JP4510228B2 - 田植機の回り植え用マーカーの取付部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、田植機に関するものであり、特に植付時に機体と畦との間隔を一定に保持するために機体の側方に伸延させて使用する回り植え用マーカーの取付部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
田植機を用いて圃場に苗を植え付ける際には、田植機で同時に植え付けることができる条数分(苗載台の条数分)の間隔だけ畦から隔てた圃場部分への植付作業(回り植え作業)を最後に行うことによって、植付作業時の圃場内での走行距離を短くするとともに手植え部分を無くして、植付作業の効率を向上させていた。
【0003】
上記の回り植え作業を行うためには、植付時に機体と畦との間隔を一定に保持する必要があり、そのために機体の側方に回り植え用マーカーを伸延させた状態で取付け、同回り植え用マーカーの先端部を畦の縁に沿わせながら田植機を走行させていた。
【0004】
そして、従来の田植機にあっては、特開平10−295110号公報に開示されているように、機体フレームに左右一対の予備苗載台を取付け、各予備苗載台に回り植え用マーカーを支持するための支持部材を取付け、同支持部材に回り植え用マーカーを取付けており、機体の左右両側部にそれぞれ回り植え用マーカーが設けられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、回り植え用マーカーは、機体の左右いずれか一方にのみ設けておけば足りるのであって、上記従来の田植機のように、機体の左右両側部にそれぞれ回り植え用マーカーを設けた場合には、左右一対の回り植え用マーカーとそれらを支持するための左右一対の支持部材が必要となり、田植機を構成する部品点数が増大して、組立作業性が悪いものであった。
【0006】
しかも、回り植え用マーカーを支持するために特別の支持部材を用いていたために、コスト高を招くものであった。
【0007】
また、上記従来の田植機にあっては、回り植え用マーカーを使用しない場合には、回り植え用マーカーを基端部から機体後方へ向けて折り曲げて、機体の側部に沿わせた状態で回り植え用マーカーを収容するように構成していたため、田植機の左右側部で作業を行う際や運転席への乗降の際に作業者の身体と回り植え用マーカーとが接触して、回り植え用マーカーを破損してしまうおそれがあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、植付時に機体と畦との間隔を一定に保持するために機体の側方に伸延させて使用する回り植え用マーカーを具備する田植機において、前後方向に向けて伸延させた左右一対のメインパイプと、同メインパイプの前端部間に左右幅方向に向けて伸延させた状態で架設した中空円筒状の前端パイプとで機体フレームを構成し、前端パイプには、メインパイプより機体の左右外側方に張り出させた張り出し部を設けるとともに、メインパイプの前端部と前端パイプの張り出し部との交差部分にはウエイトを支持するウエイト支持部材を取付け、前記前端パイプの張り出し部を前記回り植え用マーカーの支持部材として兼用したことを特徴とする田植機の回り植え用マーカーの取付部構造を提供せんとするものである。
【0009】
また、回り植え用マーカーは、前端パイプの内径よりも細い中空円筒状の第1段マーカー構成体の先端内部に、同第1段マーカー構成体の内径よりも細い中空円筒状の第2段マーカー構成体の基端部を進退自在に収容し、同第2段マーカー構成体の先端内部に、同第2段マーカー構成体の内径よりも細い円筒状の第3段マーカー構成体の基端部を進退自在に収容して伸縮自在に構成した。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る田植機の回り植え用マーカー取付構造は、前後方向に伸延する左右一対のメインパイプと両メインパイプの前端間に左右幅方向に伸延させて横架した前端パイプとから機体フレームを構成し、同機体フレームの一部を構成する前端パイプに回り植え用マーカーを装着できるようにしたものである。
【0013】
このように、機体フレームの一部を構成するフレーム構成体を回り植え用マーカーの支持部材として兼用しているため、回り植え用マーカーを支持するための支持部材を別途用意する必要がなくなり、田植機を構成する部品点数を削減することができ、製造コストの低廉化や組立作業の容易化を図ることができるものである。
