JP4514042B2 - ラミネート装置、ラベル印刷機 - Google Patents

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Description

本発明は、帯状のラベル原反に帯状のラミネートフイルムを貼り合わせるラミネート装置と、このラミネート装置を具備するラベル印刷機に関する。
従来より、帯状のラベル原反に所定の印刷を行うラベル印刷機において、ラベルの印刷面を保護するために、その製造過程で印刷後の前記ラベル原反に帯状のラミネートフイルムを貼り合わせることが行われている。この貼り合わせの際に、前記ラミネートフイルムに強い張力(テンション)が加わった状態でラベル原反に貼り付けられると、ラミネートフイルムが元の状態に戻ろうとして収縮することから、最終製品としてのラベルに反りが発生する(例えば、特許文献1の段落0005参照)。このため、従来は、かかるラベルの反りを防止するために、帯状のラミネートフイルムと帯状のラベル原反の張力とが同等になるように調整している。しかし、その調整は難しく、ラベルの反りをなくすことは困難であり、いずれの方向にラベルが反るのか、ラベルの反りの方向性をあらかじめ予想することや、その反りの方向性を制御することはできない。また、そのラベルの反りは、意図的に形成されるものでなく、上記のような張力調整の不備から偶発的に生じるものだからである。
ところで、この種のラベルは最終的に商品等の被着体に貼り付けて使用されるが、ラベルの貼り付け方式によっては当該ラベルの反りが効果的に作用することがある。
例えば、図5のようにラベル製品10の粘着剤層5の面を内側にしてラベル製品10全体が反る、いわゆる内反りのラベル製品10は、該ラベル製品10を機械で貼り付ける場合(機械貼り)に都合がよい。
また、図6のように、内反りとは反対の方向にラベル製品10全体が反っている、いわゆる外反りのラベル製品10は、該ラベル製品10を手作業で貼り付ける作業(手貼り作業)に都合がよい。
図7は機械貼りの一例の説明図であり、(a)は内反りのラベル製品10を機械貼りするときの状態の説明図、(b)は外反りのラベル製品10を機械貼りするときの状態の説明図である。同図のように、機械貼りの場合は、ピールプレート40での鋭角な折り曲げにより剥離紙6からラベル製品10を剥離し、次にその表面から吸着グリッド41で吸引して被着体(図示省略)に貼り付ける。このため、いわゆる外反りのラベル製品(図6参照)であると、所定のラベル形状にダイカットする時に発生するラベル製品10の端部及び表面への糊の転移により、図7(b)に示したようにラベル製品10が吸着グリッド41に貼り付く吸着エラーが生じやすい。このため、機械貼りの場合は、図5に示すような内反りのラベル製品10が好ましい。
図8は手貼り作業の一例の説明図であり、(a)は外反りのラベル製品10を手貼りするときの状態の説明図、(b)は内反りのラベル製品10を手貼りするときの状態の説明図である。手貼りの場合には、図8(a)に示したように、ラベル製品10をその端部から被着体42に貼り付けていく方が貼り付けやすい。一方、内反りのラベル製品10では、図8(b)のように、その両端が最初に被着体に貼り付いてしまい、ラベル製品10の中央部が最後に被着体に貼り付くことから、気泡やしわが生じやすい。このため、手貼りの場合は、図6に示すような外反りのラベル製品10が好ましい。
特開平4−272837号公報
