以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図14に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、各種遊技の状態(図柄変動、大当り遊技状態など)に応じて点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部(パチンコ機10の下部)には、前記遊技の状態に応じて各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器(表示手段)HZを備えた表示装置21が配設されている。可変表示器HZでは、変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、可変表示器HZでは、表示演出に関連して、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせを構成する各列の図柄の種類を0,1,2,3,4,5,6,7の8種類の数字としている。そして、図柄組み合わせゲームでは、当該ゲームの導出結果となる図柄組み合わせが可変表示器HZに定められる有効ラインY上に表示されるようになっている。図柄組み合わせゲームでは、有効ラインY上に表示された図柄組み合わせが有効となる。図2は、可変表示器HZに定められる1本の有効ラインY上に図柄組み合わせ[777]が表示された様子を示している。なお、図2では、有効ラインYを直線的に示しているが、有効ラインYは、例えば「V字」状など直線的なものでなくても良い。
従って、遊技者は、可変表示器HZに最終的に表示されると共に有効ラインY上に表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。即ち、1本の有効ラインY上に表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([111][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの組み合わせが最終的(確定的)に表示された場合、遊技者には、大当り遊技状態(特別遊技状態)が付与される。また、1本の有効ラインY上に表示された全列の図柄が異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([234][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10は、遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄が表示されるようになっている。そして、1本の有効ラインY上に表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチを認識できる。このリーチを認識できる図柄組み合わせがリーチの組み合わせとなる。
また、表示装置21の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う開閉羽根22を備えた始動入賞口23が配設されている。始動入賞口23の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口23は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件を付与し得る。本実施形態では、始動入賞口23及び始動口センサSE1によって始動入賞手段が構成されている。また、始動入賞口23の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた大入賞口25が配設されている。大入賞口25は、図柄組み合わせゲームによって導出され、最終的に表示された図柄組み合わせが大当りの組み合わせになったことに関連して大入賞口扉24が開閉動作し、開放又は閉鎖されるようになっている。そして、大当り遊技状態が付与されると、大入賞口扉24の開閉動作によって大入賞口25が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
また、始動入賞口23の左方には、作動ゲート26が配設されている。作動ゲート26の奥方には、入賞した遊技球を通過検知するゲートセンサSE2(図3参照)が設けられている。作動ゲート26は、遊技球の通過検知を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。普通図柄変動ゲームは、始動入賞口23の開閉羽根22を開動作させるか否か(始動入賞口23に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出するために行われる演出である。始動入賞口23は、開閉羽根22が開動作すると、入り口が拡大されて遊技球が入賞し易い状態とされる。なお、普通図柄変動ゲームは、可変表示器HZによる表示演出で行っても良いし、ランプなどの発光手段による発光演出で行っても良い。
また、表示装置21には、機内部(主制御基板28のRAM28c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)に基づく保留中の図柄組み合わせゲームの回数を報知する保留球数表示器27が配設されている(図2参照)。保留記憶数は、始動入賞口23へ遊技球が入賞すると1加算(+1)され、図柄組み合わせゲームの開始によって1減算(−1)され、図柄組み合わせゲーム中に始動入賞口23へ遊技球が入賞すると保留記憶数は更に加算(+1)されて所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。保留球数表示器27は、保留1ランプ27a、保留2ランプ27b、保留3ランプ27c及び保留4ランプ27dからなる複数(4個)の発光手段で構成されている。例えば、保留1ランプ27aのみが点灯している場合には1回の図柄組み合わせゲームが保留中であることを報知している。
また、本実施形態のパチンコ機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮された時短状態(特定遊技状態)を遊技者に付与する機能である。時短状態が付与されると、1回の普通図柄変動ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから停止する迄の時間)が、例えば、30秒(時短状態が付与されていないとき)から5秒(時短状態が付与されているとき)に短縮される。本実施形態において時短状態は、全ての大当り遊技状態終了後、所定回数(例えば、100回)の図柄組み合わせゲームが終了する迄、又は所定回数に達する前に大当り遊技状態が生起される迄の間、付与される。時短状態中は、普通図柄変動ゲームにおいて抽選結果が早く導出されることから、単位時間当りの開閉羽根22の開閉動作回数も多くなる。そのため、時短状態中は、当該時短状態が付与されていない通常遊技状態中に比べて始動入賞口23への遊技球の入賞率が高くなる。従って、時短状態は、大当り遊技状態中に遊技者が獲得した賞球(持ち球)を大幅に減らすことなく図柄組み合わせゲームの始動条件を得ることができ、遊技者に有利な状態である。
また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄組み合わせゲームにおいて図柄組み合わせを表示する有効ラインYの本数を変更(増加又は減少)する演出が実行されるようになっている。本実施形態において可変表示器HZには、1本、2本又は4本の何れかの有効ラインYが定められ、その定められた有効ラインY上に図柄組み合わせを表示させるように図柄組み合わせゲームが行われる。可変表示器HZに1本の有効ラインYが定められる場合には、その1本の有効ラインY上に図柄組み合わせを表示させるように図柄組み合わせゲームが行われる(図4(a))。また、可変表示器HZに2本の有効ラインYが定められる場合には、その2本の有効ラインY上にそれぞれ図柄組み合わせを表示させるように図柄組み合わせゲームが行われる(図4(b))。また、可変表示器HZに4本の有効ラインYが定められる場合には、その4本の有効ラインY上にそれぞれ図柄組み合わせを表示させるように図柄組み合わせゲームが行われる(図4(c))。
また、本実施形態のパチンコ機10には、異なる演出態様で図柄組み合わせゲームを行わせることが可能な複数(本実施形態では3種類)の演出モード(以下、「モード」と示す)M1,M2,M3が設けられている。そして、通常遊技状態時には、モードM1〜M3に応じた演出態様で図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。本実施形態においてモードM1〜M3は、図柄組み合わせゲームの演出態様として有効ラインYの本数と対応付けられており、モードM1が有効ラインYの本数「1」と、モードM2が有効ラインYの本数「2」と、モードM3が有効ラインYの本数「4」と対応付けられている。この対応付けにより、図柄組み合わせゲームは、モードM1〜M3に応じた本数の有効ラインYが可変表示器20に定められ、該有効ラインY上に図柄組み合わせを表示させるように行われる。
また、モードは、該モードを切り替えるか否かの切替判定(図11のモード切替処理)が肯定判定された場合に切り替えられるようになっている。モードが切り替えられた場合には、有効ラインYの本数を変更(増加又は減少)する演出が実行されるようになっている。例えば、モードM1からモードM2に切り替えられた場合には、有効ラインYの本数が「1」から「2」に増加する演出が実行され、その逆にモードM2からモードM1に切り替えられた場合には、有効ラインYの本数が「2」から「1」に減少する演出が実行されることとなる。
