JP3475673B2 - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機

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JP3475673B2
JP3475673B2 JP26334496A JP26334496A JP3475673B2 JP 3475673 B2 JP3475673 B2 JP 3475673B2 JP 26334496 A JP26334496 A JP 26334496A JP 26334496 A JP26334496 A JP 26334496A JP 3475673 B2 JP3475673 B2 JP 3475673B2
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史郎 榊原
武 犬塚
雅士 服部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラネタリギヤと
組合せてトルク循環を生ずる無段変速機に係り、特に自
動車に搭載して好適なベルト式無段変速装置を用いた無
段変速機に係り、詳しくは上記トルク循環により発進装
置を特に必要としない無段変速機(IVT)に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、燃料消費率の向上及び運転性能の
向上等の要求により、自動車のトランスミッションとし
てベルト式無段変速装置(CVT)を組込んだ自動変速
機が注目されている。
【0003】従来、特開平6−331000号公報に示
すように、無段変速機構と、一定速機構と、プラネタリ
ギヤ機構を備え、該プラネタリギヤ機構にて前記無段変
速機構と一定速機構とからの動力を合成して、無段変速
機構に動力(トルク)循環を発生して変速幅の増幅を図
った無段変速機が案出されている。該無段変速機は、エ
ンジン出力を、一定速機構を介してキャリヤに伝達する
と共に、無段変速機構及び第1(ロー)クラッチ又はワ
ンウェイクラッチを介してサンギヤに伝達し、この状態
では、無段変速機構にトルク循環が生じてその変速比が
小(O/D)から大(U/D)になるに従って、リング
ギヤからの無段変速機出力軸の変速比が後進→∞(出力
回転数0)→前進大(U/D)→前進小(O/D)にな
り、更に前記第1クラッチ又はワンウェイクラッチを解
放すると共に第2(ハイ)クラッチを係合することによ
り、無段変速機構からの回転が直接出力軸に伝達され
て、該無段変速機構の変速比が大(U/D))から小
(O/D)になるに従って、出力軸の回転比も大(U/
D)から小(O/D))に変速される。
【0004】上記トルク循環を行う無段変速機は、無段
変速機構の変速比を、プラネタリギヤ機構のギヤ比にて
定まる所定値にすることにより、上述したように、幾何
学上出力軸の回転数が0となるギヤニュートラル位置が
存在し、従って理論上、発進クラッチ等の発進装置がな
くても成り立つ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記無段変速
機は、理論上ギヤニュートラル点が存在するとしても、
該ニュートラル点近傍は、出力トルクが無限大に発散す
るため、無段変速機構が上記ニュートラル点になる所定
変速比から僅かに外れるだけで出力トルクが大きく変化
してしまい、現実には、ベルト式無段変速装置の両プー
リにかかる軸力を油圧等により制御して、上記ニュート
ラル点になる目標変速比にプーリ比を設定・保持するこ
とは困難である。
【0006】そこで、本出願人は、プライマリ及びセカ
ンダリの両プーリに作用する軸力を、等しくする等の所
定範囲内にすることにより、該ベルト無段変速装置が、
自動的に上記ギヤニュートラル点に収束するようにした
無段変速機(IVT)を案出した(特願平7−6623
4号;本願出願時未公開)。
【0007】本発明は、自動的に無段変速装置がギヤニ
ュートラル点に収束する無段変速機において、発進に際
して、所望のクリープトルクを発生し、もってスムーズ
な発進を可能とする無段変速機を提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、エンジン出力軸(2)に連動する入力軸(3)と、
車輪に連動する出力部材(21)と、前記入力軸に連動
する第1のプーリ(7)、第2のプーリ(9)、これら
両プーリに巻掛けられたベルト(10)及び前記第1及
び第2のプーリのプーリ比を変更すべく前記両プーリに
軸力を作用する軸力作動手段(7c,9c)を有するベ
ルト式無段変速装置(11)と、少なくとも第1、第2
及び第3の回転要素を有し、前記ベルト式無段変速装置
(11)のプーリ比の変更に基づき、前記両プーリ間で
トルク伝達方向が変更されると共に、前記出力部材(2
1)の出力トルク方向が変更されるように、前記第1の
回転要素(19c)を前記入力軸(3)に、前記第2の
回転要素(19s)を前記第2のプーリ(9)に、前記
第3の回転要素(19r)を前記出力部材(21)にそ
れぞれ連動してなるプラネタリギヤ(19)と、を備え
てなる無段変速機(1)において、前記ベルト式無段変
速装置(11)は、前記プラネタリギヤ(19)のギヤ
比に基づき前記出力部材の回転数が0となる第1のプー
リ比(GN)と、該ベルト式無段変速装置が前記第1の
プーリ比に基づく無負荷状態にあって、該ベルト式無段
変速装置自体が安定状態となる第2のプーリ比と、を有
し、前記第1のプーリ比に自己収束すべく、前記両プー
リ(7)(9)に作用する軸力を所定値に設定するニュ
ートラル制御において、前記ベルト式無段変速装置が前
記第2のプーリ比に向う力に基づきクリープ力を発生す
るクリープトルク発生手段(J)を設けた、ことを特徴
とする無段変速機にある。
【0009】請求項2に係る本発明は、前記クリープト
ルク発生手段(J)は、必要クリープトルクに応じて前
記両プーリ(7,9)に作用する軸力を設定してなる、
請求項1記載の無段変速機にある。
【0010】請求項3に係る本発明は、前記クリープト
ルク発生手段(J)は、発生するクリープトルクが略々
0となるように前記両プーリに作用する軸力を設定して
なる、請求項2記載の無段変速機にある。
【0011】請求項4に係る本発明は、前記軸力作動手
段は、前記両プーリ(7,9)に対してそれぞれ設けら
れ、油圧が供給される油圧室(55,56′,57,5
9)を有する油圧アクチュエータ(7c,9d)(7
e,9e)からなり、前記両油圧室の有効受圧面積を、
前記両油圧室に等しい油圧を供給したときに、前記クリ
ープトルク発生手段の発生するクリープトルクが略々0
となるように設定してなる、請求項3記載の無段変速機
にある(図11、図12参照)。なお、上記クリープト
ルクが略々0となるとは、車輌が移動するための必要ト
ルク以下であることを意味する。
【0012】請求項5に係る本発明は、前記ベルト式無
段変速装置(11)のプーリ比が前記第1のプーリ比で
あるときに、Dレンジでは、前記第1のプーリよりも第
2のプーリの油圧室(59)(126)へ供給する油圧
を大きくし、またRレンジでは、前記第2のプーリより
も第1のプーリ(7)の油圧室(57)(125)へ供
給する油圧を大きくし、前記クリープトルク発生手段
が、Dレンジでは前進方向のクリープトルクを発生し、
Rレンジでは後進方向のクリープトルクを発生してな
る、請求項4記載の無段変速機にある(図11、図12
参照)。
【0013】請求項6に係る本発明は、前記第1のプー
リ比(GN)が、第2のプーリ比(例えば1.0)より
オーバドライブ側に設定され、前記クリープトルク発生
手段(J)が、車輌前進方向のクリープトルクを発生し
てなる、請求項1記載の無段変速機にある(図9参
照)。
【0014】請求項7に係る本発明は、前記クリープト
ルク発生手段(J)は、前記両プーリに作用する軸力が
実質的に等しくなるように前記軸力作動手段(7c,9
c)を設定してなる、請求項6記載の無段変速機にある
(図1参照)。
【0015】請求項8に係る本発明は、前記軸力作動手
段は、前記両プーリ(7,9)に対してそれぞれ設けら
れ、油圧室(55,56,57,59)を有する油圧ア
クチュエータ(7c,9c)からなり、前記両油圧室の
有効受圧面積が等しく、かつ前記両油圧室に等しい油圧
が供給される、請求項7記載の無段変速機にある(図1
参照)。
【0016】請求項9に係る本発明は、前記入力軸
(3)と前記プラネタリギヤの第1の回転要素(19
c)との間にクラッチ(CL )を介在し、Dレンジにお
ける前記ニュートラル制御時、前記クリープトルク発生
手段(J)が前進方向のクリープトルクを発生し、Rレ
ンジにあっては、前記ベルト式無段変速装置(11)を
後進状態であるプーリ比に設定すると共に、前記クラッ
チ(CL )を徐々に係合してなる、請求項1、2、6、
7又は8のいずれか記載の無段変速機にある(図16〜
図18参照)。
【0017】請求項10に係る本発明は、前記クリープ
トルク発生手段(J)は、ブレーキオフ時に、所定クリ
ープトルクが発生するように両プーリに作用する軸力を
制御してなる、請求項1ないし9のいずれか記載の無段
変速機にある(図14参照)。
【0018】請求項11に係る本発明は、前記クリープ
トルク発生手段(J)は、スロットルペダルの操作時、
