JP4507636B2 - 半導体発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、化合物半導体を用いた発光素子であって、特に発光素子からの光の指向性を制御可能とする発光素子に関する。また本発明は、発光素子の発光層からの光の一部を吸収して異なる波長を有する光を発光する蛍光物質を含有する保護膜を備えた発光素子に関する。
近年、窒化物半導体よりなる高輝度な青色発光素子、青緑色発光素子などが実用化されている。このような半導体発光素子はより指向性が制御された発光効率の高い発光素子が求められている。そのため、発光素子の発光面上に透光性材料からなるレンズを形成することで、光の指向性を制御する半導体発光素子も知られている。
特開平2−119275号公報 特開平11−251640号公報 特開昭62−194689号公報 特開2000−216435号公報
しかしながら、このように半導体発光素子上にレンズを形成する際、発光素子にエッチング等の加工を行う必要がある。たとえは、凸レンズを形成する場合、球面加工の曲率半径を小さくするには、レンズ部以外にディープエッチングを施さなくてはならず、発光パターンが変形しやすく、また、その加工層を非常に厚く成長させなければならない。そのため発光素子の発光面状にフレネルレンズ等の回折光学素子を形成させたものがあるが、リソグラフィーやエッチング等による加工が必要とされ、非常に高度なエッチング技術を必要とする。また、とがった(尖)頂部を有する複数の回折格子が形成されるため各々の頂部が破損する可能性も高く、取り扱いにくいものである。さらに、半導体発光素子の光ファイバーへの接続も困難であった。
また、発光素子と該発光素子からの放出光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発光する蛍光体とを組み合わせた発光装置は提案されている(特許文献2)。該発光装置は、リード電極を備えた筐体の凹部に発光素子を載置しており、粒子状の蛍光物質を含有する透光性材料(樹脂)を前記筐体の凹部に滴下し、更に硬化させることで発光素子の外周に蛍光体層を形成している。しかしながら、上記のような発光装置では、蛍光物質が結着材(バインダ)と呼ばれる透光性材料に溶解させることは困難であり、粒子状である蛍光物質を筐体の凹部内で均一に分散された状態で蛍光体層を形成することは困難であった。従って、発光観測方向によって均一な発光が得られない発光装置となる。また発光装置ごとに色度、光量等の光学特性のバラツキが生じる。また筐体内で蛍光物質を均一に分散させようとすれば透光性材料(樹脂)の厚みが少なからず必要となる。そのためには筐体の凹部がある程度深くなければならず、筐体全体の高さを薄くすることはできない。
そこで本発明は上記課題を鑑み、エッチング加工などの高度な技術を要すことなく、光の指向性の制御などより高い機能を有する半導体発光素子を提供することを目的とする。更に、本発明は、任意の発光観測方位によって色ムラが生じない半導体発光素子、及び該半導体発光素子を載置した薄型の発光装置を量産性よく提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために本発明に係る半導体発光素子は、半導体発光素子の光取りだし面上に保護膜を有する半導体発光素子において、前記保護膜は、無機化合物を主鎖とし、有機化合物を官能基として備えた感光性材料からなり、該保護膜は屈折率分布を有することを特徴とする。このような保護膜を有する半導体発光素子は、発光層(活性層)からの光を所望の方向へ取り出すことができる。つまり、光の指向性を向上させることができる。
また、本発明に係る半導体発光素子は、保護膜が同心円状または格子状に所望の屈折率分布を有することを特徴とする。このような半導体発光素子からなると、フレネルレンズを装備した発光装置と同様の効果を得ることも可能であり、半導体発光素子からの光を集光させる或いは分散させて外部へ取り出すこともできる。前記保護膜の形状は、他にはストライプ状、縞状、網目状に屈折率分布を形成したものがある。また、保護膜内に、複数の多角形状や円状をパターン形成し、該パターン領域を高屈折率領域又は低屈折領域とすることで前記屈折率分布を効率的に有することができる。
また、本発明に係る半導体発光素子は、保護膜の屈折率分布が、高屈折率領域と低屈折率領域とが交互に形成されていることを特徴とする。保護膜の屈折率分布が、このような半導体発光素子からなると半導体発光素子からの光の指向性を制御して所望の方向へ光を取り出すことができる。また、半導体発光素子を内部に有する樹脂パッケージ等の設計や光軸合わせも行いやすくなる。
また、本発明に係る半導体発光素子は、保護膜が、高屈折率領域と低屈折率領域の屈折率差が少なくとも0.02以上であることを特徴とする。前記屈折率差は好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上とする。該屈折率差は、上限は特に限定しないが、0.3程度とする。このような半導体発光素子からなると、半導体発光素子からの光の指向性を制御して、効率よく所望の方向へ光を取り出すことができる。
本発明に係る半導体発光素子は、保護膜の低屈折率領域がMSQ(Methyl Silsesquioxane)からなることを特徴とする。このような半導体発光素子からなると、半導体発光素子上に安定性良く保護膜を形成することができる。
本発明に係る半導体発光素子は、保護膜の高屈折率領域がシラザン結合を有していることを特徴とする。
また、本発明に係る半導体発光素子は、窒化物半導体からなることを特徴とする。窒化物半導体は直接遷移型半導体であって、且つ発光波長は紫外域から600nm以上の長波長域である。そのため、前記発光波長域において、特に好ましくは近紫外域から緑色発光域である略365nmから530nmで高輝度発光が実現可能である。
また、上記目的を達成するために本発明に係る半導体発光素子は、半導体発光素子の光取りだし面上に保護膜を有する半導体発光素子において、前記保護膜は、無機化合物を主鎖とし、有機化合物を官能基として備えた感光性材料とともに、蛍光体を有することを特徴とする。基板上にn型層及びp型層を有する半導体層を積層し、該半導体層のp型層の露出面にはp電極が形成されており、少なくとも前記p電極上に保護膜を備える半導体発光素子において、前記保護膜は、無機化合物を主鎖とし、有機化合物を官能基として備えた感光性材料とともに、蛍光体を有することを特徴とする(図13)。これにより、本発明の半導体発光素子は、多色発光、白色発光であって、更に色ムラがなく、均一発光が可能である発光素子を得ることができる。またウェハからチップ化した後、発光素子を載置した筐体である発光装置内に蛍光体を溶解させた透光性材料を塗布する必要がなくなる。また前記保護膜は膜厚が40μm以下、好ましくは10μm以下であり、半導体発光素子自身のサイズを大きくすることはない。そのため、製造工程上は半導体発光素子を形成した段階で多色発光が可能となっており、製造工程を簡略化できるだけではなく発光装置を薄型、小型化することができる。前記保護膜の膜厚が上記範囲を越えるとパターニングが困難であったり、波長変換効率等の特性が悪くなる。
また、半導体層の中でも特に窒化物半導体層はp電極を形成した面での発光が強く、この領域に保護膜を備えることで効率よく発光層(活性層)からの放出光と異なる波長の光を取り出すことができる。更に、本発明は、半導体発光素子の活性層から放出される光の中で、端面側から放出される光に対して効果的である。その理由は、LED等の半導体発光素子はLDのように誘導放出光を積極的に形成することなく、半導体発光素子の端面から光が放出される構造である。本発明に係る半導体発光素子は、前記端面で覆われた領域については、活性層から放出される光を効率よく波長変換させて均一光とするため、各発光観測方位によって発光の色ムラを抑制することができる。また、前記保護膜にはMSQを含有していることを特徴とする。これにより、製造工程を削減することができ、また樹脂等の光劣化を抑制することができる。光劣化が起こらない理由としては、有機成分が存在するにも関わらずSiCHが安定であるからである。。また屈折率の調整や安定パッシベーション等の効果がある。
前記蛍光体は、Ce、Tb、Eu、Ba、Sr、Mg、Ca、Zn、Si、Cu、Ag、Au、Fe、Cr、Pr、Nd、Dy、Co、Ni、Tiからなる群から選ばれる少なくとも一種を賦活剤として含有する。このような賦活剤を含有した蛍光体は多色発光が可能となり好ましい。前記蛍光体の母体については後述する。
本発明に係る半導体発光素子の製造方法は、半導体発光素子の発光面上に無機化合物を主鎖とし、有機化合物を官能基として備えた感光性材料からなる保護膜を有する半導体発光素子の製造方法であって、前記保護膜に紫外線照射によって低屈折率領域および高屈折率領域からなる屈折率分布を形成することを特徴とする。このような製造方法からなると、比較的容易に低屈折率領域および高屈折率領域からなる屈折率分布を形成することができる。
本発明に係る半導体発光素子の製造方法は、紫外線照射はアライナーまたはステッパーを用いることを特徴とする。このような製造方法からなると、半導体発光素子の量産性を向上させることができる。特に、ステッパーによると、限定された波長による照射ができることから高解像度が得られるため、より光学設計が良好なものとなり好ましい。
本発明に係る半導体発光素子の製造方法は、保護膜がポリシラザン法によって形成されていることを特徴とする。このような製造方法からなると、比較的容易に安定した膜質の保護膜を形成することができる。また前記保護膜にはポリシラン系化合物を用いてもよい。
本発明に係る半導体発光素子は、半導体素子の光取りだし面に低屈折率領域および高屈折率領域からなる屈折率分布を有する保護膜が形成されているため、半導体発光素子からの光の指向性を制御し所望の方向への光の取りだし効率を高めることができる。また、本発明は、各発光観測方位によって色ムラが生じず、薄膜で形成された蛍光体膜を有する半導体発光素子である。
