JP4510981B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気的に書き換え可能な記憶手段を備えたインクカートリッジを用いるインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置は、印刷データに対応した駆動信号を記録ヘッド内のアクチェータに供給し、記録ヘッドよりインク滴を吐出させることで、記録媒体上にインクドットの集合として印刷が実行される。そして、記録ヘッドにはインクを貯留したインクカートリッジより連続的にインクが供給されるように構成されている。
【0003】
また、前記した記録装置に用いられるインクカートリッジに、電気的に書き換え可能な記憶手段を具備させて、カートリッジを記録装置に装填した場合において、各種の情報を書き込みまたは読み出しがなされるように構成したものが提案されている。
【0004】
前記したようなインクカートリッジを用いた場合には、当該インクカートリッジのインク残量もしくはインク使用量などの情報を前記記憶手段に書き込むことができるため、例えばインクカートリッジを交換して使用する場合、あるいは他の記録装置にも共用しようとする場合においては、個々にインク残量等の情報を把握することが可能となり、前記したような運用を図る上で好都合となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したようなインクカートリッジを交換して用いようとする場合、また他の記録装置にも共用しようとする場合においては、インク容量がエンド状態となったインクカートリッジも混在する可能性があり、したがって、場合によってはインクエンド状態のカートリッジを誤って装填して印刷動作を実行させようとする問題が発生する。
【0006】
特に、後述する実施の形態に示したような格別な機能を持たせた記録装置においては、インクカートリッジを装填した場合において、当該カートリッジがインクエンド状態であるか否かの検証に時間を要する場合がある。
【0007】
そして、インクエンド状態であると検証された場合には、他のカートリッジを再び装填させて印刷を実行させることとなるが、この場合においてもカートリッジの装填後にある程度のイニシャライズ動作が必要であることから、結局印刷動作の開始に遅れが生ずるという問題を抱えている。
【0008】
本発明は、前記したような問題点に着目してなされたものであり、インクカートリッジを交互に交換して印刷を実行することができる記録装置、あるいはインクカートリッジを他の記録装置にも共用しようとする場合において発生する前記したような問題点を解消することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット式記録装置は、印刷データに基づいてインク滴を吐出させることで記録媒体に印刷を行なうインクジェット式記録装置であって、記録ヘッドと、記録ヘッドに供給するインクを貯留し、電気的に書き換え可能な記憶手段を備えたインクカートリッジを着脱可能に装填するカートリッジホルダと、カートリッジホルダに装填された状態のインクカートリッジの記憶手段に対して情報の書き込みおよび読み出しを行なう書き込み読み出し手段と、記録ヘッドと共にキャリッジ上に搭載され、インクカートリッジから補給されるインクを記録ヘッドに供給するためのサブタンクと、サブタンク内に貯留されたインクの消費量を演算するインク消費量演算手段と、サブタンク内に所定の量までインクが補給されたことを検出するインク量検出手段と、インク消費量演算手段により演算されたインクの消費量が所定の値に達した場合に、インクカートリッジからサブタンクに対してインクを補給すべく開弁制御され、インク量検出手段によりサブタンク内に所定の量までインクが補給されたことを検出した場合に閉弁制御されるインク補給バルブと、インク補給バルブの開弁時から計時を開始する計時手段とを具備し、書き込み読み出し手段は、少なくとも印刷データに基づく記録ヘッドからのインク滴の吐出数、フラッシング動作による記録ヘッドからのインク滴の吐出数、および記録ヘッドからインクを吸引排出させるクリーニング操作の実行毎のインクの排出処理に基づいて、それぞれ係数を乗じた演算結果から得られたインクカートリッジのインク残量もしくはインク使用量の情報を記憶手段に書き込むと共に、計時手段により予め定められた時間を計時したにもかかわらずインク量検出手段による検出出力が得られない場合であって、かつ、インクカートリッジに備えられインクカートリッジのインク量の減少を物理的に検出するインク残量検出手段がインクカートリッジのインクエンド状態を検出した場合に、インクカートリッジがインクエンド状態であると判定し、インクエンド情報を記憶手段に書き込むように構成されたことを要旨とする。
【0013】
この場合、前記サブタンク内に所定の量までインクが補給されたことを検出するインク量検出手段は、好ましくはサブタンク内に収容されてサブタンクに補給されたインクによって浮上するフロート部材と、フロート部材の浮上位置にしたがって電気的な出力を発生する出力発生手段により構成される。
【0015】
一方、前記書き込み読み出し手段は、好ましくはインクエンド情報をインクエンドフラグとして前記記憶手段に書き込むように構成される。また、前記インクカートリッジのインクエンド状態を検出した時点において、インクカートリッジのインク残量、もしくはインク使用量の情報を、当該インクカートリッジのインクエンドの状態に相当するインク残量の値、もしくはインクエンドの状態に相当するインク使用量の値に書き換えることによって、インクエンド情報とするように構成させることもできる。
【0016】
この場合、インクの消費により、前記インクカートリッジのインクエンドの状態に相当するインク残量の値、もしくはインクエンドの状態に相当するインク使用量の値に近付いた場合には、インクエンドの状態に相当する前記値への歩進が停止されるように構成させることが望ましい。
【0017】
