JP2006199081A - 自動車用動力伝達装置 - Google Patents

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正彦 射場本
Hiroyuki Sakamoto
宏之 坂本
Hiroshi Kuroiwa
弘 黒岩
Hitoshi Konno
仁志 今野
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Abstract

【課題】
エンジン及び電動機による駆動力の切り換え、或いはエンジンの駆動力不足に対する電動機による駆動力の補佐或いは電動機の駆動力による有段変速機の変速ショックの緩和といった機能を備えた電動機を変速装置に合理的に効率よく配置した自動車用動力伝達装置を提供することにある。
【解決手段】
エンジンに接続固定された外殻内にエンジン回転が伝えられる入力軸からの回転を車輪に伝える出力軸と、入力軸の回転を変速して出力軸に伝える複数の変速ギア等よりなる変速機構を配置し、外殻の外部に取り付けられた電動機によって複数の変速ギアに対して付加回転力を与えるようにしたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は自動車用動力伝達装置に係り、特にエンジンの他に電動機を付加してエンジン及び電動機による駆動力の切り換え、或いはエンジンの駆動力不足に対する電動機による駆動力の補佐或いは電動機の駆動力による有段変速機の変速ショックの緩和といった機能を備えた自動車用動力伝達装置に関する。
走行時の駆動力を一時的に電動機で補佐してエンジンのピーク出力を抑え、また制動時には発電機として車体の持つエネルギをバッテリに回生することで、自動車全体としてエンジンの出力変動を抑制して、燃費を向上させる方式が提案されている。
また、この他アイドルストップ制御として自動車の停車時にエンジンを停止させ、走行開始時にエンジンを電動機によって自動的に始動する方式を採用することで、無駄なアイドル運転を少なくして燃費を向上させる方式も提案されている。
特開平11−153038号公報 特開2000−156904号公報
上記した従来技術において、例えば特開平11−153038号公報や特開2000−156904号公報には遊星歯車を用いて始動時のギア比を高める方式が示されている。
しかしながら、例えば自動車にとって実現可能な出力の電動機を使って、上述した自動車用動力伝達装置を構成しようとすると、始動時の減速比を大きくする必要がある。
そして遊星歯車一段では大きな減速比を作ることが難しいため、より変速比の大きなモータ専用変速機を備える必要が出てきて、それを切り換えるアクチュエータや制御装置も必要になり、装置が大型化するという問題があった。
本発明の目的は、エンジン及び電動機による駆動力の切り換え、或いはエンジンの駆動力不足に対する電動機による駆動力の補佐或いは電動機の駆動力による有段変速機の変速ショックの緩和といった機能を備えた電動機を変速装置に合理的に効率よく配置した自動車用動力伝達装置を提供することにある。
本発明の第1の特徴は、エンジンに接続固定された外殻内にエンジン回転が伝えられる入力軸からの回転を車輪に伝える出力軸と、入力軸の回転を変速して出力軸に伝える複数の変速ギア等よりなる変速機構を配置し、外殻の外部に取り付けられた電動機によって複数の変速ギアに対して付加回転力を与えるようにしたものである。
本発明の第2の特徴は、変速機室内にエンジン回転が伝えられる奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアが設けられた第1の入力軸及び第2の入力軸と、この第1及び前記第2の入力軸の変速ギアと噛み合う奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを有する出力軸等よりなる変速機構を配置し、かつ電動機室内に入力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機を配置すると共に、電動機の電動軸,エンジン軸及び出力軸を同軸上に配置し、第1及び第2の入力軸を出力軸と平行に配置し、第1及び第2の入力軸に奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを選択するクラッチスリーブを配置したものである。
本発明の第3の特徴は、変速機室内にエンジン回転が伝えられる奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアが設けられた第1の入力軸及び第2の入力軸と、この第1及び前記第2の入力軸の変速ギアと噛み合う奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを有する出力軸等よりなる変速機構を配置し、かつ電動機室内に入力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機を配置すると共に、電動機の電動軸,エンジン軸及び出力軸を同軸上に配置し、第1及び第2の入力軸を出力軸と平行に配置し、第1入力軸及び第2入力軸に第1入力軸に取り付けられた遊星歯車機構を介して電動機から付加回転力を与えるようにしたものである。
本発明の第4の特徴は、変速機室内にエンジン回転が伝えられる奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアが設けられた第1の入力軸及び第2の入力軸と、この第1及び前記第2の入力軸の変速ギアと噛み合う奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを有する出力軸等よりなる変速機構を配置し、かつ電動機室内に入力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機を配置すると共に、電動機の電動軸,エンジン軸及び出力軸を同軸上に配置し、第1及び第2の入力軸を出力軸と平行に同軸上に配置され、第1入力軸の周囲に第2入力軸が位置するように第2入力軸は管状に構成し、第1入力軸及び第2入力軸に第1入力軸上に取り付けられた遊星歯車機構を介して電動機から付加回転力を与えるようにしたものである。
本発明の第1の特徴によれば、電動機の回転軸は第1入力軸,第2入力軸及び出力軸と並行に、かつ電動機は入力軸及び出力軸の長さ方向で見て奇数段ギアの配置位置付近に配置,固定されているので、エンジンと入力軸の間に電動機が配置されない構成となり入力軸の軸方向の長さを短縮できFF方式を採用した自動車に効率よく搭載することができる。
本発明の第2の特徴によれば、出力軸をエンジン軸と同軸上に配置すると共に、この出力軸を挟んで第1入力軸と第2入力軸を配置し、更にこれらの軸を長さ方向で重なるように配置したので全体的な長さを短くできるようになるものである。FR方式を採用した場合においても変速機構を合理的に効率よく自動車に搭載することができる。
本発明の第3の特徴によれば、出力軸をエンジン軸と同軸上に配置すると共に、これらの軸を長さ方向で重なるように配置したので全体的な長さを短くできるようになるものである。また、遊星歯車機構を第1入力軸に設けるようにしているため電動機軸に設ける場合に比べ、遊星歯車の中をエンジン軸が貫通しなくても良いので、遊星歯車を小型に作ることができる。
本発明の第1の最良の形態は以下の通りである。
エンジンに接続固定された外殻と、前記外殻内に配置され前記エンジンのエンジン軸からエンジン回転が伝えられる奇数段の変速ギアが設けられた第1の入力軸及び偶数段の変速ギアが設けられた第2の入力軸と、前記第1及び前記第2の入力軸の変速ギアと噛み合う奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを有し前記入力軸の回転を車輪に伝える出力軸等よりなる変速機構と、前記外殻の外部に前記入力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機とよりなり、前記エンジン軸,前記第1の入力軸及び前記第2の入力軸は同軸上に配置され、前記出力軸は前記入力軸と平行に配置され、前記出力軸には前記出力時の奇数段及び偶数段の変速ギアを選択するクラッチスリーブが配置され、前記第1入力軸及び第2入力軸は遊星歯車機構を介して前記電動機から付加回転力が与えられるものである。
本発明の第2の最良の形態は以下の通りである。
