JPH1044267A - 枚葉ラベルの製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 枚葉ラベルの生産性を向上させるために、
長尺状の粘着シートを枚葉ラベルに裁断するためのカッ
ター手段の回転速度を速めても、枚葉ラベルの全量を、
カッター手段から引き取り手段に的確にに引き取ること
のできる枚葉ラベルの製造装置を提供すること。 【解決手段】 長尺状の粘着シート３を枚葉に裁断す
るカッター手段１を有する枚葉ラベル３Ａの製造装置に
おいて、前記カッター手段１と、カッター手段１から送
り出された枚葉ラベル３Ａを引き取るための引き取り手
段２との間に、該カッター手段１によって裁断した枚葉
のラベル３Ａを引き取り手段２に導くための案内板４を
設けてなる枚葉ラベルの製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、枚葉に裁断した枚
葉ラベルの製造装置に関し、例えばダイカットロール等
のカッター手段で枚葉に裁断された枚葉ラベルを、引き
取りロールに的確に導くためのガイドを備えてなる枚葉
ラベルの製造装置である。

【０００２】

【従来の技術】枚葉に裁断された枚葉ラベルの製造装置
は、長尺状の粘着シートに必要に応じて印刷を付する印
刷手段、必要に応じて印刷されたラベルを所定の枚葉に
裁断するカッター手段、裁断されたラベルを搬送する搬
送手段、及び裁断されたラベルを収納するラベル収納部
を有している。

【０００３】［図４］は、従来のこの種の枚葉ラベルの
製造装置の製造ラインを示す概略の説明図であり、粘着
剤層を有する基材シートを剥離シートに対して剥離可能
に積層した長尺状の粘着シート６における基材シート面
に、必要に応じて印刷手段によって印刷を施した後、こ
れをダイカットロールのようなカッター手段７により所
定の枚葉に裁断して枚葉ラベル６Ａを製造している。

【０００４】なお、［図４］に示したカッター手段は、
ダイカットロールであり、必要に応じて基材シート面に
印刷した長尺状の粘着シート６に対して、ラベルの使用
者が切り込みを利用して剥離シートから剥離して単一の
ラベルにするための単一のラベルの輪郭形状をなすハー
フカット部分と、長尺状の粘着シート６を枚葉ラベル６
Ａにするための完全カット部分とを形成し得るラベルカ
ッター手段である。

【０００５】次いで、このラベルカッター手段７によっ
て枚葉に裁断した枚葉ラベル６Ａを、ロール状のラベル
引き取り手段８によってカッター手段７から引き取り、
さらに搬送手段９に移送し、最後にラベル収納手段によ
って所定の箇所に枚葉ラベル６Ａを収納するようにして
ある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記カッタ
ー手段７によって枚葉に裁断された枚葉ラベル６Ａは、
カッター手段７で裁断されたときに、上向き又は下向き
に湾曲するいわゆるトップカール又はバックカールを生
じ易く、しかも、ここで発生するカールは、カールの強
弱やカールの方向等がしばしば変化するものであり、発
生するカールの性質は一定していない。

【０００７】なお、粘着シート６を枚葉ラベル６Ａに裁
断したときに該枚葉ラベル６Ａに発生する上記のカール
は、粘着シート６を形成している紙、合成紙、プラスチ
ックフィルム等からなる基材シートの材質、同じく粘着
シート６を形成している剥離シートの材質、つまり紙、
ポリプロピレン系樹脂による合成紙、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレン、ポリプロピレン等による
フィルム、及びこれらを積層した積層シート等に必要に
応じてシリコーン樹脂等の剥離処理を施してなる剥離シ
ートの材質、長尺状の粘着シート６の製造過程や貯蔵過
程で受ける歪み、及び長尺状の粘着シート６を枚葉ラベ
ル６Ａにする際に、粘着シート６がカッター手段７に到
達する前迄の工程で受ける物理的影響等に起因するもの
である。