【0014】
特に、前端パイプの内部に回り植え用マーカーを収納可能とすることによって、回り植え用マーカーを使用していないときには、回り植え用マーカーのコンパクト化が図れ、田植機への昇降時に作業者の身体が回り植え用マーカーに接触するおそれがなくなり、回り植え用マーカーの破損を防止することができるものである。
【0015】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0016】
本発明に係る田植機1は、図1に示すように、自走可能に構成した走行機体2の後部に植付機3を昇降機構4を介して昇降可能に連設している。
【0017】
走行機体2は、図1に示すように、機体フレーム5の下部に走行部6を配設する一方、機体フレーム5の前側上部に原動機部7を配設し、同原動機部7の直後方位置に運転操作部8を配設している。
【0018】
機体フレーム5は、図1及び図2に示すように、前後方向に向けて伸延させた左右一対の断面矩形状のメインパイプ9,10と、同メインパイプ9,10の前端部間に左右幅方向に向けて伸延させた状態で架設した中空円筒状の前端パイプ11とから構成している。
【0019】
また、機体フレーム5は、メインパイプ9,10の前側中途部間に左右幅方向に向けて伸延させた円筒状のエンジン支持パイプ12を架設し、同エンジン支持パイプ12の中央部と前端パイプ11の中央部との間に前後方向に伸延させたエンジン支持板13を架設する一方、エンジン支持パイプ12の中央後部に左右一対のミッション支持ブラケット14,15を取付け、更には、メインパイプ9,10の後部を前低後高の傾斜状に形成し、同メインパイプ9,10の後端部に前高後低の傾斜状に伸延させた左右一対の断面矩形状の傾斜パイプ16,17の前端部を連設し、前記エンジン支持パイプ12に取付けたミッション支持ブラケット14,15と傾斜パイプ16,17の後端部との間に前後方向に伸延させたミッションケース18を架設している。図中、19はメインパイプ9,10の中途部間に架設した門型状の座席支持パイプ、20,21はメインパイプ9,10の中途部に左右幅方向に伸延させた状態で取付けたステップ支持パイプである。
【0020】
また、本実施例では、図1〜図4に示すように、機体フレーム5の前側部に、機体の前後の重量バランスを調節するための左右一対のウエイト22,22を装着できるように構成するとともに、機体フレーム5を構成するフレーム構成体としての前端パイプ11に、植付条数分だけ予め畦から間隔を開けて植え付ける際に機体の側方に伸延させて機体と畦との間隔を一定に保持するために使用する回り植え用マーカー23を装着できるように構成している。これらのウエイト取付構造や回り植え用マーカー取付構造については後述する。
【0021】
走行部6は、図1及び図2に示すように、ミッションケース18の前側部にフロントアクスルケース24を一体的に形成し、同フロントアクスルケース24に左右一対の前車輪25,26を連動連結する一方、ミッションケース18の後側部にリアアクスルケース27を一体的に形成し、同リアアクスルケース27に左右一対の後車輪28,29を連動連結している。
【0022】
原動機部7は、図1及び図2に示すように、エンジン支持板13の上部に原動機としてのエンジン30を載置し、同エンジン30にミッションケース18を連動連結している。
【0023】
また、原動機部7は、エンジン30の直上方位置に燃料タンク101を配設するとともに、エンジン30をボンネット31で被覆しており、同ボンネット31の左右側方位置には、予備の苗を載置しておくための予備苗載台32,32を配設している。
【0024】
運転操作部8は、図1に示すように、ボンネット31にステアリングシャフト102を回動自在に立設し、同ステアリングシャフト102の上端にステアリングホイール33を取付け、同ステアリングホイール33の直方向位置に座席34を配設している。
【0025】
また、運転操作部8は、ボンネット31の左側部に、走行機体2の変速操作をするための変速レバー35と機体の外部からもクラッチ操作ができるようにしたクラッチレバー36とを前後方向に向けて揺動操作可能に配設するとともに、クラッチペダル37を踏み込み操作可能に配設する一方、座席34の右側部に植付機3の昇降操作をするための昇降レバー38を前後方向に向けて揺動操作可能に配設している。
【0026】