さらに、好ましい実施の形態によると、前記インクカートリッジからサブタンクに至るインク補給路が、可撓性のインク補給チューブにより構成される。また、前記インクカートリッジは、その外郭が気密状態に形成され、内部にインクを封入した可撓性素材により形成されたインクパックが収納されると共に、インクカートリッジの外郭構成部材とインクパックとで形成される空間内に、空気加圧ポンプにより生成される空気圧が印加され、空気圧の作用によりインクカートリッジからサブタンクに対してインクを補給するように構成される。
【0018】
以上のように構成されたインクジェット式記録装置によると、装填されたインクカートリッジのインクエンド状態を検出した時点で、インクエンド情報を当該インクカートリッジに具備された記憶手段に書き込むように構成したので、当該カートリッジを取り外し、誤って再び装填した場合等においては、インクエンド情報を即座に読み出すことができる。
【0019】
この場合、カートリッジのインクエンド状態を検出する手段として、カートリッジ内のインク量の減少を物理的に検出するようにした構成を採用することができるが、この場合においては機構的なバラツキ等の影響を受けるために、カートリッジ内に相当のインク量が残された状態でインクエンドのサインを出すような運用をせざるを得ない。
【0020】
そこで、インクカートリッジからサブタンクに対するインクの補給時間が所定の時間を経過しても、サブタンクに対するインクの補給量が不十分な場合において、カートリッジがインクエンド状態であると判定する手段を利用することにより、インクカートリッジ内のインクがほぼ皆無となる状態まで使いきることができる。
【0021】
そして、そのインクエンド情報がインクカートリッジに具備された記憶手段に書き込まれるので、このインクエンド状態のカートリッジを再び用いようとする場合には、前記したような所定の時間を要するインクエンドの検証を経ることなく、即座にカートリッジがインクエンド状態であることを認識することが可能となる。
【0022】
この場合のインクエンド情報としては、前記記憶手段に対して単独の情報、すなわちインクエンドフラグとして持たせるようにすることができる。しかしながら、インクカートリッジのインク残量、もしくはインク使用量の情報を、当該インクカートリッジのインクエンドの状態に相当するインク残量の値、もしくはインクエンドの状態に相当するインク使用量の値に書き換える操作を実行することで、記憶手段に対して実質的にインクエンドの情報としてのデータを書き込むことができる。このような操作を実行させる場合には、前記したインクエンドフラグによる管理を省略させることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインクジェット式記録装置について、図に示す好ましい実施の形態に基づいて説明する。まず、図1はインクジェット式記録装置の全体構成を上面図によって示したものである。図1において符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ2によって駆動されるタイミングベルト3を介し、走査ガイド部材4に案内されて紙送り部材5の長手方向、すなわち記録用紙の幅方向である主走査方向に往復移動されるように構成されている。そして、図1には示されていないが、キャリッジ1の紙送り部材5に対向する面には、後述するインクジェット式記録ヘッド6が搭載されている。
【0024】
また、キャリッジ1には前記記録ヘッドにインクを供給するためのサブタンク7a〜7dが搭載されている。このサブタンク7a〜7dは、この実施の形態においては、その内部において各インクを一時的に貯留するために、それぞれのインク(例えばブラックインク、イエロー、シアン、マゼンタの各カラーインク)に対応して4個具備されている。
【0025】
そして、このサブタンク7a〜7dに対して、カートリッジホルダ8に装填された各インクカートリッジ(以下、これをメインタンクとも言う)9a〜9dから、インク補給路を構成する可撓性のインク補給チューブ10,10,……をそれぞれ介して、ブラックインクおよび各カラーインクが補給されるように構成されている。
【0026】
一方、前記キャリッジ1の移動経路上における非印字領域(ホームポジョン)には、記録ヘッドのノズル形成面を封止することができるキャッピング手段11が配置されており、さらにこのキャッピング手段11の上面には、前記記録ヘッドのノズル形成面に密着して封止し得るゴム等の弾性素材により形成されたキャップ部材11aが配置されている。そして、キャリッジ1がホームポジョンに移動したときに、前記キャップ部材11aによって、記録ヘッドのノズル形成面が封止することができるように構成されている。
【0027】
このキャップ部材11aは、記録装置の休止期間中において記録ヘッドのノズル形成面を封止し、ノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する。また、このキャップ部材11aには、後述する吸引ポンプ(チューブポンプ)におけるチューブの一端が接続され、吸引ポンプによる負圧を記録ヘッドに作用させて、記録ヘッドからインクを吸引排出させるクリーニング動作が実行されるように構成されている。
【0028】
そして、キャッピング手段11に隣接した印字領域側には、ゴム等の弾性素材を短冊状に形成したワイピング部材12が配置されていて、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面を払拭して清掃することができるようにも構成されている。
【0029】
次に図2は、図1に示した記録装置に搭載されたインク補給システムの構成を模式的に示したものであり、このインク補給システムについて、同一符号で示した図1と共に説明する。図1および図2において、符号21は空気加圧ポンプを示しており、この空気加圧ポンプ21により加圧された空気は、圧力調整弁22に供給され、さらに圧力検出器23を介して前記した各メインタンク9a〜9d(図2においては代表して符号9として示しており、以下において代表して単に符号9として説明する場合もある。)にそれぞれ供給されるように構成されている。