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ラベル製品の反りの方向性を積極的に制御することができ、ラベル製品の機械貼りや手貼り作業に応じて好適な反りのあるラベル製品を意図的に製造できるラミネート装置、およびラベル印刷機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のラミネート装置は、搬送方向に沿って搬送される帯状のラベル原反と帯状のラミネートフイルムとを、ラミネートローラと圧胴ローラとの間に挟み込んで貼り合わせる構造のラミネート装置において、上記ラミネートローラと圧胴ローラのそれぞれの軸芯を上記ラベル原反の搬送方向に相対的にずらすことにより、上記ラベル原反と上記ラミネートフイルムの貼り合わせ品から得られるラベル製品の反りの方向を制御する反り制御手段を設けたことを特徴とする。
また、本発明のラミネート装置は、搬送方向に沿って搬送される帯状のラベル原反と帯状のラミネートフイルムとを、ラミネートローラと圧胴ローラとの間に挟み込んで貼り合わせるのにあたり、上記圧胴ローラ側に上記ラベル原反が接し、上記ラミネートローラ側に上記ラミネートフイルムが接するようにしてそれらを挟み込んで貼り合わせる構造のラミネート装置において、上記ラベル製品の反りを内反りとする場合は、上記ラミネートローラの軸芯と上記圧胴ローラの軸芯を結ぶ線分が上記圧胴ローラの軸芯を基準に上記ラベル原反の搬送方向上流側に傾くように、上記ラミネートローラの軸芯を上記圧胴ローラの外周に沿ってずらし、一方、上記ラベルの反りを外反りとする場合には、上記両軸芯を結ぶ線分が上記圧胴ローラの軸芯を基準に上記ラベル原反の搬送方向下流側に傾くように、上記ラミネートローラの軸芯を上記圧胴ローラの外周に沿ってずらすことを特徴とする。
上記本発明のラミネート装置は、上記帯状のラミネートフイルムを上記帯状のラベル原反と同等の張力に調整する張力調整手段を具備するものであってよい。
上記目的を達成するために、本発明のラベル印刷機は、帯状のラベル原反の搬送方向上流から下流に向かって順に、印刷ステージ、ラミネートステージを有し、上記印刷ステージには、上記帯状のラベル原反の表面に印刷を行う印刷手段が設けられ、上記ラミネートステージには、上記印刷ステージから繰り出された印刷後の帯状のラベル原反の印刷面に帯状のラミネートフイルムを貼り合わせるラミネート装置が設けられるラベル印刷機において、上記ラミネート装置は、上記帯状のラベル原反と上記帯状のラミネートフイルムとを、ラミネートローラと圧胴ローラとの間に挟み込んで貼り合わせる構造であって、上記ラミネートローラと圧胴ローラのそれぞれの軸芯を上記ラベル原反の搬送方向に相対的にずらすことにより、上記ラベル原反と上記ラミネートフイルムの貼り合わせ品から得られるラベル製品の反りの方向を制御する反り制御手段を具備することを特徴とする。
また、本発明のラベル印刷機は、帯状のラベル原反の搬送方向上流から下流に向かって順に、印刷ステージ、ラミネートステージを有し、上記印刷ステージには、上記帯状のラベル原反の表面に印刷を行う印刷手段が設けられ、上記ラミネートステージには、上記印刷ステージから繰り出された印刷後の帯状のラベル原反の印刷面に帯状のラミネートフイルムを貼り合わせるラミネート装置が設けられるラベル印刷機において、上記ラミネート装置は、上記帯状のラベル原反と上記帯状のラミネートフイルムとを、ラミネートローラと圧胴ローラとの間に挟み込んで貼り合わせるのにあたり、上記圧胴ローラ側に上記ラベル原反が接し、上記ラミネートローラ側に上記ラミネートフイルムが接するようにしてそれらを挟み込んで貼り合わせる構造のラミネート装置において、上記ラベル製品の反りを内反りとする場合は、上記ラミネートローラの軸芯と上記圧胴ローラの軸芯を結ぶ線分が上記圧胴ローラの軸芯を基準に上記ラベル原反の搬送方向上流側に傾くように、上記ラミネートローラの軸芯を上記圧胴ローラの外周に沿ってずらし、一方、上記ラベル製品の反りを外反りとする場合には、上記両軸芯を結ぶ線分が上記圧胴ローラの軸芯を基準に上記ラベル原反の搬送方向下流側に傾くように、上記ラミネートローラの軸芯を上記圧胴ローラの外周に沿ってずらすことを特徴とする。