さらに、運転操作部8は、ボンネット31の左右側部に左右一対のフロントステップ39,39を配設する一方、座席34の下部から左右側部にかけてカバー体40を配設しており、フロントステップ39,39とカバー体40とによって床部を形成している。図中、41はカバー体40に形成した昇降ステップである。
【0027】
植付機3は、図1に示すように、昇降機構4の後部に植付作業装置92を連結し、同植付作業装置92の上部に苗載台93を前高後低の傾斜状に載設している。図中、94はフロートである。
【0028】
そして、図2に示すように、ミッションケース1 8の中途部から後方に向けて突出するPTO出力軸95の先端部にPTOジョイント96の基端部を連動連結し、同PTOジョイント96の先端部に中継軸97の基端部を連動連結し、同中継軸97の先端部に伝導軸98の基端部を連動連結し、同伝導軸98の先端部を植付作業装置92に連動連結して、動力を植付機3に伝達しており、中継軸97を支持する軸受99は、右側のメインパイプ10の内側部に取付けている。
【0029】
そのため、機体の外部から誤って軸受99に触れることがなくなり、安全性を向上させることができるとともに、ミッションケース18から植付作業装置92への伝達機構の省スペース化が図れ、更には、機体フレーム5に直接取付けているため位置精度を良好に確保できる。
【0030】
次に、ウエイト取付構造について説明すると、図3〜図7に示すように、メインパイプ9,10の前端部分の間隔を中途部の間隔よりも広げてメインパイプ9,10の前端部を機体の前側左右端の近傍に位置させるとともに、前端パイプ11をメインパイプ9,10よりも機体の左右外側方に張り出させ、メインパイプ9,10の前端部と前端パイプ11の張り出し部との交差部分にウエイト22を支持するためのウエイト支持部材42を取付け、同ウエイト支持部材42にウエイト22を前後方向に向けてスライド自在に装着できるように構成している。
【0031】
すなわち、ウエイト支持部材42は、上下一対の水平状の支持板43,44と、両支持板43,44の基端部を連結する連結板45とから正面視で略コ字状に形成し、上側の支持板43の前端部を前端パイプ11の上部に載置させた状態で支持板43,44の先端部をメインパイプ9,10の前端部に溶接している。
【0032】
このように、メインパイプ9,10の前端部と前端パイプ11の張り出し部との交差部分にウエイト支持部材42を取付けているため、メインパイプ9,10と前端パイプ11とでウエイト支持部材42を強固に保持でき、ウエイト支持部材42に重いウエイト22を装着することができるとともに、メインパイプ9,10のねじれ等の変形を防止することができる。
【0033】
上側の支持板43は、前側中途部に矩形状の貫通孔46を穿設し、同貫通孔46の上部にナット47を溶接し、同ナット47に固定用ボルト48を進退自在に螺設している。下側の支持板44は、後端部にウエイト22の横幅と略同一幅を有する切欠49を形成している。
【0034】
一方、ウエイト22は、矩形箱型の塊状に形成し、上下中途部に前後方向に伸延する切欠50を形成しており、上下一対のウエイト構成体51,52と連結体53とから側面視で略コ字状に形成し、上側のウエイト構成体51の上側表面の前側左右端縁部に左右幅方向に伸延する左右一対の固定溝54,55を刻設している。
【0035】
そして、ウエイト支持部材42の上側の支持板43にウエイト22の切欠50を機体の後方から前方に向けてスライドさせ、上側の支持板43でウエイト22を支持し、その後、固定用ボルト48を締め付けて先端部を固定溝54に当接させることによって固定用ボルト48と下側の支持板44とでウエイト22の上側のウエイト構成体51を挟持することにより、ウエイト支持部材42にウエイト22を装着するようにしている。
【0036】
このように、本実施例では、ウエイト支持部材42にウエイト22をスライドさせて装着できるように構成しているため、ウエイト22を持ち上げた状態のまま保持しなくてもウエイト支持部材42にウエイト22を装着することができ、ウエイト装着作業の作業性を向上させることができる。
【0037】
特に、ウエイト22の上下中途部に前後方向に伸延する切欠50を形成する一方、ウエイト支持部材42に水平状の支持板43を設け、同支持板43にウエイト22の切欠50をスライドさせて装着できるように構成することによって、ウエイト22をウエイト支持部材42の上方まで持ち上げなくてもウエイト22の一部を支持板43の上部に載置した後にスライド移動させるだけでウエイト支持部材42にウエイト22を装着することができ、これによってウエイト装着作業の作業性を一層向上させることができる。