以下、図を用いて本発明の実施の形態に係る半導体発光素子の詳細な説明を行う。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態を示す半導体発光素子の模式的断面図である。前記半導体発光素子を窒化物半導体に限定して以下に示すが、本発明の実施の形態がこれに限定されないことは明らかである。図1の半導体発光素子は、基板2上に、少なくともn型窒化物半導体層3、p型窒化物半導体層4が順に積層されている。また図示されてはいないが、前記n型窒化物半導体層上には活性層を介してp型窒化物半導体層が積層されている。前記半導体発光素子は、p型窒化物半導体層上のほぼ全面に設けられたオーミック電極(p電極)51とその一部に設けられたパッド電極52を有する。また、前記p型窒化物半導体層からn型窒化物半導体層に達するまでエッチングされて形成された第1の凹部7にはn電極6が設けられている。ここで、第1の凹部とはn型窒化物半導体層の露出面であって、後述するn型コンタクト層とする。前記半導体発光素子は、p型窒化物半導体層4から基板2に達する基板露出面である第2の凹部8を有するが、該第2の凹部8は省略してもよい。前記半導体発光素子は、オーミック電極(p電極)51、パッド電極52とn電極6の各ボンディング面を除いて前記電極の形成面上に保護膜1を連続的に設けている。
[半導体積層構造]
本発明の実施の形態で用いられる窒化物半導体層は、例えば、サファイア、スピネル等の基板2上に窒化物半導体層との格子定数の不整合を緩和させるバッファ層を介してn型窒化物半導体層3を積層する。該n型窒化物半導体層は、n電極とオーミック接触を得るためのn型コンタクト層、またキャリア供給層であるn型クラッド層を少なくとも備えている。また前記n型窒化物半導体層上にはキャリアの再結合により光を発生させるInを含有する活性層(発光層)を介してp型窒化物半導体層を積層している。p型窒化物半導体層は、キャリアを活性層に閉じこめるためのp型クラッド層、p電極とオーミック接触を得るためのp型コンタクト層を少なくとも備えている。以下に各構成について詳細に示す。
前記基板2としては、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイアやスピネル(MgA124)のような絶縁性基板、また炭化珪素(6H、4H、3C)、シリコン、ZnS、ZnO、Si、GaAs、ダイヤモンド、及び窒化物半導体と格子接合するニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジウム等の酸化物基板が挙げられる。また、デバイス加工が出来る程度の厚膜(数十μm以上)であればGaNやAlN等の窒化物半導体基板を用いることもできる。異種基板はオフアングルしていてもよく、サファイアC面を用いる場合には、0.01°〜0.5°、好ましくは0.03°〜0.2°の範囲とする。
また基板上に成長させる窒化物半導体はバッファ層を介して成長することが好ましい。バッファ層としては、一般式AlGa1−aN(0≦a≦0.8)で表される窒化物半導体、より好ましくは、AlGa1−aN(0≦a≦0.5)で示される窒化物半導体を用いる。バッファ層の膜厚は、好ましくは0.002〜0.5μm、より好ましくは0.005〜0.2μm、さらに好ましくは0.01〜0.02μmである。バッファ層の成長温度は、好ましくは200〜900℃、より好ましくは400〜800℃である。これにより、窒化物半導体層上の転位やピットを低減させることができる。さらに、前記異種基板上にELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)法によりAlGa1−xN(0≦X≦1)層を成長させてもよい。このELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)法とは窒化物半導体を横方向成長させることで貫通転位を曲げて収束させることにより転位を低減させるものである。またバッファ層上に高温成長させた高温成長層を形成することが好ましい。高温成長層としては、アンドープのGaN又はn型不純物をドープしたGaNを用いることができる。好ましくは、アンドープのGaNを用いることで結晶性をよく成長させることができる。高温成長層の膜厚は、1μm以上、より好ましくは3μm以上である。、また、高温成長層の成長温度は、900〜1100℃、好ましくは1050℃以上である。
(n型窒化物半導体層3)
次に、n型コンタクト層を成長させる。n型コンタクト層としては、活性層のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、Si等のn型不純物がドープされたAlGa1−xN(0≦x≦1)が好ましい。n型コンタクト層の膜厚は特に限定されるものではないが、0.5μm以上とし、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上である。また、n型クラッド層のn型不純物濃度は特に限定されるものではないが、好ましくは1×1017〜1×1020/cm、より好ましくは1×1018〜1×1019/cmである。また、n型不純物濃度に傾斜をつけても良い。また、Alの組成傾斜をつけることでキャリアの閉じ込めのためのクラッド層としても機能する。
(活性層17)
本発明に用いる発光層(活性層)は、少なくとも、AlInGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、a+b≦1)から成る井戸層と、AlInGa1−c−dN(0≦c≦1、0≦d≦1、c+d≦1)から成る障壁層と、を含む量子井戸構造を有する。さらに好ましくは、上記井戸層及び障壁層が、それぞれ、AlInGa1−a−bN(0<a≦1、0<b≦1、a+b<1)と、AlInGa1−c−dN(0<c≦1、0≦d≦1、c+d<1)である。活性層に用いられる窒化物半導体は、ノンドープ、n型不純物ドープ、p型不純物ドープのいずれでも良いが、好ましくは、ノンドープもしくは、又はn型不純物ドープの窒化物半導体を用いることにより発光素子を高出力化することができる。さらに好ましくは、井戸層をアンドープとし、障壁層をn型不純物ドープとすることで、発光素子の出力と発光効率を高めることができる。
発光素子に用いる井戸層にAlを含ませることで、従来のInGaNの井戸層では困難な波長域、具体的には、GaNのバンドギャップエネルギーである波長365nm付近、もしくはそれより短い波長を得ることができる。
井戸層の膜厚は、好ましくは1nm以上30nm以下、より好ましくは2nm以上20nm以下、さらに好ましくは3.5nm以上20nm以下である。1nmより小さいと井戸層として良好に機能せず、30nmより大きいとInAlGaNの4元混晶の結晶性が低下し素子特性が低下するからである。また、2nm以上では膜厚に大きなむらがなく比較的均一な膜質の層が得られ、20nm以下では結晶欠陥の発生を抑制して結晶成長が可能となる。さらに膜厚を3.5nm以上とすることで出力を向上させることができる。これは井戸層の膜厚を大きくすることで、大電流で駆動させるLDのように多数のキャリア注入に対して、高い発光効率及び内部量子効率により発光再結合がなされるものであり、特に多重量子井戸構造において効果を有する。また、単一量子井戸構造では膜厚を5nm以上とすることで上記と同様に出力を向上させる効果が得られる。また、井戸層の数は特に限定されないが、4以上の場合には井戸層の膜厚を10nm以下として活性層の膜厚を低く抑えることが好ましい。活性層を構成する各層の膜厚が厚くなると、活性層全体の膜厚が厚くなりVの上昇を招くからである。多重量子井戸構造の場合、複数の井戸の内、好ましくは上記の10nm以下の範囲にある膜厚の井戸層を少なくとも1つ有すること、より好ましくは全ての井戸層を上記の10nm以下とすることである。
また、障壁層は、井戸層の場合と同様に、好ましくはp型不純物又はn型不純物がドープされているか又はアンドープであること、より好ましくはn型不純物がドープされているか又はアンドープであることである。例えば、障壁層中にn型不純物をドープする場合、その濃度は少なくとも5×1016/cm以上が必要である。例えば、LEDでは、5×1016/cm以上2×1018/cm以下が好ましい。また、高出力のLEDやLDでは、5×1017/cm以上1×1020/cm以下、より好ましくは1×1018/cm以上5×1019/cm以下である。この場合、井戸層はn型不純物を実質的に含有しないか、あるいはアンドープで成長させることが好ましい。また、障壁層にn型不純物をドープする場合、活性層内のすべての障壁層にドープしても良く、あるいは、一部をドープとし一部をアンドープとすることもできる。
(p型窒化物半導体層)
次に、前記活性層(発光層)上にp型窒化物半導体層を積層する。前記p型窒化物半導体層にはp型クラッド層、p型コンタクト層等を備えている。該p型クラッド層としては、活性層のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、活性層へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、AlGa1−kN(0≦k<1)が用いられ、特にAlGa1−kN(0<k<0.4)が好ましい。p型クラッド層の膜厚は特に限定されないが、好ましくは0.01〜0.3μm、より好ましくは0.04〜0.2μmである。p型クラッド層にドープされるMg等のp型不純物濃度は、1×1018〜1×1021/cm、1×1019〜5×1020cmである。p型不純物濃度が上記の範囲にあると、結晶性を低下させることなくバルク抵抗を低下させることができる。p型クラッド層は、単一層でも多層膜層(超格子構造)でも良い。多層膜層の場合、上記のAlGa1−kNと、それよりバンドギャップエネルギーの小さい窒化物半導体層とからなる多層膜層であれば良い。例えばバンドギャップエネルギーの小さい層としては、n型クラッド層の場合と同様に、InGa1−lN(0≦l<1)、AlGa1−mN(0≦m<1、m>l)が挙げられる。多層膜層を形成する各層の膜厚は、超格子構造の場合は、一層の膜厚が好ましくは100Å以下、より好ましくは70Å以下、さらに好ましくは10〜40Åとすることができる。また、p型クラッド層がバンドギャップエネルギーの大きい層と、バンドギャップエネルギーの小さい層からなる多層膜層である場合、バンドギャップエネルギーの大きい層及び小さい層の少なくともいずれか一方にp型不純物をドープさせても良い。また、バンドギャップエネルギーの大きい層及び小さい層の両方にドープする場合は、ドープ量は同一でも異なっても良い。