該ペダルの踏み込み量に応じたクリープトルクが発生す
るように前記両プーリ(7,9)に作用する軸力を制御
してなる、請求項1ないし10のいずれか記載の無段変
速機にある。
【0019】[作用]前記構成に基づき、入力軸(3)
からのエンジン出力は、ベルト式無段変速装置(11)
を介して適宜変速されてプラネタリギヤ(19)の第2
の回転要素(19s)に伝達されると共に、定速回転が
第1の回転要素(19c)に伝達され、これら両回転
が、プラネタリギヤ(19)で合成されて、第3の回転
要素(19r)から出力部材(21)を介して駆動車輪
に伝達される。この際、トルク循環を生じて、出力部材
の回転が0となるニュートラル位置(GN)を挟むよう
にして、ベルト式無段変速装置(11)のプーリ比によ
り出力部材の回転方向が正転及び逆転に切換わる。
【0020】また、例えば軸力作動手段(7c,9c)
が両プーリ(7,9)に作用する軸力が実質的に等しく
なるように制御するニュートラル(N)制御にあって
は、ベルト式無段変速装置(11)は、上記出力部材回
転が0となる第1のプーリ比(GN)に向って自己収束
する。そして、該ニュートラル(GN)位置に収束して
無負荷状態になると、ベルト式無段変速装置(11)
は、それ自体の安定位置、例えば1.0等の第2のプー
リ比に向って収束する力(FA )が発生する。上記第1
のプーリ比への収束力(FN )に基づき、ベルト式無段
変速装置(11)が第1のプーリ比となって無負荷にな
ると、その瞬間に第2のプーリ比に向う力(FA )が発
生し、これら両力(FN ,FA )が渦状となって、所定
クリープ力を発生する。
【0021】該クリープ力は、例えば軸力作動手段(7
c,9c)により両プーリに作用する軸力に差を設ける
等により、例えば上記第2のプーリ比に向う力(FA
に対抗する力(FO )を発生して変更し得る。
【0022】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、何等本発明の構成を限定する
ものではない。
【0023】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によると、トルク
コンバータ等の専用の発進装置を設ける必要のない簡単
な構成でもって、所望のクリープトルクを得ることがで
き、出力軸回転数が0となるように自己収束するニュー
トラル制御と相俟って、車輌を滑らかに発進することが
できる。
【0024】請求項2に係る本発明によると、両プーリ
に作用する軸力を設定することにより、必要クリープト
ルクに応じたクリープトルクを得ることができる。
【0025】請求項3に係る本発明によると、発生する
クリープトルクが0となるので、DレンジでもRレンジ
でも、車輌停止時にはニュートラル状態に保持され、運
転者の意図と相違するクリープトルク(Dレンジにおい
て後進方向、Rレンジにおいて後進方向のクリープトル
ク)が発生することはなく、かつDレンジ及びRレンジ
において、両プーリの軸力を制御する同様な制御により
発進することができる。
【0026】請求項4に係る本発明によると、両プーリ
の油圧室の有効受圧面積に所定の差を設定することによ
り、簡単な構成にてかつ簡単な制御にて容易にクリープ
トルクを略々0に設定することができる。
【0027】請求項5に係る本発明によると、Dレンジ
とRレンジにおいて、油圧室に供給する油圧を切換える
簡単な制御により、各レンジに対応する方向のクリープ
トルクを発生することができる。
【0028】請求項6に係る本発明によると、ニュート
ラル位置となる第1のプーリ比が、オーバドライブ側に
あって、前進方向のプーリ比を大きくとることができ、
かつ、前進方向のクリープトルクを発生することがで
き、圧倒的に前進状態での使用頻度が高くかつ必要とす
る変速比も大きい自動車にあって好ましい構成となる。
請求項7に係る本発明によると、軸力作動手段が両プー
リに対して同じ構成とする等の簡単な構成により、前進
状態での大きな変速比及び前進方向へのクリープトルク
を得ることができる。
【0029】請求項8に係る本発明によると、両プーリ
の油圧アクチュエータを同じ構成とする等の簡単な構成
により、かつ両油圧室に等しい油圧を供給する簡単な制
御により、前進状態での大きな変速比及び前進方向への
クリープトルクを得ることができる。
【0030】請求項9に係る本発明によると、例え軸力
作動手段の軸力バランスがフェールしても、Dレンジに
あっては、常に前進方向のクリープトルクを保持して、
発進することが可能であり、かつRレンジにあっては、
トルク循環を達成するためのクラッチを利用してフリク
ションスタートする。従って、DレンジとRレンジとで
は異なる制御を行うことにより、前後進の切り換えを保
障することができ、またRレンジは、Dレンジに比して
車輌発進頻度が少ないため、上記フリクションスタート
によるクラッチの耐久性が問題となることはなく、かつ
本無段変速機は、クラッチの入出力側が共に回転してい
るため、クラッチ係合時の発熱が少なく、特別な冷却装
置を設ける必要がない。
【0031】請求項10に係る本発明によると、ブレー
キをオフすると、自動的に所定クリープトルクが発生す
るので、ブレーキが作動時にあっては、所定クリープト
ルクによる負荷がエンジン及び無段変速機に作用せずに
燃費を向上すると共に、ブレーキの踏圧力を最小限に抑
えることができ、かつ発進時には上記所定クリープトル
クにより滑らかに発進することができる。
【0032】請求項11に係る本発明によると、スロッ
トルペダルの踏み込み量に応じたクリープトルクによ
り、例えばトルクコンバータと同様な特性を得て、運転
者の意図に合った発進を行うことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明に係
る実施の形態について説明する。車載用自動無段変速機
1は、図1に示すように、エンジンクランクシャフト2
に整列する第1軸3、第2軸4、前車軸に整列する第3
軸5(a,b)及びカウンタシャフトからなる第4軸6
を有しており、第1軸3上にはプライマリ(第1の)プ
ーリ7が配置され、また第2軸4上にはセカンダリ(第
2の)プーリ9が配置されており、これら両プーリ7,
9にベルト10が巻掛けられて、ベルト式無段変速装置
11を構成している。
【0034】更に、第1軸3は、エンジンのトルク変動
を吸収するダンパー装置12を介してエンジンクランク
シャフト2に直接連結して入力軸を構成し、該入力軸3
はプライマリプーリ7の固定シーブ7a及び該固定シー
ブ7aのボス部7a1 にスプライン嵌合されたシャフト
3aで構成されている。そして、入力軸3を構成するシ
ャフト3aにはロークラッチCL の入力側部材13が固
定されていると共にその出力側部材15が回転自在に支
持されており、かつ該出力側部材15には定速伝動装置
16を構成するプライマリ側スプロケット18が一体に
連結されている。また、入力軸3を構成するプライマリ
プーリ7の固定シーブ7aにオイルポンプ17が連結さ
れており、前記固定シーブ7aには可動シーブ7bが後
述する油圧アクチュエータ7cにより軸方向に移動可能
に支持されている。
【0035】第2軸4は、セカンダリプーリ9の固定シ
ーブ9aで構成され、該固定シーブ9aには可動シーブ
9bが油圧アクチュエータ9cにより軸方向に移動可能
に支持されている。更に、前記第2軸4上にはハイクラ
ッチCH 及びプラネタリギヤ19が配設されていると共
に、セカンダリ側スプロケット20及び出力ギヤ(出力
部材)21が回転自在に支持されている。
【0036】前記プラネタリギヤ19は、サンギヤ19
s、リングギヤ19r及びこれら両ギヤに噛合している
ピニオン19pを回転自在に支持しているキャリヤ19
cを有するシングルピニオンプラネタリギヤからなる。
そして、前記サンギヤ19sが第2軸4を構成するセカ
ンダリプーリ9の固定シーブ9aに連結されて第2の回
転要素を構成し、前記リングギヤ19rが出力ギヤ21
に連結されて第3の回転要素を構成し、前記キャリヤ1
9cがセカンダリ側スプロケット20に連結されて第1
の回転要素を構成している。また、プライマリ側及びセ
カンダリ側スプロケット18,20にはサイレントチェ
ーン、ローラチェーン等のチェーン又はタイミングベル
ト等の巻掛け体22が巻掛けられている。また、サンギ
ヤ19sとリングギヤ19rとの間にハイクラッチCH
が介在している。
【0037】また、前記出力ギヤ(出力部材)21は第
4軸を構成するカウンタシャフト6の大ギヤ23aに噛
合しており、該シャフトの小ギヤ23bはディファレン
シャル装置25のリングギヤ24に噛合しており、該デ
ィファレンシャル装置25は第3軸を構成する左右のア
クスル軸5a,5bにそれぞれ差動回転を出力する。
【0038】また、前記プライマリプーリ7及びセカン
ダリプーリ9の油圧アクチュエータ7c,9cはそれぞ
れ固定シーブボス部7a1 ,9a1 に固定されている仕
切り部材45,46及びシリンダ部材47,49と、可
動シーブ7b,9b背面に固定されているドラム部材5
0,51及び第2ピストン部材52,53とを有してお
り、仕切り部材45,46が第2ピストン部材52,5
3に油密状に嵌合すると共に、これら第2ピストン部材
