以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した第1の実施形態を図1〜図15に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う装飾ランプ(発光演出手段)16が設けられている。外枠11の下部(パチンコ機10の下部)には、各種音声(効果音)を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ(音声出力手段)17が配置されている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器(表示手段)18を備えた表示装置(表示演出装置)19が配設されている。前記表示装置19では、可変表示器18の変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。また、可変表示器18の表示領域Hには、図2に示すように、特別図柄表示領域H1と普通図柄表示領域H2が設けられている。特別図柄表示領域H1では、表示演出に関連して、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す)を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出する特別図柄組み合わせゲーム(以下、「特図ゲーム」と示す)が行われるようになっている。本実施形態の特図ゲームでは、3列の特図による図柄組み合わせを導出し、該図柄組み合わせを構成する各列の特図の種類を1,2,3,4,5,6の6種類の数字を模した図柄としている。また、普通図柄表示領域H2では、表示演出に関連して、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す)を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出する普通図柄組み合わせゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われるようになっている。本実施形態の普図ゲームでは、2列の普図による図柄組み合わせを導出し、該図柄組み合わせを構成する各列の普図の種類を、当り図柄「7」とはずれ図柄「−(バー)」の2種類としている。
従って、遊技者は、特別図柄表示領域H1で行われる特図ゲームにおいて、最終的に停止(確定停止表示)した図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。即ち、前記特別図柄表示領域H1に停止した全列の特図が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222]、[555]等)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせ(大当りの組み合わせ)で停止した場合、遊技者には、遊技者にとって有利となる特別遊技状態である大当り遊技状態(以下、「大当り状態」と示す)が付与される。また、特別図柄表示領域H1に停止した全列の特図が異なる種類の場合又は1列の特図が他の列の特図とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([234][122][161]等)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの組み合わせとなる。また、本実施形態では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順(予め定めた順序)に特図が一旦停止表示(仮停止表示)されるようになっている。そして、一旦停止表示(以下、「一旦停止」と示す)された左特図と右特図が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動表示中を示す)からリーチを認識できる。
また、遊技者は、普通図柄表示領域H2で行われる普図ゲームにおいて、最終的に停止した図柄組み合わせから当り又ははずれを認識できる。即ち、普通図柄表示領域H2に停止した全列の普図が当り図柄の場合には、その図柄組み合わせ([77])から当りを認識できる。この当りを認識できる図柄組み合わせ(当りの組み合わせ)で停止した場合、遊技者には、遊技者にとって有利となる当り状態が付与される。また、普通図柄表示領域H2に停止した全列の普図が当り図柄でない場合には、その図柄組み合わせ([7−][−7][−−])からはずれを認識できる。
また、表示装置19の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータ等)の作動によって開閉動作を行う開閉羽根20を備えた始動入賞口21が配設されている。始動入賞口21の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサ(図3参照)SE1が設けられている。始動口センサSE1は、始動入賞口21への遊技球の始動入賞検知を契機に、表示装置19における特図ゲームの始動条件を付与し得るようになっている。即ち、始動口センサSE1により始動入賞検知された遊技球は、始動条件の成立の契機となる始動保留球として処理(記憶)される。また、始動入賞口21の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータ等)の作動によって開閉動作を行う大入賞口扉22を備えた大入賞口23が配設されている。大入賞口23は、特図ゲームで最終的に確定停止表示される図柄組み合わせが大当りの組み合わせになったことに関連して大入賞口扉22が開き動作することにより開放されるようになっている。従って、大当り状態が付与されると、大入賞口扉22の開き動作により大入賞口23が開放されて複数個の遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
また、始動入賞口21の左方には、始動入賞ゲート24が配設されている。始動入賞ゲート24の奥方には、入賞した遊技球を通過検知するゲートセンサ(図3参照)SE2が設けられている。ゲートセンサSE2は、始動入賞ゲート24への遊技球の入賞検知を契機に、表示装置19における普図ゲームの始動条件を付与し得るようになっている。そして、前記始動入賞口21は、普図ゲームで最終的に停止表示される図柄組み合わせが当りの組み合わせになったことに関連して開閉羽根20が大きく開き動作するようになっている。従って、当り状態が付与されると、開閉羽根20の開き動作により始動入賞口21の入り口が拡大され、遊技球が入賞し易い状態となる。一方で、当り状態が付与されない場合は、開閉羽根20が大きく開き動作することもないので、始動入賞口21の入り口が拡大されることもなく、遊技球は通常時の入賞し難い状態のままとされる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(以下、「確変」ともいう)機能を備えている。確変機能とは、大当りの組み合わせが予め定めた確変図柄による組み合わせであることを条件に、次回の大当り状態開始時まで大当りの抽選確率が通常確率である低確率(例えば356.3分の1)から高確率(例えば62.8分の1)に変動する特定遊技状態としての確変状態(高確率状態)を遊技者に付与する機能である。本実施形態では、確変図柄を1,2の2種類の特図と定めており、可変表示器18で停止した大当りの組み合わせが[111][222]の何れかの場合に確変の大当りとなる。一方で、大当りの組み合わせが予め定めた非確変図柄による組み合わせである場合は、大当り状態が付与されるものの、その大当り状態終了後、大当りの抽選確率は変動せずに低確率(通常確率)を維持するようになっている。本実施形態では、非確変図柄を3,4,5,6の4種類の特図と定めており、可変表示器18で停止した大当りの組み合わせが[333][444][555][666]の何れかの場合に確変の大当り以外の大当りとなる。なお、確変の大当り以外の大当りに比して確変の大当りは遊技者にとってさらに有利であるため、遊技者は同じ大当りでも確変の大当りとなることを期待しつつ遊技を行っているといえる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、時間短縮(以下、「時短」ともいう)機能を備えている。時短機能とは、開閉羽根20を開動作させるか否か(始動入賞口21に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出するために消化される時間が通常遊技状態の場合よりも短く設定された時間短縮状態(特定遊技状態)を遊技者に付与する機能である。例えば、時短状態が付与されると、1回の普図ゲームの時間(普図が変動を開始してから停止する迄の時間)が、30秒(時短状態が付与されていないとき)から2秒(時短状態が付与されているとき)に短縮される。本実施形態では、大当りの組み合わせが予め定めた時短図柄による組み合わせであることを条件に、その大当り状態の終了後、所定の上限値回数(例えば100回)の特図ゲームが実行される迄、又は前記上限値回数に達する前に次の大当りが生起される迄の間、時短状態が付与される。一方、大当りの組み合わせが予め定めた非時短図柄による組み合わせである場合は、大当り状態が付与されるものの、その大当り状態の終了後、時短状態は付与されないようになっている。因みに、本実施形態では、前記時短図柄を3,4の2種類の特図と定める一方、前記非時短図柄を1,2,5,6の4種類の特図と定めている。従って、可変表示器18で停止した大当りの組み合わせが、[333][444]の何れかの場合には時短の大当りとなり、[111][222][555][666]の何れかの場合には時短の大当り以外の大当りとなる。
また、表示装置19には、図2に示すように、機内部(後述するRAM26c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)に基づく保留中の特図ゲームの回数を報知する保留球数表示器25が配設されている。保留記憶数は、始動入賞口21へ遊技球が入賞すると1加算(+1)され、特図ゲームが開始すると1減算(−1)され、特図ゲーム中に始動入賞口21へ遊技球が入賞すると保留記憶数は更に加算されて所定の上限値(本実施形態では4)まで累積される。保留球数表示器25は、保留1ランプ25a、保留2ランプ25b、保留3ランプ25c及び保留4ランプ25dからなる複数(4個)の発光手段で構成されている。例えば、保留1ランプ25aのみが点灯している場合には1回の特図ゲームが保留中であることを報知している。
本実施形態では、前記保留記憶数が3つ(予め定めた記憶数)を越えた状態(即ち、少なくとも保留1ランプ25a、保留2ランプ25b、及び保留3ランプ25cが点灯している状態)になった場合、その状態が始動保留球多数記憶状態(特定遊技状態)として処理されるようになっている。また、前記RAM26cには、始動口センサSE1が遊技球を始動入賞検知した時点からの経過時間(以下、「保留記憶時間」と示す)を記憶する保留タイマHTが設けられている。この保留タイマHTは、新たに遊技球が始動入賞口21に入賞すると、その遊技球(始動保留球)毎に設定されるようになっている。その一方、保留タイマHTにおける保留記憶時間が予め定めた経過時間(本実施形態では2.8秒)を越える状態となった場合には、その状態が始動保留球長時間記憶状態(特定遊技状態)として処理されるようになっている。
