JP4501406B2 - グラフト共重合体、それを含む組成物及びその成形体、並びにその製造方法 - Google Patents
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Description
これらの問題を解決するため、一般に酸を有するビニルモノマーをグラフト化した共重合体組成物が数多く提案されている。
また、熱可塑性エラストマーの接着性及び耐傷つき性を向上させるため、カルボン酸を有するビニルモノマーから形成されるビニル重合体セグメントを、エチレン・α−オレフィン共重合ゴムセグメントに直接結合したグラフト共重合体を熱可塑性エラストマーに配合する方法が提案されている(特許文献2参照)。
(3)前記ポリオレフィン樹脂セグメントがオレフィン系エラストマーセグメントである上記(1)のグラフト共重合体。
(4)前記ビニル重合体セグメントの含有量が0.1〜30重量%であることを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかのグラフト共重合体。
(6)上記(1)ないし(4)のいずれかのグラフト共重合体を一種以上と、ポリオレフィン樹脂とを含み、前記グラフト共重合体と前記ポリオレフィン樹脂との混合比率が99.5/0.5〜0.5/99.5であるグラフト共重合体組成物。
(7)部分的に架橋されていることを特徴とする上記(5)または(6)のグラフト共重合体組成物。
(8)さらに滑剤を含有することを特徴とする上記(5)ないし(7)のいずれかのグラフト共重合体組成物。
(11)カルボン酸を有するビニルモノマー、カルボン酸無水物を有するビニルモノマー、スルホン酸を有するビニルモノマー、リン酸を有するビニルモノマーから選ばれる酸を有するビニルモノマーと、β置換プロペニル基ペンダントポリオレフィン樹脂とを、30℃以上400℃以下の温度で加熱・混合して反応させることにより製造され、前記β置換プロペニル基は2−フェニル−1−プロペニル基、2−シアノ−1−プロペニル基、2−アセトキシ−1−プロペニル基、2−プロピオノシキ−1−プロペニル基、2−ブチロシキ−1−プロペニル基、および2−バレロシキ−1−プロペニル基から選ばれる、グラフト共重合体の製造方法。
(12)前記β置換プロペニル基ペンダントポリオレフィン樹脂が、ポリオレフィン樹脂に付加開裂型連鎖移動剤を反応させることによって製造されるものである、上記(10)または(11)のグラフト共重合体の製造方法。
また本発明のグラフト共重合体組成物の製造方法によれば、グラフト反応時における分子量の変化が少なく、かつ酸のグラフト量が多いグラフト共重合体組成物が得ることが可能である。
また本発明のポリオレフィン樹脂セグメントがポリプロピレン系樹脂セグメントであるグラフト共重合体及びポリオレフィン樹脂セグメントがオレフィン系エラストマーセグメントであるグラフト共重合体を含有するグラフト共重合体組成物及びその成形体は、成形性とゴム物性とが両立できるポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとして非常に有用であり、かつその組成物は密着性及び耐傷つき性に優れている。
また本発明のグラフト共重合体組成物は、部分的に架橋することによって、さらに密着性及び耐傷つき性が向上する。
また本発明のグラフト共重合体組成物に、さらに滑剤を含有させることによって、密着性及び耐傷つき性を一層向上させることが可能である。
本発明のグラフト共重合体は、酸を有するビニルモノマーから形成されるビニル重合体セグメントが、下記一般式(1)のβ置換プロピレン基を介して、ポリオレフィン樹脂セグメントに懸垂された構造を有するものである。
中でも酸を有するビニルモノマーのグラフト化率が高いという観点から、2−フェニル−1,3−プロピレン基が好ましい。
これらの中では、経済性の観点からポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂又はオレフィン系エラストマーが好ましく、特にメタロセン触媒により合成される、オレフィン系エラストマーがより好ましい。
以下にそれぞれの樹脂について詳細に説明する。
具体的には、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高密度ポリエチレン(VHDPE)等があげられる。
またこれらのポリエチレン系樹脂は、生産性の観点から通常0.01〜100g/10分のメルトフローレート(JIS K 7210:190℃、荷重2.16kg)、0.88〜0.98g/cm3の密度(ASTM D 1505)を有するものが好ましい。
具体的には、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)、エチレン−オクテン共重合体ゴム(EOR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)等のエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムや、エチレン−酢酸ビニル共重合体ゴム(EVA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体(EGMA)等があげられる。
ここでいうエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)のジエン成分としては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン等の非共役ジエンや、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンが挙げられる。
先述のオレフィン系エラストマーのうち、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)、エチレン−オクテン共重合体ゴム(EOR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)等のエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムが好ましく、中でもメタロセン触媒を用いたエチレン−オクテン共重合体ゴム(EOR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)がより好ましい。
酸を有するビニルモノマーとしては、極性材料との接着性や相溶性、更には耐傷つき性の観点から、カルボン酸を有するビニルモノマー、カルボン酸無水物を有するビニルモノマー、スルホン酸を有するビニルモノマー、リン酸を有するビニルモノマーが好ましい。
また、これらの酸を有するビニルモノマーは、単独で用いても、二種類以上を組み合わせてもよい。
酸を有するビニルモノマーから形成されるビニル重合体セグメントの量は、グラフト共重合体中に0.1〜30重量%の範囲であることが好ましく、1〜20重量%がより好ましい。酸を有するビニルモノマーから形成されるビニル重合体セグメントの量が、グラフト共重合体中に0.1重量%未満の場合、グラフト共重合体の接着性、耐傷つき性などの性能が低下するため好ましくない。また酸の量が、グラフト共重合体中に30重量%を越える場合、ポリオレフィン樹脂としての特性が得られないため好ましくない。
数平均分子量が1,000未満の場合、機械的物性が低下するため好ましくない。また数平均分子量が10,000,000を越える場合、改質効果が不十分となり好ましくない。
中でもポリプロピレン系樹脂セグメントと酸を有するビニルモノマーから形成されるビニル重合体セグメントとからなるグラフト共重合体と、オレフィン系エラストマーセグメントと酸を有するビニルモノマーから形成されるビニル重合体セグメントとからなるグラフト共重合体との混合物は、より好ましい組み合わせである。なぜならこれらの組み合わせはポリオレフィン系熱可塑性エラストマーと呼ばれる新たな分野で注目されているように、樹脂とゴムとの中間の性質を示すからである。
また、ポリオレフィン樹脂の添加により、グラフト共重合体をグラフト共重合体組成物中に均一に分散させることができ、グラフト共重合体組成物の塗装性、異種材料との接着性、耐傷つき性及び耐摩耗性向上させることができる。
この際に添加するポリオレフィン樹脂としては、先述したポリオレフィン樹脂及びその混合物を用いることができる。
特に経済性の観点から、前記混合比率は50/50〜0.5/99.5が好ましい。
グラフト共重合体組成物中に占めるグラフト共重合体の重量比率が0.5%未満の場合、グラフト共重合体組成物の耐傷つき性や耐摩耗性が低下し、好ましくない。一方、グラフト共重合体組成物中に占めるポリオレフィン樹脂の重量比率が0.5%未満の場合には、先述のようなポリオレフィン添加による改質効果が得られにくい。
架橋の方法としては、グラフト共重合体組成物中の酸を利用して、金属塩又は有機アミンを用いて、イオン結合によって分子内及び分子間を架橋する方法と、グラフト共重合体組成物中のポリオレフィン樹脂セグメントを利用して、有機過酸化物や硫黄を用いて、共有結合によって分子内及び分子間を架橋する方法のいずれかまたはそれを組み合わせる方法が挙げられる。
中でも成形性、耐傷つき性及び耐摩耗性の観点から、金属塩が好ましく、マグネシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩がより好ましい。
中でも、グラフト共重合体組成物の耐傷つき性、耐摩耗性、引っ張り特性を向上させるという観点から、ジアルキルペルオキシド類のジクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン及び2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3が好ましい。
なかでも汎用性及び経済性の面から、不溶性硫黄、コロイド状硫黄等の単体硫黄がより好ましい。
中でも、スチレン系ジビニル単量体では、ジビニルベンゼン(オルト体、メタ体、パラ体いずれかに限定されない)、ジ若しくはトリ(メタ)アクリレート系ビニル単量体では、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましい。
これらは、単独で、あるいは二種以上を混合して使用することができる。
活性剤の具体例としては、例えば酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の金属酸化物、ステアリン酸等の脂肪酸等が挙げられる。