52,53がシリンダ部材47,49及び仕切り部材4
5,46に油密状に嵌合して、それぞれ第1の油圧室5
5,56及び第2の油圧室57,59からなるダブルピ
ストン(ダブルチャンバ)構造となっている。
【0039】そして、前記油圧アクチュエータ7c,9
cにおける第1の油圧室55,56は、それぞれ可動シ
ーブ7b,9bの背面がピストン面を構成しかつ該ピス
トン面の有効受圧面積が、プライマリ側及びセカンダリ
側にて等しくなっている。また、プライマリ側及びセカ
ンダリ側固定シーブボス部7a1 ,9a1 にはそれぞれ
第1の油圧室55,56に連通する油路32,33及び
第2の油圧室57,59に連通する油路35,36が形
成されており、またプライマリ側及びセカンダリ側の可
動シーブ7b,9bをそれぞれ固定シーブ7a,9aに
近づく方向に付勢するプリロード用のスプリング65,
66が縮設されている。
【0040】ついで、上記無段変速機1に基づく作用に
ついて、図1、図2、図3に沿って説明する。エンジン
クランクシャフト2の回転は、ダンパー装置12を介し
て入力軸3に伝達される。Dレンジおいて、ロークラッ
チCL が接続してハイクラッチCH が切断されているロ
ーモードにあっては、前記入力軸3の回転は、プライマ
リプーリ7に伝達されると共に、プライマリ側スプロケ
ット18、巻掛け体22及びセカンダリ側スプロケット
20からなる定速伝動装置16を介してプラネタリギヤ
19のキャリヤ19cに伝達される。一方、前記プライ
マリプーリ7の回転は、後述する油圧アクチュエータ7
c,9cによりプライマリ及びセカンダリプーリのプー
リ比が適宜調節されることにより無段に変速されてセカ
ンダリプーリ9に伝達され、更に該プーリ9の変速回転
がプラネタリギヤ19のサンギヤ19sに伝達される。
【0041】プラネタリギヤ19において、図2の速度
線図に示すように、定速伝動装置16を介して定速回転
が伝達されるキャリヤ19cが反力要素となって、ベル
ト式無段変速装置(CVT)11からの無段変速回転が
サンギヤ19sに伝達され、これらキャリヤとサンギヤ
の回転が合成されてリングギヤ19rを介して出力ギヤ
21に伝達される。この際、出力ギヤ21には反力支持
要素以外の回転要素であるリングギヤ19rが連結され
ているため、前記プラネタリギヤ19はトルク循環を生
じると共に、サンギヤ19sとキャリヤ19cとが同方
向に回転するため、出力軸5は零回転を挟んで正転(L
o)及び逆転(Rev)方向に回転する。即ち、前記ト
ルク循環に基づき、出力軸5の正転(前進)方向回転状
態では、ベルト式無段変速装置11はセカンダリプーリ
9からプライマリプーリ7へトルクが伝達され、出力軸
の逆転(後進)方向回転状態では、プライマリプーリ7
からセカンダリプーリ9へトルクが伝達される。
【0042】そして、ロークラッチCL が切断されかつ
ハイクラッチCH が接続されているハイモードにあって
は、定速伝動装置16を介してのプラネタリギヤ19へ
の伝達は断たれ、該プラネタリギヤ19は、ハイクラッ
チCH の係合により一体回転状態となる。従って、入力
軸3の回転は、専らベルト式無段変速装置(CVT)1
1及びハイクラッチCH を介して出力ギヤ21に伝達さ
れる。即ち、CVT11は、プライマリプーリ7からセ
カンダリプーリ9に向けて動力伝達する。更に、出力ギ
ヤ21の回転は、カウンタシャフト6のギヤ23a,2
3bを介してディファレンシャル装置25に伝達され、
左右のアクスル軸5a,5bを介して左右前輪に伝達さ
れる。
【0043】図2の速度線図、図4の出力トルク図、図
5の出力回転数図にて示すように、ローモードにあって
は、ベルト式無段変速装置(以下CVTという)11が
増速方向の限度(O/D端)にある場合(図2の線a位
置)、サンギヤ19sが最大回転することに基づき、一
定回転数のキャリヤ19cの回転に対してリングギヤ1
9rを逆転し、逆回転(REV)を出力ギヤ21に伝達
する。そして、CVT11が減速(U/D)方向に変速
することにより、逆回転の回転数が減少し、プラネタリ
ギヤ19及び定速伝動装置16のギヤ比で定まる所定プ
ーリ比において、出力ギヤ21の回転数が零になるニュ
ートラル位置(NEU)になる。更に、CVT11が減
速方向に変速することにより、リングギヤ19rは正転
方向に切換えられ、出力ギヤ21には該正転回転即ち前
進方向の回転が伝達される。この際、図4から明らかな
ように、上記ニュートラル位置NEU近傍にあっては、
出力ギヤ21のトルクは無限大に発散する。
【0044】ついで、CVT11が減速方向(U/D)
端になると、ハイクラッチCH が接続してハイモードに
切換えられる。該ハイモードにあっては、CVT11の
出力回転がそのまま出力ギヤ21に伝達されるため、図
2の速度線図にあっては、bに示すように平行線とな
る。そして今度は、CVT11が増速(O/D)方向に
変速されるに従って、出力ギヤ21の回転も増速方向に
変更され、その分伝達トルクは減少する。なお、図2に
おけるλは、サンギヤの歯数Zsとリングギヤの歯数Z
rとの比(Zs/Zr)である。
【0045】なお、図3に示すパーキングレンジP及び
ニュートラルレンジNにあっては、ロークラッチCL
びハイクラッチCH が共に切断されて、エンジンからの
動力は断たれる。この際、パーキングレンジPにあって
は、ディファレンシャル装置25がロックされて車軸5
a,5bがロックされる。
【0046】ついで、本実施の形態による油圧制御機構
について、図6に沿って説明する。該油圧制御機構70
は、プライマリレギュレータバルブ71、レシオコント
ロールバルブ72、ダウンシフトリリーフバルブ73、
マニュアルバルブ75、ローハイコントロールバルブ7
6、ロークラッチリリーフバルブ77、及びクラッチモ
デュレーションバルブ79を備えており、更に、規制手
段としてのレシオセンシングバルブ80、プーリ比検出
手段としてのセンサシュー81、及びロック手段として
のインターロックロッド82を備えている。
【0047】センサシュー81は、プライマリプーリ7
の軸と平行に配置されたガイド部材83によってスライ
ド自在に支持されている。センサシュー81からは、2
本の連結部81b,81cが突出されており、一方の連
結部81bは、プライマリプーリ7の可動シーブ7bに
係合され、また他方の連結部81cは、上述のレシオセ
ンシングバルブ80に係合されている。したがって、可
動シーブ7bが軸に沿ってO/D方向またはU/D方向
に移動すると、その移動量は、センサシュー81を介し
て、そのままレシオセンシングバルブ80に伝達され
る。
【0048】更に、センサシュー81には、凹部81a
が形成されており、この凹部81aには、インターロッ
クロッド82の基端部82aが係脱される。インターロ
ックロッド82は、バルブボディを貫通するようにして
配置されており、その先端部82bは、ローハイコント
ロールバルブ76の凹部76a,76bに係脱される。
なお、図6においては、インターロックロッド82は、
その基端部82aと先端部82bとが分割して図示され
ているが、実際には、これは一体に形成されている。ま
た、インターロックロッド82の基端部82aがセンサ
シュー81の凹部81aに係合されているときは、先端
部82bは、ローハイコントロールバルブ76の凹部7
6a、76bのいずれにも係合されないでローハイコン
トロールバルブ76の表面に当接し、反対に、基端部8
2aがセンサシュー81の凹部81aから外れてセンサ
シュー81の表面に当接しているときは、先端部82b
は、ローハイコントロールバルブ76の凹部76a、7
6bのいずれかに係合するように構成されている。
【0049】上述した油圧制御機構70は、ニュートラ
ル状態ではプライマリ及びセカンダリ側の両第1の油圧
室55,56に油圧を供給すると共に両第2の油圧室5
9,57の油圧を解放した状態にあり、該ニュートラル
状態からの前進方向発進時は、セカンダリ側の第2の油
圧室59に油圧を供給してCVT11をU/D方向に変
速し、また後進方向発進時は、プライマリ側の第2の油
圧室57に供給してCVTをO/D方向に変速する。こ
の際、コンピュータの誤作動により、ローハイコントロ
ールバルブ76が切換わって、例えばDレンジにおいて
後進方向に発進することを確実に防止すべく、CVTの
所定前進範囲では、レシオセンシングバルブ80により
ダウンシフトを禁止すると共に、ローハイコントロール
バルブ76の切換えを前記インターロックロッド82に
より機械的に規制している。具体的には、図5に示す前
進域の1.0より僅かに大きい所定プーリ比B(例えば
1.3)を境として、これよりプーリ比が大きい領域
(U/D側)及び小さい領域(O/D側)とで、それぞ
れ制御を変更する。該制御の変更により、前記所定プー
リ比B以下の領域において、Dレンジローモード及びR
レンジでのダウンシフトを禁止し、かつDレンジHモー
ドから、DレンジLモード及びRレンジへの飛び込みを
禁止する。
【0050】ついで、上述構成の油圧制御機構70の作
用について、図6に沿って説明する。以下においては、
(1) Dレンジのローモード、(2) Dレンジのハイモー
ド、(3) R(リバース)レンジ、(4) N(ニュートラ
ル),P(パーキング)レンジの順に説明する。まず、
(1) 〜(4) のいずれのモードにおいても、図6に示すよ