【0030】
この場合、前記圧力検出器23から各メインタンク9に対して空気流路が分岐され、カートリッジホルダ8に装填された状態の各メインタンクに対して、それぞれ加圧空気が印加されるように構成されている。
【0031】
前記圧力調整弁22は、空気加圧ポンプ21によって加圧された空気圧が、何らかの障害により過度の状態に達した時に、圧力を開放して各メインタンク9a〜9dに加わる空気圧が所定の範囲に維持できる機能を有している。
【0032】
さらに、前記圧力検出器23は、空気加圧ポンプ21によって加圧された空気圧を検知し、空気加圧ポンプ21の駆動を制御するように機能する。すなわち、空気加圧ポンプ21によって加圧された空気圧が所定の圧力に達したことを検出した場合には、空気加圧ポンプ21の駆動を停止させると共に、圧力検出器23によって空気圧が定められた圧力以下となったことを検出した場合には、空気加圧ポンプ21を駆動させるように制御し、この繰り返しによって前記した各メインタンク9a〜9dに加わる空気圧が所定の範囲に維持されるように機能する。
【0033】
前記メインタンク9は、その概略構成が図2に示されたように、その外郭を構成するケースが気密状態に形成されており、その内部にはインクを封入した可撓性素材により形成されたインクパック24が収納されている。そして、メインタンク9とインクパック24とで形成される空間が圧力室25を構成しており、この圧力室25内に、圧力検出器23を介した加圧空気が供給されるように構成されている。
【0034】
この構成により、各メインタンク9a〜9dに収納された各インクパック24は、それぞれ加圧空気による加圧を受け、各メインタンク9a〜9dから各サブタンク7a〜7dに対して所定の圧力によるインク流が発生されるようになされる。
【0035】
なお、インクカートリッジとしての前記メインタンク9には、図3にも示されたようにそのケースの一部にメインタンク9に関する情報を記録することができる電気的に書き換え可能な記憶手段を構成する記憶素子27が配置されており、この記憶素子27には、後述するように当該メインタンクにおけるインク残量、もしくはインク使用量の情報、また必要に応じてインクエンド情報としてのインクエンドフラグが書き込まれる。そして図2に示されたように、この記憶素子27に対して情報を書き込みまたは読み出しするための端子28がメインタンク9の一部に配置されており、メインタンク9を記録装置に装填した場合において、記録装置側と電気的に接続されて前記したメインタンクのインク残量等に関する情報の授受がなされるように構成されている。
【0036】
また、前記メインタンク9内には、図3にも示されたようにメインタンク9に貯留されたインク量が所定の値以下となったことを検出するインク残量検出手段を構成する検出スイッチ29を具備させる場合もある。この場合、前記したインクパック24の一面は、例えば両面接着シート24aによって、メインタンク9を構成するケースの内面に貼り付けられ、またインクパック24の他面には作動板24bが同様に貼り付けられてた構成とされる。この構成により、インクパック24に封入されたインクの量が少なくなった場合において、インクパック24の収縮に伴い、前記作動板24bの一部が前記検出スイッチ29を例えばオン状態とするように作用する。
【0037】
図2に示されたように前記スイッチ29のオン・オフ情報が導出される端子30がメインタンク9の一部に配置されており、メインタンク9を記録装置に装填した場合において、記録装置側と電気的に接続できるように構成される。
【0038】
一方、前記各メインタンク9a〜9dにおいて加圧されたインクは、それぞれ各インク補給バルブ26,26……および各インク補給チューブ10,10,……を介して、キャリッジ1に搭載された各サブタンク7a〜7d(図2においては代表して符号7として示しており、以下において代表して単に符号7として説明する場合もある。)に供給されるように構成されている。
【0039】
図2に示すサブタンク7の構成についての詳細な説明は後述するが、その基本構成は、内部にフロート部材31が配置されており、そのフロート部材31の一部には永久磁石32が取り付けられている。そして、ホール素子に代表される磁電変換素子33a,33bが基板34に装着されて、サブタンク7の側壁に添接されている。
【0040】
この構成により、フロート部材31に配置された永久磁石32と、フロート部材の浮上位置にしたがった前記永久磁石32による磁力線量に応じて、前記ホール素子33a,33bにより電気的出力が発生される出力発生手段が構成されており、前記フロート部材31を含めてサブタンク内のインク量検出手段を構成している。
【0041】
この実施の形態においては、前記したインク量検出手段は各メインタンク9から各サブタンク7に対してインクが補給されて、サブタンク内のインク量が所定の容量(ほぼ満タン状態)に達した状態を検知するように利用されており、この場合において前記したホール素子33a,33bの電気的出力に基づいて前記インク補給バルブ26が閉弁されるように構成されている。
【0042】
一方、この実施の形態においては、後述するようにサブタンク内のインク消費量を演算するインク消費量演算手段が備えられており、この演算手段によりサブタンク内のインク消費が進んだと判定された場合には、前記インク補給バルブ26を開弁制御するように構成されている。これにより、メインタンク9内で加圧されているインクは、インクの消費が進んだそれぞれのサブタンク7内に個別に送出される。
【0043】
そして、当該サブタンク7内におけるインク量が所定の容量に達した場合には、前記したとおりフロート部材を含むインク量検出手段からの出力に基づいて、前記インク補給バルブ26が閉弁される。このような繰り返しにより、メインタンクからサブタンクに対して断続的にインクが補給されるように作用し、各サブタンクには常に一定の範囲のインクが貯留されるようになされる。
【0044】