エンジンに接続固定され前記エンジン側からみて電動機室と変速機室を順に並べた外殻と、前記変速機室内に配置され前記エンジンのエンジン軸からエンジン回転が伝えられる奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアが設けられた第1の入力軸及び第2の入力軸と、前記第1及び前記第2の入力軸の変速ギアと噛み合う奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを有し前記入力軸の回転を車輪に伝える出力軸等よりなる変速機構と、前記電動機室内に配置され前記入力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機とよりなり、前記電動機の電動軸、前記エンジン軸及び前記出力軸は同軸軸上に配置され、前記第1及び第2の入力軸は前記出力軸と平行に配置され、前記第1及び第2の入力軸には奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを選択するクラッチスリーブが配置され、前記第1入力軸及び第2入力軸は遊星歯車機構を介して前記電動機から付加回転力が与えられるものである。
本発明の第3の最良の形態は以下の通りである。
エンジンに接続固定され前記エンジン側からみて電動機室と変速機室を順に並べた外殻と、前記変速機室内に配置され前記エンジンのエンジン軸からエンジン回転が伝えられる変速ギアが設けられた第1の入力軸及び前記エンジン軸からエンジン回転が伝えられる変速ギアが設けられ第1の入力軸の周りに配置された第2の入力軸と、前記第1及び前記第2の入力軸の変速ギアと噛み合う奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを有し前記入力軸の回転を車輪に伝える出力軸等よりなる変速機構と、前記電動機室内に配置され前記入力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機とよりなり、前記電動機の電動軸、前記エンジン軸及び前記出力軸は同軸軸上に配置され、前記第1及び第2の入力軸は前記出力軸と平行にかつ同軸上に配置され、前記出力軸及び前記入力軸の一方に奇数段及び偶数段の変速ギアを選択するクラッチスリーブが配置され、前記第1入力軸及び第2入力軸は前記第1入力軸に取り付けられた遊星歯車機構を介して前記電動機から付加回転力が与えられるものである。
本発明になる自動車用動力伝達装置の第1の実施形態を図1に示しており、この実施形態は変速機を覆う外殻に電動機を取り付けたものである。
特にこの実施形態によればFF(フロントエンジン/フロントドライブ)方式を採用した自動車において合理的に効率よく自動車に搭載することができる。
図1において、参照番号1はエンジンであって、このエンジン1には変速機構を内蔵した外殻2がボルト等によって固定接続されている。外殻1内にはギアトレイン,ギア切り換え用のクラッチやそのアクチュエータが配置されている。具体的には以下の述べるような構成となっている。
エンジン1のエンジン軸35にはダンパ4の一方が接続され、ダンパ4の他方には二重式の噛み合いクラッチ5が接続されている。
噛み合いクラッチ5には第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7及び第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9が選択的に噛み合うように適合されており、第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7には第1入力軸6が固定され、第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9には第2入力軸8が固定されている。
第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9は、噛み合いクラッチ5の連結ドラムの側面に設けられたスリットを通して内部にある実際のクラッチスリーブを軸方向に移動させるようになっている。
また、第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7及び第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9には各々噛み合いシフトフォーク20,21が係合されており、各々のシフトフォークは20,21は噛み合いクラッチアクチュエータ25,26によって矢印方向に選択的に駆動されて噛み合いクラッチ5の架けかえを行うようになっている。
ここで、第1入力軸6は管状に構成されており、内部に第2入力軸8が同軸的に挿通され、かつエンジン1の回転軸と同一軸心上に配置されているので、第1入力軸6と第2入力軸8を並行に軸心を外して2軸構成とした場合に比べ入力軸の設置空間が少なくできるものである。
第1入力軸6の外周にはエンジン1側から順に奇数段ギアである1速ドライブギア10A,3速ドライブギア11A及び5速ドライブギア12Aが固定されており、また第2入力軸8にはエンジン側から順に後退ドライブギア15A及び偶数段ギアである2速ドライブギア13Aと4速ドライブギア14Aが固定されている。
前述した第1入力軸6及び第2入力軸8と平行に出力軸16が外殻2内に設けられ、この出力軸16は図示しない車輪に駆動力を伝えるものである。
出力軸16にはエンジン1側から見て奇数段ギアを構成する1速ドリブンギア10B,3速ドリブンギア11B及び5速ドリブンギア12Bが配置され、同様にエンジン1側から見て後退ドリブンギア15B及び、数段ギアを構成する2速ドリブンギア13B,4速ドリブンギア14Bが配置されている。
このように、(1)1速ドライブギア10Aと1速ドリブンギア10B、(2)3速ドライブギア11Aと3速ドリブンギア11B、(3)5速ドライブギア12Aと5速ドリブンギア12B、(4)2速ドライブギア13Aと2速ドリブンギア13B、(5)4速ドライブギア14Aと4速ドリブンギア14B及び(6)反転ギアを介して後退ドライブギア15Aと後退ドリブンギア15Bの組み合わせで選択的にギアの組み合わせが行われるものである。
そして、先に述べたギアの組み合わせは以下に述べるクラッチシフトアクチュエータとクラッチシフトフォークによって選ばれるようになっている。
1速ドリブンギア10Bと3速ドリブンギア11Bの間には噛み合いクラッチスリーブ17が配置されており、このスリーブ17は矢印方向に駆動され1速ドリブンギア10Bと3速ドリブンギア11Bを出力軸16と選択的に結合する機能を有している。
このスリーブ17は噛み合いクラッチシフトフォーク22及び噛み合いクラッチシフトアクチュエータ27によってその位置を選ばれ1速ドリブンギア10Bと3速ドリブンギア11Bを出力軸16と選択的に結合するものである。
同様に、5速ドリブンギア12Bと後退ドリブンギア15Bの間には噛み合いクラッチスリーブ19が配置されており、このスリーブ19は矢印方向に駆動され5速ドリブンギア12Bと後退ドリブンギア15Bを出力軸16と選択的に結合する機能を有している。尚、後退ギア15Bとスリーブ19の間には管状のフランジ15Cが出力軸16の外周に配置され、このフランジ15Cは後退ドリブンギア15Bと固定されている。
スリーブ19は噛み合いクラッチシフトフォーク24及び噛み合いクラッチシフトアクチュエータ29によってその位置を選ばれ5速ドリブンギア120Bと後退ドリブンギア15Bを出力軸16と選択的に結合するものである。
更に、2速ドリブンギア13Bと4速ドリブンギア14Bの間には噛み合いクラッチスリーブ18が配置されており、このスリーブ18は矢印方向に駆動され2速ドリブンギア13Bと4速ドリブンギア14Bを出力軸16と選択的に結合する機能を有している。
このスリーブ18は噛み合いクラッチシフトフォーク23及び噛み合いクラッチシフトアクチュエータ29によってその位置を選ばれ1速ドリブンギア10Bと3速ドリブンギア11Bを出力軸16と選択的に結合するものである。
遡って、5速ドライブギア12Aと後退ドライブギア15Aの間で第2入力軸8の周囲には遊星歯車機構30が配置されており、その一方はリダクションギア33を介して第1入力軸6と結合されている。このリダクションギア33は、遊星歯車機構30の遊星リングギア30Cと第1入力軸6の端部に固定されたギアを減速歯車で連結したものである。
また、遊星歯車機構30のサンギア30A側は遊星サンギア接続ドライブギア31が固定され、このギア31は電動機ギア32と噛み合っており、電動機ギア32は電動機3の回転軸23によって回転されるものである。更に遊星キャリアギア30Bは第2入力軸8に接続固定されている。
電動機3は自動車を真下に見た方向で外殻1の横脇に外殻2の外周にボルト等によって固定されており、その固定方向は電動機3の回転軸23が第1入力軸6,第2入力軸8及び出力軸16と平行になるように固定されている。そして、電動機3は入力軸6,8及び出力軸16の長さ方向で見て奇数段ギアの配置位置付近に配置,固定されている。
また、図面からわかるように、電動機3の反対側に噛み合いクラッチシフトフォークや噛み合いクラッチシフトアクチュエータを配置するようにしている。
このように、電動機3の回転軸23は第1入力軸6,第2入力軸8、及び出力軸16と並行に、かつ電動機3は入力軸6,8及び出力軸16の長さ方向で見て奇数段ギアの配置位置付近に配置,固定されているので、エンジン1と入力軸6,8の間に電動機3が配置されない構成となり入力軸6,8の軸方向の長さを短縮できFF方式を採用した自動車に効率よく搭載することができる。尚、奇数段ギアと偶数段ギアの配置位置を入れ替えても何ら問題はない。
