以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図10に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部(パチンコ機10の下部)には、各種音声(効果音)を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の表示手段としての可変表示器(可変表示部)20を備えた表示演出装置21が配設されている。可変表示器20では、変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。また、可変表示器20の表示領域Hには、図2に示すように、特別図柄表示領域H1と普通図柄表示領域H2が設けられている。特別図柄表示領域H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す)を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出する図柄変動演出(図柄変動ゲーム)としての特別図柄組み合わせゲーム(以下、「特図ゲーム」と示す)が行われるようになっている。本実施形態では、特図ゲームで3列の特図による組み合わせを導出し、該組み合わせを形成する各列の特図の種類を1、2、3、4、5、6、7、8の8種類の数字を模した図柄(数字図柄)としている。
また、普通図柄表示領域H2では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す)を変動させて普図を導出する図柄変動演出(図柄変動ゲーム)としての普通図柄組み合わせゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われるようになっている。本実施形態では、普図ゲームで2列の普図による組み合わせを導出し、該組み合わせを形成する各列の普図の種類を、「○(マル)」と「−(バー)」の2種類としている。
そして、遊技者は、特図ゲームで最終的に停止表示(以下、「停止」と示す)された図柄組み合わせ(特図ゲームで導出された表示結果)から大当り又ははずれを認識できる。特別図柄表示領域H1に停止した全列の特図が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([111][555]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが特図による大当りの組み合わせ(予め定めた当り表示結果)となる。大当りの組み合わせで停止した場合、遊技者には、大当り遊技状態(特別遊技状態)が付与される。また、特別図柄表示領域H1に停止した全列の特図が異なる種類の場合、又は1列の特図がリーチを形成する特図とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([234][122][343]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが特図によるはずれの組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10は、遊技者側から見て左列(左特図)→右列(右特図)→中列(中特図)の順に図柄が一旦停止表示(以下、「一旦停止」と示す)されるようになっている。そして、一旦停止した左特図と右特図が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチを認識できる。このリーチを認識できる図柄組み合わせがリーチの組み合わせとなる。
また、遊技者は、普図ゲームで最終的に停止した図柄組み合わせ(普図ゲームで導出された表示結果)から当り又ははずれを認識できる。普通図柄表示領域H2に停止した全列の普図が「○」の場合には、その図柄組み合わせ([○○])から当りを認識できる。この当りを認識できる図柄組み合わせが普図による当りの組み合わせ(予め定めた当り表示結果)となる。当りの組み合わせで停止した場合、遊技者には、当り遊技状態が付与される。また、普通図柄表示領域H2に停止した全列の普図が「○」でない場合には、その図柄組み合わせ([○−][−○][−−])からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが普図によるはずれの組み合わせとなる。
また、表示演出装置21の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う開閉羽根22を備えた始動入賞口23が配設されている。始動入賞口23の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口23は、遊技球の入賞検知を契機に、特図ゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口23の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた大入賞口25が配設されている。大入賞口25は、特図ゲームによって導出され、最終的に停止した図柄組み合わせが大当りの組み合わせになったことに関連して大入賞口扉24が開閉動作し、開放又は閉鎖されるようになっている。大当り遊技状態が付与されると、大入賞口扉24の開閉動作によって大入賞口25が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
また、始動入賞口23の左方には、始動入賞ゲート26が配設されている。始動入賞ゲート26の奥方には、入賞した遊技球を通過検知するゲートセンサSE2(図3に示す)が設けられている。始動入賞ゲート26は、遊技球の通過検知を契機に、普図ゲームの始動条件を付与し得る。始動入賞口23は、普図ゲームによって導出され、最終的に停止した図柄組み合わせが当りの組み合わせになったことに関連して開閉羽根22が開閉動作し、開放又は閉鎖されるようになっている。そして、開閉羽根22の開動作によって始動入賞口23が開放されると、始動入賞口23の入り口が拡大され、遊技球が入賞し易い状態(遊技者に有利な状態)となる。一方で、開閉羽根22の閉動作によって始動入賞口23が閉鎖されると、始動入賞口23の入り口が縮小され、遊技球が入賞し難い状態となる。