うに、オイルポンプ17からの油圧が、プライマリレギ
ュレータバルブ71によって適宜調圧され、出力ポート
vから出力されると共に、前記プライマリ及びセカンダ
リ側の両油圧サーボ7c,9cの第1の油圧室55,5
6に送られて両者が等圧に制御され、更にクラッチモデ
ュレーションバルブ79に送られる。そして、クラッチ
モデュレーションバルブ79からの出力油圧は、(4) の
N,Pレンジの場合を除いて、ロークラッチCL または
ハイクラッチCH に選択的に供給される。 (1) Dレンジ−ローモード 第1の油圧室55,56に等しい油圧が供給され、ロー
クラッチCL が接続され、更に、アップシフトにおいて
はセカンダリ側の第2の油圧室59に油圧が供給され、
また、ダウンシフトでは、上記プーリ比B以上において
のみプライマリ側の第2の油圧室57に油圧が供給され
る。即ち、アップシフトにおいては、マニュアルバルブ
75がDレンジポジションに操作されて、ポートaと
b、cとd、eとfが連通し、またローハイコントロー
ルバルブ76がローモードポジションにセットされて、
ポートhとi,jとk,lとmが連通すると共に、ポー
トgがドレーンポートExに連通するように切り換え・
保持されている。
【0051】従って、ロークラッチCL には、クラッチ
モデュレーションバルブ79からの油圧が、マニュアル
バルブ75のポートa及びb、ローハイコントロールバ
ルブ76のポートh及びi、そしてロークラッチリリー
フバルブ77のポートn及びoを介してローラクラッチ
用油圧サーボに供給され、該ロークラッチCL が係合さ
れる。また、プライマリレギュレータバルブ71の出力
ポートvからの油圧は、レシオコントロールバルブ72
によって、目標プーリ比に対応した油圧になるように徐
々に増加され、ポートp及びq、マニュアルバルブ75
のポートc及びd、ローハイコントロールバルブ76の
ポートj及びkを介してセカンダリ側の第2の油圧室5
9に供給される。なお、この状態では、ハイクラッチC
H は、ローハイコントロールバルブ76のポートgから
ドレーンポートExに連通されて解放状態にあり、また
プライマリ側の第2油圧室57は、ローハイコントロー
ルバルブ76のポートm及びl、そしてマニュアルバル
ブ75のポートf及びe、ダウンシフトリリーフバルブ
73のポートsを介してドレーンポートExに連通して
いる。なお、該アップシフトによりCVT11が前記所
定プーリ比Bを越えない範囲では、前記インターロック
ロッド82によりローハイコントロールクラッチ76が
切換えられることを機械的に規制されている。
【0052】これにより、ロークラッチCL が接続する
と共に、CVT11は、第1及び第2の油圧室56,5
9の両方に油圧が作用するセカンダリ側油圧サーボ9c
による軸力が、第1の油圧室55のみに油圧が作用する
プライマリ側油圧サーボ7cによる軸力より高くなると
ともに軸力が徐々に増加され、プーリ比が増加される。
このとき、プライマリプーリ7の可動シーブ7bは、U
/D側に移動する。この状態では、入力軸3からローク
ラッチCL 及び定速伝達装置16を介してプラネタリギ
ヤ19のキャリヤ19cに伝達されるエンジントルク
は、サンギヤ19sを介して前記所定プーリ比によるC
VT11にて規制されつつ、リングギヤ19rを介して
出力ギヤ21から取出される。
【0053】Dレンジ−ローモードにおけるダウンシフ
トについては、前記所定プーリ比B以下の領域では、セ
ンサシュー81を介してレシオセンシングバルブ80
が、図6に示す状態にあり、プライマリレギュレータバ
ルブ79の出力ポートvからの油圧が、このレシオセン
シングバルブ80によって停止され、これにより、ダウ
ンシフトに必要なプライマリ側の第2の油圧室57への
油圧の供給が不能となる。なお、この場合においても、
レシオコントロールバルブ72のポートqをドレーンポ
ートExに連通させることで、セカンダリ側の第2の油
圧室59の油圧をドレーンすることができるので、ニュ
ートラル状態までのダウンシフトは可能である。一方、
前記所定プーリ比B以上の領域においては、レシオセン
シングバルブ80等によって、ダウンシフトが可能とな
る。即ち、該所定プーリ比B以上では、プライマリプー
リ7の可動プーリ7bがU/D側に移動し、センサシュ
ー81を介してレシオセンシングバルブ80が同図中の
下方に移動する。従って、プライマリレギュレータバル
ブ71からの油圧は、レシオセンシングバルブ80のポ
ートtとuが連通されることに伴い、更にチェックバル
ブ85を介して、ダウンシフトリリーフバルブ73に導
かれる。そこで、ダウンシフトリリーフバルブ73を同
図中、上方に移動させてポートrとsとを連通させるこ
とにより、マニュアルバルブ75のポートe及びf、ロ
ーハイコントロールバルブ76のポートl及びmを介し
て、プライマリ側の第2の油圧室57に対する油圧の供
給が可能となる。 (2) Dレンジ−ハイモード プライマリ及びセカンダリ側の両第1の油圧室55,5
6に等しい油圧が供給され、ハイクラッチCH が接続さ
れ、更に、アップシフトにおいてはプライマリ側の第2
の油圧室57に油圧が供給され、また、ダウンシフトに
おいてはセカンダリ側の第2の油圧室59に油圧が供給
される。即ち、Dレンジ−ハイモードにおけるアップシ
フトにあっては、マニュアルバルブ75は先のローモー
ドと同じDレンジポジションにあるが、ローハイコント
ロールバルブ76は、ハイモードポジションに切換えら
れ、ポートhとg,jとm,lとkがそれぞれ連通し、
かつポートiがドレーンポートExに連通する。
【0054】従って、プライマリレギュレータバルブ7
1の出力ポートvからの出力油圧は、マニュアルバルブ
75のポートa及びb、ローハイコントロールバルブ7
6のポートh及びgを介してハイクラッチ用油圧サーボ
に供給されて、該クラッチCH を係合し、またレシオコ
ントロールバルブ72のポートp及びq、マニュアルバ
ルブ75のポートc及びd、ローハイコントロールバル
ブ76のポートj及びmを介してプライマリ側の第2の
油圧室57に供給される。なお、この状態では、ローク
ラッチ用油圧サーボCL は、ローハイコントロールバル
ブ76のポートiからドレーンポートExに連通されて
解放状態にあり、またセカンダリ側の第2の油圧室59
は、ローハイコントロールバルブ76のポートk及び
l、マニュアルバルブ75のポートf及びe、ダウンシ
フトリリーフバルブ73のポートsを介してドレーンポ
ートExに連通している。
【0055】これにより、ハイクラッチCH が接続する
と共に、CVT11は、第1及び第2の油圧室55,5
7に油圧が供給されているプライマリ側油圧サーボ7c
による軸力が、第1の油圧室56のみに供給されている
セカンダリ側油圧サーボ9cによる軸力により大きくな
り、プライマリプーリ7からセカンダリプーリ9へのト
ルク伝達に対応した軸力状態で、前記レシオコントロー
ルバルブ75を適宜調整することにより、プライマリ油
圧サーボ7cの第2の油圧室57の油圧が調整されて、
プライマリプーリ7の軸力が調節されて、適宜のプーリ
比(トルク比)が得られる。この状態では、エンジンか
ら入力軸3に伝達されたトルクは、プライマリプーリ7
からセカンダリプーリ9に伝達されるCVT11により
適宜変更され、更にハイクラッチCH を介して出力ギヤ
21から取出される。
【0056】また、上述のDレンジ−ハイモードにあっ
ては、CVT11が前記所定プーリ比Bより小さい(O
/D側)領域にある場合、ローハイコントロールバルブ
76がローモードに切換えられることが、インターロッ
クロッド82により機械的に禁止されている。また、C
VTのプーリ比が前記所定プーリ比B以下の場合におい
ても、前述のDレンジ−ローモードの場合と異なり、ダ
ウンシフトが禁止されることはない。即ち、Dレンジ−
ハイモードでも、プライマリレギュレータバルブ71の
出力ポートvからの油圧は、図6の状態にあるレシオセ
ンシングバルブ80によって停止されるため、この油圧
がダウンシフトリリーフバルブ73、マニュアルバルブ
75、ローハイコントロールバルブ76を介してセカン
ダリ側の第2の油圧室49に供給されることはない。し
かし、これに代えて、ハイクラッチCH からの油圧が、
チェックバルブ85、ダウンシフトリリーフバルブ73
のポートr及びs、マニュアルバルブ75のポートe及
びf、ローハイコントロールバルブ76のポートl及び
kを介して、セカンダリ側の第2の油圧室59の供給さ
れる。これにより、Dレンジ−ハイモードにあっては、
プーリ比の全領域でダウンシフトが可能となる。 (3) Rレンジ Rレンジにあっては、所定油圧が、プライマリ側油圧サ
ーボ7cの第1及び第2の油圧室55,57に供給され
ると共に、セカンダリ側油圧サーボ9cの第1の油圧室
56に供給され、かつロークラッチ用油圧サーボCL
供給される。即ち、該Rレンジにあっては、マニュアル
バルブ75はRレンジポジションにあり、かつローハイ
コントロールバルブ76はローモードポジションにあ
る。従って、プライマリレギュレータバルブ71の出力
ポートvからの油圧は、マニュアルバルブ75のポート
a及びb、ローハイコントロールバルブ76のポートh
及びiを介してロークラッチ用油圧サーボCL に供給さ
れ、またレシオコントロールバルブ72のポートpと