また、図2に示されたように各サブタンク7からは、バルブ35およびこれに接続されたチューブ36を介して記録ヘッド6に対してインクが供給されるように構成されており、記録ヘッド6の図示せぬアクチェータに供給される印刷データに基づいて、記録ヘッド6のノズル形成面に形成されたノズル開口6aより、インク滴が吐出されるように作用する。なお、図2において符号11は、前記したキャッピング手段を示しており、このキャッピング手段11に接続されたチューブは後述する吸引ポンプ(チューブポンプ)に接続されている。
【0045】
次に図4および図5は、前記したサブタンクの実施の形態を示したものであり、図4はサブタンクの一部の構成を割愛し、これを一面方向から視た斜視図で示しており、また図5は同方向から視た透視図で示している。なお、図4および図5において、既に説明した各部に相当する部分は、同一符号で示されている。
【0046】
サブタンク7は、ほぼ直方体状に形成され、且つ全体が偏平状になされている。このサブタンク7の外郭は、一側壁41aとこれに連なる周側壁41bとが一体に形成された箱状部材41により構成されており、この箱状部材41の開口周縁には、例えば透明な樹脂素材によるフィルム状部材42(図5参照)が熱溶着手段により密着状態に取り付けられ、箱状部材41とフィルム状部材42とにより囲まれた内部に、インク貯留空間43が形成されている。
【0047】
そして、箱状部材41を構成する前記一側壁41aからインク貯留空間43に向かって突出する支持軸44が箱状部材41と一体に形成されており、フロート部材31は、この支持軸44を回動中心として、インク貯留空間43内において重力方向に可動できるように配置されている。
【0048】
なお、この実施の形態においては、前記支持軸44はインク貯留空間43における水平方向の端部近傍に配置されており、前記フロート部材31は、前記支持軸44を回動中心として可動される支持腕部材45の可動自由端側に一体に形成されている。
【0049】
そして、図5に示されたように前記支持腕部材45の自由端側に、前記した永久磁石32が取り付けられており、この永久磁石32は、支持腕部材45がほぼ水平状態となされた時に、インク貯留空間43における水平方向の他端部近傍に位置するよう、すなわちサブタンク7の側壁に添接された基板34に装着されたホール素子33a,33bに最も接近されるように構成されている。
【0050】
一方、前記サブタンク7には、その重力方向の低部、すなわちこの実施の形態においては周側壁41bの底部にインク補給口46が形成されており、このインク補給口46に接続された前記チューブ10を介してメインタンク9よりインク貯留空間43内に、インクが補給されるように構成されている。
【0051】
サブタンク7におけるインク補給口46が、前記したとおり重力方向の低部に形成されることにより、メインタンクからのインクは、インク貯留空間43の底部から補給され、したがって、インクの補給に際してインク貯留空間43内においてインクの泡立ちが発生しないように配慮されている。
【0052】
さらに、前記サブタンク7内には、フロート部材31および支持腕部材45の移動領域を避けた部分にキャリッジの移動に伴いサブタンク内のインクの波打ちの発生程度を低減させる複数条のリブ部材47が配置されている。なお、この実施の形態においては、各リブ部材47はサブタンク7を構成する箱状部材41の一側壁41aからインク貯留空間43に向かってそれぞれ突出するように、一側壁41aをベースとして一体に成形されている。
【0053】
このリブ部材47の存在により、前記したとおりサブタンク内のインクの波打ちの発生程度を低減させることができ、これにより、ホール素子によるサブタンク7内のインクの貯留量の検出精度を向上させることができる。
【0054】
また、サブタンク7内には、図5に示されたようにインク補給口46に近接してインク導出口48が形成されている。そして、このインク導出口48を覆うように、五角形(ホームベース状)を形成する異物トラップ用のフィルタ部材49が配置されており、したがって、サブタンク7内に貯留されたインクは、このフィルタ部材49を介してインク導出口48に導かれるようになされる。
【0055】
前記インク導出口48より導出されるインクは、側壁41aの裏面側を経由してサブタンク7の下底部に配置された前記バルブ35に至るように構成されている。そして、バルブ35を介したインクは同様に側壁41aの裏面側を経由して記録ヘッド6に接続されるチューブ36の接続口53に導かれるように構成されている。
【0056】
一方、サブタンク7の上半部には、図4および図5に示されたようにインク貯留空間43に導通する導通溝61が傾斜状態に形成されており、この導通溝61の上端部、すなわちサブタンク7の重力方向の高部には、サブタンク7の側壁41aの裏面に貫通する大気連通口62が形成されている。なお、この大気連通口62はその裏面において、大気を通過させると共にインクの通過を阻止する撥水膜によって閉塞されている。
【0057】
なお、図5に示されたように前記サブタンク7の側壁にはホール素子33a,33bの位置決めを行う凹部41cが形成され、この位置決めのための凹部41cを形成することによって、サブタンク7の側壁部はより薄肉状態とされ、前記フロート部材31に取り付けられた永久磁石32の移動軌跡とホール素子33a,33bとの距離が、より接近できるように構成されている。
【0058】
これにより、ホール素子33a,33bによる永久磁石32の磁力線の検出感度を向上させると共に、サブタンク7内のインク量に応じたフロート部材31の重力方向への移動によるインク量検出精度も向上させることができる。
【0059】
また、サブタンク7の一部には貫通穴67が形成されている。したがって、各サブタンク7の貫通穴67を貫通する1本の支持軸(図示せず)を利用することによって、各サブタンクを並列状態に配列することができ、これによりサブタンクユニットが構成できるようになされている。
【0060】