次に、パチンコ機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板27が装着されている。主制御基板27は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御コマンドを所定の制御信号として出力する。また、機裏側には、可変表示器20を制御する表示制御基板28、装飾ランプ16を制御するランプ制御基板29、及びスピーカ17を制御する音声制御基板30が装着されている。そして、各制御基板28〜30は、主制御基板27が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)を制御する。本実施形態において、表示制御基板28、ランプ制御基板29及び音声制御基板30は、前述のように制御対象が各別に定められており、該制御対象を専門的に制御することから、メイン制御手段である主制御基板27に対し、サブ制御手段(図2に破線で囲む)として機能するように構成されている。また、機裏側には、遊技場の電源(例えば、AC24V)が供給される図示しない電源基板が装着されており、各制御基板27〜30には、電源基板を介して所定の電源電圧が供給されるようになっている。
以下、主制御基板27、及び表示制御基板28の具体的な構成を説明する。
主制御基板27は、メインCPU27aを備えており、該メインCPU27aにはROM27b及びRAM27cが接続されている。メインCPU27aは、特図ゲームに係る各種抽選に用いる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、はずれ左特図用乱数、はずれ中特図用乱数、はずれ右特図用乱数、変動パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新している。また、メインCPU27aは、普図ゲームに係る各種抽選に用いる当り判定用乱数、はずれ左普図用乱数、はずれ右普図用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新している。そして、メインCPU27aは、更新後の値をRAM27cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。ROM27bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラム(メイン処理プログラム、割込み処理プログラム、電源断処理プログラムなど)や、複数種類の変動パターンが記憶されている。RAM27cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
変動パターンは、特図又は普図が変動を開始(特図ゲーム又は普図ゲームが開始)してから全列の特図又は普図が停止(特図ゲーム又は普図ゲームが終了)する迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。変動パターンには、該変動パターン毎に遊技演出の演出時間が定められており、少なくとも遊技演出の演出時間が特定可能とされている。特図ゲーム用の変動パターンは、大当り演出用、はずれリーチ演出用、はずれ演出用に分類されており、当該分類毎に複数種類の変動パターンが振分けられている。前記大当り演出は、特図ゲームが、リーチ演出を経て、大当りの組み合わせで停止するように展開される演出である。前記はずれリーチ演出は、特図ゲームが、リーチ演出を経て、はずれの組み合わせで停止するように展開される演出である。前記はずれ演出は、特図ゲームが、リーチ演出を経ることなく、はずれの組み合わせで停止するように展開される演出である。前記リーチ演出は、リーチが形成されてから、大当りの組み合わせ又ははずれの組み合わせで停止又は一旦停止する迄の間に行われる演出である。
ROM27bには、特図ゲーム用の変動パターンP1〜P5が振分けられた変動パターン振分テーブルT(図4)が記憶されている。本実施形態の変動パターン振分テーブルTには、大当り演出用の変動パターンP1,P2、はずれリーチ演出用の変動パターンP3,P4、及びはずれ演出用の変動パターンP5が振分けられている。各変動パターンP1〜P5には、変動パターン振分乱数の値(0〜49までの50通りの整数)が対応付けられている。具体的に言えば、大当り演出用の変動パターンP1には変動パターン振分乱数の値「0」〜「24」が、変動パターンP2には変動パターン振分乱数の値「25」〜「49」が対応付けられている。はずれリーチ演出用の変動パターンP3には変動パターン振分乱数の値「0」〜「39」が、変動パターンP4には変動パターン振分乱数の値「40」〜「49」が対応付けられている。はずれ演出用の変動パターンP5には変動パターン振分乱数の値「0」〜「49」が対応付けられている。
次に、メインCPU27aが実行する特図ゲームに係る各種処理(大当り判定、リーチ判定、停止図柄(特図)、変動パターンの決定など)を説明する。
メインCPU27aは、遊技球の入賞検知を契機(始動口センサSE1からの検知信号の入力を契機)に大当り判定用乱数の値及び大当り図柄用乱数の値をRAM27cから読み出し、その値をRAM27cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU27aは、特図ゲームの開始直前に、RAM27cに格納されている前記大当り判定用乱数の値とROM27bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かの大当り判定(当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値が一致)の場合、メインCPU27aは、大当りを決定する。本実施形態では、大当り判定用乱数の取り得る数値を0〜946(全947通りの整数)としている。そして、メインCPU27aは、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から予め定めた3個の大当り判定値を用いて、大当りの抽選確率を947分の3(=315.7分の1)として大当り判定を行う。