上記本発明のラベル印刷機は、上記帯状のラミネートフイルムを上記帯状のラベル原反と同等の張力に調整する張力調整手段を具備するものであってよい。
本発明のラミネート装置およびラベル印刷機では、ラベル製品の反りの方向性を制御するための基本的な考え方として、まず、その制御の体制を整えるため、帯状のラミネートフイルムの張力と帯状のラベル原反の張力を同等に調整するとよい。この調整はあくまでもラベルの反りの方向性を制御するための体制を整備するものであるから、反りの方向性の制御に支障が生じない程度で行えば足り、厳密な調整は必要でない。そして、上記のように整備された制御体制下で、積極的にラベルに反りを形成する。この意図的に設けられるラベルの反りは、ラミネートローラと圧胴ローラのそれぞれの軸芯を相対的にずらすことにより形成される。例えば、内反りのラベル製品を得たい場合は、ラミネートローラの軸芯と圧胴ローラの軸芯を結ぶ線分が上記圧胴ローラの軸芯を基準に上記搬送方向上流側に傾くように、両軸芯を相対的にずらす。一方、外反りのラベル製品を得たい場合は、上記両軸芯を結ぶ線分が上記圧胴ローラの軸芯を基準に上記搬送方向下流側に傾くように、上記ラミネートローラの軸芯を圧胴ローラの外周方向にずらせばよい。
本発明によると、ラミネートローラと圧胴ローラのそれぞれの軸芯を相対的にずらすことにより、ラベル原反とラミネートフイルムの貼り合わせ品から得られるラベル製品の反りの方向が制御される構成を採用したため、当該ラベル製品の反りの方向性を積極的に制御することが可能となり、ラベル製品の機械貼りや手貼り作業に応じて好適な反りのあるラベル製品を意図的に製造することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のラミネート装置を適用したラベル印刷機の概要の説明図、図2は、図1のラベル印刷機に適用されているラミネート装置等の斜視図、図3は、図1のラベル印刷機の各ステージを通過するラベル原反、ラミネートフイルム、または、ラベル原反とラミネートフイルムの貼り合わせ品の状態を示した説明図、図4は、図1のラベル印刷機に適用されているラミネート装置の動作説明図である。
図1のラベル印刷機1は、繰り出しローラ部2と巻き取りローラ部3とにより、その繰り出しローラ部2から巻き取りローラ部3の方向へ帯状のラベル原反Hを搬送するように構成されている。従って、同図のラベル印刷機1においては、繰り出しローラ部2側から巻き取りローラ部3側へ向かう方向が、帯状のラベル原反Hの搬送方向Lとなる。
帯状のラベル原反Hは、粘着剤層5を介してラベル基材4が剥離紙6に仮着され(図3(a)参照)、この状態でロール状に巻き取られている。本実施形態では、そのラベル原反Hのロール(以下「ラベル原反ロール7」という)を繰り出しローラ部2の前方にセットし、このセットしたラベル原反ロール7からラベル原反Hを引き出して繰り出しローラ部2に供給するものとしている。
繰り出しローラ部2は、図示しないモータによって駆動される駆動ローラ2−2と、ラベル原反Hを駆動ローラ2−2に挟み込むニップローラ2−1から構成されており、同様に巻き取りローラ部3も、図示しないモータによって駆動される駆動ローラ3−2と、ラベル原反Hを駆動ローラ3−2に挟み込むニップローラ3−1から構成され、帯状のラベル原反Hは、繰り出しローラ部2から巻き取りローラ部3までの範囲において、それらのローラ部2、3によって所定の張力が付与されるように調整される。
本実施形態のラベル印刷機1には、帯状のラベル原反Hの搬送方向L上流から下流に向かって順に、印刷ステージS1、ラミネートステージS2、ダイカットステージS3、カス上げステージS4が設けられている。
