JP2000211151A - 記録装置におけるサブタンク内のインク充填完了検出方法および検出装置 - Google Patents

記録装置におけるサブタンク内のインク充填完了検出方法および検出装置

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JP2000211151A JP1314199A JP1314199A JP2000211151A JP 2000211151 A JP2000211151 A JP 2000211151A JP 1314199 A JP1314199 A JP 1314199A JP 1314199 A JP1314199 A JP 1314199A JP 2000211151 A JP2000211151 A JP 2000211151A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリッジに搭載されたサブタンクに対する
インクの充填完了状態を精度よく検出すること。 【解決手段】 メインインクタンク21からインクの供
給を受けて記録ヘッド6に対してインクを供給するサブ
タンク7は、記録ヘッド6と共にキャリッジに搭載され
ており、前記サブタンク7にはサブタンク内のインクが
所定以上となった時にエアーバルブ27を閉弁するフロ
ート部材24が配置されている。サブタンク7内にイン
クが充填されると、エアーバルブ27が閉弁されるた
め、圧力検出手段により構成されるインク充填完了検出
装置28が減圧状態を検知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はキャリッジ上に記録
ヘッドと共に搭載され、記録ヘッドにインクを供給する
サブタンクが具備され、前記サブタンクに対してインク
供給経路を介してメインインクタンクからインクを供給
するように構成したインクジェット式記録装置に関し、
特に前記サブタンクに対するインクの充填完了を検出す
る記録装置におけるサブタンク内のインク充填完了検出
方法および検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録装置は、印刷時の
騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で
形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多
くの印刷に使用されている。このようなインクジェット
式記録装置は、一般にキャリッジ上に搭載されて記録用
紙の幅方向に移動するインクジェット式記録ヘッドと、
記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送
り手段が備えられ、キャリッジ上で記録用紙の幅方向に
記録ヘッドを移動させながら記録用紙に対してインク滴
を吐出させることで記録が行われる。
【0003】そして共通のキャリッジ上に、例えばブラ
ックインクを吐出するブラック用記録ヘッドと、イエロ
ー、シアン、マゼンタの各インクの吐出が可能なカラー
用記録ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト
印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることに
より、フルカラー印刷を可能としている。
【0004】一方、オフィス用または業務用に提供され
るこの種の記録装置においては、比較的大量の印刷に対
応させるために、大容量のインクカートリッジを配備す
る必要が生じ、このためにインクカートリッジとしての
メインインクタンクを例えば装置外側部に配置した構成
の記録装置が提供されている。
【0005】そして、記録ヘッドが搭載されたキャリッ
ジ上に各インクに対応するサブタンクを配置して、前記
メインインクタンクから各サブタンクに対してそれぞれ
インク供給チューブを介して逐次インクを供給し、各サ
ブタンクからそれぞれ記録ヘッドに対してインクを供給
するように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記した構成のインク
ジェット式記録装置においては、メインインクタンクよ
り各サブタンクに対してインクを供給しつつ印字動作を
実行するものであり、それぞれのサブタンクにおけるイ
ンクの貯留量が減少した場合には、メインインクタンク
から当該サブタンクに対するインクの充填動作が実行さ
れ、またサブタンクに対して適切な量のインクが補給さ
れた時点でインクの充填動作が停止される。
【0007】このような制御を成すにあたっては、キャ