次に、パチンコ機10の制御構成を図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板28が装着されている。主制御基板28は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御コマンドを演算処理する。そして、主制御基板28は、制御コマンドを所定の制御信号として出力する。また、機裏側には、可変表示器HZを制御する表示制御基板29、装飾ランプ16と保留球数表示器27を制御するランプ制御基板30、及びスピーカ17を制御する音声制御基板31が装着されている。前記各制御基板29〜31は、主制御基板28が出力した各種の制御信号(制御コマンド)を入力し、該制御信号に対応する制御コマンドに基づいて遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)の制御を実行する。本実施形態において、表示制御基板29、ランプ制御基板30及び音声制御基板31は、前述のように制御対象が各別に定められており、該制御対象を専門的に制御することから、メイン制御手段である主制御基板28に対し、サブ制御手段(図3において破線で囲む)として機能する。
以下、主制御基板28及び表示制御基板29について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板28は、メインCPU28aを備えており、該メインCPU28aにはROM28b及びRAM28cが接続されている。メインCPU28aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新し、更新後の値をRAM28cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。RAM28cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。一方、ROM28bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラムや、複数種類(本実施形態では15種類)の変動パターン(演出パターン)が記憶されている。
変動パターンは、パチンコ機10で行われる遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。変動パターンには、当該変動パターン毎に、図柄の変動開始から全列の図柄が停止する迄の演出時間(変動時間)が定められている。また、変動パターンは、大当り演出用の変動パターンとはずれ演出用の変動パターンに大別され、はずれ演出用の変動パターンはさらにリーチありのはずれ演出用の変動パターンとリーチなしのはずれ演出用の変動パターンとに分類されている。そして、変動パターンは、前述のように分類されることにより、図柄組み合わせゲームの演出内容を特定可能とされている。本実施形態では、ROM28bが、演出内容記憶手段となる。
前記大当り演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの組み合わせを表示するように展開される演出である。リーチありのはずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの組み合わせを表示するように展開される演出である(はずれリーチ演出)。リーチなしのはずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経ることなく、最終的にはずれの組み合わせを表示するように展開される演出である。また、リーチ演出は、リーチが形成(リーチの組み合わせが表示)されてから、大当りの組み合わせ又ははずれの組み合わせが表示される迄の間に行われる演出であり、1回の図柄組み合わせゲームにおける大当りか否か(当否)の可能性を示唆する演出である。そのため、リーチ演出が行われることにより、遊技者は大当りへの期待感を高めることとなる。
以下、大当り演出用の変動パターンを「大当りパターン」と示し、リーチありのはずれ演出用の変動パターンを「リーチありのはずれパターン」と示し、リーチなしのはずれ演出用の変動パターンを「リーチなしのはずれパターン」と示す。また、以下の説明において、「変動パターン」と記載した場合には「大当りパターン」と、「リーチありのはずれパターン」と、「リーチなしのはずれパターン」とを含むものとし、「はずれパターン」と記載した場合には「リーチありのはずれパターン」と「リーチなしのはずれパターン」を含むものとする。
また、複数種類の変動パターンは、大当り演出用、リーチありのはずれ演出用、及びリーチなしのはずれ演出用に分類された変動パターン振分テーブルに夫々振分けられており、各テーブルに振分けられた変動パターンには、変動パターン振分乱数の値が対応付けられている。以下、大当りパターンが振分けられた大当り演出用の変動パターン振分テーブルを「大当りテーブル」と示す。また、リーチありのはずれパターンが振分けられたリーチありのはずれ演出用の変動パターン振分テーブルを「リーチありのはずれテーブル」と示し、リーチなしのはずれパターンが振分けられたリーチなしのはずれ演出用の変動パターン振分テーブルを「リーチなしのはずれテーブル」と示す。
ここで、本実施形態においてROM28bに記憶された複数種類の変動パターンと、該変動パターンの振分け態様について図5及び図6に基づき詳しく説明する。
本実施形態では、6種類の大当りパターンP1,P4,P5,P9,P10,P11と、3種類のリーチなしのはずれパターンP2,P6,P12と、6種類のリーチありのはずれパターンP3,P7,P8,P13,P14,P15が記憶されている。そして、前記各パターンP1〜P15には、当該各パターンP1〜P15毎に、図柄組み合わせゲームにおいて図柄組み合わせを表示させる有効ラインYの本数が予め定められている。本実施形態では、有効ラインYの本数として「1(本)」「2(本)」「4(本)」の3種類の何れかが定められている。なお、有効ラインYの本数「1」が最少本数となり、有効ラインYの本数「2」と「4」が最少本数よりも多い本数となる。
大当りパターンP1と、リーチなしのはずれパターンP2と、リーチありのはずれパターンP3には、有効ラインYの本数として「1」が定められている。これらの各パターンP1〜P3で図柄組み合わせゲームが行われると、当該ゲームでは、1本の有効ラインY上に図柄組み合わせが最終的に表示されることとなる。また、大当りパターンP4,P5と、リーチなしのはずれパターンP6と、リーチありのはずれパターンP7,P8には、有効ラインYの本数として「2」が定められている。これらの各パターンP4〜P8で図柄組み合わせゲームが行われると、当該ゲームでは、2本の有効ラインY上に図柄組み合わせが最終的に表示されることとなる。また、大当りパターンP9,P10,P11と、リーチなしのはずれパターンP12と、リーチありのはずれパターンP13,P14,P15には、有効ラインYの本数として「4」が定められている。これらの各パターンP9〜P15で図柄組み合わせゲームが行われると、当該ゲームでは、4本の有効ラインY上に図柄組み合わせが最終的に表示されることとなる。
また、本実施形態では、6つの大当りテーブルA,D,G,Jと、6つのリーチなしのはずれテーブルB,E,H,Kと、6つのリーチありのはずれテーブルC,F,I,Lが用意されている。以下、各テーブルA〜Lについて詳しく説明する。
最初に、大当りテーブルA,D,Gと、リーチなしのはずれテーブルB,E,Hと、リーチありのはずれテーブルC,F,Iについて図5を用いて説明する。
大当りテーブルAには、大当りパターンP1,P5,P10が振分けられている。大当りパターンP1,P5,P10には、大当りテーブルAから前記各パターンP1,P5,P10を選択決定する際の選択割合(%)が順に「50」「30」「20」となるように変動パターン振分乱数の値が対応付けられている。大当りテーブルDには、大当りパターンP1,P4,P11が振分けられている。大当りパターンP1,P4,P11には、大当りテーブルDから前記各パターンP1,P4,P11を選択決定する際の選択割合(%)が順に「10」「60」「30」となるように変動パターン振分乱数の値が対応付けられている。大当りテーブルGには、大当りパターンP1,P4,P9が振分けられている。大当りパターンP1,P4,P9には、大当りテーブルGから前記各パターンP1,P4,P9を選択決定する際の選択割合(%)が順に「10」「10」「80」となるように変動パターン振分乱数の値が対応付けられている。
リーチなしのはずれテーブルBには、リーチなしのはずれパターンP2が振分けられている。リーチなしのはずれパターンP2には、リーチなしのはずれテーブルBからリーチなしのはずれパターンP2を選択決定する際の選択割合(%)が「100」となるように変動パターン振分乱数の値が対応付けられている。リーチなしのはずれテーブルEには、リーチなしのはずれパターンP2,P6が振分けられている。リーチなしのはずれパターンP2,P6には、リーチなしのはずれテーブルEから前記各パターンP2,P6を選択決定する際の選択割合(%)が順に「20」「80」となるように変動パターン振分乱数の値が対応付けられている。リーチなしのはずれテーブルHには、リーチなしのはずれパターンP2,P6,P12が振分けられている。リーチなしのはずれパターンP2,P6,P12には、リーチなしのはずれテーブルHから前記各パターンP2,P6,P12を選択決定する際の選択割合(%)が順に「30」「50」「20」となるように変動パターン振分乱数の値が対応付けられている。