更に、第1入力軸6と第2入力軸8を同軸上に配置しているため、この2つの入力軸上に噛み合いクラッチスリーブを配置するのが困難であるが、本実施例に拠れば出力軸16側にギア段切り換え用の噛み合いクラッチスリーブ17,18,19を設けているので、入力軸6,8側に設ける場合に比べ構成が簡略化できると共に組み立ても容易になるものである。
本発明では自動変速装置に用いられる電動機3の具体的な配置構成を提案するものであるが、その動作について簡単に説明する。
(I)エンジンと電動機による駆動力の切り換え制御
電動機3だけによる駆動力の場合は、前述した噛み合いクラッチ5によってエンジン1の回転軸と入力軸6,8の接続を切り離して電動機3による駆動に移行する。
この場合、電動機3の回転は電動機軸のギア32からサンギア接続ドライブギア31を介して遊星歯車機構30に伝えられる。電動機のトルクは遊星歯車によって分配され、一つは遊星リングからリダクションギア33を介して第1入力軸6へ、残りは遊星キャリアから第2入力軸8に伝達され、両入力軸6,8に互いに逆方向のトルクを印加する。
第1入力軸6の奇数段ギア1速,3速或いは5速のいずれかと、第2入力軸8の偶数段ギア2速,4速のいずれかを締結してあれば、両入力軸のギア比の差で出力軸にトルクが伝達されて電動機による駆動が行われる。
もちろん、この場合には噛み合いクラッチシフトアクチュエータ27,28,29が適宜制御されるものである。
逆に、エンジン1だけによる駆動力の場合は、前述したクラッチ機構によってエンジン1の回転軸と噛み合いクラッチ5を接続して通常の変速動作を行えばよいものである。
つまり、奇数段ギアを使用する場合は噛み合いクラッチシフトアクチュエータ25を駆動して噛み合いクラッチ5と第1入力軸6を接続し、第1入力軸6の回転を1速,3速或いは5速のギアに伝え出力軸16から出力することができる。もちろん、この場合は噛み合いクラッチシフトアクチュエータ27,29が適宜制御されるものである。
一方、偶数段ギアを使用する場合は噛み合いクラッチシフトアクチュエータ26を駆動して噛み合いクラッチ5と第2入力軸8を接続し、第2入力軸8の回転は2速或いは4速のギアに伝えられて出力軸16から出力することができる。もちろん、この場合も噛み合いクラッチシフトアクチュエータ28が適宜制御されるものである。
このとき、電動機3は遊星歯車30の働きによって遊星サンギア接続ドライブギア31に回転が伝わらないようになっている。
(II)エンジンの駆動力不足に対する電動機による駆動力の補佐
この制御を実施する場合は変速機構は自動有段変速機構として働くものであり、変速動作を行う場合には噛み合いクラッチ5の接続を制御する噛み合いクラッチシフトアクチュエータ25及び噛み合いクラッチシフトアクチュエータ26によって第1入力軸6或いは第2入力軸8を選択し、第1入力軸6が選ばれた場合には噛み合いクラッチシフトアクチュエータ27,29によって奇数段の1速,3速或いは5速のいずれかのギアが選択され、第2入力軸8が選ばれた場合には噛み合いクラッチシフトアクチュエータ28によって偶数段の2速或いは4速のいずれかのギアが選択されるものである。
そして、加速時のように駆動力が必要な時は電動機3を駆動して駆動力を補償することができる。この場合、上述した(I)項のエンジンによる駆動と電動機による駆動の両方を重畳させることになる。
すなわちエンジンだけによる走行中の変速ギアは、奇数段あるいは偶数段のいずれか1個だけが締結されており残りのギアすべて遊んでいるが、そのうち締結されているギアが属さない入力軸のギアの1個を締結すれば、上述した(I)項の電動機による駆動の場合と同様に、両入力軸のギア比の差で出力軸に電動機トルクが伝達されて、エンジン1の駆動力を補佐するようになる。
そして、この場合、電動機3の制御は図示しないエンジンコントロール装置或いは変速機コントロール装置によって実行されるようになる。
例えば、加速する場合を考えると、アクセルペダルと踏み込むとエンジン1に供給される空気量の増加に伴って燃料量も増加するが、この時空気や燃料の輸送遅れ等によってエンジン出力が遅れて立ち上がる傾向にある。
このため運転者は加速不足感を感じたり、逆に加速感を得るため燃料を更に増加したりすると未燃焼炭化水素或いは窒素酸化物が増大したりして環境に与える悪影響が大きくなる。
そこで、エンジンコントロール装置或いは変速機コントロール装置によって加速時に電動機3を回転させることによって付加駆動力を電動機軸のギア32から遊星サンギア接続ドライブギア31,リダクションギア33を経て第1入力軸6に、遊星キャリアから第2入力軸8に伝え、加速時の駆動力立ち上がり遅れを補償することが可能となる。
(III)電動機の駆動力による有段変速機の変速ショックの緩和
この制御を実施する場合も変速機構は自動有段変速機構として働くものであり、変速動作を行う場合には噛み合いクラッチ5の接続を制御する噛み合いクラッチシフトアクチュエータ25及び噛み合いクラッチシフトアクチュエータ26によって第1入力軸6或いは第2入力軸8を選択し、第1入力軸6が選ばれた場合には噛み合いクラッチシフトアクチュエータ27,29によって奇数段の1速,3速或いは5速のいずれかのギアが選択され、第2入力軸8が選ばれた場合には噛み合いクラッチシフトアクチュエータ28によって偶数段の2速或いは4速のいずれかのギアが選択されるものである。この場合、一般には変速動作は奇数段ギアから偶数段ギア或いは偶数段ギアから奇数段ギアに順次切り換えられるようになっている。
そして、例えば噛み合いクラッチ5と第2入力軸8が締結されて現在2速で走行している場合は、噛み合いクラッチシフトアクチュエータ28が出力軸16と2速ドリブンギア13Bを締結して第2入力軸8の回転は2速ドライブギア13Aから2速ドリブンギア
13Bに回転が伝えられている。
この状態で1速への変速動作が要求されると、二重噛み合いクラッチ5と第2入力軸8の締結が解除されて逆に噛み合いクラッチ5と第1入力軸6が締結され、噛み合いクラッチシフトアクチュエータ27が出力軸16と1速ドリブンギア10Bを締結して第1入力軸6の回転は1速ドライブギア10Aから1速ドリブンギア10Bに回転が伝えられている。
この場合ギアの架け替えによる変速ショックが生じるが、電動機3を回転させて上述した(II)項の電動機による駆動力の補佐の考え方によって、ギア切り換えに基づく2速から1速に至る過程で生じる出力軸16の駆動力の階段的な切り換えを例えば一次関数的な切り換えにすることができるものである。
尚、上記した(I)項から(III) 項までの制御は単独で行われてもよいが、好ましくはそれぞれの制御が組み合わされて行われるのが実際的であり、以下に述べる実施形態においても同様である。
本発明になる自動車用動力伝達装置の第2の実施形態を図2に示しており、この実施形態は変速機を覆う外殻の内部に電動機を取り付けたものである。この実施形態によれば
FR(フロントエンジン/リアドライブ)方式を採用した自動車においてコンパクトに自動車に搭載することができる。
図2において、参照番号1はエンジンであって、このエンジン1には変速機構を内蔵した外殻2がボルト等によって固定接続されている。外殻1内には電動機,ギアトレイン,ギア切り換え用のクラッチやそのアクチュエータが配置されている。具体的には以下に述べるような構成となっている。
エンジン1の回転軸にはダンパ4の一方が接続され、ダンパ4の他方にはエンジン軸
35が接続され、またエンジン軸35の他端にはエンジン軸ドライブギア36が固定されている。エンジン軸35の周囲には管状の電動機軸32が設けられ、この電動機軸32は電動機3によって駆動されるものである。
また、電動機3は外殻2内に設けられ、隔壁3Aによって形成される電動機室3Bに配置されている。この電動機室3Bはシール機構によって後述する変速機構が配置されている室とオイル等の進入を防ぐように液密的に隔離されている。
変速機構は外殻2内の変速機室2Aに配置され、第1入力軸6,第2入力軸8及び出力軸16とそれぞれに設けられたギア群とシフトアクチュエータ等から構成されている。そして、第1入力軸6と第2入力軸8は出力軸16を挟んでそれぞれ平行に配置され、出力軸16はエンジン軸35と同軸上に配置されている。
尚、変速機構を合理的に効率よく自動車に搭載する必要があるが、出力軸16をエンジン軸35と同軸上に配置すると共に、この出力軸16を挟んで第1入力軸6と第2入力軸8を平行に配置し、更にこれらの軸を長さ方向で重なるように配置したので全体的な長さを短くできる。
第1入力軸6にはエンジン1から見て奇数段ギアを構成する1速ドライブギア10,3速ドライブギア11及び5速ドライブギア12が固定されており、更に奇数段ギア側よりもエンジン1側に遊星リング接続ドリブン41B及び第1入力軸ドリブンギア33が配置されている。
