JP2004014832A - 電磁装置及び高電圧発生装置 - Google Patents

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Hiroshi Ogasawara
小笠原 宏
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Abstract

【課題】小型で、良好な出力特性を有し、さらに2次巻線の抵抗値が小さい電磁装置及び高電圧発生装置を提供する。
【解決手段】棒状の磁気コア1、平角導線を磁気コア1に略当接して一層にエッジワイズ巻で巻装した2次巻線2b、及び2次巻線2bの上に巻装して高耐圧被覆を有する1次巻線2aとからなる電磁部材Aと、電磁部材Aの周囲を被覆し且つ2次巻線2bの線間にも充填する樹脂3と、コの字状のフェライトからなる磁気コア4とを備え、1次巻線2aは、2次巻線2b上の低圧側に寄せて巻装する。磁気コア4は、電磁部材Aの長手方向の面に対向した面4aと、電磁部材Aの両端面に各々対向した面4b,4cとを有するコの字形状であり、棒状の磁気コア1の両端から磁気コア1を挟むように取り付けられて閉磁路の磁気回路を構成している。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高輝度放電灯を瞬時に始動、再始動させるために高電圧パルスを発生する電磁装置及び高電圧発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
HIDランプ(高輝度放電灯)を始動、点灯させるためにはイグナイタと呼ばれる高電圧を発生する始動装置(高電圧発生装置)が必要であり、高電圧発生装置には低電圧の入力をパルス状の高電圧出力に変換するパルストランスのような電磁装置が用いられている。
【0003】
ところで、近年自動車用の前照灯(ヘッドライト)において、安全性及びエコロジーを重視する観点から従来のハロゲンランプよりも高輝度、低消費電力、長寿命であるHIDランプのような高圧放電ランプが使用されるようになっており、高圧放電ランプの急速な普及に伴ってイグナイタの寸法的な制約(イグナイタのランプソケット内蔵化等)から極めて小型の電磁装置が要望されている。
【0004】
図7,8は、自動車用ヘッドライト向けのソケット内蔵型イグナイタ20の回路図及び外観図を示している。イグナイタ20の基本的な回路構成は、入力端子T1〜T3と、出力端子T4,T5と、入力端子T1(高電圧側)−入力端子T2(低電圧側)間に接続したコンデンサC1と、コンデンサC1に並列接続した放電ギャップGAP(スイッチ要素)とパルストランスPTの1次巻線2aとの直列回路と、入力端子T1−出力端子T4(高電圧側)間に接続したパルストランスPTの2次巻線2bと、1次巻線2a、2次巻線2bが巻装した磁気コア1とから構成され、入力端子T3(低電圧側)−出力端子T5(低電圧側)間は短絡されている。高圧放電ランプLpは出力端子T4−T5間に接続されており、点灯装置50は入力端子T1,T2,T3に接続されている。
【0005】
そして、高圧放電ランプLpが点灯していない状態で点灯装置50から入力端子T1,T2を介して電圧を供給されるとコンデンサC1が充電され、コンデンサC1の両端電圧が上昇して所定値に達したときに放電ギャップGAPがオンすることでパルストランスPTの1次巻線2aに放電ギャップGAPを介してコンデンサC1の充電電荷が放電され、パルストランスPTの2次巻線2bにパルス状の高電圧が発生する。この高電圧パルスが出力端子T4,T5を介して高圧放電ランプLpの両端に印加されて高圧放電ランプLpを絶縁破壊に至らしめて始動するものである。
【0006】
また、イグナイタ20は、図8に示すように高圧放電ランプLpが着脱自在に装着されるソケットと一体に構成されており、内部にイグナイタ20を配置した合成樹脂製のソケット本体23を備えて、ソケット本体23の前面には略円形のソケット開口部24と、ソケット開口部24の内側略中央に突出した略円筒形の筒部25とが形成されており、この筒部25の内側にランプ口金の中央電極部(図示せず)と接触導通するランプ口金電極端子T4(図7参照)が収納されている。さらに、ランプ口金の外周面に設けられた外側電極部(図示せず)と接触導通する複数の外側電極T5(図7参照)がソケット開口部24の内側に取り付けられており、ランプ口金をソケット開口部24に挿入すると、イグナイタ20と高圧放電ランプLpとが電気的且つ機械的に接続される。