リーチありのはずれテーブルCには、リーチありのはずれパターンP3,P8,P14が振分けられている。リーチありのはずれパターンP3,P8,P14には、リーチありのはずれテーブルCから前記各パターンP3,P8,P14を選択決定する際の選択割合(%)が順に「70」「20」「10」となるように変動パターン振分乱数の値が対応付けられている。リーチありのはずれテーブルFには、リーチありのはずれパターンP3,P7,P15が振分けられている。リーチありのはずれパターンP3,P7,P15には、リーチありのはずれテーブルFから前記各パターンP3,P7,P15を選択決定する際の選択割合(%)が順に「10」「60」「30」となるように変動パターン振分乱数の値が対応付けられている。リーチありのはずれテーブルIには、リーチありのはずれパターンP3,P7,P13が振分けられている。リーチありのはずれパターンP3,P7,P13には、リーチありのはずれテーブルIから前記各パターンP3,P7,P13を選択決定する際の選択割合(%)が順に「10」「10」「80」となるように変動パターン振分乱数の値が対応付けられている。
これらの各テーブルA〜Iは、通常遊技状態時に、変動パターンを選択決定する際に用いるテーブルとされている。そして、各テーブルA〜Iは、各モードM1〜M3に対応付けられている。詳しく言えば、大当りテーブルAと、リーチなしのはずれテーブルBと、リーチありのはずれテーブルCは、モードM1に対応付けられている。また、大当りテーブルDと、リーチなしのはずれテーブルEと、リーチありのはずれテーブルFは、モードM2に対応付けられている。また、大当りテーブルGと、リーチなしのはずれテーブルHと、リーチありのはずれテーブルIは、モードM3に対応付けられている。
また、各モードM1〜M3に対応付けられた各テーブルA〜Iには、モードに相当する有効ラインYの本数が定められた変動パターンと共に、他の本数が定められた変動パターンが振分けられている。例えば、モードM1に対応付けられた大当りテーブルAには、有効ラインYの本数「1」が定められた大当りパターンP1に加えて、有効ラインYの本数「2」が定められた大当りパターンP5と有効ラインYの本数「4」が定められた大当りパターンP10が振分けられている。従って、各テーブルA〜I(本実施形態ではリーチなしのはずれテーブルBを除く)からは、モードに対応する有効ラインYの本数と同数が定められた変動パターン又は異なる本数が定められた変動パターンが、選択割合に応じて選択決定されるようになっている。
さらに、前記各テーブルA〜Iでは、前回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数が「2」又は「4」である場合(即ち、モードM2又はモードM3の場合)、今回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数として「2」又は「4」が選択され易くなるように選択割合が定められている。詳しく言えば、前回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数が「1」の時よりも前回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数が「2」又は「4」である時の方が、今回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数として「2」又は「4」を高い割合で選択できるようになっている。例えば、大当りテーブルAでは大当りパターンP5又は大当りパターンP10の何れかを選択する割合が「50(%)」であるのに対し、大当りテーブルDでは大当りパターンP4又は大当りパターンP11の何れかを選択する割合が「90(%)」に設定されている。同様に、大当りテーブルGでは、大当りパターンP4又は大当りパターンP9の何れかを選択する割合が「90(%)」に設定されている。即ち、モードM1の場合には、各テーブルA〜Cにおいて有効ラインYの本数「1」が定められた変動パターンが選択され易くなっている一方で、モードM2又はモードM3の場合には、各テーブルD〜Iにおいて有効ラインYの本数「2」又は「4」が定められた変動パターンが選択され易くなっている。
次に、大当りテーブルJと、リーチなしのはずれテーブルKと、リーチありのはずれテーブルLについて図6を用いて説明する。
大当りテーブルJには、大当りパターンP1が振分けられている。大当りパターンP1には、大当りテーブルJから大当りパターンP1を選択決定する際の選択割合(%)が「100」となるように変動パターン振分乱数の値が対応付けられている。リーチなしのはずれテーブルKには、リーチなしのはずれパターンP2が振分けられている。リーチなしのはずれパターンP2には、リーチなしのはずれテーブルKからリーチなしのはずれパターンP2を選択決定する際の選択割合(%)が「100」となるように変動パターン振分乱数の値が対応付けられている。リーチありのはずれテーブルLには、リーチありのはずれパターンP3が振分けられている。リーチありのはずれパターンP3には、リーチありのはずれテーブルLからリーチありのはずれパターンP3を選択決定する際の選択割合(%)が「100」となるように変動パターン振分乱数の値が対応付けられている。
これらの各テーブルJ〜Lは、時短状態時に変動パターンを決定する際に用いられるテーブルとされている。そして、各テーブルJ〜Lには、有効ラインYの本数として「1」が定められた大当りパターンP1と、リーチなしのはずれパターンP2と、リーチありのはずれパターンP3とが振分けられている。これらの各パターンP1〜P3は、各テーブルJ〜Lにおいて選択割合(%)が「100」に設定されているため、時短状態時には有効ラインYの本数として「1」が定められた各パターンP1〜P3のみが選択決定されることとなる。本実施形態では、各テーブルJ〜Lに振分けられた各パターンP1〜P3に基づく図柄組み合わせゲームの演出内容が、時短時(特定遊技状態時)用の演出内容となる。
また、ROM28bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り判定(大当り抽選)を行う際に用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る値の中から定められている。本実施形態では、大当り判定用乱数の値を「0〜946(全947通りの整数)」に定めていると共に、大当り判定値を「7,13,29」の3個の値に定めている。また、ROM28bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ判定を行う際に用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る値の中から定められている。本実施形態では、リーチ判定用乱数の値を「0〜12(全13通りの整数)」に定めていると共に、リーチ判定値を「7」の1個の値に定めている。
次に、表示制御基板29について説明する。
表示制御基板29は、サブCPU29aを備えており、該サブCPU29aにはROM29b及びRAM29cが接続されている。また、ROM29bには、図柄組み合わせゲーム、及び有効ラインYの本数を変更する演出を表示演出にて行わせるように可変表示器HZの表示内容を制御するための演出実行データが記憶されている。また、ROM29bには、各種の画像情報(図柄、背景、文字、登場キャラクタなどの画像情報)が記憶されている。一方、RAM29cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。本実施形態では、サブCPU29aが、演出制御手段として機能する。
以下、本実施形態のパチンコ機10において、主制御基板28(メインCPU28a)が実行する処理について図7〜図11を用いて詳しく説明する。
メインCPU28aは、所定の周期毎(例えば、4ms毎)にタイマ割込み処理(図示しない)を実行する。タイマ割込み処理にてメインCPU28aは、始動入賞口23に入賞した遊技球の入賞検知に係る入力処理(図7に詳述する)を実行する。また、タイマ割込み処理にてメインCPU28aは、大当り判定用乱数などの各種乱数を更新し、更新後の値をRAM28cの設定領域に設定して更新前の値を書き換える。また、タイマ割込み処理にてメインCPU28aは、図柄組み合わせゲームが実行中であるか否か判定し、その判定結果が否定(図柄組み合わせゲームが実行中ではない)の場合、図柄組み合わせゲームを開始させるために図柄組み合わせゲーム開始処理(図8〜図11に詳述する)を実行する。また、タイマ割込み処理にてメインCPU28aは、大当り遊技状態中であれば、大当り遊技状態に係る図示しない大当り遊技処理(大入賞口扉24の開放と閉鎖に係る処理など)を実行する。
最初に、タイマ割込み処理で実行される入力処理について図7に従って説明する。
