JP4510212B2 - 放電灯起動装置 - Google Patents

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  • Arrangement Of Elements, Cooling, Sealing, Or The Like Of Lighting Devices (AREA)
  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に車両前照灯の点灯装置に適した放電灯起動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用点灯装置としては、従来よりコア付きの起動トランスを有したものが用いられている。このコア付きの起動トランスにおいては、電流飽和が存在し、これを避けるにはコア体積を大きくするしかない。すなわち、通常トランスではコアがあるため、図8の直流重畳特性例で示すように、電流を増加させていくとある電流値でインダクタンスが飽和(空芯のインダクタンス値まで)してしまう。
【0003】
また、コアは周囲温度の影響を受ける。図9はそのキューリー温度特性例を示す図であり、比較的低い温度(100℃以下)で使用する破線のAタイプのコアと、比較的高い温度(150℃以下)でも使用できる実線のBタイプのコアの初期透磁率(μi)と温度T(℃)の関係を示している。
【0004】
Aタイプはキューリー温度が174℃で低温向きであり、Bタイプはキューリー温度が200℃で高温向きである。高温時(100℃〜200℃程度)でのフェライトコアの場合、磁心が強磁性から常磁性に移る性質、つまり臨界温度(キューリー温度)があるため、キューリー温度が高いコアを選択しなければならない。
【0005】
放電灯としてHIDランプを用いる場合、ランプソケットに起動回路を内蔵させるようにするとランプとの距離が近くなり、そこからの熱が起動部品側へ伝わり、その温度が約150℃程度になるので、起動トランスは安全上からキューリー温度が200℃以上のコアを選択しなければならない。このキューリー温度が高いコア材の場合は、初期透磁率(μi)が低くなる(同じ巻数ならばインダクタンス値が低くなる)ため、性能が低下し、さらにそのようなコアは一般的ではないので、市場に出る数量が少なく、コストアップになる。
【0006】
また、フェライト系のコア材にて、エポキシ樹脂等により絶縁のためにモールドを行う場合、モールド材とコア材とで収縮率が異なるため、フェライトコアのワレやクラック等の致命的な欠陥が発生する。したがって、コアをモールド材から防ぐために、ボビン等で密閉するか、コアを単純形状(丸棒、角棒等)にすることが必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の放電灯起動装置にあっては、上記のようにコア材があるため、重量が増加し、振動、衝撃等によって支持点が破損し易くなる。また、その対策のために保持機構を強化したり、別部材を用いて保持しなければならず、コストアップになっていた。
【0008】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、小型化、軽量化を図ることができ、振動、衝撃等による破損を防止でき、安価な構成の放電灯起動装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る放電灯起動装置は、次のように構成したものである。
【0010】
(1)放電灯のソケットと、リング形状のボビン及びこれに巻回された1次巻線と2次巻線から成る空芯コイル構造の起動トランスとを備え、前記リング形状のボビンの中心に前記起動トランスの高圧電極を配置し、前記起動トランスの中心と前記ソケットの中心が同一の軸上となるように配置した。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1〜図11について説明する。図1及び図2は本発明の第1の実施例の構成を示す図で、図1の(a)は正面図、(b)は側面図、図2の(a)は図1の(a)のA−A線断面図、(b)は後部のソケットケースを開けたときの状態を示す背面図であり、コネクタ付ハーネスを有している場合を示している。図3は本発明の第2の実施例の構成を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(a)のB−B線断面図、(d)は後側のソケットケース3を開けたときの状態を示す背面図であり、ダイレクトカプラーを有している場合を示している。
【0017】
