JP2002137344A - ポリオレフィン樹脂用絵付用シート、絵付方法および加飾成形品 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂用絵付用シート、絵付方法および加飾成形品

Info

Publication number
JP2002137344A
JP2002137344A JP2000338179A JP2000338179A JP2002137344A JP 2002137344 A JP2002137344 A JP 2002137344A JP 2000338179 A JP2000338179 A JP 2000338179A JP 2000338179 A JP2000338179 A JP 2000338179A JP 2002137344 A JP2002137344 A JP 2002137344A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
painting
sheet
resin
polyolefin resin
polypropylene resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000338179A
Other languages
English (en)
Inventor
Chihiro Hasegawa
千尋 長谷川
Ikunori Sakai
郁典 酒井
Mikio Hashimoto
橋本  幹夫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Grand Polymer Co Ltd
Original Assignee
Grand Polymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Grand Polymer Co Ltd filed Critical Grand Polymer Co Ltd
Priority to JP2000338179A priority Critical patent/JP2002137344A/ja
Publication of JP2002137344A publication Critical patent/JP2002137344A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 極性基を持たないポリオレフィン樹脂に対し
ても優れた熱接着性を有し、容易に加飾成形品を得るこ
とができ、しかも透明感があり、外観および耐傷付き性
に優れたポリオレフィン樹脂用絵付用シートを提供す
る。 【解決手段】 ポリプロピレン樹脂(A)50〜90重
量%にビニルモノマー(B)10〜50重量%をグラフ
ト共重合してなる改質ポリプロピレン樹脂を主成分とす
る接着剤層と、アクリル樹脂を主体とする透明層とが積
層されたポリオレフィン樹脂用絵付用シートであって、
前記ビニルモノマー(B)は単独で重合した場合にガラ
ス転移点(Tg)が50℃以上の単独重合体が得られる
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B−1)と、単
独で重合した場合にガラス転移点が50℃未満の単独重
合体が得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(B−2)と、芳香族ビニル化合物(B−3)とを含む
ものであるポリオレフィン樹脂用絵付用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン樹
脂成形品の表面に密着良く積層できるポリオレフィン樹
脂用絵付用シート、そのポリオレフィン樹脂用絵付用シ
ートを使用した成形同時絵付方法、および前記ポリオレ
フィン樹脂用絵付用シートを表面に積層一体化して得ら
れる加飾成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、樹脂成形品の表面を加飾した
り、傷付きを防止する目的で射出成形と同時にその表面
に絵付用シートを積層一体化することにより、表面が加
飾された成形品を得る技術が提案されている。従来の射
出成形同時絵付方法により成形品を得る場合、絵付用シ
ートとしては良好な印刷性および高い剛性が必要となる
ので、ポリエステル樹脂製またはアクリル樹脂製のシー
トが多用されており、射出成形されるベース樹脂として
はポリエステルシートやアクリルシートと親和性のある
アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂等の
極性基を有する樹脂が用いられている。
【0003】一方、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフ
ィン樹脂は極性基を持たないため、絵付シートとは熱融
着(熱接着)せず、このため絵付用シートは射出成形後
冷却した際成形品から容易に剥がれてしまう。この接着
不良を回避する方法として、絵付用シートの表面に塩素
化ポリプロピレン樹脂に変性アクリル樹脂を添加したも
のからなる粘着剤組成物を塗布しておき、この粘着剤組
成物と溶融ポリオレフィン樹脂とを融着することにより
接着性を向上させる試みがなされている。
【0004】しかし、従来の塩素化ポリプロピレン樹脂
を主成分とした接着剤では、絵付用シートの予備成形時
の熱、樹脂射出時の熱、および成形品として得られた後
の使用環境下で接着剤が熱劣化し、満足すべき密着性が
得られないという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来の課題を解決するため、極性基を持たないポリオレ
フィン樹脂に対しても優れた熱接着性を有し、容易に加
飾成形品を得ることができ、しかも透明感があり、外観
および耐傷付き性に優れたポリオレフィン樹脂用絵付用
シート、およびこの絵付用シートが積層された加飾成形
品を提供することである。本発明の他の課題は、上記ポ
リオレフィン樹脂用絵付用シートを用いて、ポリオレフ
ィン樹脂成形品表面に簡単に効率よく低コストで絵付す
ることができる成形同時絵付方法を提案することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次のポリオレフ
ィン樹脂用絵付用シート、絵付方法および加飾成形品で
ある。 (1) ポリプロピレン樹脂(A)にビニルモノマー
(B)をグラフト共重合してなる改質ポリプロピレン樹
脂を主成分とする接着剤層と、アクリル樹脂を主体とす
る透明層とが積層されたポリオレフィン樹脂用絵付用シ
ートであって、前記改質ポリプロピレン樹脂がポリプロ
ピレン樹脂(A)50〜90重量%に対してビニルモノ
マー(B)10〜50重量%をグラフト共重合させたも
のであり、前記ビニルモノマー(B)は単独で重合した
場合にガラス転移点(Tg)が50℃以上の単独重合体
が得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B−
1)と、単独で重合した場合にガラス転移点(Tg)が
50℃未満の単独重合体が得られる(メタ)アクリル酸
アルキルエステル(B−2)と、芳香族ビニル化合物
(B−3)とを含むものであるポリオレフィン樹脂用絵
付用シート。 (2) ビニルモノマー(B)中の各成分の含有量は、
ガラス転移点(Tg)が50℃以上の単独重合体が得ら
れる(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B−1)、
ガラス転移点(Tg)が50℃未満の単独重合体が得ら
れる(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B−2)お
よび芳香族ビニル化合物(B−3)の合計量に対して、
(B−1)および(B−2)の合計の含有量が95〜7
0重量%、(B−3)の含有量が5〜30重量%であ
り、前記ガラス転移点(Tg)が50℃以上の単独重合
体が得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B
−1)およびガラス転移点(Tg)が50℃未満の単独
重合体が得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(B−2)の合計量に対して、(B−1)の含有量が9
5〜40重量%、(B−2)の含有量が5〜60重量%
である上記(1)記載のポリオレフィン樹脂用絵付用シ
ート。 (3) ポリプロピレン樹脂用絵付用シートである上記
(1)または(2)記載のポリオレフィン樹脂用絵付用
シート。 (4) 上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のポ
リオレフィン樹脂用絵付用シートを、その接着剤層が成
形金型内において成形品の原料樹脂と接触する向き配置
した後、金型内で原料樹脂を成形するとともに、成形さ
れた成形品の表面に前記ポリオレフィン樹脂用絵付用シ
ートを積層して絵付を行う成形同時絵付方法。 (5) 上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のポ