q、マニュアルバルブ75のポートc及びf、ローハイ
コントロールバルブ76のポートl及びmを介してプラ
イマリ側の第2の油圧室57に供給される。また、ダウ
ンシフトリリーフバルブ73のポートsがドレーンバル
ブExに連通される。
【0057】これにより、ロークラッチCL が接続する
と共に、CVT11は、第1及び第2の油圧室55,5
7に油圧が作用するプライマリ側油圧サーボ7cによる
軸力が、第1の油圧室56のみによるセカンダリ側油圧
室9cによるセカンダリ側に比して高くなり、プライマ
リプーリ7からセカンダリプーリ9にトルク伝達に対応
する軸力状態となり、かつレシオコントロールバルブ5
7の調整により、プライマリ油圧サーボ7cの第2の油
圧室57の油圧が調整され、適宜のプーリ比が得られ
る。この状態では、CVT11のプーリ比が所定増速
(O/D)状態にあって、入力軸3からのエンジントル
クは、ロークラッチCL 及び定速伝達装置16を介して
プラネタリギヤ19のキャリヤ19cに伝達されると共
に、プライマリプーリ7からセカンダリプーリ9へトル
ク伝達されるCVT11を介してサンギヤ19sに伝達
され、これら両トルクがプラネタリギヤ19で合成され
てリングギヤ19rを介して出力軸5に逆回転として取
出される。なお、該Rレンジにおいても、Dレンジ−ロ
ーモードの所定プーリ比B以下の場合と同様に、センサ
シュー81、レシオセンシングバルブ80によって、ダ
ウンシフトリリーフバルブ73に対する油圧の供給が禁
止されるため、ダウンシフトが禁止されるが、Rレンジ
においては、元来、エンジンブレーキを特に必要とする
ものではないので、ダウンシフトが禁止された場合で
も、何等不都合は生じない。 (4) N,Pレンジ マニュアルバルブ75のPレンジポジション及びNレン
ジポジションにあっては、ロークラッチCL 及びハイク
ラッチCH の両方が解放されると共に、プライマリ側及
びセカンダリ側の両油圧サーボ7c,9cの第1の油圧
室55,56に所定油圧が供給される。即ち、マニュア
ルバルブ75は、ポートcとd,eとfが連通し、かつ
ポートbがドレーンポートExに連通する。また、ロー
ハイコントロールバルブ76は前述したローモードポジ
ションに保持される。また、レシオコントロールバルブ
72のポートqはドレーンポートExに連通し、レシオ
センシングバルブ80は、図6の位置に保持される。従
って、プライマリ油圧サーボ7c及びセカンダリ油圧サ
ーボ9cは、共に第1の油圧室55,56にのみ同じ油
圧が作用して、プライマリ及びセカンダリ両プーリ7,
9は、略々等しい軸力が作用する。
【0058】なお、本油圧制御機構は、特願平7−32
7663号(出願時未公開)に詳しく説明してある。
【0059】ついで、本実施例の無段変速機の制御につ
いて説明する。
【0060】図7は、電子制御部(EUC)90のブロ
ック図であり、91は、無段変速機1に設置され、該変
速機の入力軸2の回転数を検出するセンサ、92は、C
VT11のセカンダリプーリ9の回転を検出するセン
サ、93は、無段変速機の出力軸5の回転を検出する車
速センサ、94は、無段変速機のシフトレバー即ちマニ
ュアルバルブがP,R,N,Dの各シフトポジションの
どこに位置しているかを検知するセンサ、95は、最大
動力特性に基づくパワーモード又は最良燃費特性に基づ
くエコノミーモードを選択するモードセレクトスイッ
チ、96は、アクセル(スロットル)ペダルに基づくス
ロットル開度を検出するセンサ、97は、エンジンに設
置されたポテンショメータからなり、実際のスロットル
の開放度を検出するセンサ、98は、ブレーキペダルが
踏込み位置にあることを検出するスイッチ、99は、ア
クセルペダルから足が離れてスロットルがアイドル状態
であることを検出するセンサ、100は、アクセルペダ
ルが一杯に踏込まれた状態を検知するキックダウンスイ
ッチ、101は、トランスミッションの油温センサ、1
02は、エンジン回転数を検出するセンサである。
【0061】上記各センサからの信号は、それぞれ入力
処理回路及び入力インターフェイス回路を介してCP
U、ROM又はRAMに取込まれる。そして、該CPU
等からなる制御部に、後述するクリープトルク発生手段
Jが備えられている。
【0062】一方、出力側において、76cは、ローモ
ード及びハイモードに切換えるためのローハイコントロ
ールバルブ76用のソレノイドであり、ON−OFF動
作される。73aは、高圧側回路をドレーンするための
ダウンシフトリリーフバルブ73用のソレノイドであっ
て、エンジンブレーキ時や後述するニュートラル(N)
制御時に作動されるものであり、デューティ又はリニア
ソレノイドからなる。72aは、変速制御用油圧を調圧
するためのレシオコントロールバルブ72用のソレノイ
ドであり、デューティ又はリニアソレノイドからなる。
77aは、ロークラッチリリーフバルブ77用のソレノ
イドバルブであって、デューティソレノイドからなる。
71aは、ライン圧を制御するためのプライマリレギュ
レータバルブ71用のソレノイドであり、リニアソレノ
イドからなる。そして、上記各ソレノイドは、それぞれ
出力インターフェイス回路からの信号に基づき、所定の
電圧又は出力を発生させるソレノイド駆動回路106を
介して駆動され、かつ各ソレノイドの作動は、モニタ回
路107によりチェックされ、フェールが判定されると
共に自己判断が行なわれる。
【0063】109は、エンジン制御用の電子スロット
ルシステム部であり、かつ110は、電子スロットル用
ステッピングモータの駆動信号を出力したり、フィード
バック情報を入力するための信号を発生する回路及びエ
ンジン回転数を入力するための処理回路である。112
は、インジケータランプ等からなり、本電子制御部90
のフェール時に自己診断結果を出力するチェッカー部材
であり、かつ113は、上記フェール時に自己診断結果
を出力するための回路である。115は、パワーモー
ド、エコノミーモード表示ランプ等の無段変速機の状態
を表示する表示装置であり、かつ116はそのための駆
動回路である。
【0064】そして、本無段変速機1は、エンジン出力
軸2からダンパー装置12のみを介して直接入力軸3に
伝達されており、従来必要であった発進装置、即ちトル
クコンバータ、流体継手、電磁粉クラッチ又は入力クラ
ッチを必要としない。従って、D(ドライブ)レンジに
おいて、車輌停止時、該無段変速機1が自動的にニュー
トラルとなる(ニュートラル)N制御が必要となる。
【0065】該N制御は、プライマリプーリ7及びセカ
ンダリプーリ9の軸力が実質的に等しくなるように制御
し、又は少なくともプライマリ及びセカンダリプーリの
軸力の差を、出力トルク方向が正の場合その時点でのC
VTの入力トルク及びプーリ比から決定される前記両プ
ーリの軸力の差より、その大小関係を逆転させない範囲
で小さい値か、又は出力トルク方向が負の場合のその時
点でのCVTの入力トルク及びプーリ比から決定される
プライマリ及びセカンダリプーリの軸力の差より、その
大小関係を逆転させない範囲で小さい値になるように制
御する。具体的には、プライマリ及びセカンダリの両油
圧アクチュエータ7c,9cにおける両第1油圧室5
5,56に油圧を供給した状態で、両第2油圧室57,
59の油圧を解放し、両プーリ7,9の軸力を等しくす
る。
【0066】なお、該N制御、即ちプライマリ側及びセ
カンダリ側の両油圧アクチュエータ7c,9cの軸力の
差を所定範囲以内にすることにより、CVT11がニュ
ートラル状態となるように自己収束する制御について
は、特願平7−66234号又は特願平7−12870
1号に詳細に述べられている。
【0067】上記先願にあっては、コースト時における
負トルク状態によりCVTがU/D(減速)方向に変速
して、そしてエンジン回転数がアイドル回転数より低く
なると、正トルク状態となってCVTがO/D(増速)
方向に変速するこを車速に応じて繰返し、ギヤニュート
ラル(GN)点にCVT11が自己収束し、該ニュート
ラル点において、車輌停止状態に安定保持される旨を説
明している。上記正トルク状態及び負トルク状態におけ
るプライマリプーリ及びセカンダリプーリの軸力の差に
基づき、両軸力を実質的に(所定範囲内で)等しくする
ことによりCVT11はGN点に安定保持されるが、上
記N制御時における該GN点への自己収束は、上記負ト
ルク及び正トルクの切換えによっては収束速度が遅く、
本実施の形態では、上記N制御において、常に正トルク
状態になるように、エンジントルクを制御する。
【0068】該入力(エンジン)トルク制御に基づくN
制御時の自己収束の原理ついて説明する。Vベルトの軸
力を示す式(バランス式)に下記式1に示す小笠原の式
がある。
【0069】
【式1】 ここで、FDVは駆動側プーリ(セカンダリプーリ)の軸
力、FDNは従動側プーリ(プライマリプーリ)の軸力、
φ1 は駆動側プーリベルト巻掛け角、φ2 は従動側プー
リベルト巻掛け角、r1 は駆動側プーリ有効半径、r2
は従動側プーリ有効半径、Tinは入力(エンジン)トル
ク。
【0070】上記式1を簡略化してまとめると、式2に
なる。
【0071】
【式2】 ここで、f(Ip )は、プーリ比(r2 /r1 )により
変化する関数。
【0072】即ち、従動側軸力FDNにバランスする駆動