【０００８】前記のトップカール又はバックカールを生
じた枚葉ラベル６Ａは、各枚葉ラベル６Ａの先端部が、
粘着シート６を枚葉ラベル６Ａにするときの粘着シート
の不要部分を分離するための分離ロール１０に到達する
前に、カッター手段７と分離ロール１０との間の隙間に
落下してしまうことがあり、該枚葉ラベル６Ａが的確に
引き取り手段８に引き取られずに、製造ラインの機械の
隙間にもぐり込んでしまうという問題を生ずる。

【０００９】特に、カッター手段７の回転速度を高める
ことによって枚葉ラベル６Ａの製造効率を上げようとす
ると、この枚葉ラベル６Ａがカッター手段７と分離ロー
ル１０との間の隙間に落下する度合いが高くなる。

【００１０】このため、カッター手段７の回転速度を、
枚葉ラベル６Ａが引き取りロール８に的確に引き取られ
るような速度に抑える必要があることから、カッター手
段７の回転速度を速めて枚葉ラベル６Ａの生産効率を高
くする手段を採ることができない。

【００１１】従って本発明の目的は、枚葉ラベルの生産
性を向上させるためにカッター手段の回転速度を速めて
も、枚葉ラベルの全量を、カッター手段から引き取り手
段に適切に引き取ることのできる枚葉ラベルの製造装置
を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明者は、カッター手段の回転速度と枚葉ラベル
のトップカール又はバックカールとの関係に着目し、次
の構成による枚葉ラベルの製造装置にすることによって
所期の目的を達成し得ることを確認した。

【００１３】すなわち本発明は、長尺状の粘着シートを
枚葉ラベルに裁断するカッター手段と、該カッター手段
により裁断された枚葉ラベルを搬送手段まで引き取る引
き取り手段と、該枚葉ラベルを搬送する搬送手段と、搬
送された枚葉ラベルを収納する収納手段とを有する枚葉
ラベルの製造装置において、前記カッター手段と引き取
り手段との間に、該カッター手段によって裁断された枚
葉ラベルを引き取り手段に導くための案内板を設けてな
る枚葉ラベルの製造装置からなる。

【００１４】なお、上記のカッター手段は、ダイカット
ロールであることが好ましい。又、上記の案内板は、平
板でもよいが、上方に凸状或いは凹状に湾曲した案内
板、又は上方に凸状に湾曲した案内板と下方に凸状に湾
曲した案内板とを凸面同士が互いに向き合うようにして
配置した案内板であることが好ましい。

【００１５】

【作用】上記の構成による本発明の枚葉ラベルの製造装
置は、上記カッター手段と引き取り手段との間に、カッ
ター手段によって裁断された枚葉ラベルを引き取り手段
に導くための案内板を設けてなるものである。この結
果、カッター手段によって裁断された枚葉ラベルにバッ
クカールやトップカールが生じているときにおいて、カ
ッター手段の回転速度を速めることによって枚葉ラベル
の生産効率を高めても、カッター手段から送り出された
枚葉ラベルの先端部が、前記案内板のガイド作用によっ
てそのまま的確に引き取り手段まで確実に搬送される。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の枚葉ラベルの製造
装置の具体的な構成を、図示実施例に基づいて説明す
る。

【００１７】［図１］は、本発明の枚葉ラベルの製造装
置の１実施例を示す概略説明図であり、［図２］は、本
発明の枚葉ラベルの製造装置における案内板上に裁断さ
れた枚葉ラベルが送り出されてきた状態を示す斜面図で
あり、［図３］は、本発明の枚葉ラベルの製造装置にお
ける案内板の他の実施例を示す斜面図である。

【００１８】なお［図１］において、ダイカットロール
１は、従来のカッター手段と同一のものであり、ダイカ
ットロール１で裁断された枚葉ラベル３Ａを引き取るた
めの引き取りロール２や、引き取りロール２で引き取っ
た枚葉ラベル３Ａを搬送する搬送手段５も従来のものと
同様の構造からなる。