リオレフィン樹脂用絵付用シートを、型開き状態にある
一対の射出成形用金型の間に、その接着剤層が射出樹脂
側を向くように配置した後、両型を型締めし、両型で形
成されるキャビティに溶融状態のポリオレフィン樹脂を
射出して射出成形すると同時に射出成形品の表面に前記
ポリオレフィン樹脂用絵付用シートを積層して絵付を行
う射出成形同時絵付方法。 (6) 上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のポ
リオレフィン樹脂用絵付用シートを、型開き状態にある
一対の中空成形用金型の間に、その接着剤層がパリソン
側を向くように配置した後、押出機からポリオレフィン
樹脂からなるパリソンを押出し、次いで中空成形用金型
を型締めし、パリソン内に流体を注入してパリソンを膨
らませ、中空成形用金型の内面にパリソンを押し付けて
中空成形する同時に中空成形品の表面に前記ポリオレフ
ィン樹脂用絵付用シートを積層して絵付を行う中空成形
同時絵付方法。 (7) ポリオレフィン樹脂用絵付用シートを融着によ
り成形品表面に積層する上記(4)ないし(6)のいず
れかに記載の成形同時絵付方法。 (8) 上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のポ
リオレフィン樹脂用絵付用シートを、ポリオレフィン樹
脂成形品の表面に積層してなる加飾成形品。 (9) 上記(4)記載の成形同時絵付方法により絵付
された加飾成形品。 (10) 上記(5)記載の射出成形同時絵付方法によ
り絵付された加飾射出成形品。 (11) 上記(6)記載の中空成形同時絵付方法によ
り絵付された加飾中空成形品。
【0007】本明細書において、「(メタ)アクリ」は
「アクリ」および/または「メタクリ」を意味する。
【0008】本発明のポリオレフィン樹脂用絵付用シー
ト(以下、単に絵付用シートという場合がある)を構成
する接着剤層は、ポリプロピレン樹脂(A)にビニルモ
ノマー(B)をグラフト共重合してなる改質ポリプロピ
レン樹脂を主成分とする改質ポリプロピレン樹脂層であ
る。
【0009】本発明において改質ポリプロピレン樹脂の
原料として用いられるポリプロピレン樹脂(A)として
は、公知のポリプロピレン樹脂が使用できる。例えば、
プロピレンの単独重合体、50重量%以上、好ましくは
90重量%以上のプロピレンと50重量%以下、好まし
くは10重量%以下の他のモノマーとの共重合体などが
あげられる。プロピレンと共重合する他のモノマーとし
ては、エチレン、1−ブテン、1−ヘプテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウ
ンデセン、1−ドデセン、3−メチル−1−ブテン、4
−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜20、好ましく
は2〜10のα−オレフィンなどがあげられる。共重合
体の場合、ランダム共重合体であっても、ブロック共重
合体であってもよい。
【0010】ポリプロピレン樹脂(A)としては結晶性
ポリプロピレン樹脂が好ましく、特にプロピレン単独重
合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピ
レン・1−ブテンランダム共重合体、およびプロピレン
・エチレン・1−ブテン3元ランダム共重合体が好まし
い。これらのポリプロピレン樹脂を用いた場合、透明性
により優れ、かつポリプロピレン樹脂との熱融着性によ
り優れた改質ポリプロピレン樹脂を得ることができる。
【0011】またポリプロピレン樹脂(A)としてはメ
ルトフローインデックス(MI)が10g/10分以
下、好ましくは5g/10分以下、さらに好ましくは
2.5g/10分以下のもの望ましい。MIが10g/
10分以下の場合、押出加工性により優れた改質ポリプ
ロピレン樹脂を得ることができる。なお、MIは、AS
TM D 1238に準じて230℃、荷重2.16k
gで測定されたものである。
【0012】またポリプロピレン樹脂(A)としては屈
折率が1.4〜1.6程度、好ましくは1.43〜1.
57であるものが望ましい。屈折率が1.4〜1.6程
度である場合、透明性により優れた改質ポリプロピレン
樹脂を得ることができる。ポリプロピレン樹脂(A)は
1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合
せて使用することもできる。
【0013】ポリプロピレン樹脂(A)にグラフト重合
するビニルモノマー(B)としては、単独で重合した場
合にガラス転移点(Tg)が50℃以上の単独重合体が
得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B−
1)と、単独で重合した場合にガラス転移点(Tg)が
50℃未満の単独重合体が得られる(メタ)アクリル酸
アルキルエステル(B−2)と、芳香族ビニル化合物
(B−3)との少なくとも3種類のモノマーを含むビニ
ルモノマー(B)を使用する。
【0014】単独で重合した場合にガラス転移点(T
g)が50℃以上の単独重合体が得られる(メタ)アク
リル酸アルキルエステル(以下、Tgが50℃以上の単
独重合体が得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルと略記する場合がある)(B−1)としては、例えば
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル等をあげることができる。ア
ルキル基の炭素数は1〜20、好ましくは1〜12であ
る。これらの中ではメタクリル酸メチルおよびアクリル
酸メチルが好ましく、特にメタクリル酸メチルが好まし
い。(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B−1)は
1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合
せて使用することもできる。
【0015】単独で重合した場合にガラス転移点(T
g)が50℃未満の単独重合体が得られる(メタ)アク
リル酸アルキルエステル(以下、Tgが50℃未満の単
独重合体が得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルと略記する場合がある)(B−2)としては、例えば
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メ
タクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル等をあ
げることができる。アルキル基の炭素数は1〜20、好
ましくは1〜12である。これらの中では(メタ)アク
リル酸n−ブチルが好ましく、特にアクリル酸n−ブチ
ルが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(B−2)は1種単独で使用することもできるし、2種
以上を組み合せて使用することもできる。
【0016】前記芳香族ビニル化合物(B−3)として
は、ビニル基または置換基を有するビニル基が芳香環に
結合した公知の芳香族ビニル化合物が制限なく使用で
き、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン等をあげることができる。これらの中では、スチレ
ンが最も好ましい。芳香族ビニル化合物(B−3)は1
種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せ
て使用することもできる。
【0017】本発明で使用される改質ポリプロピレン樹
脂のポリプロピレン樹脂(A)に対するビニルモノマー
(B)のグラフト量は次の通りである。すなわち、ポリ
プロピレン樹脂(A)とビニルモノマー(B)との組成
比は両者の合計量に対してポリプロピレン樹脂(A)の
含有量が50〜90重量%、好ましくは55〜85重量
%、さらに好ましくは60〜80重量%であり、ビニル
モノマー(B)の含有量が50〜10重量%、好ましく
は45〜15重量%、さらに好ましくは40〜20重量
%である。ポリプロピレン樹脂(A)とビニルモノマー
(B)との組成比が上記範囲にある場合、アクリル樹脂
に対する熱接着性と、ポリプロピレン樹脂に対する熱接
着性との両方の特性により優れた改質ポリプロピレン樹
脂が得られる。
【0018】本発明で好ましく使用される改質ポリプロ
ピレン樹脂は、ビニルモノマー(B)中の(B−1)、
(B−2)および(B−3)の含有割合が下記の範囲に
ある改質ポリプロピレン樹脂である。すなわち、ポリプ
ロピレン樹脂(A)とビニルモノマー(B)との組成比
は両者の合計量に対してポリプロピレン樹脂(A)の含
有量が50〜90重量%、好ましくは55〜85重量
%、さらに好ましくは60〜80重量%であり、ビニル
モノマー(B)の含有量が50〜10重量%、好ましく
は45〜15重量%、さらに好ましくは40〜20重量
%であるのが望ましい。ポリプロピレン樹脂(A)とビ
ニルモノマー(B)との組成比が上記範囲にある場合、