リッジに搭載されて移動するサブタンク内のインク量を
把握する必要があり、特にサブタンクに対するインクの
充填が完了したか否かを精度よく検出する必要がある。
【0008】本発明は前記したような技術的な要請に基
づいて成されたものであり、キャリッジに搭載されて移
動するサブタンクに対するインクの充填が完了したこと
を精度よく検出し、サブタンクへのインクの充填状態を
適切に管理し得るインク充填完了検出方法および検出装
置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ためになされた本発明にかかるインク充填完了検出方法
は、キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方向に往復駆
動される記録ヘッドと、前記記録ヘッドと共にキャリッ
ジに搭載され、メインインクタンクからインク供給経路
を介してインクの供給を受けると共に前記記録ヘッドに
インクを供給するサブタンクと、前記サブタンク内のイ
ンクが所定以下となった時に負圧発生手段に連通するエ
アーバルブを開弁状態としてサブタンク内を減圧状態と
し、前記サブタンク内に一定量のインクが充填された時
に負圧発生手段に連通するエアーバルブを閉弁状態とす
る減圧制御手段とを備えた記録装置におけるサブタンク
内のインク充填完了検出方法であって、前記サブタンク
から負圧発生手段に連通する減圧経路内の所定以上の圧
力低下を検出することで、前記メインインクタンクから
サブタンク内にインクが所定量充填されたことを検出す
るようになされる。
【0010】また、本発明にかかるインク充填完了検出
装置は、キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方向に往
復駆動される記録ヘッドと、前記記録ヘッドと共にキャ
リッジに搭載され、メインインクタンクからインク供給
経路を介してインクの供給を受けると共に前記記録ヘッ
ドにインクを供給するサブタンクと、前記サブタンク内
のインクが所定以下となった時に負圧発生手段に連通す
るエアーバルブを開弁状態としてサブタンク内を減圧状
態とし、前記サブタンク内に一定量のインクが充填され
た時に負圧発生手段に連通するエアーバルブを閉弁状態
とする減圧制御手段とを備えた記録装置におけるサブタ
ンク内のインク充填完了検出装置であって、前記サブタ
ンクから負圧発生手段に連通する減圧経路内の一部に配
置され、前記減圧経路内の所定以上の圧力低下を検出し
た場合に、電気的出力を発生する圧力検出手段とがさら
に具備され、前記圧力検出手段による電気的出力によっ
てサブタンク内へのインクの充填状態が完了したことを
判定するように構成される。
【0011】この場合、前記圧力検出手段には好ましく
は、サブタンクから負圧発生手段に連通する減圧経路の
一部を構成し、前記経路中の圧力変化に伴って変位可能
な可撓性の変位部材と、前記変位部材に付設され前記経
路中の圧力低下に伴い前記変位部材が変位する方向とは
逆の方向へ前記変位部材を付勢するばね部材と、前記変
位部材の変位を検出する変位検出手段とが備えられる。
【0012】そして、好ましくは前記変位検出手段が変
位部材に密着しているか否かに基づいて電気信号が生成
され、前記電気信号に基づいてサブタンク内へのインク
の充填状態が完了したことを判定するように構成され
る。また、好ましい実施の形態においては、前記変位検
出手段には、発光素子および受光素子が配置され、前記
変位部材が変位することによる受光素子の光検知によっ
て、電気的出力を生成するように構成される。
【0013】さらに、好ましい実施の形態においては、
前記ばね部材は、板状体から一体に延出され、それぞの
端部が前記板状体の一面方向に屈曲された複数の脚体よ
り構成され、前記各脚体の屈曲方向への復元力によって
ばね力を生成するように構成される。この場合、前記複
数の脚体の間において、減圧経路を形成するように構成
することが望ましい。
【0014】また、前記変位部材における変位検出手段
への対向面が、反射率の高いフィルム部材により構成さ
れていることが好ましく、さらに前記変位部材が透明の
フィルム部材により構成され、前記ばね部材を構成する
板状体が反射率の高い素材によって構成される場合もあ
る。
【0015】そして、前記したいずれのインク充填完了
検出装置を採用するにおいても、前記減圧制御手段は、
サブタンク内のインクによって浮上するフロート部材
と、前記フロート部材の一部に配置され、負圧発生手段
に連通するエアーバルブを択一的に開弁または閉弁状態
とするバルブ部材とを備えた構成を併用することが好ま
しい。