入力処理においてメインCPU28aは、遊技球の入賞検知がなされたか否かを判定する(ステップS10)。ステップS10においてメインCPU28aは、遊技球の入賞検知時に始動口センサSE1が出力する検知信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が否定(入賞検知なし)の場合、メインCPU28aは、入力処理を終了する。ステップS10の判定結果が肯定(入賞検知あり)の場合、メインCPU28aは、RAM28cに記憶されている保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS11)。この判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、メインCPU28aは、入力処理を終了する。ステップS11の判定結果が肯定(保留記憶数<4)の場合、メインCPU28aは、保留記憶数を+1し、保留記憶数を書き換える(ステップS12)。続いて、メインCPU28aは、大当り判定用乱数の値をRAM28cから読み出して取得し(ステップS13)、当該読み出した大当り判定用乱数の値を保留記憶数に対応付けられたRAM28cの所定の記憶領域に設定する(ステップS14)。ステップS14にてメインCPU28aは、入賞順に従って大当り判定用乱数の値をRAM28cに設定する。その後、メインCPU28aは、入力処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理で実行される図柄組み合わせゲーム開始処理について図8に従って説明する。
図柄組み合わせゲーム開始処理においてメインCPU28aは、保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否か(保留中の図柄組み合わせゲームが存在するか否か)を判定する(ステップS20)。この判定結果が否定(保留記憶数=0)の場合、メインCPU28aは、保留中の図柄組み合わせゲームが存在しないので、図柄組み合わせゲーム開始処理を終了する。一方、ステップS20の判定結果が肯定(保留記憶数>0)の場合、メインCPU28aは、保留記憶数を−1し、保留記憶数を書き換える(ステップS21)。続いて、メインCPU28aは、保留記憶数に対応付けてRAM28cに記憶されている大当り判定用乱数の値を読み出す(ステップS22)。ステップS22にてメインCPU28aは、RAM28cに記憶されている大当り判定用乱数の値のうち、入賞順が一番早い大当り判定用乱数の値を読み出す。続いて、メインCPU28aは、ステップS22にて読み出した大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較して大当りか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23にてメインCPU28aは、大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較し、抽選確率(当選確率)を947分の3(=315.7分の1)に設定して大当り判定を行う。
ステップS23の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値=大当り判定値)の場合、メインCPU28aは、大当りを決定する。そして、メインCPU28aは、図柄組み合わせゲームにて有効ラインY上に大当りの組み合わせを表示させることから、大当り図柄を作成(決定)する(ステップS24)。大当り図柄を作成したメインCPU28aは、大当り図柄を指定する図柄指定コマンドをRAM28cにセットする。続いて、メインCPU28aは、大当りパターン決定処理(図9に詳述する)を実行し、大当りパターンを決定する(ステップS25)。ステップS25にて大当りパターンを決定したメインCPU28aは、その大当りパターンを指定する変動パターン指定コマンドをRAM28cにセットする。変動パターン指定コマンドは、図柄組み合わせゲームの開始を指示するコマンドでもある。その後、メインCPU28aは、ステップS29に移行する。
ステップS23の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値≠大当り判定値)の場合、メインCPU28aは、はずれを決定する。そして、メインCPU28aは、RAM28cからリーチ判定用乱数の値を読み出し、該値とリーチ判定値とを比較してリーチの有無を判定する(ステップS26)。ステップS26にてメインCPU28aは、リーチ判定を行う。続いて、メインCPU28aは、はずれパターン決定処理(図10に詳述する)を実行し、ステップS26の判定結果に応じて、リーチありのはずれパターン又はリーチなしのはずれパターンの何れかを決定する(ステップS27)。ステップS27にてリーチありのはずれパターン又はリーチなしのはずれパターンを決定したメインCPU28aは、そのはずれパターンを指定する変動パターン指定コマンドをRAM28cにセットする。続いて、メインCPU28aは、図柄組み合わせゲームにて有効ラインY上にはずれの組み合わせを表示させることから、はずれ図柄を作成(決定)する(ステップS28)。ステップS28にてメインCPU28aは、ステップS26の判定結果が肯定(リーチあり)の場合、有効ラインY上にリーチを形成するはずれの組み合わせ(例えば、[121][212]など)を表示させるはずれ図柄を作成する。一方、ステップS28にてメインCPU28aは、ステップS26の判定結果が否定(リーチなし)の場合、有効ラインY上にリーチを形成しないはずれの組み合わせ(例えば、[123][557]など)を表示させるはずれ図柄を作成する。はずれ図柄を作成したメインCPU28aは、はずれ図柄を指定する図柄指定コマンドをRAM28cにセットする。その後、メインCPU28aは、ステップS29に移行する。
ステップS29に移行したメインCPU28aは、ステップS25で決定した大当りパターン、又はステップS27で決定したリーチありのはずれパターン若しくはリーチなしのはずれパターンの種類に基づき、モードを切り替える(変更する)ためのモード切替処理(図11に詳述する)を実行する。その後、メインCPU28aは、図柄組み合わせゲーム開始処理を終了する。
次に、図柄組み合わせゲーム開始処理のステップS25で実行される大当りパターン決定処理について図9に従って説明する。
大当りパターン決定処理にてメインCPU28aは、時短状態中ではないか否か(通常遊技状態中であるか否か)を判定する(ステップS30)。メインCPU28aは、時短状態中、RAM28cに時短状態中であることを示す時短付与フラグを設定し、その時短付与フラグを設定していない場合にはステップS30を肯定判定し、時短付与フラグを設定した場合にはステップS30を否定判定する。ステップS30の判定結果が肯定の場合、メインCPU28aは、RAM28cに設定されているモードがモードM1であるか否か(前回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインの本数が「1」であるか否か)を判定する(ステップS31)。この判定結果が肯定(モードM1である)の場合、メインCPU28aは、変動パターン振分乱数の値をRAM28cから読み出して取得し、その取得した値に対応する大当りパターンを大当りテーブルAの中から選択決定する(ステップS32)。その後、メインCPU28aは、大当りパターン決定処理を終了する。
ステップS31の判定結果が否定(モードM1ではない)の場合、メインCPU28aは、RAM28cに設定されているモードがモードM2であるか否か(前回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインの本数が「2」であるか否か)を判定する(ステップS33)。この判定結果が肯定(モードM2である)の場合、メインCPU28aは、変動パターン振分乱数の値をRAM28cから読み出して取得し、その取得した値に対応する大当りパターンを大当りテーブルDの中から選択決定する(ステップS34)。その後、メインCPU28aは、大当りパターン決定処理を終了する。
ステップS33の判定結果が否定(モードM2ではない)の場合には、RAM28cに設定されているモードがモードM3(前回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインの本数が「4」)である。そのため、メインCPU28aは、変動パターン振分乱数の値をRAM28cから読み出して取得し、その取得した値に対応する大当りパターンを大当りテーブルGの中から選択決定する(ステップS35)。その後、メインCPU28aは、大当りパターン決定処理を終了する。
また、ステップS30の判定結果が否定の場合には、時短状態中である。そのため、メインCPU28aは、変動パターン振分乱数の値をRAM28cから読み出して取得し、その取得した値に対応する大当りパターンを大当りテーブルJの中から選択決定する(ステップS36)。その後、メインCPU28aは、大当りパターン決定処理を終了する。
次に、図柄組み合わせゲーム開始処理のステップS27で実行されるはずれパターン決定処理について図10に従って説明する。