アクリル樹脂に対する熱接着性と、ポリプロピレン樹脂
に対する熱接着性との両方の特性により優れた改質ポリ
プロピレン樹脂が得られる。
【0019】またTgが50℃以上の単独重合体が得ら
れる(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B−1)、
Tgが50℃未満の単独重合体が得られる(メタ)アク
リル酸アルキルエステル(B−2)および芳香族ビニル
化合物(B−3)の合計量に対して、(B−1)および
(B−2)の合計の含有量が95〜70重量%、好まし
くは90〜75重量%、さらに好ましくは87〜80重
量%であり、(B−3)の含有量が5〜30重量%、好
ましくは10〜25重量%、さらに好ましくは12〜2
0重量%であるのが望ましい。2種の(メタ)アクリル
酸アルキルエステルの合計と、芳香族ビニル化合物(B
−3)との組成比が上記範囲にある場合、ポリプロピレ
ン樹脂(A)の屈折率と、ビニルモノマー(B)の重合
体の屈折率とが近似し、透明性により優れた改質ポリプ
ロピレン樹脂が得られる。
【0020】改質ポリプロピレン樹脂においては、ポリ
プロピレン樹脂(A)の屈折率と、ビニルモノマー
(B)の重合体の屈折率とができるだけ近くなるよう
に、好ましくは実質的に等しくなるように、ポリプロピ
レン樹脂(A)およびビニルモノマー(B)の種類およ
び組成比を選択するのが好ましい。なお、屈折率が実質
的に等しいとは、両者の屈折率の差が0〜0.05、好
ましくは0〜0.02であることを意味する。屈折率の
値は、例えばポリマーハンドブック(A WILEY-INTERSCI
ENCE PUBLICATION、第3版、1989)などに掲載され
たものであり、重合体の屈折率は構成するモノマーの重
量分率によって比例計算して求めることができる。
【0021】さらに、Tgが50℃以上の単独重合体が
得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B−
1)およびTgが50℃未満の単独重合体が得られる
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B−2)の合計
量に対して、(B−1)の含有量が95〜40重量%、
好ましくは95〜60重量%、さらに好ましくは90〜
65重量%、(B−2)の含有量が5〜60重量%、好
ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは10〜35
重量%であるのが望ましい。2種類の(メタ)アクリル
酸アルキルエステルの含有量が上記範囲にある場合、ア
クリル樹脂に対する熱接着性により優れるとともに、耐
熱性により優れた改質ポリプロピレン樹脂が得られる。
【0022】本発明で用いる改質ポリプロピレン樹脂は
ASTM D 1238の方法で測定したMI(測定温
度:230℃、荷重:2.16kg)が0.1〜15g
/10分、好ましくは0.5〜3g/10分の範囲であ
るのが望ましい。MIが上記範囲にある場合、シート成
形、フイルム成形などの成形を容易に行うことができ、
薄肉のシートを容易に得ることがきる。
【0023】上記の改質ポリプロピレン樹脂は、透明
性、加工性および成形性に優れるとともに、アクリル樹
脂およびポリプロピレン樹脂の両樹脂に対する熱接着性
に優れている。
【0024】本発明で使用する改質ポリプロピレン樹脂
は、例えば次の方法により製造することができる。ま
ず、前記ポリプロピレン樹脂(A)、前記ビニルモノマ
ー(B)およびラジカル重合開始剤(C)を水などの水
性媒体中に懸濁し、ビニルモノマー(B)をポリプロピ
レン樹脂(A)に含浸させる。この場合、ポリプロピレ
ン樹脂(A)として、ポーラス形状を有するパウダー状
のポリプロピレン樹脂を使用するのが好ましい。
【0025】ビニルモノマー(B)をポリプロピレン樹
脂(A)に含浸させる際、ラジカル重合開始剤(C)が
実質的に分解しない条件下で加熱すると、効率よく含浸
させることができるので好ましい。上記「ラジカル重合
開始剤(C)が実質的に分解しない条件下で加熱する」
とは、使用するラジカル重合開始剤(C)の10時間半
減期温度をT(℃)とした場合、T−50℃ないしT−
10℃、好ましくはT−40℃ないしT−10℃で表わ
される温度に加熱することをいう。なお、「10時間半
減期温度」とは10時間でラジカル重合開始剤(C)の
半分が分解する場合の温度である。また、ビニルモノマ
ー(B)をポリプロピレン樹脂(A)に含浸させると、
ラジカル重合開始剤(C)もポリプロピレン樹脂(A)
に含浸される。
【0026】前記ラジカル重合開始剤(C)としては、
ビニルモノマー(B)の重合やグラフト化を効率よく進
行させることができるという点から、その10時間の半
減期を得るための分解温度(10時間半減期温度)が5
0〜200℃程度、好ましくは70〜160℃のものが
望ましい。また実質的に溶融状態にあるポリプロピレン
樹脂(A)にラジカル開始点を生成させ、またビニルモ
ノマー(B)の重合やグラフト化を効率よく進行させる
ことができるという点から、50〜200℃における半
減期が1時間程度のラジカル重合開始剤が好ましい。
【0027】前記ラジカル重合開始剤(C)の具体例と
しては、例えばt−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサ
ノエート、t−ブチルペルオキシネオデカネート、アセ
チルペルオキシド、コハク酸ペルオキシド、t−ブチル
ペルオクトエート、ベンジルペルオキシド、t−ブチル
ペルオキシマレイン酸、1−ヒドロキシ−1−ヒドロペ
ルオキシジシクロヘキシルペルオキシド、1,1−ビス
(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、t−ブチルペルオキシクロトネート、
2,2−ビス(t−ブチルペルオキシブタン)、t−ブ
チルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチル
ペルオキシビバレート、ラウロイルペルオキシド、t−
ブチルペルオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルペル
オキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−
2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘ
キサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイル
ペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルアセテート、
2,5−ジメチル−ジ(ヒドロペルオキシ)ヘキサン、
t−ブチルヒドロペルオキシド、t−ブチルクミルペル
オキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、メチルエ
チルケトンペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシフ
タレート、t−ブチルペルベンゾエート、ジクミルペル
オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
ペルオキシ)ヘキサン、2,4−ペンタンジオンペルオ
キシド、アゾビスイソブチロニトリルなどがあげられ
る。ラジカル重合開始剤(C)は単独でまたは2種以上
を混合して用いることができる。
【0028】改質ポリプロピレン樹脂を製造する際、ポ
リプロピレン樹脂(A)、ビニルモノマー(B)および
ラジカル重合開始剤(C)に加えて連鎖移動剤を使用す
るのが好ましい。連鎖移動剤としては、公知の連鎖移動
剤が制限なく使用でき、例えばα−メチルスチレンダイ
マー、四塩化炭素、2−メルカプトエタノール、t−ド
デシルメルカプタン、ベンゼン、トルエン、シルロヘキ
サン、n−ブチルブロミド、エチルベンゼン、イソプロ
ピルベンゼン、トリフェニルメタン、四臭化炭素、n−
ブチルメルカプタン、クロロホルム、ジフェニルメタ
ン、t−ブチルベンゼン、塩化第二鉄、n−ヘプタン、
n−ブタノール等を使用することができる。連鎖移動剤
の使用量はビニルモノマー(B)100重量部に対して
0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜1重量部
であるのが望ましい。
【0029】上記の製造方法により得られる改質ポリプ
ロピレン樹脂には、前記ビニルモノマー(B)がグラフ
トされたポリプロピレン樹脂と、グラフトしていないビ
ニルモノマー(B)の共重合体と、ビニルモノマー
(B)がグラフトされていないポリプロピレン樹脂
(A)が必然的に含有されているが、このような改質ポ
リプロピレン樹脂を接着剤層の原料としてそのまま使用
できる。
【0030】ビニルモノマー(B)の重合を行う反応時
間は、用いるポリプロピレン樹脂(A)、ビニルモノマ
ー(B)、ラジカル重合開始剤(C)の種類および量な
どによって異なるため一概には決定することができない
が、通常0.5〜10時間程度、好ましくは1〜8時間