次にp型クラッド層上にp型コンタクト層を形成する。p型コンタクト層は、Mg等のp型不純物がドープされたAlGa1−fN(0≦f<1)が用いられ、特に、AlGa1−fN(0≦f<0.3)で構成することによりオーミック電極である第1の電極と良好なオーミックコンタクトが可能となる。p型不純物濃度は1×1017/cm以上が好ましい。また、p型コンタクト層は、導電性基板側でp型不純物濃度が高く、かつ、Alの混晶比が小さくなる組成勾配を有することが好ましい。この場合、組成勾配は、連続的に組成を変化させても、あるいは、不連続に段階的に組成を変化させても良い。
本発明では窒化物半導体を有機金属化学気相成長(MOCVD)法、ハライド気相エピタキシャル成長(HVPE)法、分子線エピタキシー(MBE)法等の気相成長法を用いて成長させることができる。
前記窒化物半導体層を基板上に積層した後、該ウェハを気相成長反応装置から取り出し、その後、酸素及び/又は窒素を含む雰囲気中で450℃以上で熱処理をする。これによりp型窒化物半導体層に結合している水素が取り除かれ、p型の伝導を示すp型窒化物半導体層を形成する。
[電極]
次に、前記窒化物半導体層にエッチング加工を行うことで第1の凹部7を形成する。ここで露出したn型窒化物半導体層にn電極6を形成する。またp型窒化物半導体層の表面にはp電極5を形成する。
窒化物半導体をエッチングする方法としては、ドライエッチングが好ましい。ドライエッチングには、例えば、反応性イオンエッチング(RIE)、電子サイクロトロンエッチング(ECR)、イオンビームエッチング等の装置があり、いずれもエッチングガスを適宜選択することにより、窒化物半導体をエッチングして平滑面を形成することができる。
尚、n型窒化物半導体層を露出する際に、半導体層の外周部についてもエッチングを行い基板2を露出させ、第2の凹部8を形成してもよい。
前記n電極6は、n型窒化物半導体とオーミック接触が可能な電極材料であれば特に限定されない。例えば、Ti、Al、Ni、Au、W、V、Mo、Cr等の金属材料の1種類以上を用いることができる。Ti、W、VをそれぞれベースとするTi/Al、W/Al、W/Al/W/Au、W/Al/W/Pt/Au、V/Al等の多層構造とすることが好ましい。これらの多層構造によってn型窒化物半導体層とオーミック接触が可能な電極材料を用いることによりVfを低減することができる。n電極6の膜厚は、2000Å〜5μm、好ましくは5000Å〜1.5μmに設定される。
本発明の実施の形態において、前記p電極5は、p型窒化物半導体素子のほぼ全面に設けられた透光性のオーミック電極51とオーミック電極の一部に設けられたパッド電極52とからなる。例えば、オーミック電極51としては、Au、Pt、Al、Sn、Cr、Ti、Ni、Rh、Ir、Ag等の1種類以上を用いることができる。具体例としては、Ni/AuやNi/Au/Pt等である。その他に透光性の導電膜であるITOを前記オーミック電極に用いることもできる。オーミック電極51の膜厚は、50Å〜2000Åとし、好ましくは100Å〜500Åに設定される。また、実施形態に合わせて、膜厚を調整することで透光性、不透光性、又は反射性など適宜調整することができる。パッド電極52としては、Au、Pt、Al、Sn、Cr、Ti、Ni等の1種類以上の金属材料を用いることができる。パッド電極52の膜厚は、2000Å〜1.5μmに設定される。
[保護膜]
(屈折率分布)
上記のような窒化物半導体からなる発光素子などの場合、電極形成面や基板側に比べて、端部からの光の出射量が多いという指向性を有するものであるため、用途を広げにくい場合もある。そのため、従来では樹脂パッケージなどに載置させて、反射部やレンズ部を設けることで半導体発光素子の指向性を制御してきた。しかしながら、このようにレンズ部をパッケージに形成する場合は、半導体発光素子とレンズ部と距離が大きくなり、厳密な光軸の位置あわせが難しい。またその一方で、半導体発光素子上に直接レンズ加工を施す試みがなされているが、高精度で高度な技術を要することに加え、半導体層自体を損傷させる場合もあるために、必ずしも望ましい形態であるとはいえない。
そこで本発明は、図1に示すように、半導体発光素子の光取りだし面上(図1においては、第1の凹部7及び第2の凹部8を含む面であって、各電極のボンディング部以外)に設けられた保護膜1に、低屈折率領域11及び高屈折率領域12からなる、所望の屈折率分布が形成されている。低屈折率領域11の屈折率の範囲は1.3〜1.5、好ましくは1.38〜1.45であって、高屈折率領域12の屈折率は1.45〜1.7の範囲にすることで、光の指向性をより向上させることができる。
このように、半導体発光素子の光取りだし面に形成された保護膜1に、低屈折率領域11及び高屈折率領域12からなる屈折率分布を設けることによって、半導体発光素子からの光の指向性を制御して取り出すことができる。ここで、光取りだし面とは、光が出射される面である半導体発光素子の電極形成面や端面を意味し、基板面を含んでもよい。本発明によれば、保護膜1に屈折率差を設ける際、半導体層の光とりだし面上に設けられた保護膜1の上にマスクを配置させ、露光させることによって、マスク配置部とそれ以外の部分との屈折率差を設けることができる。すなわち、レンズを設けるために用いられる高度なエッチングやリソグラフィーなどの技術は必要とされない。また、保護膜1は略平坦な面からなり外力による回折格子の損傷等の危険性もないことから、量産性を向上させることができる。さらに、発光素子自体に光学素子と同様の特性を有する保護膜1を有するため、樹脂パッケージ等に載置しレンズ部を設ける必要性を無くすこともできることから、LEDのサイズを発光素子(LEDチップ)の大きさにまで小型化することも可能である。
保護膜材料としては、無機化合物を主鎖とし、有機化合物を官能基として備えた感光性材料からなるものであれば好ましく、半導体層との密着性や屈折率差を考慮した上で、適宜選択することができる。また、膜厚は少なくとも500Å以上であると、光の取りだし効率がよくなると共に、保護膜としての機能を充分持たせることができる。
またこのような無機化合物を主鎖とし、有機化合物を官能基として備えた感光性材料からなるものであると、有機ポリマーから無機ガラスまでの広い範囲の屈折率を、容易に得ることができる。さらに、樹脂パッケージ等に載置させて後からレンズ部を設けるものでは、レンズ部は樹脂や有機ポリマーなどによって形成されることが多いのに対し、無機化合物を主鎖とし、有機化合物を官能基として備えた感光性材料は、無機物の性質も有するものであるため、安定性のよいものである。そのため素子からの光や熱による劣化が起こりにくく好ましい。
さらに、保護膜1の一部がMSQ(Methyl Silsesquioxane)膜からなるとより好ましい。このような膜からなると、より構造が安定するため保護膜として良好な機能を有するものとなる。またさらに、MSQ膜はパシベーション性も高いため、保護膜として重要な疎水性を有する膜とすることができる。
このような材料からなる保護膜1は、本発明ではゾルゲル法の一種であるポリシラザン法によって成膜させることができる。ゾルゲル法とは、ゾルからゲルへの状態変化を利用するものであって、一般的な材料であるアルコキシシラン等を用いたゾルゲル法では、焼成させることでHOが取り除かれ加水重合物のSiOとなる。このようなゾルゲル法からなるSiOは、体積収縮が大きく、半導体発光素子との密着性が悪くなるため保護膜とするには向かない。さらに一般的に焼成温度として500℃以上の高温が必要となる。
一方、ポリシラザン法では、シラザン結合を有しSiNHを基本ユニットとする有機溶媒に可溶な無機ポリマーで、例えばSiNHX(X=Cαβγ:α=1,2,3・・、β=1,2,3・・、γ=0,1,2・・)からなる材料を塗布した後、焼成することによって、SiOX(X=C:l=1,2,3・・、m=1,2,3・・、n=0,1,2・・)を形成することができる。ポリシラザン法によるMSQ膜は、Siに対してメチル基が必ず結合するFull−MSQと呼ばれるものであって、吸湿性がほとんどなく安定性に大変優れるものであるため、半導体発光素子の保護膜として適するものである。本発明によるポリシラザン法の特徴としては、SiNHXが感光物質を含有できる点にある。以下に成膜方法を説明する。
(保護膜の成膜方法)
上記の通りn型窒化物半導体層3及びp型窒化物半導体層4を積層し、n型窒化物半導体層3及びサファイア等の基板2を露出させるまでエッチングを行いn電極を形成するためにn層出しを行い(第1の凹部7)チップ化するためにチップ形状を形成(第2の凹部8)した後、n電極6及びp電極(オーミック電極51、パッド電極52)を形成する。その後、感光性を有するポリシラザン溶液を、スピンコート、スプレーコート、ディップコート等の方法によって、素子及びサファイア基板上の全体に塗布する。ポリシラザンは、単体では分子量に依存して粘調液体から固体であり、多くの種類の有機溶媒に可溶であるため、容易に平坦な塗布膜を形成することができる。また、有機的な性質が与えられることから、膜物性を幅広く選択することができる。