そして、1速ドライブギア10と3速ドライブギア11の間に噛み合いクラッチスリーブ17が設けられ、また1速ドライブギア10と第1入力軸ドリブンギア33の間に第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7が設けられ、更に5速ドライブギア12の外側に噛み合いクラッチスリーブ40が設けられている。
また第2入力軸8にはエンジン側から順に後退ドライブギア15及び偶数段ギアである4速ドライブギア14と6速ドライブギア37及び2速ドライブギア13が設けられており、更に偶数段ギア側よりもエンジン1側に遊星キャリア接続ドリブンギア42B及び第2入力軸ドリブンギア34が配置されている。
そして、2速ドライブギア13と6速ドライブギア37の間に噛み合いクラッチスリーブ38が設けられ、また4速ドライブギア14と後退ドライブギア15の間に噛み合いクラッチスリーブ39が設けられ、更に後退ドライブギア15と第2入力軸ドリブンギア
34の間に第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9が配置されている。
出力軸16にはそれぞれのギア段に対応したギアが固定されており、噛み合いクラッチスリーブによってギアの選択が行われるようになっている。この噛み合いクラッチスリーブは実施例1で説明したようにシフトフォーク及びシフトアクチュエータによって制御,駆動されるものである。
尚、出力軸16は第1入力軸6及び第2入力軸8によって挟まれるため、噛み合いクラッチスリーブは設けないで組み立てを容易にしている。
ここで、第1入力軸ドリブンギア33と第2入力軸ドリブンギア34はエンジン軸ドライブギア36によって回転駆動されるようにギア結合している。
第1入力軸6側では、噛み合いクラッチスリーブ17は1速ギア10と3速ギア11を選択的に結合する機能を有し、第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7は第1入力軸ドリブンギア33と結合する機能を有し、噛み合いクラッチスリーブ40は5速ドライブギア12と結合する機能を有している。
同様に、第2入力軸8側では、噛み合いクラッチスリーブ39は後退ドライブギア15と4速ドライブギア14を選択的に結合する機能を有し、噛み合いクラッチスリーブ38は6速ドライブギア37と2速ドライブギア13を選択的に結合する機能を有し、第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9は第2入力軸ドリブンギア34と結合する機能を有している。
遡って、電動機軸32には隔壁3Aを越えて変速機構側に遊星歯車機構30が設けられている。すなわち、電動機軸32の一端に形成されたサンギア30Aを介して遊星キャリアギア30B及び遊星リングギア30Cが設けられ、遊星キャリアギア30Bは遊星キャリア接続ドライブギア42Aを介して第2入力軸8に固定された遊星キャリア接続ドリブンギア42Bと噛み合い、遊星リングギア30Cは遊星リングギア接続ドライブギア41Aを介して第1入力軸6に固定された遊星リングギア接続ドリブンギア41Bと噛み合うようになっている。
FR方式を採用した場合においても変速機構を合理的に効率よく自動車に搭載する必要があるが、本実施形態によれば出力軸16をエンジン軸35と同軸上に配置すると共に、この出力軸16を挟んで第1入力軸6と第2入力軸8を配置し、更にこれらの軸を長さ方向で重なるように配置したので全体的な長さを短くできるようになるものである。
また、出力軸16は第1入力軸6及び第2入力軸8によって挟まれるため、出力軸16には噛み合いクラッチスリーブは設けない構成となっているため組み立てを容易に行うことができる。
次に本実施例の動作について簡単に説明するが、基本的に実施形態1に記載の制御機能と同一である。
(I)エンジンと電動機による駆動力の切り換え制御
電動機3だけによる駆動力の場合は、エンジン軸ドライブギア36によって第1入力軸ドリブンギア33及び第2入力軸ドリブンギア34は回転されているが第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7及び第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9が締結されていないためエンジン回転は第1入力軸6及び第2入力軸8に伝えられず電動機3による駆動が可能となる。
この場合、電動機3の回転は電動機軸32から遊星歯車機構30に伝えられ、遊星キャリア接続ドライブギア42Aを介して第2入力軸8に固定された遊星キャリア接続ドリブンギア42Bと噛み合い、また遊星リングギア接続ドライブギア41Aを介して第1入力軸6に固定された遊星リングギア接続ドリブンギア41Bと噛み合い回転が伝えられる。
第1入力軸6の奇数段ギア1速,3速或いは5速のいずれかと、第2入力軸8の偶数段ギア2速,4速,6速のいずれかを締結してあれば、両入力軸のギア比の差で出力軸にトルクが伝達されて電動機による駆動が行われる。
この場合には噛み合いクラッチスリーブ17,40,38,39が適宜制御されるものである。
逆に、エンジン1だけによる駆動力の場合は、電動機3の駆動を停止して通常の変速動作を行えばよいものである。
つまり、エンジン軸ドライブギア36によって第1入力軸ドリブンギア33及び第2入力軸ドリブンギア34は回転されており、第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7及び第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9のどちらかを締結すればエンジン回転は第1入力軸6或いは第2入力軸8に伝えられるものである。
そして、奇数段ギアを使用する場合は噛み合いクラッチスリーブ17,40を駆動して1速,3速或いは5速のギアを選択して出力軸16から出力することができる。
一方、偶数段ギアを使用する場合噛み合いクラッチスリーブ38,39を駆動して2速,4速或いは6速のギアを選択し出力軸16から出力することができる。
(II)エンジンの駆動力不足に対する電動機による駆動力の補佐
この制御を実施する場合の変速機構は自動有段変速機構として働くものであり、通常は上述した(I)項のエンジンによる駆動と変速動作を行うものである。
そして、加速時のように駆動力が必要な時は電動機3を駆動して駆動力を補償することができる。この場合、上述した(I)項のエンジンによる駆動と電動機による駆動の両方を重畳させることになる。すなわちエンジンだけによる走行中は変速ギアは、奇数段あるいは偶数段のいずれか1個だけが締結されており残りのギアすべて遊んでいるが、そのうち締結されているギアが属さない入力軸のギアの1個を締結すれば、上述した(I)項の電動機による駆動の場合と同様に、両入力軸のギア比の差で出力軸に電動機トルクが伝達されて、エンジン1の駆動力を補佐するようになる。
(III)電動機の駆動力による有段変速機の変速ショックの緩和
この制御を実施する場合も変速機構は自動有段変速機構として働くものであり、通常は上述した(I)項のエンジンによる駆動と変速動作を行うものである。
変速動作を行う場合には、第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7或いは第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9によって第1入力軸6或いは第2入力軸8を選択し、第1入力軸6が選ばれた場合には噛み合いクラッチスリーブ17,40によって奇数段の1速,3速或いは5速のいずれかのギアが選択され、第2入力軸8が選ばれた場合には噛み合いクラッチスリーブ38,39によって偶数段の2速,4速或いは6速のいずれかのギアが選択されるものである。この場合、一般には変速動作は奇数段ギアから偶数段ギア或いは偶数段ギアから奇数段ギアに順次切り換えられるようになっている。
そして、例えば現在2速で走行している場合は第2入力軸ドリブンギア34と第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9が締結され第2入力軸が回転して出力軸16と2速ドライブギア13を締結して回転が伝えられている。
この状態で1速への変速動作が要求されると、第2入力軸8の締結が解除されて逆に第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7によって第1入力軸6が締結され、噛み合いクラッチスリーブ17が1速ドライブギア10を締結して第1入力軸6の回転は1速ドライブギア10から出力軸16に伝えられる。
この場合ギアの架け替えによる変速ショックが生じるが、電動機3を回転させて上述した(II)項の電動機による駆動力の補佐の考え方によって、ギア切り換えに基づく2速から1速に至る過程で生じる出力軸16の駆動力の階段的な切り換えを例えば一次関数的な切り換えにすることができるものである。
本発明になる自動車用動力伝達装置の第3の実施形態を図3に示しており、この実施形態は変速機を覆う外殻の内部に電動機を取り付けたものである。この実施形態によれば