【0038】
しかも、下側の支持板44の後端部にウエイト22の横幅と略同一幅の切欠49を形成し、同切欠49にウエイト22の連結体53を位置させているため、ウエイト22の左右幅方向への移動が切欠49によって規制され、更には、ウエイト22の側方にメインパイプ9,10が位置しているため、同メインパイプ9,10によってもウエイトの左右幅方向への移動が規制され、これら切欠49やメインパイプ9,10によってウエイト22が機体の振動に伴って左右幅方向にずれるのを防止でき、ウエイト22のずれに起因する振動音の発生や脱落を防止することができる。
【0039】
また、ウエイト22に左右幅方向に伸延する固定溝54,55を刻設し、同固定溝54,55に固定用ボルト48の先端を係入させているため、固定用ボルト48によってウエイト22の前後方向への移動が規制され、機体の振動によってウエイト22が前後方向にずれるのを防止でき、これによっても、ウエイト22のずれに起因する振動音の発生や脱落を防止することができる。
【0040】
特に、ウエイト22に左右一対の固定溝54,55を刻設しているため、左右のウエイト22を兼用することができる。
【0041】
本実施例では、図1に示すように、ボンネット31の左右側部に配設した左右一対のフロントステップ39,39よりも下方にウエイト支持部材42とウエイト22とを位置させている。
【0042】
そのため、機体の前方側からの昇降時や苗継作業時に作業者の身体がウエイト22やウエイト支持部材42に衝突することがなくなり、安全性を向上させることができる。
【0043】
また、本実施例では、図3〜図7に示すように、ウエイト支持部材42で予備苗載台32を支持するように構成している。
【0044】
すなわち、予備苗載台32を、上下方向に伸延させた支持支柱56の先端部と中途部とに予備苗保持枠57,57をブラケット58,58を介して取付けることによって形成する一方、ウエイト支持部材42の下側の支持板44の後方外側端部に断面略C字状の支持ボス59を立設しており、同支持ボス59に予備苗載台32の支持支柱56を挿入することによって、ウエイト支持部材42で予備苗載台32を支持するようにしている。図中、60は取付用のナット、61は取付用の蝶ネジである。
【0045】
このように、ウエイト支持部材42で予備苗載台32を支持するように構成しているため、ウエイト支持部材42を予備苗載台32の支持部材としても兼用することができ、田植機1を構成する部品点数を削減することができ、製造コストの低廉化や組立作業の容易化を図ることができる。
【0046】
また、本実施例では、ウエイト支持部材42にウエイト22とは別個の補助ウエイト62を装着できるように構成している。
【0047】
すなわち、ウエイト支持部材42の下側の支持板44に補助ウエイト62を支持するための正面視略コ字状の補助ウエイト支持部材63を着脱自在に取付け、同補助ウエイト支持部材63に補助ウエイト62を前後方向に向けてスライド自在に装着できるように構成している。図中、64はスペーサー、65は固定用ボルト、66は固定用ナットである。
【0048】
補助ウエイト支持部材63は、上下一対の水平状の支持板67,68と、両支持板67,68の基端部を連結する連結板69とから正面視で略コ字状に形成し、上側の支持板67の前側中途部に貫通孔70を穿設し、同貫通孔70の上部にナット71を溶接し、同ナット71に固定用ボルト72を進退自在に螺設している。
【0049】
一方、補助ウエイト62は、上下一対のウエイト構成体73,74と連結体75とから側面視で略コ字状に形成し、上下のウエイト構成体73,74の間に前後方向に伸延する切欠76を形成し、上側のウエイト構成体73の上側表面の前側中央部に円形状の固定溝77を刻設している。
【0050】
そして、補助ウエイト支持部材63の上側の支持板67に補助ウエイト62の切欠76を機体の後方から前方に向けてスライドさせ、上側の支持板67で補助ウエイト62を支持し、その後、固定用ボルト72を締め付けて先端部を固定溝77に当接させることによって固定用ボルト72と下側の支持板68とで補助ウエイト62の上側のウエイト構成体73を挟持することにより、補助ウエイト支持部材63に補助ウエイト62を装着するようにしている。
【0051】