はずれパターン決定処理にてメインCPU28aは、ステップS26のリーチ判定にてリーチありを決定したか否かを判定する(ステップS40)。この判定結果が肯定(リーチあり)の場合、メインCPU28aは、時短状態中ではないか否か(通常遊技状態中であるか否か)を判定する(ステップS41)。ステップS41の判定結果が肯定の場合、メインCPU28aは、RAM28cに設定されているモードがモードM1であるか否か(前回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインの本数が「1」であるか否か)を判定する(ステップS42)。この判定結果が肯定(モードM1である)の場合、メインCPU28aは、変動パターン振分乱数の値をRAM28cから読み出して取得し、その取得した値に対応するリーチありのはずれパターンをリーチありのはずれテーブルCの中から選択決定する(ステップS43)。その後、メインCPU28aは、はずれパターン決定処理を終了する。
ステップS42の判定結果が否定(モードM1ではない)の場合、メインCPU28aは、RAM28cに設定されているモードがモードM2であるか否か(前回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインの本数が「2」であるか否か)を判定する(ステップS44)。この判定結果が肯定(モードM2である)の場合、メインCPU28aは、変動パターン振分乱数の値をRAM28cから読み出して取得し、その取得した値に対応するリーチありのはずれパターンをリーチありのはずれテーブルFの中から選択決定する(ステップS45)。その後、メインCPU28aは、はずれパターン決定処理を終了する。
ステップS44の判定結果が否定(モードM2ではない)の場合には、RAM28cに設定されているモードがモードM3(前回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインの本数が「4」)である。そのため、メインCPU28aは、変動パターン振分乱数の値をRAM28cから読み出して取得し、その取得した値に対応するリーチありのはずれパターンをリーチありのはずれテーブルIの中から選択決定する(ステップS46)。その後、メインCPU28aは、はずれパターン決定処理を終了する。
また、ステップS41の判定結果が否定の場合には、時短状態中である。そのため、メインCPU28aは、変動パターン振分乱数の値をRAM28cから読み出して取得し、その取得した値に対応するリーチありのはずれパターンをリーチありのはずれテーブルLの中から選択決定する(ステップS47)。その後、メインCPU28aは、はずれパターン決定処理を終了する。
また、ステップS40の判定結果が否定(リーチなし)の場合、メインCPU28aは、時短状態中ではないか否かを判定する(ステップS48)。この判定結果が肯定の場合、メインCPU28aは、RAM28cに設定されているモードがモードM1であるか否かを判定する(ステップS49)。この判定結果が肯定(モードM1である)の場合、メインCPU28aは、変動パターン振分乱数の値をRAM28cから読み出して取得し、その取得した値に対応するリーチなしのはずれパターンをリーチなしのはずれテーブルBの中から選択決定する(ステップS50)。その後、メインCPU28aは、はずれパターン決定処理を終了する。
ステップS49の判定結果が否定(モードM1ではない)の場合、メインCPU28aは、RAM28cに設定されているモードがモードM2であるか否かを判定する(ステップS51)。この判定結果が肯定(モードM2である)の場合、メインCPU28aは、変動パターン振分乱数の値をRAM28cから読み出して取得し、その取得した値に対応するリーチなしのはずれパターンをリーチなしのはずれテーブルEの中から選択決定する(ステップS52)。その後、メインCPU28aは、はずれパターン決定処理を終了する。
ステップS51の判定結果が否定(モードM2ではない)の場合には、RAM28cに設定されているモードがモードM3である。そのため、メインCPU28aは、変動パターン振分乱数の値をRAM28cから読み出して取得し、その取得した値に対応するリーチなしのはずれパターンをリーチなしのはずれテーブルHの中から選択決定する(ステップS53)。その後、メインCPU28aは、はずれパターン決定処理を終了する。
また、ステップS48の判定結果が否定の場合には、時短状態中である。そのため、メインCPU28aは、変動パターン振分乱数の値をRAM28cから読み出して取得し、その取得した値に対応するリーチなしのはずれパターンをリーチなしのはずれテーブルKの中から選択決定する(ステップS54)。その後、メインCPU28aは、はずれパターン決定処理を終了する。
前述のようにメインCPU28aは、大当りパターン決定処理(図9)及びはずれパターン決定処理(図10)において、変動パターンの決定前に遊技状態(時短状態であるか、通常遊技状態であるか)を判定する(ステップS30,S41,S48)。そして、通常遊技状態である場合には、RAM28cに設定されているモードを確認し(ステップS31,S33,S42,S44,S49,S51)、そのモードに基づき変動パターンを決定する(ステップS32,S34,S35,S43,S45,S46,S50,S52,S53)。その結果、前回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数を確認しつつ、今回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数が決定されることになり、前回と今回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数を関連付けることができる。そして、図5に示すように各テーブルA〜Iに対して変動パターンを振分けることにより、前回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数が今回の図柄組み合わせゲームに継続し易くなる。即ち、前回と今回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数が同数となる可能性が高くなる。
その一方で、時短状態である場合には、モードを確認することなく、変動パターンを決定する(ステップS36,S47,S54)。そして、時短状態時には、有効ラインYの本数として「1」が定められた変動パターンが選択決定されるようになっている。そのため、時短状態時には、1本の有効ラインY上に図柄組み合わせを表示させるように図柄組み合わせゲームが行われ、有効ラインYの本数が変更されない。
次に、図柄組み合わせゲーム開始処理のステップS29で実行されるモード切替処理について図11に従って説明する。
モード切替処理にてメインCPU28aは、時短状態中ではないか否かを判定する(ステップS60)。ステップS60の判定結果が否定の場合、メインCPU28aは、モード切替処理を終了する。ステップS60の判定結果が肯定の場合、メインCPU28aは、RAM28cに設定されているモードがモードM1であるか否かを判定する(ステップS61)。この判定結果が肯定(モードM1である)の場合、メインCPU28aは、ステップS25の大当りパターン決定処理又はステップS27のはずれパターン決定処理にて決定した変動パターンに定められた有効ラインYの本数が「2」であるか否かを判定する(ステップS62)。この判定結果が肯定(有効ラインYが2本である)の場合、メインCPU28aは、RAM28cに設定されているモードをモードM1からモードM2に変更する(ステップS63)。そして、メインCPU28aは、モードをモードM1からモードM2に変更することを指示する切替コマンドaをRAM28cにセットし(ステップS64)、モード切替処理を終了する。
ステップS62の判定結果が否定(有効ラインYが2本ではない)の場合、メインCPU28aは、大当りパターン決定処理又ははずれパターン決定処理にて決定した変動パターンに定められた有効ラインYの本数が「4」であるか否かを判定する(ステップS65)。この判定結果が肯定(有効ラインYが4本である)の場合、メインCPU28aは、RAM28cに設定されているモードをモードM1からモードM3に変更する(ステップS66)。そして、メインCPU28aは、モードをモードM1からモードM3に変更することを指示する切替コマンドbをRAM28cにセットし(ステップS67)、モード切替処理を終了する。一方、ステップS65の判定結果が否定(有効ラインYが4本ではない)の場合、メインCPU28aは、モード切替を行わないので、モード切替処理を終了する。即ち、ステップS65の処理は、変動パターンに定められた有効ラインYの本数が「1」の時に否定判定される。そのため、メインCPU28aは、前回と今回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数が何れも「1」であり、両ゲームにおける有効ラインYの本数が同数であることから、モード切替を行わない(有効ラインYの本数を変更する演出を実行させない)。
ステップS61の判定結果が否定(モードM1ではない)の場合、メインCPU28aは、RAM28cに設定されているモードがモードM2であるか否かを判定する(ステップS68)。この判定結果が肯定(モードM2である)の場合、メインCPU28aは、大当りパターン決定処理又ははずれパターン決定処理にて決定した変動パターンに定められた有効ラインYの本数が「1」であるか否かを判定する(ステップS69)。この判定結果が肯定(有効ラインYが1本である)の場合、メインCPU28aは、RAM28cに設定されているモードをモードM2からモードM1に変更する(ステップS70)。そして、メインCPU28aは、モードをモードM2からモードM1に変更することを指示する切替コマンドcをRAM28cにセットし(ステップS71)、モード切替処理を終了する。
