JP5212741B2 - ハイブリッド車両用動力出力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の動力源を備えるハイブリッド車両に搭載されるハイブリッド車両用動力出力装置に関する。
従来、原動機として内燃機関と少なくとも2つの電気機械とを有して、これらの駆動トルクを選択的に車両のドライブトレインに供給するハイブリッドドライブにおいて、電気機械の機械的出力と電気損失との和がゼロとなるように電気機械の動作点を調整したものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、車両に搭載される変速機として、電磁クラッチが、低速高トルクまたは高速低トルクの負荷状態に応じて、入力軸の回転を減速機または増速機を介して出力するように切り換えて、多様な動力源(高速低トルク動力である電動モータや、低速高トルク動力である人力など)及び負荷に対応して、動力源の能力を最大限利用するようにした負荷感応変速機が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−516160号公報 特開2008−248903号公報
ところで、特許文献1に記載のハイブリッドドライブでは、各電気機械が遊星ギヤ及び切換トランスミッションを備えて6速段及び後進段が構成され、ギヤの常時噛み合いが多い構成となっている。このため、減速時のエネルギが全ての噛合するギヤの慣性マスによって吸収されてしまい、十分な回生効率が得られないという課題がある。また、特許文献2に記載の負荷感応変速機は、単一の動力源の効率的な運用を図ったものであり、内燃機関や電動モータなどの異なる複数の動力源を組み合わせたハイブリッド車両用のトランスミッションを考慮したものではなかった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の動力源を備え、負荷状態に応じて、各動力源を切り換え、あるいは複数の動力源の動力を合算して総合効率の向上を図った、ハイブリッド車両に搭載するのに好適なハイブリッド車両用動力出力装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ハイブリッド車両用動力出力装置(例えば、後述の実施形態におけるハイブリッド車両用動力出力装置10)において、
内燃機関(例えば、後述の実施形態における内燃機関11)と、
低速側クラッチ部(例えば、後述の実施形態における低速側クラッチ部23)、高速側クラッチ部(例えば、後述の実施形態における高速側クラッチ部24)、及び前記内燃機関からの動力が入力され、前記低速側クラッチ部又は前記高速側クラッチ部に接続可能なクラッチプレート(例えば、後述の実施形態におけるクラッチプレート21)、を備え、前記内燃機関の動力を前記クラッチプレートを介して前記高速側クラッチ部または前記低速側クラッチ部に伝達可能なクラッチ装置(例えば、後述の実施形態におけるクラッチ装置20)と、
を備え、
前記クラッチ装置は、前記低速側クラッチ部が同心状に配置された一対の環状部材の互いに対向するテーパー状の内周面と外周面に形成された一組のドグ歯(例えば、後述の実施形態におけるドグ歯23a、24a)の一方を有し、前記高速側クラッチ部が前記一組のドグ歯の他方を有し、前記クラッチプレートがテーパー状の係合部(例えば、後述の実施形態における係合部22)の径方向両側面に形成されたドグ歯(例えば、後述の実施形態におけるドグ歯22a、22b)を備える、テーパーコーンクラッチ(例えば、後述の実施形態におけるテーパーコーンクラッチ20)であって、前記クラッチプレートが取り付けられるシャフト(例えば、後述の実施形態における連結軸67)を軸方向に駆動することで、前記クラッチプレートを前記高速側クラッチ部、又は前記低速側クラッチ部に切り換える電動アクチュエータ(例えば、後述の実施形態における電動アクチュエータ60)を備えており、
さらに、
前記低速側クラッチ部の動力を減速して出力軸(例えば、後述の実施形態における出力軸51)に伝達する第1の変速装置(例えば、後述の実施形態における減速用遊星歯車機構30)と、
前記高速側クラッチ部の動力を増速して前記出力軸に伝達する第2の変速装置(例えば、後述の実施形態における増速用遊星歯車機構40)と、
前記第1の変速装置に動力を伝達する第1の電動モータ(例えば、後述の実施形態における第1の電動モータ12)と、
前記第2の変速装置に動力を伝達する第2の電動モータ(例えば、後述の実施形態における第2の電動モータ13)と、
を備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成に加えて、
前記第1の変速装置は、前記低速側クラッチ部の動力がサンギヤ(例えば、後述の実施形態におけるサンギヤ31)に入力されて、キャリア(例えば、後述の実施形態におけるキャリア34)から前記出力軸に出力される減速用遊星歯車機構によって構成され、
前記第2の変速装置は、前記高速側クラッチ部の動力がキャリア(例えば、後述の実施形態におけるキャリア44)に入力されて、サンギヤ(例えば、後述の実施形態におけるサンギヤ41)から前記出力軸に出力される増速用遊星歯車機構によって構成され、
前記第1の電動モータは、前記減速用遊星歯車機構のサンギヤに動力を伝達し、
前記第2の電動モータは、前記増速用遊星歯車機構のキャリアに動力を伝達することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、ハイブリッド車両用動力出力装置において、
内燃機関と、
低速側クラッチ部、高速側クラッチ部、及び前記内燃機関からの動力が入力され、前記低速側クラッチ部又は前記高速側クラッチ部に接続可能なクラッチプレート、を備え、前記内燃機関の動力を前記クラッチプレートを介して前記高速側クラッチ部または前記低速側クラッチ部に伝達可能なクラッチ装置と、
を備え、
前記クラッチ装置は、前記低速側クラッチ部が同心状に配置された一対の環状部材の互いに対向するテーパー状の内周面と外周面に形成された一組のドグ歯の一方を有し、前記高速側クラッチ部が前記一組のドグ歯の他方を有し、前記クラッチプレートがテーパー状の係合部の径方向両側面に形成されたドグ歯を備える、テーパーコーンクラッチであって、前記クラッチプレートが取り付けられるシャフトを軸方向に駆動することで、前記クラッチプレートを前記高速側クラッチ部、又は前記低速側クラッチ部に切り換える電動アクチュエータを備えており、