側軸力FDVは、入力トルクTinが大きくなればより大き
な力を必要とすることになる。ここで、上記N制御によ
り両軸力を実質的に等しくした場合、軸力の関係は、下
記式3になる。
【0073】
【式3】 ここで、式3におけるバランス値(理論値)は、φ1
φ2 なる関係にあって、FDV≒FDNとなるように制御す
ると、駆動側(セカンダリ)プーリの軸力が余剰にな
り、この軸力差ΔFDVが駆動側プーリを閉じてCVTが
O/D方向になるように収束する。即ち、上記軸力の実
行値とバランス値(理論値)との差ΔFDV[ΔFDV=F
DV(実行値)−FDV(バランス値)]でGN点へ収束
し、この荷重差(ΔFDV)は、式3からも明らかなよう
に、入力トルク(Tin)が大きくなれば、より大きな荷
重となる。
【0074】即ち、上述したように、上記小笠原の式1
に基づき、各プーリ比において入力トルクが増加すれば
GN点への収束力が増加することは明らかであり、かつ
該収束力の増加により収束速度が速くなる。
【0075】入力トルク即ちエンジントルクを制御する
ことによるN制御の収束メカニズムについて図8に沿っ
て説明する。アクセルペダルを離し、或いは更にブレー
キペダルを踏んだ車輌減速(コースト)状態において、
車速が所定速度以下になるとN制御が開始される、該N
制御によりエンジンの出力トルク(CVTの入力トル
ク)がアップされ、上述したようにCVTのプーリ比が
GN点へ向って速い速度で自己収束し、従ってエンジン
回転数が増加し、これに伴いエンジントルクが徐々に低
下する(開始→A)。
【0076】すると、エンジントルクの低下により収束
速度が遅くなり、これによりエンジン回転数の上昇も抑
制される。一方、車輌の減速は続いているので、上記C
VTの収束が車輌の減速に追従できなくなったところで
エンジン回転数は下降する(A→B)。エンジン回転数
が下降すれば、エンジントルクが上昇するので、上述し
たように収束速度が再び速くなり、車輌の減速に追従で
きるようになる(B以降)。以降、これを繰返してCV
Tのプーリ比がGN点に収束し、車輌は停止される。
【0077】ついで、上述したCVTのGN点にてニュ
ートラル状態となる自動無段変速機(IVT)1のクリ
ープトルクの発生の原理について、図9に沿って説明す
る。従来のプラネタリギヤ等の多段変速機構を有する自
動変速機(A/T)は、エンジン出力軸と多段変速機構
入力軸との間にトルクコンバータ(発進装置)を備えて
おり、該トルクコンバータが、多段変速機構入力軸を停
止した状態においてエンジン回転数に応じて増加したト
ルクを該入力軸に付与し(ストールトルク)、車輌を滑
らかに発進する。上記自動無段変速機1は、N制御によ
り自動的にニュートラル位置に保持され、該ニュートラ
ル状態において上記トルクコンバータと同様な前進方向
のトルク(クリープトルク)を発生する。
【0078】前述したように、CVTが前進域から又は
後進域からGN点(第1のプーリ比)に自己収束する力
N が発生しており、該GN点への達成によりCVTは
無負荷或いは限りなく無負荷に近い状態になる。一方、
CVT11自体は、プライマリ及びセカンダリプーリが
ベルト張力により拮抗した状態、即ちプーリ比が1.0
(第2のプーリ比)になる状態が安定状態であり、該プ
ーリ比1.0に向って力FA が発生する。従って、前記
CVTがGN点になって自動変速機(IVT)1が無負
荷状態になると同時に、該CVT自体の安定収束点であ
るプーリ比1.0の点へ向う力FA が発生する。該無負
荷状態でのプーリ比1.0に向う力FAと、該力FA
よりCVTがGN点から外れることによる負荷状態での
GN点に向う力FN が、拡大モデル図に示すように渦状
態となり、これにより前進クリープトルクが発生する。
このメカニズムが本発明に係るクリープトルク発生手段
Jを構成する。
【0079】上記プーリ比1.0に向う力FA と対抗す
るように、プライマリ及びセカンダリプーリ側の第1の
油圧室55,56に面積差を設ける等によりCVTにO
/D方向の軸力FO を付与すると、前記力FA は打消さ
れて前進クリープトルクは消失する。前記軸力FA 及び
O は、入力トルクや伝達効率の影響を受けることがな
く、N制御時におけるプライマリ及びセカンダリプーリ
の軸力を、前記等しい値から予め所定量バイアスして、
任意のクリープトルクを得ることができる。
【0080】図10は、前記プライマリ及びセカンダリ
プーリの軸力差(上段)及び供給油圧差(下段)と、ク
リープトルクとの関係を示す図であり、横軸の上段はプ
ライマリプーリに対するセカンダリプーリの軸力差を示
し、縦軸において、上方が前進方向、下方が後進方向の
トルク増幅比を示す。図1に示すように、プライマリ及
びセカンダリの両プーリ7,9における第1の油圧室5
5,56の有効受圧面積が等しい場合(AP =AS )、
両プーリに対する軸力差が0となって、前進方向に所定
トルク増幅比のクリープトルクを発生する。横軸の下段
は、後述する図11及び図12に示すように、プライマ
リ側及びセカンダリ側油圧アクチュエータの有効受圧面
積に差を設け(AP >AS )、両油圧アクチュエータに
等しい油圧を供給すると、クリープトルクが略々0とな
るように設定した無段変速機において、プライマリ側油
圧アクチュエータの供給油圧に対するセカンダリ側油圧
アクチュエータへの供給油圧の差を示す。このものにお
いて、自動変速機1が前進状態となることを保障し、か
つ、従来のトルクコンバータに近似したトルクによる前
進方向のクリープトルクを設定する場合、セカンダリ側
の油圧室にプライマリ側より高い差圧PC が供給され
る。該前進保障圧油圧範囲では、N制御時にあっても所
定前進クリープトルクが発生し、ブレーキを離せば車輌
は前進方向にクリープする。
【0081】また、両プーリの油圧室に面積差を設けて
(AP >AS )、前記FA =FO に設定すると、クリー
プトルクは0となる。ただし、実際の制御においては、
設定される油圧に誤差が存在し、該誤差範囲では運転者
が前進状態を意識しても後進方向にトルクが発生する場
合も生じるので、セカンダリ側に僅かな差圧を供給して
車輌が実際に前進しない範囲(車輌を移動するための必
要トルク以下)での前進側に範囲Pmin を設定する。該
min の範囲では、N制御にあっては、ブレーキペダル
を離しても車輌は停止状態を維持する。
【0082】更に、プライマリプーリの油圧室にセカン
ダリ側より高い油圧を供給すると、自動変速機が後進状
態となることを保障した油圧誤差の範囲となる。該後進
保障圧油圧範囲では、N制御状態にあっても後進クリー
プトルクが発生し、ブレーキペダルを離せば車輌は後進
方向にクリープする。
【0083】ついで、図11に沿って、前記プライマリ
及びセカンダリの両プーリにおける第1の油圧室に等し
い油圧を供給した際にクリープトルクが略々0となるよ
うにした実施の形態について説明する。図11において
プライマリプーリ側油圧アクチュエータ7cは、図1の
ものと同様であるが、セカンダリプーリ側の油圧アクチ
ュエータ9dが僅かに相違している。該セカンダリプー
リ側油圧アクチュエータ9dの第2の油圧室59の有効
受圧面積はプライマリ側の第2の油圧室57と同じであ
るが、第1の油圧室56の有効受圧面積(AS )が、プ
ライマリ側の第1の油圧室55の面積(AP )より所定
量小さく設定されている(AP >AS )。従って、プラ
イマリ及びセカンダリ側の両第2の油圧室57,59の
油圧が解放され、両第1の油圧室55,56に同じ所定
油圧が供給されるN制御において、プライマリプーリ7
の軸力FP に対してセカンダリプーリ9の軸力FS が所
定量小さくなる。この両プーリの軸力の差(FP −F
S )が、前記プーリ比1.0に向う力FA に対抗する前
記力FO になり、これにより前進方向のクリープトルク
が打消される。この状態では、N制御にあっては、実質
的にクリープトルクは0となり、ブレーキを離しても、
車輌は停止状態に保持される。
【0084】更に、図12及び図13に沿って、一部変
更した無段変速機及び油圧制御機構について説明する。
本無段変速機1は、油圧アクチュエータが相違している
外、先の実施の形態と同じであるので、同一部分は同一
符号を付して説明を省略する。
【0085】プライマリ及びセカンダリ側プーリ7,9
における固定シーブ7a,9aのボス部の端にはそれぞ
れフランジ部材120,121が固定されており、かつ
可動シーブ7b,9bの背面にはドラム部材122,1
23が固定されている。これら可動シーブ7b,9bの
背面及びフランジ部材120,121との間にそれぞれ
油圧室125,126が形成されて、プライマリ側及び
セカンダリ側にそれぞれシングルチャンバータイプの油
圧アクチュエータ7e,9eが構成される。前記油圧室
125,126にはそれぞれ油路127,129を介し
て油圧が供給されると共に、プリロード用のスプリング
130,131が縮設されている。
【0086】上記プライマリ及びセカンダリ側の油圧ア
クチュエータ7e,9eは、プライマリ側の油圧室12
5の有効受圧面積AP がセカンダリ側の油圧室126の
有効受圧面積AS より所定量大きく設定されており(A
P >AS )、両油圧室125,126に等しい油圧が供
給されると、クリープトルクが略々0となるように設定
されている。