遅延剤の具体例としては、例えば、無水フタル酸、サリチル酸等の酸や、N−ニトロソジフェニルアミン等のニトロソ化合物等が挙げられる。
これらは、求められる物性に応じて適宜使用され、また単独あるいは二種以上を混合して使用することができる。
本発明のグラフト共重合体組成物は、酸を有するビニルモノマーと、β置換プロペニル基ペンダントポリオレフィン樹脂と反応させることにより製造することができる。
中でもポリオレフィン主鎖の切断を抑制する観点から2−フェニル−1−プロペニル基が好ましい。
付加開裂型連鎖移動剤の添加量が0.2重量部未満では、酸を有するビニルモノマーから形成されるビニル重合体セグメントとのグラフト共重合体組成物の接着性や耐傷つき性が低下するため好ましくない。一方、付加開裂型連鎖移動剤の添加量が40重量部を越えるとポリオレフィン樹脂としての特性が得られないため好ましくない。
ここで、ラジカル重合開始剤やラジカル捕捉剤としては、β置換プロペニル基ペンダントポリオレフィン樹脂に、酸を有するビニルモノマーとを共重合する際に使用できるものとして後述するような化合物を用いることができる。
例えば、紫外線照射などによって行うこともできるが、反応効率の観点から、加熱・混合によって反応させる方法が最も好ましい。
ラジカル補足剤の具体例としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等の1次酸化防止剤や、ジ−ラウリル−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ステアリル−チオ−ジ−プロピオネ−ト、トリス−ノニルフェニル−ホスファイト等の2次酸化防止剤や、ニトロキシド化合物(f)が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上を併用して用いる。
これらは、単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。
このうち、簡便性、経済性の観点から、溶融混練法がより好ましい方法である。
ここで、より好ましい温度範囲は、ラジカル重合開始剤を添加する場合には、30〜400℃であり、ラジカル重合開始剤を添加しない場合には、100〜400℃である。
ラジカル重合開始剤を添加する場合に30℃未満であると、反応速度が遅くなり過ぎる傾向にある。同様にラジカル重合開始剤を添加しない場合に100℃未満であると、反応速度が遅くなり過ぎる傾向にある。一方、いずれの場合も反応温度が400℃を越えると重合速度が速くなりすぎて、その制御が難しくなる傾向にある。
得られる成形体は、使用後に回収して再度成形用の原料とすることができ、リサイクル性に優れている。
また各例中の各測定項目は以下の方法に従って行った。
JIS K 7210(190℃、荷重2.16kg)に準じてメルトフローレート(表中、MFRと略記)の測定を行った。
ソックスレー抽出器中にβプロペニル基ペンダントポリオレフィン樹脂若しくはグラフト共重合体1g、及びシクロヘキサン180gとジメチルホルムアミド20gの混合物100gを入れた後、溶媒の沸点温度で24時間をかけて抽出を行った。
そして円筒濾紙中からシクロヘキサンとジメチルホルムアミドを取り除いて得られる抽出残分の重量(g)と抽出前のサンプルの重量(g)とからゲル分率{ゲル分率(%)=〔(抽出残分の重量(g))/(抽出前のサンプルの重量(g))〕× 100}を求めた。
β置換プロペニル基ペンダントポリオレフィン樹脂1gをシクロヘキサン200gに添加し、70℃の温度で溶解させた後、アセトン600gに滴下して再沈殿させた。
沈殿物を濾別・乾燥させたものを、重シクロヘキサンに溶解後、1H−NMRを用いて、以下に示す方法でβ置換プロペニル基の懸垂量(%、表中、懸垂量と略記)を定量した。
例えば、1H−NMR測定において、検出されるβ置換プロペニル基(置換基がフェニル基の場合)は、以下に帰属される。
2.8ppm ;メチレンプロトン
4.7と5.1ppm ;メチレン二重結合のプロトン
7.0〜7.2ppm ;ベンゼン環プロトン
従って、メチレン二重結合のプロトンの積算面積(A)とポリオレフィン成分のエチレン又はプロピレンから誘導されるメチレンプロトン(1.3ppm)またはメチルプロトン(0.8〜0.9ppm)の積算面積(B)との比、及びポリオレフィン樹脂成分中のエチレン又はプロピレンのモル分率(C)から、ポリオレフィン樹脂成分1モル中のメチレン二重結合のモル数(Md=A×C/B)を求めることができる。
ポリオレフィン樹脂成分1モル中のメチレン二重結合のモル数(Md)とβ置換プロペニル基の分子量(Mp)との積(Md×Mp)をポリオレフィン樹脂のモル分子量(Mw)で割る(Md×Mp/Mw)ことによって、β置換プロペニル基の懸垂量(β置換プロペニル基の懸垂量(%)=Md×Mp/Mw={A×C×Mp/(B×Mw)}×100)を求めることができる。
グラフト共重合体1gをシクロヘキサン180gとジメチルホルムアミド20gの混合物200gに添加し、70℃の温度で溶解させた後、アセトン600gに滴下して再沈殿させた。
沈殿物を濾別・乾燥させたものを、重シクロヘキサンに溶解後、1H−NMRを用いて、以下に示す方法でβ置換プロピレン基の懸垂量(%、表中、懸垂量と略記)を定量した。