さらに、
前記クラッチプレートに動力を伝達する電動モータと、
前記低速側クラッチ部の動力を変速して出力軸に伝達する第1の変速装置と、
前記高速側クラッチ部の動力を変速して前記出力軸に伝達する第2の変速装置と、
を備えることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3の構成に加えて、
前記電動モータのロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ12a)は、前記クラッチプレートに連結されており、
前記ロータの磁石部は、前記クラッチプレートがストロークしても前記電動モータのステータ(例えば、後述の実施形態におけるステータ12b)と対向することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項3または4の構成に加えて、
前記第1の変速装置に動力を伝達する他の電動モータを更に備えることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5の構成に加えて、
前記第1の変速装置は、複数の奇数段(例えば、後述の実施形態におけるLowギヤ列81、3rdギヤ列83)からなる第1の変速段(例えば、後述の実施形態における第1の変速段80)と、該複数の奇数段のいずれかと前記出力軸とを連結又は開放する第1の噛合いクラッチ(例えば、後述の実施形態における第1の噛合いクラッチ85)とを備え、
前記第2の変速装置は、複数の偶数段(例えば、後述の実施形態における2ndギヤ列82、4thギヤ列84)からなる第2の変速段(例えば、後述の実施形態における第2の変速段90)と、該複数の偶数段のいずれかと前記出力軸とを連結又は開放する第2の噛合いクラッチ(例えば、後述の実施形態における第2の噛合いクラッチ95)とを備え、
前記第1の変速装置の奇数段と前記第2の変速装置の偶数段との切換は、前記第1及び第2の噛合いクラッチが当該奇数段及び偶数段と前記出力軸とをそれぞれ連結した状態で、前記クラッチ装置のクラッチプレートを切り換えることで行われることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1〜のいずれかの構成に加えて、
前記出力軸とデフ軸(例えば、後述の実施形態におけるデフ軸109)との間に、前記出力軸からの動力を高速段と低速段に切り換えて前記デフ軸に伝達する第3の変速装置(例えば、後述の実施形態におけるツインデファレンシャル装置100)をさらに備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、第1の電動モータを動力源としたEV低速走行、内燃機関及び第1の電動モータ、または内燃機関及び第2の電動モータを動力源としたハイブリッド走行を行うことができる。また、発進時にEV走行することにより、燃費向上や騒音低減の効果が得られる。更に、内燃機関及び第1、第2の電動モータのトルクを合算することにより大きな駆動力が得られ、登坂能力、加速性能、牽引能力が向上する。更に、第1及び第2の電動モータを、永久磁石式同期発電電動機で構成すれば、長い下り坂などの減速時に、該電動モータが発電機として機能してエネルギを回生してバッテリを充電することができる。また、第1の電動モータの特性を低速走行に適したモータ仕様とし、また、第2の電動モータの特性を高速走行に適したモータ仕様として、それぞれ走行状態に対応した高い効率を有する専用モータとして設計することができる。また、電動アクチュエータによるクラッチプレートの移動によって低速状態、高速状態、及びニュートラル状態に切り換えることができ、従来の油圧クラッチと比較して構成部品点数を大幅に低減することができ、製造コストを抑制することができる。
請求項2の発明によれば、第1の変速装置は、低速側クラッチ部の動力がサンギヤに入力されてキャリアから出力される減速用遊星歯車機構であり、第2の変速装置は、高速側クラッチ部の動力がキャリアに入力されてサンギヤから出力される増速用遊星歯車機構であり、第1の電動モータが減速用遊星歯車機構のサンギヤに動力を伝達し、第2の電動モータが増速用遊星歯車機構のキャリアに動力を伝達するようにしたので、第1及び第2の変速装置によって、効果的に増速及び減速して出力軸に伝達することができる。
請求項3の発明によれば、電動モータを動力源としたEV低速走行、内燃機関及び電動モータを動力源としたハイブリッド走行を行うことができる。また、発進時にEV走行することにより、燃費向上や騒音低減の効果が得られる。更に、内燃機関及び電動モータのトルクを合算することにより大きな駆動力が得られ、登坂能力、加速性能、牽引能力が向上する。また、電動モータを、永久磁石式同期発電電動機で構成すれば、長い下り坂などの減速時に、該電動モータが発電機として機能してエネルギを回生してバッテリを充電することができる。また、電動アクチュエータによるクラッチプレートの移動によって低速状態、高速状態、及びニュートラル状態に切り換えることができ、従来の油圧クラッチと比較して構成部品点数を大幅に低減することができ、製造コストを抑制することができる。
請求項4の発明によれば、ストロークするクラッチプレートに電動モータのロータが取り付けられ、電動モータの動力をクラッチプレートに伝達することができる。
請求項5の発明によれば、第1の変速装置に動力を伝達する他の電動モータを更に備えるので、低速走行時に内燃機関及び電動モータのトルクを合算することにより大きな駆動力が得られ、登坂能力、加速性能、牽引能力が向上する。
請求項6の発明によれば、第1の変速装置が、複数の奇数段からなる第1の変速段と、奇数段のいずれかと出力軸とを連結する第1の噛合いクラッチとを備え、第2の変速装置が、複数の偶数段からなる第2の変速段と、偶数段のいずれかと出力軸とを連結する第2の噛合いクラッチとを備え、第1及び第2の噛合いクラッチが出力軸と連結した状態で、クラッチ装置を切り換えることで変速切り換えするようにしたので、クラッチ装置を切り換えるだけで、変速を高速で切り換えが可能となる。