図6は、前記した構成の記録装置に搭載され、カートリッジのインクエンド判定手段を構成する制御回路の一例を示している。なお図6においては、すでに説明した各部に相当する部分を同一符号で示しており、したがって重複する説明は省略する。また、図6に示されたようにキャッピング手段6には前記した吸引ポンプ15が接続されており、この吸引ポンプ15の排出側は廃液タンク16に接続されている。
【0061】
図6において、符号70は印刷制御手段であり、この印刷制御手段70はホストコンピュータからの印刷データに基づいてビットマップデータを生成し、このデータに基づいてヘッド駆動手段71により駆動信号を発生させて、キャリッジ1に搭載された記録ヘッド6からインクを吐出させる機能を備えている。ヘッド駆動手段71は、印刷データに基づく駆動信号の他に、フラッシング制御手段72からのフラッシング指令信号を受けてフラッシング操作のための駆動信号を記録ヘッド6に出力するようにも構成されている。
【0062】
符号73はクリーニング制御手段であり、このクリーニング制御手段73はクリーニング指令検知手段74からの制御信号を受けて、ポンプ駆動手段75を制御し、吸引ポンプ15を駆動させる機能を備えている。そして、記録装置の操作パネル等に配置されたクリーニング指令スイッチ76を操作することにより、前記クリーニング指令検知手段74が動作し、マニュアルによるクリーニング操作が実行されるように構成されている。
【0063】
また、クリーニング制御手段73は印刷制御手段70より制御信号を受けるようにも構成されており、これにより同様にポンプ駆動手段75を制御して、吸引ポンプ15を駆動させるクリーニング操作機能を備えている。
【0064】
一方、前記印刷制御手段70、フラッシング制御手段72、およびクリーニング制御手段73よりそれぞれインク消費量演算手段77に対して制御信号が供給されるように構成されている。このインク消費量演算手段77はサブタンク7内に貯留されたインク消費量を演算する機能を有しており、印刷データに基づく印刷制御手段70によりなされる記録ヘッドからのインク滴の吐出数、フラッシング制御手段72よりなされるフラッシング動作による記録ヘッドからのインク滴の吐出数、またクリーニング制御手段73によりなされる記録ヘッドからインクを吸引排出させるクリーニング操作が実行される毎に、それぞれのデータがインク消費量演算手段77に供給されるようになされる。
【0065】
そして、これらのデータを受けたインク消費量演算手段77は、印刷の実行による記録ヘッドからのインク滴の吐出数、フラッシング動作による記録ヘッドからのインク滴の吐出数、またクリーニング操作の実行毎のインクの排出処理に基づいて、それぞれ係数設定手段78にアクセスして、それぞれに対応する係数を乗算させることによりサブタンク7におけるインクの消費量を演算する。
【0066】
このようにして演算されたサブタンク7におけるインクの消費量は、サブタンクのインク消費カウンタ79に送られて、カウントアップ(加算)するように作用する。そして、当該カウントアップ値が所定の数値に達した場合には、サブタンク7内のインク量が低減した状態であり、したがって、インク補給バルブ26が開弁制御されてメインタンクからサブタンクに対してインクを補給するように作用する。
【0067】
このインクの補給によって、サブタンク7内のインク容量が所定の値(ほぼ満タン状態)になったことが、前記ホール素子33a,33bによる電気的出力によって検出されると、前記したとおりインク補給バルブ26が閉弁制御され、これと同時にサブタンクのインク消費カウンタ79は、その計数値がリセットされるようになされる。
【0068】
一方、前記サブタンクのインク消費カウンタ79よりメインタンクの残量カウンタ80に対してサブタンクにおけるインク消費量の情報が転送されるように構成されている。また、メインタンクの残量カウンタ80には、装填されたメインタンクに搭載された前記記憶素子27に格納されたメインタンクのインク残量に関するデータが、書き込み読み出し手段81を介して予めセットされている。
【0069】
そして、リセットされる直前におけるサブタンクのインク消費カウンタ79による計数値が、前記メインタンクの残量カウンタ80に送られて、メインタンクのインク残量を示す計数値から、サブタンクのインク消費カウンタ79による計数値が減算されるように構成されている。これにより、メインタンクの残量カウンタ80はインクの消費に応じて減算され、その数値データは書き込み読み出し手段81を介してメインタンクに搭載された前記記憶素子27に書き込まれる。
【0070】
なお、前記メインタンクの残量カウンタ80は、インク残量に応じた数値データを扱う代わりに、メインタンクのインク使用量としての数値データを扱うようにしても同様に機能する。
【0071】
一方、前記サブタンクのインク消費カウンタ79より、インク補給バルブ26を開弁制御させるために送出される制御信号は、計時手段82に供給されるように構成されている。計時手段82はインク補給バルブ26の開弁動作と同時に計時を開始する。そして、サブタンク7がほぼ満タン状態になされた時に発生する前記ホール素子33a,33bによる出力を受けるように構成されている。
【0072】
ここで、前記計時手段82はインク補給バルブ26を開弁制御させるために送出される制御信号を受けて計時を開始し、所定時間が経過したにもかかわらず、サブタンク7がほぼ満タン状態になされた時に発生する前記ホール素子33a,33bによる出力が到来しない場合において、メインタンクがインクエンド状態であることを示すメッセージ等を表示手段83に表示させるように構成されている。
【0073】
すなわち、前記した記録装置においては、メインタンクの圧力室内に加圧空気が供給され、この加圧空気によって各メインタンクから各サブタンクに対してインクを補給するように構成されており、したがって、サブタンクに対するインクの補給開始からほぼ満タン状態になされる時間は、設計上において判明しており、この時間を大きく超えた状態においても、サブタンクに対するインクの補給が不十分な場合においては、メインタンクがインクエンド状態であると推定することができる。
【0074】
