JP4515241B2 - 出力増幅回路及びそれを用いたセンサ装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施例1を示すセンサ装置である加速度センサ装置の構成図である。
この加速度センサ装置は、抵抗変化を利用して微小な差動出力電圧(例えば、第1電極電圧VIP、第2電極電圧VIN)を出力するセンサ(例えば、加速度センサ)10と、その差動出力電圧VIP,VINを増幅する出力増幅回路30とを備え、半導体集積回路等で構成されている。
先ず、加速度センサ10に加速度が掛かっていない時の出力電圧VOUTを計測し、オフセット電圧調整回路40のオフセット電圧VOFFINを決定する。次に、外部からの指令により決定したオフセット電圧VOFFINがオフセット電圧調整回路40から出力され、ノードN3とN4の電圧が同一になる。そして、加速度センサ10に加速度が掛かり、ピエゾ抵抗素子21〜24に歪みが生じ、ホイートストンブリッジ回路20の差動出力電圧VIP,VINが出力される。最後に、加速度センサ10の差動出力電圧VIP,VINがオペアンプ51,52によりそれぞれ増幅されてノードN3とN4の電圧が変動し、その増幅された各出力電圧を差動入力としてオペアンプ53により更に増幅され、増幅された出力電圧VOUTが出力端子36から出力される。
V3=VIPa+R1×│ (VIPa-VOFFIN)/R8+(VIPa -VINa)/R2│ ・・・(1)
V4=VINa+R3×(VINa-VIPa)/R2 ・・・(2)
V3=V4より、
VOFFIN=R8×(1+2×R1/R2)×(VIPa-VINa)/R1+VIPa ・・・(3)
但し、R1=R3
これにより、ノードN3の電圧レベルが、オフセット電圧VOFFINによりノードN4の電圧レベルになり、ノードN3とノードN4の電圧レベルが同一になる。前述したように、加速度センサ10の差動出力電圧VIP,VINは、加速度が掛かっている時と掛かっていない時での電圧変動が微小であるが、ノードN3とノードN4では、オフセット電圧VOFFINにより同一になった電圧レベルから、速度センサ10の差動出力電圧VIP,VINの数十倍の電圧変動があるので、オペアンプ53の入力電圧範囲はそれらを満たすように設定している。
VOUT=(R5/R4)×│(1+2×R1/R2)×(VIP-VIN)+(R1/R8)×(VIP-VOFFIN)│
+VCOM ・・・(4)
但し、R1=R3、R4=R6、R5=R7
しかし、このような改良前回路構成では、オフセット電圧VOFFINがオペアンプ51側のみに印加されるので、例えば、加速度センサ10の差動出力電圧VIP,VINに同相ノイズΔVが乗った場合(VIP→VIP+ΔV、VIN→VIN+ΔV)に、下記の(5)式に示すように、出力電圧VOUTが(4)式の値から変動し、前記[発明が解決しようとする課題]の欄にて説明したように、CMRRが悪くなるという問題が生じる。
VOUT=(R5/R4)×│(1+2×R1/R2)×(VIP+ΔV-VIN-ΔV)
+(R1/R8)×(VIP+ΔV-VOFFIN)│+VCOM
=(R5/R4)×│(1+2×R1/R2)×(VIP-VIN)
+(R1/R8)×(VIP+ΔV-VOFFIN)│+VCOM ・・・(5)
但し、R1=R3、R4=R6、R5=R7
VOUT=(R5/R4)×│(1+2×R1/R2+R1/R8)×(VIP-VIN)
+(R1/R8)×(VCOM-VOFFIN)│+VCOM ・・・(6)
但し、R1=R3、R4=R6、R5=R7、R8=R9
これにより、加速度センサ10の差動出力電圧VIP,VINに同相ノイズΔVが乗った場合(VIP→VIP+ΔV、VIN→VIN+ΔV)でも、(7)式に示すように、出力電圧VOUTが(6)式の値から変動しない。
VOUT=(R5/R4)×│(1+2×R1/R2+R1/R8)×(VIP+ΔV-VIN-ΔV)
+(R1/R8)×(VCOM-VOFFIN)│+VCOM
=(R5/R4)×│(1+2×R1/R2+R1/R8)×(VIP-VIN)
+(R1/R8)×(VCOM-VOFFIN)│+VCOM ・・・(7)
但し、R1=R3、R4=R6、R5=R7、R8=R9