請求項の発明によれば、第3の変速装置によってさらに多段変速を実現することができる。
本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。 (a)は図1におけるテーパーコーンクラッチの概念図、(b)は図2(a)におけるII−II線断面図である。 (a)は図1における電動アクチュエータの概念図、(b)は図3(a)におけるIII‐III断面図、(c)は図3(a)における楕円III´で囲まれた部分の拡大図である。 (a)〜(c)は、図1におけるテーパーコーンクラッチの作動状態を示す概念図である。 テーパーコーンクラッチの制御手順を示すフローチャートである。 第1実施形態の第1変形例に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。 第1実施形態の第2変形例に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。 本発明の第2実施形態に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。 本発明の第3実施形態に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。 第3実施形態の第1変形例に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。 第3実施形態の第2変形例に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。 本発明の第4実施形態に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。 第4実施形態の第1変形例に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。 第4実施形態の第2変形例に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。 本発明の第5実施形態に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。
以下、本発明の各実施形態に係るハイブリッド車両用動力出力装置を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態のハイブリッド車両用動力出力装置10は、内燃機関11と、第1の電動モータ12と、第2の電動モータ13と、フライホイールダンパー14と、クラッチ装置20と、第1の変速装置としての減速用遊星歯車機構30と、第2の変速装置としての増速用遊星歯車機構40と、を備える。
クラッチ装置20は、低速側クラッチ部23、高速側クラッチ部24、及び内燃機関11からの動力が入力され、低速側クラッチ部23又は高速側クラッチ部24に接続可能なクラッチプレート21、を備えるテーパーコーンクラッチである。また、クラッチ装置20は、クラッチプレート21と後述する電動アクチュエータ60の連結軸67とを接続する接続部26aと、内燃機関11のクランクシャフト11aに連結されたフライホイールダンパー14が接続される入力軸25とクラッチプレート21とを接続する接続部26bと、を備える。接続部26bは、クラッチプレート21のスライド移動に関わらず、クラッチプレート21と入力軸25とを常時接続するように構成される。
減速用遊星歯車機構30は、サンギヤ31、サンギヤ31に噛み合う複数のプラネタリギヤ32を回転自在に支持するキャリア34、及び各プラネタリギヤ32に噛み合うリングギヤ33を備え、リングギヤ33がケース35に固定されている。入力軸37によってサンギヤ31と同軸に連結される低速側入力従動ギヤ36は、低速側クラッチ部23と中空の第1軸28を介して接続された低速側入力駆動ギヤ27と噛合している。また、キャリア34は、中空の出力軸51の低速側出力従動ギヤ52と噛合する低速側出力駆動ギヤ38に接続されている。
低速側クラッチ部23の動力は、低速側入力駆動ギヤ27、及び低速側入力従動ギヤ36を介してサンギヤ31に入力され、キャリア34から低速側出力駆動ギヤ38、及び低速側出力従動ギヤ52を介して、出力軸51に出力される。出力軸51の動力は、出力軸51の出力ギヤ53から、アイドラ軸55上のアイドラギヤ55a,55b、及びデファレンシャルギヤ56を介して車輪57に伝達される。
第1の電動モータ12のロータ12aは、低速側クラッチ部23の周囲に取り付けられており、また、ステータ12bは、ロータ12aの外周側に対向配置されている。これにより、内燃機関11の動力と第1の電動モータ12の動力との合力を減速用遊星歯車機構30に伝達することができる。
増速用遊星歯車機構40は、サンギヤ41、サンギヤ41に噛み合う複数のプラネタリギヤ42を回転自在に支持するキャリア44、及び各プラネタリギヤ42に噛み合うリングギヤ43を備え、リングギヤ43がケース35に固定されている。キャリア44は、中空の第1軸28を貫通する中空の第2軸29によって高速側クラッチ部24に接続され、サンギヤ41が出力軸51に接続されている。
高速側クラッチ部24の動力は、キャリア44から入力され、サンギヤ41から出力軸51に出力される。出力軸51の動力は、出力軸51の出力ギヤ53から、アイドラ軸55上のアイドラギヤ55a,55b、及びデファレンシャル装置56のデファレンシャルギヤ56aを介して車輪57に伝達される。
第2の電動モータ13のロータ13aは、増速用遊星歯車機構40のキャリア44に連結されており、また、ステータ13bは、ロータ13aの外周側に対向配置されている。これにより、内燃機関11の動力と第2の電動モータ13の動力との合力を増速用遊星歯車機構40に伝達することができる。
次に、図2及び図3を参照して、電動アクチュエータ60を含むクラッチ装置20について詳述する。図2に示すように、クラッチ装置20のクラッチプレート21は、略円筒状に形成されており、先端部分には、次第に直径が小さくなるテーパー状の係合部22が形成される。係合部22の径方向両側面には、軸方向に延びる複数のドグ歯22a、22bが円周方向に離隔して形成されている。