ステップS69の判定結果が否定(有効ラインYが1本ではない)の場合、メインCPU28aは、大当りパターン決定処理又ははずれパターン決定処理にて決定した変動パターンに定められた有効ラインYの本数が「4」であるか否かを判定する(ステップS72)。この判定結果が肯定(有効ラインYが4本である)の場合、メインCPU28aは、RAM28cに設定されているモードをモードM2からモードM3に変更する(ステップS73)。そして、メインCPU28aは、モードをモードM2からモードM3に変更することを指示する切替コマンドdをRAM28cにセットし(ステップS74)、モード切替処理を終了する。一方、ステップS72の判定結果が否定(有効ラインYが4本ではない)の場合、メインCPU28aは、モード切替を行わないので、モード切替処理を終了する。即ち、ステップS72の処理は、変動パターンに定められた有効ラインYの本数が「2」の時に否定判定される。そのため、メインCPU28aは、前回と今回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数が何れも「2」であり、両ゲームにおける有効ラインYの本数が同数であることから、モード切替を行わない(有効ラインYの本数を変更する演出を実行させない)。
ステップS68の判定結果が否定(モードM2ではない)の場合には、RAM28cに設定されているモードがモードM3である。そのため、メインCPU28aは、大当りパターン決定処理又ははずれパターン決定処理にて決定した変動パターンに定められた有効ラインYの本数が「1」であるか否かを判定する(ステップS75)。この判定結果が肯定(有効ラインYが1本である)の場合、メインCPU28aは、RAM28cに設定されているモードをモードM3からモードM1に変更する(ステップS76)。そして、メインCPU28aは、モードをモードM3からモードM1に変更することを指示する切替コマンドeをRAM28cにセットし(ステップS77)、モード切替処理を終了する。
ステップS75の判定結果が否定(有効ラインYが1本ではない)の場合、メインCPU28aは、大当りパターン決定処理又ははずれパターン決定処理にて決定した変動パターンに定められた有効ラインYの本数が「2」であるか否かを判定する(ステップS78)。この判定結果が肯定(有効ラインYが2本である)の場合、メインCPU28aは、RAM28cに設定されているモードをモードM3からモードM2に変更する(ステップS79)。そして、メインCPU28aは、モードをモードM3からモードM2に変更することを指示する切替コマンドfをRAM28cにセットし(ステップS80)、モード切替処理を終了する。一方、ステップS78の判定結果が否定(有効ラインYが2本ではない)の場合、メインCPU28aは、モード切替を行わないので、モード切替処理を終了する。即ち、ステップS78の処理は、変動パターンに定められた有効ラインYの本数が「4」の時に否定判定される。そのため、メインCPU28aは、前回と今回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数が何れも「4」であり、両ゲームにおける有効ラインYの本数が同数であることから、モード切替を行わない(有効ラインYの本数を変更する演出を実行させない)。
前述のようにメインCPU28aは、モード切替処理(図11)において、切替判定を行う前に遊技状態(時短状態であるか、通常遊技状態であるか)を判定する(ステップS60)。そして、通常遊技状態である場合には、RAM28cに設定されているモードを確認し(ステップS61,S68)、切替判定(ステップS62,S65,S69,S72,S75,S78)を行う。そして、切替判定を肯定判定した場合には、新たなモードをRAM28cに設定し、モードを切り替える(ステップS63,S66,S70,S73,S76,S79)。その結果、通常遊技状態時には、大当りパターン決定処理又ははずれパターン決定処理にて選択決定した変動パターンに基づき、モード切り替えが行われると共に、今回の図柄組み合わせゲームにて有効ラインYの本数を変更する演出が実行されることとなる。なお、今回の図柄組み合わせゲームにてモードを切り替えた場合、次回の図柄組み合わせゲームの変動パターンが切り替え後のモードに基づき決定される。
その一方で、時短状態である場合には、切替判定を行うことなく、モード切替処理を終了する。そのため、時短状態時には、モード切り替えが行われず、有効ラインYの本数を変更する演出が実行されない。即ち、時短状態時には、モード切り替えが規制された状態となる。また、時短状態中は、切替判定が行われないので、RAM28cに設定されたモードの変更も行われない。そして、大当り遊技状態に至った図柄組み合わせゲームの開始時にRAM28cに設定されているモードは、時短状態終了時まで記憶されることとなる。そのため、時短状態終了後、最初の図柄組み合わせゲームの開始時には、RAM28cに設定されているモードに基づき変動パターンが決定されることとなる。従って、時短状態終了後、最初の図柄組み合わせゲームでは、大当り遊技状態に至った図柄組み合わせゲームの開始時にRAM28cに設定されているモードと同一モードにて変動パターンが決定されることとなる。そのため、時短状態終了後の図柄組み合わせゲームは、大当り遊技状態に至った図柄組み合わせゲームと同数の有効ラインYで行われる可能性がある。
本実施形態では、図柄組み合わせゲーム開始処理を実行するメインCPU28aが、切替判定手段、モード切替手段、演出内容決定手段、状態判定手段、及び切替規制手段として機能すると共に、メインCPU28aによってモードが設定(記憶)されるRAM28cがモード記憶手段として機能する。
そして、メインCPU28aは、図柄組み合わせゲーム開始処理の各処理にてセットした各種コマンドを表示制御基板29のサブCPU29aに出力する。詳しく言えば、メインCPU28aは、ステップS25の大当りパターン決定処理又はステップS27のはずれパターン決定処理にてセットした変動パターン指定コマンドを出力する。また、メインCPU28aは、ステップS24の大当り図柄の決定時又はステップS28のはずれ図柄の決定時にセットした図柄指定コマンドを出力する。また、メインCPU28aは、ステップS29のモード切替処理にてセットした切替コマンドを出力する。そして、メインCPU28aは、決定した変動パターンに定められている演出時間(変動時間)の経過時に、図柄組み合わせゲームにて表示された各列の図柄の確定停止を指示する全図柄停止コマンドを出力する。
一方で、前記各コマンドを入力したサブCPU29aは、演出実行データに基づき可変表示器20の表示内容を制御する。即ち、サブCPU29aは、変動パターン指定コマンドの入力を契機に図柄組み合わせゲームを開始させる。このとき、サブCPU29aは、切替コマンドa〜fを入力している場合、図柄組み合わせゲームを開始させた後、入力した切替コマンドa〜fの指示内容に基づき有効ラインYの本数を変更する演出を実行させる。サブCPU29aは、切替コマンドa,b,dを入力した場合には有効ラインYの本数を増加させる演出を実行させ、切替コマンドc,e,fを入力した場合には有効ラインYの本数を減少させる演出を実行させる。詳しく言えば、サブCPU29aは、切替コマンドaを入力した場合には有効ラインYの本数を「1」から「2」に増加させる演出を実行させる。また、サブCPU29aは、切替コマンドbを入力した場合には有効ラインYの本数を「1」から「4」に増加させる演出を実行させる。また、サブCPU29aは、切替コマンドdを入力した場合には有効ラインYの本数を「2」から「4」に増加させる演出を実行させる。一方、サブCPU29aは、切替コマンドcを入力した場合には有効ラインYの本数を「2」から「1」に減少させる演出を実行させる。また、サブCPU29aは、切替コマンドeを入力した場合には有効ラインYの本数を「4」から「1」に減少させる演出を実行させる。また、サブCPU29aは、切替コマンドfを入力した場合には有効ラインYの本数を「4」から「2」に減少させる演出を実行させる。
そして、サブCPU29aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに定められた有効ラインY上に、入力した図柄指定コマンドで指定された図柄に対応する図柄組み合わせを表示させる。例えば、大当り図柄が指定された場合には有効ラインY上に大当りの組み合わせ([777]など)を表示させると共に、はずれ図柄が指定された場合には有効ラインY上にはずれの組み合わせ([454][112]など)を表示させる。なお、サブCPU29aは、複数本の有効ラインYが定められる場合に大当り図柄が指定されると、何れか1本の有効ラインY上に大当りの組み合わせを表示させる。また、サブCPU29aは、複数本の有効ラインYが定められる場合にリーチありのはずれ図柄が指定されると、何れか1本又は複数本の有効ラインY上にリーチの組み合わせを表示させた後、はずれの組み合わせを表示させる。
そして、サブCPU29aは、全図柄停止コマンドの入力を契機に有効ラインY上に表示させた図柄組み合わせを確定表示させる。その後、サブCPU29aは、新たに変動パターン指定コマンドを入力すると、前回の図柄組み合わせゲームにて図柄組み合わせが確定表示された有効ラインYの本数を維持した状態で今回の図柄組み合わせゲームを開始させる。