であるのが望ましい。
【0031】また本発明で使用する改質ポリプロピレン
樹脂は、前記ポリプロピレン樹脂(A)、前記ビニルモ
ノマー(B)およびラジカル重合開始剤(C)を溶融混
練ことにより製造することもできる。
【0032】本発明のポリオレフィン樹脂用絵付用シー
トを構成する接着剤層の厚さは、用途に応じて適宜選択
することができ特に制限はないが、通常20〜500μ
m程度、好ましくは50〜400μmであるのが望まし
い。
【0033】本発明のポリオレフィン樹脂用絵付用シー
トを構成する透明層は、アクリル樹脂を主体とするアク
リル樹脂層である。このようなアクリル樹脂としては、
例えばポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル
(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート・
ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)
アクリレート・スチレン共重合体等をあげることができ
る。アクリル樹脂は透明性に優れ、塗装感等の付与に適
している。透明層の厚さは、用途に応じて適宜選択する
ことができ特に制限はないが、通常20〜500μm程
度、好ましくは50〜300μmであるのが望ましい。
【0034】本発明で用いる前記改質ポリプロピレン樹
脂および/またはアクリル樹脂は単独で使用することも
できるが、必要に応じて核剤、造核剤、耐熱安定剤、耐
候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキン
グ剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワ
ックス、充填剤等の公知の添加剤、あるいは他の樹脂な
どを本発明の目的を損なわない範囲で配合することもで
きる。
【0035】接着剤層の透明性をさらに向上させるため
に前記改質ポリプロピレン樹脂に造核剤を配合すること
ができる。このような造核剤としては、例えばソジウム
ベンゾエート、ビスベンジリデンソルビトール、ビス
(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−
エチルベンジリデン)ソルビトール、ソジウム−2,2
−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイトなどがあげられる。造核剤は単独でまたは2
種以上を混合して用いることができる。造核剤の配合量
は樹脂100部に対して0.01〜2重量部、好ましく
は0.05〜1.5重量部であるのが望ましい。
【0036】前記安定剤としては、例えばペンタエリス
リチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチ
レングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]など
のフェノール系安定剤;トリス(モノノニルフェニル)
フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)フォスファイトなどのリン系安定剤;ジラウリル
チオジプロピオネートなどのイオウ系安定剤等があげら
れる。安定剤は単独でまたは2種以上を混合して用いる
ことができる。安定剤の配合量は樹脂100重量部に対
して通常0.01〜3重量部程度、好ましくは0.05
〜2重量部であるのが望ましい。
【0037】前記滑剤の代表例としては、例えばラウリ
ル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの
飽和または不飽和脂肪酸のナトリウム、カルシウムまた
はマグネシウム塩などがあげられる。滑剤は単独でまた
は2種以上を混合して用いることができる。滑剤の配合
量は樹脂100重量部に対して通常0.1〜3重量部程
度、好ましくは0.1〜2重量部であるのが望ましい。
【0038】前記帯電防止剤としては、例えばグリセリ
ン脂肪酸エステル、スルホン酸塩、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル、高級アルコール、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールア
ミン、アルキルジエタノールアミト゛、アルキルジエタノ
ールアミン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等をあげる
ことができる。帯電防止剤は単独でまたは2種以上を混
合して用いることができる。優れた防曇性を発現させる
ためには、グリセリンモノ脂肪酸エステル、アルキルジ
エタノールアミン、アルキルジエタノールアミン脂肪酸
エステルおよびこれらの混合物を選択して用いることが
好ましい。
【0039】前記無機充填剤の代表例としては、例えば
重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、ガ
ラス繊維、炭酸マグネシウム、マイカ、カオリン、硫酸
カルシウム、硫酸バリウム、チタンホワイト、ホワイト
カーボン、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウムなどがあげられる。無機充填剤は単独
でまたは2種以上を混合して用いることができる。無機
充填剤の配合量は樹脂100重量部に対して通常0.0
1〜100重量部程度、好ましくは0.01〜50重量
部であることが望ましい。
【0040】本発明のポリオレフィン樹脂用絵付用シー
トを製造する方法としては、公知の各種の方法が採用で
きる。例えば、前記改質ポリプロピレン樹脂からなる接
着剤層とアクリル樹脂からなる透明層とを共押出法によ
り押し出して積層することにより製造することができ
る。
【0041】また別の方法として、アクリル樹脂からな
る透明層を形成し、この透明層に溶融した改質ポリプロ
ピレン樹脂をコーティングして積層する方法;改質ポリ
プロピレン樹脂からなる接着剤層を形成し、この接着剤
層に溶融したアクリル樹脂をコーティングして積層する
方法;透明層および接着剤層を別々に形成しておき両者
を接着剤で張り合わせる方法などにより製造することも
できる。本発明の絵付用シートを製造する方法として
は、共押出法で製造するのが好ましい。
【0042】本発明の絵付用シートは、接着剤層をポリ
オレフィン樹脂成形品の表面に積層して使用し、成形品
に装飾を施すためのシートである。この場合、装飾を施
した絵付用シートを成形品の表面に積層する。また本発
明の絵付用シートは、接着剤層をポリオレフィン樹脂成
形品の表面に積層して使用し、成形品の表面を保護する
ためのシートである。この場合、装飾は必ずしも施す必
要はない。本発明の絵付用シートをポリオレフィン樹脂
成形品の表面に積層することにより、ポリオレフィン樹
脂成形品に意匠性を付与することができるほか、傷付き
を防止するなどの表面保護効果を得ることができる。本
発明の絵付用シートの厚さは特に制限はないが、通常4
0〜1000μm程度、好ましくは100〜700μm
であるのが望ましい。
【0043】本発明の絵付シートに装飾を施すには公知
の方法が採用でき、特に限定されないが、着色;絵柄、
図柄または模様の印刷;塗装およびこれらを組み合せて
行う方法などが採用できる。また、装飾はどの層に施し
てもよく、またどの面に施してもよく、また別の装飾層
が積層されてもよい。
【0044】本発明の絵付用シートの具体的な装飾方法
としては、1)接着剤層に装飾する方法;2)接着剤層
の、透明層との積層面側に装飾する方法;3)透明層に
装飾する方法;4)透明層の、接着剤層との積層面側に
装飾する方法;5)透明層の表面側に装飾する方法;
6)透明層と接着剤層の両層に装飾する方法;7)第三
の層として装飾層を透明層と接着剤層の間に積層する方
法;8)第三の層として装飾層を透明層の表面側に積層
する方法;9)これらの方法を組み合せた方法などがあ
げられる。上記方法の中では、1)、3)、6)および
7)の方法が好ましい。
【0045】着色した本発明の絵付用シートをポリオレ
フィン樹脂成形品の表面に積層することにより成形品を
着色することができる。例えば、接着剤層に着色剤を混
合する方法;透明層に着色剤を混合する方法;第三の層
として着色剤層を透明層と接着剤層の間に積層する方
法;透明層の表層面に塗料を塗布する方法;これらを組
み合せる方法などにより着色した絵付用シートとし、こ
の着色シートをポリオレフィン樹脂成形品表面に積層す
る。塗料を使用する場合は、絵付用シートをポリオレフ
ィン樹脂成形品の表面に積層した後、塗装することもで
きる。
【0046】上記着色剤は公知のものが制限なく使用で
き、例えばチタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、
コバルトブルー等の無機顔料;アニリンブラック、フタ
ロシアニンブルー、イソインドリノン、キナクリドン等
の有機顔料;アルミニウム箔粉等の金属顔料;二酸化チ
タン被覆雲母粉末等の真珠光沢(パール)顔料;その他
染料などを用いることができる。