低速側クラッチ部23及び高速側クラッチ部24は、クラッチプレート21の係合部22を介して互いに対向するテーパー状の内周面と外周面をそれぞれ有する、同心状に配置された一対の環状部材によって構成されている。係合部22の外側に配置された低速側クラッチ部23の内周面は、係合部22の外側面と同じ角度で傾斜するテーパー状に形成されており、係合部22の外側面のドグ歯22aと噛合可能な、軸方向に延びる複数のドグ歯23aが円周方向に離隔して形成されている。また、係合部22の内側に配置された高速側クラッチ部24の外周面は、係合部22の内側面と同じ角度で傾斜するテーパー状に形成されており、係合部22のドグ歯22bと噛合可能な、軸方向に延びる複数のドグ歯24aが円周方向に離隔して形成されている。
そして、クラッチプレート21が図2(a)中右方向に相対移動すると、係合部22のドグ歯22aと低速側クラッチ部23のドグ歯23aが噛合して、クラッチプレート21と低速側クラッチ部23とが接続する。また、クラッチプレート21が図2(a)中左方向に相対移動すると、係合部22のドグ歯22bと高速側クラッチ部24のドグ歯24aが噛合して、クラッチプレート21と高速側クラッチ部24とが接続する。
クラッチプレート21の左右方向移動、即ち、高速側クラッチ部24または低速側クラッチ部23との断接は、円筒ドラムカム式の電動アクチュエータ60によって行われる。図3に示すように、電動アクチュエータ60は、外周面から突出するピン61を有するインナードラム62が、正逆回転自在な可逆モータ63の回転軸64に連結されている。ピン61は、インナードラム62にニードルベアリング68を介して遊嵌するアウタードラム65のカム溝66に嵌合している。カム溝66は、異なる軸方向位置及び周方向位置に形成された、それぞれ周方向に延びる溝部66a、66b、66cと、各溝部66a、66b、66c間を斜めに繋ぐ連結溝66dと、を有する。アウタードラム65は、第1及び第2軸28,29と出力軸51とを貫通する連結軸67によってクラッチ装置20のクラッチプレート21に連結されている。
可逆モータ63が回転して、インナードラム62が矢印A方向に回動すると、中央の溝部66aに嵌合していたピン61がカム溝66の形状に沿って溝部66bに移動して、クラッチプレート21を右方向(矢印C方向)にスライドさせる。そして、クラッチプレート21のドグ歯22aと低速側クラッチ部23のドグ歯23aとが噛合し、クラッチプレート21が低速側クラッチ部23と接続する低速位置LPとなる(図4(b)参照)。
また、可逆モータ63によってインナードラム62が矢印B方向に回動すると、ピン61が溝部66cに移動する。これにより、アウタードラム65が連結軸67と共に図中左方向(矢印D方向)に直線移動し、クラッチプレート21を左方向にスライドさせて、クラッチプレート21のドグ歯22bと高速側クラッチ部24のドグ歯24aとが噛合し、クラッチプレート21が高速側クラッチ部24と接続する高速位置HPとなる(図4(c)参照)。
さらに、ピン61が中央の溝部66aにあるとき、クラッチプレート21は、高速側クラッチ部24、低速側クラッチ部23のいずれからも離間して接続されておらず、ニュートラル位置NPとなる(図4(a)参照)。
次に、上記の構成を備えた本実施形態の作用について、図1、図4及び図5を参照して説明する。
まず、車両が停止状態(ステップS1)では、予め可逆モータ63を矢印A方向に回転させることにより、クラッチプレート21を低速位置LPに位置させて、低速側クラッチ部23に接続する。そして、第1の電動モータ12に通電して、車両をEV発進させる。即ち、電動モータ12の動力は、クラッチプレート21と接続された低速側クラッチ部23、及び減速用遊星歯車機構30を介して出力軸51に伝達され、更に出力軸51から車輪57へと伝達される(ステップS2)。そして、EV発進及び低速走行後、内燃機関11を点火させ、内燃機関11の動力と第1の電動モータ12の駆動力との合力によってハイブリッド走行を行う。
その後、走行速度が時速80kmに達したか否かが判別され(ステップS3)、時速80km以上となった場合には、可逆モータ63が矢印B方向に回転して、クラッチプレート21を高速位置HPに位置させ、高速側クラッチ部24との接続に切り換える(ステップS4)。ここで、クラッチプレート21を切り換える際には、瞬間的に内燃機関11の点火をカット、または内燃機関11のスロットルをオフさせ、ラジアル方向に受けるクラッチプレート21の係合部22と低速側クラッチ部23の互いのドグ歯22a,23aの力を解除する。そして、電動アクチュエータ60を作動させ、クラッチプレート21を高速位置HPへと軸方向にスライド移動させ、係合部22のドグ歯22bを、出力軸51及び増速用遊星歯車機構40を介して回転する高速側クラッチ部24のドグ歯24aに係合させる。
このとき、クラッチプレート21の回転数と高速側クラッチ部24の回転数には減速用遊星歯車機構30と増速用遊星歯車機構40とのギアレシオ分による差回転が生じており、この状態でクラッチプレート21のドグ歯22bと高速側クラッチ部24のドグ歯24aを係合させるとドグ歯22b、24aに衝撃が加わり、最悪の場合ドグ歯22b、24aが損傷してしまう可能性がある。このため、上記差回転を極力ゼロにするように、第2の電動モータ13を駆動する。
なお、動力伝達を増速用遊星歯車機構40から減速用遊星歯車機構30に切り換えるため、クラッチプレート21を高速側クラッチ部24との接続から低速側クラッチ部23との接続へ切り換える際には、逆の順序にて作動させる。
また、内燃機関11とテーパーコーンクラッチ20との間に設けられたフライホイールダンパー14は、上記のような低速から高速時へ、又は高速から低速時に変速させる場合、内燃機関11の動力及び第1の電動モータ12の駆動力分の慣性力により差回転数がゼロにならずに変速ショックが生じるのを防止している。
また、一定速での走行時又は減速走行時には、第1の電動モータ12を発電機として回生させて、モータ駆動用電源としてのバッテリの充電を行っている。なお、アイドリング時や長い下り坂等においては、可逆モータ63を駆動してクラッチプレート21をニュートラル位置NPに位置させることでも、第1の電動モータ12を発電機として回生させることができる。