これらのステージS1〜S4の概略を説明すると、印刷ステージS1では、繰り出しローラ部2から帯状のラベル原反Hが繰り出され、その帯状のラベル原反Hの上面に印刷を行う(図3(b)参照)。この印刷の手段は、凸版印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機等の印刷機、または、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタ、レーザプリンタ等の周知のプリンタを使用することができる。
ラミネートステージS2において、帯状のラミネートフイルム原反Iは、ラミネートフイルム基材Jと粘着剤層17によって構成されたラミネートフイルム8と、前記粘着剤層17側に剥離フイルム18が仮着された状態(図3参照)でロール状に巻き取られ、ラミネートフイルム原反ロール19としてローラRにセットされる(図1参照)。そして、このラミネートステージS2においては、印刷ステージS1から繰り出された印刷後の帯状のラベル原反Hの印刷面に、前記ラミネートフイルム8を貼り合わせる(図3(c)(d)参照)。
ダイカットステージS3では、平圧ダイカット装置9によって、ラミネートステージS2で帯状のラベル原反Hと帯状のラミネートフイルム8が貼り合わせられた貼り合わせ品に、ハーフカットを施す(図3(e)参照)。すなわち、ダイカットステージS3では、図示しないカッター刃によって、ラミネートフイルム8側から、剥離紙6に達するまで所定形状の切り込みを施し、最終的なラベル製品の輪郭C(図2参照)を形成する。
本実施形態では、上記輪郭Cすなわちダイカットラインより内側の領域が最終的なラベル製品10となり(図3(g)参照)、それ以外のラミネートフイルム8が貼り合わせられたラベル基材4と粘着剤層5は、カス部11として次のカス上げステージS4で除去される(図3(f)参照)。そして、上記ラベル製品10は、剥離紙6に仮着された状態のまま、巻き取りローラ部3を経由して最終的に製品巻き取りロール12に巻き取られる。
上記ラミネートステージS2を詳細に説明すると、本実施形態のラミネートステージS2にはラミネート装置14が設けられている。ラミネート装置14は、その基本構造として、印刷後の帯状のラベル原反Hと帯状のラミネートフイルム8とを、ラミネートローラ15と圧胴ローラ16との間に挟み込んで貼り合わせる構成を採用している。このラミネートローラ15と圧胴ローラ16は、その外周面どうしがラベル原反Hとラミネートフイルム8を介して互いに対向するように配置されるとともに、それぞれの軸芯15−1、16−1を中心に回転可能に設けられている。ラベル原反Hとラミネートフイルム8との貼り合わせの際は、圧胴ローラ16側にラベル原反Hが接し、ラミネートローラ15側にラミネートフイルム6−1が接する。圧胴ローラ16は、図示しないモータにより回転駆動されるが、ラミネートローラ15は、動力による回転駆動のないフリーのローラとして構成される。
上記ローラRにセットされたラミネートフイルム原反Iは、図示しないモータによって駆動されるラミネートフイルム繰り出しローラ22−1、ニップローラ22−2によってラミネートフイルム原反ロール19から繰り出され、その繰り出し方向下流側に設けられた張力付与アーム20の先端のダンサローラ23と、ローラ24に掛け回され、上下一対の剥離ローラ25−1、25−2間を通ってラミネートローラ15と圧胴ローラ16との間へ供給される。そのとき、ラミネートフイルム8に仮着されていた剥離フイルム18は、剥離ローラ25−1を境に上方へ剥がされ、剥離紙巻き取りロール26に巻き取られる。
前記帯状のラミネートフイルム8は、張力付与アーム20に取り付けられたバネ21によって所定の張力が付与される構造となっており、ラベル原反Hにも前記繰り出しローラ部2、巻き取りローラ部3によってそれと同等の張力が付与される。