エッチングを行う際、第1の凹部7だけでなく、各素子に分離するためサファイア等の基板にまでエッチングを行い第2の凹部8を形成することで、各半導体発光素子に分離後、保護膜1を半導体層全体に被覆させて形成することができる。
次に80〜110℃の温度下で行うプリベークによって溶媒を除去する。プリベークは120℃よりも高い温度で行うと、感光体が破壊されてしまうため上記の範囲で行うのが好ましい。プリベーク後、所望の屈折率分布となるようにマスクパターンを配置させ、365nmのi線によって露光を行う。露光装置としては、アライナーまたはステッパーを用いることができる。パターン形成はレーザ描画や電子線描画によっても可能であるが、アライナーまたはステッパーでの露光によると、量産性よく屈折率分布を形成することができる。好ましくは、ステッパーによる露光方法であり、ステッパーによると高解像度のパターン形成を行うことができるため、より細やかな光学設計も可能となる。また、露光後の感光部は、感光体から発生する水素イオンがSi−Nの結合の一部を攻撃し、主鎖が一部分断された状態となっている。
次に、250〜450℃で焼成を行う。250℃よりも低い温度であると充分に焼成できず、450℃より高い温度であるとメチル基が解離してしまうため好ましくない。このような条件で焼成を行うことで、NHが取り除かれ、SiNHCHの−N−H−結合が−O−結合に置き換わり、SiO1.5CHとなりMSQ膜を形成することができる。この際に得られた感光部のMSQ膜は、上述したFull−MSQと呼ばれるものであって、安定性に優れる。また感光部以外の保護膜には、シラザン結合が残留した状態となっている。図9に示すように、感光部でありMSQ膜からなる低屈折率領域Aは、非感光部でありシラザン結合が残留する高屈折率領域Bより、屈折率が0.03低いものとなっている。このように、紫外線の照射によって保護膜材料が、異なる組成や結合構成に変化することで、感光部と非感光部において屈折率差の異なる領域を設けることが可能となる。尚、感光体を含有するSiNHCHを用いて得られるMSQ膜aは、図11のIR曲線からわかるように、比較例として示した感光体を含有しないSiNHCHからなる膜bには現れないピークを波数約1200付近に有する。
図8のグラフは、各工程での屈折率変化を示したものであるが、感光体を有するポリシラザンからなる材料は、プリベーク時から、露光を重ねるごとに屈折率が低下していることが分かる。キュア(ポストベーク)後の最終生成膜は、さらに屈折率が低くなり、プリベーク時と比較すると、約0.12の差が生じている。
次に、各電極上にボンディングのための孔501、601を設けるため、保護膜上にフォトレジストを設けてパターニング後、保護膜を部分的にエッチングを行う。その後、フォトレジストを剥離する。その後、サファイア等の基板を研磨することでウェハを薄膜化してもよい。その後、スクライブもしくはダイシングによってチップ化を行う。
以上の方法により得られる、半導体発光素子の光取りだし面上の屈折率分布を有する保護膜のうち、感光部である低屈折率領域を成すMSQ膜は、非感光部である高屈折率領域を成す膜とは性質の異なるものである。また、図10のグラフは、本発明のMSQ膜からなる低屈折率領域Aと高屈折率領域BのIR曲線を示している。高屈折率領域Bは、Si−N結合が現れる波数900のときにピークを有するのに対し、本発明の低屈折率領域Aには現れておらず、一方、本発明の低屈折率領域Aでは、高屈折率領域Bと比較してSi−O結合が吸収される波数1000付近のピークがより高いものとなっている。これらのことから、本発明の低屈折率領域Aは、露光の工程によってSi−N結合がSi−O結合に置換されていることが分かる。
本発明の屈折率分布を形成するための、パターン形状は、所望の指向性に応じて、適宜決定することができる。例えば図2に示すように、光取りだし面上に保護膜1の低屈折率領域11と高屈折率領域12とが交互に同心円状に形成されている屈折率分布を形成すると、それぞれの領域の幅を調整することで、フレネルレンズのように光を集光させたり、平行光を出射させたりすることも可能である。このように半導体発光素子の上面から光を取り出す場合、同じく光取りだし面である半導体発光素子の第2の凹部8に設けられた保護膜1に低屈折率領域11を形成することで、半導体発光素子の側面からの出射を抑制させることができるため、半導体発光素子上面からの光の取りだし効率をさらによくすることもできる。特に保護膜が形成される半導体発光素子が、窒化物半導体からなる場合、端面からの出射割合が大きい指向性を有するため出射光を制御することが困難であったため、このような指向性の制御は有効である。また、発光素子の上面のみならず、所望の面のみからの発光が望まれる際は、低屈折率領域及び高屈折率領域からなる屈折率分布を半導体発光素子の所望の面に設け、半導体発光素子の上面や他の端面を低屈折率領域で被覆し、半導体発光素子の一端面からのみ光を出射させることもできる。前記保護膜1における低屈折率領域11と高屈折率領域12とは間隔が同一である必要はない。前記低屈折率領域11及び高屈折率領域12はストライプ幅の間隔が0.5μm以上とすることが好ましい。これにより屈折率型光学回折素子の効果がある。
また図3のように、オーミック電極513として、格子状に電極を設けることで、電流の拡散および光の取りだし効率を高めている半導体発光素子がある。このような半導体発光素子については、図4のように格子部分と重なるように低屈折率領域11を設けることで、光の取りだし効率をより向上させることができる。このような形態とする場合は、図5のようにオーミック電極513の格子の上面のみならず側面についても低屈折率領域11によって覆われるようにする。このようにすると電極直下の発光部から保護膜の高屈折率領域12の内部を光が進行する際、電極の側面が高屈折率領域12にむき出した状態になっていないため、電極への光の吸収を防ぎ、さらに光を効率よく外部へ取り出すことができる。
本発明では、アライナーまたはステッパーを用いて、紫外線照射を行うことで、細かい光学設計によるパターン形成も量産性よく行うことができるため、これら上記した以外にも、本発明によって様々な屈折率分布のパターンを形成し、所望の光取りだしを得ることができることは言うまでもない。
実施の形態2.
図6は本発明の実施の形態2に係る半導体発光素子の模式断面図である。本実施の形態に係る半導体発光素子は、基板2側にも低屈折率領域11及び高屈折率領域12からなる屈折率分布が形成された保護膜1が形成されいる。
このような半導体発光素子は、実施の形態1と同様の工程によって、各半導体層上に低屈折率領域11及び高屈折率領域12からなる所望の屈折率分布が形成された保護膜1を形成した後、サファイア基板2側にも同様に感光体を含有するポリシラザン溶液を塗布する。次に再度、実施例1と同様の工程によって所望の屈折率分布を形成する。その後スクライブもしくはダイシングによって個々の半導体発光素子とするためにチップ化を行う。
以上の工程によって、半導体素子側のみならずサファイア基板側においても所望の屈折率分布を形成することで、フリップチップボンディングなどの基板側から光を取り出す際においても、光の取りだし効率を上げることが可能となる。
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3に係る半導体発光素子の模式断面図である。本実施の形態に係る半導体発光素子は、窒化物半導体層のみからなるものであって、半導体層の上面と下面に対向電極が形成されている。
このような対向電極構造を有する半導体発光素子は、まずn型窒化物半導体層およびp型窒化物半導体層を実施の形態1と同様にして積層後、第1の電極であるp電極5とp電極5以外のp型窒化物半導体層上に絶縁膜30を形成する。他方、この半導体層に貼り合わせる支持基板20を準備する。前記支持基板の具体例としては、Cu−W、Cu−Mo、AlN、Si、SiC等である。貼り合わせ面には密着層、バリア層、共晶層を備えた構造が好ましい。例えばTi−Pt−Au、又はTi−Pt−AuSn等の金属膜を形成する。このような金属膜は共晶により合金化され、後工程で導通層となる。
次に支持基板20の金属膜を形成した面と窒化物半導体層の表面とを向かい合わせて、プレスをしながら熱を加え合金化した後、異種基板側からエキシマレーザを照射するか、又は研削により異種基板を取り除く。その後、窒化物半導体素子を形成するためRIE等で外周エッチングを行い、外周の窒化物半導体層を除去した状態の窒化物半導体素子とする。また、光の取りだし効果を向上させるために窒化物半導体の露出面をRIE等で凹凸(ディンプル加工)を施してもよい。凹凸の断面形状はメサ型、逆メサ型があり、平面形状は、島状形状、格子状、矩形状、円状、多角形状などがある。次に、第2の電極であるn電極6を前記窒化物半導体層の露出面に形成する。電極材料としては、Ti/Al/Ni/Au、W/Al/WPt/Auなどが挙げられる。
このような窒化物半導体の両面に電極が形成された半導体発光素子からなると、半導体発光素子の上面に保護膜を形成した後、外部と導通をとるためのボンディング部を設ける際、エッチングによるn電極6上までの孔601を1箇所のみ形成するだけでよいため低屈折率領域および高屈折率領域からなる屈折率分布パターンの面積を比較的広くとることができる。前記保護膜を形成する条件等は実施形態1と同様にする。本実施形態では、n電極とp電極とが対向した電極構造とすることで電流の流れは縦方向のみとなり、投入電流を増加することができる。そのため、高出力の発光素子を実現することができる。
また、実装面が金属材料からなるp電極5であるため、活性層(発光層)から下の方向へ向かう光を反射させることができるため、上面からの光のとりだしをさらに効率よくすることができる。さらに、実装面が金属材料、ITO等の透明導電性材料からなるp電極5であるため、放熱性に優れた半導体発光素子とすることができる。次に、チップ化することによって、両面に電極が形成された窒化物半導体素子を得ることができる。
実施の形態4.