以下、モードが切り替わる態様と該モードの切り替わりに応じて図柄組み合わせゲームが行われる態様を図12〜図14に基づき説明する。図12には、モードが切り替わる態様の一例を示しており、モードは、変動パターンの選択結果に応じて様々な態様で切り替わる。なお、以下の説明と図12では、図柄組み合わせゲームのことを「ゲーム」と略記する。そして、複数回の図柄組み合わせゲームを差別化して説明の便宜を図るために、ゲームが行われる順番に従って「1」「2」「3」…「7」などの数字を付して「ゲーム1」「ゲーム2」…「ゲーム7」というように記載する。また、図12では、大当り遊技状態が付与される前の通常遊技状態時にゲーム1,2,3が行われ、ゲーム3の終了後に大当り遊技状態が付与されるものとする。また、図12では、大当り遊技状態終了後の時短状態時に100回のゲームが行われるものとし、図12には時短状態付与後の最初のゲーム4と100回目のゲーム5のみを示し、ゲーム4からゲーム5に至る迄に行われる各ゲームを省略している。また、図12では、時短状態終了後(ゲーム5の終了後)の通常遊技状態時にゲーム6,7が行われるものとする。また、図13及び図14では、変動中の図柄(図柄列)を下向き矢印[↓]で示している。また、ゲーム1の開始時には、モードとしてモードM1が設定されているものとする。
ゲーム1の開始時にメインCPU28aは、図柄組み合わせゲーム開始処理(図8)にてRAM28cに設定されているモードM1に基づき変動パターンを決定すると共に切替判定を行う(図12)。このとき、メインCPU28aは、変動パターンとしてモードM1に対応するリーチなしのはずれテーブルBからリーチなしのはずれパターンP2を決定すると、前回と今回のゲームにおける有効ラインYの本数が一致することから切替判定を否定判定する。そのため、メインCPU28aは、モード切り替えを行わない。そして、サブCPU29aは、リーチなしのはずれパターンP2を指定する変動パターン指定コマンドとはずれ図柄(リーチなし)を指定する図柄指定コマンドを入力し、可変表示器HZの表示内容を制御する。その結果、可変表示器HZでは、1本の有効ラインY上にはずれの組み合わせ(本実施形態では[123])が確定表示され、ゲーム1が終了する(図13(a))。
次に、ゲーム2の開始時にメインCPU28aは、図柄組み合わせゲーム開始処理にてRAM28cに設定されているモードM1に基づき変動パターンを決定すると共に切替判定を行う(図12)。このとき、メインCPU28aは、変動パターンとしてモードM1に対応するリーチありのはずれテーブルCからリーチありのはずれパターンP8を決定すると、前回のゲーム1と今回のゲーム2における有効ラインYの本数が「1」から「2」に変更されるため、切替判定を肯定判定する。そのため、メインCPU28aは、モードM1をモードM2に変更してモード切り替えを行う。そして、サブCPU29aは、リーチありのはずれパターンP8を指定する変動パターン指定コマンドと、はずれ図柄(リーチなし)を指定する図柄指定コマンドと、切替コマンドaを入力し、可変表示器HZの表示内容を制御する。
その結果、可変表示器HZでは、ゲーム2が開始する(図13(b))。このとき、可変表示器HZでは、ゲーム1の終了時、有効ラインYの本数が「1」であったことから、その本数のままでゲーム2が開始される。そして、ゲーム2が開始すると、可変表示器HZでは、有効ラインYの本数が「1」から「2」に増加する演出が実行される。そして、ゲーム2の開始後、一方(上段側)の有効ラインY上にはリーチを形成しないはずれの組み合わせ(本実施形態では[317])が表示され、他方(下段側)の有効ラインY上には左図柄及び右図柄として同一種類の図柄(本実施形態では[5])が表示され、リーチが形成される。そのため、可変表示器HZでは、他方(下段側)の有効ラインY上に中図柄を導出するリーチ演出が行われる。
そして、リーチ演出の結果として、左図柄と右図柄とは異なる種類の中図柄(本実施形態では[6])が導出され、他方(下段側)の有効ラインY上にははずれの組み合わせ[565]が表示される。その後、可変表示器HZでは、2本の有効ラインY上に表示されたはずれの組み合わせ[317]と[565]が確定表示され(図13(c))、ゲーム2が終了する。
次に、ゲーム3の開始時にメインCPU28aは、図柄組み合わせ開始処理にてRAM28cに設定されているモードM2に基づき変動パターンを決定すると共に切替判定を行う(図12)。このとき、メインCPU28aは、変動パターンとしてモードM2に対応する大当りテーブルDから大当りパターンP4を決定すると、前回と今回のゲームにおける有効ラインYの本数が一致することから切替判定を否定判定する。そのため、メインCPU28aは、モード切り替えを行わない。そして、サブCPU29aは、大当りパターンP4を指定する変動パターン指定コマンドと大当り図柄を指定する図柄指定コマンドを入力し、可変表示器HZの表示内容を制御する。
その結果、可変表示器HZでは、ゲーム3が開始される(図13(d))。このとき、可変表示器HZでは、ゲーム2の終了時、有効ラインYの本数が「2」であったことから、その本数のままでゲーム3が開始される。ゲーム3の開始後は、ゲーム2(前回)とゲーム3(今回)の有効ラインYの本数が同一であることから、有効ラインYの本数を変更する演出が行われない。そして、ゲーム3の開始後、一方(上段側)の有効ラインY上にはリーチを形成しないはずれの組み合わせ(本実施形態では[437])が表示され、他方(下段側)の有効ラインY上には左図柄及び右図柄として同一種類の図柄(本実施形態では[7])が表示され、リーチが形成される。そのため、可変表示器HZでは、他方(下段側)の有効ラインY上に中図柄を導出するリーチ演出が行われる。
そして、リーチ演出の結果として、左図柄と右図柄と同一種類の中図柄(本実施形態では[7])が導出され、有効ラインY上には大当りの組み合わせ[777]が表示される。その後、可変表示器HZでは、2本の有効ラインY上に表示されたはずれの組み合わせ[437]と大当りの組み合わせ[777]が確定表示され、ゲーム3が終了する(図13(e))。ゲーム3の終了後は、大当りの組み合わせ[777]が確定表示されたことにより、大当り遊技状態が生起される。なお、大当り遊技状態中は、図柄組み合わせゲーム開始処理が実行されないので、RAM28cに設定されているモードM2は変更されない。
その後、大当り遊技状態が終了すると、時短状態が付与される(図12)。時短状態中、メインCPU28aは、各ゲームの開始時に図柄組み合わせゲーム開始処理を実行するが、遊技状態が時短状態であることから、RAM28cに設定されているモードM2を確認することなく、図6に示す各テーブルJ,K,Lから変動パターンを決定する。また、メインCPU28aは、遊技状態が時短状態であることから、切替判定を行わないと共にモード切り替えを行わない。そのため、時短状態中、RAM28cには、ゲーム3の開始時に設定されていたモードM2がそのまま設定されている(図12)。そして、時短状態中に行われる各ゲーム(図12に示すゲーム4やゲーム5など)は、有効ラインYの本数が「1」に定められて行われる。即ち、図14(a)〜(c)に示すように、1本の有効ラインY上に図柄組み合わせが確定表示されてゲームが終了すると(図14(a))、次のゲーム(図14(b))も1本の有効ラインY上に図柄組み合わせが確定表示されて終了する(図14(c))。時短状態中は、モード切り替えが行われないので有効ラインYの本数を変更する演出が行われず、1本の有効ラインY上に図柄組み合わせを表示させるゲームが繰り返される。なお、時短状態中のゲームでは、1本の有効ライン上にリーチが形成され、リーチ演出が行われる。
その後、ゲーム5の終了によって時短状態が終了すると、遊技状態が時短状態から通常遊技状態に変更される。そして、メインCPU28aは、ゲーム6の開始時に図柄組み合わせゲーム開始処理を実行する。この処理にてメインCPU28aは、RAM28cにゲーム3の開始時に設定されていたモードM2が設定されているので、そのモードM2に基づき変動パターンを決定すると共に切替判定を行う(図12)。このときメインCPU28aは、モードM2に対応付けられた各テーブルD,E,F(図5)の何れかを選択して変動パターンを決定する。即ち、大当り遊技状態に至ったゲーム3の開始時に変動パターンを決定したときと同じモードM2に基づき変動パターンを決定することになるため、ゲーム6はゲーム3と同じように2本の有効ラインYで行われる可能性が高くなる。従って、ゲーム6の変動パターンとして有効ラインYの本数「2」が定められた変動パターンが決定された場合には、再び大当り遊技状態が生起されるかもしれないという期待感を遊技者に抱かせることが可能となる。なお、時短終了後のゲーム6とゲーム7は、通常遊技状態時に行われるので、これらのゲーム6,7が行われる態様は前述したゲーム1〜3と同様であり、その詳細な説明は省略する。図12には、ゲーム6がモードM2で行われ、ゲーム7の開始時にモードM2からモードM3にモード切り替えされた様子を示している。
従って、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)時短状態中のモード切り替えを規制するようにした。そのため、時短状態中は、モードを切り替えるための処理が行われないので、図柄組み合わせゲームにおいてモードを切り替える演出が出現しないこととなる。従って、時短状態中は遊技者に大当りへの期待感のみを抱かせることができ、時短状態中における遊技者の高揚した期待感を持続させることができる。