また、本実施形態のラミネート装置14には反り制御手段27が設けられている。反り制御手段27は、ラミネートローラ15と圧胴ローラ16のそれぞれの軸芯15−1、16−1の位置をラベル原反の搬送方向に相対的にずらすことにより、ラベル原反Hとラミネートフイルム8の貼り合わせ品から得られるラベル製品10の反りの方向を制御する手段である。
上記のように、ラミネートローラ15と圧胴ローラ16のそれぞれの軸芯15−1、16−1(以下、ラミネートローラ15の軸芯15−1を「ラミネートローラ軸芯15−1」といい、圧胴ローラ16の軸芯16−1を「圧胴ローラ軸芯16−1」という)の位置を相対的にずらす構造として、本実施形態の反り制御手段27においては、圧胴ローラ軸芯16−1の位置を固定(基準)とし、かつ、第1及び第2のアーム28、29を用いてラミネートローラ軸芯15−1の位置を圧胴ローラ16の外周に沿ってずらす構造を採用している。この構造において、圧胴ローラ軸芯16−1は、ラベル原反Hの側方に設けられた支持板30に取り付けられ、その位置が固定されている。第1のアーム28は、圧胴ローラ軸芯16−1に対してラベル原反Hの搬送方向上流側に配置されるとともに、上記支持板30に第1のボルト28−1で取り付けられ、第2のアーム29は、第1のアーム28の第1のボルト28−1の他端側に第2のボルト29−1で取り付けられる。そして、この第2のアーム29の第2のボルト29−1の他端側にラミネートローラ軸芯15−1を取り付けた構造を採用している。従って、第1及び第2のボルト28−1、29−1を緩めることによって、圧胴ローラ軸芯16−1を基準にラミネートローラ軸芯15−1を圧胴ローラ16の外周方向に所定量ずらすことができる。
図4(b)に示したように、ラミネートローラ軸芯15−1と圧胴ローラ軸芯16−1とを結ぶ線分Mが、圧胴ローラ軸芯16−1を基準としてラベル原反Hの搬送方向L上流側に傾くように、ラミネートローラ軸芯15−1を圧胴ローラ16の外周に沿ってずらすことによって、最終的なラベル製品10の反りは、いずれのラベル製品10でも、常時、図5のように内反りとなる。これとは逆の方向すなわち図4(c)に示したように、前記線分Mが圧胴ローラ軸芯16−1を基準としてラベル原反Hの搬送方向L下流側に傾くように、ラミネートローラ軸芯15−1を圧胴ローラ16の外周に沿ってずらすことによって、最終的なラベル製品10の反りは、いずれのラベル製品10でも、常時、図6のように外反りとなる。
従って、図5のような内反りのラベル製品10を得たい場合には、意図的に図4(b)のようにラミネートローラ軸芯15−1と圧胴ローラ軸芯16−1の位置を相対的にずらせばよく、また、図6のような外反りのラベル製品10を得たい場合には、意図的に図4(c)のようにラミネートローラ軸芯15−1と圧胴ローラ軸芯16−1の位置を相対的にずらせばよい。
ラミネートローラ軸芯15−1と圧胴ローラ軸芯16−1の位置を図4(b)のように相対的にずらした場合と、図4(c)のように相対的にずらした場合とでは、ラベル製品10の反りの方向性が異なる。このような現象が生じるのは、各軸芯15−1、16−1の相対的な位置ずれの方向に応じて、帯状のラベル原反Hと帯状のラミネートフイルム8の貼り合わせ点Pが異なることが一つの要因と考えられる。それ以外の他の要因としては、ラミネートローラ15と圧胴ローラ16との間からラベル原反Hとラミネートフイルム8の貼り合わせ品が出てくるときの、出口直前のローラ形状が最終製品としてのラベル製品10に転写されるとも考えられる。すなわち、図4(b)に示すように各軸芯15−1、16−1の位置を相対的にずらした場合は、圧胴ローラ16の上部外周円弧面が出口直前のローラ形状となる。このローラ形状はラベル製品10の内反りと同じ方向に湾曲しており、この湾曲形状がラベル製品10に転写されることから、ラベル製品10の反りはいずれも内反りになるものと考えられる。一方、図4(c)に示すように各軸芯15−1、16−1の位置を相対的にずらした場合は、ラミネートローラ15の下部外周円弧面が出口直前のローラ形状となる。このローラ形状はラベル製品10の外反りと同じ方向に湾曲しており、この湾曲形状がラベル製品10に転写されることから、ラベル製品10の反りはいずれも外反りになるとものと考えられる。