そして、始動入賞口21の開閉羽根20は、パチンコ機10の遊技状態が、前記特定遊技状態のうち確変状態及び時短状態である場合と、その他の遊技状態(始動保留球多数記憶状態、始動保留球長時間記憶状態及び通常遊技状態)である場合とでは、当り状態が付与された際に、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。即ち、開閉羽根20は、前記その他の遊技状態中(例えば、通常遊技状態中)よりも前記確変状態等中又は時短状態中の方が、遊技者にとって有利に動作するように構成されている。具体的に例示すれば、前記その他の遊技状態中(通常遊技状態中)、開閉羽根20は始動入賞口21を0.3秒間だけ開放させる開閉動作を1回行うようになっている。その一方、確変状態中又は時短状態中、開閉羽根20は始動入賞口21を1.6秒間だけ開放させる開閉動作を3回行うようになっている。また、前述したように、時短状態が付与されると、1回の普図ゲームの時間が短縮される。従って、時短状態は、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態であるといえる。
次に、パチンコ機10の制御構成を図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板26が装着されている。主制御基板26は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御コマンドを演算処理するようになっている。そして、主制御基板26は、前記制御コマンドを所定の制御信号として出力するようになっている。また、機裏側には、可変表示器18を制御する表示制御基板27、装飾ランプ16を制御するランプ制御基板28、及びスピーカ17を制御する音声制御基板29が装着されている。
また、機裏側には、主制御基板26が出力した制御コマンドに基づいて、表示制御基板27、ランプ制御基板28及び音声制御基板29を統括的に制御する統括制御基板30が装着されている。統括制御基板30は、各制御基板27〜29を統括的に制御するために各種処理を実行し、該処理結果に応じて、遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)を行わせるための制御を指示する各種の制御コマンドを演算処理するようになっている。そして、統括制御基板30は、前記制御コマンドを所定の制御信号として出力するようになっている。本実施形態において、主制御基板26は、遊技機全体を制御するメイン制御手段として機能するように構成されている。一方、表示制御基板27、ランプ制御基板28、音声制御基板29及び統括制御基板30は、主制御基板26が出力した制御信号に基づいて各種の制御を実行可能なサブ制御手段(図3に破線で囲む)として構成されている。
以下、主制御基板26及び統括制御基板30について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板26は、メインCPU26aを備えており、該メインCPU26aにはROM26b及びRAM26cが接続されている。ROM26bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラム、複数種類の演出パターン及び各種の情報(大当り判定値、リーチ判定値等)が記憶されている。RAM26cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び演出パターン振分乱数等の各種乱数の値等)が記憶(設定)されるようになっている。そして、前記メインCPU26aは、前記大当り判定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新し、更新後の値をRAM26cに設定し、更新前の値を書き換えている。なお、メインCPU26aは、始動口センサSE1が遊技球を始動入賞検知する毎に、その検知時点からの経過時間を計測し、その計測結果(保留記憶時間)を前記RAM26cの保留タイマHTに設定記憶させるようになっている。
前記演出パターンは、図柄の変動開始(特図ゲームの開始)から、全列の図柄(又は図柄組み合わせ)が停止(特図ゲームの終了)する迄の間において、演出パターン毎に予め定められた遊技演出時間内における遊技演出のベースとなるパターンを示すものである。即ち、演出パターンには、演出パターン毎に遊技演出の開始から終了までに要するトータルの遊技演出時間が定められており、演出パターンの種別によって遊技演出の開始から終了迄の遊技演出時間が特定可能とされている。本実施形態では、図4(a)、図4(b)及び図4(c)に示すように、9種類の演出パターンP1〜P9がROM26bに記憶管理されており、当該各演出パターンP1〜P9には遊技演出時間T1〜T9が夫々設定されている。なお、各遊技演出時間T1〜T9のうち、遊技演出時間T4と遊技演出時間T7、遊技演出時間T5と遊技演出時間T8、遊技演出時間T6と遊技演出時間T9は、夫々、互いに遊技演出時間Tの長さが等しくなるように設定されている。
また、演出パターンP1〜P9は、リーチなしのはずれ演出用、リーチありのはずれ演出用、及び大当り演出用の演出パターンに分類してROM26bに記憶管理されている。即ち、演出パターンP1〜P3はリーチなしのはずれ演出用の演出パターン、演出パターンP4〜P6はリーチありのはずれ演出用の演出パターン、演出パターンP7〜P9は大当り演出用の演出パターンとされている。そして、前記各演出パターンP1〜P9は、パチンコ機10の遊技状態が、特定遊技状態及び通常遊技状態の何れの場合にも選択可能な演出パターン、特定遊技状態の場合に選択可能な演出パターン、又は通常遊技状態の場合に選択可能な演出パターンとして記憶管理されている。因みに、図4(a)〜(c)における通常遊技状態での選択可否の欄及び特定遊技状態での選択可否の欄に付された○印は、その○印が付された欄の遊技状態で選択可能なことを表している。その一方、−(バー)印は、その−(バー)印が付された欄の遊技状態で選択対象とされないことを表している。
図4(a)に示すように、リーチなしのはずれ演出用の各演出パターンP1〜P3のうち、演出パターンP1,P3は、パチンコ機10の遊技状態が通常遊技状態である場合に選択可能な演出パターンとして記憶管理されている。また、演出パターンP1,P2は、遊技状態が特定遊技状態である場合に選択可能な演出パターンとして記憶管理されている。従って、演出パターンP1は、遊技状態が通常遊技状態の場合と特定遊技状態の場合に共に選択可能(共用可能)な演出パターンとして記憶管理されていることから、共用演出パターンとなる。その一方、演出パターンP2は、遊技状態が特定遊技状態の場合にのみ選択可能な演出パターンとして記憶管理されていることから、特定遊技状態専用演出パターンとなる。同様に、演出パターンP3は、遊技状態が通常遊技状態の場合にのみ選択可能な演出パターンとして記憶管理されていることから、通常遊技状態専用演出パターンとなる。
また、図4(b)に示すように、リーチありのはずれ演出用の各演出パターンP4〜P6のうち、演出パターンP4,P6は、パチンコ機10の遊技状態が通常遊技状態である場合に選択可能な演出パターンとして記憶管理されている。また、演出パターンP4,P5は、遊技状態が特定遊技状態である場合に選択可能な演出パターンとして記憶管理されている。従って、演出パターンP4は、遊技状態が通常遊技状態の場合と特定遊技状態の場合に共に選択可能(共用可能)な演出パターンとして記憶管理されていることから、共用演出パターンとなる。その一方、演出パターンP5は、遊技状態が特定遊技状態の場合にのみ選択可能な演出パターンとして記憶管理されていることから、特定遊技状態専用演出パターンとなる。同様に、演出パターンP6は、遊技状態が通常遊技状態の場合にのみ選択可能な演出パターンとして記憶管理されていることから、通常遊技状態専用演出パターンとなる。
また、図4(c)に示すように、大当り演出用の各演出パターンP7〜P9のうち、演出パターンP7,P9は、遊技状態が通常遊技状態である場合に選択可能な演出パターンとして記憶管理されている。また、演出パターンP7,P8は、遊技状態が特定遊技状態である場合に選択可能な演出パターンとして記憶管理されている。従って、演出パターンP7は、遊技状態が通常遊技状態の場合と特定遊技状態の場合に共に選択可能(共用可能)な演出パターンとして記憶管理されていることから、共用演出パターンとなる。その一方、演出パターンP8は、遊技状態が特定遊技状態の場合にのみ選択可能な演出パターンとして記憶管理されていることから、特定遊技状態専用演出パターンとなる。同様に、演出パターンP9は、遊技状態が通常遊技状態の場合にのみ選択可能な演出パターンとして記憶管理されていることから、通常遊技状態専用演出パターンとなる。
因みに、大当り演出は、特図ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの組み合わせで表示されるように展開される演出である。リーチありのはずれ演出は、特図ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの組み合わせで表示されるように展開される演出である(はずれリーチ演出)。リーチなしのはずれ演出は、特図ゲームが、リーチ演出を経ることなく、最終的にはずれの組み合わせで表示されるように展開される演出である。なお、リーチ演出は、リーチが形成(リーチの組み合わせが表示)されてから、大当りの組み合わせ又ははずれの組み合わせが表示される迄の間に行われる演出であり、1回の特図ゲームにおける大当りか否か(当否)の可能性を示唆する演出である。そして、メインCPU26aは、選択決定した演出パターンPに基づく演出パターン指定コマンドを統括制御基板30に出力するようになっている。
次に、統括制御基板30について説明する。
統括制御基板30は、統括CPU30aを備えており、統括CPU30aにはROM30b及びRAM30cが接続されている。ROM30bには、各制御基板27〜29を統括的に制御するための制御プログラム、及び遊技演出内容の異なる複数種類(本実施形態では12種類)の演出プログラムPRが記憶管理されている(図4(a)、図4(b)及び図4(c)参照)。また、RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
前記複数種類の演出プログラムPRは、リーチなしのはずれ演出用、リーチありのはずれ演出用及び大当り演出用の演出プログラムPRに分類され、前記各演出パターンP1〜P9に対応付けられて記憶管理されている。即ち、演出プログラムPR1−1,PR1−2,PR2,PR3は、リーチなしのはずれ演出用の演出プログラムとされ、同じくリーチなしのはずれ演出用の演出パターンP1〜P3に対応付けられている。演出プログラムPR4−1,PR4−2,PR5,PR6は、リーチありのはずれ演出用の演出プログラムとされ、同じくリーチありのはずれ演出用の演出パターンP4〜P6に対応付けられている。また、演出プログラムPR7−1,PR7−2,PR8,PR9は、大当り演出用の演出プログラムとされ、同じく大当り演出用の演出パターンP7〜P9に対応付けられている。
そして、図4(a)に示すように、リーチなしのはずれ演出用の各演出プログラムPR1−1〜PR3のうち、演出プログラムPR1−1,PR3は、パチンコ機10の遊技状態が通常遊技状態である場合に選択可能な演出プログラムとして記憶管理されている。また、演出プログラムPR1−2,PR2は、パチンコ機10の遊技状態が特定遊技状態である場合に選択可能な演出プログラムとして記憶管理されている。従って、リーチなしのはずれ演出用の演出プログラムでは、演出プログラムPR1−1,PR3が通常遊技状態専用演出プログラムとなり、演出プログラムPR1−2,PR2が特定遊技状態専用演出プログラムとなる。
また、図4(b)に示すように、リーチありのはずれ演出用の各演出プログラムPR4−1〜PR6のうち、演出プログラムPR4−1,PR6は、パチンコ機10の遊技状態が通常遊技状態である場合に選択可能な演出プログラムとして記憶管理されている。また、演出プログラムPR4−2,PR5は、パチンコ機10の遊技状態が特定遊技状態である場合に選択可能な演出プログラムとして記憶管理されている。従って、リーチありのはずれ演出用の演出プログラムでは、演出プログラムPR4−1,PR6が通常遊技状態専用演出プログラムとなり、演出プログラムPR4−2,PR5が特定遊技状態専用演出プログラムとなる。