図4は実施例の起動トランスの第1の構造を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のC−D−E線断面図である。図5は起動トランスの第2の構造を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のF−F線断面図、(c)は側面図である。図6は起動トランスの第3の構造を示す図で、(a)は上面図、(b)は(a)のG−G線断面図、(c)は1次巻線側の側面図、(d)は2次巻線側の側面図、(e)は側面図である。
【0018】
また、図7は起動回路の構成例を示す図、図8は起動トランスの直流重畳特性例を示す図、図9はフェライトコアのキューリー温度特性例を示す図、図10は放電灯であるHIDランプの寿命特性を示す図である。図11は起動パルス波形を示す図で、(a)は実施例の場合、(b)は従来例の場合をそれぞれ示している。
【0019】
まず、図1及び図2に示す本発明の第1の実施例について説明する。本実施例は、HIDランプを点灯するための点灯装置に含まれる点灯起動装置に係るものである。点灯装置には、装置本体(不図示)にHIDランプ電源及び起動パルス発生用トリガ素子電源等が含まれており、点灯起動装置は、起動用部品及びHIDランプソケット等の構造物で構成されている。また本実施例においては、点灯装置本体−点灯起動装置間の電気的接続は、ハーネス6と入力コネクタ7を有する点灯起動装置とダイレクトカプラーを有する点灯装置本体によって行われる。
【0020】
図1の(a)は車両用点灯起動装置1の正面図であり、分割位置9より前側のソケットケース2は、インサート成形または挿入にて高圧電極22、GND(接地)電極23を有している。図1の(b)は側面図であり、ソケットケース2に付随する7個の凸部2a(数は適宜増減可)が後側のソケットケース3に付随する切り込み窓部3aに嵌合する。
【0021】
次に、上記構成のソケット20の内部を図2の(a)のA−A線断面図及び図2の(b)のソケットケース3を開けた背面図にて説明する。絶縁壁28(この絶縁壁28は高圧電極22とGND電極23の電位差が20数kVとなるために絶縁用として用いられる)で囲まれた高圧電極22のランプ側高圧電極22aから引き出された高圧電極引出電極22c(高圧電極22を構成する電極板から成るもので、その形状はHIDランプ電流の最大値である2.6Aを流せるφ0.1〜φ10相当の断面積を有するものとし、丸形は勿論のこと、角形(0.1〜8mm角程度)でも良い)は、ソケット隔壁21を通過して起動トランス収容部4に貫通しており、さらに起動トランス30の中心つまりリング中心空間部35(高圧電極22の引出電極22cが入る穴形状でφ0.1〜φ10相当の断面積を有する円形)を通り、その先端の起動トランス側高圧電極22bに2次巻線32の高圧側引出線36に接続されている。
【0022】
起動トランス30は、ボビン31(ソケット形状に合わせてリング形状で、内部は空洞もしくはボビン形成材料にて内部空気層を無くした構造のためリング形状と平行した面方向に2分割にて形成されて張り合わされた構造、また巻き付け部分は巻線効率から円形でかつ分割巻き型で3分割、分割数は3〜6程度)に2次巻線32(100〜400T程度、線径=φ0.1〜φ1程度、実験では0.3−300Tとした場合の分布容量は、葯3pFであった)を図4の(a)に示すように、各セクションに均等巻に巻き付ける。このように分割巻きを行うことによって、2次巻線32の分布容量は増加する。
【0023】
分布容量は通常、磁心(この場合は巻中心)から遠くなるほど増加する。そして、この容量値が後に示す起動パルス幅を大きくする重要なポイントとなる。そこで起動パルス幅が大きい例として、図11の(a)に示すように綺麗な振動波形が実験において得られている。
【0024】
また、分布容量は狭い巻幅にて層(重ねて巻く)を形成して巻き付けた方が大きくなって起動パルス幅が増加し、HIDランプ電極の摩耗を抑えて寿命が向上することが、図10のHIDランプの寿命特性図に示すように実験で判明した。図10では、起動パルス幅大(0.4msec)、パルス幅小(0.2msec)とした場合のHIDランプの寿命特性を示す図であり、横軸に点滅動作による経過時間、縦軸に全光束の相対値をとったグラフである。起動パルス幅大の方が全光束劣化が少ないために寿命が長いといえる。このときの点滅モードは、車両用点灯装置(HID点灯装置と本発明の点灯起動装置)にて、ON:9分45秒、OFF:15秒を5回繰り返した後、10分間OFFしたサイクルにて行ったものである。通常、起動パルスのエネルギー(HIDランプを起動するためのエネルギー)は、パルス幅×波高値で決まるため、起動パルス幅が増加すると波高値(起動パルス電圧)を下げることが可能(限界は20kV前後)となり、1次−2次巻線の昇圧比も低くできるため、小型化が可能となったり、2次巻線数が減少するためにその銅損が減少して効率が向上する等のメリットがある。
【0025】
