JP4505966B2 - 耐土壌腐食性および耐震性に優れた圧延形鋼およびその製造方法 - Google Patents

耐土壌腐食性および耐震性に優れた圧延形鋼およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中環境での耐食性(耐土壌腐食性)およびに耐震性に優れた圧延形鋼およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築構造物の基礎構造にはコンクリートが用いられてきたが、構造物の経済性向上と基礎工事工程の簡略化を目標に、鋼製地中梁による基礎構造が検討され、適用上の主な問題点として地中環境での耐食性(耐土壌腐食性)と耐震性が挙げられている。
【0003】
土壌環境での鋼の腐食は軽微であるが、50年以上の構造物の寿命に見合う耐久性が要求される。長期耐用性には土壌の性質が大きく影響し、埋設される土壌の性質によっては0.15mm/年程度におよぶ孔食を生じることが知られている。
【0004】
従来、地中に埋設する鋼構造物には、電気防食が主に用いられてきたが、その対象はパイプラインであり、建築物の基礎梁などの鋼構造物に適用しうる有効な防食技術は確立されていない。
【0005】
土壌環境での鋼の腐食に関しては、鋼成分としてCrが有効なことが知られ、3%を超えて含有した場合、平均腐食量が低下すること、また、孔食に対してはMo,Ni等の効果が知られている。
【0006】
特開昭58−25458号公報には、海水,淡水、海洋大気、土壌に使用され得る鋼材として、Be,Mg,Ca,Sr,Ba等を添加し、生成する錆の安定性を高める技術が記載されている。
【0007】
特開平10−195606号公報には、地中環境を含む種々の腐食環境における耐食性に優れ、酸洗性と加工性にも優れる鋼としてCaおよびMgを添加した2〜9.9%Cr鋼が開示されている。
【0008】
しかし、これらの先行技術には鋼構造物に使用した場合、必須となる溶接性および耐震性に関しては記載されていない。
【0009】
特開平4−99287号公報には、厳しい腐食環境の土壌に接して使用される鋼材に亜鉛鍍金を施す技術が開示されているが、大型構造物への亜鉛鍍金は大幅なコスト上昇をもたらし、実用的とは言い難い。
【0010】
一方、近年、震災対策として鋼構造物の安全性の向上が要求され、鋼材自体の耐震性を向上させることが重要となってきている。現在、鋼材の製造方法としては制御圧延と制御冷却技術を組み合わせたTMCPが主流であり、機械的特性の向上と共に、合金元素の低減、熱処理の省略を可能とする技術として、厚板を中心に形鋼にも適用されている。
【0011】
しかし、建築物の柱材として用いられている厚物のH形鋼にTMCPを適用する場合、圧延時での形状確保に主眼が置かれるため、材質のみに着目した製造条件が採用できず、耐震性の観点から十分な材質を得ることが出来ない場合もあった。
【0012】
TMCPによるH形鋼の製造技術に関する先行技術として特開平8−199289号公報、特開平8−199290号公報、特開平8−199233号公報等が挙げられる。
【0013】
これらは、0.5〜1.5%のCr,0.3〜1%のCu,0〜1%のNi等を含有する鋼を750〜1050℃の温度範囲で仕上圧延を終了させ、更に400〜700℃まで0.5〜10℃/sで急冷する製造方法によって優れた強靭性と耐候性を有する鋼材を提供するものである。しかし、土壌腐食は考慮されておらず、フランジ各部位の材質均一性および耐震性も考慮されていない。
【0014】
更に、フランジ厚の大きいH形鋼の制御圧延では、中心部より表面近傍の冷却速度が著しく増大するため、厚さ方向の強度差が問題となることがある。
【0015】
鋼板の厚さ方向の強度差を低減する技術として特開平3−188216号公報、特開平11−279636号公報、特開平11−279637号公報に冷却を一旦中断し表面に生成した硬質のベイナイトを復熱により軟化させた後、再び冷却を開始することが記載されている。
【0016】
しかし、これらに記載されている技術は、厚鋼板を対象にしたものであり、厚物H形鋼とは圧延時の加熱温度、冷却速度が大きく異なり、低温加熱あるいは高冷却速度における最適化を行うものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、建築物の基礎構造等に用いられる厚物H形鋼であって、耐土壌腐食性およびフランジ各部位の材質均一性に優れ、耐震性を有するものは開発されていない。
【0018】
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、地中環境での耐食性(耐土壌腐食性)、および耐震性に優れる圧延形鋼およびその製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、圧延H形鋼の耐土壌腐食性に及ぼす成分組成の影響を明らかにするため、地中梁など建築物の地中鋼構造物の周辺土壌が鋼材の耐食性、孔食に及ぼす影響について詳細に検討を行った。
【0020】