【0007】
そして、上記部品以外に、保護用の抵抗、ツェナダイオード、ノイズフィルター用コンデンサ、チョークコイル等が用いられることもあり、これらのイグナイタ20の部品をソケット本体23内に収納し、且つソケットの一層の小型化、薄型化を実現するには、部品として大きな割合を占めるパルストランスPT(電磁装置)の小型化が大きな条件となっていた。
【0008】
次に従来例1として示す特開2002−93635号公報では、パルストランスPTのより小型化、薄型化を狙った提案がされている。これは、図9〜11に示すように、ロッド型の磁気コア1に抵抗率(固有抵抗)が大きいNi−Znフェライト材を用い、このコア1に直接、平角導線を一層にエッジワイズ巻して(厚みの薄い箔状の平角導線をその幅広の面が対向するように巻回する)2次巻線2bを形成したものである。平角導線のエッジワイズ巻による巻線占積率の向上に加えて、磁気コア1と2次巻線2bとの間にコイルボビン等の絶縁物が不要となって、より小型、薄型を追求したパルストランスPTとなっている。さらに、高耐圧被覆を有する1次巻線2aを、2次巻線2b上の低圧側に寄せて巻装しており、1次巻線2aと2次巻線2bとの間の絶縁を確保している。また、図12はこの従来例1のパルストランスPTを用いた自動車用ヘッドライト向けソケット内蔵型イグナイタの部品配置図を示しており、ソケット本体23の内部にコンデンサC1、放電ギャップGAP、パルストランスPTが収納されて、その回路構成は図7で示される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近年、HIDランプを用いた自動車用ヘッドライトは、環境負荷を軽減するという立場から、無水銀化が進みつつある。ここで、無水銀のHIDランプは従来の水銀入りランプよりも低ランプ電圧、高ランプ電流となるランプ特性を有しており、例えば、図7に示した回路構成のイグナイタではパルストランスPTの2次巻線2bにランプ電流が流れるので、従来の2倍程度のランプ電流が流れた場合、2次巻線2bの抵抗成分による温度上昇、効率低下を引き起こすため、より低い巻線抵抗値を有するパルストランスPTが要望されていた。
【0010】
ここで、図11に構造を示す平角導線を用いた従来のパルストランスPTの場合、2次巻線2bの抵抗値を低下させるために2次巻線2bの平角導線の断面積を増加させる方法として、平角導線の厚みを厚くする方法と、巾を広げる方法とが考えられる。平角導線の厚みを厚くする場合は、パルストランスPTが長手方向に非常に長くなることを意味しており、例えば、2次巻線2bの抵抗値を1/3程度にしようとすると、パルストランスPTの長さが2倍以上となり、図12に示すソケット本体23の内部に入らなくなる。
【0011】
また、平角導線の巾を広げる場合は、平角導線の曲率の限界(平角導線がコアに巻装されたときに内周に対する外周の伸び率が大きくなり過ぎると、外周部の絶縁皮膜が劣化し、絶縁性能が低下する)から、平角導線の巾を広くすることは実質不可能である。このように従来例1においては、ソケットに入る小型のイグナイタで、無水銀のHIDランプに対応できるように巻線の低抵抗値化を図ることは困難であった。
【0012】
次にパルストランスPTの巻線抵抗値を下げる他の方法として、磁気コアを閉磁路構成とし、磁気コアの結合を向上させて漏れ磁束を抑制することにより、巻線の巻き数を減少させて巻線抵抗値を下げる方法があり、特開2000−36416号公報に示される図13(a),(b),(c),14(a),(b)の構成を従来例2として示す。図13(a),(b),(c)はそれぞれ従来例2によるトランスの一実施の形態を示す平面図、正面図、側面図である。また、図14(a)はこのトランスの縦断面図、図14(b)は図14(a)のE−E断面図である。
【0013】
図13(a),(b),(c),14(a),(b)において高電圧パルスを出力する2次巻線2bは平角導線を断面が略長円形の筒状をなすように巻かれている。2次巻線2bを覆って取付けられている絶縁カバー30は樹脂製で、断面形状が略長円形の筒状を成している。絶縁カバー30の両端には2次巻線2bの端子台31a、31bが一体に形成され、これらの端子台31a,31bには2次巻線2bの両端を接続する端子32,33が固定される。
【0014】