また、図4(c)に示すように、大当り演出用の各演出プログラムPR7−1〜PR9のうち、演出プログラムPR7−1,PR9は、パチンコ機10の遊技状態が通常遊技状態である場合に選択可能な演出プログラムとして記憶管理されている。また、演出プログラムPR7−2,PR8は、パチンコ機10の遊技状態が特定遊技状態である場合に選択可能な演出プログラムとして記憶管理されている。従って、大当り演出用の演出プログラムでは、演出プログラムPR7−1,PR9が通常遊技状態専用演出プログラムとなり、演出プログラムPR7−2,PR8が特定遊技状態専用演出プログラムとなる。
そのため、統括CPU30aは、例えば遊技状態が通常遊技状態である場合に、メインCPU26aから前記演出パターンP1に基づく演出パターン指定コマンドが入力されると、当該演出パターンP1に対応付けられた演出プログラムPR1−1,PR1−2の中から通常遊技状態専用の演出プログラムPR1−1を選択決定するようになっている。その一方、統括CPU30aは、遊技状態が特定遊技状態である場合に、メインCPU26aから前記演出パターンP1に基づく演出パターン指定コマンドが入力されると、当該演出パターンP1に対応付けられた演出プログラムPR1−1,PR1−2の中から特定遊技状態専用の演出プログラムPR1−2を選択決定するようになっている。そして、統括CPU30aは、選択決定された演出プログラムPRに基づく演出プログラム指定コマンドを表示制御基板27、ランプ制御基板28及び音声制御基板29に出力するようになっている。
その際、統括CPU30aは、メインCPU26aから入力した各種制御コマンドも所定のタイミングで各制御基板27〜29に出力する。その結果、表示制御基板27の制御による表示装置19(特別図柄表示領域H1)の表示演出、ランプ制御基板28の制御による装飾ランプ16の発光演出及び音声制御基板29の制御によるスピーカ17の音声演出を同調させることが可能となる。即ち、パチンコ機10で行われる遊技演出を同調させることができる。「遊技演出が同調する」とは、各々の遊技演出が同じ調子となるように行われていることであり、例えば、「犬が走り回っている様子」を示す表示演出が行われている場合に、その表示演出に見合った(又は関連した)発光演出(激しく点滅)や音声演出(犬の鳴き声の音等)が行われることである。従って、統括CPU30aは、主制御基板(メイン制御手段)26のメインCPU26aから出力される各制御コマンド(制御信号)に基づき各制御基板27〜29を制御する統括制御手段として機能する構成とされている。また、可変表示器18、装飾ランプ16及びスピーカ17は、主制御基板26(メインCPU26a)及び統括制御基板30(統括CPU30a)からの制御コマンド(制御信号)に基づき遊技演出を行う遊技演出実行手段として機能するようになっている。
次に、表示制御基板27,ランプ制御基板28,音声制御基板29について説明する。
表示制御基板27は、サブCPU27aを備えており、該サブCPU27aにはROM27b及びRAM27cが接続されている。ROM27bには、複数種類の表示演出用の演出実行データ、及び各種の画像情報等が記憶されている。この演出実行データは、サブCPU27aが可変表示器18(特別図柄表示領域H1)の表示内容(図柄変動、キャラクタの動作、表示領域Hの背景等)を制御するための情報である。RAM27cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。そして、サブCPU27aは、統括制御基板30(統括CPU30a)から出力された演出プログラム指定コマンドを入力すると、指定された演出プログラムPRに対応する演出実行データをROM26bから読み出し、該演出実行データに基づき可変表示器18(特別図柄表示領域H1)の表示内容を制御するようになっている。また、このサブCPU27aの制御により、可変表示器18(特別図柄表示領域H1)では、図柄変動に係る表示演出が行われる。従って、サブCPU27aは、図柄変動に係る表示演出において、その表示演出の進行態様が通常遊技状態での通常進行態様又は特定遊技状態での特定進行態様で進行されるように制御する表示制御手段として機能する。
ランプ制御基板28は、サブCPU28aを備えており、該サブCPU28aにはROM28b及びRAM28cが接続されている。ROM28bには、複数種類の発光演出用の演出実行データが記憶されている。この演出実行データは、サブCPU28aが、装飾ランプ16の発光態様(点灯開始タイミング、点灯時間等)を制御するための情報である。RAM28cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。そして、サブCPU28aは、統括制御基板30(統括CPU30a)から出力される演出プログラム指定コマンドを入力すると、指定された演出プログラムPRに対応する演出実行データをROM28bから読み出し、該演出実行データに基づき装飾ランプ16の発光態様を制御するようになっている。また、このサブCPU28aの制御により、装飾ランプ16では、発光演出が行われる。従って、サブCPU28aは、装飾ランプ(発光演出手段)16における発光演出の進行態様が通常遊技状態での通常進行態様又は特定遊技状態での特定進行態様で進行されるように制御する発光制御手段として機能する。
音声制御基板29は、サブCPU29aを備えており、該サブCPU29aにはROM29b及びRAM29cが接続されている。ROM29bには、複数種類の音声演出用の演出実行データが記憶されている。この演出実行データは、サブCPU29aが、スピーカ17の音声態様(効果音の種類、1回の音声出力時間、音量等)を制御するための情報である。RAM29cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。そして、サブCPU29aは、統括制御基板30(統括CPU30a)から出力される演出プログラム指定コマンドを入力すると、指定された演出プログラムPRに対応する演出実行データをROM29bから読み出し、該演出実行データに基づきスピーカ17の音声態様を制御するようになっている。また、このサブCPU29a制御により、スピーカ17では、音声演出が行われる。従って、サブCPU29aは、スピーカ(音声出力手段)17における音声演出の進行態様が通常遊技状態での通常進行態様又は特定遊技状態での特定進行態様で進行されるように制御する音声制御手段として機能する。
そこで次に、前記各演出プログラムPRのプログラム構成(遊技演出の実行内容(演出実行データ)及びその進行態様)について以下説明する。因みに、図5(a)〜図5(h)には、各演出プログラムPR1−1〜PR9に対応する可変表示器18(特別図柄表示領域H1)での表示演出の実行内容及び進行態様が夫々示されている。
まず、演出プログラムPR1−1は、図5(a)に示すように、次のようなプログラム構成になっている。即ち、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T1−1が経過した時点で左特図(例えば「5」)を一旦停止させ、続いて、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T1−2が経過した時点で右特図(例えば「2」)を一旦停止させるプログラム構成になっている。そしてその後、特図ゲームが開始されてから遊技演出時間T1が経過した時点で中特図(例えば「3」)を最後に一旦停止させ、その時点で特別図柄表示領域H1に一旦停止されている左、中、右の各列の特図による組み合わせ([532])を確定停止表示させるプログラム構成になっている。従って、演出プログラムPR1−1に基づく遊技演出は、その進行態様が、実行内容において特別な遊技演出(例えばリーチ演出など)が行われない通常演出を通常どおりに進行させる通常進行態様とされる。
また、演出プログラムPR1−2は、図5(b)に示すように、次のようなプログラム構成になっている。即ち、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T1−3が経過した時点で左特図(例えば「6」)を一旦停止させ、続いて、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T1−4が経過した時点で右特図(例えば「1」)を一旦停止させるプログラム構成になっている。即ち、最後に一旦停止する中特図(最後に仮停止表示させる図柄)以外の二つの特図(図柄)である左特図(「6」)と右特図(「1」)とを図柄種類が異なる図柄となるように一旦停止させ、続けて右列(何れかの図柄の列)を再び変動表示させるプログラム構成になっている。そのため、特別図柄表示領域H1では、遊技者に対して大当りの図柄組み合わせで確定停止表示することへの期待を抱かせる図柄変動に係る表示演出たる「すべり演出」とも言われる再変動演出(時間調整演出)が実行されることになる。そして、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T1−5が経過した時点で再び右特図(今度は「5」)を一旦停止させるプログラム構成になっている。そしてその後、特図ゲームが開始されてから遊技演出時間T1が経過した時点で中特図(例えば「6」)を最後に一旦停止させ、その時点で特別図柄表示領域H1に一旦停止されている左、中、右の各列の特図による組み合わせ([665])を確定停止表示させるプログラム構成になっている。
この遊技演出は、遊技演出時間T1が前記演出プログラムPR1−1に基づく遊技演出(表示演出)での遊技演出時間T1と同一時間に設定されている。また、特図ゲームが開始されてから右特図が一旦停止される時点(途中時点)までの変動経過時間T1−4が前記演出プログラムPR1−1に基づく表示演出で右特図が一旦停止される時点までの変動経過時間T1−2よりも短縮されている。そして、この短縮により遊技演出時間T1内で余った時間を利用して、特別図柄表示領域H1では、予め定めた実行内容の時間調整演出である右特図の再変動演出(所謂すべり演出)が実行されるようになっている。即ち、その実行内容においては右特図の一旦停止時点(途中時点)までの実行内容が通常進行態様の場合よりも短縮した時間内で進行し、その後にすべり演出が行われる短縮すべり演出のプログラム構成となっている。従って、演出プログラムPR1−2に基づく遊技演出は、その進行態様が、右特図の一旦停止時点(途中時点)までの実行内容を通常進行態様の場合よりも短縮した時間内で進行させる特定進行態様とされる。
また、前記演出プログラムPR2は、図5(c)に示すように、次のようなプログラム構成になっている。即ち、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T2−1が経過した時点で左特図(例えば「4」)を一旦停止させ、続いて、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T2−2が経過した時点で右特図(例えば「3」)を一旦停止させるプログラム構成になっている。そしてその後、特図ゲームが開始されてから遊技演出時間T2が経過した時点で中特図(例えば「6」)を最後に一旦停止させ、その時点で特別図柄表示領域H1に一旦停止されている左、中、右の各列の特図による組み合わせ([463])を確定停止させるプログラム構成になっている。