その結果、地中梁など建築物の地中鋼構造物を埋め戻して埋設した場合は、パイプラインを埋め戻した場合と比較して通気性が良い土壌となること、そしてそのような土壌においては、Crを0.5%以上含有する鋼の場合、50年以上の耐久性の指針である腐食速度0.02mm/年の優れた耐食性が得られることを見出した。本発明で耐土壌腐食性とは、上述した通気性が良い土壌において良好な耐食性を有するものとする。
【0021】
また、形鋼の耐震性に関して、本発明者らは、フランジ、ウエブの特性と耐座屈性の関係について検討を行い、耐食性形鋼の耐座屈特性がフランジの特性に支配され、ウエブの寄与は無視できるとの知見を得た。
【0022】
更に、材質均一性に関しては、厚物圧延H形鋼の場合、形状確保の観点から加熱温度は1200℃を超え、また、制御冷却時の平均冷却速度も一般的には5℃/s未満となる。
【0023】
そして、冷却を一旦停止した際の復熱も、厚鋼板のように単に両面から冷却される場合と異なり、ウエブの影響を複雑に受けるため、この部位を含むフランジ1/2Fの厚さ方向の材質均一性が特に重要となる。
【0024】
本発明は、以上の知見を基に更に検討を加えてなされたものである。すなわち、本発明は、
1. 質量%で、C:0.03〜0.18%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Cr:0.5〜2%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、下式で規定されるPcmが0.20以下のよりなり、形鋼軸方向の引張試験におけるフランジの公称歪で5%までの加工硬化指数が0.20以上であることを特徴とする耐土壌腐食性および耐震性に優れた圧延形鋼。
【0025】
但し、Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
2. 質量%で、C:0.03〜0.18%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Cr:0.5〜2%と、更にCu:0.1〜1%、Ni:0.1〜2%、Al:0.1〜1.5%、およびMo:0.1〜2%からなる群より選択される一種または二種以上と、残部Feおよび不可避的不純物からなり、下式で規定されるPcmが0.20以下のよりなり、形鋼軸方向の引張試験におけるフランジの公称歪で5%までの加工硬化指数が0.20以上であることを特徴とする耐土壌腐食性および耐震性に優れた圧延形鋼。
【0026】
但し、Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
3. 質量%で、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.3%、Ti:0.003〜0.1%の一種または二種以上を含有する1または2記載の耐土壌腐食性および耐震性に優れた圧延形鋼。
【0027】
4. 1乃至3のいずれかに記載の化学成分を有する鋼をAr3点以上で熱間圧延終了後、オーステナイトとフェライトの2相域から、600℃以下まで3℃/s以上で冷却することを特徴とする耐土壌腐食性および耐震性に優れた圧延形鋼の製造方法。
【0028】
5. 1乃至3のいずれかに記載の圧延形鋼を用いた地中埋設用鋼構造物。
【0029】
【発明の実施の形態】
1.機械的性質
加工硬化指数:0.20以上
本発明では、圧延H形鋼のフランジの公称歪で5%までの加工硬化指数を0.20以上と規定する。
【0030】
図1は、本発明範囲内の化学成分を有する0.12C−1.1Mn−0.32Cu−0.55Cr系鋼を用い、フランジ、ウェブにおける公称歪で5%までの加工硬化指数(n値)を種々変化させた耐食圧延H形鋼の耐座屈性を、図2に示す試験機を用いた圧縮試験により評価した結果を示す。
【0031】
座屈発生限界歪はフランジの加工硬化指数を0.14から0.22に増加させた場合、1.7と大きくなるが、ウエブの加工硬化指数を同様に増加させても大きくならず、圧延H形鋼の耐座屈性はフランジの特性に支配され、ウエブの寄与は極めて小さいことが確認された。
【0032】
図3は、フランジの加工硬化指数と座屈発生限界歪の関係を示すもので、フランジの加工硬化指数を0.20とした場合、ウエブの特性に拘わらず座屈発生限界歪は0.8%以上と優れた特性が得られる。
【0033】
このように、耐食圧延形鋼において、フランジの公称歪で5%までの加工硬化指数を0.20以上とすることにより、ウェブの特性に拘わらず、耐座屈性が飛躍的に向上する。
【0034】
2.成分組成
本発明は鉄基合金を対象とし、基本成分組成においては、Cr,Pcmを規定する。
【0035】
Cr
Crは、鋼の表面に形成される酸化物皮膜に含有され、通気性の良い土壌環境において耐食性を示す。0.5%未満での添加ではその効果が十分でなく、一方、2%を超えて添加しても効果が飽和し、溶接性が劣化するので、0.5〜2%とする。
【0036】