さらに、後進走行する場合には、クラッチプレート21を低速位置LPに位置させて、低速側クラッチ部23と接続した状態で、第1の電動モータ12を逆回転させることで、逆転方向のモータトルクを減速用遊星歯車機構30を介して車輪57に伝達する。
以上説明したように、本実施形態に係るハイブリッド車両用動力出力装置10によれば、内燃機関11から伝達されるクラッチプレート21の動力を低速側クラッチ部23または高速側クラッチ部24に伝達可能なクラッチ装置20と、低速側クラッチ部23の動力を減速して出力軸51に出力する第1の変速装置30と、高速側クラッチ部24の動力を増速して出力軸51に出力する第2の変速装置40と、第1の変速装置30に動力を伝達する第1の電動モータ12と、第2の変速装置40に動力を伝達する第2の電動モータ13とを備えるので、第1の電動モータ12を動力源としたEV低速走行、内燃機関11及び第1または第2の電動モータ12、13を動力源としたハイブリッド走行を行うことができる。また、発進時にEV走行することにより、燃費向上や騒音低減の効果が得られる。
更に、内燃機関11及び第1、第2の電動モータ12、13のトルクを合算することにより大きな駆動力が得られ、登坂能力、加速性能、牽引能力が向上する。また、第1及び第2の電動モータ12、13を、永久磁石式同期発電電動機で構成すれば、低速走行時には第2の電動モータ13が発電機として機能してエネルギを回生し、高速走行時には第1の電動モータ12が発電機として機能してエネルギを回生し、長い下り坂などの減速時には、該電動モータ12、13が発電機として機能してエネルギを回生してバッテリを充電することができる。また、第1の電動モータ12の特性を低速走行に適したモータ仕様とし、また、第2の電動モータ13の特性を高速走行に適したモータ仕様として、それぞれ走行状態に対応した高い効率を有する専用モータとして設計することができる。
また、第1の変速装置30は、低速側クラッチ部23の動力がサンギヤ31に入力されてキャリア34から出力される減速用遊星歯車機構であり、第2の変速装置40は、高速側クラッチ部24の動力がキャリア44に入力されてサンギヤ41から出力される増速用遊星歯車機構であり、第1の電動モータ12が減速用遊星歯車機構30のサンギヤ31に動力を伝達し、第2の電動モータ13が増速用遊星歯車機構40のキャリア44に動力を伝達するようにしたので、第1及び第2の変速装置30、40によって、効果的に増速及び減速して出力軸51に伝達することができる。
更に、クラッチ装置20は、径方向両側面にドグ歯22a、22bが形成されたクラッチプレート21と、それぞれ内周面または外周面にドグ歯23a、24aが形成されてクラッチプレート21と同心状に配置された低速側クラッチ部23、および高速側クラッチ部24を備えるテーパーコーンクラッチであり、クラッチプレート21を軸方向に駆動することでクラッチプレート21を高速側クラッチ部24、又は低速側クラッチ部23に切り換える電動アクチュエータ60を備えるので、電動アクチュエータ60によるクラッチプレート21の移動によって低速状態、高速状態、及びニュートラル状態に切り換えることができる。また、従来の油圧クラッチと比較して構成部品点数を大幅に低減することができ、製造コストを抑制することができる。
図6は、第1実施形態の第1変形例に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。このハイブリッド車両用動力出力装置10Aでは、第1の電動モータ12が減速用遊星歯車機構(第1の変速装置)30のリングギヤ33に配設されており、第1の電動モータ12の動力を直接、第1の変速装置30に伝達するようにしている。
図7は、第1実施形態の第2変形例に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。このハイブリッド車両用動力出力装置10Bでは、第1の電動モータ12が減速用遊星歯車機構(第1の変速装置)30の入力軸37に配設され、第2の電動モータ13が増速用遊星歯車機構(第2の変速装置)40の出力軸51に配設されている。このような配置でも第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。このハイブリッド車両用動力出力装置10Cでは、第1実施形態のハイブリッド車両用動力出力装置10の低速側出力駆動ギヤ38及び低速側出力従動ギヤ52の代わりに、無段変速機70が設けられている。無断変速機70は、キャリア34に接続された第1プーリ71、出力軸51に接続された第2プーリ72、及び両プーリ71、72間に巻き掛けられたベルト73を備える。これにより、減速用遊星歯車機構30により減速された出力を、無段変速機70によって無段階に変速して出力軸51に伝達することができる。
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。ハイブリッド車両用動力出力装置10Dは、内燃機関11と、1つの電動モータ12と、フライホイールダンパー14と、クラッチ装置20と、第1の変速装置としての減速用遊星歯車機構30と、第2の変速装置としての増速用遊星歯車機構40と、を備える。即ち、このハイブリッド車両用動力出力装置10Dは、第1実施形態のハイブリッド車両用動力出力装置10が低速用及び高速用の2つの電動モータ12、13を備えるのに対して、1つの電動モータ12を有する構成となっている。
また、この電動モータ12のロータ12aはクラッチプレート21の移動を許容するようにクラッチプレート21に連結されており、このロータ12aの外周側には、固定されたステータ12bが対向配設されている。これにより、クラッチプレート21は、内燃機関11と電動モータ12とから動力が入力されて、回転駆動される。
なお、ロータ12aは、クラッチプレート21とともに軸方向に移動するため、ロータ12aの磁石部は、クラッチプレート21のストローク分だけ磁力の面を大きくし、ロータ12aがクラッチプレート21とともに左右にストロークしてもステータ12bと対向するように余裕代を備えている。
次に、上記の構成を備えた本実施形態の作用について、図9、図4及び図5を参照して説明する。