【0047】また絵柄、図柄または模様を有する本発明
の絵付用シートをポリオレフィン樹脂成形品の表面に積
層することにより成形品に絵柄等を付与することができ
る。例えば、接着剤層の一方または両面に絵柄を描く方
法;透明層の一方または両面に絵柄を描く方法;第三の
層として装飾層を透明層と接着剤層の間に積層する方
法;これらを組み合せる方法などにより絵柄等を有する
絵付用シートとし、この絵柄等を有する絵付用シートを
ポリオレフィン樹脂成形品表面に積層する。絵柄等は印
刷インキなどのインキを用いて、グラビア印刷、プレキ
ソ印刷、シルクスクリーン印刷、ドライオフセット印
刷、パッド印刷などの公知の印刷方法により印刷するこ
とができる。
【0048】本発明の絵付用シートをポリオレフィン樹
脂成形品に積層するには、接着剤層面を成形品表面に重
ね、熱融着(熱接着)させることにより容易に、かつ強
固に貼り付けることができる。本発明の絵付用シートを
ポリオレフィン樹脂成形品に積層するには、成形品の成
形と同時に行うこともできるし、成形品を成形した後に
積層することもできる。
【0049】また金属薄膜を装飾層として用い、この装
飾層を透明層と接着剤層の間に積層する方法などにより
装飾することもできる。
【0050】本発明の絵付用シートを積層するポリオレ
フィン樹脂成形品の原料樹脂は、ポリオレフィン樹脂ま
たはポリオレフィン樹脂を主成分とするポリオレフィン
樹脂樹脂組成物であれば特に制限されないが、ポリプロ
ピレン樹脂またはポリプロピレン樹脂を主成分とするポ
リプロピレン樹脂組成物が好ましい。
【0051】成形品原料となる上記ポリプロピレン樹脂
はプロピレン単独重合体でも、プロピレンと他のモノマ
ーとの共重合体であってもよい。共重合体の場合、ブロ
ック共重合体(プロピレンブロック共重合体)でも、ラ
ンダム共重合体でもよい。プロピレンと共重合される他
のモノマーとしては、エチレンまたは炭素数4〜20の
α−オレフィン、具体的には1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ド
デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オ
クタデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペン
テン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘ
キセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジ
メチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3
−エチル−1−ヘキセン等のα−オレフィンなどがあげ
られる。
【0052】成形品原料となるプロピレンブロック共重
合体は、例えば(a)マグネシウム、チタン、ハロゲン
および電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成
分、(b)有機アルミニウム化合物、および(c)電子
供与体からなる触媒系の存在下に、プロピレンを重合さ
せてポリプロピレン樹脂成分を形成する工程と、エチレ
ンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させて
エチレン・α−オレフィン共重合成分を形成する工程と
を、任意の順序で行って製造することができる。
【0053】本発明の絵付用シートは自動車用内外装部
品の表面に積層して用いるのが好ましい。自動車内外装
部品は剛性、耐熱性および耐衝撃性などが要求されるの
で、通常プロピレンブロック共重合体、エラストマーお
よび無機充填剤を含むプロピレンブロック共重合体組成
物が使用されているが、本発明の絵付用シートはこのよ
うなプロピレンブロック共重合体組成物からなる成形品
に対して用いるのが好ましい。
【0054】前記したプロピレンブロック共重合体組成
物に配合されるエラストマーとしては、オレフィン系エ
ラストマーまたはスチレン系エラストマーが好ましく用
いられる。前記オレフィン系エラストマーとしては炭素
数2〜20、好ましくは2〜10のα−オレフィンの共
重合体からなるエラストマーが使用できる。α−オレフ
ィンの具体的なものとしては、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセ
ン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどがあげら
れる。これらのα−オレフィンは二種もしくは三種以上
を併用する。オレフィン系エラストマーの具体的なもの
としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・
ブテン共重合体、エチレン・ヘキセン共重合体、エチレ
ン・オクテン共重合体、エチレン・デセン共重合体等の
エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・ブテ
ン共重合体、プロピレン・ブテン・エチレン共重合体な
どがあげられる。
【0055】前記スチレン系エラストマーとしては、水
素添加ブロック共重合体を使用することができる。水素
添加ブロック共重合体は水素添加率が90モル%以上、
好ましくは95モル%以上の水素添加ブロック共重合体
であるのが望ましい。モノビニル置換芳香族炭化水素と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、クロロスチレン、低級アルキル置換スチレン、
ビニルナフタレン等のスチレンまたはその誘導体などが
あげられる。これらは1種単独で使用することもできる
し、2種以上を組み合せて使用することもできる。共役
ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ンなどがあげられる。これらは1種単独で使用すること
もできるし、2種以上を組み合せて使用することもでき
る。水素添加ブロック共重合体の具体的なものとして
は、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共
重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン
・スチレンブロック共重合体(SEPS)およびスチレ
ン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)
等のスチレン系ブロック共重合体などがあげられる。共
役ジエンモノマーとしてブタジエンが用いられる場合、
ポリブタジエンブロックにおける1,2−結合量の割合
は20〜80重量%、好ましくは30〜60重量%であ
ることが望ましい。水素添加ブロック共重合体としては
市販品を使用することもできる。具体的なものとして
は、クレイトンG1657(シェル化学(株)製、商
標)、セプトン2004(クラレ(株)製、商標)、タ
フテックH1052(旭化成(株)製、商標)などがあ
げられる。エラストマー性重合体(B)は1種単独で使
用することもできるし、2種以上を組み合せて使用する
こともできる。
【0056】前記無機充填剤の代表例としては、たとえ
ば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、
ガラス繊維、炭酸マグネシウム、マイカ、カオリン、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、チタンホワイト、ホワイ
トカーボン、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウムなどがあげられ、これらは単独でま
たは2種以上を混合して用いることができる。これらの
中ではタルクが最も好ましい。無機充填剤の配合量はプ
ロピレンブロック共重合体100重量部に対して通常1
〜100重量部、好ましくは5〜50重量部であるのが
望ましい。上記の範囲にあると、プロピレンブロック共
重合体組成物の成形性を損なわず、かつ剛性を向上させ
ることができる。
【0057】本発明の絵付方法は、前記装飾された絵付
用シートを、その接着剤層が成形金型内において成形品
の原料樹脂と接触する向き配置した後、金型内で原料樹
脂を成形するとともに、成形された成形品の表面に前記
ポリオレフィン樹脂用絵付用シートを積層して絵付を行
う成形同時絵付方法である。通常絵付用シートの接着剤
層を原料樹脂と接触する向き配置すると、透明層は成形
金型の内面に接触する向きに配置される。
【0058】上記のような成形同時絵付方法では、原料
樹脂の熱により絵付シートの接着剤層が溶融して成形品
の表面に融着することにより絵付シートが成形品表面に
容易にかつ強固に積層される。これにより、加飾成形品
が得られる。成形品の成形方法は特に限定されず、公知
の成形方法が採用できる。例えば、射出成形、中空成形
などがあげられる。
【0059】例えば、中空成形では、次のような中空成
形同時絵付方法により加飾中空成形品を容易に得ること
ができる。すなわち、二つの雌型の一対からなる金型が
型開き状態の時に、雌型の型内に入るようにポリオレフ