図4は、埋め戻した通気性のよい土壌環境における鋼の1年間における腐食量と鋼中Cr量の関係を示すもので、Cr量が0.5〜2%において最大腐食量は約0.02mm/年で、約50年寿命とされる地中構造物に必要とされる腐食代約1mmを超えることはない。
【0037】
図5に土中埋設試験方法を模式的に示す。試験材を屋外の通気性の良い埋め戻された土中またはpH改良土に埋設後、6ヶ月,1年、2年、5年、10年経過時に掘り起こし計測を行う。
【0038】
Pcm≦0.20
Pcmは溶接性を示す指標で、0.20を超える鋼では溶接性が低下するため、0.20以下とする。特に溶接継手部の健全性が要求される鋼構造物の場合には溶接性の確保は重要である。
【0039】
本発明では、上記範囲にCr,Pcmを規定した鉄基合金でその目的とする特性を満足することが可能であるが、更にその特性を向上させる場合、Cu,Ni,Al,Mo、Nb,V,Tiの一種または二種以上を規定する。
【0040】
Cu
Cuは、地中にClイオンが含まれる場合に、孔食内部での金属の溶解速度を抑制し、孔食の伸展を抑える効果を有する。0.1%未満ではその効果が十分でなく、1%を超えて添加しても熱間加工時に表面われを生じるため、0.1〜1%とする。
【0041】
Ni
Niは、Cuと同様に地中にClイオンが含まれる場合に、孔食内部での金属の溶解速度を抑制し、孔食の伸展を抑える効果を有する。含有量が0.1%未満ではその効果が十分でなく2%を超えて含有してもその効果は飽和し、経済性を損なうので、0.1〜2%とする。
【0042】
尚、NiはCu含有材における熱間加工時の表面割れを抑制する効果があり、Cu含有量の1/2以上を含有することが好ましい。
【0043】
Al
AlはCrと同様な効果があり、Crに加えて更に含有することができる。0.1%未満の含有では効果が十分でなく、1.5%を超えると溶接時にスラグを多発し、作業性を低下させるため、1.5%以下とする。
【0044】
Mo
Moは地中にClイオンが含まれた場合、Crのみを含有した鋼で発生する孔食を抑制する効果があるため含有する。孔食内部での金属の溶解速度を抑制し、孔食の伸展を抑える効果を有する。
【0045】
0.1%未満の含有では効果が十分でなく、2%を超えて含有すると溶接性を劣化させるため、0.1〜2%を含有する。
【0046】
Nb,V,Ti
Nb,V,Tiは、鋼中のCと炭化物を形成し、溶接性に及ぼすCの影響を減少させることが可能であり、一定量以上の添加を選択できる。但し、Nbは0.005%、Vは0.005%、Tiは0.003%のそれぞれの添加量未満では炭化物が十分生成せず、一方、Nbは0.1%、Vは0.3%,Tiは0.1%を超えて添加すると、炭化物の析出が過度となり、溶接時にクラックを生じやすくなるため、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.3%、Ti:0.003〜0.1%とする。
【0047】
尚、鋼構造物に用いられる鋼として、C,Si,Mn,P,Sは以下の量を含有することが好ましい。
【0048】
C:0.03〜0.18%
Cは、鋼の強度を確保するために0.03%以上添加するが、0.18%を超えて多量に含有した場合、靭性あるいは溶接性が劣化するため、0.03%以上、0.18%以下(0.03〜0.18%)とする。
【0049】
Si:0.01〜1.5%
Siは、脱酸のため必然的に含まれるが、強度を確保するため本発明では含有量を0.01%以上とする。1.5%を超えるとHAZ靭性及び溶接性が劣化するので、0.01〜1.5%とする。
【0050】
Mn:0.3〜2.0%
Mnは、鋼材の強度・靭性を向上させ、赤熱脆性の原因となるFeSの生成抑制のため、0.3%以上添加するが、2.0%を超えると焼入れ性を増加させ、溶接時に硬化相を生じ、割れ感受性が高くなるため、0.3〜2.0%とする。
【0051】
P:0.05%以下、S:0.01%以下
P,Sは鋼中に混入する不純物として不可避的に存在するが、Pの低減は粒界破壊の防止に有効であり、Sの低減は溶接熱影響部の水素割れ防止に有効であるため、P,Sの含有範囲をそれぞれ0.05%以下、0.01%以下とする。
【0052】
3.製造条件
本発明では、熱間圧延条件、冷却条件を以下のように規定する。これらの規定は少なくともフランジの製造において満足されていればよく、ウエブについては特にその製造条件を規定しない。
【0053】
熱間圧延
熱間圧延は、仕上圧延温度がAr3点未満ではフェライトの圧延による加工硬化のため、降伏点が上昇し、0.20以上の加工硬化指数が得られない。このため仕上温度をAr3点以上とする。
【0054】
冷却条件
ミクロ組織をフェライトと硬質相の混合組織とし、加工硬化指数を0.20以上とするため、圧延終了後、オーステナイトとフェライトの2相域から、600℃以下まで、3℃/sec以上で冷却する。
【0055】
【実施例】
表1に示す成分組成の鋼を圧延H形鋼とし、耐震性、耐土壌腐食性などの特性について調査を行った。
【0056】
試験体は、300×300×10×15mm(b/tf=10、但し、b:フランジ幅の1/2,tf:フランジ厚さ)とし、長さ800mmの圧延H形鋼として圧縮試験に供した。