まず、車両が停止状態(ステップS1)では、予め可逆モータ63により、クラッチプレート21を低速位置LPに位置させて、低速側クラッチ部23に接続する。そして、電動モータ12に通電して、車両をEV発進させる(ステップS2)。即ち、電動モータ12の動力は、クラッチプレート21と接続された低速側クラッチ部23、及び減速用遊星歯車機構30を介して出力軸51に伝達され、更に出力軸51から車輪57へと伝達される。そして、EV発進及び低速走行後、内燃機関11を点火させ、内燃機関11の動力と電動モータ12の駆動力との合力によってハイブリッド走行を行う。
その後、走行速度が時速80kmに達したか否かが判別され(ステップS3)、時速80km以上となった場合には、可逆モータ63によりクラッチプレート21を高速位置HPに位置させ、高速側クラッチ部24との接続に切り換える(ステップS4)。ここで、クラッチプレート21を切り換える際、瞬間的に内燃機関11の点火をカット、または内燃機関11のスロットルをオフさせて、クラッチプレート21のドグ歯22aと低速側クラッチ部23のドグ歯23aに作用するラジアル方向力を解除するのは、第1実施形態のハイブリッド車両用動力出力装置10と同様である。
また、一定速での走行時又は減速走行時には、電動モータ12を発電機として回生させて、モータ駆動用電源としてのバッテリの充電を行っている。なお、アイドリング時や長い下り坂等においては、可逆モータ63を駆動してクラッチプレート21をニュートラル位置NPに位置させることでも、電動モータ12を発電機として回生させることができる。
さらに、後進走行する場合には、クラッチプレート21を低速位置LPに位置させて、低速側クラッチ部23と接続した状態で、電動モータ12を逆回転させることで、逆転方向のモータトルクを減速用遊星歯車機構30を介して車輪57に伝達する。その他の効果は、第1実施形態のハイブリッド車両用動力出力装置10と同様である。
以上説明したように、本実施形態に係るハイブリッド車両用動力出力装置10Dによれば、内燃機関11から伝達されるクラッチプレート21の動力を低速側クラッチ部23または高速側クラッチ部24に伝達可能なクラッチ装置20と、低速側クラッチ部23の動力を変速して出力軸51に出力する減速側遊星歯車機構30と、高速側クラッチ部24の動力を変速して出力軸51に出力する増速用遊星歯車機構40と、クラッチプレート21に動力を伝達する電動モータ12とを備えるので、1つの電動モータ12の場合であっても、第1実施形態と同様に、EV低速走行、ハイブリッド走行を行うことができる。
図10は、第3実施形態の第1変形例に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。このハイブリッド車両用動力出力装置10Eは、第3実施形態のような電動モータ12がクラッチプレート21に取り付けられる代わりに、接続部26bに取り付けられている。接続部26bは、クラッチプレート21のスライド移動に関わらず、入力軸25とクラッチプレート21とを常時接続しているので、電動モータ12の動力は、クラッチプレート21に伝達される。
その他の効果は、第3実施形態のハイブリッド車両用動力出力装置10Dと同様である。
図11は、第3実施形態の第2変形例に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。このハイブリッド車両用動力出力装置10Fは、第3実施形態のハイブリッド車両用動力出力装置10Dに対して、他の電動モータ13が更に増設されている。即ち、低速側クラッチ部23の周囲にロータ13aが取り付けられており、ステータ13bがロータ13aの外周側に対向配置されている。これにより、低速側クラッチ部23は、クラッチプレート21からの動力以外に、他の電動モータ13の動力によっても回転駆動される。
ハイブリッド車両用動力出力装置10Fは、車両停止状態で予め可逆モータ63によりクラッチプレート21をニュートラル位置NPに位置させ、他の電動モータ13に通電して、車両をEV発進させる。他の電動モータ13の動力は、低速側クラッチ部23、及び減速用遊星歯車機構30を介して出力軸51に伝達され、更に出力軸51から車輪57へと伝達される。
車両が停止状態では、予め可逆モータ63により、クラッチプレート21を低速位置LPに位置させて、低速側クラッチ部23に接続する。そして、電動モータ12に通電して、車両をEV発進させる。EV発進後、内燃機関11を点火させて、他の電動モータ13の動力に加えて、内燃機関11及び電動モータ12の駆動力が合力されたハイブリッド走行を行う。これにより、大きな駆動力が得られる。そして、走行速度が時速80kmに達すると、可逆モータ63によりクラッチプレート21を高速位置HPに移動させて、高速側クラッチ部24との接続に切り換え、内燃機関11及び電動モータ12の駆動力が合力された高速でのハイブリッド走行を行う。
なお、EV発進時に、クラッチプレート21を低速位置LPに位置させて、2つの電動モータ12、13に同時に通電することにより、2つの電動モータ12、13の駆動力の合力によって車両を強力にEV発進させることもできる。
その他の作用、効果は、第1実施形態のハイブリッド車両用動力出力装置10と同様である。
以上説明したように、本実施形態に係るハイブリッド車両用動力出力装置10Fによれば、クラッチ装置20のクラッチプレート21に内燃機関11及び電動モータ12から動力が伝達されると共に、低速側クラッチ部23に他の電動モータ13から動力が伝達されるので、低速走行時には、内燃機関11及び電動モータ12、及び/または他の電動モータ13のトルクを合算することにより大きな駆動力が得られ、登坂能力、加速性能、牽引能力が向上する。
(第4実施形態)
図12は、本発明の第4実施形態に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。このハイブリッド車両用動力出力装置10Gは、電動モータ12が接続部26bに取り付けられ、他の電動モータ13が低速側クラッチ部23に取り付けられている。第1の変速装置は、減速用遊星歯車機構30に代えて、Lowギヤ列81、及び3rdギヤ列83からなる奇数段の第1の変速段80と、第1の噛合いクラッチ85とから構成されている。また、第2の変速装置は、増速用遊星歯車機構40に代えて、2ndギヤ列82、及び4thギヤ列84からなる偶数段の第2の変速段90と、第2の噛合いクラッチ95とから構成されている。