この遊技演出は、変動経過時間T2−1が前記演出プログラムPR1−2に基づく遊技演出(表示演出)での変動経過時間T1−3と、変動経過時間T2−2が前記演出プログラムPR1−2に基づく遊技演出での変動経過時間T1−4と、夫々同一時間に設定されている。換言すると、演出パターンP1(共用演出パターン)に対応付けられた演出プログラムPR1−2(特定遊技状態専用演出プログラム)に基づく前記遊技演出の場合と、右特図が一旦停止する時点(途中時点)までの遊技演出の実行内容が同一の進行態様(特定進行態様)で進行する短縮演出のプログラム構成になっている。従って、この演出プログラムPR2に基づく遊技演出も、その進行態様は、右特図の一旦停止時点(途中時点)までの実行内容を通常遊技状態の場合よりも短縮した時間内で進行させる特定進行態様とされる。
また、前記演出プログラムPR3は、図5(d)に示すように、次のようなプログラム構成になっている。即ち、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T3−1が経過した時点で左特図(例えば「1」)を一旦停止させ、続いて、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T3−2が経過した時点で左特図(「1」)とは異なる図柄種類となるように右特図(例えば「2」)を一旦停止させるプログラム構成になっている。そして続けて、右列による再変動演出(すべり演出)を実行させ、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T3−3が経過した時点で再び右特図(例えば「6」)を一旦停止させるプログラム構成になっている。そしてその後、特図ゲームが開始されてから遊技演出時間T3が経過した時点で中特図(例えば「6」)を一旦停止させ、その時点で特別図柄表示領域H1に一旦停止表示されている左、中、右の各列の特図による組み合わせ([166])を確定停止させるプログラム構成になっている。
この遊技演出は、変動経過時間T3−1が前記演出プログラムPR1−1に基づく遊技演出(表示演出)での変動経過時間T1−1と、変動経過時間T3−2が前記演出プログラムPR1−1に基づく遊技演出での変動経過時間T1−2と、夫々同一時間に設定されている。即ち、その実行内容においては右特図の一旦停止時点(途中時点)までの実行内容が通常進行態様の場合と同一時間内で進行し、その後にすべり演出が行われる通常すべり演出のプログラム構成となっている。従って、演出プログラムPR3に基づく遊技演出は、その進行態様が、実行内容において通常すべり演出を通常どおり進行させる通常進行態様とされる。
また、前記演出プログラムPR4−1は、図5(e)に示すように、次のようなプログラム構成になっている。特図ゲームが開始されてから変動経過時間T4−1が経過した時点で左特図(例えば「4」)を一旦停止させ、続いて、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T4−2が経過した時点で右特図(例えば「4」)を一旦停止させるプログラム構成になっている。そして、この場合は、一旦停止された左特図と右特図とが同じ図柄(特図)であるため、続けてリーチ演出を実行させるプログラム構成になっている。そしてその後、特図ゲームが開始されてから遊技演出時間T4が経過した時点でリーチ演出の結果として中特図(例えば「3」)を最後に一旦停止させ、その時点で特別図柄表示領域H1に一旦停止表示されている左、中、右の各列の特図による組み合わせ([434])を確定停止させるプログラム構成になっている。即ち、その実行内容においては右特図の一旦停止時点(途中時点)までの実行内容が通常進行態様の場合と同一時間内で進行し、その後にリーチ演出が行われる通常リーチ演出のプログラム構成となっている。従って、演出プログラムPR4−1に基づく遊技演出は、その進行態様が、実行内容において通常リーチ演出を通常どおりに進行させる通常進行態様とされる。
また、前記演出プログラムPR4−2は、図5(f)に示すように、次のようなプログラム構成になっている。特図ゲームが開始されてから変動経過時間T4−3が経過した時点で左特図(例えば「1」)を一旦停止させ、続いて、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T4−4が経過した時点で左特図(「1」)とは異なる図柄種類となるように右特図(例えば「2」)を一旦停止させるプログラム構成になっている。そして続けて、右列による再変動演出(すべり演出)を実行させ、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T4−5が経過した時点で再び右特図(今度は「1」)を一旦停止させるプログラム構成になっている。そして、この場合は、一旦停止された左特図と右特図とが同じ図柄(特図)であるため、続けてリーチ演出を実行させるプログラム構成になっている。そしてその後、特図ゲームが開始されてから遊技演出時間T4が経過した時点でリーチ演出の結果として中特図(例えば「2」)を最後に一旦停止させ、その時点で特別図柄表示領域H1に一旦停止表示されている左、中、右の各列の特図による組み合わせ([121])を確定停止させるプログラム構成になっている。
この遊技演出は、遊技演出時間T4が前記演出プログラムPR4−1に基づく遊技演出(表示演出)での遊技演出時間T4と同一時間に設定されている。また、特図ゲームが開始されてから右特図が一旦停止される時点(途中時点)までの変動経過時間T4−4が前記演出プログラムPR4−1に基づく表示演出で右特図が一旦停止される時点までの変動経過時間T4−2よりも短縮されている。そして、この短縮により遊技演出時間T4内で余った時間を利用して、特別図柄表示領域H1では、予め定めた実行内容の時間調整演出である右特図の再変動演出(所謂すべり演出)が実行されるようになっている。また、この遊技演出は、変動経過時間T4−3が前記演出プログラムPR2に基づく遊技演出(表示演出)での変動経過時間T2−1と、変動経過時間T4−4が前記演出プログラムPR2に基づく遊技演出での変動経過時間T2−2と、夫々同一時間に設定されている。即ち、その実行内容においては右特図の一旦停止時点(途中時点)までの実行内容が通常進行態様の場合よりも短縮した時間内で進行し、その後に再変動演出とリーチ演出が連続して行われる短縮すべりリーチ演出のプログラム構成となっている。従って、演出プログラムPR4−2に基づく遊技演出も、その進行態様は、実行内容において右特図の一旦停止時点(途中時点)までの実行内容を通常進行態様の場合よりも短縮した時間内で進行させる特定進行態様とされる。
また、前記演出プログラムPR5は、図5(g)に示すように、次のようなプログラム構成になっている。特図ゲームが開始されてから変動経過時間T5−1が経過した時点で左特図(例えば「6」)を一旦停止表示させ、続いて、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T5−2が経過した時点で右特図(例えば「6」)を一旦停止させるプログラム構成になっている。そして、この場合、一旦停止された左特図と右特図とが同じ図柄(特図)であるため、続けてリーチ演出を実行させるプログラム構成になっている。そしてその後、特図ゲームが開始されてから遊技演出時間T5が経過した時点でリーチ演出の結果として中特図(例えば「4」)を最後に一旦停止させ、その時点で特別図柄表示領域H1に一旦停止表示されている左、中、右の各列の特図による組み合わせ([646])を確定停止させるプログラム構成になっている。
この遊技演出は、変動経過時間T5−1が前記演出プログラムPR2に基づく遊技演出(表示演出)での変動経過時間T2−1と、変動経過時間T5−2が前記演出プログラムPR2に基づく遊技演出での変動経過時間T2−2と、夫々同一時間に設定されている。換言すると、演出パターンP2(特定遊技状態専用演出パターン)に対応付けられた演出プログラムPR2(特定遊技状態専用演出プログラム)に基づく前記遊技演出の場合と、右特図が一旦停止する時点(途中時点)までの遊技演出の実行内容が同一の進行態様(特定進行態様)で進行する短縮リーチ演出のプログラム構成になっている。従って、演出プログラムPR5に基づく遊技演出も、その進行態様は、実行内容において右特図の一旦停止時点(途中時点)までの実行内容を通常遊技状態の場合よりも短縮した時間内で進行させる特定進行態様とされる。
また、前記演出プログラムPR6は、図5(h)に示すように、次のようなプログラム構成になっている。特図ゲームが開始されてから変動経過時間T6−1が経過した時点で左特図(例えば「5」)を一旦停止させ、続いて、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T6−2が経過した時点で左特図(「5」)とは図柄種類が異なるように右特図(例えば「6」)を一旦停止させるプログラム構成になっている。そして続けて、右列による再変動演出(すべり演出)を実行させ、特図ゲームが開始されてから変動経過時間T6−3が経過した時点で再び右特図(例えば「5」)を一旦停止させるプログラム構成になっている。そして、この場合は、一旦停止された左特図と右特図とが同じ図柄(特図)であるため、続けてリーチ演出を実行させるプログラム構成になっている。そしてその後、特図ゲームが開始されてから遊技演出時間T6が経過した時点でリーチ演出の結果として中特図(例えば「4」)を最後に一旦停止させ、その時点で特別図柄表示領域H1に一旦停止されている仮停止左、中、右の各列の特図による組み合わせ([545])を確定停止表示させるプログラム構成になっている。
この遊技演出は、変動経過時間T6−1が前記演出プログラムPR1−1に基づく表示演出の変動経過時間T1−1と、変動経過時間T6−2が前記演出プログラムPR1−1に基づく表示演出の変動経過時間T1−2と、夫々同一時間に設定されている。即ち、その実行内容においては右特図の一旦停止時点(途中時点)までの実行内容が通常進行態様の場合と同一時間内で進行し、その後に再変動演出(すべり演出)とリーチ演出が連続して行われる通常すべりリーチ演出のプログラム構成となっている。従って、演出プログラムPR6に基づく遊技演出は、その進行態様が、実行内容において通常すべりリーチ演出が通常どおり進行する通常進行態様とされる。
また、前記演出プログラムPR7−1は、前記演出プログラムPR4−1と同様なプログラム構成になっている。従って、演出プログラムPR7−1に基づく遊技演出は、その進行態様も、前記演出プログラムPR4−1に基づく遊技演出の場合と同様に通常進行態様とされる。また、演出プログラムPR7−2は、前記演出プログラムPR4−2と同様なプログラム構成になっている。従って、演出プログラムPR7−2に基づく遊技演出は、その進行態様も、前記演出プログラムPR4−2に基づく遊技演出の場合と同様に特定進行態様とされる。
また、前記演出プログラムPR8は、前記演出プログラムPR5と同様なプログラム構成になっている。従って、演出プログラムPR8に基づく遊技演出は、その進行態様も、前記演出プログラムPR5に基づく遊技演出の場合と同様に通常進行態様とされる。また、前記演出プログラムPR9は、前記演出プログラムPR6と同様なプログラム構成になっている。従って、演出プログラムPR9に基づく遊技演出は、その進行態様も、前記演出プログラムPR6に基づく遊技演出の場合と同様に通常進行態様とされる。但し、大当り演出用の各演出プログラムPR7−1〜PR9において、特図ゲームが開始されてから各遊技演出時間T7〜T9が夫々経過した時点で確定停止表示される図柄組み合わせは、大当りの組み合わせ(例えば[222])とされる。
次に、主制御基板26(メインCPU26a)及び統括制御基板30(統括CPU30a)が実行する制御処理ルーチンについて図6〜図15に示すフローチャートに基づき以下説明する。