2次巻線2bの外周には平角導線でなる1次巻線2aが、絶縁上の安全性の向上を図るため、絶縁カバー30の巻芯方向の中央より端部側に巻装される。すなわち、2次巻線2bの1次巻線2a側が2次巻線2bの低圧側となる。
【0015】
筒状の絶縁カバー30の外周には、1次巻線2aの巻き位置および端末引き出しのための位置決め用ガイド34を突出して一体に設けている。
【0016】
図14(a)において、磁気コア1は2次巻線2bとして巻かれたコイルに挿入された棒状コアである。磁気コア1は、断面形状が2次巻線2bのコイルの内周形状よりわずかに小さい略長円形をなす。磁気コア1として高抵抗のフェライトコアを用いることにより、2次巻線2bとの間に絶縁物を介せずに直接組み込むことができる。
【0017】
コの字状の磁気コア4は、磁気コア1の長手方向の面に対向した面4aと、磁気コア1の長手方向の両端面に各々対向した面4b,4cとを有するコの字形状であり、面4b,4cで棒状の磁気コア1の両端から磁気コア1を挟むように絶縁材35を介して取り付けられて閉磁路の磁気回路を構成している。
【0018】
なお、絶縁カバー30と磁気コア1との間は接着剤(図示なし)により固定され、さらに一般的には、1次巻線2aの端末や2次巻線2bの端子32,33以外の部分は樹脂(図示なし)によりモールドされる。
【0019】
このような従来例2では、棒状の磁気コア1とコの字状の磁気コア4とで閉磁路を構成しているが、2次巻線2bとその上に巻装される1次巻線2aとの間に、筒状の絶縁カバー30が挿入されているために、小型化を阻害しているという問題点がある。さらに、閉磁路化によって2次巻線2bが出力するパルスピーク電圧Vopは大きくなり巻数を低減できそうだが、パルス巾τは巻数の低下に伴って減少してしまい、従来例1のパルストランスPTと同様のパルスエネルギーを得るためには2次巻線2bの巻数を殆ど低減できないという問題点もある。
【0020】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型で、良好な出力特性を有し、さらに2次巻線の抵抗値が小さい電磁装置及び高電圧発生装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、棒状の第1の磁気コア、平角導線を第1の磁気コアに略当接してエッジワイズ巻で巻装した2次巻線、及び2次巻線の上に巻装した1次巻線からなる電磁部材と、前記電磁部材の周囲を被覆し、且つ2次巻線の巻回した線間を充填する樹脂と、前記樹脂で被覆された電磁部材の少なくとも長手方向の面に対向した面を有する第2の磁気コアとを備えることを特徴とする。
【0022】
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1の磁気コア及び第2の磁気コアの両方を通る磁束が通過する箇所の前記樹脂は、その厚さが略均一であることを特徴とする。
【0023】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記第2の磁気コアは、前記電磁部材の長手方向の面に対向した面と、前記電磁部材の両端面に各々対向した面とを有するコの字形状であることを特徴とする。
【0024】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載された電磁装置からなるパルストランスと、パルストランスの1次巻線に並列接続されたコンデンサと、コンデンサから1次巻線への放電経路を開閉するスイッチ要素とを備えたことを特徴とする。
【0025】
請求項5の発明は、請求項4において、少なくとも前記パルストランス、コンデンサ、スイッチ要素を収容する装置本体を備え、この装置本体に放電ランプのランプ口金が電気的且つ機械的に接続されるソケット部を設け、このソケット部を介して前記パルストランスの2次巻線に発生する高電圧パルスをランプ口金に印加することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
(実施形態1)