因みに、2次巻線32を磁路方向に分割巻きを行わず、1列にて整列巻きを行った場合の分布容量は、同じ巻数にて約0.001pFであり、このような分布容量では、起動パルス幅は、0.2μsec前後となり、急峻な立上がりを持つ起動パルスとなる(図11の(a),(b)参照)。
【0026】
また、ボビン31は巻線効率(巻線をある芯棒に巻き付ける場合、同じ断面積の巻芯であれば丸形が最も外周が短くなり、巻線長が短くなるために巻線での銅損が最小となる)から角形ではなく丸形を用いている。さらに、ボビン31の分割層の幅は、巻線の最大外径の整数倍に設定することで、より巻線が効率よく配置できるようにしている(ボビン断面の中心線の円周上にて3〜30mm程度)。また、分割層の壁厚は0.5〜2mm程度としている。1次−2次電位差を考慮して1次巻線33(1〜10T程度、線径=φ0.1〜φ1程度。実験ではφ0.5−4Tとした)は、2次巻線32の低圧側−高圧側の中間セクションA(Sa)は勿論、2次巻線32の低圧側セクションB(Sb)に巻き付けを行っても良い。但し、1次巻線33を2次巻線32の高圧側セクションC(Sc)に巻き付ける場合は、3層絶縁電線等の絶縁性が高い(10〜20kVの耐電圧)巻線を採用する場合に可能となる。
【0027】
また、ボビン31に設けられた2カ所の引出線絡げ部50(数は適宜増減可)に2次巻線32の低圧側引出線37と1次巻線33の2本の引出線38を絡げ、起動トランス収容部4の側壁に這わすように3カ所のスリット2b(数は適宜増減可)を通り、起動部品収納部5へ起動部品収容部5に納まる起動回路部品と起動トランス30とハーネスAssy8とを接続する接続板29に溶接もしくは高温半田等で接続(環境温度がHIDランプ近傍のため約150℃程度まで上昇するので、有機基板等で一般に用いられる低温半田接合が不可となる)し、ハーネスAssy8へとつなげる。
【0028】
その際、引出線37及び38がコイル35(主には2次巻線32)と接触をしないように(絶縁確保)、クリップ51にて起動トランス収容部4に密着させている。
【0029】
このように、起動トランス30を収容部4に組み付けた後、モールド材40(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等)にて起動トランス30のみをモールドする。このとき、リング中心空間部35を含む起動トランス30全体にモールド材40が流れ込むため、絶縁確保が容易に行える。場合によっては(絶縁性確保、湿度対策、振動による部品の欠落防止等の目的で)、起動部品収容部5にも起動部品を組付け後にモールドを行う場合もある。
【0030】
また、GND電極23は、ソケット隔壁21の内部を通り、起動部品収納部5につながっており、ハーネスAssy8に接続して入力コネクタ7を介して点灯装置本体と接続させている。
【0031】
次に、図3に示す本実施例の第2の実施例を説明する。本実施例においては、点灯装置本体−点灯起動装置間の電気的接続は、ダイレクトカプラーを有する点灯装置本体とダイレクトカプラー81を有する点灯起動装置及びその両者を接続するためのコネクタ付きハーネス(不図示)によって行われる。また、ダイレクトカプラー81内にある入力端子82(図7に示す+400V、−600V、GNDの3端子)は、HID−GND電極及び2次巻線32の低圧側電極23と一体化(ソケットケース2もしくは3にインサート成形等によって形成)あるいは別部材にて形成された金属電極である。この点が第1の実施例と異なり、その他においては、第1の実施例と同じであるので省略する。
【0032】
図7に示す起動回路の構成例において、入力は不図示の点灯装置から供給される主電源の+400VとGND、また高圧パルス用トリガ素子であるSG(スパークギャップ)用電源の−600Vである。SGは車載用として400〜3kVの範囲内で選択を行い、ここでは800Vにてブレークダウンするものを使用している。また、点灯装置内にある−600Vの電源出力端子に直列接続される抵抗(不図示)を設けて、そこから起動回路へ供給するようにしている。そして、−600Vと+400Vにて1kVの電位を上記の抵抗(不図示)と充放電用コンデンサC2をシリーズに接続したものに加え、その定数にて起動パルス周期を決定する(通常は30〜150Hz程度)。
【0033】
上記コンデンサC2の電位がSGのブレークダウン電圧(800VのSGの場合は800V±15%)に達したとき、起動トランスTの1次巻線N1に電流が流れ、2次巻線N2に高電位が発生して+400V電源に起動パルス(25kV程度)が発生し、HIDランプが点灯する。その他の電子部品としてC1は入力電源用フィルターとなるコンデンサ、R1はコンデンサC2に貯まった電荷を放出させるための抵抗である。
【0034】