メインCPU26aは、所定の周期毎(本実施形態では0.002秒毎)に図6に示すタイマ割込み処理ルーチンを実行する。まず、このタイマ割込み処理ルーチンにおいて、メインCPU26aは、始動入賞口21に入賞した遊技球の入賞検知に係る入力処理(図7に詳述する)を実行する(ステップS10)。次に、メインCPU26aは、大当り判定用乱数、演出パターン振分乱数、リーチ判定用乱数、はずれ図柄左用乱数、はずれ図柄右用乱数、はずれ図柄中用乱数及び大当り図柄用乱数等の各種乱数を更新し、更新後の値をRAM26cの設定領域に設定して更新前の値を書き換える(ステップS11)。続いて、メインCPU26aは、後述するステップS23にてRAM26cに格納記憶されている保留タイマHTを0.002秒減算(更新)し、当該更新した値を保留タイマHTに書き換える(ステップS12)。次に、メインCPU26aは、特図ゲームが実行中であるか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果が肯定判定である場合、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS16に移行する。
一方、前記ステップS13の判定結果が否定判定である場合、メインCPU26aは、大当りフラグが「1」であるか否か(即ち、大当り遊技中であるか否か)を判定する(ステップS14)。大当りフラグは、大当りを付与する場合及び大当り遊技中である場合を示すフラグであり、RAM26cに設定されている。ステップS14の判定結果が肯定判定である場合、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS16に移行する。一方、前記ステップS14の判定結果が否定判定である場合、メインCPU26aは、特図ゲームを開始させるために、特図ゲーム開始処理(図8に詳述する)を実行し(ステップS15)、その処理を後述するステップS16に移行する。
そして、メインCPU26aは、ステップS16において大当り遊技処理(図13に詳述する)を実行する。続いて、メインCPU26aは、前記ステップS10〜ステップS16においてRAM26cの出力領域に設定された各種コマンドを統括CPU30aに向けて出力し(ステップS17)、当該出力したRAM26cの出力領域に設定されたコマンドをクリアする(ステップS18)。そして、メインCPU26aは、タイマ割込み処理ルーチンを終了する。
次に、前記タイマ割込み処理のステップS10で実行される入力処理(入力処理ルーチン)について図7に示すフローチャートに基づき以下説明する。
入力処理ルーチンにおいて、メインCPU26aは、遊技球の入賞検知がなされたか否か(即ち、前記始動口センサSE1が出力する検知信号を入力したか否か)を判定する(ステップS20)。この判定結果が否定判定である場合、メインCPU26aは入力処理ルーチンを終了する。一方、ステップS20の判定結果が肯定判定である場合、メインCPU26aは、RAM26cに記憶されている保留記憶数が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS21)。この判定結果が否定判定(保留記憶数=4)である場合、メインCPU26aは入力処理ルーチンを終了する。一方、ステップS21の判定結果が肯定判定(保留記憶数<4)である場合、メインCPU26aは、保留記憶数を+1し、保留記憶数を書き換えると共に、RAM26cにおける出力領域の保留記憶数を書き換える(ステップS22)。そして、このステップS22においてメインCPU26aは、各保留記憶に対応する保留記憶数コマンドを統括CPU30aに向けて出力するために、RAM26cの出力領域に設定する。
続いて、メインCPU26aは、各保留記憶に対応付けられたRAM26cの所定の記憶領域に保留タイマHTを2.8秒に設定記憶させる(ステップS23)。その後、メインCPU26aは、大当り判定用乱数の値をRAM26cから読み出して取得し(ステップS24)、当該読み出した大当り判定用乱数の値を各保留記憶に対応付けられたRAM26cの所定の記憶領域に設定する(ステップS25)。その後、メインCPU26aは入力処理ルーチンを終了する。
次に、前記タイマ割込み処理のステップS15で実行される特図ゲーム開始処理(特図ゲーム開始処理ルーチン)について図8に示すフローチャートに基づき以下説明する。
特図ゲーム開始処理ルーチンにおいて、メインCPU26aは、保留記憶数が「0」より多いか否か(即ち、保留中の特図ゲームがあるか否か)を判定する(ステップS30)。この判定結果が否定判定(即ち、保留記憶数=0)である場合、メインCPU26aは特図ゲーム開始処理ルーチンを終了する。一方、ステップS30の判定結果が肯定判定(即ち、保留記憶数>0)である場合、メインCPU26aは、遊技状態判定フラグが「1」であるか否か(即ち、遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(ステップS31)。遊技状態判定フラグは、遊技状態が確変状態、時短状態又は通常遊技状態の何れの状態であるかを識別するためのフラグであり、RAM26cに設定されている。即ち、遊技状態判定フラグは、確変状態である場合には「2」、時短状態である場合には「1」、通常遊技状態である場合には「0」に夫々設定されるようになっている。ステップS31の判定結果が否定判定(即ち、遊技状態判定フラグ≠1)である場合、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS35に移行する。
一方、ステップS31の判定結果が肯定判定(即ち、遊技状態判定フラグ=1)である場合、メインCPU26aは、時短状態中に実行された特図ゲームの実行回数(以下、「時短実行回数」と示す)を+1し、当該時短実行回数を書き換える(ステップS32)。続いて、メインCPU26aは、時短実行回数が所定の上限値回数(本実施形態では100回)であるか否かを判定する(ステップS33)。この判定結果が否定判定(即ち、時短実行回数<100)である場合、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS35に移行する。一方、ステップS33の判定結果が肯定判定(即ち、時短実行回数=100)である場合、メインCPU26aは、遊技状態判定フラグを「0」に設定し、当該遊技状態判定フラグを書き換え(ステップS34)、その処理を後述するステップS35に移行する。そして、メインCPU26aは、ステップS35において各保留記憶に対応付けてRAM26cに記憶されている大当り判定用乱数の値を読み出す。
続いて、メインCPU26aは、遊技状態判定フラグが「2」であるか否か(即ち、遊技状態が確変状態であるか否か)を判定する(ステップS36)。メインCPU26aは、ステップS36の判定結果が肯定判定(即ち、遊技状態判定フラグ=2)である場合、大当り判定値として15個の値を設定(即ち、大当り確率を高確率(1069分の15)に設定)する(ステップS37)。一方、ステップS36の判定結果が否定判定(即ち、遊技状態判定フラグ≠2)である場合、メインCPU26aは、大当り判定値として3個の値を設定(即ち、大当り確率を低確率(1069分の3)に設定)する(ステップS38)。その後、メインCPU26aは、ステップS35にて読み出した大当り判定用乱数の値が大当り判定値のうちの何れかと同じ値であるか否かを判定(即ち、大当り判定)する(ステップS39)。この判定結果が否定判定(即ち、大当り判定用乱数の値≠大当り判定値)である場合、メインCPU26aははずれ設定処理(図9,図10に詳述する)を実行し(ステップS40)、その処理を後述するステップS42に移行する。一方、ステップS39の判定結果が肯定判定(即ち、大当り判定用乱数の値=大当り判定値)である場合、メインCPU26aは大当り設定処理(図11、図12に詳述する)を実行し(ステップS41)、その処理を後述するステップS42に移行する。そして、メインCPU26aは、ステップS42において、保留記憶数を−1し、保留記憶数を書き換えると共に、RAM26cの出力領域の保留記憶数を書き換える。その後、メインCPU26aは、特図ゲーム開始処理を終了する。
次に、前記特図ゲーム開始処理ルーチンのステップS40で実行されるはずれ設定処理(はずれ設定処理ルーチン)について図9,図10に基づき以下説明する。
はずれ設定処理ルーチンにおいて、メインCPU26aは、RAM26cからリーチ判定用乱数の値を読み出し、当該読み出した値がROM26bに設定されているリーチ判定値のうちの何れかと同じ値であるか否かを判定(即ち、リーチ判定)する(ステップS50)。この判定結果が否定判定(即ち、リーチ判定用乱数の値≠リーチ判定値)である場合、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS59に移行する。一方、ステップS50の判定結果が肯定判定(即ち、リーチ判定用乱数の値=リーチ判定値)である場合、メインCPU26aは、リーチの組み合わせを形成し、且つはずれの組み合わせを形成する図柄(リーチ図柄)をRAM26cの各はずれ図柄用乱数に基づいて決定する(ステップS51)。ステップS51においてメインCPU26aは、停止特図左と停止特図右が同一種類の特図となるように決定し、停止特図中を停止特図左と停止特図右とは異なる種類の特図となるように決定する。そして、メインCPU26aは、停止特図左を指定する左特図指定コマンド、停止特図中を指定する中特図指定コマンド及び停止特図右を指定する右特図指定コマンドを統括制御基板30(統括CPU30a)に向けて出力するために、RAM26cの出力領域に設定する。
続いて、メインCPU26aは、遊技状態判定フラグが「2」であるか否か(即ち、遊技状態が確変状態であるか否か)を判定する(ステップS52)。この判定結果が肯定判定(即ち、遊技状態判定フラグ=2)である場合、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS57に移行する。一方、ステップS52の判定結果が否定判定(即ち、遊技状態判定フラグ≠2)である場合、メインCPU26aは、遊技状態判定フラグが「1」であるか否か(即ち、遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(ステップS53)。この判定結果が肯定判定(即ち、遊技状態判定フラグ=1)である場合、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS57に移行する。一方、ステップS53の判定結果が否定判定(即ち、遊技状態判定フラグ≠1)である場合、メインCPU26aは、保留記憶数が予め定めた記憶数(3つ)以上であるか否か(即ち、遊技状態が始動保留球多数記憶状態であるか否か)を判定する(ステップS54)。この判定結果が肯定判定(即ち、保留記憶数≧3)である場合、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS57に移行する。
一方、ステップS54の判定結果が否定判定(即ち、保留記憶数<3)である場合、メインCPU26aは、当該保留記憶に対応付けてRAM26cに記憶されている保留タイマHTが「0」であるか否か(即ち、遊技状態が始動保留長時間記憶状態であるか否か)を判定する(ステップS55)。この判定結果が肯定判定(即ち、保留タイマHT=0)である場合、メインCPU26aは、保留時間経過コマンドを統括CPU30aに向けて出力するためにRAM26cの出力領域に設定する(ステップS56)。続いて、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS57に移行する。そして、メインCPU26aは、ステップS57において特定遊技状態用の演出パターンP4,P5を選択テーブル(この選択テーブルは、前記ROM26bに予め設けられている。以下において同様。)に設定し(図4(b)参照)、その処理を後述するステップS67に移行する。一方、ステップS55の判定結果が否定判定(即ち、保留タイマHT≠0)である場合、メインCPU26aは、通常遊技状態用の演出パターンP4,P6を選択テーブルに設定し(ステップS58)、その処理を後述するステップS67に移行する。従って、ステップS52,S53,S54,S55の処理で、メインCPU26aは、遊技状態が通常遊技状態での通常進行態様とは異なる特定進行態様とする特定遊技状態になっているか否かを判定する遊技状態判定手段として機能する構成とされている。