【0016】以上のようになされたインク充填完了検出
方法および検出装置においては、サブタンク内のインク
が所定以下となった時に負圧発生手段に連通するエアー
バルブを開弁状態としてサブタンク内を減圧状態とする
減圧制御手段が具備される。したがって、サブタンク内
には減圧制御手段の作用によってメインインクタンクよ
りインクが供給され、記録ヘッドに対してインクを供給
することができる。
【0017】また、前記減圧制御手段はサブタンク内に
一定量のインクが充填された時に負圧発生手段に連通す
るエアーバルブを閉弁状態とする機能も備えており、し
たがってサブタンク内にインクが充填され、所定の水位
まで達した場合においては、サブタンクから負圧発生手
段に連通する減圧経路内はより減圧される。したがって
前記減圧経路一部に配置された圧力検出手段は、この圧
力低下を検出して電気的出力を発生し、これによりサブ
タンクに対するインクの充填が完了したことが認識され
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるサブタンク
内のインク充填完了検出方法および検出装置について、
図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は、本発
明が適用され得るインクジェット式記録装置の一例を上
面図によって示したものである。図1において符号1は
キャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモー
タ2により駆動されるタイミングベルト3を介し、ガイ
ド部材4に案内されて紙送り部材5の長手方向に往復移
動されるように構成されている。そして、キャリッジ1
の記録用紙に対向する面には、インクジェット式記録ヘ
ッド6が搭載されている。
【0019】また、キャリッジ1の上部には前記記録ヘ
ッド6にインクを供給するためのサブタンク7が搭載さ
れている。このサブタンク7はこの実施の形態において
は、その内部において各インクを一時的に貯留するため
にそれぞれのインクに対応して4個具備されている。そ
して、このサブタンク7に対して装置の外側部に配置さ
れた後述するインクカートリッジとしてのメインインク
タンクからインク供給経路を構成する4本のチューブ
8,8,……をそれぞれ介し、ブラック、イエロー、マ
ゼンタおよびシアンの各インクが供給されるように構成
されている。
【0020】一方、前記各サブタンク7からは、各サブ
タンク7の内部を減圧状態とする後述する負圧発生手段
としての減圧ポンプに接続される1本の共通したエアー
チューブ9が導出されている。さらに、前記記録ヘッド
6の移動経路上の非印字領域には、記録ヘッド6のノズ
ルプレートを封止するキャッピング装置10が配置され
ている。このキャッピング装置10の上面には、キャリ
ッジ1が非印刷領域、すなわち図中右端に移動したとき
に、キャリッジ1の移動に追従して上方向に移動して前
記記録ヘッド6のノズルプレートを封止するキャップ部
材10aが配置されている。
【0021】このキャッピング装置10は、記録装置の
休止期間中において記録ヘッド6のノズルプレートを封
止し、ノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する
他、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加し
てインク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク
受けとして機能し、さらに後述する吸引ポンプによる負
圧を記録ヘッドに作用させて、記録ヘッドからインクを
吸引するクリーニング動作を実行させる機能も兼ね備え
ている。
【0022】そして、前記キャップ部材10aの内部空
間には、図には示されていないが、吸引ポンプ(チュー
ブポンプ)におけるチューブの一端がそれぞれ接続さ
れ、また吸引ポンプを介したチューブの他端は、それぞ
れ廃液吸収材を収容した廃インクタンク11に接続され
ており、これにより前記したクリーニングおよびフラッ
シング動作によって排出された廃インクがタンク11に
送り込まれるように構成されている。
【0023】図2は、前記したメインインクタンクとし
てのインクカートリッジからサブタンク7を介して記録
ヘッド6にインクを供給する1つのインク供給系統の基
本構成を模式図によって示したものである。図2におけ
る符号21はメインインクタンクを示しており、このメ
インインクタンク21は、例えば内部にインクを封入し
た可撓性部材により形成された密閉式のインク袋(イン
クパック)と、これを収納する例えば合成樹脂により箱