例えば、1H−NMR測定において、検出されるβ置換プロピレン基(置換基がフェニル基の場合)は、以下に帰属される。
2.8ppm ;メチレンプロトン
3.7ppm ;メチンプロトン
7.0〜7.2ppm ;ベンゼン環プロトン
従って、メチンプロトンの積算面積(a)とポリオレフィン成分のエチレン又はプロピレンから誘導されるメチレンプロトン(1.3ppm)またはメチルプロトン(0.8〜0.9ppm)の積算面積(b)との比、及びポリオレフィン樹脂成分中のエチレン又はプロピレンのモル分率(c)から、ポリオレフィン樹脂成分1モル中のメチンプロトンのモル数(Mm=a×c/b)を求めることができる。
ポリオレフィン樹脂成分1モル中のメチンプロトンのモル数(Mm)とβ置換プロピレン基の分子量(Mq)との積(Mm×Mq)をポリオレフィン樹脂のモル分子量(Mw)で割る(Mm×Mq/Mw)ことによって、β置換プロピレン基の懸垂量(β置換プロピレン基の懸垂量(%)=Mm×Mq/Mw={a×c×Mq/(B×Mw)}×100)を求めることができる。
グラフト共重合体1gをシクロヘキサン180gとジメチルホルムアミド20gの混合物200gに添加し、70℃の温度で2時間攪拌してグラフト共重合体を溶解させた後、アセトン600gに滴下して再沈殿させた。
沈殿物を濾別・乾燥させたものを熱プレス(230℃、5MPa)することにより厚さ0.2mmのフィルムを作成した。
赤外吸収スペクトルにより、カルボン酸、無水カルボン酸、硫酸、リン酸に帰因するピーク(カルボン酸:1710〜1730cm−1、無水カルボン酸:1760〜1780cm−1、硫酸:1010〜1080cm−1、リン酸:1180〜1240cm−1)の吸光度を測定し、検量線法により導入された酸又は酸無水物の含有量(%)を計算した。
そしてグラフト反応率(グラフト反応率(%)={グラフト共重合体に導入された酸又は酸無水物の含有量(%)/仕込み酸又は酸無水物の含有量(%)}×100)を求めた。
ここで仕込み酸又は酸無水物の含有量(%)とは、酸又は酸無水物を含有するビニルモノマーとβプロペニル基含有ポリオレフィン樹脂を反応させる際に、仕込んだ酸又は酸無水物を含有するビニルモノマーとβプロペニル基含有ポリオレフィン樹脂との総量に対する酸又は酸無水物を含有するビニルモノマーの含有量(%)のことである。
グラフト共重合体組成物を、JIS K 6253に準拠して硬度の測定を行った。
グラフト共重合体組成物を220℃、10MPaで2分間加熱圧縮成形して、厚さ2mm、一辺80mmの正方形プレート状の成形品を成形し、それを脱脂処理した厚さ0.1mmの鏡面仕上げアルミ板二枚で挟み込み、200℃、10MPaで2分間加熱圧縮成形して、樹脂厚み0.85mmのアルミ成形品を作成した。
それを幅25mmでカッティングし、23℃、湿度50%の条件下で24時間常態調整した後、オートグラフ(島津製作所(株)製AGS−H 500N)を用いて試験距離60mm、引っ張り速度50mm/分でTピール強度を測定した。
グラフト共重合体の成形品(厚さ2mm、一辺120mmの正方形プレート)を成形し、その傷つき性を以下に示す3つの方法で評価した。
・耐スクラッチ性能
スクラッチテスター((株)東洋精機製作所製)を用い、刃に任意の荷重をかけて引っ掻き、試験片に初めて傷がつく最小荷重を測定した。
・耐エリクセン性能
引っ掻き硬度計((株)エリクセン製モデル318)を用い、0.5mmφのボールに任意の荷重をかけて引っ掻き、試験片に初めて傷がつく最小荷重を測定した。
・耐摩耗性能
学振式堅牢摩耗試験機((株)安田製)を用い、10mmφの面に重さ1000gの荷重を載せ、カナキン3号布により100回往復摩耗させた後の試験片表面を目視にて観察し、下記評価基準で評価した。
4:傷の幅が0.0〜0.5mm(0〜5%)である場合
3:傷の幅が0.6〜2.5mm(6〜50%)である場合
2:傷の幅が2.6〜9.5mm(51〜95%)である場合
1:傷の幅が9.6〜10.0mm(96〜100%)である場合
グラフト共重合体の成形品(厚さ2mm、一辺120mmの正方形プレート)を成形し、JIS K 6251に準拠して引っ張り試験を測定した。
PP:ブロックポリプロピレン(商品名:ジェイアロマーPB370A、サンアロマー(株)製)
PE:ポリエチレン(商品名:スミカセンG401、住友化学(株)製)
EPR:エチレン−プロピレン共重合体ゴム(商品名:EP02P、(株)JSR製)
m−EOR:メタロセン触媒により合成したエチレン−オクテン共重合ゴム(商品名:エンゲージ8180、(株)デュポン・ダウ・エラストマーズ製)
EPDM:エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(商品名:EP57P、ジェイエスアール(株)製)
m−EPDM:メタロセン触媒により合成したエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(商品名:ノーデルIP4725P、(株)デュポン・ダウ・エラストマーズ製)
MAN変性PP:マレイン酸変性ポリプロピレン(商品名:OREVAC CA100、マレイン酸含有率1%、(株)アトフィナ製)