具体的に、Lowギヤ列81は、低速側クラッチ部23に連結する中空の第1軸28に固定されたLow駆動ギヤ81aと、出力軸51が貫通する中空軸86に固定されたLow従動ギヤ81bとからなり、Low駆動ギヤ81aとLow従動ギヤ81bは常時噛合している。また、3rdギヤ列83は、第1軸28に固定された3rd駆動ギヤ83aと、出力軸51が貫通する中空軸87に固定された3rd従動ギヤ83bとからなり、3rd駆動ギヤ83aと3rd従動ギヤ83bは常時噛合している。
第1の噛合いクラッチ85は、シンクロメッシュ機構からなり、対向配置された一対の中空軸86、87間で出力軸51に固定されたシンクロハブ88と、これと一体回転し軸方向に移動自在に設けられたシンクロスリーブ89とを有している。そして、シンクロスリーブ89をLow従動ギヤ81bとシンクロナイザーリング(図示せず)とに噛み合わせると、Lowギヤ列81が動力伝達状態となり、シンクロスリーブ89を3rd従動ギヤ83bとシンクロナイザーリング(図示せず)とに噛み合わせると、3rdギヤ列83が動力伝達状態となる。
2ndギヤ列82は、高速側クラッチ部24に連結する中空の第2軸29に固定された2nd駆動ギヤ82aと、出力軸51が貫通する中空軸96に固定された2nd従動ギヤ82bとからなり、2nd駆動ギヤ82aと2nd第2ギヤ82bは常時噛合している。また、4thギヤ列84は、第2軸29に固定された4th駆動ギヤ84aと、出力軸51が貫通する中空軸97に固定された4th従動ギヤ84bとからなり、4th駆動ギヤ84aと4th従動ギヤ84bは常時噛合している。
第2の噛合いクラッチ95は、シンクロメッシュ機構からなり、対向配置された一対の中空軸96、97間で出力軸51に固定されたシンクロハブ98と、これと一体回転し軸方向に移動自在に設けられたシンクロスリーブ99とを有している。そして、シンクロスリーブ99を2nd従動ギヤ82bとシンクロナイザーリング(図示せず)とに噛み合わせると、2ndギヤ列82が動力伝達状態となり、シンクロスリーブ99を4rd従動ギヤ84bとシンクロナイザーリング(図示せず)とに噛み合わせると、4rdギヤ列84が動力伝達状態となる。
第1の変速装置の奇数段(Low、3rd)と、第2の変速装置の偶数段(2nd、4th)との切換は、例えば、第1の噛合いクラッチ85がLow従動ギヤ81bを出力軸51に連結し、第2の噛合いクラッチ95が2nd従動ギヤ82bを出力軸51に連結した状態で、クラッチ装置20のクラッチプレート21を低速側クラッチ部23から高速側クラッチ部24に切り換えることで行われ、変速を短時間で切り換えることができる。
以上説明したように、本実施形態に係るハイブリッド車両用動力出力装置10Gによれば、第1の変速装置が、複数の奇数段(Low、3rd)からなる第1の変速段80と、奇数段(Low、3rd)のいずれかと出力軸51とを連結する第1の噛合いクラッチ85とを備え、第2の変速装置が、複数の偶数段(2nd、4th)からなる第2の変速段90と、偶数段(2nd、4th)のいずれかと出力軸51とを連結する第2の噛合いクラッチ95とを備え、第1及び第2の噛合いクラッチ85、95が出力軸51と連結した状態で、クラッチ装置20を切り換えることで変速切り換えするようにしたので、クラッチ装置20の切り換えだけで、変速を高速で切り換えが可能となる。
なお、図13に示す第4実施形態の第1変形例に係るハイブリッド車両用動力出力装置10Hのように、電動モータ12はクラッチプレート21に取り付けられてもよい。
また、図14に示す第4実施形態の第2変形例のハイブリッド車両用動力出力装置10Iのように、デファレンシャル装置56の代わりに、ツインデファレンシャル装置100が設けられてもよい。
ツインデファレンシャル装置100は、出力軸51とデフ軸109との間に設けられ、第1デファレンシャルギヤ103及び第2デファレンシャルギヤ104、シフター105、及び電動アクチュエータ60と略同様な構成を有する円筒ドラムカム式の電動アクチュエータ106を備えた第3変速装置(副変速機)である。第1デファレンシャルギヤ103及び第2デファレンシャルギヤ104は、それぞれ出力軸51の第1出力ギヤ101及び第2出力ギヤ102と常時噛合している。第1及び第2デファレンシャルギヤ103、104は、電動アクチュエータ106によってシフター105を左右に移動させることで、ギヤ103,104のいずれかがデファレンシャル装置の外側に設けられた一対のリングギヤ107,108のいずれかに連結され、出力軸51の動力を高速段と低速段に切り換えてデフ軸109に伝達する。これにより、デファレンシャルギヤ103、104のいずれかが車輪57と連結して切り換えられ、第1、第2、第3変速装置の切換えにより、前進段8速の変速が可能となる。
(第5実施形態)
図15は、本発明の第5実施形態に係るハイブリッド車両用動力出力装置の概念図である。このハイブリッド車両用動力出力装置10Jは、クラッチ装置20が、クラッチプレート21と、低速側クラッチ部23及び高速側クラッチ部24との接続を電磁的に行わせる電磁クラッチで構成されている。それ以外は、図9に示す第3実施形態のハイブリッド車両用動力出力装置10Dと同様に構成されている。
本実施形態のハイブリッド車両用動力出力装置10Jでは、クラッチ装置20が電磁クラッチであるので、不図示の制御装置から出力される指令信号によって、走行状況に適合した適正な状態にクラッチ装置20が切り換えられて、EV走行、ハイブリッド走行、低速走行、高速走行させることができる。
なお、クラッチ装置20内に、低速側クラッチ部23を、常にクラッチプレート21に接続させる方向に付勢するリターンスプリング(図示せず)を配設することもでき、この場合、万一、電磁クラッチが故障してクラッチ切換えができなくなった場合でも、最低限、低速での走行が確保され、故障時に対応することができる。