型に成形された外部ケースとにより構成されている。
【0024】そして、このメインインクタンク21から
は後述するインクエンド検出装置22、および接続機構
23を介してサブタンク7に対してインクを供給するよ
うに構成されており、これらの間はインク供給路を構成
するチューブ8によって接続されている。
【0025】一方、サブタンク7は、ケース7aとその
上部を閉塞する蓋体7bとにより構成されており、これ
により内部が密閉されたインク貯留室7cを形成してい
る。前記インク貯留室7c内には、サブタンク内に供給
されたインクによって浮上するフロート部材24が支持
軸25を回動中心として重力方向に上下に可動できるよ
うに配置されている。フロート部材24は内部に密閉空
間を形成したフロート体24aと、このフロート体24
aを支持して前記支持軸25を回動中心として回動する
支持部材24bより構成しており、前記支持部材24b
の上部には、バルブ部材26が配置されている。
【0026】サブタンク7の蓋体7aには、前記バルブ
部材26の円弧状移動軌跡に対接するようにエアーバル
ブを構成するバルブ開口27が形成されており、このバ
ルブ開口27はチューブ9を介し、後述するインク充填
完了検出装置28に連通され、さらにインク充填完了検
出装置28を経て負圧発生手段としての減圧ポンプ29
に連通されている。また、サブタンク7からは、サブタ
ンク7内に貯留されたインクをインク供給バルブ30を
介して記録ヘッド6に対して供給できるように構成され
ている。
【0027】図3乃至図5は、前記サブタンク7内のイ
ンクの貯留量とフロート部材24の動作、およびフロー
ト部材24の動作に伴うバルブ開口27に対するバルブ
部材26の開閉状態を示したものである。なお、図3乃
至図5においては、メインインクタンク21および記録
ヘッド7はその記載を省略している。
【0028】まず、図3はインク供給バルブ30が開弁
状態に制御され、サブタンク7に貯留されたインクが記
録ヘッド6側に供給されることで、サブタンク7内のイ
ンク量が減少したインクエンド状態を示している。この
状態においては、前記フロート体24aは軸25を介し
て図中左回転した状態となされる。
【0029】次に図4はサブタンク内にインクを補給し
ている状態を示しており、この状態においては、サブタ
ンク7から記録ヘッド6に至るインク供給バルブ30は
閉弁状態となされる。そしてこの場合においては、前記
バルブ部材26はバルブ開口27から離れた状態となっ
ているため、減圧ポンプ29の動作によりサブタンク7
内は減圧状態となる。したがって、メインインクタンク
21よりチューブ8を介してサブタンク7内にインクが
補給される。
【0030】そして、図5はサブタンク7内のインクが
ほぼ満タン状態となったインク充填完了状態を示してい
る。この状態においては、前記フロート体24aがイン
クによって浮上し、これに伴って前記バルブ部材26は
バルブ開口27に当接してエアーバルブを閉弁状態とす
る。この時、バルブ部材26は減圧ポンプ29に吸引さ
れてバルブ開口27に密着した状態となり、サブタンク
7内の減圧状態は停止される。したがってメインインク
タンク21からサブタンク7内へのインクの補給も停止
される。
【0031】図7乃至図10は、前記した構成において
用いられるインク充填完了検出装置28の構成を示した
ものである。まず、図6および図7は、その第1の実施
の形態を断面図によって示したものである。
【0032】このインク充填完了検出装置28は圧力検
出手段により構成しており、これはサブタンクから負圧
発生手段に連通する減圧経路の一部を構成し、前記経路
中の圧力変化に伴って変位可能な可撓性の変位部材と、
この変位部材に付設され前記経路中の圧力低下に伴い変
位部材が変位する方向とは逆の方向へ変位部材を付勢す
るばね部材と、変位部材の変位を検出する変位検出手段
とにより構成されている。
【0033】合成樹脂により成形された装置本体41に
は、図中左右方向に減圧経路42が形成されている。そ
して本体41のほぼ中央部にはガイド棒43が形成され
ており、このガイド棒43の周囲にはコイル状のばね部
材44が配置されている。また、本体41の上面には可
撓性材料により成形された変位部材45が、例えば熱溶
着等の手段によって密封状態に取り付けられており、こ
の変位部材45は本体41の上面側における減圧経路4
2の一部を構成している。
【0034】前記変位部材45の下側面には樹脂板46
が貼着されており、この樹脂板46のほぼ中央部に前記
ばね部材44の端部が当接し、変位部材を上部方向に付
勢している。また変位部材45の上側面には、例えばゴ