本実施形態の電磁装置(パルストランスPT)の構成は図1に示すように、棒状の磁気コア1(第1の磁気コア)、平角導線を磁気コア1に略当接して一層にエッジワイズ巻で巻装した2次巻線2b、及び高耐圧被覆を有して2次巻線2bの上に巻装した1次巻線2aからなる電磁部材Aと、電磁部材Aの周囲を被覆する樹脂3と、コの字状のフェライトからなる磁気コア4(第2の磁気コア)とを備える。1次巻線2aは、2次巻線2b上の低圧側に寄せて巻装しており、1次巻線2aと2次巻線2bとの間の絶縁を確保して、従来例1と同様の絶縁性能を有している。そして、磁気コア1として高抵抗のフェライトコアを用いることにより、2次巻線2bとの間に絶縁物を介せずに直接組み込むことができる。さらに、コの字状の磁気コア4は、電磁部材Aの長手方向(磁気コア1の長手方向)の面に対向した面4aと、電磁部材Aの長手方向の両端面に各々対向した面4b,4cとを有するコの字形状であり、面4b,4cで棒状の磁気コア1の両端から磁気コア1を挟むように取り付けられて閉磁路の磁気回路を構成している。
【0028】
樹脂3は、例えば不飽和ポリエステル樹脂を用いて、電磁部材Aの周囲を略直方体状に覆うように成形されたもので、このとき不飽和ポリエステルからなる樹脂3は2次巻線2bを巻回した線間にも充填されている。また、図2に示すように、函体の樹脂ケース5を用い、電磁部材Aを樹脂ケース5内に入れた後、エポキシからなる樹脂3を樹脂ケース5内に充填してもよく、このときも樹脂3は2次巻線2bを巻回した線間にも充填されている。
【0029】
また、電磁部材Aのみが樹脂3で全体を覆われ、磁気コア4は樹脂3で覆われていないので、コの字状の磁気コア4のように強度的に弱いエッジコーナ4dを有する構造であっても、樹脂3の膨張・収縮の影響でコアが割れることを防止できる。
【0030】
次に、本実施形態と、従来例1,2との各パルストランスPTの出力特性比較結果を図3,4に示す。ここで、本実施形態の特性:S1、従来例1の特性:S10、従来例2の特性:S20としている。本比較試験で用いたパルストランスPTは本実施形態及び従来例1,2ともに、磁気コア1をφ8mm径,長さ30mmのNi−Znフェライトとし、1次巻線2aの巻数(1次巻数)N1は5ターン、2次巻線2bの巻数(2次巻数)N2は220ターンとし、平角導線は厚み70μm,巾1.2mmとした。また、本実施形態及び従来例2では、磁気コア4をφ8mm径相当のコア断面を有するNi−Znフェライトからなるコの字状とし、磁気コア1の端面と、磁気コア1の長手方向の両端面に各々対向した磁気コア2の面4b,4cとの間のギャップは各々1mmづつとし、このギャップ間には樹脂3が充填されている。
【0031】
まず、パルストランスPTの1次巻線2aへの入力電圧を800Vとしたとき、従来例1における2次巻線2bでのパルス出力電圧特性は、パルスピーク電圧Vopが30KV程度、パルスの半値巾τが150ns程度であった。従来例2においては、パルスピーク電圧Vopが37KV程度、パルスの半値巾τが160ns程度であった。
【0032】
対して、本実施形態においては、パルスピーク電圧Vopが39KV程度、パルスの半値巾τが190ns程度であり、パルスピーク電圧Vop及びパルス反値巾τともに従来例1と比べて大幅に大きくなっており、従来例2と比べても大きくなっている。
【0033】
次に、本実施形態と従来例2との各2次巻数N2を減少させていくと、従来例1と同程度のパルスピーク電圧Vop(=30KV)を得るのに、従来例2の構成ではパルスピーク電圧Vopは2次巻数N2を165ターン程度まで減少させてもよく余裕があるものの、パルス半値巾τ(=150ns)を得ようとすると2次巻数N2は210ターンまでしか減少させることができず、2次巻数N2は殆ど減少させることはできないことが確認された。
【0034】
これに対し、本実施形態の場合、パルスピーク電圧Vop及びパルス半値巾τともに従来例2より大きく、従来例1と同程度のパルスピーク電圧Vop(=30KV)及びパルス半値巾τ(=150ns)を得るのに、2次巻数N2は130ターン程度まで減少させてもよいことが確認できた。
【0035】
この現象については、まず本実施形態のパルスピーク電圧Vopが従来例2より大きくなったのは、従来例2と同様にコの字状の磁気コア4を用いて閉磁路化したことに加えて、従来例2の構成要素である1次−2次巻線間の絶縁カバー30がなく、1次巻線2a−2次巻線2b間の結合度が増加したためと考えられる。
【0036】
また、本実施形態のパルス半値巾τが従来例2より大きくなったのは、2次巻線2bの平角導線を巻回した線間に樹脂3が充填されているため、2次巻線2bに寄生する浮遊容量が従来例2より大きくなり、パルス半値巾τを増加させたものと考えられる。
【0037】