このように、本実施例では、ウエイト22とは別個に設けた補助ウエイト62を支持するための補助ウエイト支持部材63をウエイト支持部材42に着脱できるように構成しているため、ウエイト22だけでは機体の前後の重量バランスの調節が困難な場合であっても、さらに補助ウエイト62を容易に装着することができる。
【0052】
次に、回り植え用マーカー23の取付構造について説明すると、本実施例では、機体フレーム5の一部を構成するフレーム構成体としての前端パイプ11の左右両端部に回り植え用マーカー23を装着できるように構成して、前端パイプ11を回り植え用マーカー23の支持部材として兼用しており、中空円筒状の前端パイプ11の内部に伸縮自在に形成した回り植え用マーカー23を収納できるように構成している。図中、100はセンターマーカーである。
【0053】
すなわち、図3、図4及び図11に示すように、前端パイプ11の左右両端上部に貫通孔78,78を穿設し、同貫通孔78,78に固定用ナット79,79を溶接し、同固定用ナット79,79に固定用ボルト80,80を進退自在に螺設しており、同固定用ボルト80によって前端パイプ11の内部に挿入した回り植え用マーカー23の基端部を保持できるようにしている。
【0054】
回り植え用マーカー23は、図10及び図11に示すように、前端パイプ11の内径よりも細い中空円筒状の第1段マーカー構成体81の先端内部に第1段マーカー構成体81の内径よりも細い中空円筒状の第2段マーカー構成体82の基端部を進退自在に収容し、同第2段マーカー構成体82の先端内部に第2段マーカー構成体82の内径よりも細い円筒状の第3段マーカー構成体83の基端部を進退自在に収容して伸縮自在に構成し、第3段マーカー構成体83の中途部を前方に向けて折曲するとともに、第3段マーカー構成体83の先端に先端マーカー84を装着している。
【0055】
また、回り植え用マーカー23は、第1段マーカー構成体81の先端上部に貫通孔85を穿設し、同貫通孔85に固定用ナット86を溶接し、同固定用ナット86に固定用ボルト87を進退自在に螺設して、固定用ボルト87によって第1段マーカー構成体81の先端部で第2段マーカー構成体82の基端部を保持できるようにし、更には、第2段マーカー構成体82の先端部に固定用パイプ88の基端部を取付け、同固定用パイプ88の先端上部に貫通孔89を穿設し、同貫通孔89に固定用ナット90を溶接し、同固定用ナット90に固定用ボルト91を進退自在に螺設して、固定用ボルト87によって第2段マーカー構成体82の先端部で第3段マーカー構成体83の基端部を保持できるようにしている。
【0056】
このように、本実施例では、機体フレーム5の一部を構成するフレーム構成体としての前端パイプ11を回り植え用マーカー23の支持部材として兼用しているため、回り植え用マーカー23を支持するための支持部材を別途用意する必要がなく、田植機1を構成する部品点数を削減することができ、製造コストの低廉化や組立作業の容易化を図ることができる。
【0057】
また、回り植え用マーカー23を前端パイプ11の内部に収容可能としているため、回り植え用マーカー23を使用していないときには、回り植え用マーカー23のコンパクト化が図れ、回り植え用マーカー23に障害物が接触するおそれがなくなり、回り植え用マーカー23の破損を防止することができる。
【0058】
また、前端パイプ11の左右両端部に回り植え用マーカー23を着脱できるように構成しているため、回り植え用マーカー23を1本用意しておくだけで、それを左右に付け替えて使用することができ、これによっても、田植機1を構成する部品点数を削減することができ、製造コストの低廉化や組立作業の容易化を図ることができる。
【0059】
また、回り植え用マーカー23を伸縮自在に構成しているため、回り植え用マーカー23を使用していないときには、回り植え用マーカー23のコンパクト化が図れ、回り植え用マーカー23に障害物が接触するおそれがなくなり、回り植え用マーカー23の破損を防止することができる。
【0060】
しかも、回り植え用マーカー23を伸縮自在に構成する一部の構成体81,82,83が損傷した場合には、その一部の構成体81,82,83を取り替えるだけでよく、回り植え用マーカー23のメンテナンス性を向上させることができる。
【0061】
また、本実施例では、各構成体81,82,83を回動自在に連結しているため、先端マーカー84の回動角度や各固定用ボルト87,91の回動角度を適宜調節することができる。
【0062】