ここで、図8に示すコア有無時の直流重畳特性例について説明する。横軸に電流、縦軸にインダクタンスをとると、コアのある場合は、ある電流値(ここでは2A)にてインダクタンスが低減し、飽和現象が現れる。さらに周囲温度が変化した場合(+100℃)、飽和現象は+25℃のときに比べて早くなる。しかし、コアのない空芯コイルの場合は、電流に依存することなく安定したインダクタンスを得ることができ、周囲温度が変化した場合においても空芯コイルの場合はインダクタンス変化はない。
【0035】
図9にコアのキューリー温度特性例を示す。本データーはNi系フェライトコアの場合を示している。キューリー温度とは、磁心が強磁性から常磁性に移る臨界温度であり、実際には試料の初期透磁率(μi)を測定してこれと温度の関係を図に描き、その降下部において最大値(MAX)の80%の点と20%の点を結ぶ線の延長線がμi=1の線と交わる点を求めて、その温度をキューリー温度と決めている。
【0036】
Aタイプではキューリー温度が174℃、Bタイプでは200℃となる。車載用として、またHIDランプの近傍に配置する条件下からこのキューリー温度は高い方が望まれるが、図9からもわかるようにキューリー温度が高くなればμiが下がることとなる。つまり、要求するインダクタンスを得るためには、巻数を多く巻かなければならないこととなり、巻線の占有率が上がり、大型化する。さらに、巻線の抵抗分が上がることとなり、図4に示すようにトランスTの2次巻線N2は+400V電源ラインに直列接続されていることから、抵抗分=ロスとなり、起動回路の効率を下げることにつながる。また、キューリー温度が高いコア材は、市場では使用数が少なく一般的でないため、どうしてもコストアップとなる。そこで、本実施例による空芯コイル構造とすることで、解決できる。
【0037】
次に、上述の実施例における起動トランス30の形状について説明する。図4は起動トランス30の形状をリング形状にした閉磁路の場合の第1の構造を示す図である。ボビン31は空芯部34を有する(もしくはボビン形成材料にて内部空気層を無くした構造で、どちらの場合もコア等の磁性体がない)リング形状で、セクション壁31bを図では6カ所(数は適宜増減可)有している。そして、セクション壁31bにより仕切られた3セクションを2次巻線32の巻スペース、1セクションを1次巻線33の巻スペース(セクションA:Sa)に割り当てている。また、ボビン31の巻スペースは全て巻線効率から丸形を用いている。2次巻線32の巻スペースに接するセクション壁31bには全てスリット31aを設け、2次巻線32のセクション間の渡り用としてしている。
【0038】
ここで、ボビン31の構造上、図4の(b)に示すように成型時においてはボビン分割位置31eにて2分割に成形したものを張り合わせて形成する。そして、1次−2次電位差を考慮して1次巻線33は2次巻線32の低圧側−高圧側の中間セクションA(Sa)に配置している。勿論、2次巻線32の低圧側セクションB(Sb)に巻き付けを行っても良い。但し、2次巻線32の高圧側セクションC(Sc)に巻き付ける場合は、3層絶縁電線等の絶縁性が高い(10〜20kVの耐電圧)巻線を採用する場合に可能となる。
【0039】
また、ボビン31に設けられた2カ所の引出線絡げ部50にセクション壁31bの1カ所に設けた2次巻線用溝31dを通って2次巻線32の低圧側引出線37を出し、1次巻線用溝31c(2カ所)を通って1次巻線33の引出線38(2本)を絡げ、起動トランス収容部4に納め、起動回路へと接続を行っている。2次巻線32の高圧側引出線36は、リング中心空間部35を通って起動トランス側の高圧電極22bに接続、つまり高圧電極22へ接続されている。そして、起動トランス30と回路との接続が終わった後にモールド材40にて起動トランス30の全体を覆い隠す(絶縁と振動対策及び固定の目的)ようにしてモールドを行う。
【0040】
図5は起動トランス30の形状を馬蹄形状にした半開磁路の場合の第2の構造を示す図である。この場合もセクション壁31bにより分割巻き形状としている。1次巻線33の巻付セクションは、2次巻線32の低圧側セクションB(Sb)に配置している。また、図4に示すものと同様に、ボビン31は分割位置31eにて2分割としている。2次巻線32の低圧側引出線37を保持するため、セクション壁31bに2次巻線用飛出部31fを設けている。このような形状とすることで、起動トランス収容部4のスペースが小さくなり、小型化及び軽量化が可能となる。
【0041】
図6は起動トランス30を横型配置可能なストレート形状にした開磁路の場合の第3の構造を示す図である。この場合も、セクション壁31bにより分割巻き形状としている。1次巻線33の巻付セクションは、2次巻線32の低圧側セクションB(Sb)に配置している。この起動トランス30は、第1の実施例に比べて、さらに小型化、軽量化が可能となる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、空芯コイル構造とすることによって電流飽和がなくなり、周囲温度の影響を受けず、小型化、軽量化を図ることができ、起動トランスをソケットの中心と同一の軸となるように配置(第3の起動トランス実施例を除く)することで振動、衝撃等による破損を防止でき、起動トランスのボビンを分割巻きにすることによって分布容量が増して起動パルス幅が大きくなってHIDランプ寿命を伸ばす要因となり、さらに、点灯装置本体と点灯起動装置の接続において任意の接続方式を採用することであらゆる車種に対応できるという効果がある。