図12は本発明の実施の形態4に係る光ファイバーと光ファイバーに接続された半導体発光素子からなる半導体発光装置の構造を示す模式断面図である。
実施の形態4に係る発光装置は、収納孔903を有するパッケージ体902と、収納孔903の底部に基板を上側にして配置された半導体発光素子9と、半導体発光素子と接合可能に収納孔903の底部に所定間隔で離間して露出するように配置された正及び負のリード電極904、905とから構成されている。収納孔903は光ファイバー910の挿入孔を兼ね、収納孔903に挿入された光ファイバー910は、半導体発光素子の基板2上に形成された保護膜10に端面を当接させた状態で固定されている。
ここで半導体発光素子9は、実施の形態2と同様の材料及び工程によって形成されたものである。本実施例では、半導体発光素子9の側面を低屈折率の保護膜11が形成されている。そのため、側面からの光の出射は抑制され、さらに、電極形成面方向へ向かう光はリード電極によって反射することから出射光のほとんどが、低屈折率領域11および高屈折率領域12からなる屈折率分布が形成された保護膜1が設けられた半導体発光素子9の基板側から取り出されるものである。
光ファイバー910には、マルチモードファイバーとシングルモードファイバーのいずれも用いることができる。収納孔903の直径は光ファイバー910の外径の105〜120%程度が好ましい。また、収納孔903の深さは0.5〜5.0mm程度が好ましい。
パッケージ体902は、トランスファーモールド法を用いて形成することができる。厚さ約0.15mmの鉄入り銅からなる長尺金属板を、プレスを用いた打ち抜き加工又はエッチング加工により、正及び負のリード電極904、905を形成する。次に形成した正及び負のリード電極904、905に銀メッキを施した後、一対の成形金型内に配置する。ここで、正及び負のリード電極904、905をそれぞれの一端面を所定距離離間してお互いに対向させ、且つパッケージ体の上面の型面を有する一方の金型を収納孔の底部となる部分に直接接触させるように所定の位置に保持した後、一対の成形金型で挟むことにより、成形金型内に保持させる。次にパッケージ体の下面の型面を有する他方の金型にゲートから溶融させた成形樹脂を流し込んで硬化させることによりパッケージ体902を形成する。
トランスファーモールド法によれば、寸法精度の高い成型体を作製することができるので、内径や深さ当のばらつきの少ない高精度の収納孔903を有するパッケージ体902を形成することができる。これにより光ファイバー910の挿入位置のばらつきを抑制することができる。ここで、成型樹脂には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。なお、本実施の形態では、トランスファーモールド法を用いてパッケージ体902を成形する方法について説明したが、射出成形によっても成形することができる。この場合、ポリフタルアミド、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリノルボルネン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
このような形態からなると、半導体発光素子9からの光を光取り出し面に設けられた保護膜1のレンズ効果によって光ファイバー910の内部へ効率よく導くことで半導体発光素子9と光ファイバー910との結合を良好にすることができる。さらに保護膜1が平坦な面からなるため半導体発光素子9の基板側の保護膜10に光ファイバー910を信頼性よく当接させることができ、また当接させても破損の恐れが無い。さらに、半導体発光素子9の実装面である電極形成面側の保護膜1を、低屈折率領域11のみからなるものとすると、光ファイバー910への入射効率を上げることもできる。
光ファイバー910との接続を行う場合は、上述の形態に限定されず、両面にn電極6およびp電極5が形成されている半導体発光素子や、同一面に両電極が形成されているものであっても、基板面をリード電極904、905と対向させ、両電極をワイヤボンディングによって電気的に外部と接続を行う形態の半導体発光素子を用いることもできる。これらのような場合は、ワイヤがあるため半導体発光素子と光ファイバーとを離間させなければならないが、レンズ機能によって光を集光させることができるため、光ファイバーと半導体発光素子からの光の集光点とを考慮することで実施可能である。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係る半導体発光素子は、基板上にn型層及びp型層を有する半導体層を積層し、該半導体層のp型層の露出面にはp電極が形成されており、少なくとも前記p電極上に保護膜を備える半導体発光素子において、前記保護膜は、無機化合物を主鎖とし、有機化合物を官能基として備えた感光性材料とともに、蛍光体を有することを特徴とする半導体発光素子である(図13)。図14、15は保護膜の拡大図である。半導体発光素子は、蛍光体によって活性層からの光の一部を波長変換させて多色発光を可能とする。なお、本形態における保護膜は、他の実施の形態においても利用可能である。すなわち、上述した実施の形態1から4における屈折率分布を有する保護膜に蛍光体を含有させることもできる。ここで、低屈折率領域11及び高屈折率領域12にそれぞれ含有させる蛍光体の種類、組成、量および中心粒径は同じである必要はない。また、低屈折率領域11あるいは高屈折率領域12に対して、選択的に蛍光体を含有させることもできる。これにより、活性層からの光と、該活性層からの光の一部を吸収した蛍光体が発する光の指向性をそれぞれ制御し、所望の方向へそれぞれの光取り出し効率を高めることができる。また、各蛍光体の発光による混色光の指向性も制御することができる。
図1の半導体発光素子1において、基板2上に、少なくともn型層3、活性層(図示されていない。)、p型層4を順に積層し、p型層4上のほぼ全面にp電極(オーミック電極)51を設け、該p電極の上面の一部にpパッド電極52を設け、またn型層3の一部にはn電極6を有している。更に前記pパッド電極52およびn電極6の各ボンディング面を除いて、前記半導体発光素子の表面には連続的に蛍光体を含有する保護膜1を成膜している。保護膜は、電極上面にボンディング領域を確保できれば、n型層3やp型層4の露出面のみならず、p電極(オーミック電極)51やパッド電極52、n電極の表面に連続的に成膜することができる。
前記半導体発光素子における光取りだし面は、光が出射される面である半導体発光素子の電極形成面や端面であるが、基板2面を含んでもよい。本発明によれば、半導体発光素子に保護膜を設ける際、電極の形成面上に設けられた感光性材料の上にマスクを配置させ、露光させることによってパターニングを行い、保護膜を形成する部分と、保護膜を現像により部分的に除去した部分とを設けることができる。さらに、半導体発光素子自体に波長変換機能を有する蛍光体を含有させているため、従来のように樹脂パッケージ等に載置した後、蛍光体含有の樹脂層を設ける必要性がなく、発光装置のサイズを発光素子(LEDチップ)の大きさにまで小型化することも可能である。
このように本発明の保護膜は、無機化合物を主鎖とし、有機化合物を官能基として備えた感光性材料を含有する。該保護膜は、無機物の性質も有するものであるため、半導体発光素子からの光や熱による劣化が起こりにくく好ましい。さらに、保護膜の一部がMSQ(Methyl Silsesquioxane)膜からなることにより薄膜で再現性の良い膜が形成できる。また安定パッシベーションとなり好ましい。このような膜からなると、より構造が安定するため保護膜として良好な機能を有するものとなる。またさらに、MSQ膜はパシベーション性も高いため、保護膜として重要な疎水性を有する膜とすることができる。このような保護膜の材料に蛍光体を含有すれば、従来の発光装置での課題であった蛍光体を含有する樹脂の劣化等は解消し、信頼性が高くなり好ましい。
本実施形態における保護膜の製造工程を以下に示す。保護膜は、ゾルゲル法の一種であるポリシラザン法によって成膜させることができる。まず、基板2上にn型層3及びp型層4を積層し、n型層3を露出させるまでエッチングを行いn電極を形成するためにn層出しを行い、ウェハからチップ化するためにチップ形状の溝を形成する。その後、n電極6及びp電極(オーミック電極)、パッド電極を形成する。
その後、蛍光体を含有させた感光性を有するポリシラザン溶液を、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、孔版印刷、スクリーン印刷、インクジェット塗布法等の方法によって、素子及び基板上の全体に塗布する。このような塗布方法を行うことにより、半導体ウェハの広い範囲に渡って均一に溶液を所望のパターンに塗布することができる。前記方法の中で好ましくはスプレーコートである。これによって、膜厚制御が容易であり、また保護膜の多層構造を形成することができる。例えば、保護膜を積層順に第1の保護膜、第2の保護膜、第3の保護膜から成る3層構造とする場合には、第1の保護膜には活性層からの光で励起して赤色領域の光を放出する蛍光体を含有させる。また、第2の保護膜には緑色領域の光を放出する蛍光体、第3の保護膜には青色領域の光を放出する蛍光体を含有させることで、白色光を得ることができる。これらの多層膜は2層以上であって特に限定しない。従って、チップ毎に膜厚がほぼ等しい保護膜を有する半導体発光素子チップを量産性よく得ることができる。また、ポリシラザンは、単体では分子量に依存して粘調液体から固体であり、多くの種類の有機溶媒に可溶であるため、容易に平坦な塗布膜を形成することができる。本実施形態の保護膜の製造工程としては、半導体発光素子に前記蛍光体を含有した保護膜を成膜した後、電極を形成した領域を露出させるために露光、現像およびキュアをする。
本実施の形態に係る半導体発光素子は、基板2側にも保護膜を形成することができる。このような半導体発光素子は、前記工程の後、基板側にも同様に感光性材料を含有するポリシラザン溶液を塗布し、所望の蛍光体膜を形成する工程を追加する。その後の工程は他の実施形態と同様である。
以上より、本実施の形態に係る半導体発光素子は、電極形成面側のみならず基板側においても所望の蛍光体含有の保護膜を形成することで、半導体発光素子の電極面を外部リード電極とワイヤーを用いずに接合させてボンディングするフリップチップ型の発光装置において有効である。発光装置全体の光の取りだし効率を上げることが可能であって、放熱性を向上させることができる。
[蛍光体]
以下に本形態に用いる蛍光体について詳述する。本形態の蛍光体の例としては、ガーネット構造を有するセリウム賦活希土類アルミン酸塩蛍光体であるQ(Al,Ga)12:R(ここで、QはY,Gd,La,Lu,Tb,Scから選ばれる少なくとも1つ、RはCeとTb、Sm、Pr、Eu、Dy、Hoから選ばれる少なくとも1以上である。)かある。その他には、Eu及び/又はMnで賦活(付活)したアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体であるQ(POCl、(QはSr、Ca、Ba、Mgから選ばれる少なくとも1つ、またClはF、Br、Iに置き換えが可能である。)がある。また、アルカリ土類金属ケイ酸塩蛍光体であるQSiO:Eu(QはSr、Ca、Ba、Mgから選ばれる少なくとも1つ)系、アルカリ土類金属ホウ酸塩蛍光体QCl:Eu及び/又はMn(QはSr、Ca、Baから選ばれる少なくとも1つ)がある。その他には、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体SrAl:Eu,SrAl125:Eu及び/又はMn,CaAl:Eu(Mn),BaMgAl1627:Eu(Mn)や、アルカリ土類窒化ケイ素蛍光体QSi:Eu(QはMg、Ca、Sr、Baから選ばれる少なくとも1つ)系,アルカリ土類酸窒化ケイ素蛍光体QSi:Eu(QはMg、Ca、Sr、Baから選ばれる少なくとも1つ)系,硫化亜鉛系蛍光体としてZnS:Ag,ZnS:Cu,ZnS:Mn,Eu付活希土類酸硫化物蛍光体QS:Eu(QはLa、Y、Gd、Luから選ばれる少なくとも1つ)系,Eu付活アルカリ土類チオガレート蛍光体QGa:Eu(QはMg、Ca、Sr、Baから選ばれる少なくとも1つ),アルカリ金属タングステン酸塩蛍光体としてLiEuWCa等がある。