本実施例1では、改良前回路構成に対して、インスツルメンテーションアンプ出力の基準電圧VCOMをオペアンプ52側にも印加するようにしたので、出力増幅回路30の出力電圧VOUTが加速度センサ10の差動出力電圧VIP,VINから影響を受けるのは、差動(VIP-VIN)のみとなり、CMRRが良好となる。
図2は、本発明の実施例2を示すセンサ装置である加速度センサ装置の構成図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例2の基本動作は、実施例1と同様なので、説明を省略する。以下に、本実施例2での、加速度センサ10に加速度が掛かっている時の加速度センサ10の差動出力電圧VIP,VINと、出力増幅回路30Aの出力電圧VOUTの関係式を示す。
VOUT=(R5/R4)×│(1+2×R1/R2+R1/R8)×(VIP-VIN)
+(R1/R8)×(VOFFMIN-VOFFIN)│+VCOM ・・・(8)
但し、R1=R3、R4=R6、R5=R7、R8=R9
これにより、加速度センサ10の差動出力電圧VIP,VINに同相ノイズΔVが乗った場合(VIP→VIP+ΔV、VIN→VIN+ΔV)でも、(9)式に示すように、出力電圧VOUTが(8)式の値から変動しない。
VOUT=(R5/R4)×│(1+2×R1/R2+R1/R8)×(VIP+ΔV-VIN-ΔV)
+(R1/R8)×(VOFFMIN-VOFFIN)│+VCOM
=(R5/R4)×│(1+2×R1/R2+R1/R8)×(VIP-VIN)
+(R1/R8)×(VOFFMIN-VOFFIN)│+VCOM ・・・(9)
但し、R1=R3、R4=R6、R5=R7、R8=R9
V3=VIPa+R1×│ (VIPa-VINa)/R2+(VIPa-VOFFIN)/R8│ ・・・(10)
V4=VINa+R3×│ (VINa-VIPa)/R2+(VINa-VOFFMIN)/R9│ ・・・(11)
V3=V4、VOFFMIN=2VCOM-VOFFINより、
VOFFIN=(R8/2)×(1+2×R1/R2+R1/R8)×(VIPa-VINa)/R1+VCOM ・・・(12)
VOFFMIN=(-R9/2)×(1+2×R3/R2+R3/R9)×(VIPa-VINa)/R3+VCOM ・・・(13)
但し、R1=R3、R8=R9
これにより、ノードN3の電圧レベルは、オフセット電圧VOFFIN、ノードN4の電圧レベルは、インスツルメンテーションアンプ出力の基準電圧VCOMを中心にオフセット電圧VOFFINを反転させた調整電圧VOFFMINにより、インスツルメンテーションアンプ出力の基準電圧VCOM近傍にて同一になる。この(10)式〜(13)式の一例について、以下に説明する。
本実施例2では、改良前回路構成に対して、インスツルメンテーションアンプ出力の基準電圧VCOMを中心にオフセット電圧VOFFINを反転させた調整電圧VOFFMINがオペアンプ52側にも印加するようにしたので、実施例1とほぼ同様の効果が得られ上に、オフセット電圧VOFFINが大きい場合にも、加速度センサ10に加速度が掛かる前にノードN3,N4がインスツルメンテーションアンプ出力の基準電圧VCOM近傍のレベルにて同一になり、その後、加速度センサ10に加速度が掛かって増幅されるので、オペアンプ53の入力電圧範囲を容易に設定できる。
20 ホイートストンブリッジ回路
30,30A 出力増幅回路
40,40A オフセット電圧調整回路
50 インスツルメンテーションアンプ
51,52,53 第1、第2、第3のオペアンプ
Claims (4)
- 外部からの指令により調整した所望のオフセット電圧を出力するオフセット電圧調整回路と、
偏差電圧の第1電極電圧が入力される第1の偏差電圧入力端子と、
前記偏差電圧の第2電極電圧が入力される第2の偏差電圧入力端子と、
前記オフセット電圧を入力するオフセット電圧入力端子と、
インスツルメンテーション増幅器出力の基準電圧が入力される第1及び第2の基準電圧入力端子と、
増幅回路出力電圧を出力する電圧出力端子と、
前記第1及び第2の偏差電圧入力端子から入力される前記偏差電圧を差動増幅して、前記電圧出力端子から前記増幅回路出力電圧を出力するインスツルメンテーション増幅器と、