ムなどの密着性に優れた素材により、その表面が白色に
形成された反射板46が貼着されている。
【0035】一方、前記反射板46に対向するように、
変位部材45の変位検出手段を構成する光センサユニッ
ト47が配置されている。この光センサユニット47に
は、発光素子47aおよび受光素子47bが配置されて
おり、前記反射板46がユニット47に密着した状態に
おいては、周知のとおり受光素子47bからの電気信号
はオフ状態になされ、また反射板46がユニット47か
ら離れた状態においては、受光素子47bの光検知によ
り、その出力がオンとなるように作用する。
【0036】以上の構成において、図5に示すようにサ
ブタンク7に対するインクの充填が完了すると、バルブ
部材26はバルブ開口27に当接してエアーバルブを閉
弁状態とする。これにより前記インク充填完了検出装置
28が配置された減圧経路は減圧ポンプ29に吸引され
て益々減圧される。
【0037】インク充填完了検出装置28における変位
部材45は、この減圧状態を受けて大気に押され、前記
ばね部材44を圧縮させつつ装置本体41の内方に収縮
する。この作用により、図7に示すように反射板46は
光センサユニット47から離れ、発光素子47aから投
射される光は反射板46において反射し、受光素子47
bに至る。これにより発生する電気信号によってサブタ
ンク7に対するインクの充填が完了したことが検知され
る。したがって、前記信号が所定時間以上継続した時点
において、前記減圧ポンプ29の動作を停止させるよう
に制御することができる。
【0038】図8乃至図10は、同じく圧力検出手段を
構成するインク充填完了検出装置28の第2の実施の形
態を示したものであり、図8はその斜視図を、図9は上
面図を、さらに図10は図9における切断線A−Aを矢
印方向に視た断面図で示している。この検出装置28を
構成する装置本体51には、その長手方向に減圧ポンプ
29からサブタンク7に至る減圧経路52が形成されて
いる。
【0039】この減圧経路52の下底部には長手方向に
沿ってガイド溝53a〜53dが形成されており、この
ガイド溝53a〜53dにばね部材54が配置されるよ
うに構成されている。ばね部材54は板状体54aと、
この板状体54aから一体に延出された4本の脚体54
b〜54eより構成されており、各脚体54b〜54e
の端部は前記板状体54aの一面方向にそれぞれ屈曲さ
れた構成とされている。
【0040】そして、各脚体54b〜54eの先端部
は、前記ガイド溝53a〜53dにそれぞれ入り込ん
だ、いわゆる四つ足状態に組み込まれている。また、図
8乃至図10図には示していないが、前記図6および図
7に示した形態と同様に、板状体54aの上面を包むよ
うに可撓性材料により成形された変位部材が例えば熱溶
着等の手段によって装置本体51の上面に密封状態に取
り付けられており、この変位部材が本体51の上面側に
おける減圧経路52の一部を構成している。この場合、
前記ばね部材54は四つ足状態に組み込まれているの
で、各脚体54b〜54eの間に減圧経路52を形成さ
せることができる。
【0041】また、図には示していないが板状体54a
の上面を覆う変位部材に密着するように光センサユニッ
トが配置される。この光センサユニットは、図6および
図7に示したものと同様に発光素子47aおよび受光素
子47bより構成される。この場合、前記変位部材にお
ける光センサユニットへの対向面は、反射率の高いフィ
ルム部材、例えばアルミラミネートフィルムを用いるこ
とが好ましい。
【0042】以上の構成において、図5に示したように
サブタンク7に対するインクの充填が完了すると、バル
ブ部材26はバルブ開口27に当接してエアーバルブを
閉弁状態とする。これにより前記インク充填完了検出装
置28における減圧経路42は減圧ポンプ29に吸引さ
れて益々減圧される。
【0043】インク充填完了検出装置28における前記
した変位部材は、この減圧状態を受けて大気に押され、
前記ばね部材54における板状体54aを装置本体51
側に押し込みつつ収縮する。この作用により、板状体5
4aはこれに一体に成形された各脚体54b〜54eの
先端部を、前記各ガイド溝53a〜53d内に滑らせな
がら本体51側に入り込む。
【0044】これにより、光センサユニットから変位部
材が離れ、光センサユニットにおける受光素子はオン出
力を発生し、サブタンクに対してインク充填が完了した
ことが検知される。したがって、同様に前記信号が所定
時間以上継続した時点において、前記減圧ポンプ29の
動作を停止させるように制御することができる。
【0045】なお前記した構成において、変位部材にお