一方、メインCPU26aは、ステップS59において、リーチの組み合わせを含まず、はずれの組み合わせを形成する図柄(はずれ図柄)をRAM26cの各はずれ図柄用乱数に基づいて決定する。ステップS59においてメインCPU26aは、停止特図左と停止特図右が異なる種類の特図となるように決定する。この決定した停止特図左、停止特図中、停止特図右が、可変表示器18において左特図、中特図、右特図として最終的に表示される表示特図となる。そして、メインCPU26aは、前述同様に、左特図指定コマンド、中特図指定コマンド及び右特図指定コマンドを統括制御基板30(統括CPU30a)に向けて出力する。続いて、メインCPU26aは、遊技状態判定フラグが「2」であるか否か(即ち、遊技状態が確変状態であるか否か)を判定する(ステップS60)。この判定結果が肯定判定(即ち、遊技状態判定フラグ=2)である場合、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS65に移行する。
一方、ステップS60の判定結果が否定判定(即ち、遊技状態判定フラグ≠2)である場合、メインCPU26aは、当該遊技状態判定フラグが「1」であるか否か(即ち、遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(ステップS61)。この判定結果が肯定判定(即ち、遊技状態判定フラグ=1)である場合、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS65に移行する。一方、ステップS61の判定結果が否定判定(即ち、遊技状態判定フラグ≠1)である場合、メインCPU26aは、保留記憶数が予め定めた記憶数(3つ)以上であるか否か(即ち、遊技状態が始動保留球多数記憶状態であるか否か)を判定する(ステップS62)。この判定結果が肯定判定(即ち、保留記憶数≧3)である場合、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS65に移行する。
一方、ステップS62の判定結果が否定判定(即ち、保留記憶数<3)である場合、メインCPU26aは、当該保留記憶に対応付けてRAM26cに記憶されている保留タイマHTが「0」であるか否か(即ち、遊技状態が始動保留球長時間記憶状態であるか否か)を判定する(ステップS63)。この判定結果が肯定判定(即ち、保留タイマHT=0)である場合、メインCPU26aは、保留時間経過コマンドを統括CPU30aに向けて出力するためにRAM26cの出力領域に設定する(ステップS64)。そして、ステップS65においてメインCPU26aは、特定遊技状態用の演出パターンP1,P2を選択テーブルに設定し(図4(a)参照)、その処理を後述するステップS67に移行する。
一方、ステップS63の判定結果が否定判定(即ち、保留タイマHT≠0)である場合、メインCPU26aは、通常遊技状態用の演出パターンP1,P3を選択テーブルに設定し(ステップS66)、その処理を後述するステップS67に移行する。そして、メインCPU26aは、ステップS67において、RAM26cから演出パターン振分乱数の値を読み出す。そして、メインCPU26aは、ステップS57,S58,S65,S66のうちの何れかで設定された選択テーブルの中から前記読み出した演出パターン振分乱数の値に対応する演出パターンPを選択決定する(ステップS68)。次に、メインCPU26aは、ステップS68で選択決定した演出パターンPに基づく演出パターン指定コマンドを統括CPU30aに向けて出力するためにRAM26cの出力領域に設定し(ステップS69)、はずれ設定処理ルーチンを終了する。
次に、前記特図ゲーム開始処理ルーチンのステップS41で実行される大当り設定処理(大当り設定処理ルーチン)について図11及び図12に基づき以下説明する。
大当り判定処理ルーチンにおいて、メインCPU26aは、大当りフラグを「1」に設定する(ステップS80)。続いて、メインCPU26aは、大当りの組み合わせを形成する特図(大当り図柄)をRAM26cの大当り図柄用乱数に基づいて決定する(ステップS81)。ステップS81においてメインCPU26aは、全列の特図(停止特図左、停止特図中、停止特図右)が同一種類の特図となるように決定する。この決定した停止特図左、停止特図中、停止特図右が、可変表示器18において左特図、中特図、右特図として最終的に表示される表示図柄となる。そして、メインCPU26aは、停止特図左を指定する左特図指定コマンド、停止特図中を指定する中特図指定コマンド及び停止特図右を指定する右特図指定コマンドを統括制御基板30(統括CPU30a)に向けて出力するためにRAM26cの出力領域に設定する。
続いて、メインCPU26aは、ステップS81において決定した特図が「1」又は「2」であるか否か(即ち、決定した特図が確変図柄であるか否か)を判定する(ステップS82)。この判定結果が肯定判定である場合、メインCPU26aは、特図フラグを「2」に設定し(ステップS83)、その処理を後述するステップS87に移行する。特図フラグは、大当り遊技後に付与する遊技状態を指定するためのフラグであり、RAM26cに設定される。即ち、特図フラグは、確変状態を付与する場合には「2」、時短状態を付与する場合には「1」、通常遊技状態を付与する場合には「0」と設定されるようになっている。
一方、ステップS82の判定結果が否定判定である場合、メインCPU26aは、ステップS81において決定した特図が「3」又は「4」であるか否か(即ち、決定した特図が時短図柄であるか否か)を判定する(ステップS84)。この判定結果が肯定判定である場合、メインCPU26aは、特図フラグを「1」に設定し(ステップS85)、その処理を後述するステップS87に移行する。一方、ステップS84の判定結果が否定判定である場合、メインCPU26aは、特図フラグを「0」に設定し(ステップS86)、その処理を後述するステップS87に移行する。
そして、ステップS87において、メインCPU26aは、遊技状態判定フラグが「2」であるか否か(即ち、遊技状態が確変状態であるか否か)を判定する。この判定結果が肯定判定(即ち、遊技状態判定フラグ=2)である場合、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS92に移行する。一方、ステップS87の判定結果が否定判定(即ち、遊技状態判定フラグ≠2)である場合、メインCPU26aは、当該遊技状態判定フラグが「1」であるか否か(即ち、遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(ステップS88)。この判定結果が肯定判定(即ち、遊技状態判定フラグ=1)である場合、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS92に移行する。
一方、ステップS88の判定結果が否定判定(即ち、遊技状態判定フラグ≠1)である場合、メインCPU26aは、保留記憶数が3つ以上であるか否か(即ち、遊技状態が始動保留球多数記憶状態であるか否か)を判定する(ステップS89)。この判定結果が肯定判定(即ち、保留記憶数≧3)である場合、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS92に移行する。一方、ステップS89の判定結果が否定判定(即ち、保留記憶数<3)である場合、メインCPU26aは、各保留記憶に対応付けてRAM26cに記憶されている保留タイマHTが「0」であるか否か(即ち、遊技状態が始動保留球長時間記憶状態であるか否か)を判定する(ステップS90)。この判定結果が肯定判定(即ち、保留タイマHT=0)である場合、メインCPU26aは、保留時間経過コマンドを統括CPU30aに向けて出力するためにRAM26cの出力領域に設定する(ステップS91)。次に、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS92に移行する。そして、ステップS92においてメインCPU26aは、特定遊技状態用の演出パターンP7,P8を選択テーブルに設定し(図4(c)参照)、その処理を後述するステップS94に移行する。
一方、ステップS90の判定結果が否定判定(即ち、保留タイマHT≠0)である場合、メインCPU26aは、通常遊技状態用の演出パターンP7,P9を選択テーブルに設定し(ステップS93)、その処理を後述するステップS94に移行する。そして、ステップS94において、メインCPU26aは、RAM26cから演出パターン振分乱数の値を読み出す。そして、メインCPU26aは、ステップS92又はステップS93で設定された選択テーブルの中から前記ステップS94にて読み出した演出パターン振分乱数の値に対応する演出パターンPを選択決定し(ステップS95)、当該演出パターンPに基づく演出パターン指定コマンドを統括CPU30aに向けて出力するためにRAM26cの出力領域に設定する(ステップS96)。その後、メインCPU26aは、大当り設定処理ルーチンを終了する。
次に、前記タイマ割込み処理ルーチンのステップS16で実行される大当り遊技処理(大当り遊技処理ルーチン)について図13に示すフローチャートに基づき以下説明する。
大当り遊技処理ルーチンにおいて、メインCPU26aは、大当りフラグが「1」であるか否か(即ち、大当り遊技が付与されているか否か)を判定する(ステップS100)。この判定結果が否定判定(即ち、大当りフラグ≠1)である場合、メインCPU26aは大当り判定処理ルーチンを終了する。一方、ステップS100の判定結果が肯定判定(即ち、大当りフラグ=1)である場合、メインCPU26aは、大当り遊技演出を実行し(ステップS101)、大当り遊技が終了したか否かを判定する(ステップS102)。この判定結果が否定判定である場合、大当り遊技は引き続き実行されるため、メインCPU26aは大当り遊技処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS102の判定結果が肯定判定である場合、メインCPU26aは、特図フラグが「2」であるか否か(即ち、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否か)を判定する(ステップS103)。この判定結果が肯定判定(即ち、特図フラグ=2)である場合、メインCPU26aは、大当り遊技終了及び当該大当り遊技終了後に確変状態を付与することを報知するための確変用エンディングコマンドを出力するためにRAM26cの出力領域に設定する(ステップS104)。続いて、メインCPU26aは、遊技状態判定フラグを「2」に設定(即ち、遊技状態を確変状態に設定)すると共に、当該遊技状態判定フラグ(=2)に基づく遊技状態指定コマンドを統括CPU30aに向けて出力するためにRAM26cの出力領域に設定する(ステップS105)。その後、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS111に移行する。
一方、ステップS103の判定結果が否定判定(即ち、特図フラグ≠2)である場合、メインCPU26aは、特図フラグが「1」であるか否か(即ち、大当り遊技終了後に時短状態を付与するか否か)を判定する(ステップS106)。この判定結果が肯定判定(即ち、特図フラグ=1)である場合、メインCPU26aは、大当り遊技終了及び当該大当り遊技終了後に時短状態を付与することを報知するための時短用エンディングコマンドを出力するためにRAM26cの出力領域に設定する(ステップS107)。続いて、メインCPU26aは、遊技状態判定フラグを「1」に設定(即ち、遊技状態を時短状態に設定)すると共に、当該遊技状態判定フラグ(=1)に基づく遊技状態指定コマンドを統括CPU30aに向けて出力するためにRAM26cの出力領域に設定する(ステップS108)。その後、メインCPU26aは、その処理を後述するステップS111に移行する。