【0087】図13は、上記シングルチャンバーからな
る油圧アクチュエータ7e,9eに適用される油圧制御
機構を示すものであって、レギュレータバルブが2個あ
る点で図6に示すものと相違する。本油圧制御機構は、
ハイレギュレータバルブ711 と、ローレギュレータバ
ルブ712 を有している。
【0088】Dレンジローモードにあっては、ハイレギ
ュレータバルブ711 により調圧された油圧は、クラッ
チモジュレーションバルブ79、マニュアルバルブ75
のポートa,b、ローハイコントロールバルブ76のポ
ートh,i及びロークラッチリリーフバルブ77を介し
てロークラッチ用油圧サーボCL に供給されると共に、
レシオコントロールバルブ72により調圧されて、該調
圧油圧がマニュアルバルブ75のポートc,d、ローハ
イコントロールバルブ76のポートj,kを介してセカ
ンダリ側油圧室126に供給される。一方、ローレギュ
レータバルブ712 からの油圧は、マニュアルバルブ7
5のポートe,f、ローハイコントロールバルブ76の
ポートl ,mを介してプライマリ側油圧室125に供給
される。
【0089】これにより、ローレギュレータバルブ71
2 に基づく低圧からなる一定圧がプライマリ側油圧室1
25に供給した状態で、ハイレギュレータバルブ711
に基づく高圧がセカンダリ側油圧室126に供給され、
かつ該高圧がレシオコントロールバルブ72により適宜
調圧されることにより、CVT11が変速される。
【0090】そして、N制御にあっては、レシオコント
ロールバルブ72がダウンに切換わり、ローレギュレー
タバルブ712 からの一定低圧が、レシオセンシングバ
ルブ80、ダウンシフトバルブ73、レシオコントロー
ルバルブ72のポートx,y、マニュアルバルブ75の
ポートc,d、ローハイコントロールバルブ76のポー
トj,kを介してセカンダリ側油圧サーボ126に供給
される。
【0091】これにより、プライマリ側油圧室125と
セカンダリ側油圧室126には、ローレギュレータバル
ブ712 からの等しい油圧が作用し、これら両油圧室の
面積差(AP >AS )に基づきクリープトルクが略々0
となる。
【0092】また、Dレンジハイモードにあっては、ロ
ーハイコントロールバルブ76が切換えられ、クラッチ
モジュレータバルブ79からの油圧がハイクラッチ用油
圧サーボCH に供給され、かつローレギュレータバルブ
712 からの一定低圧がセカンダリ側油圧室126に供
給されると共に、ハイレギュレータバルブ711 からの
高圧がプライマリ側油圧室125に供給され、かつ該高
圧がレシオコントロールバルブ72にて適宜調圧され
る。
【0093】なお、上記図12に示す油圧アクチュエー
タは、図11に示すものと同様に、両油圧室に面積差を
設けて、クリープトルクが略々0になるように設定した
が、両油圧室に面積差を設けずに、図1に示すものと同
様に、等しい油圧を両油圧室に供給することにより、前
進方向のクリープトルクを発生するように設定してもよ
いことは勿論である。
【0094】ついで図14に沿って、Dレンジにあっ
て、上記停止状態から前進方向に発進する場合について
説明する。車輌停止時は、CVT11のプーリ比IP
GN点にあり、かつブレーキBrkがON(作動)状態に
あり、そしてスロットル開度θはアイドル状態にあっ
て、プライマリ側油圧室への供給油圧に対するセカンダ
リ側油圧室への供給油圧の差ΔPは、前記車輌を移動す
ることのない最低値Pminにあり、かつエンジン目標回
転数Ne * は所定の最低値(アイドリング回転数)にあ
る。この状態から、A点に示すように、ブレーキペダル
rkを離してOFF(解放)状態になると、セカンダリ
プーリ(駆動)側の油圧室(図11の第2の油圧室59
又は図12の油圧室126)に所定油圧が供給されて、
該差圧からなる所定油圧PC 基づく所定クリープ力が発
生する。
【0095】そして、B点に示すように、運転者がスロ
ットルペダルを踏んで、車輌発進を意図するが、本自動
無段変速機1は、GN点近傍にあってはトルク循環によ
る大きなトルクが発生するため、ベルト等の許容トルク
の制限により、エンジン出力トルクを大幅に規制する必
要がある。従って、スロットルペダルの踏み量WOTに
対し、制御部からの指令により実際のスロットル開度θ
* は低開度に保持される。更に、通常の自動変速機(A
/T)のトルクコンバータ特性と同様に、スロットルペ
ダルの踏み量に応じてストールトルクが高くなるような
特性を現出すべく、エンジン回転数が所定目標回転数N
ei * になるように制御されると共に、セカンダリプーリ
側の油圧室(図11の第2の油圧室59又は図12の油
圧室126)への油圧が高められ(ΔP)、前記図10
の右方向になるように両プーリの軸力差を制御して、ク
リープ力を増加する。
【0096】該クリープ力により、車輌は発進し、CV
T11のプーリ比IP がU/D方向に僅かに変更され
て、車速が所定の低速値Vmin になると、C点に示すよ
うに、上述した発進制御から通常変速制御に移行され、
エンジン回転数は、該通常時の目標回転数Ne *に設定さ
れる。即ち、図15に示すように、前記所定クリープト
ルク(ストールトルク)を発生するため発進時制御にあ
っては、エンジン回転数Ne はNei * に示すように各ス
ロットル開度θd* に対して低く抑えられ、通常変速制
御にあっては、最大出力特性Nep * 又は最良燃費特性N
ee * に基づきエンジン回転数Ne が制御される。また、
この状態では、セカンダリプーリの軸力が増加して発進
トルクは増加し,CVT11のプーリ比はU/D方向に
変速され、車速Vは増加する。
【0097】そして、D点に示すように、CVTのプー
リ比がおよそ1.0になると、前述したベルト等の無段
変速機に過大なトルクが作用することを防止するための
入力トルク制限によるスロットル開度θ* の規制が解除
され、運転者によるスロットルペダルの踏み量WOTに
一致する。
【0098】なお、上記説明は、シフトレバーがDレン
ジにある前進方向への発進について述べているが、シフ
トレバーがRレンジに位置して後進方向に発進する場
合、プライマリプーリ側の油圧室(図11の第2の油圧
室57又は図12の油圧室125)57に所定油圧が供
給され、図10における後退保障圧油圧誤差範囲とな
り、同様なクリープ力が後進方向に向けて発生する。こ
の点を除いて、図14に示す作動と同じである。
【0099】ついで、図16ないし図18に沿って、図
1に示すように油圧室の有効受圧面積を同じにして、ニ
ュートラル時において常に前進方向のクリープトルクが
発生する自動無段変速機について説明する。該自動無段
変速機は、圧倒的に使用頻度の多い前進時にあっては、
CVTのプライマリ及びセカンダリ側を同じ構成とする
等の簡単な構成を採用し得、かつ発進時の特別なCVT
制御を必要とせず、自動的に前進クリープトルクを発生
する点で優れているが、後進時にあっては、運転者の意
図と反対方向のクリープトルク状態にあるため好ましく
ない。そこで、本自動無段変速機にあっては、後進
(R)時は、ロークラッチCL のフリクション制御によ
り発進する。
【0100】図16のジェネラルフローにおいて、各ス
テップの解説は以下の通りである。S1にて、演算開始
に先立ち全ての設定を初期化し、S2にて、各部の回転
数、スロットル開度、レンジ信号、油温等を入力し演算
する。また、S3にて、先の入力結果よりレンジ判定を
行い、“R”レンジがどうかを判定し、S4にて、Lo
モードかどうかを判定し、S5にて、プーリ比、運転者
スロットル開度θ* に合わせた、Loモード用E/Gス
ロットル開度を決定する。また、S6にて、車速が設定
値(Vmin )より低いかどうか判定する。そして、S7
にて、Loモードの変速制御を実行し、S8にて、演算
結果に基づき、各ソレノイドや電子スロットルへ出力を
行う。また、S9にて、運転者のスロットル開度に合わ
せた、“R”レンジ用E/Gスロットル開度θ* を決定
し、S10にて、“R”レンジ用発進制御を行う。ま
た、S11にて“D”レンジ用発進制御を行い、S12
にて、プーリ比、運転者スロットル開度に合わせた、H
iモード用E/Gスロットル開度θ* を決定し、S13
にて、Hiモードの変速制御を実行する。
【0101】図17に示すR発進制御(S10)のサブ
ルーチン及び図18に示すそのタイムチャートに基づ
き、後進時の発進制御について説明する。なお、前進時
の発進制御は、ニュートラル時にあっても所定クリープ
力を発生する点を除いて、図14に示すものと同様であ
る。
【0102】図18のA点に示すように、シフトレバー
がN(ニュートラル)レンジにある場合、図1における
プライマリ及びセカンダリの両第1の油圧室55,56
に所定圧が供給されると共に、両第2の油圧室57,5
9の油圧が解放され、両プーリの差圧であるレシオ圧P
R が0にあって、CVT11のプーリ比IP は所定前進
位置F1 (図4参照)にある。また、ロークラッチCL
用の油圧PCLは低圧Pmin にあって、該クラッチCL
解放状態にある。従って、CVT11においては、所定
前進クリープ力状態にあるが、ロークラッチCL がハイ
クラッチCH と共に遮断状態にあるため、車両は停止さ
れている。
【0103】そして、図18のC点に示すように、運転
者がスロットルペダルを踏み込むことにより、スロット