FR(フロントエンジン/リアドライブ)方式を採用した自動車において効率よく自動車に搭載することができる。この図3の実施形態は図2に示された遊星歯車機構30の配置構成を変えた例である。
図3において、参照番号1はエンジンであって、このエンジン1には変速機構を内蔵した外殻2がボルト等によって固定接続されている。外殻1内には電動機,ギアトレイン,ギア切り換え用のクラッチやそのアクチュエータが配置されている。具体的には以下に述べるような構成となっている。
エンジン1の回転軸にはダンパ4の一方が接続され、ダンパ4の他方にはエンジン軸
35が接続され、またエンジン軸35の他端にはエンジン軸ドライブギア36が固定されている。エンジン軸35の周囲には管状の電動機軸32が設けられ、この電動機軸32は電動機3によって駆動されるものである。
また、電動機3は外殻2内に設けられ、隔壁3Aによって形成される電動機室3Bに配置されている。この電動機室3Bはシール機構によって後述する変速機構が配置されている室とオイル等の進入を防ぐように液密的に隔離されている。
変速機構は外殻2内の変速機室2Aに配置され、第1入力軸6,第2入力軸8及び出力軸16とそれぞれに設けられたギア群とシフトアクチュエータ等から構成されている。
そして、第1入力軸6と第2入力軸8は出力軸16を挟んでそれぞれ平行に配置され、出力軸16はエンジン軸35と同軸上に配置されている。
尚、実施形態2と同様にエンジン軸35と同軸上に配置すると共に、この出力軸16を挟んで第1入力軸6と第2入力軸8を配置し、更にこれらの軸を長さ方向で重なるように配置したので全体的な長さを短くできる。
第1入力軸6にはエンジン1から見て奇数段ギアを構成する1速ドライブギア10,3速ドライブギア11及び5速ドライブギア12が固定されており、更に奇数段ギア側よりもエンジン1側に第1入力軸ドリブンギア33が配置されている。
そして、1速ドライブギア10と3速ドライブギア11の間に噛み合いクラッチスリーブ17が設けられ、また1速ドライブギア10と第1入力軸ドリブンギア33の間に第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7が設けられ、更に5速ドライブギア12の外側に噛み合いクラッチスリーブ40が設けられている。
また第2入力軸8にはエンジン側から見て後退ドライブギア15及び偶数段ギアである4速ドライブギア14と6速ドライブギア37及び2速ドライブギア13が設けられており、更に偶数段ギア側よりもエンジン1側に第2入力軸ドリブンギア34及び遊星リングギア接続ドリブンギア41Bが配置されている。
そして、2速ドライブギア13と6速ドライブギア37の間に噛み合いクラッチスリーブ38が設けられ、また4速ドライブギア14と後退ドライブギア15の間に噛み合いクラッチスリーブ39が設けられ、更に後退ドライブギア15と第2入力軸ドリブンギア
34の間に第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9が配置されている。
出力軸16にはそれぞれのギア段に対応したギアが固定されており、噛み合いクラッチスリーブによってギアの選択が行われるようになっている。
この噛み合いクラッチスリーブは実施形態1で説明したようにシフトフォーク及びシフトアクチュエータによって制御,駆動されるものである。尚、出力軸16は第1入力軸6及び第2入力軸8によって挟まれるため、噛み合いクラッチスリーブは設けないで組み立てを容易にしている。
ここで、第1入力軸ドリブンギア33と第2入力軸ドリブンギア34はエンジン軸ドライブギア36によって回転駆動されるようにギア結合している。
第1入力軸6側では、噛み合いクラッチスリーブ17は1速ギア10と3速ギア11を選択的に結合する機能を有し、第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7は第1入力軸ドリブンギア33と結合する機能を有し、噛み合いクラッチスリーブ40は5速ドライブギア12と結合する機能を有している。
同様に、第2入力軸8側では、噛み合いクラッチスリーブ39は後退ドライブギア15と4速ドライブギア14を選択的に結合する機能を有し、噛み合いクラッチスリーブ38は6速ドライブギア37と2速ドライブギア13を選択的に結合する機能を有し、第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9は第2入力軸ドリブンギア34と結合する機能を有している。
遡って、第1入力軸6のエンジン側端部には遊星歯車機構30が設けられている。すなわち、サンギア30Aの周囲に位置する遊星キャリアギア30B及び遊星リングギア30Cよりなる遊星歯車機構30が設けられている。サンギア30Aはサンギア接続ドリブンギア32Bを介して電動機軸32に形成したサンギア接続ドライブギア32Aと噛み合い、遊星リングギア30Cは遊星リングギア接続ドライブギア41Aを介して、必要に応じて中間ギア41Cを介して第2入力軸8に固定された遊星リングギア接続ドリブンギア41Bと噛み合うようになっている。遊星キャリアギア30Bが取り付けられた遊星キャリアは第1入力軸6の端部に接続されている。
実施形態2と同様に、本実施形態によれば出力軸16をエンジン軸35と同軸上に配置すると共に、この出力軸16を挟んで第1入力軸6と第2入力軸8を配置し、更にこれらの軸を長さ方向で重なるように配置したので全体的な長さを短くできるようになるものである。
また、出力軸16は第1入力軸6及び第2入力軸8によって挟まれるため、出力軸16には噛み合いクラッチスリーブは設けない構成としているので組み立てを容易に行うことができる。
更に、この実施形態によれば遊星歯車機構30を第1入力軸6(或いは第2入力軸8側に設けることも可能である。)に設けるようにしているため電動機軸32に設ける場合に比べ、遊星歯車の中をエンジン軸が貫通しなくても良いので、遊星歯車を小型に作ることができる。
次に本実施形態の動作について簡単に説明する。
(I)エンジンと電動機による駆動力の切り換え制御
電動機3だけによる駆動力の場合は、エンジン軸ドライブギア36によって第1入力軸ドリブンギア33及び第2入力軸ドリブンギア34は回転されているが第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7及び第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9が締結されていないためエンジン回転は第1入力軸6及び第2入力軸8に伝えられず電動機3による駆動が可能となる。
この場合、電動機3の回転は電動機軸32からサンギア接続ドライブギア32A,サンギア接続ドリブンギア32Bを介して遊星歯車機構30に伝えられる。電動機のトルクは遊星歯車によって分配され、一つは遊星キャリアから第1入力軸6へ、残りは遊星リングギア接続ドライブギア41Aを介して第2入力軸8に伝達され、両入力軸6,8に互いに逆方向のトルクを印加する。
第1入力軸6の奇数段ギア1速,3速或いは5速のいずれかと、第2入力軸8の偶数段ギア2速,4速或いは6速のいずれかを締結してあれば、両入力軸のギア比の差で出力軸にトルクが伝達されて電動機による駆動が行われる。
逆に、エンジン1だけによる駆動力の場合は、電動機3の駆動を停止して通常の変速動作を行えばよいものである。
つまり、エンジン軸ドライブギア36によって第1入力軸ドリブンギア33及び第2入力軸ドリブンギア34は回転されており、第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7及び第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9のどちらかを締結すればエンジン回転は第1入力軸6或いは第2入力軸8に伝えられるものである。
そして、奇数段ギアを使用する場合は噛み合いクラッチスリーブ17,40を駆動して1速,3速或いは5速のギアを選択して出力軸16から出力することができる。
一方、偶数段ギアを使用する場合噛み合いクラッチスリーブ38,39を駆動して2速,4速或いは6速のギアを選択し出力軸16から出力することができる。
(II)エンジンの駆動力不足に対する電動機による駆動力の補佐
この制御を実施する場合の変速機構は自動有段変速機構として働くものであり、通常は上述した(I)項のエンジンによる駆動と変速動作を行うものである。
そして、加速時のように駆動力が必要な時は電動機3を駆動して駆動力を補償することができる。この場合、上述した(I)項のエンジンによる駆動と電動機による駆動の両方を重畳させることになる。
すなわちエンジンだけによる走行中は変速ギアは、奇数段あるいは偶数段のいずれか1個だけが締結されており残りのギアすべて遊んでいるが、そのうち締結されているギアが属さない入力軸のギアの1個を締結すれば、上述した(I)項の電動機による駆動の場合と同様に、両入力軸のギア比の差で出力軸に電動機トルクが伝達されて、エンジン1の駆動力を補佐するようになる。