このように、本実施形態では、パルスピーク電圧Vopやパルス半値巾τのパルス出力特性を従来例1と略同様のレベルに維持しつつ、2次巻数N2を大幅に減少させることができる。したがって、2次巻数N2が減少した分、2次巻線2bの巻幅が短くなるので、巻数N2を減少させる前と同様の巻幅になるよう平角導線の厚みを厚くして120μmとしたところ、2次巻線2bの抵抗値は、従来の構造(平角導線の厚み:70μm,平角導線の巾:1.2mm,2次巻数N2:220ターン,2次巻線巻幅:25mm)で1.3Ω程度であったものが、本実施形態の場合(平角導線の厚み:120μm,平角導線の巾:1.2mm,2次巻数N2:130ターン,2次巻線巻幅:25mm)、0.4Ω程度と大幅に減少させることができた。
【0038】
したがって、本実施形態のパルストランスPTは、大型化を抑制した上で従来と同様の出力パルス特性を有し、且つ2次巻線の抵抗値を大幅に小さくできる。
【0039】
また、本実施形態のパルストランスPTの構成は、棒状の磁気コア1と、磁気コア1に巻装した2次巻線2bと、2次巻線2bの上に巻装した1次巻線2aとからなる電磁部材Aの周囲を樹脂3で被覆することで電磁部材Aの各部品の位置を固定し、さらに図1においては樹脂3が磁気コア1の両端面と磁気コア4の面4b,4cとの間に存在して(図2においては、樹脂ケース5が存在している)、磁気コア1,4の互いの位置関係を支持固定しており、この磁気コア1の両端面と磁気コア4の面4b,4c間に各々充填される樹脂3の厚みを略均一,一定とすることによって、バラツキや経時変化の少ない安定した特性のパルストランスPTを供給できる。さらに、樹脂3が1,2次巻線2a,2bの線間,層間,及び端子間の絶縁性能確保に効果があることはいうまでもない。
【0040】
なお、本実施形態においては、閉磁路を構成するためにコの字状の磁気コア4を用いたが、電磁部材Aの少なくとも長手方向の面に対向した面を有する磁気コアであれば、コの字形状に限定するものではない。
【0041】
(実施形態2)
図5,6は、実施形態1の図1に示すパルストランスPT(電磁装置)を用いた自動車用ヘッドライト向けソケット内蔵型イグナイタ(高電圧発生装置)の部品配置図を示しており、ソケット本体(装置本体)23の内部にコンデンサC1、放電ギャップGAP、パルストランスPTが収納されて、その外形及び回路構成は従来例同様に図7,8で示される。
【0042】
本実施形態では、パルストランスPTの一端側に、1次巻線2aの高圧側端末に接続した端子T10、1次巻線2aの低圧側端末に接続した端子T11、2次巻線2bの低圧側端末に接続した端子T12を備え、パルストランスPTの他端側には、2次巻線2bの高圧側端末に接続したランプ口金電極端子T4を備えている。端子T10〜T12はソケット本体23の内部でコンデンサC1や放電ギャップGAPに接続し、ランプ口金電極端子T4はソケットに装着された高圧放電ランプLaのランプ口金と接続するものである。
【0043】
したがって、配線は端子間で行うことができるので、高電圧発生装置の配線、組み立てが容易となり、さらにはコンデンサC1,放電ギャップGAP,パルストランスPT間の絶縁を考慮した配線も容易となる。
【0044】
また、ソケット本体23の前面には略円形のソケット開口部24と、ソケット開口部24の内側略中央に突出した略円筒形の筒部25とが形成されており(図8参照)、この筒部25の内側にランプ口金の中央電極部(図示せず)と接触導通するランプ口金電極端子T4が収納されている。さらに、ランプ口金の外周面に設けられた外側電極部(図示せず)と接触導通する複数の外側電極T5がソケット開口部24の内側に取り付けられており、ランプ口金をソケット開口部24に挿入すると、高電圧発生装置と高圧放電ランプとが電気的且つ機械的に接続される。
【0045】
【発明の効果】
請求項1の発明は、棒状の第1の磁気コア、平角導線を第1の磁気コアに略当接してエッジワイズ巻で巻装した2次巻線、及び2次巻線の上に巻装した1次巻線からなる電磁部材と、前記電磁部材の周囲を被覆し、且つ2次巻線の巻回した線間を充填する樹脂と、前記樹脂で被覆された電磁部材の少なくとも長手方向の面に対向した面を有する第2の磁気コアとを備えるので、大型化を抑制しながら、良好な出力特性を有し、さらに2次巻線の抵抗値が小さい電磁装置を提供することができるという効果がある。
【0046】