また、光の一部もしくは全部を吸収して異なる波長の光を発光する蛍光物質について、可視光を吸収して異なる光を発する材料は限られており、材料の選択性に問題がある。しかしながら、紫外光を吸収して異なる光を発する材料は非常に多く、様々な用途に応じてその材料を選択することができる。材料が選択できる要因の一つとしては、紫外光で吸収する蛍光物質は光の変換効率が可視光の変換効率と比べて高いということである。特に白色光においては、演色性の高い白色光を得るなど、可能性はさらに広がる。本発明は、紫外領域で発光する窒化物半導体素子において、自己吸収の少ない窒化物半導体発光素子が得られ、さらに蛍光物質をコーティングすることで、非常に変換効率の高い白色の発光素子を得ることができる。
本形態の蛍光体の粒径は、中心粒径が1μm〜30μmの範囲が好ましく、より好ましくは1μm〜8μmであり、このような粒径を有する蛍光物質は光の吸収率及び変換効率が高く且つ励起波長の幅が広い。ここで本発明において、蛍光物質の粒径とは、体積基準粒度分布曲線により得られる値であり、体積基準粒度分布曲線は、レーザ回折・散乱法により蛍光物質の粒度分布を測定し得られるものである。具体的には、気温25℃、湿度70%の環境下において、濃度が0.05%であるヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液に蛍光物質を分散させ、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−2000A)により、粒径範囲0.03μm〜700μmにて測定し得られたものである。本明細書中において蛍光体の中心粒径とは、体積基準粒度分布曲線において積算値が50%のときの粒径値である。この中心粒径値を有する蛍光体が頻度高く含有されていることが好ましく、頻度値は20%〜50%が好ましい。このように粒径のバラツキが小さい蛍光体を用いることにより、色ムラが抑制され良好なコントラストを有する半導体発光素子が得られる。
本形態において、特に好適に使用される蛍光体は、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体やルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体に代表されるアルミニウム・ガーネット系蛍光体と、赤色系の光を発光可能な蛍光体、特に窒化物系蛍光体とを組み合わせたものを使用することもできる。これらの蛍光体は、混合して波長変換部材中に含有させてもよいし、複数の層から構成される波長変換部材中に別々に含有させてもよい。以下、それぞれの蛍光体について詳細に説明していく。
(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)
本実施の形態に用いられるアルミニウム・ガーネット系蛍光体とは、Alを含み、かつY、Lu、Sc、La、Gd、Tb、Eu及びSmから選択された少なくとも一つの元素と、Ga及びInから選択された一つの元素とを含み、希土類元素から選択された少なくとも一つの元素で付活された蛍光体であり、LEDチップから発光された可視光や紫外線で励起されて発光する蛍光体である。例えば、YAlO:Ce、YAl12:Ce、YAl:Ce、(Y0.8Gd0.2Al12:Ce、Y(Al0.8Ga0.212:Ce、Tb2.95Ce0.05Al12、Y2.90Ce0.05Tb0.05Al12、Y2.94Ce0.05Pr0.01Al12、Y2.90Ce0.05Pr0.05Al12等が挙げられる。
特に、Yを含み、かつCeあるいはPrで付活され組成の異なる二種類以上のイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(以下、「YAG系蛍光体」と呼ぶ。))が好適に利用される。更に詳しくは、YAG系蛍光体は、一般式(YzGd1-z3Al512:Ce(但し、0<z≦1)で示されるフォトルミネッセンス蛍光体や一般式(Re1-aSma3Re’512:Ce(但し、0≦a<1、0≦b≦1、Reは、Y、Gd、La、Sc、Tbから選択される少なくとも一種、Re’は、Al、Ga、Inから選択される少なくとも一種である。)で示されるフォトルミネッセンス蛍光体である。なお、YAG系蛍光体には、Ba、Sr、Mg、Ca、Znの少なくとも一種が含有されていてもよい。また、Siを含有させることによって、結晶成長の反応を抑制し蛍光物質の粒子を揃えることができる。さらに、所望に応じてCeに加えTb、Cu、Ag、Au、Fe、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Ti、Euらを含有させることもできる。
本発明の保護膜において、蛍光体は、2種類以上の蛍光体を混合させてもよい。即ち、上述したYAG系蛍光体について言えば、Al、Ga、Y、La及びGdやSmの含有量が異なる2種類以上の(Re1-xSmx3(Al1-yGay512:Ce蛍光体を混合させてRGBの波長成分を増やすことができる。また、現在のところ半導体発光素子の発光波長には、バラツキが生ずるものがあるため2種類以上の蛍光体を混合調整させて所望の白色系の混色光などを得ることができる。具体的には、半導体発光素子の活性層の発光波長に合わせて色度点の異なる蛍光体の量を調整し含有させることでその蛍光体の発光色と活性層の発光波長で結ばれる色度図上の任意の点を発光させることができる。
窒化物系化合物半導体を用いた活性層から発光した青色系の光と、青色光を吸収させるためボディーカラーが黄色である蛍光体から発光する緑色系の光と、赤色系の光とを混色表示させると所望の白色系発光色表示を行うことができる。蛍光体が含有された保護膜は、活性層からの光が透過する程度に薄く形成させたドット状のものや層状ものなど用途に応じて種々用いることができる。蛍光体と感光性材料との比率や塗布、充填量を種々調整すること及び活性層の発光波長を選択することにより白色を含め電球色など任意の色調を提供させることができる。
また、2種類以上の蛍光体をそれぞれ活性層からの入射光に対して順に配置させることによって効率よく発光可能な半導体発光素子とすることができる。即ち、長波長側に吸収波長があり長波長に発光可能な蛍光体が含有された膜と、それよりも長波長側に吸収波長がありより長波長に発光可能な膜とを積層させた保護膜とすることにより、反射光を有効利用することができる。
YAG系蛍光体を使用すると、放射照度として(Ee)=0.1W・cm−2以上1000W・cm−2以下の半導体発光素子と接する或いは近接して配置された場合においても高効率に十分な耐光性を有する半導体発光素子とすることができる。
本形態に用いられるセリウムで付活された緑色系が発光可能なYAG系蛍光体では、ガーネット構造のため、高輝度且つ長時間の使用時においても熱、光及び水分に強く、励起吸収スペクトルのピーク波長が420nmから470nm付近にさせることができる。また、発光ピーク波長λpも510nm付近にあり700nm付近まで裾を引くブロードな発光スペクトルを持つ。一方、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体である赤色系が発光可能なYAG系蛍光体でも、ガーネット構造であり熱、光及び水分に強く、励起吸収スペクトルのピーク波長が420nmから470nm付近にさせることができる。また、発光ピーク波長λpが600nm付近にあり750nm付近まで裾を引くブロードな発光スペクトルを持つ。
ガーネット構造を持ったYAG系蛍光体の組成の内、Alの一部をGaで置換することで発光スペクトルが短波長側にシフトし、また組成のYの一部をGd及び/又はLaで置換することで、発光スペクトルが長波長側へシフトする。このように組成を変化することで発光色を連続的に調節することが可能である。したがって、長波長側の強度がGdの組成比で連続的に変えられるなど窒化物半導体の青色系発光を利用して白色系発光に変換するための理想条件を備えている。Yの置換が2割未満では、緑色成分が大きく赤色成分が少なくなり、8割以上では、赤み成分が増えるものの輝度が急激に低下する。また、励起吸収スペクトルについても同様に、ガーネット構造を持ったYAG系蛍光体の組成の内、Alの一部をGaで置換することで励起吸収スペクトルが短波長側にシフトし、また組成のYの一部をGd及び/又はLaで置換することで、励起吸収スペクトルが長波長側へシフトする。YAG系蛍光体の励起吸収スペクトルのピーク波長は、発光素子の発光スペクトルのピーク波長より短波長側にあることが好ましい。このように構成すると、発光素子に投入する電流を増加させた場合、励起吸収スペクトルのピーク波長は、発光素子の発光スペクトルのピーク波長にほぼ一致するため、蛍光体の励起効率を低下させることなく、色度ズレの発生を抑えた半導体発光素子を形成することができる。
アルミニウム・ガーネット系蛍光体は、以下のような方法で製造することができる。まず、蛍光体は、Y、Gd、Ce、La、Al、Sm、Pr、Tb及びGaの原料として酸化物、又は高温で容易に酸化物になる化合物を使用し、それらを化学量論比で十分に混合して原料を得る。又は、Y、Gd、Ce、La、Sm、Pr、Tbの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶解液を蓚酸で共沈したものを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウム、酸化ガリウムとを混合して混合原料を得る。これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して坩堝に詰め、空気中1350〜1450°Cの温度範囲で2〜5時間焼成して焼成品を得、次に焼成品を水中でボールミルして、洗浄、分離、乾燥、最後に篩を通すことで得ることができる。
また、別の実施の形態の蛍光体の製造方法では、蛍光体の原料を混合した混合原料とフラックスからなる混合物を、大気中又は弱還元雰囲気中にて行う第一焼成工程と、還元雰囲気中にて行う第二焼成工程とからなる、二段階で焼成することが好ましい。ここで、弱還元雰囲気とは、混合原料から所望の蛍光体を形成する反応過程において必要な酸素量は少なくとも含むように設定された弱い還元雰囲気のことをいい、この弱還元雰囲気中において所望とする蛍光体の構造形成が完了するまで第一焼成工程を行うことにより、蛍光体の黒変を防止し、かつ光の吸収効率の低下を防止できる。また、第二焼成工程における還元雰囲気とは、弱還元雰囲気より強い還元雰囲気をいう。このように二段階で焼成すると、励起波長の吸収効率の高い蛍光体が得られる。従って、このように形成された蛍光体を保護膜に含有させて半導体発光素子を形成した場合に、所望とする色調を得るために必要な蛍光体量を減らすことができ、光取り出し効率を高くすることができる。
組成の異なる2種類以上のセリウムで付活されたアルミニウム・ガーネット系蛍光体は、混合させて用いても良いし、それぞれ独立して配置させても良い。蛍光体をそれぞれ独立して配置させる場合、活性層からの光をより短波長側で吸収発光しやすい蛍光体、それよりも長波長側で吸収発光しやすい蛍光体の順に配置させることが好ましい。これによって効率よく吸収及び発光させることができる。
(ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)
ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体とは、一般式(Lu1−a−b(Al1−cGa12(但し、RはCeを必須とする少なくとも1種以上の希土類元素である。MはSc、Y、La、Gdから選択される少なくとも1種の元素であり、0.0001≦a≦0.5、0≦b≦0.5、0.0001≦a+b<1、0≦c≦0.8である。)で表される蛍光体である。例えば、組成式が(Lu0.99Ce0.01Al12、(Lu0.90Ce0.10Al12、(Lu0.99Ce0.01(Al0.5Ga0.512で表される蛍光体である。
ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(以下、「LAG系蛍光体」と呼ぶことがある。)は、次のようにして得られる。蛍光体原料として、ルテチウム化合物、希土類元素Rの化合物、希土類元素Mの化合物、アルミニウム化合物及びガリウム化合物を用い、各化合物について上記一般式の割合になるように秤取し、混合するか、又はこれら蛍光体原料にフラックスを加えて混合し、原料混合物を得る。この原料混合物をルツボに充填後、還元性雰囲気中、1200〜1600℃で焼成し、冷却後、分散処理することにより、上記一般式で表される本発明の蛍光体を得る。
蛍光体原料として、酸化物又は熱分解により酸化物となる炭酸塩、水酸化物等の化合物が好ましく用いられる。また、蛍光体原料として、蛍光体を構成する各金属元素を全部又は一部含む共沈物を用いることもできる。例えば、これらの元素を含む水溶液にアルカリ、炭酸塩等の水溶液を加えると共沈物が得られるが、これを乾燥又は熱分解して用いることができる。また、フラックスとしてはフッ化物、ホウ酸塩等が好ましく、蛍光体原料100重量部に対し0.01〜1.0重量部の範囲で添加する。焼成雰囲気は、付活剤のセリウムが酸化されない還元性雰囲気が好ましい。水素濃度が3.0体積%以下の水素・窒素の混合ガス雰囲気がより好ましい。焼成温度は1200〜1600℃が好ましく、目的の中心粒径の蛍光体を得ることができる。より好ましくは1300〜1500℃である。
上記一般式において、Rは付活剤であり、Ceを必須とする少なくとも1種以上の希土類元素であって、具体的には、Ce、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lrである。RはCeのみでもよいが、CeとCe以外の希土類元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素とを含んでいてもよい。Ce以外の希土類元素は、共付活剤として作用するためである。ここで、Rには、CeがR全量に対し70mol%以上含有されていることが好ましい。a値(R量)は、0.0001≦a≦0.5が好ましく、0.0001未満では発光輝度が低下し、0.5を越えても濃度消光によって発光輝度が低下する。より好ましくは、0.001≦a≦0.4、さらに好ましくは、0.005≦a≦0.2である。b値(M量)は、0≦b≦0.5が好ましく、より好ましくは0≦b≦0.4であり、さらに好ましくは0≦b≦0.3である。例えば、MがYの場合、b値が0.5を越えると長波長紫外線〜短波長可視光、特に360〜410nm励起による発光輝度が非常に低下してしまう。c値(Ga量)は、0≦c≦0.8が好ましく、より好ましくは0≦c≦0.5であり、さらに好ましくは0≦c≦0.3である。c値が0.8を越えると発光波長は短波長にシフトし、発光輝度が低下する。
LAG系蛍光体の中心粒径は1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは5〜50μmの範囲であり、さらに好ましくは5〜15μmの範囲である。1μmより小さい蛍光体は、凝集体を形成しやすい傾向にある。これに対し、5〜50μmの粒径範囲の蛍光体は、光の吸収率及び変換効率が高く、波長変換部材も形成しやすい。このように、光学的に優れた特徴を有する粒径の大きな蛍光体を含有させることにより、半導体発光素子の量産性も向上する。また、上記中心粒径値を有する蛍光体が頻度高く含有されていることが好ましく、頻度値は20%〜50%が好ましい。このように粒径のバラツキが小さい蛍光体を用いることにより、より色ムラが抑制され良好な色調を有する半導体発光素子が得られる。
ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体は300nm〜550nmの波長域の紫外線又は可視光により効率よく励起され発光することから、本発明の保護膜に含有される蛍光体として有効に利用することができる。さらに、組成式の異なる複数種のLAG系蛍光体、又はLAG系蛍光体を他の蛍光体とともに用いることにより、半導体発光素子と蛍光体の発光による混色を種々変化させることができる。発光素子からの青色系の発光と、該発光を吸収し黄色系の発光する蛍光体からの発光との混色により、白色系の混色光を発光する従来の発光装置は、発光素子からの光の一部を透過させて利用するため、構造自体を簡略化できると共に出力向上を行いやすいという利点がある。その一方、従来の発光装置は、2色の混色による発光であるため、演色性が十分でなく、改良が求められている。そこで、LAG系蛍光体を利用して白色系の混色光を発する本形態の半導体発光素子は、従来の発光装置と比較してその演色性を向上させることができる。また、LAG系蛍光体は、YAG系蛍光体と比較して温度特性に優れるため、劣化、色ずれの少ない半導体発光素子を得ることができる。
(アルカリ土類金属珪酸塩)
本形態における蛍光体は、発光素子が発光した光の一部を吸収し、その吸収した光の波長と異なる波長を有する光を発光する蛍光体として、ユウロピウムで付活されたアルカリ土類金属珪酸塩を含むこともできる。アルカリ土類金属珪酸塩は、青色領域の光を励起光とし、暖色系の混色光を発光する発光装置とすることができる。該アルカリ土類金属珪酸塩は、以下のような一般式で表されるアルカリ土類金属オルト珪酸塩が好ましい。
(2−x−y)SrO・x(Ba,Ca)O・(1−a−b−c−d)SiO・aPbAlcBdGeO:yEu2+(式中、0<x<1.6、0.005<y<0.5、0<a、b、c、d<0.5である。)
(2−x−y)BaO・x(Sr,Ca)O・(1−a−b−c−d)SiO・aPbAlcBdGeO:yEu2+(式中、0.01<x<1.6、0.005<y<0.5、0<a、b、c、d<0.5である。)
ここで、好ましくは、a、b、cおよびdの値のうち、少なくとも一つが0.01より大きい。
本形態における蛍光物質は、アルカリ土類金属塩からなる蛍光体として、上述したアルカリ土類金属珪酸塩の他、ユウロピウムおよび/またはマンガンで付活されたアルカリ土類金属アルミン酸塩やY(V,P,Si)O:Eu、または次式で示されるアルカリ土類金属−マグネシウム−二珪酸塩を有することもできる。
Me(3−x−y)MgSi:xEu,yMn(式中、0.005<x<0.5、0.005<y<0.5、Meは、Baおよび/またはSrおよび/またはCaを示す。)
本形態におけるアルカリ土類金属珪酸塩として、具体的にはSr1.4Ba0.6SiO4:Eu2+、Sr1.6Ba0.4SiO4:Eu2+、Sr1.9Ba0.08Ca 0.02SiO4:Eu2+、Sr1.9Ba0.02Ca 0.08SiO4:Eu2+、Sr0.4Ba1.6SiO4:Eu2+、Sr1.6Ba0.4(Si0.08B0.02)O4:Eu2+、Sr0.6Ba1.4SiO4:Eu2+が挙げられる。なお、これらの組成式に限定されないことは言うまでもない。
次に、本実施の形態におけるアルカリ土類金属珪酸塩からなる蛍光体の製造工程を説明する。
アルカリ土類金属珪酸塩の製造のために、選択した組成に応じて出発物質アルカリ土類金属炭酸塩、二酸化珪素ならびに酸化ユウロピウムの化学量論的量を密に混合し、かつ、蛍光体の製造に常用の固体反応で、還元性雰囲気のもと、温度1100℃および1400℃で所望の蛍光体に変換する。この際、0.2モル未満の塩化アンモニウムまたは他のハロゲン化物を添加することが好ましい。また、必要に応じて珪素の一部をゲルマニウム、ホウ素、アルミニウム、リンで置換することもできるし、ユウロピウムの一部をマンガンで置換することもできる。
上述したような蛍光体、即ち、ユウロピウムおよび/またはマンガンで付活されたアルカリ土類金属アルミン酸塩やY(V,P,Si)O:Eu、YS:Eu3+の一つまたはこれらの蛍光体を組み合わせることによって、所望の色温度を有する発光色および高い色再現性を得ることができる。
(窒化物系蛍光体)
本発明で使用する蛍光物質は、Nを含み、かつBe、Mg、Ca、Sr、Ba、及びZnから選択された少なくとも一種の元素と、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、及びHfから選択された少なくとも一種の元素とを含み、希土類元素から選択された少なくとも一種の元素で付活された窒化物系蛍光体を含有させることができる。また、本実施の形態に用いられる窒化物系蛍光体としては、発光素子から出光した可視光、紫外線、あるいはYAG系蛍光体からの発光を吸収することによって励起され発光する蛍光体をいう。特に本発明に係る蛍光体は、Mnが添加されたSr−Ca−Si−N:Eu、Ca−Si−N:Eu、Sr−Si−N:Eu、Sr−Ca−Si−O−N:Eu、Ca−Si−O−N:Eu、Sr−Si−O−N:Eu系シリコンナイトライドである。この蛍光体の基本構成元素は、一般式LSi(2/3X+4/3Y):Eu若しくはLSi(2/3X+4/3Y−2/3Z):Eu(Lは、Sr、Ca、SrとCaのいずれか。)で表される。一般式中、X及びYは、X=2、Y=5又は、X=1、Y=7であることが好ましいが、任意のものも使用できる。具体的には、基本構成元素は、Mnが添加された(SrCa1−XSi:Eu、SrSi:Eu、CaSi:Eu、SrCa1−XSi10:Eu、SrSi10:Eu、CaSi10:Euで表される蛍光体を使用することが好ましいが、この蛍光体の組成中には、Mg、Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が含有されていてもよい。但し、本発明は、この実施の形態及び実施例に限定されない。
発光中心に希土類元素であるユウロピウム(Eu)を用いる。ユウロピウムは、主に2価と3価のエネルギー準位を持つ。本発明の蛍光体は、母体のアルカリ土類金属系窒化ケイ素に対して、Eu2+を付活剤として用いる。Eu2+は、酸化されやすく、3価のEuの組成で市販されている。しかし、市販のEuでは、Oの関与が大きく、良好な蛍光体が得られにくい。そのため、EuからOを、系外へ除去したものを使用することが好ましい。たとえば、ユウロピウム単体、窒化ユウロピウムを用いることが好ましい。但し、Mnを添加した場合は、その限りではない。
添加物であるMnは、Eu2+の拡散を促進し、発光輝度、エネルギー効率、量子効率等の発光効率の向上を図る。Mnは、原料中に含有させるか、又は、製造工程中にMn単体若しくはMn化合物を含有させ、原料と共に焼成する。但し、Mnは、焼成後の基本構成元素中に含有されていないか、含有されていても当初含有量と比べて少量しか残存していない。これは、焼成工程において、Mnが飛散したためであると思われる。
蛍光体には、基本構成元素中に、若しくは、基本構成元素とともに、Mg、Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr、O及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有する。これらの元素は、粒径を大きくしたり、発光輝度を高めたりする等の作用を有している。また、B、Al、Mg、Cr及びNiは、残光を抑えることができるという作用を有している。
