装置300であって、電動機301を構成するロータ301Aを、クラッチハウジング302Aの外周に一体回転可能に配置し、ロータ301Aの外周にステータ301Bを配置した。これにより、動力伝達装置300は、クラッチ機構15の外周に電動機301が配置されるので、内外メイン軸16,17を短くでき、その結果、小型化、軽量化が図れる。
また、本実施の形態によれば、クラッチ機構15にエンジンEを切り離すクラッチ部303を一体に形成したため、電動機301用のクラッチ部303がクラッチ機構15に一体に形成されるので、内外メイン軸16,17を短くでき、その結果、小型化、軽量化が図れる。
本発明の第一の実施の形態に係る動力伝達装置を示すスケルトン図である。 動力伝達装置の軸配列位置を示す図である。 動力伝達装置の変速段を示す図である。 ロー段時の動力伝達装置を示すスケルトン図である。 ドライブ段時の動力伝達装置を示すスケルトン図である。 オーバードライブ段時の動力伝達装置を示すスケルトン図である。 リバース段時の動力伝達装置を示すスケルトン図である。 本発明の第二の実施の形態に係る動力伝達装置を示すスケルトン図である。
100,300 動力伝達装置
15 クラッチ機構
16 内メイン軸(第1入力軸)
17 外メイン軸(第2入力軸)
17A 第1外メイン軸(第2入力軸)
17B 第2外メイン軸(第2入力軸)
18 ロードライブギヤ(ドライブギヤ、第1駆動ギヤ列)
19 オーバードライブギヤ(第2駆動ギヤ列)
20 リバースギヤ(後退ギヤ列)
21 選択機構
22 第1中間軸
23 ドライブプーリ
24 ドリブンプーリ
25 Vベルト
26 第2中間軸
28 ロードリブンギヤ(ドリブンギヤ、第1駆動ギヤ列)
130 ワンウェイクラッチ
31 第1リバースアイドラギヤ(後退ギヤ列)
32 第2リバースアイドラギヤ(後退ギヤ列)
33 第1ギヤ(第1駆動ギヤ列、第3駆動ギヤ列)
34 出力軸
36 第2ギヤ(第1駆動ギヤ列、第2駆動ギヤ列、第3駆動ギヤ列、後退ギヤ列)
301 電動機
301A ロータ
301B ステータ
303 クラッチ部
CVT 無段変速機構
E エンジン

Claims (11)

  1. エンジンからの出力を同軸上の第1入力軸、第2入力軸、及び該入力軸と並列の第1中間軸、第2中間軸のいずれかの軸を介して出力軸に伝達し、前記入力軸と前記第1中間軸との間に、該入力軸上のドライブプーリ、第1中間軸上のドリブンプーリ、及び両プーリの間に掛けたVベルトを有する無段変速機構を備えた動力伝達装置であって、
    該入力軸と同軸上で第1入力軸、第2入力軸を選択可能なクラッチ機構を備え、
    前記第2入力軸上に後退ギヤ列及び出力軸に動力伝達する第2駆動ギヤ列を配置し、
    該第2入力軸と同軸上で後退ギヤ列又は第2駆動ギヤ列を選択可能な選択機構を備え、
    前記第1中間軸と前記出力軸の間に前記無段変速機構を経て出力軸に動力伝達する第3駆動ギヤ列を配置したことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記選択機構は、
    前記クラッチ機構により第1入力軸が選択され、第2入力軸が非選択のとき、第2入力軸上の後退ギヤ列又は第2駆動ギヤ列を予め選択可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記第3駆動ギヤ列の内、
    第1中間軸と出力軸の間を連結するギヤ列の一部が、前記第2駆動ギヤ列と同一直線上に配置され、当該ギヤ列の一部が前記第2駆動ギヤ列の一部を兼ねることを特徴とする請求項1又は2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記第3駆動ギヤ列の内、
    第1中間軸と出力軸の間を連結するギヤ列の一部が、前記後退ギヤ列の一部と同一直線上に配置され、当該ギヤ列の一部が前記後退ギヤ列の一部を兼ねることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
  5. 前記クラッチ機構は、エンジンと第1入力軸又は第2入力軸とを切り離す発進クラッチを兼ねることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
  6. 前記入力軸が内メイン軸と、内メイン軸の外周に相対回転自在に嵌合した外メイン軸とを備え、両軸が前記クラッチ機構により選択可能であり、外メイン軸が軸方向に分割されて第1外メイン軸、及び第2外メイン軸を備え、
    第1外メイン軸上に前記第2駆動ギヤ列が配列され、
    第2外メイン軸上に前記後退ギヤ列が配列されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
  7. 前記第1入力軸上に出力軸に動力伝達する第1駆動ギヤ列が配置されていることを特徴とする請求項1又は6に記載の動力伝達装置。
  8. 前記第1駆動ギヤ列が、第1入力軸上のドライブギヤ、該ドライブギヤに噛み合う出力軸上のドリブンギヤで構成されることを特徴とする請求項7に記載の動力伝達装置。
  9. 前記第1駆動ギヤ列と前記出力軸との間に、前記第1駆動ギヤ列から前記出力軸の方向のみに動力伝達可能なワンウェイクラッチが配置されていることを特徴とする請求項8に記載の動力伝達装置。
  10. エンジンと電動機の出力を出力軸に伝達するハイブリッド車両用の動力伝達装置であって、
    前記電動機を構成するロータを前記クラッチ機構の外周に該クラッチ機構と一体回転可能に配置し、該ロータの外周にステータを配置したことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
  11. 前記クラッチ機構に前記エンジンを切り離すクラッチ部を一体に形成したことを特徴とする請求項10に記載の動力伝達装置。
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