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1の磁気コア及び第2の磁気コアの両方を通る磁束が通過する箇所の前記樹脂は、その厚さが略均一であるので、バラツキや経時変化の少ない安定した特性を得ることができるという効果がある。
【0047】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記第2の磁気コアは、前記電磁部材の長手方向の面に対向した面と、前記電磁部材の両端面に各々対向した面とを有するコの字形状であるので、磁気コアを閉磁路構成として漏れ磁束を抑制することにより、さらに巻線の巻き数を減少させて巻線抵抗値を下げることができるという効果がある。
【0048】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載された電磁装置からなるパルストランスと、パルストランスの1次巻線に並列接続されたコンデンサと、コンデンサから1次巻線への放電経路を開閉するスイッチ要素とを備えたので、請求項1乃至3のいずれかと同様の効果を奏する高電圧発生装置を提供することができるという効果がある。
【0049】
請求項5の発明は、請求項4において、少なくとも前記パルストランス、コンデンサ、スイッチ要素を収容する装置本体を備え、この装置本体に放電ランプのランプ口金が電気的且つ機械的に接続されるソケット部を設け、このソケット部を介して前記パルストランスの2次巻線に発生する高電圧パルスをランプ口金に印加するので、請求項4と同様の効果を奏し、放電ランプのランプ口金が接続されるソケットを一体に備えた高電圧発生装置を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の電磁装置の構成を示す図である。
【図2】同上の電磁装置の別の構成を示す図である。
【図3】同上の電磁装置の2次巻数に対する出力のパルスピーク電圧特性を示す図である。
【図4】同上の電磁装置の2次巻数に対する出力のパルス半値巾特性を示す図である。
【図5】本発明の実施形態2のソケット内蔵型イグナイタの部品配置を示す図である。
【図6】同上の部品配置を示す図である。
【図7】ソケット内蔵型イグナイタの回路図である。
【図8】ソケット内蔵型イグナイタの外観図である。
【図9】従来例1の1次巻線を省略した電磁装置の構造を示す図である。
【図10】同上の2次巻線の拡大図である。
【図11】同上の構造を示す図である。
【図12】従来例1のソケット内蔵型イグナイタの部品配置を示す図である。
【図13】(a),(b),(c)従来例2のトランスの形態を示す平面図、正面図、側面図である。
【図14】(a),(b)同上の縦断面図、及びE−E断面図である。
【符号の説明】
PT パルストランス
A 電磁部材
1 棒状の磁気コア
2a 1次巻線
2b 2次巻線
3 樹脂
4 コの字状の磁気コア

Claims (5)

  1. 棒状の第1の磁気コア、平角導線を第1の磁気コアに略当接してエッジワイズ巻で巻装した2次巻線、及び2次巻線の上に巻装した1次巻線からなる電磁部材と、前記電磁部材の周囲を被覆し、且つ2次巻線の巻回した線間を充填する樹脂と、前記樹脂で被覆された電磁部材の少なくとも長手方向の面に対向した面を有する第2の磁気コアとを備えることを特徴とする電磁装置。
  2. 前記第1の磁気コア及び第2の磁気コアの両方を通る磁束が通過する箇所の前記樹脂は、その厚さが略均一であることを特徴とする請求項1記載の電磁装置。
  3. 前記第2の磁気コアは、前記電磁部材の長手方向の面に対向した面と、前記電磁部材の両端面に各々対向した面とを有するコの字形状であることを特徴とする請求項1または2記載の電磁装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された電磁装置からなるパルストランスと、パルストランスの1次巻線に並列接続されたコンデンサと、コンデンサから1次巻線への放電経路を開閉するスイッチ要素とを備えたことを特徴とする高電圧発生装置。
  5. 少なくとも前記パルストランス、コンデンサ、スイッチ要素を収容する装置本体を備え、この装置本体に放電ランプのランプ口金が電気的且つ機械的に接続されるソケット部を設け、このソケット部を介して前記パルストランスの2次巻線に発生する高電圧パルスをランプ口金に印加することを特徴とする請求項4記載の高電圧発生装置。
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