また、本実施形態の電磁クラッチは、第3実施形態以外のハイブリッド車両用動力出力装置にも適用することができる。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、本発明のハイブリッド車両用動力出力装置は、FF車両、FR車両、及び4WD車両など、いずれの形式の車両にも適用が可能である。
10,10A,10B,10C、10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J ハイブリッド車両用動力出力装置
11 内燃機関
12 第1の電動モータ
13 第2の電動モータ
20 テーパーコーンクラッチ、電磁クラッチ(クラッチ装置)
21 クラッチプレート
22 係合部
22a,22b,23a,24a ドグ歯
23 低速側クラッチ部
24 高速側クラッチ部
30 減速用遊星歯車機構(第1の変速装置)
31 サンギヤ
34 キャリア
40 増速用遊星歯車機構(第2の変速装置)
41 サンギヤ
44 キャリア
51 出力軸
60 電動アクチュエータ
67 連結軸(シャフト)
68 ニードルベアリング
80 第1の変速段
85 第1の噛合いクラッチ
90 第2の変速段
95 第2の噛合いクラッチ

Claims (7)

  1. 内燃機関と、
    低速側クラッチ部、高速側クラッチ部、及び前記内燃機関からの動力が入力され、前記低速側クラッチ部又は前記高速側クラッチ部に接続可能なクラッチプレート、を備え、前記内燃機関の動力を前記クラッチプレートを介して前記高速側クラッチ部または前記低速側クラッチ部に伝達可能なクラッチ装置と、
    を備え、
    前記クラッチ装置は、前記低速側クラッチ部が同心状に配置された一対の環状部材の互いに対向するテーパー状の内周面と外周面に形成された一組のドグ歯の一方を有し、前記高速側クラッチ部が前記一組のドグ歯の他方を有し、前記クラッチプレートがテーパー状の係合部の径方向両側面に形成されたドグ歯を備える、テーパーコーンクラッチであって、前記クラッチプレートが取り付けられるシャフトを軸方向に駆動することで、前記クラッチプレートを前記高速側クラッチ部、又は前記低速側クラッチ部に切り換える電動アクチュエータを備えており、
    さらに、
    前記低速側クラッチ部の動力を減速して出力軸に伝達する第1の変速装置と、
    前記高速側クラッチ部の動力を増速して前記出力軸に伝達する第2の変速装置と、
    前記第1の変速装置に動力を伝達する第1の電動モータと、
    前記第2の変速装置に動力を伝達する第2の電動モータと、
    を備えることを特徴とするハイブリッド車両用動力出力装置。
  2. 前記第1の変速装置は、前記低速側クラッチ部の動力がサンギヤに入力されて、キャリアから前記出力軸に出力される減速用遊星歯車機構によって構成され、
    前記第2の変速装置は、前記高速側クラッチ部の動力がキャリアに入力されて、サンギヤから前記出力軸に出力される増速用遊星歯車機構によって構成され、
    前記第1の電動モータは、前記減速用遊星歯車機構のサンギヤに動力を伝達し、
    前記第2の電動モータは、前記増速用遊星歯車機構のキャリアに動力を伝達することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両用動力出力装置。
  3. 内燃機関と、
    低速側クラッチ部、高速側クラッチ部、及び前記内燃機関からの動力が入力され、前記低速側クラッチ部又は前記高速側クラッチ部に接続可能なクラッチプレート、を備え、前記内燃機関の動力を前記クラッチプレートを介して前記高速側クラッチ部または前記低速側クラッチ部に伝達可能なクラッチ装置と、
    を備え、
    前記クラッチ装置は、前記低速側クラッチ部が同心状に配置された一対の環状部材の互いに対向するテーパー状の内周面と外周面に形成された一組のドグ歯の一方を有し、前記高速側クラッチ部が前記一組のドグ歯の他方を有し、前記クラッチプレートがテーパー状の係合部の径方向両側面に形成されたドグ歯を備える、テーパーコーンクラッチであって、前記クラッチプレートが取り付けられるシャフトを軸方向に駆動することで、前記クラッチプレートを前記高速側クラッチ部、又は前記低速側クラッチ部に切り換える電動アクチュエータを備えており、
    さらに、
    前記クラッチプレートに動力を伝達する電動モータと、
    前記低速側クラッチ部の動力を変速して出力軸に伝達する第1の変速装置と、
    前記高速側クラッチ部の動力を変速して前記出力軸に伝達する第2の変速装置と、
    を備えることを特徴とするハイブリッド車両用動力出力装置。
  4. 前記電動モータのロータは、前記クラッチプレートに連結されており、
    前記ロータの磁石部は、前記クラッチプレートがストロークしても前記電動モータのステータと対向することを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車両用動力出力装置。
  5. 前記第1の変速装置に動力を伝達する他の電動モータを更に備えることを特徴とする請求項3または4に記載のハイブリッド車両用動力出力装置。
  6. 前記第1の変速装置は、複数の奇数段からなる第1の変速段と、該複数の奇数段のいずれかと前記出力軸とを連結又は開放する第1の噛合いクラッチとを備え、
    前記第2の変速装置は、複数の偶数段からなる第2の変速段と、該複数の偶数段のいずれかと前記出力軸とを連結又は開放する第2の噛合いクラッチとを備え、
    前記第1の変速装置の奇数段と前記第2の変速装置の偶数段との切換は、前記第1及び第2の噛合いクラッチが当該奇数段及び偶数段と前記出力軸とをそれぞれ連結した状態で、前記クラッチ装置のクラッチプレートを切り換えることで行われることを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド車両用動力出力装置。
  7. 前記出力軸とデフ軸との間に、前記出力軸からの動力を高速段と低速段に切り換えて前記デフ軸に伝達する第3の変速装置をさらに備えることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のハイブリッド車両用動力出力装置。
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