ける光センサユニットへの対向面に、アルミラミネート
フィルムを用いることなく、例えば変位部材を透明のフ
ィルム部材により構成し、前記ばね部材を構成する板状
体が反射率の高い素材によって構成されていても同様の
作用効果を期待することができる。
【0046】一方、図2に示したインクエンド検出装置
22においても、図6および図7または図8乃至図10
に示した圧力検出手段を用いることが好ましい。このイ
ンクエンド検出装置22は、メインインクタンク21に
おけるインクが空状態となり、メインインクタンク21
からサブタンク7に至るインク供給経路内の所定以上の
圧力低下を検出するようになされる。そしてインクエン
ド検出装置22においてインクエンドであることを示す
信号が発生した場合には、この信号を受けてインクエン
ド状態を報知するディスプレイを駆動することができ、
また前記信号が所定時間以上継続した時点において、減
圧ポンプ29の動作を停止させるように制御することが
できる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
かかるインク充填完了検出方法および検出装置による
と、サブタンクから負圧発生手段に連通する減圧経路内
の所定以上の圧力低下を検出することで、メインインク
タンクからサブタンク内にインクが所定量充填されたこ
とを検出するようになされる。特に、サブタンク内に一
定量のインクが充填された時に負圧発生手段に連通する
エアーバルブを閉弁状態とする減圧制御手段と組み合わ
せたことにより、減圧経路内の圧力低下を確実に検出す
ることが可能となる。したがって、サブタンクに対する
インク充填完了状態を高い精度をもって検出することが
可能であり、この種のインクジェット式記録装置の動作
の信頼性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の
一例を示した上面図である。
【図2】メインインクタンクから記録ヘッドに至るイン
ク供給系統の構成を示した模式図である。
【図3】図2に示すインク供給系統に介在するサブタン
クにおけるインクエンドの状態を示す断面図である。
【図4】同じくサブタンクに対するインク補給状態を示
す断面図である。
【図5】同じくサブタンク内のインクが満タンとなった
状態を示す断面図である。
【図6】インク充填完了状態を検出するための圧力検出
手段における第1の実施の形態を示す断面図である。
【図7】同じく第1の実施の形態においてインク充填が
完了状態となった場合を示す断面図である。
【図8】インク充填完了状態を検出するための圧力検出
手段における第2の実施の形態を示す断面図である。
【図9】同じく第2の実施の形態における上面図であ
る。
【図10】図9におけるA−A切断線を矢印方向に視た
断面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 2 キャリッジモータ 6 記録ヘッド 7 サブタンク 8 インク供給チューブ 9 エアーチューブ 10 キャッピング装置 21 メインインクタンク(インクカートリ
ッジ) 22 インクエンド検出装置(圧力検出手
段) 23 接続機構 24 フロート部材 25 支持軸 26 バルブ部材 27 バルブ開口(エアーバルブ) 28 インク充填完了検出装置(圧力検出手
段) 29 減圧ポンプ(負圧発生手段) 30 インク供給バルブ 41 装置本体 42 減圧経路 44 ばね部材 45 変位部材 47 光センサユニット(変位検出手段) 47a 発光素子 47b 受光素子 51 装置本体 52 減圧経路 53a〜53d ガイド溝 54 ばね部材 54a 板状体 54b〜54e 脚体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方
    向に往復駆動される記録ヘッドと、前記記録ヘッドと共
    にキャリッジに搭載され、メインインクタンクからイン
    ク供給経路を介してインクの供給を受けると共に前記記
    録ヘッドにインクを供給するサブタンクと、前記サブタ
    ンク内のインクが所定以下となった時に負圧発生手段に
    連通するエアーバルブを開弁状態としてサブタンク内を
    減圧状態とし、前記サブタンク内に一定量のインクが充
    填された時に負圧発生手段に連通するエアーバルブを閉
    弁状態とする減圧制御手段とを備えた記録装置における
    サブタンク内のインク充填完了検出方法であって、 前記サブタンクから負圧発生手段に連通する減圧経路内
    の所定以上の圧力低下を検出することで、前記メインイ