実験結果によると、ラベル製品10に内反り、外反りを積極的に形成するために必要なラミネートローラ軸芯15−1と圧胴ローラ軸芯16−1の相対的な位置ずれ量は、ラベル原反Hの搬送方向に対して最小で1mm〜3mm程度あれば足りる。また、そのずれ量は、最大で“ラミネートローラの半径+圧胴ローラの半径”とする。
上記実施形態では、圧胴ローラ16をモータ(図示省略)で回転駆動し、ラミネートローラ15をフリーのローラとしたが、圧胴ローラ16とラミネートローラ15の双方を回転駆動のローラとしてもよい。
本実施形態では、例えば、図4のようにラミネートローラ軸芯15−1と圧胴ローラ軸芯16−1の位置が相対的にずれた状態で、ラミネートローラ15と圧胴ローラ16が接触している例を説明したが、ラミネートローラ15と圧胴ローラ16が非接触の状態であっても、それが接触している場合と同様に、ラベル製品10の反りを内反りや外反りに制御することができる。
図1は、本発明のラミネート装置を適用したラベル印刷機の概要の説明図である。 図2は、図1のラベル印刷機に適用されているラミネート装置等の斜視図である。 図3は、図1のラベル印刷機の各ステージを通過するラベル原反、ラミネートフイルム、または、ラベル原反とラミネートフイルムの貼り合わせ品の状態を示した説明図であり、(a)は図1中の(a)部、(b)は図1中の(b)部、(c)は図1中の(c)部、(d)は図1中の(d)部、(e)は図1中の(e)部、(f)は図1中の(f)部、(g)は図1中の(g)部にそれぞれ対応する図である。 図4は、図1のラベル印刷機に適用されているラミネート装置の動作説明図であり、(a)は、ラミネートローラ軸芯と圧胴ローラ軸芯がずれていない従来のラミネート装置の説明図、(b)は、ラミネートローラ軸芯と圧胴ローラ軸芯を結ぶ線分Mが搬送方向L上流側に傾くように、ラミネートローラ軸芯を圧胴ローラの外周方向にずらした状態の説明図、(c)は、同線分Mが搬送方向L下流側に傾くように、ラミネートローラ軸芯を圧胴ローラの外周方向にずらした状態の説明図である。 図5は内反りのラベルの説明図である。 図6は外反りのラベルの説明図である。 図7は、機械貼りの一例の説明図であり、(a)は、内反りのラベルを機械貼りするときの状態の説明図、(b)は、外反りのラベルを機械貼りするときの状態の説明図である。 図8は、手貼り作業の一例の説明図であり、(a)は、外反りのラベルを手貼りするときの状態の説明図、(b)は、内反りのラベルを手貼りするときの状態の説明図である。
符号の説明
1 ラベル印刷機
8 ラミネートフイルム
9 平圧ダイカット装置
10 ラベル製品
14 ラミネート装置
15 ラミネートローラ
15−1 ラミネートローラの軸芯(ラミネートローラ回転軸)
16 圧胴ローラ
16−1 圧胴ローラの軸芯(圧胴ローラ回転軸)
27 反り制御手段
H ラベル原反
I ラミネートフイルム原反
L 搬送方向
M ラミネートローラ回転軸と圧胴ローラ回転軸を結ぶ線分
P 帯状のラベル原反と帯状のラミネートフイルムの貼り合わせ点

Claims (6)

  1. 搬送方向に沿って搬送される帯状のラベル原反と帯状のラミネートフイルムとを、ラミネートローラと圧胴ローラとの間に挟み込んで貼り合わせる構造のラミネート装置において、
    上記ラミネートローラと圧胴ローラのそれぞれの軸芯を上記ラベル原反の搬送方向に相対的にずらすことにより、上記ラベル原反と上記ラミネートフイルムの貼り合わせ品から得られるラベル製品の反りの方向を制御する反り制御手段を設けたこと
    を特徴とするラミネート装置。