ィン樹脂用絵付用シートを供給、配置する。絵付用シー
トはアクリル樹脂層が雌型内面側、接着剤層がパリソン
側になるように配置する。そして押出成形装置で溶融し
たポリプロピレン樹脂を押し出して、パリソンを形成す
る。押し出されたパリソンを挟み込むように金型を型締
めし、このパリソン内に加圧流体、好ましくは加圧空気
を圧入し、パリソンを拡張して金型に押し付ける。絵付
用シートの接着剤層とパリソンとが接触すると、パリソ
ンの有する熱により、接着剤層の少なくとも一部が溶融
し、中空成形されたポリプロピレン樹脂と融着して、一
体化する。ポリプロピレン樹脂が固化した後に雌型を開
き、絵付用シートが積層された中空成形品を取り出すこ
とにより、加飾中空成形品が得られる。
【0060】次に本発明の絵付方法について、図面を用
いて説明する。図1は本発明の射出成形同時絵付方法の
一例を示す工程推移図であり、金型および装置の模式的
垂直断面図として図示されている。図2は成形品の垂直
断面図である。
【0061】図1において、1は雌型、2は雄型であ
り、これらが射出成形用金型を構成している。3は改質
ポリプロピレン樹脂を主成分とする接着剤層4とアクリ
ル樹脂を主成分とする透明層5とが積層されたポリオレ
フィン樹脂用絵付用シートであるが、積層状態の図示は
省略されている。絵付用シート3としては、前記方法に
より着色された絵付シートまたは装飾を施した絵付用シ
ートを使用する。6は射出成形装置、7は成形品の原料
樹脂となるポリプロピレン樹脂、8はスプルーである。
【0062】射出成形同時絵付方法では、まず図1
(a)に示すように、雌型1および雄型2の一対からな
る射出成形用金型が型開き状態の時に、雌型1の型内に
入るように絵付用シート3を供給、配置する。絵付用シ
ート3は接着剤層4が射出成形装置6から射出されるポ
リプロピレン樹脂7側、透明層5が雌型1の内面側とな
るように配置する。絵付用シート3は、ロボット(図示
は省略)等により、所定の位置に自動的に供給するのが
好ましい。
【0063】次に図1(b)に示すように、絵付用シー
ト3を雌型1の内面に固定する。絵付用シート3の固定
は、雌型1に設けられている1個または複数個の真空孔
(図示は省略)を通して減圧吸着することにより、雌型
1内で所定の位置に保持固定するのが好ましい。真空孔
は焼結金属で形成されていることが好ましい。この状態
で、雌型1を移動させて金型を型締する。
【0064】次に図1(c)に示すように、雌型1と雄
型2とから形成されたキャビティ内に、射出成形装置6
で溶融したポリプロピレン樹脂7をスプルー8から射出
充填する。絵付用シート3の接着剤層4と射出充填され
たポリプロピレン樹脂7とが接触すると、溶融状態のポ
リプロピレン樹脂7が有する熱により、接着剤層4の少
なくとも一部が溶融し、射出成形されたポリプロピレン
樹脂7と融着して一体化する。これにより、射出成形品
9の表面に絵付シート3が積層され、絵付が行われる。
射出したポリプロピレン樹脂7が固化した後、雌型1と
雄型2とを開き、絵付用シート3により絵付された射出
成形品9を取り出すことにより、加飾射出成形品が得ら
れる。
【0065】なお、絵付用シート3を融着する成形品表
面が平面または二次曲面の場合は、絵付用シート3はそ
のままの状態で絵付同時射出成形に使用することができ
るが、成形品が複雑な形状をしている場合は、絵付用シ
ート3を成形品の表面形状に沿うように、予め雌型1内
で軟化点以上の温度で、例えば真空成形により、成形品
の形状に沿うように予備成形しておくのが好ましい。こ
の予備成形は射出成形型を真空成形型と兼用して行うこ
とができる。また別の方法として、別の装置で成形品の
状面形状に合うように予備成形された絵付用シート3を
使用することもできる。なお、真空成形とは真空圧空成
形も包含する。成形品の原料となるポリプロピレン樹脂
7は成形品の目的の応じて、適宜選択することができ、
樹脂、エラストマー、添加剤などを配合した樹脂組成物
を使用することもできる。
【0066】上記の射出成形同時絵付方法により得られ
た射出成形品9は、図2に示すように、ポリプロピレン
樹脂7からなる成形品本体の表面に、接着剤層4を介し
て透明層5が積層された成形品であり、絵付用シート3
として装飾を施した絵付シートを使用することにより、
意匠性に優れた加飾射出成形品を得ることができる。ま
た絵付用シート3により成形品の表面が保護される。こ
のような射出成形品9は接着剤層4と透明層5との接着
性に優れ、しかも接着剤層4はポリプロピレン樹脂7と
も強固に融着するため、各接着界面での剥離は生じな
い。
【0067】上記の方法で得られた射出成形品は、改質
ポリプロピレン樹脂を主成分とする接着剤層4とアクリ
ル樹脂を主体とする透明層5とが積層された絵付用シー
ト3が融着されているため、透明性良い塗装感が付与さ
れるとともに、優れた意匠性を有している。しかも、絵
付用シート3は接着剤層4と透明層5との接着性に優
れ、かつ接着剤層4はポリプロピレン樹脂7と射出成形
同時絵付法において強固に融着するため、各層間での層
間剥離は生じない。
【0068】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン樹脂用絵付用シ
ートは、ポリプロピレン樹脂(A)に(メタ)アクリル
酸アルキルエステルおよび芳香族ビニル化合物を含むビ
ニルモノマー(B)をグラフト共重合してなる改質ポリ
プロピレン樹脂を主成分とする接着剤層と、アクリル樹
脂を主体とする透明層とが積層されているので、極性基
を持たないポリオレフィン樹脂に対しても優れた熱接着
性を有し、容易に加飾成形品を得ることができ、しかも
透明感があり、外観および耐傷付き性に優れている。
【0069】本発明の絵付方法は、樹脂成形品の成形と
同時に上記ポリオレフィン樹脂用絵付用シートを積層し
て絵付を行うので、絵付された成形品を容易に効率よ
く、低コストで製造することができる。
【0070】本発明の加飾成形品は上記ポリオレフィン
樹脂用絵付用シートを用いて上記絵付方法により得られ
るので、意匠性に優れ、製造コストも低い。
【0071】
【発明の実施の形態】以下、実施例および比較例により
本発明をさらに詳述するが本発明はこれらの実施例に制
約されるものではない。
【0072】実施例1 〔ポリオレフィン樹脂用絵付用シートの製造〕プロピレ
ン・エチレンランダム共重合体(エチレン含量3重量
%、DSC融解開始温度80℃、DSC融点146.7
℃、屈折率1.503)2000重量部、メタクリル酸
メチル616重量部、アクリル酸n−ブチル200重量
部、スチレン184重量部、ラジカル反応開始剤として
t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート(10
時間半減期温度72.1℃)30重量部、および連鎖移
動剤として2−メルカプトエタノールを1重量部入れ、
撹拌混合して水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を50
℃で1時間攪拌し、ビニルモノマーをプロピレン単独重
合体に含浸させた。その後、92℃で5時間加熱撹拌
し、ビニルモノマーの共重合を完結させた。得られた粒
子を水洗したのち乾燥し、改質ポリプロピレン樹脂(以
下、改質PP樹脂1と略記する)を得た。得られた改質
ポリプロピレン樹脂にシルバーメタリック着色剤を溶融
混練して着色した。
【0073】この着色改質ポリプロピレン樹脂(1)
と、アクリル樹脂(住友化学工業株式会社製、R−52
6、商標)とを、2台の押出機で溶融後、先端が合一し
たダイスから共押出しして、シルバーメタリックの絵付
用シート(ポリオレフィン樹脂用絵付用シート)を得
た。この絵付用シートの透明層(アクリル樹脂層)の厚
さは50μm、接着剤層(着色改質ポリプロピレン樹脂
層)の厚さは厚さ200μmであった。
【0074】〔加飾成形品の製造〕上記シルバーメタリ
ックの絵付用シートを用いて、加飾射出成形品を成形し
た。成形は図1に示す射出成形同時絵付方法により行っ
た。すなわち、絵付用シートを射出成形と同時にその表
面に融着、積層し、図2に示す層構成の加飾射出成形品
を得た。なお絵付用シートは、射出成形型を真空成形型
として型間に供給後、加熱軟化して真空成形により予備
成形した。また、射出成形金型には、箱型形状のパネル
となる樹脂成形品が得られる金型で、雌型側に絵付用シ
ートの予備成形のための焼結金属製の真空孔を有する型
を用いた。
【0075】成形品の原料となる射出成形樹脂として
は、ポリプロピレンブロック共重合体(株式会社グラン
ドポリマー製、J707、商標)65重量部、エチレン
・α−オレフィン共重合ゴム(商標名:タフマーA40
50:三井化学株式会社製)15重量部および微粉末タ
ルク(平均粒径3μm:林化成製)20重量部を含むポ
リプロピレン樹脂組成物(以下、PP樹脂組成物Aと略
記する)を使用した。
【0076】得られた加飾射出成形品は、絵付用シート
が密着性良く樹脂成形品に積層されていた。そしてさら
に、この成形品を100℃のオーブン中で60時間加熱
して密着性の耐熱性を評価したが、絵付用シートと成形