(2)メインCPU28aは、時短状態中、切替判定を行わないのでモードが切り替えられることがない。そのため、時短状態中におけるモードの切り替えを確実に規制することができる。また、メインCPU28aは、時短状態中、モードに基づいて変動パターン(演出内容)を決定せずに、時短状態時用の変動パターン(演出内容)を決定する。そのため、時短状態時には、モードに基づく演出内容で図柄組み合わせゲームが行われないので、モードの切り替えの影響を受けた演出(有効ラインYを変更させる演出)自体も出現しない。従って、時短状態中における遊技者の高揚した期待感を持続させることができる。
(3)時短状態終了後、最初の図柄組み合わせゲームにおいてメインCPU28aは、大当り遊技状態に至った図柄組み合わせゲームの開始時にRAM28cに記憶されていたモードに基づき変動パターン(演出内容)を決定する。そのため、大当り遊技状態に至った図柄組み合わせゲームと、時短状態終了後、最初の図柄組み合わせゲームは、同一のモードで行われ易くなる。従って、大当り遊技状態に至った図柄組み合わせゲームと同一のモードに基づく演出内容で時短状態終了後の最初の図柄組み合わせゲームが行われることにより、時短状態終了後、再び、遊技者に大当りへの期待感を抱かせることができる。即ち、遊技者に大当り遊技状態が生起された時のチャンスが継続しているかのように感じさせることができ、興趣の向上を図ることができる。
(4)大当りへの期待感が高まる時短状態時に、モードの切り替えを規制することができる。従って、時短状態中は遊技者に大当りへの期待感のみを抱かせることができる。
(5)有効ラインYの本数を変化(増減)させる演出を可変表示器HZにて実行することにより、遊技者が抱く大当りへの期待感を変化させることができる。そして、時短状態中は、有効ラインYの本数を変化させる演出を行わないので、時短状態に対する期待感のみを遊技者に抱かせることができる。また、有効ラインYの本数を変化させる演出を通常遊技状態中に出現する演出として位置付けることで、時短状態時と通常遊技状態時に行われる演出にメリハリを付け、通常遊技状態時の飽きを抑制することができる。さらに、大当り遊技状態に至った図柄組み合わせゲームにて有効ラインYの本数が増加している場合には、時短状態終了後の図柄組み合わせゲームでも増加後の有効ラインYの本数で図柄組み合わせゲームが行われる可能性がある。そのため、遊技者に大当り遊技状態が生起された時のチャンスが継続しているかのように感じさせることができ、興趣の向上を図ることができる。
(6)通常遊技状態において、メインCPU28aは、今回の図柄組み合わせゲームの変動パターンと有効ラインYの本数とを同時に決定し、当該有効ラインYの本数と前回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数とが一致するか否かを判定する。従って、変動パターンと有効ラインYの本数を同時に決定することで、メインCPU28aの制御処理を簡素化できる。
(7)時短状態時には、有効ラインYの本数を常に最少本数である「1(本)」とし、図柄組み合わせゲームを行うようにすることで、有効ラインYの本数が変更される演出が行われる通常遊技状態時との差別化を図ることができる。そのため、モードの切り替えを行うパチンコ機10においても、時短状態は、その出現自体が遊技者に有利であることを認識させることができる。
(8)通常遊技状態中、前回の図柄組み合わせゲームにおいて有効ラインYの本数が最少本数よりも多い本数となった場合には、以降の図柄組み合わせゲームにおいて有効ラインYの本数が多い本数となる可能性が高くなる。即ち、前回の図柄組み合わせゲームにおいて有効ラインYの本数が多い本数(2本又は4本)となった場合には、今回の図柄組み合わせゲームでも多い本数が継続する可能性が高くなる。従って、遊技者の期待感を複数回の図柄組み合わせゲームに跨って持たせることができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、各テーブルA〜Iに振分ける変動パターンの振分け態様を変更しても良い。例えば、変動パターンの選択割合を変更しても良い。また、各テーブルA〜Iに振分ける変動パターンの数を変更しても良い。
・前記実施形態において、前回と今回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数が同数となる割合が高くなるように、各テーブルA〜Iに振分けた変動パターンの選択割合を変更しても良い。このように構成すれば、前記実施形態の効果(8)と同様の効果に加え、前回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数と同数が今回の図柄組み合わせゲームの有効ラインYとして選択され易いため、前回と今回の図柄組み合わせゲームの繋がりを認識し易くなる。
・前記実施形態において、時短状態中は有効ラインYの本数が変更されなければ、例えば、可変表示器HZに定められる有効ラインYの本数が「2」となるように変動パターンを振分けても良い。
・前記実施形態において、変動パターンと有効ラインYの本数を別々に決定するようにしてもよい。この場合、有効ラインYの本数は、前記実施形態と同様に、前回の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数を判定し、その判定結果に基づき決定する。
・前記実施形態において、可変表示器HZに定められる有効ラインYの本数を変更してもよい。例えば、1本と2本の2種類としても良いし、1本、3本、6本の3種類としても良い。また、可変表示器HZに定められる有効ラインYの最小本数は1本に限らず、例えば、有効ラインYの本数を2本、3本、4本の3種類とし、最小本数を2本に設定しても良い。
・前記実施形態において、モードに対応付けられた図柄組み合わせゲームの演出態様を変更しても良い。例えば、特定のキャラクタの出現率や出現数、可変表示器HZの背景色、又はリーチ演出の出現率などを定めても良い。また、スピーカ17から出力される音や装飾ランプ16の発光態様を定めても良い。この場合、切替コマンドは、音声制御基板31やランプ制御基板30に向けて出力される。
・前記実施形態は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えたパチンコ機に具体化しても良い。確変機能とは、通常遊技状態時よりも大当り抽選の抽選確率が高く設定された確率変動状態(特定遊技状態)を遊技者に付与する機能である。確変機能を搭載したパチンコ機において、確変状態中にモード切り替えを規制するようにしても良い。なお、確変状態は、大当りの組み合わせを形成する図柄が予め定めた確変図柄である場合に付与される。また、前記実施形態は、大当りの図柄組み合わせを形成する図柄の種類に応じて時短状態を付与するパチンコ機に具体化してもよい。このようなパチンコ機では、図柄の種類に応じて時短状態が付与される期間が異なる場合や、時短状態が付与される図柄と付与されない図柄とに分けられている場合がある。
・前記実施形態は、特定遊技状態として、開閉羽根22の開放時間が延長する作動時間延長状態や開閉羽根22の開放回数が多くなる作動回数増加状態を付与するパチンコ機に具体化しても良い。
・前記実施形態において、RAM28cに設定されるモードは、大当り遊技状態が生起されると初期値(例えば、モードM3)に変更されるようにしてもよい。初期値をモードM3に設定した場合、時短状態終了後、最初の図柄組み合わせゲームにおける有効ラインYの本数は、最小本数(1本)よりも多い本数(2本又は4(本)となる可能性が高くなる。
・前記実施形態において、有効ラインYの本数を増加させる演出の実行タイミングを変更しても良い。例えば、リーチが形成された後(又はリーチ形成時)に前記増加させる演出を実行しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記図柄組み合わせゲームの演出内容を特定可能な複数種類の演出パターンを記憶する演出内容記憶手段を有し、前記演出パターンには、該演出パターン毎に有効ラインの本数が予め定められており、前記切替判定手段は、前回の図柄組み合わせゲームの演出パターンに定められた有効ラインの本数と今回の図柄組み合わせゲームの演出パターンに定められた有効ラインの本数が一致する場合に前記切替判定を否定判定し、一致しない場合に前記切替判定を肯定判定する。
(ロ)前記演出内容記憶手段には、前記特定遊技状態時の演出パターンと該特定遊技状態が付与されていない通常遊技状態時の演出パターンとが記憶されており、前記特定遊技状態時の演出パターンには、前記有効ラインの本数として最少本数が定められている一方で、前記通常遊技状態時の演出パターンには、前記有効ラインの本数として前記最少本数を含む複数種類の本数の何れかが定められている。
(ハ)前記演出内容決定手段は、前記演出モードに基づき演出内容を決定する際、前回の図柄組み合わせゲームの演出パターンに定められた有効ラインの本数が最少本数よりも多い本数である場合には、前回の図柄組み合わせゲームの演出パターンに定められた有効ラインの本数が最少本数であるときに今回の図柄組み合わせゲームの演出パターンとして前記多い本数が定められた演出パターンを決定する割合に比して高い割合で前記多い本数が定められた演出パターンを決定する。
10…パチンコ遊技機、23…始動入賞口、28a…メインCPU28a、28b…ROM、28c…RAM、29a…サブCPU、HZ…可変表示器、M1,M2,M3…演出モード、SE1…始動口センサ、P1〜P15…変動パターン、Y…有効ライン。