(III)電動機の駆動力による有段変速機の変速ショックの緩和
この制御を実施する場合も変速機構は自動有段変速機構として働くものであり、通常は上述した(I)項のエンジンによる駆動と変速動作を行うものである。
変速動作を行う場合には、第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7或いは第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9によって第1入力軸6或いは第2入力軸8を選択し、第1入力軸6が選ばれた場合には噛み合いクラッチスリーブ17,40によって奇数段の1速,3速或いは5速のいずれかのギアが選択され、第2入力軸8が選ばれた場合には噛み合いクラッチスリーブ38,39によって偶数段の2速,4速或いは6速のいずれかのギアが選択されるものである。この場合、一般には変速動作は奇数段ギアから偶数段ギア或いは偶数段ギアから奇数段ギアに順次切り換えられるようになっている。
そして、例えば現在2速で走行している場合は第2入力軸ドリブンギア34と第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9が締結され第2入力軸が回転して出力軸16と2速ドライブギア13を締結して回転が伝えられている。
この状態で1速への変速動作が要求されると、第2入力軸8の締結が解除されて逆に第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7によって第1入力軸6が締結され、噛み合いクラッチスリーブ17が1速ドライブギア10を締結して第1入力軸6の回転は1速ドライブギア10から出力軸16に伝えられる。
この場合ギアの架け替えによる変速ショックが生じるが、電動機3を回転させて上述した(II)項の電動機による駆動力の補佐の考え方によって、ギア切り換えに基づく2速から1速に至る過程で生じる出力軸16の駆動力の階段的な切り換えを例えば一次関数的な切り換えにすることができるものである。
本発明になる自動車用動力伝達装置の第4の実施形態を図4に示しており、この実施形態は変速機を覆う外殻の内部に電動機を取り付けたものである。この実施形態によれば
FR(フロントエンジン/リアドライブ)方式を採用した自動車において効率よく自動車に搭載することができる。
図4において、参照番号1はエンジンであって、このエンジン1には変速機構を内蔵した外殻2がボルト等によって固定接続されている。外殻1内には電動機,ギアトレイン,ギア切り換え用のクラッチやそのアクチュエータが配置されている。具体的には以下に述べるような構成となっている。
エンジン1の回転軸にはダンパ4の一方が接続され、ダンパ4の他方にはエンジン軸
35が接続され、またエンジン軸35の他端にはエンジン軸ドライブギア36が固定されている。エンジン軸35の周囲には管状の電動機軸32が設けられ、この電動機軸32は電動機3によって駆動されるものである。
また、電動機3は外殻2内の変速機室2Aに設けられ、隔壁3Aによって形成される電動機室3Bに配置されている。この電動機室3Bはシール機構によって後述する変速機構が配置されている室とオイル等の親友を防ぐように液密的に隔離されている。
変速機構は外殻2内に配置され、第1入力軸6,第2入力軸8及び出力軸16とそれぞれに設けられたギア群とシフトアクチュエータ等から構成されている。
そして、第1入力軸6と第2入力軸8は同軸上に配置され、具体的には第1入力軸6の周囲に第2入力軸8が位置するように第2入力軸8は管状に構成されている。また、出力軸16はエンジン軸35と同軸上に配置されている。
更に、この実施形態では中間軸45が設けられ、中間軸45,第1入力軸6,第2入力軸8及び出力軸16は平行に配置されている。そして、出力軸16をエンジン軸35と同軸上に配置すると共に、中間軸45,第1入力軸6,第2入力軸8を長さ方向で重なるように配置したので全体的な長さを短くできる。
第1入力軸6にはエンジン1から順に、遊星歯車機構30,第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7,入力軸ドリブンギア46,奇数段ギアを構成する1速ドライブギア10A,3速ドライブギア11A,噛み合いクラッチスリーブ43及び5速ドライブギア12Aが設けられている。
また、第2入力軸8は入力軸ドリブンギア46と1速ドライブギア10Aの間に位置し、エンジン側から見て第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9,偶数段ギアである6速ドライブギア37A,2速ドライブギア13A及び4速ドライブギア14Aが設けられている。
出力軸16にはそれぞれのギア段に対応したギアが固定されており、噛み合いクラッチスリーブによってギアの選択が行われるようになっている。この場合もエンジン側から見て6速ドリブンギア37B,噛み合いクラッチスリーブ38,2速ドリブンギア13B,4速ドリブンギア14B,噛み合いクラッチスリーブ17,1速ドリブンギア10B,3速ドリブンギア11B及び5速ドリブンギア12Bが設けられている。
ここで、入力軸ドリブンギア46は第1入力軸6と第2入力軸8の両方についてエンジン軸ドライブギア36の回転を伝えるようになっており、第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7或いは第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9により選択的にあるいは両方同時に結合できるようになっている。
尚、噛み合いクラッチスリーブは実施形態1で説明したようにシフトフォーク及びシフトアクチュエータによって制御,駆動されるものである。
更に、中間軸45には6速ドライブギア37Aと噛み合う中間ギア47と遊星歯車機構30の遊星リングギア接続ドライブギア41Aと噛み合う遊星リングギア接続ドリブンギア41Bが設けられている。
遊星歯車機構30はサンギア30A,遊星キャリアギア30B及び遊星リングギア30Cよりなり、遊星キャリアギア30Bは遊星キャリア接続部30Dによって第1入力軸6の端部に固定され、遊星リングギア30Cは遊星リングギア接続ドライブギア41Aを介して中間軸45に固定された遊星リングギア接続ドリブンギア41Bと噛み合うようになっている。
また、サンギア30Aはサンギア接続ドリブンギア44Bを備え、このサンギア接続ドリブンギア44Bは電動機軸32の端部に設けられたサンギア接続ドライブギア44Aに噛み合うようになっている。
また、噛み合いクラッチスリーブ43は3速ドライブギア11Aと5速ドライブギア
12Aとを選択的に結合する機能を有している。
同様に、第2入力軸8側では、噛み合いクラッチスリーブ38は6速ドリブンギア37Bと2速ドリブンギア13Bを選択的に結合する機能を有し、噛み合いクラッチスリーブ
17は4速ドリブンギア14Bと1速ドリブンギア10Bを選択的に結合する機能を有している。
尚、この実施形態においては後退ギアについては設けられておらず、後退する場合は電動機3を逆回転させることによって後退ギアの働きを行うようにしている。
この場合、第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7及び第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9をエンジン軸ドリブンギア46と締結せずに、後述する電動機3だけによる駆動の場合の方法により、遊星歯車機構30を介して電動機3の回転を、出力軸16が逆回転する方向に伝えるようにして行われる。
本実施例によれば遊星歯車機構30を第1入力軸6に設けるようにしているため電動機軸32に設ける場合に比べ、遊星歯車の中をエンジン軸が貫通しなくても良いので、遊星歯車を小型に作ることができる。
更に、出力軸16と第2入力軸8を含んだ第1入力軸6の実質的に2軸構成として外殻2を細く作ることができ、FR用変速機として車室中央部のいわゆるトンネル部分を小さくすることができるようにしたものである。
また出力軸16には噛み合いクラッチスリーブ17,38を設け、第1入力軸6には噛み合いクラッチスリーブ7,9及び43を設けるようにして分けて配置したので全体的な部品の配置効率が向上するものである。
次に本実施形態の動作について簡単に説明する。
(I)エンジンと電動機による駆動力の切り換え制御
電動機3だけによる駆動力の場合は、エンジン軸ドライブギア36によって入力ドリブンギア46は回転されているが第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7及び第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9が締結されていないためエンジン回転は第1入力軸6及び第2入力軸8に伝えられず電動機3による駆動が可能となる。