【0057】
耐食性試験は、Clイオンを10ppm含み、pHを調整した水溶液に試験片を1ヶ月浸漬した際の腐食速度で評価した。試験片は、フランジ部分より全厚×60×50(mm)の寸法で切り出し、表面機械研磨後、手研磨仕上げし、試験に供した。
【0058】
表2に圧延H形鋼の製造条件、および特性試験の結果を示す。表中、耐座屈性の試験結果は、圧縮量が0.8%において局部座屈が、生じた場合、×印、生じなかった場合、○印とした。
【0059】
耐座屈性は、本発明の範囲内となるフランジの加工硬化指数が0.20以上となる実施例3,4,7,10,11,14,15,17,19,21〜31では局部座屈が生ぜず、良好な耐震性が得られた。
【0060】
一方、フランジの加工硬化指数が0.20未満となる実施例1,2,5,6,8,9,12,13,16,18,20,32では、局部座屈が生じた。
【0061】
耐食性は、Cr量が本発明範囲外で少ない供試鋼18による実施例31以外、全ての実施例において最大腐食速度は0.02mm/年を下回り、約50年の寿命とされる地中構造物に必要な腐食代約1mmが確保できることが確認された。
【0062】
また、表2における溶接性は、溶接継手の靭性を評価するもので、市販の強度50キロ級ワイヤを用い、電流650A−電圧40V−溶接速度40cm/分により溶接した継手の衝撃特性により評価を行った。Vノッチ衝撃試験におけるノッチ位置はボンド部より2mmとし、試験温度0℃で衝撃値を求めた。
【0063】
その結果、Pcmが0.227で本発明範囲外となる実施例30、Cr量が、本発明範囲外で多い実施例32では得られた衝撃値は20J以下と他の実施例と比較して著しく劣っていた。
【0064】
【表1】
Figure 0004505966
【0065】
【表2】
Figure 0004505966
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、土壌環境で十分な耐食性を有し、且つ局部座屈が生じにくく優れた耐震性を有し、地中梁など建築物の地中鋼構造物に最適な圧延H形鋼が、生産性良く得られ、産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】座屈発生歪量に及ぼすフランジ、ウエブの加工硬化指数の影響を示す図。
【図2】耐座屈特性を評価する圧縮試験方法を模式的に示す図。
【図3】座屈発生限界歪みに及ぼすフランジの加工硬化指数の影響を示す図。
【図4】埋め戻された土壌における鋼材の腐食量に及ぼすCr量に影響を示す図。
【図5】土中埋設試験方法を模式的に示す図。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.03〜0.18%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Cr:0.5〜2%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、下式で規定されるPcmが0.20以下のよりなり、形鋼軸方向の引張試験におけるフランジの公称歪で5%までの加工硬化指数が0.20以上であることを特徴とする耐土壌腐食性および耐震性に優れた圧延形鋼。
    但し、Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
  2. 質量%で、C:0.03〜0.18%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Cr:0.5〜2%と、更にCu:0.1〜1%、Ni:0.1〜2%、Al:0.1〜1.5%、およびMo:0.1〜2%からなる群より選択される一種または二種以上と、残部Feおよび不可避的不純物からなり、下式で規定されるPcmが0.20以下のよりなり、形鋼軸方向の引張試験におけるフランジの公称歪で5%までの加工硬化指数が0.20以上であることを特徴とする耐土壌腐食性および耐震性に優れた圧延形鋼。
    但し、Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
  3. 質量%で、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.3%、Ti:0.003〜0.1%の一種または二種以上を含有する請求項1または2記載の耐土壌腐食性および耐震性に優れた圧延形鋼。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の化学成分を有する鋼をAr3点以上で熱間圧延終了後、オーステナイトとフェライトの2相域から、600℃以下まで3℃/s以上で冷却することを特徴とする耐土壌腐食性および耐震性に優れた圧延形鋼の製造方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の圧延形鋼を用いた地中埋設用構造物。
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