  2. 搬送方向に沿って搬送される帯状のラベル原反と帯状のラミネートフイルムとを、ラミネートローラと圧胴ローラとの間に挟み込んで貼り合わせるのにあたり、上記圧胴ローラ側に上記ラベル原反が接し、上記ラミネートローラ側に上記ラミネートフイルムが接するようにしてそれらを挟み込んで貼り合わせる構造のラミネート装置において、
    上記ラベル製品の反りを内反りとする場合は、上記ラミネートローラの軸芯と上記圧胴ローラの軸芯を結ぶ線分が上記圧胴ローラの軸芯を基準に上記ラベル原反の搬送方向上流側に傾くように、上記ラミネートローラの軸芯を上記圧胴ローラの外周に沿ってずらし、一方、上記ラベルの反りを外反りとする場合には、上記両軸芯を結ぶ線分が上記圧胴ローラの軸芯を基準に上記ラベル原反の搬送方向下流側に傾くように、上記ラミネートローラの軸芯を上記圧胴ローラの外周に沿ってずらすこと
    を特徴とするラミネート装置。
  3. 上記帯状のラミネートフイルムを上記帯状のラベル原反と同等の張力に調整する張力調整手段を具備すること
    を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のラミネート装置。
  4. 帯状のラベル原反の搬送方向上流から下流に向かって順に、印刷ステージ、ラミネートステージを有し、上記印刷ステージには、上記帯状のラベル原反の表面に印刷を行う印刷手段が設けられ、上記ラミネートステージには、上記印刷ステージから繰り出された印刷後の帯状のラベル原反の印刷面に帯状のラミネートフイルムを貼り合わせるラミネート装置が設けられるラベル印刷機において、
    上記ラミネート装置は、
    上記帯状のラベル原反と上記帯状のラミネートフイルムとを、ラミネートローラと圧胴ローラとの間に挟み込んで貼り合わせる構造であって、
    上記ラミネートローラと圧胴ローラのそれぞれの軸芯を上記ラベル原反の搬送方向に相対的にずらすことにより、上記ラベル原反と上記ラミネートフイルムの貼り合わせ品から得られるラベル製品の反りの方向を制御する反り制御手段を具備すること
    を特徴とするラベル印刷機。
  5. 帯状のラベル原反の搬送方向上流から下流に向かって順に、印刷ステージ、ラミネートステージを有し、上記印刷ステージには、上記帯状のラベル原反の表面に印刷を行う印刷手段が設けられ、上記ラミネートステージには、上記印刷ステージから繰り出された印刷後の帯状のラベル原反の印刷面に帯状のラミネートフイルムを貼り合わせるラミネート装置が設けられるラベル印刷機において、
    上記ラミネート装置は、
    上記帯状のラベル原反と上記帯状のラミネートフイルムとを、ラミネートローラと圧胴ローラとの間に挟み込んで貼り合わせるのにあたり、上記圧胴ローラ側に上記ラベル原反が接し、上記ラミネートローラ側に上記ラミネートフイルムが接するようにしてそれらを挟み込んで貼り合わせる構造のラミネート装置において、
    上記ラベル製品の反りを内反りとする場合は、上記ラミネートローラの軸芯と上記圧胴ローラの軸芯を結ぶ線分が上記圧胴ローラの軸芯を基準に上記ラベル原反の搬送方向上流側に傾くように、上記ラミネートローラの軸芯を上記圧胴ローラの外周に沿ってずらし、一方、上記ラベル製品の反りを外反りとする場合には、上記両軸芯を結ぶ線分が上記圧胴ローラの軸芯を基準に上記ラベル原反の搬送方向下流側に傾くように、上記ラミネートローラの軸芯を上記圧胴ローラの外周に沿ってずらすこと
    を特徴とする請求項4に記載のラベル印刷機。
  6. 上記帯状のラミネートフイルムを上記帯状のラベル原反と同等の張力に調整する張力調整手段を具備すること
    を特徴とする請求項4または5のいずれかに記載のラベル印刷機。
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