MAN変性EPDM:マレイン酸変性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(商品名:ロイヤルタフ498、マレイン酸含有率1%、(株)ユニロイヤル製)
MSD:2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(商品名:ノフマーMSD、日本油脂(株)製)
St:スチレン(三菱化学(株)製)
H−25B:2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン(商品名:パーヘキサ25B、日本油脂(株)製)
BHT:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(商品名:ノクラック2000、大内新興化学(株)製)
TEMPO:2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシ
H−TEMPO:2,2,6,6−テトラメチル−5−ヒドロキシピペリジニル−1−オキシ((株)ヒュルス製)
MAN:無水マレイン酸(日本油脂(株)製)
AA:アクリル酸(和光純薬(株)製)
MAA:メタクリル酸(和光純薬(株)製)
UNASS:p−スチレンスルホン酸ナトリウム(商品名:UNASS、旭化成ファインケム(株)製)
PEM:リン酸エチレングリコールメタクリル酸エステル(商品名:ホスマーM:ユニケミカル(株)製)
ZAA:酢酸亜鉛(和光純薬(株)製)
DVB:ジビニルベンゼン(和光純薬(株)製)
MEG:ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(商品名:ユニオックス550:日本油脂(株)製)
<βプロペニル基ペンダントPPの製造>
PP(密度0.9、メルトフローレート(JIS K 7210:230℃、荷重2.16kg)1.3g/10分)100部とMSD5部とH−25B1部とH−TEMPO1部を混合攪拌機で5分間混合した後、内径が30mm、L/Dが30の二軸型押出機にて、窒素雰囲気下、220℃の温度で溶融混練することにより、2−フェニル−1−プロペニル基がペンダントされたポリプロピレン樹脂を製造した。
次に、製造したポリオレフィン樹脂を1H−NMR(日本ブルカー(株)製:AV400型)にて分析した。
0.8〜0.9ppm;メチルプロトン(B)3H(495)、
1.3ppm;メチレンプロトン(B)2H(0)、
2.8ppm;メチレンプロトン2H(1.02)
4.7ppm、5.1ppm;メチレン二重結合のプロトン(A)2H(1)、
7.0〜7.2ppm;ベンゼン環プロトン5H(2.54)
( )内の数値は、ピークの相対強度を示す。
Mb=1×(1/2)/(495/3)=0.00303
となる。
ここでは、
β置換プロペニル基の懸垂量(%)
=0.00303×117/40×100=1.8となる。
この2−フェニル−1−プロペニル基がペンダントされたPEを用いてメルトフローレート、ゲル分率を求めた。その結果を表1に示す。
<βプロペニル基ペンダントPEの製造>
参考例1において、ポリオレフィン樹脂をPE(密度:0.9、メルトフローレート(JIS K 7210(190℃、荷重2.16kg):4.0g/10分)に変更すること以外は、参考例1と同じ方法で2−フェニル−1−プロペニル基がペンダントされたPEを得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
<βプロペニル基ペンダントEPR共重合体ゴムの製造>
参考例1において、ポリオレフィン樹脂をEPR(メルトフローレート(JIS K 7210:230℃、荷重2.16kg):3g/10分)に、溶融混練温度を180℃に変更すること以外は、参考例1と同じ方法で2−フェニル−1−プロペニル基がペンダントされたEPRを得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
<βプロペニル基ペンダントm−EORの製造>
参考例1において、ポリオレフィン樹脂をm−EOR(メルトフローレート(JIS K 7210:230℃、荷重2.16kg):1g/10分)に、溶融混練温度を180℃に変更すること以外は、参考例1と同じ方法で2−フェニル−1−プロペニル基がペンダントされたm−EORを得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
<βプロペニル基ペンダントEPDMの製造>
参考例1において、ポリオレフィン樹脂をEPDM(メルトフローレート(JIS K 7210:230℃、荷重2.16kg):0.4g/10分)に、溶融混練温度を180℃に変更すること以外は、参考例1と同じ方法で2−フェニル−1−プロペニル基がペンダントされたEPDMを得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
<βプロペニル基ペンダントm−EPDMの製造>
参考例1において、ポリオレフィン樹脂をm−EPDM(メルトフローレート(JIS K 7210:230℃、荷重2.16kg):0.5g/10分)に、溶融混練温度を180℃に変更すること以外は、参考例1と同じ方法で2−フェニル−1−プロペニル基がペンダントされたm−EPDMを得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