    ンクタンクからサブタンク内にインクが所定量充填され
    たことを検出するようにした記録装置におけるサブタン
    ク内のインク充填完了検出方法。
  2. 【請求項2】 キャリッジに搭載されて記録用紙の幅方
    向に往復駆動される記録ヘッドと、前記記録ヘッドと共
    にキャリッジに搭載され、メインインクタンクからイン
    ク供給経路を介してインクの供給を受けると共に前記記
    録ヘッドにインクを供給するサブタンクと、前記サブタ
    ンク内のインクが所定以下となった時に負圧発生手段に
    連通するエアーバルブを開弁状態としてサブタンク内を
    減圧状態とし、前記サブタンク内に一定量のインクが充
    填された時に負圧発生手段に連通するエアーバルブを閉
    弁状態とする減圧制御手段とを備えた記録装置における
    サブタンク内のインク充填完了検出装置であって、 前記サブタンクから負圧発生手段に連通する減圧経路内
    の一部に配置され、前記減圧経路内の所定以上の圧力低
    下を検出した場合に、電気的出力を発生する圧力検出手
    段とがさらに具備され、前記圧力検出手段による電気的
    出力によってサブタンク内へのインクの充填状態が完了
    したことを判定するように構成した記録装置におけるサ
    ブタンク内のインク充填完了検出装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力検出手段は、サブタンクから負
    圧発生手段に連通する減圧経路の一部を構成し、前記経
    路中の圧力変化に伴って変位可能な可撓性の変位部材
    と、前記変位部材に付設され前記経路中の圧力低下に伴
    い前記変位部材が変位する方向とは逆の方向へ前記変位
    部材を付勢するばね部材と、前記変位部材の変位を検出
    する変位検出手段とを備えてなる請求項2に記載の記録
    装置におけるサブタンク内のインク充填完了検出装置。
  4. 【請求項4】 前記変位検出手段が変位部材に密着して
    いるか否かに基づいて電気信号が生成され、前記電気信
    号に基づいてサブタンク内へのインクの充填状態が完了
    したことを判定するように構成した請求項3に記載の記
    録装置におけるサブタンク内のインク充填完了検出装
    置。
  5. 【請求項5】 前記変位検出手段には、発光素子および
    受光素子が配置され、前記変位部材が変位することによ
    る受光素子の光検知によって、電気的出力を生成するよ
    うに構成した請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の
    記録装置におけるサブタンク内のインク充填完了検出装
    置。
  6. 【請求項6】 前記ばね部材は、板状体から一体に延出
    され、それぞの端部が前記板状体の一面方向に屈曲され
    た複数の脚体より構成され、前記各脚体の屈曲方向への
    復元力によってばね力を生成するように構成されている
    請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の記録装置にお
    けるサブタンク内のインク充填完了検出装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の脚体の間において、減圧経路
    を形成してなる請求項6に記載の記録装置におけるサブ
    タンク内のインク充填完了検出装置。
  8. 【請求項8】 前記変位部材における変位検出手段への
    対向面が、反射率の高いフィルム部材により構成されて
    いる請求項3乃至請求項7のいずれかに記載の記録装置
    におけるサブタンク内のインク充填完了検出装置。
  9. 【請求項9】 前記変位部材が透明のフィルム部材によ
    り構成され、前記ばね部材を構成する板状体が反射率の
    高い素材によって構成されている請求項6または請求項
    7に記載の記録装置におけるサブタンク内のインク充填
    完了検出装置。
  10. 【請求項10】 前記減圧制御手段は、サブタンク内の
    インクによって浮上するフロート部材と、前記フロート
    部材の一部に配置され、負圧発生手段に連通するエアー
    バルブを択一的に開弁または閉弁状態とするバルブ部材
    とを備えてなる請求項2乃至請求項9のいずれかに記載
    の記録装置におけるサブタンク内のインク充填完了検出
    装置。
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