品との間で剥離などの密着不良は発生せず、耐熱密着性
は良好であった。また、成形品はシルバーメタリック感
で加飾され、表面がアクリル樹脂であるので透明性良い
塗装感を有する加飾成形品であった。評価結果を表1に
示す。
【0077】実施例2 実施例1において、メタクリル酸メチル、アクリル酸n
−ブチル、スチレンの使用量をメタクリル酸メチル54
0重量部、アクリル酸n−ブチル260重量部、スチレ
ン200重量部に変更した以外は実施例1と同様にして
改質ポリプロピレン樹脂(以下、改質PP樹脂2と略記
する)を得た。この改質ポリプロピレン樹脂に顔料を添
加して溶融混合し、黄色に着色した着色改質ポリプロピ
レン樹脂(2)を得た。
【0078】この着色改質ポリプロピレン樹脂(2)
と、アクリル樹脂(住友化学工業株式会社製、R−52
6、商標)とを、2台の押出機で溶融後、先端が合一し
たダイスから共押出しして、ポリオレフィン樹脂用絵付
用シートを得た。この絵付用シートの透明層(アクリル
樹脂層)の厚さは50μm、接着剤層(着色改質ポリプ
ロピレン樹脂層)の厚さは厚さ200μmであった。次
に、絵付用シートの透明層側に、着色インキで木目柄を
装飾し、木目柄を有するポリオレフィン樹脂用絵付用シ
ートを得た。着色インキとしては、着色顔料がベンガ
ラ、カーボンブラック、黄鉛を主成分とする着色インキ
を用いた。この絵付け用シートを用いて実施例1と同様
にして加飾成形品を得た。結果を表1に示す。
【0079】比較例1 実施例1において、アクリル酸n−ブチルを用いなかっ
た以外は実施例1と同じ方法で改質ポリプロピレン樹脂
(以下、改質PP樹脂3と略記する)を得た。この改質
ポリプロピレン樹脂を用いて実施例1と同じ方法で加飾
射出成形品を得た。この成形品からサンプルを切削し、
絵付フイルムと成形品との間の接着力を測定したが、ア
クリル樹脂層と改質ポリプロピレン樹脂層との間で剥離
を生じた。結果を表1に示す。
【0080】比較例2 実施例1において、改質ポリプロピレン樹脂の代わりに
無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン樹脂(以
下、MAH変性PP樹脂と略記する)を用いた以外は実
施例1と同じ方法で絵付用シートを製造した。この絵付
シートを用いて実施例1と同じ方法で加飾射出成形品を
得た。この成形品からサンプルを切削し、絵付フイルム
と成形品との間の接着力を測定したが、アクリル樹脂層
と無水マレイン酸改質ポリプロピレン樹脂層との間で剥
離を生じた。結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】*1 密着性:碁盤目テストを行った。す
なわち、成形品の絵付用シート面に、2mm間隔で碁盤
目状に、縦横に深さが成形品本体にまで達する切り込み
を入れ、縦横で10×10個の合計100個の枡目を作
った。その後、粘着テープ(ニチバン株式会社製、「セ
ロテープ」(登録商標)24mm幅、産業用)を25℃
において成形品表面に貼着した後、勢い良く剥がして、
絵付用シートがテープと共に剥がれるか否かで評価し
た。剥がれ1個もないものを○(良好)、剥がれ1個以
上有るのものを×(不良)とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形同時絵付方法の一例を示す工
程推移図である。
【図2】本発明の成形品の垂直断面図である。
【符号の説明】
1 雌型 2 雄型 3 絵付用シート 4 接着剤層 5 透明層 6 射出成形装置 7 ポリプロピレン樹脂 8 スプルー 9 射出成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 B29K 23:00 105:20 105:20 B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 橋本 幹夫 千葉県袖ヶ浦市長浦580番30 株式会社グ ランドポリマー内 Fターム(参考) 4F100 AK03C AK07A AK07C AK07G AK07J AK11A AK11G AK11J AK25A AK25B AK25G AK25J AK64 AL04A AL06A BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C EH36 GB90 HB00 JA05A JL11 JL12A JN01 YY00A 4F206 AA03 AA11H AA13 AA21 AD05 AD09 AD20 AD34 AG03 AG07 AH17 JA05 JA07 JB19 JF05 JF23 JL02 JM16 JN25 JN32 JQ06 4F208 AA03 AA11H AA13 AA21 AD05 AD09 AD20 AD34 AG03 AG07 AH17 LA00 LB01 LB19 LG22 4J026 AA13 BA05 BA27 BB04 BB07 GA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン樹脂(A)にビニルモノ
    マー(B)をグラフト共重合してなる改質ポリプロピレ
    ン樹脂を主成分とする接着剤層と、 アクリル樹脂を主体とする透明層とが積層されたポリオ
    レフィン樹脂用絵付用シートであって、 前記改質ポリプロピレン樹脂がポリプロピレン樹脂
    (A)50〜90重量%に対してビニルモノマー(B)
    10〜50重量%をグラフト共重合させたものであり、
    前記ビニルモノマー(B)は単独で重合した場合にガラ
    ス転移点(Tg)が50℃以上の単独重合体が得られる
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル(B−1)と、単
    独で重合した場合にガラス転移点(Tg)が50℃未満
    の単独重合体が得られる(メタ)アクリル酸アルキルエ
    ステル(B−2)と、芳香族ビニル化合物(B−3)と
    を含むものであるポリオレフィン樹脂用絵付用シート。
  2. 【請求項2】 ビニルモノマー(B)中の各成分の含有
    量は、ガラス転移点(Tg)が50℃以上の単独重合体
    が得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B−
    1)、ガラス転移点(Tg)が50℃未満の単独重合体
    が得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B−
    2)および芳香族ビニル化合物(B−3)の合計量に対
    して、(B−1)および(B−2)の合計の含有量が9
    5〜70重量%、(B−3)の含有量が5〜30重量%
    であり、 前記ガラス転移点(Tg)が50℃以上の単独重合体が
    得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B−
    1)およびガラス転移点(Tg)が50℃未満の単独重
    合体が得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル
    (B−2)の合計量に対して、(B−1)の含有量が9
    5〜40重量%、(B−2)の含有量が5〜60重量%
    である請求項1記載のポリオレフィン樹脂用絵付用シー
    ト。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン樹脂用絵付用シートであ
    る請求項1または2記載のポリオレフィン樹脂用絵付用
    シート。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のポ
    リオレフィン樹脂用絵付用シートを、その接着剤層が成
    形金型内において成形品の原料樹脂と接触する向き配置
    した後、金型内で原料樹脂を成形するとともに、成形さ
    れた成形品の表面に前記ポリオレフィン樹脂用絵付用シ
    ートを積層して絵付を行う成形同時絵付方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかに記載のポ
    リオレフィン樹脂用絵付用シートを、型開き状態にある
    一対の射出成形用金型の間に、その接着剤層が射出樹脂
    側を向くように配置した後、両型を型締めし、両型で形
    成されるキャビティに溶融状態のポリオレフィン樹脂を
    射出して射出成形すると同時に射出成形品の表面に前記
    ポリオレフィン樹脂用絵付用シートを積層して絵付を行
    う射出成形同時絵付方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかに記載のポ
    リオレフィン樹脂用絵付用シートを、型開き状態にある
    一対の中空成形用金型の間に、その接着剤層がパリソン
    側を向くように配置した後、押出機からポリオレフィン
    樹脂からなるパリソンを押出し、次いで中空成形用金型
    を型締めし、パリソン内に流体を注入してパリソンを膨
    らませ、中空成形用金型の内面にパリソンを押し付けて