<酸が懸垂されたグラフト共重合体組成物の製造と性能>
参考例1で合成したβプロペニル基ペンダントPP100部とMAN5部とを混合攪拌機で5分混合した後、内径が30mm、L/Dが30の二軸型押出機にて、窒素雰囲気下、290℃の温度で溶融混練することにより、ポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を製造した。
次に、製造したグラフト共重合体を1H−NMR(日本ブルカー(株)製:AV400型)にて分析した。
0.8〜0.9ppm;メチルプロトン(b)3H(557.8)、
1.3ppm;メチレンプロトン(b)2H(0)、
2.8ppm;メチレンプロトン2H(1.02)
3.7ppm;メチンプロトン(b)2H(1)、
7.0〜7.2ppm;ベンゼン環プロトン5H(2.54)
( )内の数値は、ピークの相対強度を示す。
Mm=1×(1/2)/(557.8/3)=0.00269
となる。
ここでは、
β置換プロピレン基の懸垂量(%)
=0.00269×117/40×100=0.8となる。
これを用いてメルトフローレート、ゲル分率、酸の量、反応率を求めた。
また、このグラフト共重合体組成物を220℃、10MPaで2分間加熱圧縮成形して、厚さ2mm、一辺80mmの正方形プレート状の成形品を成形した後、密着性、耐傷つき性、引っ張り特性を評価し、その結果を表2に示す。
実施例1において、ポリ無水マレイン酸基がグラフトされたPP組成物を得る際、さらにH−25B1部を追加添加し、そして溶融・混練する温度を290℃から220℃にしたこと以外は、実施例1と同様の方法でポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例2において、ポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得る際、MAN量を5部から0.2部に変更し、さらにH−25B1部を追加添加し、そして溶融混練する温度を290℃から220℃にしたこと以外は同様の方法でポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表2に示す。
そして同様に各種評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例2において、ポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得る際、MAN量を5部から30部に変更し、さらにH−25B1部を追加添加し、そして溶融混練する温度を290℃から220℃にしたこと以外は同様の方法でポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表2に示す。
そして同様に各種評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例2において、ポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得る際、さらにH−25B10部を追加添加し、そして溶融混練する温度を290℃から220℃にしたこと以外は同様の方法でポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例2において、MAN5部をAA5部にしたこと以外は同様の方法でポリアクリル酸がグラフトされたPP組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例2において、MAN5部をMAA5部にしたこと以外は同様の方法でポリメタクリル酸がグラフトされたPP組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例2において、MAN5部をUNASS5部にしたこと以外は同様の方法でポリp−スチレンスルホン酸ナトリウムがグラフトされたPP組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例2において、MAN5部をPEM5部にしたこと以外は同様の方法でポリリン酸エチレングリコールメタクリル酸エステルがグラフトされたPP組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例2において、ポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得る際、βプロペニル基ペンダントPP100部のかわりに、参考例2で製造したβプロペニル基ペンダントPE100部にしたこと以外は同様の方法でポリ無水マレイン酸がグラフトされたPE組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例2において、ポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得る際、βプロペニル基ペンダントPP100部のかわりに、参考例3で製造したβプロペニル基ペンダントEPR100部にしたこと以外は同様の方法でポリ無水マレイン酸がグラフトされたEPR組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