このようにしてメインタンクがインクエンド状態であることが検出された場合には、前記したようにメインタンクがインクエンド状態であることを示すメッセージ等を表示手段83に表示させると共に、記録装置の印刷動作を停止させるように制御される。これにより、サブタンク内のインクまで空状態にする問題を回避することができ、記録ヘッドのインク供給路に気泡が入り込むのを効果的に阻止させることができる。さらに、メインタンクにおけるインクは、ほぼ空状態となるまで使いきることができ、ランニングコストや廃棄されるインクカートリッジ内の残留インクの処理等の負担を軽減することができる。
【0075】
そして、計時手段82からはインクエンド情報がメインタンクの残量カウンタ80に送られ、この残量カウンタ80を経由してインクエンド状態を示すインクエンドフラグを、書き込み読み出し手段81を介してメインタンクに搭載された前記記憶素子27に書き込むことができる。これにより、当該メインタンクを再び記録装置に装填した場合には、前記インクエンドフラグを読み出すことによって、メインタンクがインクエンド状態であることを即座に認識することができる。
【0076】
この場合、インクエンド情報として前記したようなインクエンドフラグを利用することなく、次のような制御手段を採用することで、実質的にメインタンクのインクエンド情報をメインタンクに搭載された前記記憶素子27に書き込むことができる。
【0077】
すなわち、計時手段82よりインクエンド情報が残量カウンタ80に送られた時点において、残量カウンタ80においてはメインタンクのインク残量、もしくはインク使用量の情報を、当該メインタンクのインクエンドの状態に相当するインク残量の値(例えば“0”の数値情報)、もしくはインクエンドの状態に相当するインク使用量の値(例えばメインタンクのインク容量が100ccであるならば、“100”の数値情報)に書き換える操作を実行する。そして、書き換えられた値を書き込み読み出し手段81を介してメインタンクに搭載された前記記憶素子27に書き込むようになされる。
【0078】
この結果、当該メインタンクを再び記録装置に装填した場合には、メインタンクのインク残量値が“0”であることを読み出すことができ、これにより装填されたメインタンクはインクエンド状態であることを即座に認識することができる。また、前記残量カウンタ80がインク使用量の情報を扱う場合においては、インク使用量の値を読み出した場合において、その使用量が前記したように“100”に達していれば、装填されたメインタンクはインクエンド状態であることを即座に認識することができる。
【0079】
なお、インク消費量演算手段77の機能を利用して、残量カウンタ80における数値データを歩進制御する前記した実施の形態によると、インク消費量演算手段77によるインク消費量の測定誤差により、正真なインクエンド状態ではない場合においても、前記したインク残量値が“0”に達する場合が有り得る。また正真なインクエンド状態ではない場合においても、同様にインク使用量の値が、メインタンクのインク容量である“100”に達する場合も有り得る。
【0080】
したがって、このような状態における数値データを、そのままメインタンクに搭載された記憶素子27に書き込む制御がなされた場合には、当該メインタンクが正真なインクエンド状態とならない場合であっても、データ上ではインクエンド状態と認識されるという問題が発生する。
【0081】
このような問題を解決するためには、図6に示された残量カウンタ80においては、インクの消費により、インクエンドの状態に相当するインク残量の値、例えば“0”に近付いた場合には、インクエンドの状態に相当する前記値への歩進が停止されるように制御することが望ましい。そして、計時手段82よりインクエンドの情報が到来した時に、インクエンドの状態に相当するインク残量の値、すなわち“0”に書き換えるように構成することで、インクの残量がほぼ空状態となされた状態で、正確にインクエンド情報をメインタンクに搭載された記憶素子27に書き込むことができる。
【0082】
同様に、残量カウンタ80においてインク使用量の情報を扱う場合には、残量カウンタ80においては、インクの消費によりインクエンドの状態に相当するインク使用量の値に近付いた場合、例えば前記したように“100”に近付いた場合には、インクエンドの状態に相当する前記値への歩進が、例えば“99”で停止させるように制御される。そして、計時手段82よりインクエンドの情報が到来した時に、インクエンドの状態に相当するインク使用量の値、すなわち“100”に書き換えるように構成することで、インクの残量がほぼ空状態となされた状態で、正確にインクエンド情報をメインタンクに搭載された記憶素子27に書き込むことができる。
【0083】
ところで、前記した構成によるメインタンクのインクエンド検出手段によると、例えばメインタンクからサブタンクに至るインクの補給経路や、加圧空気の供給経路に何らかの障害が発生した場合には、誤ってメインタンクがインクエンド状態であると認識する可能性がある。図7に示した制御ルーチンは、このような問題を回避できるように構成されている。以下この制御ルーチンを示すフローチャートに基づいて、図6に示す制御回路と共にその作用を説明する。
【0084】
メインタンクのインクエンド状態を検出するには、まずステップS11に示されたように、印刷等に使用したインク量をサブタンク内インク消費カウンタに加算する操作が実行される。これは、図6に示されたインク消費量演算手段によって演算されたサブタンク内のインクの消費量を、サブタンクのインク消費カウンタ79に送り、そのインク消費量を加算させるようになされる。そして、ステップS12においてサブタンク内インク消費カウンタが所定値(A)以上であるか否かが検証される。
【0085】
これは、図6に示されたサブタンクのインク消費カウンタ79の計数値が、所定の値(A)を超えているか否かを検証するものであり、所定の値(A)を超えていない(No)と判定された場合には、サブタンク内のインク容量に余裕があるということになる。したがって、前記所定の値(A)を超えるまで、リターンされて前記ステップS11とステップS12のルーチンが繰り返される。