【００１９】印刷機（図示せず）によって長尺状の粘着
シート３の表面である基材シート面に必要に応じて印刷
を付した後に、該長尺状の粘着シート３をダイカットロ
ール１に連続的に供給する。

【００２０】このダイカットロール１によって、単一の
ラベルの輪郭形状をなすハーフカット部分Ｈと、完全に
打ち抜かれた完全カット部分からなる裁断部分とが形成
され、長尺状の粘着シート３が完全に打ち抜かれた裁断
部分によって分断され、枚葉ラベル３Ａになる。

【００２１】ダイカットロール１は回転ドラム１ａと１
ｂとからなり、回転ドラム１ａにカッターが備えられて
おり、これらの両ドラム１ａ、１ｂの反時計回り回転に
よって長尺状の粘着シート３を、［図２］に示すような
所定の枚葉（例えばＢ６版等）に裁断する構造と、長尺
状の粘着シート３の基材シートと粘着剤層のみをカット
してハーフカット部分Ｈを形成する構造とを有してい
る。

【００２２】このダイカットロール１に必要に応じて付
された印刷済みの長尺状の粘着シート３を連続的に供給
すると、この供給された粘着シート３は、所定のサイズ
の枚葉からなり、かつ、使用者が使用に際してハーフカ
ット部分Ｈを利用して剥離シートから剥離してラベルと
して使用し得るタイプの枚葉ラベル３Ａになる。

【００２３】なおこのときに、ダイカットロール１で枚
葉に裁断された残りの粘着シート３の不要部分は、該ダ
イカットロール１の下方に落下して除去される。

【００２４】ここで、ダイカットロール１により所定形
状の枚葉に裁断された枚葉ラベル３Ａは、前記ダイカッ
トロール１のドラムの回転速度が速ければ速いほど、送
り出されてくる枚葉ラベル３Ａの先端部の上，下方向の
振れが大きくなるために、カールを生じた枚葉ラベル３
Ａの送り方向の先端部が引き取りロール２によって引き
取られる前に、下方に落下してしまうことが多くなる。

【００２５】なお、引き取りロール２は、枚葉に裁断さ
れた枚葉ラベル３Ａを搬送手段５に搬送するためのラベ
ル引き取り装置であり、回転ドラム２ａと２ｂとを備え
てなるものである。

【００２６】しかして、本発明の枚葉ラベルの製造装置
においては、カールした枚葉ラベル３Ａの先端部が引取
りロール２に到達する前に下方に落下するのを防止する
ために、上記ダイカットロール１と引き取りロール２と
の間に、枚葉ラベル３Ａを引き取りロール２に適切に引
き取るための案内板４を設けてある。

【００２７】この案内板４はその送り方向の先端部が引
取りロール２に近接して配置されている。これによって
案内板４によって案内された枚葉ラベル３Ａは確実に引
取りロール２に引き取られる。

【００２８】［図１］に示した枚葉ラベルの製造装置に
使用した上記の案内板４は、［図２］に示すように、上
方に湾曲した凸板からなる案内板であり、例えばラベル
３Ａの隅部が下面側に垂れ下がるようにトップカールし
た枚葉ラベル３Ａは、該ラベル３Ａの先端部が前記案内
板４の中央部の湾曲部分に当接し、かつ、該ラベル３Ａ
がそのまま案内板４上をスライドして引き取りロール２
のドラム２ａ、２ｂの間に引き込まれる。即ち、枚葉ラ
ベル３Ａの先端部がカール状態でダイカットロール１か
ら送られてきても、送り方向の先端部が確実に案内板４
上に移送され、且つ、該案内板４に案内されて引取りロ
ール２に確実に導かれる。

【００２９】前記案内板４は、［図２］に示すような形
状に限らず、平板であってもよく、又例えば［図３］に
示すように、上方に凸状に湾曲した案内板と下方に凸状
に湾曲した案内板とを、凸面同士が互いに向き合うよう
にして配置した案内板であってもよい。