例2において、ポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得る際、βプロペニル基ペンダントPP100部のかわりに、参考例4で製造したβプロペニル基ペンダントm−EOR100部にしたこと以外は同様の方法でポリ無水マレイン酸がグラフトされたm−EOR組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例2において、ポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得る際、βプロペニル基ペンダントPP100部のかわりに、参考例4で製造したβプロペニル基ペンダントEPDM100部にしたこと以外は同様の方法でポリ無水マレイン酸がグラフトされたEPDM組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例2において、ポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得る際、βプロペニル基ペンダントPP100部のかわりに、参考例5で製造したβプロペニル基ペンダントm−EPDM100部にしたこと以外は同様の方法でポリ無水マレイン酸がグラフトされたm−EPDM組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例2において、ポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得る際、さらにSt5部を追加添加したこと以外は、同様の方法でポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表5に示す。
実施例2において、ポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得る際、さらにBHT1部を追加添加したこと以外は、同様の方法でポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表5に示す。
実施例2において、ポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得る際、さらにTEMPO1部を追加添加したこと以外は、同様の方法でポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表5に示す。
実施例2において、ポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得る際、さらにSt5部、H−TEMPO1部を追加添加したこと以外は、同様の方法でポリ無水マレイン酸がグラフトされたPP組成物を得、そして同様に各種評価を行った。その結果を表5に示す。
<グラフト共重合体組成物の製造>
実施例2において得られたグラフト共重合体組成物30部と実施例13において得られたグラフト共重合体組成物70部とを75ccのバンバリーミキサー((株)東洋精機製作所製:BH−75)にて100rpm、10分間溶融混練することにより、グラフト共重合体組成物を製造した。
また、このグラフト共重合体組成物を220℃、10MPaで2分間加熱圧縮成形して、厚さ2mm、一辺80mmの正方形プレート状の成形品を成形した後、メルトフローレート(230℃、荷重10kg)、密着性、耐傷つき性、引っ張り特性を評価し、その結果を表6に示す。
実施例19において、実施例2において得られたグラフト共重合体組成物30部のかわりにPP30部を用いた以外は実施例19と同様の方法でグラフト共重合体組成物を得、それを用いて成形品を作成した後、同様の評価を行った。その結果を表6に示す。
実施例19において、実施例14において得られたグラフト共重合体組成物70部のかわりにPP70部を用いた以外は実施例19と同様の方法でグラフト共重合体組成物を得、それを用いて成形品を作成した後、同様の評価を行った。その結果を表6に示す。
実施例19において、実施例14において得られたグラフト共重合体組成物70部のかわりにEPDM70部を用いた以外は実施例19と同様の方法でグラフト共重合体組成物を得、それを用いて成形品を作成した後、同様の評価を行った。その結果を表6に示す。
実施例19において、実施例2において得られたグラフト共重合体組成物30部のかわりに実施例14において得られたグラフト共重合体組成物30部を、実施例14において得られたグラフト共重合体組成物70部のかわりにEPDM70部を用いた以外は実施例19と同様の方法でグラフト共重合体組成物を得、それを用いて成形品を作成した後、同様の評価を行った。その結果を表7に示す。
実施例19において、実施例14において得られたグラフト共重合体組成物70部を実施例14において得られたグラフト共重合体組成物30部とEPDM40部に変更した以外は実施例19と同様の方法でグラフト共重合体組成物を得、それを用いて成形品を作成した後、同様の評価を行った。その結果を表7に示す。
実施例19において、実施例2において得られたグラフト共重合体組成物30部をPP30部に、実施例14において得られたグラフト共重合体組成物70部を実施例14において得られたグラフト共重合体組成物30部とEPDM40部に変更した以外は実施例19と同様の方法でグラフト共重合体組成物を得、それを用いて成形品を作成した後、同様の評価を行った。その結果を表7に示す。