【0086】
そして、前記ステップS12において、サブタンクのインク消費カウンタ79の数値が、所定の値(A)を超えたと判定された場合には、ステップS13に移り、サブタンクへのインク補給動作が開始される。これは、前記インク補給バルブ26が開弁制御されることによってなされる。続いてステップS14においてサブタンクへのインク補給が完了したか否かの検証がなされる。これは、前記したとおり、ホール素子33a,33bによる出力が利用される。
【0087】
このステップS14による検証と並行して、ステップS18においてサブタンクへのインク補給動作が開始された時より所定時間が経過したか否かの検証も開始される。これは図6に示された計時手段82によってなされる。そして、所定時間の経過以前にサブタンクへのインク補給が完了した(Yes)と判定されると、ステップS15においてインク補給動作を停止する制御がなされる。これは前記したとおり、インク補給バルブ26を閉弁制御することによりなされる。
【0088】
そして、ステップS16においてサブタンク内インク消費カウンタ79をリセットさせる操作が実行され、これに続くステップS17において、インクカートリッジのインク残量カウンタ80から前記(A)を減算する操作がなされる。
【0089】
これにより、サブタンクに対してインクを補給した1回分のインク量が減算され、その減算結果(換言すればメインタンクのインク残量)がインクカートリッジのインク残量カウンタ80にセットされる。
【0090】
一方、前記ステップS14において、サブタンクへのインク補給が完了せず(No)に、しかもステップS18において所定時間が経過したと判定された場合には、メインタンクが空状態となったことが推定される。そこで、ステップS19においてサブタンクへのインクの補給動作を停止させる操作が実行される。
【0091】
続いて、ステップS20においてカートリッジのインク残量カウンタ80は所定値以下であるか否かを判定する操作がなされる。ここで、インクカートリッジのインク残量カウンタ80が所定値以下に達していない状態(Noの状態)、換言すれば、カートリッジ内にインクが相当に残されている状態にもかかわらず、前記したようにサブタンクへのインクの補給が所定時間内に完了しない場合は、例えばインクの補給経路または加圧空気の供給経路等に何らかのトラブルが発生していると見なすことができ、この場合には表示手段83にエラー表示を行なうようになされる。
【0092】
また、前記ステップS20においてカートリッジのインク残量カウンタ80が所定値以下に達した(Yes)と判定された場合には、インクカートリッジが間違いなくエンド状態になったと判定するようになされ、この場合には表示手段83にインクエンドを示す表示を行なうようになされる。すなわち、前記したステップS20による判定手段を備えることにより、メインタンクのインクエンド状態を正しく認識することができる。
【0093】
以上説明した実施の形態においては、インクカートリッジにおけるインク残量の情報をインクカートリッジとしてのメインタンクを構成するケースの一部に配置した記憶素子27から読み出し、この情報からサブタンクのインク消費量を減算させて、当該インクカートリッジのインク残量情報として利用するようにしている。しかしながら、インクカートリッジにおけるインク残量情報を把握する手段としては、例えば図2および図3に示したようにインクカートリッジ内に配置された検出スイッチ29を利用することができる。
【0094】
この場合、図7に示すステップS20において、前記検出スイッチ29によるカートリッジのインク残量の情報が利用され、エラー状態か真正のインクエンド状態かを判定する情報として利用される。
【0095】
また、以上説明した実施の形態においてはインクカートリッジの圧力室に加圧空気を導入してサブタンクにインクを補給するように構成されているが、本発明はこのような形態の記録装置以外にも利用することができる。例えばサブタンク内が負圧となるように吸引してインクを補給するような記録装置、あるいはインクカートリッジとサブタンクとの間に水頭差を持たせてインクカートリッジ側からサブタンクに対してインク流を発生させる記録装置においては、カートリッジのインク残量検出手段として、図8乃至図10に示すような物理的な検出手段を利用することができる。
【0096】
まず、図8はインクカートリッジ9のケースを透明樹脂で成形し、このケースの下側部付近を挟むようにして光源86および光感知センサ87を配置した構成を示している。図8(a)に示すようにカートリッジ9内にインクが多量に収容されている場合には、前記光源86からの投射光が遮断されるため、センサ87は投射光を感知することができない。また、図8(b)に示すようにカートリッジ9内のインクが所定値よりも減少した場合には、透明樹脂で成形されたケースを介して光源86からの投射光をセンサ87が感知することができ、インク残量が所定値よりも少ないことが判定される。
【0097】
また、図9は同じくインクカートリッジ9のケースを透明樹脂で成形し、その下底部と側壁部との間の隅角部にプリズム部85を形成した構成とされている。すなわち、光源86からプリズム部85への入射角と、プリズム部85からセンサ87に至る出射角は、それぞれθ(=45度)の角度となるように構成されている。そして、カートリッジ9内のインクと、ケースを構成する樹脂との屈曲率により決定される全反射の臨界角と、空気とケースを構成する樹脂との屈曲率により決定される全反射の臨界角の相違によりインクカートリッジ内のインク残量を検出するようになされる。
【0098】
さらに、図10はインクカートリッジ9のケースの下底面の近傍にインクの貯留空間に向かって一対の電極端子90a,90bが埋設した構成とされており、一方の電極端子90aに対して定電圧源91から所定の電圧が印加されるように構成されている。また、他方の電極端子90bには基準電位(アース)との間に抵抗素子92が接続されており、この抵抗素子92に生ずる電位を検出する電圧検出器93が前記他方の電極端子90bに接続されている。