【0043】
すなわち、各構成要素について、次のような効果が得られる。
【0044】
(1)空芯コイル構造において
・電流飽和がない(従来ではコアがあるため、直流重畳特性において電流を増加させていくとある電流値でインダクタンスが飽和してしまう)。
【0045】
・周囲温度の影響を受けない(コアがあるときは、直流重畳特性においては高温時(100℃程度)にはインダクタンス飽和が室温時よりも低い電流値で飽和する。また磁性体が持つキューリー点があるため、キューリー温度より高い温度では絶対に使用できない)。
【0046】
(2)リング形状の空芯起動トランスにおいて
・閉磁路とすることで、開磁路起動トランスよりも磁束の漏れが少ない。つまり、外部へのノイズ放射量が少なくなる。そのため、ソケットケースの周囲にシールド用の金属ケース等の処理を行わなくてすむ。リング中心空間部にて高圧電極との接続を行うため空間利用度が増して薄型化が可能となり、モールド材もそのリング中心空間部に流れ込むために絶縁確保でき、ソケット中心と同一線上に重心がくるために振動に対しても有利となり、また磁路を長くできるので、2次側インダクタンス値を大きくでき、起動パルス波形を大きくすることが可能となる。
【0047】
(3)馬蹄形状の空芯起動トランスにおいて
・リング形状に比べて、さらに軽量化が可能となる。
【0048】
(4)ストレート形状の空芯起動トランスにおいて
・馬蹄形状に比べて、さらに軽量化が可能となり、巻線加工性が向上する。
【0049】
(5)起動トランスのボビンを分割巻きとすることにおいて
・分割巻きとすることによって、2次巻線間の分布容量が高く(数百倍〜数千倍)なり、出力波形のパルス幅が大きくなる。このパルス幅が大きくなることによって、ランプ電極に加わるストレスが緩和して電極摩耗を低く抑え、さらにはランプ寿命を延ばす要因となる。
【0050】
(6)点灯装置本体と点灯起動装置の接続において
・コネクタ付きハーネスによって、ダイレクトカプラー方式よりもカプラー(コネクタ)部の小型化が可能である。またダイレクトカプラーによっては、コネクタ付きハーネス長を任意に選択できるため、自動車の車種が異なる場合でも簡単に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の構成を示す図
【図2】 本発明の第1の実施例の構成を示す図
【図3】 本発明の第2の実施例の構成を示す図
【図4】 起動トランスの第1の構造を示す図
【図5】 起動トランスの第2の構造を示す図
【図6】 起動トランスの第3の構造を示す図
【図7】 起動回路の構成例を示す図
【図8】 起動トランスの直流重畳特性例を示す図
【図9】 コアのキューリー温度特性例を示す図
【図10】 HIDランプの寿命特性を示す図
【図11】 起動パルス波形を示す図
【符号の説明】
1 車両用点灯起動装置
2 ソケットケース
2a 凸部
2b スリット
3 ソケットケース
3a 切り込み窓
4 起動トランス収容部
5 起動部品収納部
6 ハーネス
7 入力コネクタ
8 ハーネスAssy
9 分割位置
20 ソケット
21 ソケット隔壁
22 高圧電極
22a ランプ側高圧電極
22b 起動トランス側高圧電極
22c 引出電極
23 GND電極
28 絶縁壁
29 接続板
30 起動トランス
31 ボビン
31a スリット
31b セクション壁
31c 1次巻線用溝
31d 2次巻線用溝
31e ボビン分割位置
31f 2次巻線用飛出部
32 2次巻線
33 1次巻線
34 空芯部
35 リング中心空間部
36 高圧側引出線
37 低圧側引出線
38 引出線
40 モールド材
50 引出線絡げ部
51 クリップ
81 ダイレクトカプラー
82 入力端子
Sa 1次巻線中間セクションA
Sb 1次巻線低圧側セクションB
Sc 1次巻線高圧側セクションC

Claims (1)

  1. 放電灯のソケットと、リング形状のボビン及びこれに巻回された1次巻線と2次巻線から成る空芯コイル構造の起動トランスとを備え、前記リング形状のボビンの中心に前記起動トランスの高圧電極を配置し、前記起動トランスの中心と前記ソケットの中心が同一の軸上となるように配置したことを特徴とする放電起動装置。
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