また、ウエイト22及び補助ウエイト62を左右幅方向に伸延させた前端パイプ11よりも後方に位置させているため、前端パイプ11に収容した回り植え用マーカー23とウエイト22や補助ウエイト62が干渉することがなく、前端パイプ11に回り植え用マーカー23をコンパクトに収納することができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0064】
(1)本発明では、メインパイプの前端部と前端パイプの張り出し部との交差部分にウエイト支持部材を設けているため、メインパイプと前端パイプとでウエイト支持部材を強固に保持でき、ウエイト支持部材に重いウエイトを装着することができるとともに、メインパイプのねじれ等の変形を防止することができる。
【0065】
また、前端パイプの張り出し部を回り植え用マーカーの支持部材として兼用しているため、回り植え用マーカーを支持するための支持部材を別途用意する必要がなく、田植機を構成する部品点数を削減することができ、製造コストの低廉化や組立作業の容易化を図ることができる。
【0067】
(2)本発明では、回り植え用マーカーは、前端パイプの内径よりも細い中空円筒状の第1段マーカー構成体の先端内部に、同第1段マーカー構成体の内径よりも細い中空円筒状の第2段マーカー構成体の基端部を進退自在に収容し、同第2段マーカー構成体の先端内部に、同第2段マーカー構成体の内径よりも細い円筒状の第3段マーカー構成体の基端部を進退自在に収容して伸縮自在に構成しているため、回り植え用マーカーを使用していないときには、回り植え用マーカーのコンパクト化が図れ、田植機への昇降時に作業者の身体が回り植え用マーカーに接触するおそれがなくなり、回り植え用マーカーの破損を防止することができる。
【0068】
しかも、回り植え用マーカーを構成する一部の構成体が損傷した場合には、その一部の構成体を取り替えるだけでよく、回り植え用マーカーのメンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る田植機を示す左側面図。
【図2】機体フレームを示す平面図。
【図3】機体フレームの前端部分を示す平面図。
【図4】同右側面図。
【図5】ウエイト及びウエイト支持部材を示す平面図。
【図6】同右側面図。
【図7】同正面図。
【図8】補助ウエイト及びウエイトを示す平面図。
【図9】同正面図。
【図10】回り植え用マーカーを示す分解図。
【図11】同正面図。
【符号の説明】
1 田植機
2 走行機体
3 植付機
4 昇降機構
5 機体フレーム
6 走行部
7 原動機部
8 運転操作部
9,10 メインパイプ
11 前端パイプ
18 ミッションケース
22 ウエイト
23 回り植え用マーカー
30 エンジン
32 予備苗載台
62 補助ウエイト
81 第1段マーカー構成体
82 第2段マーカー構成体
83 第3段マーカー構成体
84 先端マーカー
Claims (2)
- 植付時に機体と畦との間隔を一定に保持するために機体の側方に伸延させて使用する回り植え用マーカー(23)を具備する田植機において、
前後方向に向けて伸延させた左右一対のメインパイプ(9、10)と、同メインパイプ(9、10)の前端部間に左右幅方向に向けて伸延させた状態で架設した中空円筒状の前端パイプ(11)とで機体フレーム(5)を構成し、
前端パイプ(11)には、メインパイプ(9、10)より機体の左右外側方に張り出させた張り出し部を設けるとともに、メインパイプ(9、10)の前端部と前端パイプ(11)の張り出し部との交差部分にはウエイト(22)を支持するウエイト支持部材(42)を取付け、
前記前端パイプ(11)の張り出し部を前記回り植え用マーカー(23)の支持部材として兼用したことを特徴とする田植機の回り植え用マーカーの取付部構造。 - 前記回り植え用マーカー(23)は、前端パイプ(11)の内径よりも細い中空円筒状の第1段マーカー構成体(81)の先端内部に、同第1段マーカー構成体(81)の内径よりも細い中空円筒状の第2段マーカー構成体(82)の基端部を進退自在に収容し、同第2段マーカー構成体(82)の先端内部に、同第2段マーカー構成体(82)の内径よりも細い円筒状の第3段マーカー構成体(83)の基端部を進退自在に収容して伸縮自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の田植機の回り植え用マーカーの取付部構造。
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