この場合、電動機3の回転は電動機軸32から遊星歯車機構30に伝えられ、遊星キャリア接続部30Dを介して第1入力軸6側に回転が伝えられ、また遊星リングギア接続ドライブギア41Aを介して中間軸45の遊星リングギア接続ドリブンギア41B,中間ギア47を介して第2入力軸8に回転が伝えられる。
この場合、電動機3の回転は電動機軸32からサンギア接続ドライブギア32A,サンギア接続ドリブンギア32Bを介して遊星歯車機構30に伝えられる。電動機のトルクは遊星歯車によって分配され、一つは遊星キャリア30Dから第1入力軸6へ、残りは遊星リングギア接続ドライブギア41Aを介し、中間軸45の遊星リングギア接続ドリブンギア41B,中間ギア47を介して第2入力軸8に伝達され、両入力軸6,8に互いに逆方向のトルクを印加する。
第1入力軸6の奇数段ギア1速,3速或いは5速のいずれかと、第2入力軸8の偶数段ギア2速,4速或いは6速のいずれかを締結してあれば、両入力軸のギア比の差で出力軸にトルクが伝達されて電動機による駆動が行われる。
逆に、エンジン1だけによる駆動力の場合は、電動機3の駆動を停止して通常の変速動作を行えばよいものである。
つまり、エンジン軸ドライブギア36によって入力ドリブンギア46は回転されており、第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7及び第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9のどちらかを締結すればエンジン回転は第1入力軸6或いは第2入力軸8に伝えられるものである。
そして、奇数段ギアを使用する場合は噛み合いクラッチスリーブ17,43を駆動して1速,3速或いは5速のギアを選択して出力軸16から出力することができる。
一方、偶数段ギアを使用する場合噛み合いクラッチスリーブ17,38を駆動して2速,4速或いは6速のギアを選択し出力軸16から出力することができる。
(II)エンジンの駆動力不足に対する電動機による駆動力の補佐
この制御を実施する場合は変速機構は自動有段変速機構として働くものであり、通常は上述した(I)項のエンジンによる駆動と変速動作を行うものである。
そして、加速時のように駆動力が必要な時は電動機3を駆動して駆動力を補償することができる。この場合、上述した(I)項のエンジンによる駆動と電動機による駆動の両方を重畳させることになる。すなわちエンジンだけによる走行中は変速ギアは、奇数段あるいは偶数段のいずれか1個だけが締結されており残りのギアすべて遊んでいるが、そのうち締結されているギアが属さない入力軸のギアの1個を締結すれば、上述した(I)項の電動機による駆動の場合と同様に、両入力軸のギア比の差で出力軸に電動機トルクが伝達されて、エンジン1の駆動力を補佐するようになる。
(III)電動機の駆動力による有段変速機の変速ショックの緩和
この制御を実施する場合も変速機構は自動有段変速機構として働くものであり、通常は上述した(I)項のエンジンによる駆動と変速動作を行うものである。
変速動作を行う場合には、第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7或いは第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9によって第1入力軸6或いは第2入力軸8を選択し、第1入力軸6が選ばれた場合には噛み合いクラッチスリーブ17,43によって奇数段の1速,3速或いは5速のいずれかのギアが選択され、第2入力軸8が選ばれた場合には噛み合いクラッチスリーブ17,38によって偶数段の2速,4速或いは6速のいずれかのギアが選択されるものである。この場合、一般には変速動作は奇数段ギアから偶数段ギア或いは偶数段ギアから奇数段ギアに順次切り換えられるようになっている。
そして、例えば現在2速で走行している場合は入力ドリブンギア46と第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ9が締結され第2入力軸が回転し、噛み合いクラッチスリーブ38が2速ドリブンギア13Bと締結されて出力軸16に回転が伝えられている。
この状態で1速への変速動作が要求されると、第2入力軸8の締結が解除されて逆に第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ7によって第1入力軸6が締結され、噛み合いクラッチスリーブ17が1速ドリブンギア10Bを締結して第1入力軸6の回転は1速ドライブギア10から出力軸16に伝えられる。
この場合ギアの架け替えによる変速ショックが生じるが、電動機3を回転させて上述した(II)項の電動機による駆動力の補佐の考え方によって、ギア切り換えに基づく2速から1速に至る過程で生じる出力軸16の駆動力の階段的な切り換えを例えば一次関数的な切り換えにすることができるものである。
尚、実施例1〜実施例4における動作の説明として、(1)「エンジンの駆動力不足に対する電動機による駆動力の補佐」の方法、及び(2)「電動機の駆動力による有段変速機の変速ショックの緩和」について説明した。
しかしながら、(1)「エンジンの駆動力不足に対する電動機による駆動力の補佐」の方法については、駆動時のみだけでなく制動時においても電動機トルクの方向を逆にすれば制動力の補佐を行うことができ、このときは発電機として車体の運動エネルギを電力に変換してバッテリに充電することができる。
更により積極的に発電を行わせるには、入力軸噛み合いクラッチスリーブ7および9を開放してエンジンを切り離すことによってより多くのエネルギを電力に変換して回生量を増やすことができる。これはハイブリッド車の制御においていわゆるフル回生と呼ばれるものである。
また、(2)「電動機の駆動力による有段変速機の変速ショックの緩和」の方法については、本実施例の変速機は電動機でエンジントルクを遷移させるので、より積極的に変速中の駆動トルクを制御して変速時の駆動トルクを増やすことができる。
従来の摩擦クラッチにより掛け替えを行う変速機では変速中はクラッチにより発熱損が発生するので駆動トルクが落ち込むことになるが、本実施例の変速機では発熱損がないだけでなく、変速中に電動機からエネルギを注入することができるため駆動トルクが落ち込むどころか逆に持ち上げることができ、よりパワフルな変速性能が得られるものである。すなわち本実施例の変速機では変速ショックを無くすだけでなく、変速中に電動機からエネルギを注入することができるため従来不可能であったアクティブな変速が可能である。
本発明の第1の実施形態を示す変速機の構成図である。 本発明の第2の実施形態を示す変速機の構成図である。 本発明の第3の実施形態を示す変速機の構成図である。 本発明の第4の実施形態を示す変速機の構成図である。
符号の説明
1…エンジン、2…変速機、3…電動機、4…ダンパ、6…第1入力軸、7…第1入力軸噛み合いクラッチスリーブ、8…第2入力軸、9…第2入力軸噛み合いクラッチスリーブ、10A…1速ドライブギア、11A…3速ドライブギア、12A…5速ドライブギア、13A…2速ドライブギア、14A…4速ドライブギア、15A…後退ドライブギア、16…出力軸、17…噛み合いクラッチスリーブ、30…遊星歯車機構、32…電動機軸、33…第1入力軸ドリブンギア、34…第2入力軸ドリブンギア、35…エンジン軸、
36…エンジン軸ドライブギア、37A…6速ドライブギア、38,39,40…噛み合いクラッチスリーブ、41A…遊星リングギア接続ドライブギア、41B…点遊星リングギア接続ドリブンギア、42…遊星キャリア接続ドライブギア。

Claims (11)

  1. エンジンに接続固定された外殻と、前記外殻内に配置されエンジン回転が伝えられる入力軸と、前記入力軸から伝えられた回転を車輪に伝える出力軸と、前記入力軸と前記出力軸の間に配置され前記入力軸の回転を変速して前記出力軸に伝える複数の変速ギア等よりなる変速機構と、前記外殻の外部に取り付けられ前記複数の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機よりなることを特徴とする自動車用動力伝達装置。
  2. エンジンに接続固定された外殻と、前記外殻内に配置され前記エンジンのエンジン軸からエンジン回転が伝えられる奇数段の変速ギアが設けられた第1の入力軸及び偶数段の変速ギアが設けられた第2の入力軸と、前記第1及び前記第2の入力軸の変速ギアと噛み合う奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを有し前記入力軸の回転を車輪に伝える出力軸等よりなる変速機構と、前記外殻の外部に前記入力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機とよりなり、前記エンジン軸、前記第1の入力軸及び前記第2の入力軸は同軸上に配置され、前記出力軸は前記入力軸と平行に配置され、前記出力軸には前記出力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアを選択するクラッチスリーブが配置されていることを特徴とする自動車用動力伝達装置。