    中空成形する同時に中空成形品の表面に前記ポリオレフ
    ィン樹脂用絵付用シートを積層して絵付を行う中空成形
    同時絵付方法。
  7. 【請求項7】 ポリオレフィン樹脂用絵付用シートを融
    着により成形品表面に積層する請求項4ないし6のいず
    れかに記載の成形同時絵付方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし3のいずれかに記載のポ
    リオレフィン樹脂用絵付用シートを、ポリオレフィン樹
    脂成形品の表面に積層してなる加飾成形品。
  9. 【請求項9】 請求項4記載の成形同時絵付方法により
    絵付された加飾成形品。
  10. 【請求項10】 請求項5記載の射出成形同時絵付方法
    により絵付された加飾射出成形品。
  11. 【請求項11】 請求項6記載の中空成形同時絵付方法
    により絵付された加飾中空成形品。
JP2000338179A 2000-11-06 2000-11-06 ポリオレフィン樹脂用絵付用シート、絵付方法および加飾成形品 Pending JP2002137344A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000338179A JP2002137344A (ja) 2000-11-06 2000-11-06 ポリオレフィン樹脂用絵付用シート、絵付方法および加飾成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000338179A JP2002137344A (ja) 2000-11-06 2000-11-06 ポリオレフィン樹脂用絵付用シート、絵付方法および加飾成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002137344A true JP2002137344A (ja) 2002-05-14

Family

ID=18813431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000338179A Pending JP2002137344A (ja) 2000-11-06 2000-11-06 ポリオレフィン樹脂用絵付用シート、絵付方法および加飾成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002137344A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004162054A (ja) * 2002-10-25 2004-06-10 Nof Corp グラフト共重合体、それを含む組成物及びその成形体、並びにその製造方法
JP2018030369A (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 日本ポリプロ株式会社 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法
JP2018030368A (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 日本ポリプロ株式会社 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法
JP2018144476A (ja) * 2017-03-07 2018-09-20 日本ポリプロ株式会社 加飾成形体およびその製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05269946A (ja) * 1992-03-25 1993-10-19 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 熱可塑性重合体積層物
JPH11320608A (ja) * 1998-03-13 1999-11-24 Nissha Printing Co Ltd 成形同時絵付用シートとこれを用いた成形同時絵付樹脂成形品の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05269946A (ja) * 1992-03-25 1993-10-19 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 熱可塑性重合体積層物
JPH11320608A (ja) * 1998-03-13 1999-11-24 Nissha Printing Co Ltd 成形同時絵付用シートとこれを用いた成形同時絵付樹脂成形品の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004162054A (ja) * 2002-10-25 2004-06-10 Nof Corp グラフト共重合体、それを含む組成物及びその成形体、並びにその製造方法
JP4501406B2 (ja) * 2002-10-25 2010-07-14 日油株式会社 グラフト共重合体、それを含む組成物及びその成形体、並びにその製造方法
JP2018030369A (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 日本ポリプロ株式会社 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法
JP2018030368A (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 日本ポリプロ株式会社 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法
JP2018144476A (ja) * 2017-03-07 2018-09-20 日本ポリプロ株式会社 加飾成形体およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3314271B2 (ja) 射出成形同時加飾用シート、加飾成形品、及び射出成形同時加飾方法
CN102844396B (zh) 粘接性组合物及成型体
KR960005304B1 (ko) 폴리아미드/폴리올레핀 알로이(alloy) 기재 적층물 및 이로부터 얻은 물체
KR102182770B1 (ko) 다층 필름
KR20030085079A (ko) 이오노머 적층체 및 이오노머 적층체로부터 제조된 제품
JP2017066373A (ja) 加飾用シートおよび加飾用積層シート
JP4103052B2 (ja) 熱成形用積層シート、成形体、射出成形体及びその製造方法
WO2013161291A1 (ja) 積層体及びその工法
US20120219813A1 (en) Films Containing Blends of Polyolefins and Polyolefin/Polystyrene Interpolymer Particles
JP2013116563A (ja) 成形品及びその製造方法
JP7163286B2 (ja) 多層フィルムおよびその製造方法
JP2002137344A (ja) ポリオレフィン樹脂用絵付用シート、絵付方法および加飾成形品
KR102477318B1 (ko) 다층 필름 및 그것을 구비하는 성형체
JP4322084B2 (ja) 加飾多層シート及びその成形品
JP2009113471A (ja) 積層体及びその製造方法
JPWO2019198827A1 (ja) 多層フィルムおよびそれを備える成形体
JP2002011754A (ja) 射出成形同時加飾用シート
JP6846898B2 (ja) 加飾用シートおよび加飾用積層シート
JP2002240077A (ja) 加飾シート、及び射出成形同時加飾方法
JP3511920B2 (ja) 装飾テープ貼着モール
JP5556221B2 (ja) 加飾シート
JP2001260169A (ja) 射出成形同時加飾用シート
JP2009091553A (ja) 発泡成形用熱可塑性樹脂組成物、発泡成形品及び積層品
JP2009091554A (ja) 発泡成形用熱可塑性樹脂組成物、発泡成形品及び積層品
JP4498505B2 (ja) 射出成形同時絵付用シート及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050902

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060215

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060320

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080311

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080401

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080805