【0099】
この構成により、インクカートリッジ内におけるインクが、前記一対の電極端子90a,90bを導通させる程度以上の容量のインクがインクカートリッジ内に残されている場合においては、電圧検出器93において所定以上の電圧値が検出される。また、インクカートリッジ内におけるインク残量がエンド状態に近い場合においては、前記電圧検出器93における電圧値は遥かに低下する。したがってこの構成を利用することによって、インクカートリッジ内のインク残量を検出することが可能となる。
【0100】
以上説明した図8乃至図10に示されたインクカートリッジのインク残量検出手段を、前記した図7におけるステップS20におけるカートリッジの残量カウンタの数値に置き換えて利用することで、インクカートリッジのインクエンド検出手段としての信頼性を確保することができる。
【0101】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明にかかるインクジェット式記録装置によると、インクカートリッジのインクエンド状態を検出した時点で、インクエンド情報をインクカートリッジに搭載された記憶手段に書き込むように構成されているので、インクカートリッジを交換して用いようとする場合、また他の記録装置にも共用しようとするような運用を図る場合において、装填されたカートリッジがインクエンド状態であるか否かを即座に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の全体構成を示した平面図である。
【図2】メインタンクから記録ヘッドに至るインク供給システムを示した模式図である。
【図3】図2に示されたインクカートリッジの構成を示した断面図である。
【図4】サブタンクの一部の構成を割愛し、これを一面方向から視た状態の斜視図である。
【図5】同じくサブタンクを一面方向から視た状態の透視図である。
【図6】図1に示されたインクジェット式記録装置に搭載された制御回路の構成を示したブロック図である。
【図7】図6に示す制御回路によってなされるカートリッジのインクエンド状態を検出する動作ルーチンを示したフローチャートである。
【図8】図7に示すインクエンド状態を検出する動作ルーチンにおいて利用し得る物理的なインク残量検出手段の第1の例を示した模式図である。
【図9】同じくインク残量検出手段の第2の例を示した模式図である。
【図10】同じくインク残量検出手段の第3の例を示した模式図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
6 記録ヘッド
7(7a,7b,7c,7d) サブタンク
8 カートリッジホルダ
9(9a,9b,9c,9d) メインタンク(インクカートリッジ)
10 可撓性チューブ(インク補給路)
11 キャッピング手段
12 ワイピング手段
15 吸引ポンプ
21 空気加圧ポンプ
22 圧力調整弁
23 圧力検出器
24 インクパック
24b 作動板
25 圧力室
26 インク補給バルブ
27 記憶素子
29 検出スイッチ
31 フロート部材
32 永久磁石
33(33a,33b) ホール素子
70 印刷制御手段
71 ヘッド駆動手段
72 フラッシング制御手段
73 クリーニング制御手段
74 クリーニング指令検知手段
75 ポンプ駆動手段
77 インク消費量演算手段
78 係数設定手段
79 サブタンクのインク消費カウンタ
80 メインタンクの残量カウンタ
81 書き込み読み出し手段
82 計時手段
83 表示手段
85 プリズム部
86 光源
87 光感知センサ
90a,90b 電極端子
91 定電圧源
93 電圧検出器
Claims (1)
- 印刷データに基づいてインク滴を吐出させることで記録媒体に印刷を行なうインクジェット式記録装置であって、
記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに供給するインクを貯留し、電気的に書き換え可能な記憶手段を備えたインクカートリッジを着脱可能に装填するカートリッジホルダと、
前記カートリッジホルダに装填された状態の前記インクカートリッジの記憶手段に対して情報の書き込みおよび読み出しを行なう書き込み読み出し手段と、
前記記録ヘッドと共にキャリッジ上に搭載され、前記インクカートリッジから補給されるインクを前記記録ヘッドに供給するためのサブタンクと、
前記サブタンク内に貯留されたインクの消費量を演算するインク消費量演算手段と、
前記サブタンク内に所定の量までインクが補給されたことを検出するインク量検出手段と、
前記インク消費量演算手段により演算されたインクの消費量が所定の値に達した場合に、前記インクカートリッジから前記サブタンクに対してインクを補給すべく開弁制御され、前記インク量検出手段により前記サブタンク内に所定の量までインクが補給されたことを検出した場合に閉弁制御されるインク補給バルブと、
前記インク補給バルブの開弁時から計時を開始する計時手段とを具備し、
前記書き込み読み出し手段は、少なくとも印刷データに基づく前記記録ヘッドからのインク滴の吐出数、フラッシング動作による前記記録ヘッドからのインク滴の吐出数、および前記記録ヘッドからインクを吸引排出させるクリーニング操作の実行毎のインクの排出処理に基づいて、それぞれ係数を乗じた演算結果から得られた前記インクカートリッジのインク残量もしくはインク使用量の情報を前記記憶手段に書き込むと共に、
前記計時手段により予め定められた時間を計時したにもかかわらず前記インク量検出手段による検出出力が得られない場合であって、かつ、前記インクカートリッジに備えられ前記インクカートリッジのインク量の減少を物理的に検出するインク残量検出手段が前記インクカートリッジのインクエンド状態を検出した場合に、前記インクエンド情報を前記記憶手段に書き込むように構成されたインクジェット式記録装置。
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