  3. エンジンに接続固定された外殻と、前記外殻内に配置され前記エンジンのエンジン軸からエンジン回転が伝えられる奇数段の変速ギアが設けられた第1の入力軸及び偶数段の変速ギアが設けられた第2の入力軸と、前記第1及び前記第2の入力軸の変速ギアと噛み合う奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを有し前記入力軸の回転を車輪に伝える出力軸等よりなる変速機構と、前記外殻の外部に前記入力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機とよりなり、前記エンジン軸、前記第1の入力軸及び前記第2の入力軸は同軸上に配置され、前記出力軸は前記入力軸と平行に配置され、前記出力軸には前記出力時の奇数段及び偶数段の変速ギアを選択するクラッチスリーブが配置され、前記第1入力軸及び第2入力軸は遊星歯車機構を介して前記電動機から付加回転力が与えられることを特徴とする自動車用動力伝達装置。
  4. 請求項3において、前記第1入力軸は管状に構成されて前記第2入力軸がその内部を挿通していることを特徴とする自動車用動力伝達装置。
  5. エンジンに接続固定され前記エンジン側からみて電動機室と変速機室を順に並べた外殻と、前記変速機室内に配置され前記エンジンのエンジン軸からエンジン回転が伝えられる奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアが設けられた第1の入力軸及び第2の入力軸と、前記第1及び前記第2の入力軸の変速ギアと噛み合う奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを有し前記入力軸の回転を車輪に伝える出力軸等よりなる変速機構と、前記電動機室内に配置され前記入力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機とよりなり、前記電動機の電動軸、前記エンジン軸及び前記出力軸は同軸上に配置され、前記第1及び第2の入力軸は前記出力軸と平行に配置され、前記第1及び第2の入力軸には奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを選択するクラッチスリーブが配置されていることを特徴とする自動車用動力伝達装置。
  6. エンジンに接続固定され前記エンジン側からみて電動機室と変速機室を順に並べた外殻と、前記変速機室内に配置され前記エンジンのエンジン軸からエンジン回転が伝えられる奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアが設けられた第1の入力軸及び第2の入力軸と、前記第1及び前記第2の入力軸の変速ギアと噛み合う奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを有し前記入力軸の回転を車輪に伝える出力軸等よりなる変速機構と、前記電動機室内に配置され前記入力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機とよりなり、前記電動機の電動軸、前記エンジン軸及び前記出力軸は同軸軸上に配置され、前記第1及び第2の入力軸は前記出力軸と平行に配置され、前記第1及び第2の入力軸には奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを選択するクラッチスリーブが配置され、前記第1入力軸及び第2入力軸は遊星歯車機構を介して前記電動機から付加回転力が与えられることを特徴とする自動車用動力伝達装置。
  7. エンジンに接続固定され前記エンジン側からみて電動機室と変速機室を順に並べた外殻と、前記変速機室内に配置され前記エンジンのエンジン軸からエンジン回転が伝えられる奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアが設けられた第1の入力軸及び第2の入力軸と、前記第1及び前記第2の入力軸の変速ギアと噛み合う奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを有し前記入力軸の回転を車輪に伝える出力軸等よりなる変速機構と、前記電動機室内に配置され前記入力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機とよりなり、前記電動機の電動軸、前記エンジン軸及び前記出力軸は同軸軸上に配置され、前記第1及び第2の入力軸は前記出力軸と平行に配置され、前記第1及び第2の入力軸には奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを選択するクラッチスリーブが配置され、前記第1入力軸及び第2入力軸は前記電動機軸に取り付けられた遊星歯車機構を介して前記電動機から付加回転力が与えられることを特徴とする自動車用動力伝達装置。
  8. エンジンに接続固定され前記エンジン側からみて電動機室と変速機室を順に並べた外殻と、前記変速機室内に配置され前記エンジンのエンジン軸からエンジン回転が伝えられる奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアが設けられた第1の入力軸及び第2の入力軸と、前記第1及び前記第2の入力軸の変速ギアと噛み合う奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを有し前記入力軸の回転を車輪に伝える出力軸等よりなる変速機構と、前記電動機室内に配置され前記入力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機とよりなり、前記電動機の電動軸、前記エンジン軸及び前記出力軸は同軸軸上に配置され、前記第1及び第2の入力軸は前記出力軸と平行に配置され、前記第1及び第2の入力軸には奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを選択するクラッチスリーブが配置され、前記第1入力軸及び第2入力軸は前記入力軸のどちらか一方に取り付けられた遊星歯車機構を介して前記電動機から付加回転力が与えられることを特徴とする自動車用動力伝達装置。
  9. エンジンに接続固定され前記エンジン側からみて電動機室と変速機室を順に並べた外殻と、前記変速機室内に配置され前記エンジンのエンジン軸からエンジン回転が伝えられる奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアが設けられた第1の入力軸及び第2の入力軸と、前記第1及び前記第2の入力軸の変速ギアと噛み合う奇数段ギア及び偶数段ギアを有し前記入力軸の回転を車輪に伝える出力軸等よりなる変速機構と、前記電動機室内に配置され前記入力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機とよりなり、前記電動機の電動軸、前記エンジン軸及び前記出力軸は同軸軸上に配置され、前記第1及び第2の入力軸は前記出力軸と平行に配置され、前記出力軸及び前記入力軸の一方に奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを選択するクラッチスリーブが配置され、前記第1入力軸及び第2入力軸は前記入力軸のどちらか一方に取り付けられた遊星歯車機構を介して前記電動機から付加回転力が与えられることを特徴とする自動車用動力伝達装置。
  10. エンジンに接続固定され前記エンジン側からみて電動機室と変速機室を順に並べた外殻と、前記変速機室内に配置され前記エンジンのエンジン軸からエンジン回転が伝えられる変速ギアが設けられた第1の入力軸及び前記エンジン軸からエンジン回転が伝えられる変速ギアが設けられ第1の入力軸の周りに配置された第2の入力軸と、前記第1及び前記第2の入力軸の変速ギアと噛み合う奇数段の変速ギア及び偶数段の変速ギアを有し前記入力軸の回転を車輪に伝える出力軸等よりなる変速機構と、前記電動機室内に配置され前記入力軸の奇数段及び偶数段の変速ギアに対して付加回転力を与える電動機とよりなり、前記電動機の電動軸、前記エンジン軸及び前記出力軸は同軸軸上に配置され、前記第1及び第2の入力軸は前記出力軸と平行にかつ同軸上に配置され、前記出力軸及び前記入力軸の一方に奇数段及び偶数段の変速ギアを選択するクラッチスリーブが配置され、前記第1入力軸及び第2入力軸は前記第1入力軸に取り付けられた遊星歯車機構を介して前記電動機から付加回転力が与えられることを特徴とする自動車用動力伝達装置。
  11. 請求項9において、前記第2入力軸の変速ギアと前記遊星歯車機構の中間ギアを介して前記電動機の付加回転力が与えられることを特徴とする自動車用動力伝達装置。
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