【００３０】ここで、上記［図３］に示す１対の凸板を
互いに凸面同士が向かい合うようにして配置した案内板
を使用した枚葉ラベルの製造装置においては、枚葉ラベ
ル３Ａの隅部が上面側に捲れ上がるようにバックカール
しているときには、上側に配置してある案内板の凸面に
よってラベル３Ａを案内するようにし、又、枚葉ラベル
３Ａの隅部が下面側に垂れ下がるようにトップカールし
ているときには、下側の案内板の凸面によってラベル３
Ａを案内するようにするのがよい。

【００３１】更に又、前記案内板４は、上，下又は前，
後方向に移動調節可能な機構にすることにより、枚葉ラ
ベル３Ａのカールの状態に適合する位置に該案内板４を
移動させて使用することもできる。

【００３２】更に案内板４は、例えばステンレルスチー
ル製あるいはテフロン加工等による離形性樹脂の塗膜を
形成したものにすることにより、押圧によって枚葉ラベ
ル３Ａの切断端面からはみ出してくる粘着剤によって、
ラベル３Ａが案内板４にスティッキングするのを防止す
ることが好ましい。

【００３３】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の枚葉ラ
ベルの製造装置は、カッター手段と引き取り手段との間
に、カッター手段によって裁断された枚葉ラベルを引き
取り手段に的確に導くための案内板を設けてなるもので
ある。

【００３４】これによって、回転速度の高いカッター手
段によって裁断された枚葉ラベルにトップカールやバッ
クカールが生じていても、カッター手段から送り出され
た枚葉ラベルの送り方向の先端部が、前記案内板による
ガイドによってそのまま引き取り手段まで的確に搬送さ
れ、カッター手段の回転速度を速めてラベルの生産性を
向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の枚葉ラベルの製造装置の１実施例を示
す概略の説明図である。

【図２】本発明の枚葉ラベルの製造装置における案内板
上に枚葉に裁断された枚葉ラベルが送り出されてきた状
態を示す斜面図である。

【図３】本発明の枚葉ラベルの製造装置に使用する案内
板の他の実施例を示す斜面図である。

【図４】従来の枚葉ラベルの製造装置の製造ラインを示
す概略の説明図である。

【符号の説明】

１・・・・・・・・カッター手段としてのダイカットロール ２・・・・・・・・引き取り手段としての引き取りロール ３・・・・・・・・長尺状の粘着シート ３Ａ・・・・・・・・枚葉に裁断した枚葉ラベル ４・・・・・・・・案内板 ５・・・・・・・・枚葉ラベルを搬送する搬送手段 Ｈ・・・・・・・・ハーフカット部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺状の粘着シートを枚葉ラベルに
   裁断するカッター手段と、該カッター手段により裁断さ
   れた枚葉ラベルを搬送手段まで引き取る引き取り手段
   と、該枚葉ラベルを搬送する搬送手段と、搬送された枚
   葉ラベルを収納する収納手段とを有する枚葉ラベルの製
   造装置において、前記カッター手段と引き取り手段との
   間に、カッター手段によって裁断された枚葉ラベルを引
   き取り手段に導くための案内板を設けたことを特徴とす
   る枚葉ラベルの製造装置。
2. 【請求項２】 上記カッター手段が、ダイカットロ
   ールであることを特徴とする請求項１に記載の枚葉ラベ
   ルの製造装置。
3. 【請求項３】 上記案内板が、上方に凸状或いは凹
   状に湾曲した案内板であることを特徴とする請求項１又
   は請求項２に記載の枚葉ラベルの製造装置。
4. 【請求項４】 上記案内板が、上方に凸状に湾曲し
   た案内板と下方に凸状に湾曲した案内板とを、凸面同士
   が互いに向き合うようにして配置した案内板であること
   を特徴とする請求項１又は請求項２に記載の枚葉ラベル
   の製造装置。