一方、ステップS106の判定結果が否定判定(即ち、特図フラグ=0)である場合、メインCPU26aは、大当り遊技終了及び当該大当り遊技終了後に通常遊技状態を付与することを報知するための通常用エンディングコマンドを出力するためにRAM26cの出力領域に設定する(ステップS109)。続いて、メインCPU26aは、遊技状態判定用フラグを「0」に設定(即ち、遊技状態を通常遊技状態に設定)すると共に、当該遊技状態判定用フラグ(=0)に基づく遊技状態指定コマンドを統括CPU30aに向けて出力するためにRAM26cの出力領域に設定する(ステップS110)。次に、統括CPU30aは、その処理を後述するステップS111に移行する。そして、統括CPU30aは、ステップS111において大当りフラグを「0」に設定(即ち、大当りフラグのクリア)し、大当り遊技処理ルーチンを終了する。
次に、統括CPU30aが実行する入力処理(入力処理ルーチン)について図14に示すフローチャートに基づき以下説明する。
入力処理ルーチンにおいて、統括CPU30aは、保留記憶数コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS120)。この判定結果が肯定判定である場合、統括CPU30aは、保留記憶数が予め定めた記憶数(3つ)以上であるか否かを判定する(ステップS121)。この判定結果が否定判定(即ち、保留記憶数<3)である場合、統括CPU30aは、入力処理ルーチンを終了する。一方、ステップS121の判定結果が肯定判定(即ち、保留記憶数≧3)である場合、統括CPU30aは、保留記憶数フラグを「1」に設定し(ステップS122)、入力処理ルーチンを終了する。保留記憶数フラグは、遊技状態が始動保留球多数記憶状態であることを示すフラグであり、RAM30cに設定される。
一方、ステップS120の判定結果が否定判定である場合、統括CPU30aは、遊技状態指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS123)。この判定結果が肯定判定である場合、入力した遊技状態指定コマンドが指定する遊技状態に遊技状態フラグを設定する(ステップS124)。遊技状態フラグは、遊技状態を示すフラグであり、RAM30cに設定される。即ち、遊技状態フラグは、遊技状態が確変状態である場合には「2」、遊技状態が時短状態である場合には「1」、遊技状態が通常遊技状態である場合には「0」と夫々設定される。その後、統括CPU30aは入力処理ルーチンを終了する。従って、この点で、統括CPU30aは、遊技状態が通常遊技状態での通常進行態様とは異なる特定進行態様とする特定遊技状態になっているか否かを判定する遊技状態判定手段として機能する構成とされている。
一方、ステップS123の判定結果が否定判定である場合、統括CPU30aは、保留時間経過コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS125)。この判定結果が肯定判定である場合、統括CPU30aは、遊技状態が始動保留球長時間記憶状態であることを示す保留時間フラグを「1」に設定し(ステップS126)、入賞処理ルーチンを終了する。因みに、保留時間フラグはRAM30cに設定される。一方、ステップS125の判定結果が否定判定である場合、統括CPU30aは、演出パターン指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS127)。この判定結果が肯定判定である場合、統括CPU30aは、演出プログラム決定処理(図15に詳述する)を実行し(ステップS128)、入力処理ルーチンを終了する。一方、ステップS127の判定結果が否定判定である場合、統括CPU30aは入力処理ルーチンを終了する。
次に、前記入力処理ルーチンのステップS128で実行される演出プログラム決定処理(演出プログラム決定処理ルーチン)について図15に示すフローチャートに基づき以下説明する。
演出プログラム決定処理ルーチンにおいて、統括CPU30aは、入力した演出パターン指定コマンドからメインCPU26aが選択決定した演出パターンPをRAM30cに記憶する(ステップS130)。続いて、統括CPU30aは、遊技状態フラグが「2」であるか否か(即ち、遊技状態が確変状態であるか否か)を判定する(ステップS131)。この判定結果が肯定判定(即ち、遊技状態フラグ=2)である場合、統括CPU30aは、その処理を後述するステップS135に移行する。一方、ステップS131の判定結果が否定判定(即ち、遊技状態フラグ≠2)である場合、統括CPU30aは、遊技状態フラグが「1」であるか否か(即ち、遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(ステップS132)。この判定結果が肯定判定(即ち、遊技状態フラグ=1)である場合、統括CPU30aは、その処理を後述するステップS135に移行する。
一方、ステップS132の判定結果(即ち、遊技状態フラグ≠1)が否定判定である場合、統括CPU30aは、保留記憶数フラグが「1」であるか否か(即ち、遊技状態が始動保留球多数記憶状態であるか否か)を判定する(ステップS133)。この判定結果が肯定判定(即ち、保留記憶数フラグ=1)である場合、統括CPU30aは、その処理を後述するステップS135に移行する。一方、ステップS133の判定結果が否定判定(即ち、保留記憶数フラグ≠1)である場合、統括CPU30aは、保留時間フラグが「1」であるか否か(即ち、遊技状態が始動保留球長時間記憶状態であるか否か)を判定する(ステップS134)。この判定結果が肯定判定(即ち、保留時間フラグ=1)である場合、統括CPU30aは、その処理を後述するステップS135に移行する。そして、統括CPU30aは、ステップS135において、ステップS130でRAM30cに記憶した演出パターンPの演出内容(例えば、大当り演出等)に対応する特定遊技状態専用演出プログラムを選択テーブルに設定する。次に、統括CPU30aは、その処理を後述するステップS137に移行する。
一方、ステップS134の判定結果が否定判定(即ち、保留時間フラグ≠1)である場合、統括CPU30aは、ステップS130でRAM30cに記憶した演出パターンPの演出内容(例えば、大当り演出等)に対応する通常遊技状態専用演出プログラムを選択テーブルに設定する(ステップS136)。次に、統括CPU30aは、その処理を後述するステップS137に移行する。そして、統括CPU30aは、ステップS137において、ステップS135,S136の何れかで設定された選択テーブルの中から前記ステップS130で記憶された演出パターンPに対応する演出プログラムPRを選択決定する。続いて、統括CPU30aは、ステップS137にて選択決定された演出プログラムPRに基づく演出プログラム指定コマンドを各制御基板27〜29(サブCPU27a〜29a)に向けて出力する(ステップS138)。この際に、統括CPU30aは、メインCPU26aから入力した各(左、中、右)特図指定コマンドも表示制御基板27(サブCPU27a)に向けて出力する。そして、統括CPU30aは、メインCPU26aから入力した各コマンドに基づき設定された保留記憶数フラグ及び保留時間フラグをクリアし(ステップS139)、演出プログラム決定処理ルーチンを終了する。
次に、以上のように構成された本実施形態のパチンコ機10において、始動条件が成立してから、特図ゲームによって図柄組み合わせが可変表示器18(特別図柄表示領域H1)に導出されるまでについて説明する。
まず前提として、確変状態及び時短状態ではないその他の遊技状態において、保留記憶数は「3」であるもの(即ち、遊技状態は始動保留球多数記憶状態であるもの)とし、1回目に実行される特図ゲームにおいて可変表示器18(特別図柄表示領域H1)に停止表示させる図柄組み合わせをリーチなしのはずれの図柄組み合わせ(例えば[664])と決定したものとする。また、メインCPU26aは演出パターンP1を選択決定したものとする。そして、2回目(通常遊技状態となる2回目)に実行される特図ゲームにおいて可変表示器18に停止表示させる図柄組み合わせを大当りの図柄組み合わせ(例えば[111])に決定したものとする。また、メインCPU26aは演出パターンP9を選択決定したものとする。
以上のような前提の下、統括CPU30aは、遊技状態を始動保留球多数記憶状態(特定遊技状態)と判定し、演出パターンP1に対応する演出プログラムPR1−2を選択決定する。すると、可変表示器18(特別図柄表示領域H1)では、演出プログラムPR1−2に基づく特定遊技状態での表示演出が特定進行態様にて実行される。即ち、特図ゲームの開始(全列における図柄変動の開始)から変動経過時間T1−3後に、左特図が特図「6」で一旦停止する。そして次に、特図ゲームの開始から変動経過時間T1−4後に右特図が特図(例えば「3」)で一旦停止し、右列による再変動演出(所謂すべり演出)が実行される。ここで、遊技者は、右列によるすべり演出によりリーチの図柄組み合わせ([6↓6])が導出されることを期待する。しかし、特図ゲームの開始から変動経過時間T1−5後に再び右特図が特図「4」で一旦停止する。そして次に、特図ゲームの開始から遊技演出時間T1後に中特図が特図「6」で最後に一旦停止し、その後、はずれの図柄組み合わせ[664]が可変表示器18に確定停止される。
そして次に、統括CPU30aは、遊技状態を通常遊技状態と判定し、演出パターンP9に対応する演出プログラムPR9を選択決定する。すると、可変表示器18では、演出プログラムPR9に基づき通常遊技状態での表示演出が通常進行態様にて実行される。即ち、特図ゲームの開始から変動経過時間T6−1後に左特図が特図「1」で一旦停止する。そして次に、特図ゲームの開始から変動経過時間T6−2後に右特図が特図(例えば「6」)で一旦停止し、当該右特図による再変動演出(所謂すべり演出)が実行される。ここで、遊技者は、リーチの図柄組み合わせ([1↓1])が導出されることに再度期待する。
その後、特図ゲームの開始から変動経過時間T6−3後に再び右特図が特図「1」で一旦停止する、即ち、可変表示器18においてリーチの図柄組み合わせ[1↓1]が一旦停止表示し、可変表示器18でリーチ演出が実行される。このとき、遊技者は、大当りの図柄組み合わせが導出されること(即ち、大当りが付与されること)に対する期待が最高潮になる。すると、特図ゲームの開始から遊技演出時間T6後に中特図が特図[1]で最後に一旦停止する。そして次に、確変の大当りの図柄組み合わせ[111]が可変表示器18に確定停止される。その後、可変表示器18では、大当り遊技を演出するための表示演出が実行される、即ち、遊技者に大当り遊技を付与する。
従って、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)主制御基板(メイン制御手段)26のROM26bは、9種類の演出パターンP1〜P9を全ての演出プログラムPRに個別対応させて記憶管理するのではなく、一部の演出パターンP1,P4,P7は、通常遊技状態の場合と特定遊技状態の場合に共用される共用演出パターンとして記憶管理されている。そのため、多彩な遊技演出の実現を図るべく12種類の演出プログラムPRを統括制御基板(サブ制御手段)30のROM30bに設定しても、前記ROM26bにおける記憶容量の増加を共用演出パターン(演出パターンP1,P4,P7)を設けた分だけ抑制できる。