を備えた出力増幅回路であって、
前記インスツルメンテーション増幅器は、第1の演算増幅器と、第2の演算増幅器と、第3の演算増幅器とを備え、
前記第1の演算増幅器は、前記第1の偏差電圧入力端子に接続された第1の非反転入力端子と、抵抗値R8の抵抗を介して前記オフセット電圧入力端子に接続された第1の反転入力端子と、抵抗値R1の抵抗を介して前記第1の反転入力端子に接続された第1の出力端子とを有し、
前記第2の演算増幅器は、前記第2の偏差電圧入力端子に接続された第2の非反転入力端子と、抵抗値R9の抵抗を介して前記第1の基準電圧入力端子に接続されると共に抵抗値R2の抵抗を介して前記第1の反転入力端子に接続された第2の反転入力端子と、抵抗値R3の抵抗を介して前記第2の反転入力端子に接続された第2の出力端子とを有し、
前記第3の演算増幅器は、抵抗値R4の抵抗を介して前記第2の出力端子に接続されると共に抵抗値R5の抵抗を介して前記第2の基準電圧入力端子に接続された第3の非反転入力端子と、抵抗値R6の抵抗を介して前記第2の出力端子に接続された第3の反転入力端子と、前記電圧出力端子に接続されると共に抵抗値R7の抵抗を介して前記第3の反転入力端子に接続された第3の出力端子とを有し、
前記各抵抗の抵抗値は、R1=R3、R4=R6、R5=R7、R8=R9に設定されていることを特徴とする出力増幅回路。 - インスツルメンテーション増幅器出力の基準電圧を入力する基準電圧入力端子と、
外部からの指令により調整した所望のオフセット電圧と、前記基準電圧入力端子から入力される前記基準電圧を中心に前記オフセット電圧のレベルを反転させた調整電圧と、を出力するオフセット電圧調整回路と、
偏差電圧の第1電極電圧が入力される第1の偏差電圧入力端子と、
前記偏差電圧の第2電極電圧が入力される第2の偏差電圧入力端子と、
前記オフセット電圧を入力するオフセット電圧入力端子と、
前記調整電圧を入力する調整電圧入力端子と、
増幅回路出力電圧を出力する電圧出力端子と、
前記第1及び第2の偏差電圧入力端子から入力される前記偏差電圧を差動増幅して、前記電圧出力端子から前記増幅回路出力電圧を出力するインスツルメンテーション増幅器と、
を備えた出力増幅回路であって、
前記インスツルメンテーション増幅器は、第1の演算増幅器と、第2の演算増幅器と、第3の演算増幅器とを備え、
前記第1の演算増幅器は、前記第1の偏差電圧入力端子に接続された第1の非反転入力端子と、抵抗値R8の抵抗を介して前記オフセット電圧入力端子に接続された第1の反転入力端子と、抵抗値R1の抵抗を介して前記第1の反転入力端子に接続された第1の出力端子とを有し、
前記第2の演算増幅器は、前記第2の偏差電圧入力端子に接続された第2の非反転入力端子と、抵抗値R9の抵抗を介して前記調整電圧入力端子に接続されると共に抵抗値R2の抵抗を介して前記第1の反転入力端子に接続された第2の反転入力端子と、抵抗値R3の抵抗を介して前記第2の反転入力端子に接続された第2の出力端子とを有し、
前記第3の演算増幅器は、抵抗値R4の抵抗を介して前記第2の出力端子に接続されると共に抵抗値R5の抵抗を介して前記基準電圧入力端子に接続された第3の非反転入力端子と、抵抗値R6の抵抗を介して前記第2の出力端子に接続された第3の反転入力端子と、前記電圧出力端子に接続されると共に抵抗値R7の抵抗を介して前記第3の反転入力端子に接続された第3の出力端子とを有し、
前記各抵抗の抵抗値は、R1=R3、R4=R6、R5=R7、R8=R9に設定されていることを特徴とする出力増幅回路。 - 請求項1又は2記載の出力増幅回路と、
前記第1及び第2の偏差電圧入力端子に接続され、抵抗変化を利用して差動出力電圧を出力し、この差動出力電圧を前記偏差電圧として前記第1及び第2の偏差電圧入力端子に入力するセンサと、
を備えたことを特徴とするセンサ装置。 - 請求項3記載のセンサ装置において、
前記センサは、ピエゾ抵抗素子を用いたホイートストンブリッジ回路により構成される加速度センサであることを特徴とするセンサ装置。
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