ル開度θがアイドル状態から所定開き位置θmになると
共に、スロットルペダルスイッチのONにより、上記ロ
ークラッチリリーフバルブ77が、デューティ制御又は
リニアソレノイドバルブからなるクラッチ係合制御ソレ
ノイド77a(図7参照)により制御されて、ロークラ
ッチ用油圧PCLが所定角度にてスイープアップする(P
CL=PCL * ;S10−4)。これにより、ロークラッチ
L がスリップしつつその係合力を増大して滑らかに接
続し、該ロークラッチのフリクションスタートにより、
車両は後進方向に発進して車速Vを増大する。そして、
車速Vが所定速度Vmin を超えると(V<Vmin ;S1
0−2)、ロークラッチ用油圧PCLも係合圧Pmax にな
り(PCL=Pmax ;S10−6)、ロークラッチCL
完全に係合して、CVT11の所定後進プーリ比R1
よる後進が行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無段変速機を示す正面断面図。
【図2】その速度線図。
【図3】各クラッチの係合状態を示す図。
【図4】そのベルト式無段変速装置(CVT)のトルク
比に関する出力トルクの変化を示す図。
【図5】そのCVTのトルク比に関する出力回転数の変
化を示す図。
【図6】本発明に係る無段変速機に適用し得る油圧制御
機構を示す図。
【図7】その電気制御機構を示すブロック図。
【図8】入力トルク制御によるN制御時のGN点への収
束メカニズムを説明するための図。
【図9】クリープトルクを発生するメカニズムを説明す
るための図。
【図10】クリープ時のトルク増幅比と両プーリの軸力
差及び油圧差の関係を示す図。
【図11】有効受圧面積を変えた無段変速機を示す正面
断面図。
【図12】他の実施の形態による無段変速機を示す正面
断面図。
【図13】その油圧制御機構を示す図。
【図14】無段変速機による発進制御を示すタイミング
チャート。
【図15】各状態における目標エンジン回転数を示す
図。
【図16】図1の無段変速機による後進時のフリクショ
ンスタートを示すジェネラルフロー図。
【図17】そのR発進制御のサブルーチンを示す図。
【図18】そのタイミングチャート。
【符号の説明】
1 無段変速機 2 エンジン出力軸(クランクシャフト) 3 入力軸(図1) 5 車軸(第3軸、前車軸) 6 出力軸(第4軸、カウンタ軸) 7 第1の(プライマリ)プーリ 7c,7e 軸力作動手段(油圧アクチュエータ) 9 第2の(セカンダリ)プーリ 9c,9d,9e 軸力作動手段(油圧アクチュエ
ータ) 10 ベルト 16 定速伝動装置 19 (シンプル)プラネタリギヤ 19c 第1の回転要素(キャリヤ) 19s 第2の回転要素(サンギヤ) 19r 第3の回転要素(リングギヤ) 55,57,125 第1のプーリ(プライマリプ
ーリ)側油圧室 56,59,126 第2のプーリ(セカンダリプ
ーリ)側油圧室 CL クラッチ(ロークラッチ) J クリープトルク発生手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榊原 史郎 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 犬塚 武 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 服部 雅士 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 野沢 啓文 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−101754(JP,A) 特開 平7−133858(JP,A) 特開 平7−139608(JP,A) 特開 平8−261303(JP,A) 特開 平6−331000(JP,A) 特開 平2−142972(JP,A) 特開 平1−303367(JP,A) 特開 昭63−110044(JP,A) 特開 昭60−203532(JP,A) 特開 昭57−204362(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 37/02 F16H 61/20

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力軸に連動する入力軸と、 車輪に連動する出力部材と、 前記入力軸に連動する第1のプーリ、第2のプーリ、こ
    れら両プーリに巻掛けられたベルト及び前記第1及び第
    2のプーリのプーリ比を変更すべく前記両プーリに軸力
    を作用する軸力作動手段を有するベルト式無段変速装置
    と、 少なくとも第1、第2及び第3の回転要素を有し、前記
    ベルト式無段変速装置のプーリ比の変更に基づき、前記
    両プーリ間でトルク伝達方向が変更されると共に、前記
    出力部材の出力トルク方向が変更されるように、前記第
    1の回転要素を前記入力軸に、前記第2の回転要素を前
    記第2のプーリに、前記第3の回転要素を前記出力部材
    にそれぞれ連動してなるプラネタリギヤと、 を備えてなる無段変速機において、 前記ベルト式無段変速装置は、前記プラネタリギヤのギ
    ヤ比に基づき前記出力部材の回転数が0となる第1のプ
    ーリ比と、該ベルト式無段変速装置が前記第1のプーリ
    比に基づく無負荷状態にあって、該ベルト式無段変速装
    置自体が安定状態となる第2のプーリ比と、を有し、 前記第1のプーリ比に自己収束すべく、前記両プーリに
    作用する軸力を所定値に設定するニュートラル制御にお
    いて、前記ベルト式無段変速装置が前記第2のプーリ比
    に向う力に基づきクリープ力を発生するクリープトルク
    発生手段を設けた、 ことを特徴とする無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記クリープトルク発生手段は、必要ク
    リープトルクに応じて前記両プーリに作用する軸力を設
    定してなる、 請求項1記載の無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記クリープトルク発生手段は、発生す
    るクリープトルクが略々0となるように前記両プーリに
    作用する軸力を設定してなる、 請求項2記載の無段変速機。
  4. 【請求項4】 前記軸力作動手段は、前記両プーリに対
    してそれぞれ設けられ、油圧が供給される油圧室を有す
    る油圧アクチュエータからなり、 前記両油圧室の有効受圧面積を、前記両油圧室に等しい
    油圧を供給したときに、前記クリープトルク発生手段の
    発生するクリープトルクが略々0となるように設定して
    なる、 請求項3記載の無段変速機。
  5. 【請求項5】 前記ベルト式無段変速装置のプーリ比が
    前記第1のプーリ比であるときに、Dレンジでは、前記
    第1のプーリよりも第2のプーリの油圧室へ供給する油
    圧を大きくし、またRレンジでは、前記第2のプーリよ
    りも第1のプーリの油圧室へ供給する油圧を大きくし、 前記クリープトルク発生手段が、Dレンジでは前進方向
    のクリープトルクを発生し、Rレンジでは後進方向のク
    リープトルクを発生してなる、 請求項4記載の無段変速機。
  6. 【請求項6】 前記第1のプーリ比が、第2のプーリ比
    よりオーバドライブ側に設定され、前記クリープトルク
    発生手段が、車輌前進方向のクリープトルクを発生して
    なる、 請求項1記載の無段変速機。
  7. 【請求項7】 前記クリープトルク発生手段は、前記両
    プーリに作用する軸力が等しくなるように前記軸力作動
    手段を設定してなる、 請求項6記載の無段変速機。
  8. 【請求項8】 前記軸力作動手段は、前記両プーリに対
    してそれぞれ設けられ、油圧室を有する油圧アクチュエ
    ータからなり、 前記両油圧室の有効受圧面積が等しく、かつ前記両油圧
    室に等しい油圧が供給される、 請求項7記載の無段変速機。
  9. 【請求項9】 前記入力軸と前記プラネタリギヤの第1
    の回転要素との間にクラッチを介在し、 Dレンジにおける前記ニュートラル制御時、前記クリー
    プトルク発生手段が前進方向のクリープトルクを発生
    し、 Rレンジにあっては、前記ベルト式無段変速装置を後進
    状態であるプーリ比に設定すると共に、前記クラッチを
    徐々に係合してなる、 請求項1、2、6、7又は8のいずれか記載の無段変速
    機。
  10. 【請求項10】 前記クリープトルク発生手段は、ブレ
    ーキオフ時に、所定クリープトルクが発生するように両
    プーリに作用する軸力を制御してなる、 請求項1ないし9のいずれか記載の無段変速機。
  11. 【請求項11】 前記クリープトルク発生手段は、スロ
    ットルペダルの操作時、該ペダルの踏み込み量に応じた
    クリープトルクが発生するように前記両プーリに作用す
    る軸力を制御してなる、 請求項1ないし10のいずれか記載の無段変速機。
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