このような窒化物系蛍光体は、発光素子によって発光された青色光の一部を吸収して黄から赤色領域の光を発光する。窒化物系蛍光体をYAG系蛍光体と共に上記の構成を有する半導体発光素子の保護膜に含有させて、発光素子により発光された青色光と、窒化物系蛍光体による黄色から赤色光とが混色により暖色系の白色に発光する半導体発光素子が得られる。窒化物系蛍光体の他に加える蛍光体には、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質が含有されていることが好ましい。前記イットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質を含有することにより、所望の色度に調節することができるからである。セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質は、発光素子により発光された青色光の一部を吸収して黄色領域の光を発光する。ここで、発光素子により発光された青色光と、イットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質の黄色光とが混色により青白い白色に発光する。従って、このイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質と赤色発光する蛍光体とを、色変換層中に一緒に混合し、発光素子により発光された青色光とを組み合わせることにより白色系の混色光を発光する半導体発光素子を提供することができる。特に好ましいのは、色度が色度図における黒体放射の軌跡上に位置する白色系の混色光を発光する半導体発光素子である。但し、所望の色温度の半導体発光素子を提供するため、イットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質の蛍光体量と、赤色発光の蛍光体量を適宜変更することもできる。この白色系の混色光を発光する半導体発光素子は、特殊演色評価数R9の改善を図っている。赤色発光の蛍光体をイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質と共に用いることにより、特殊演色評価数R9を高めることができる。
次に、蛍光体((SrCa1−XSi:Eu)の製造方法を説明するが、本製造方法に限定されない。上記蛍光体には、Mn、Oが含有されている。
1.原料のSr、Caを粉砕する。原料のSr、Caは、単体を使用することが好ましいが、イミド化合物、アミド化合物などの化合物を使用することもできる。また原料Sr、Caには、B、Al、Cu、Mg、Mn、Alなどを含有するものでもよい。原料のSr、Caは、アルゴン雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。粉砕により得られたSr、Caは、平均粒径が約0.1μmから15μmであることが好ましい。
2.原料のSiを粉砕する。原料のSiは、単体を使用することが好ましいが、窒化物化合物、イミド化合物、アミド化合物などを使用することもできる。例えば、Si、Si(NH、MgSiなどである。原料のSiの純度は、3N以上のものが好ましい。Si化合物の平均粒径は、約0.1μmから15μmであることが好ましい。
3.次に、原料のSr、Caを、窒素雰囲気中で窒化する。この反応式を、以下の式1および式2にそれぞれ示す。
3Sr + N → Sr ・・・(式1)
3Ca + N → Ca ・・・(式2)
Sr、Caを、窒素雰囲気中、600〜900℃、約5時間、窒化する。Sr、Caは、混合して窒化しても良いし、それぞれ個々に窒化しても良い。これにより、Sr、Caの窒化物を得ることができる。
4.原料のSiを、窒素雰囲気中で窒化する。この反応式を、以下の式3に示す。
3Si + 2N → Si ・・・(式3)
ケイ素Siも、窒素雰囲気中、800〜1200℃、約5時間、窒化する。これにより、窒化ケイ素を得る。
5.Sr、Ca若しくはSr−Caの窒化物を粉砕する。
同様に、Siの窒化物を粉砕する。Euの化合物として、酸化ユウロピウムを使用するが、金属ユウロピウム、窒化ユウロピウムなども使用可能である。このほか、原料のZは、イミド化合物、アミド化合物を用いることもできる。酸化ユウロピウムは、高純度のものが好ましいが、市販のものも使用することができる。粉砕後のアルカリ土類金属の窒化物、窒化ケイ素及び酸化ユウロピウムの平均粒径は、約0.1μmから15μmであることが好ましい。
上記原料中には、Mg、Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr、O及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が含有されていてもよい。また、Mg、Zn、B等の上記元素を以下の混合工程において、配合量を調節して混合することもできる。
6.上記粉砕を行った後、Sr、Ca、Sr−Caの窒化物、Siの窒化物、Euの化合物Euを混合し、Mnを添加する。これらの混合物は、酸化されやすいため、Ar雰囲気中、又は、窒素雰囲気中、グローブボックス内で、混合を行う。
7.最後に、Sr、Ca、Sr−Caの窒化物、Siの窒化物、Euの化合物Euの混合物をアンモニア雰囲気中で、焼成する。焼成により、Mnが添加された(SrCa1−XSi:Euで表される蛍光体を得ることができる。ただし、各原料の配合比率を変更することにより、目的とする蛍光体の組成を変更することができる。以上の製造方法を使用することにより、目的とする蛍光体を得ることが可能である。
本実施の形態において、赤味を帯びた光を発光する蛍光体として、特に窒化物系蛍光体を使用するが、本発明においては、上述したYAG系蛍光体と赤色系の光を発光可能な蛍光体とを備える半導体発光素子とすることも可能である。このような赤色系の光を発光可能な蛍光体は、波長が400〜600nmの光によって励起されて発光する蛍光体であり、例えば、YS:Eu、LaS:Eu、CaS:Eu、SrS:Eu、ZnS:Mn、ZnCdS:Ag,Al、ZnCdS:Cu,Al等が挙げられる。このようにYAG系蛍光体とともに赤色系の光を発光可能な蛍光体を使用することにより半導体発光素子の演色性を向上させることが可能である。
以上のようにして形成されるYAG蛍光体、および窒化物系蛍光体に代表される赤色系の光を発光可能な蛍光体は、半導体発光素子の保護膜において一層中に二種類以上存在してもよいし、二層からなる保護膜中にそれぞれ一種類あるいは二種類以上存在してもよい。このような構成にすると、異なる種類の蛍光体からの光の混色による混色光が得られる。この場合、各蛍光物質から発光される光をより良く混色しかつ色ムラを減少させるために、各蛍光体の平均粒径及び形状は類似していることが好ましい。また、窒化物系蛍光体は、YAG蛍光体により波長変換された光の一部を吸収してしまうことを考慮して、窒化系蛍光体がYAG系蛍光体より半導体発光素子の活性層に近い位置に配置されるように保護膜を形成することが好ましい。このように構成することによって、YAG蛍光体により波長変換された光の一部が窒化物系蛍光体に吸収されてしまうことがなくなり、YAG系蛍光体と窒化物系蛍光体とを混合して含有させた場合と比較して、両蛍光体による混色光の演色性を向上させることができる。
したがって、保護膜に形成する際には、YAG蛍光体と、他の赤色蛍光体を混合して塗布してもよい。また別々に塗布してもよい。例えば、赤色の光を放出する蛍光体を含有した保護膜を形成した後、YAG系蛍光体を含む保護膜を形成してもよい。その他には赤色の光を放出する蛍光体を含有した保護膜を形成した後、YAG系蛍光体はモールド樹脂中に分散させることもできる。半導体発光素子が紫外発光する場合には、青色、緑色、赤色の蛍光体を保護膜に混合して白色とすることも可能である。
本発明の実施の形態に係るA−Aの模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係る模式的平面図である。 本発明の実施の形態に係る模式的平面図である。 本発明の実施の形態に係る模式的平面図である。 本発明の実施の形態に係る模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係る模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係る模式的断面図である。 本発明のMSQ膜に係る屈折率変化を示すグラフである。 本発明のMSQ膜と比較例の膜との屈折率変化を示すグラフである。 本発明のMSQ膜と比較例とのIR曲線を示すグラフである。 本発明のMSQ膜と比較例とのIR曲線を示すグラフである。 本発明の実施の形態4に係る模式的断面図である。 本発明の実施の形態5に係る模式的断面図である。 本発明の実施の形態5を部分的に拡大した模式的断面図である。 本発明の実施の形態5を部分的に拡大した模式的断面図である。
符号の説明
1、10 保護膜
2 基板
3 n型窒化物半導体層
4 p型窒化物半導体層
5、51、52 p電極
501、601 孔
6 n電極
7 第1の凹部
8 第2の凹部
9 半導体発光素子
11 低屈折率領域
12 高屈折率領域
17 活性層
103、104 蛍光体

Claims (11)

  1. 半導体発光素子の光取りだし面に保護膜を有する半導体発光素子において、
    前記保護膜は、高屈折率領域と低屈折率領域とが交互に形成された屈折率分布を有しており、
    前記半導体発光素子は、基板にn型半導体層とp型半導体層とが順に積層され、その半導体層の側面と前記基板の上面とにより形成された凹部に、前記保護膜の低屈折率領域が形成されていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 半導体発光素子の光取りだし面に保護膜を有する半導体発光素子において、
    前記半導体発光素子は、基板にn型半導体層とp型半導体層とが順に積層され、そのp型半導体層にオーミック電極が格子状に形成されており、
    前記保護膜は、高屈折率領域と低屈折率領域とが交互に形成された屈折率分布を有しており、前記半導体発光素子のオーミック電極の上面および側面が前記低屈折率領域により覆われていることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 前記保護膜が、蛍光体を含有している請求項1または2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記屈折率分布は、同心円状または格子状である請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記保護膜は、前記高屈折率領域と前記低屈折率領域の屈折率差が少なくとも0.02以上である請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記半導体発光素子が、前記p型半導体層に導通するためのボンディング部を有しており、前記保護膜が、前記ボンディング部に通じる孔を有する請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  7. 前記蛍光体は、Ce、Tb、Eu、Zn、Si、Fe、Cr、Pr、Nd、Dy、Mnからなる群から選ばれる少なくとも一種を賦活剤として含有する請求項3に記載の半導体発光素子。
  8. 前記保護膜は、MSQ(Methyl Silsesquioxane)を含有している請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  9. 前記半導体発光素子は、窒化物半導体からなる請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  10. 前記高屈折率領域は、基本ユニットがSiNHX(X=Cαβγ:α=1,2,3,・・・、β=1,2,3,・・・、γ=0,1,2,・・・)で表されるポリマーよりなる材料を含む請求項1から9のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  11. 前記低屈折率領域は、基本ユニットがSiOX(X=C:l=1,2,3,・・・、m=1,2,3,・・・、n=0,1,2,・・・)で表されるポリマーからなる材料を含む請求項1から10のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
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