実施例25において得られるグラフト共重合体組成物に、さらに20%のZAA水溶液9部を追加添加してグラフト共重合体組成物を得、それを用いて成形品を作成した後、同様の評価を行った。その結果を表7に示す。
実施例26において得られるグラフト共重合体組成物に、さらにH−25B0.5部を追加添加してグラフト共重合体組成物を得、それを用いて成形品を作成した後、同様の評価を行った。その結果を表7に示す。
実施例27において得られるグラフト共重合体組成物に、さらにDVB0.3部を追加添加してグラフト共重合体組成物を得、それを用いて成形品を作成した後、同様の評価を行った。その結果を表8に示す。
実施例29において得られるグラフト共重合体組成物に、さらにMEG5部を追加添加してグラフト共重合体組成物を得、それを用いて成形品を作成した後、同様の評価を行った。その結果を表8に示す。
PP(密度0.9、メルトフローレート(JIS K 7210:230℃、荷重2.16kg)1.3g/10分)100部、MAN5部、H−25B0.5部を混合攪拌機で5分混合した後、内径が30mm、L/Dが30の二軸型押出機で溶融混練(窒素雰囲気下、220℃)することにより、ポリ無水マレイン酸が直接グラフトされたPP組成物を得、そして各種評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例22において、実施例2で得られたグラフト共重合体30部のかわりに、MAN変性PP30部を用いた以外は実施例22と同様の方法でグラフト共重合体組成物を得、それを用いて成形品を作成した後、同様の評価を行った。その結果を表6に示す。
実施例28において、実施例14で得られたグラフト共重合体30部のかわりに、MAN変性EPDM30部を用いた以外は実施例28と同様の方法でグラフト共重合体組成物を得、それを用いて成形品を作成した後、同様の評価を行った。その結果を表8に示す
Claims (12)
- 前記ポリオレフィン樹脂セグメントがポリプロピレン系樹脂セグメントである請求項1に記載のグラフト共重合体。
- 前記ポリオレフィン樹脂セグメントがオレフィン系エラストマーセグメントである請求項1に記載のグラフト共重合体。
- 前記ビニル重合体セグメントの含有量が0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のグラフト共重合体。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のグラフト共重合体を二種以上含むグラフト共重合体組成物。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のグラフト共重合体を一種以上と、ポリオレフィン樹脂とを含み、前記グラフト共重合体と前記ポリオレフィン樹脂との混合比率が99.5/0.5〜0.5/99.5であるグラフト共重合体組成物。
- 部分的に架橋されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のグラフト共重合体組成物。
- さらに滑剤を含有することを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載のグラフト共重合体組成物。
- 請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載のグラフト共重合体組成物を成形して得られる成形体。
- カルボン酸を有するビニルモノマー、カルボン酸無水物を有するビニルモノマー、スルホン酸を有するビニルモノマー、リン酸を有するビニルモノマーから選ばれる酸を有するビニルモノマーと、β置換プロペニル基ペンダントポリオレフィン樹脂とを反応させることにより製造され、
前記β置換プロペニル基は2−フェニル−1−プロペニル基、2−シアノ−1−プロペニル基、2−アセトキシ−1−プロペニル基、2−プロピオノシキ−1−プロペニル基、2−ブチロシキ−1−プロペニル基、および2−バレロシキ−1−プロペニル基から選ばれる、グラフト共重合体の製造方法。 - カルボン酸を有するビニルモノマー、カルボン酸無水物を有するビニルモノマー、スルホン酸を有するビニルモノマー、リン酸を有するビニルモノマーから選ばれる酸を有するビニルモノマーと、β置換プロペニル基ペンダントポリオレフィン樹脂とを、30℃以上400℃以下の温度で加熱・混合して反応させることにより製造され、
前記β置換プロペニル基は2−フェニル−1−プロペニル基、2−シアノ−1−プロペニル基、2−アセトキシ−1−プロペニル基、2−プロピオノシキ−1−プロペニル基、2−ブチロシキ−1−プロペニル基、および2−バレロシキ−1−プロペニル基から選ばれる、グラフト共重合体の製造方法。 - 前記β置換プロペニル基ペンダントポリオレフィン樹脂が、ポリオレフィン樹脂に付加開裂型連鎖移動剤を反応させることによって製造されるものである、請求項10または請求項11に記載のグラフト共重合体の製造方法。
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