しかも、メインCPU26aが共用演出パターン(例えば、演出パターンP4)を選択すると、統括CPU30aは、遊技状態が通常遊技状態である場合には演出プログラムPR4−1(通常遊技状態専用演出プログラム)を選択する一方で、遊技状態が特定遊技状態である場合には演出プログラムPR4−2(特定遊技状態専用演出プログラム)を選択するようになっている。そのため、可変表示器(遊技演出実行手段)18では、遊技者が認識している遊技状態(例えば、確変状態等)に即した進行態様での遊技演出を確実に実行できる。その結果、遊技状態が特定遊技状態になっている場合に当該特定遊技状態とは矛盾する進行態様で遊技演出が実行されることもないため、特定遊技状態中の遊技演出により遊技者にパチンコ機10に対する猜疑心を抱かせることを回避できる。従って、前記ROM26bで記憶管理する演出パターンP1〜P9の種類の増加及び制御処理負荷を増加させることなく、多彩な遊技演出を遊技状態に即して適切に実行することができ、遊技の興趣向上を確実に図ることができる。
(2)演出パターン(共通演出パターン)P1,P4,P7に夫々対応した特定遊技状態専用演出プログラムPR1−2,PR4−2,PR7−2に基づく遊技演出と、演出パターン(特定遊技状態専用演出パターン)P2,P5,P8に夫々対応した特定遊技状態専用演出プログラムPR2,PR5、PR8に基づく遊技演出とは、右特図が一旦停止する時点(予め定めた途中時点)まで同一の進行態様となるように構成されている。そのため、実行されている演出パターンPを遊技者に悟られることが阻止できると共に、遊技演出に対して興趣を維持させた状態で遊技者に遊技を継続させることができる。
(3)共用演出パターン(例えば、演出パターンP1)には、通常遊技状態専用演出プログラム(例えば、演出プログラムPR1−1)と特定遊技状態専用演出プログラム(例えば、演出プログラムPR1−2)が対応付けられている。そして、演出プログラムPR1−2に基づく遊技演出は、右特図が一旦停止する時点(途中時点)までの変動経過時間T1−4が演出プログラムPR1−1(変動経過時間T1−2)に基づく遊技演出よりも短時間になる構成とされている。そして、前記途中時点から全特図確定停止時点までの間に右列による再変動演出(予め定めた時間調整演出)が実行される。従って、この時間調整演出の実行内容にバラエティを持たせれば、特定遊技状態での遊技演出の種類を豊富にできる、即ち、多彩な遊技演出の実現に貢献できる。
(4)視覚的に遊技演出内容を認識できるために遊技者が遊技中において最も関心を持つ可変表示器(表示手段)18での特図ゲーム(遊技演出)が遊技者の認識している遊技状態に即した進行態様と矛盾することなく確実に実行されることになる。従って、主制御基板26のROM26bでの記憶容量の増加を抑制しながら、遊技者に対しては可変表示器18において多彩な遊技演出(表示演出)を見る機会を増加させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣向上を効果的に図ることができる。
(5)遊技状態が特定遊技状態である場合には、統括CPU30aは、メインCPU26aが共用演出パターン(例えば、演出パターンP1)及び特定遊技状態専用演出パターン(例えば、演出パターンP2)を選択決定しても、必ず特定遊技状態専用演出プログラムPRを選択決定する。そして、表示制御基板27のサブCPU(表示制御手段)27aは、前記特定遊技状態専用演出プログラムに対応する演出実行データに基づく表示演出を可変表示器(表示手段)18で実行させる。そのため、可変表示器18(特別図柄表示領域H1)では、特図ゲームに係る表示演出において、中特図(最後に仮停止表示させる図柄)以外の左特図及び右特図は、通常遊技状態専用演出プログラムの場合と比して、特図ゲーム(図柄変動)を開始させてから短い時間内で一旦停止表示(仮停止表示)させることになる。従って、左特図及び右特図の一旦停止表示を含んでなる表示演出の進行態様により遊技者には特定遊技状態に即した遊技演出が実行されていると実感させることができる。
(6)遊技状態が特定遊技状態である場合において遊技中の遊技者は、右列による再変動演出(時間調整演出)による図柄変動が可変表示器(表示手段)18で開始されると、当該図柄変動の後に大当りの図柄組み合わせで確定停止表示されることになるかも知れないという期待を抱くため、遊技に対する興趣向上を一層確実に図ることができる。
(7)特定遊技状態にあるパチンコ機10で遊技中の遊技者は、特図ゲーム(図柄変動)の開始後において左特図及び右特図(二つの図柄)が一致することなく一旦停止表示(仮停止表示)されたことで、大当りの図柄組み合わせを諦めかけたときに右列による所謂すべり演出(再変動演出)が開始されることになる。そのため、遊技者は、再び大当りの図柄組み合わせとなることへの期待を強く持ち続けることになり、遊技者の遊技に対する興趣を良好に維持させて遊技を継続させることができる。
(8)リーチ演出を含む表示演出(遊技演出)をメインCPU26aでの共用演出パターン(例えば、演出パターンP4)の選択に基づき実行する場合でも、遊技者に対して遊技状態との関係で違和感を与えることなく、主制御基板26におけるROM26bの記憶容量等の増加を抑制しつつ可変表示器(表示手段)18により多彩な遊技演出(表示演出)を実現できる。
(9)可変表示器18による表示演出だけでなく、装飾ランプ(発光演出手段)16による発光演出及びスピーカ(音声出力手段)17による音声演出でも遊技状態に即した遊技演出を主制御基板(メイン制御手段)26におけるROM26bの記憶容量等の増加を抑制しつつ多彩に実現することができ、より一層、遊技者の遊技に対する興趣向上を図ることができる。
(10)パチンコ機10における特図ゲーム(遊技演出)の消化を効率的にするために、当該特図ゲームの開始から少なくとも右特図が一旦停止する時点(途中時点)までの実行内容を通常遊技状態の場合よりも短時間内に実行させるための特定遊技状態として様々な状態を設定した。即ち、特定遊技状態として、確変状態(高確率状態)、時短状態(時間短縮状態)、始動保留球多数記憶状態及び始動保留球長時間記憶状態というように複数種(4種類)の遊技状態を設定した。従って、それら複数の各特定遊技状態において、パチンコ機10における遊技演出を遊技状態に即した進行態様で的確に実行することができる。
なお、本実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・前記実施形態において、特定遊技状態は、確変状態(高確率状態)、時短状態(時間短縮状態)、始動保留球多数記憶状態及び始動保留球長時間記憶状態の全ての遊技状態でなくてもよい。例えば、確変状態の場合のみを特定遊技状態と設定してもよい。また、例えば、始動入賞ゲート24を遊技球が通過(即ち、ゲートセンサSE2が遊技球を検知)してからの所定時間の遊技状態等を特定遊技状態と設定してもよい。
・前記実施形態において、表示制御基板27(サブCPU27a)、ランプ制御基板28(サブCPU28b)及び音声制御基板29(サブCPU29a)を制御する統括制御基板30を設けなくてもよい。この場合、演出プログラムPRは、前記各制御基板27〜29(ROM27a〜29a)に設定記憶され、各サブCPU27a〜29aは、主制御基板26(メインCPU26a)から出力された演出パターン指定コマンドと遊技状態(通常遊技状態又は特定遊技状態)の判定結果から演出プログラムPRを選択決定することになる。
・前記実施形態において、演出パターンP4,P7のようにリーチ演出が実行される共用演出パターンに対応する特定遊技状態専用演出プログラム(演出プログラムP4−2,P7−2)では、必ずしも所謂すべり演出(再変動演出)を実行しなくてもよい。
・前記実施形態において、左特図及び右特図の一旦停止後に、左列による再変動演出(所謂すべり演出)が実行されるような制御構成であってもよい。また、左列と右列とが共に再変動演出を実行するようにしてもよい。
・前記実施形態において、特図ゲームは、任意数列(例えば4列等)の図柄による図柄組み合わせであってもよい。
・前記実施形態において、共用演出パターン(例えば演出パターンP1)に対応付けられた特定遊技状態専用演出プログラム(例えば演出プログラムPR1−2)は、例えばリーチ演出等の任意の時間調整演出を実行させる構成であってもよい。また、必ずしも時間調整演出を実行しなくてもよい。
・前記実施形態において、特定遊技状態では、遊技演出の進行態様を、特図ゲームの開始から右特図が一旦停止するまでの変動経過時間が、通常遊技状態での通常進行態様における場合の特図ゲームの開始から左特図が一旦停止するまでの変動経過時間よりも長時間であり、且つ特図ゲームの開始から右特図が一旦停止するまでの変動経過時間よりも短時間となる特定進行態様にしてもよい。
・前記実施形態において、予め定められた途中時点は、例えば特図ゲーム中における左特図が一旦停止表示される時点等、右特図が一旦停止表示される時点以外の任意の時点であってもよい。
・前記実施形態において、共用演出パターン(例えば演出パターンP1)に対応付けられた特定遊技状態専用演出プログラム(例えば演出パターンPR1−2)と、特定遊技状態専用演出パターン(例えば演出パターン2)に対応付けられた特定遊技状態専用演出プログラム(例えば演出プログラムPR2)とは、右特図が一旦停止表示されるまでの進行態様を異なるようにしてもよい。例えば、特図ゲームが開始してから左特図が一旦停止するまでの変動経過時間を演出プログラムPR毎に変更してもよい。
・前記実施形態において、通常遊技状態専用演出パターン(演出パターンP3,P6,P9)をROM26bに記憶管理させなくてもよい。即ち、共用演出パターンと特定遊技状態専用演出パターンのみROM26bに記憶管理させる構成であってもよい。
・前記実施形態において、特図ゲームにおける図柄組み合わせを構成する各列の図柄に数字を模した図柄だけではなく飾り図柄(例えば、キャラクタ等)を用いてもよい。
10…パチンコ遊技機(遊技機)、16…装飾ランプ(遊技演出実行手段、発光演出手段)、17…スピーカ(遊技演出実行手段)、18…可変表示器(遊技演出実行手段、表示手段)、26…主制御基板(メイン制御手段)、26a…メインCPU(遊技状態判定手段)、27…表示制御基板(サブ制御手段)、27a…サブCPU(表示制御手段)、28…ランプ制御基板(サブ制御手段)、28a…サブCPU(発光制御手段)、29…音声制御基板(サブ制御手段)、29a…サブCPU(音声制御手段)、30…統括制御基板(サブ制御手段)、30a…統括CPU(遊技状態判定手段、統括制御手段)、P…演出パターン、P1…演出パターン(共用演出パターン)、P2…演出パターン(特定遊技状態専用演出パターン)、P3…演出パターン(通常遊技状態専用演出パターン)、P4…演出パターン(共用演出パターン)、P5…演出パターン(特定遊技状態専用演出パターン)、P6…演出パターン(通常遊技状態専用演出パターン)、P7…演出パターン(共用演出パターン)、P8…演出パターン(特定遊技状態専用演出パターン)、P9…演出パターン(通常遊技状態専用演出パターン)、PR…演出プログラム、PR1−1…演出プログラム(通常遊技状態専用演出プログラム)、PR1−2…演出プログラム(特定遊技状態専用演出プログラム)、PR2…演出プログラム(特定遊技状態専用演出プログラム)、PR3…演出プログラム(通常遊技状態専用演出プログラム)、PR4−1…演出プログラム(通常遊技状態専用演出プログラム)、PR4−2…演出プログラム(特定遊技状態専用演出プログラム)、PR5…演出プログラム(特定遊技状態専用演出プログラム)、PR6…演出プログラム(通常遊技状態専用演出プログラム)、PR7−1…演出プログラム(通常遊技状態専用演出プログラム)、PR7−2…演出プログラム(特定遊技状態専用演出プログラム)、PR8…演出プログラム(特定遊技状態専用演出プログラム)、PR9…演出プログラム(通常遊技状態専用演出プログラム)、T…遊技演出時間、T1〜T9…遊技演出時間。