大当りの決定がなされると、メインCPU27aは、可変表示器20(特別図柄表示領域H1)に最終的に停止させる特図(停止特図左,中,右)を、全列が同一種類の特図となるように決定する。具体的には、前記大当り図柄用乱数の値を停止特図左、停止特図中及び停止特図右(各停止特図は同一種類)とする。この決定された停止特図左、停止特図中、停止特図右が、可変表示器20(特別図柄表示領域H1)に左特図、中特図、右特図として最終的に導出される。本実施形態では、大当り図柄用乱数の取り得る数値を0〜7までの8通りの整数とし、特図の種類毎に1つの数値が対応付けられている(例えば、特図「1」には大当り図柄用乱数の値「0」が対応付けられている)。そして、メインCPU27aは、決定した停止特図左、停止特図中、停止特図右を、次回の特図ゲームに係る処理を行う迄の間、RAM27cに記憶する。また、メインCPU27aは、RAM27cから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、大当り演出用の変動パターンP1,P2の中から1つの変動パターンを決定する。
また、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値が不一致)の場合、メインCPU27aは、RAM27cから読み出したリーチ判定用乱数の値とROM27bに記憶されているリーチ判定値とを比較してはずれリーチを実行するか否かのリーチ判定を行う。リーチ判定の判定結果が肯定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値が一致)の場合、メインCPU27aは、はずれリーチを決定する。そして、メインCPU27aは、停止特図左,中,右を、左列と右列が同一種類の特図で、中列が左右2列とは異なる種類の特図となるように決定する。具体的には、前記はずれ左特図用乱数の値を停止特図左及び停止特図右(両停止特図は同一種類)とし、前記はずれ中特図用乱数の値を停止特図中とする。このとき、メインCPU27aは、前記はずれ左特図用乱数の値とはずれ中特図用乱数の値が一致していた場合、停止特図左と停止特図中が一致しないように停止特図中を決定する。本実施形態では、大当り図柄用乱数の値と同様に、はずれ左特図用乱数、はずれ中特図用乱数及びはずれ右特図用乱数の各乱数の取り得る数値を0〜7までの8通りの整数とし、特図の種類毎に1つの数値が対応付けられている。また、メインCPU27aは、RAM27cから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、はずれリーチ演出用の変動パターンP3,P4の中から1つの変動パターンを決定する。
また、リーチ判定の判定結果が否定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値が不一致)の場合、メインCPU27aは、はずれを決定する。そして、メインCPU27aは、停止特図左,中,右を、全列が同一種類の特図とならないように決定する。具体的には、前記はずれ左特図用乱数の値を停止特図左とし、前記はずれ中特図用乱数の値を停止特図中とし、前記はずれ右特図用乱数の値を停止特図右とする。このとき、メインCPU27aは、前記はずれ左特図用乱数の値とはずれ右特図用乱数の値が一致していた場合、停止特図左と停止特図右が一致しないように停止特図右を決定する。また、メインCPU27aは、RAM27cから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、はずれ演出用の変動パターンP5を決定する。
前記停止特図及び特図ゲーム用の変動パターンを決定したメインCPU27aは、表示制御基板28(サブCPU28a)に対して、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU27aは、最初に、変動パターンを指定すると共に特図の変動開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU27aは、停止特図左を指定する左特図指定コマンド、停止特図右を指定する右特図指定コマンド及び停止特図中を指定する中特図指定コマンドを出力する。その後に、メインCPU27aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時に、各列の特図の停止を指示する全特図停止コマンドを出力する。なお、メインCPU27aは、特図変動パターン指定コマンドをランプ制御基板29と音声制御基板30にも出力する。
次に、メインCPU27aが実行する普図ゲームに係る各種処理(当り判定、停止図柄(普図)、変動パターンの決定など)を説明する。
メインCPU27aは、遊技球の通過検知を契機(ゲートセンサSE2からの検知信号の入力を契機)に当り判定用乱数の値をRAM27cから読み出し、その値をRAM27cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU27aは、普図ゲームの開始直前に、RAM27cに格納されている前記当り判定用乱数の値とROM27bに記憶されている当り判定値を比較して当り判定(当り抽選)を行う。当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と当り判定値が一致)の場合、メインCPU27aは、当りを決定する。一方で、当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と当り判定値が不一致)の場合、メインCPU27aは、はずれを決定する。本実施形態では、当り判定用乱数の取り得る数値を、0〜22(全23通りの整数)としている。そして、メインCPU27aは、当り判定用乱数の取り得る数値の中から予め定めた20個の当り判定値を用いて、当りの抽選確率を23分の20として当り判定を行う。
当りの決定がなされると、メインCPU27aは、可変表示器20(普通図柄表示領域H2)に最終的に停止させる普図(停止普図左,右)を決定する。本実施形態では、当りの組み合わせが1種類であるため、メインCPU27aは、停止普図左と停止普図右を「○」に決定する。一方、はずれの決定がなされると、メインCPU27aは、停止普図左,右を、全列が「○」にならないように決定する。具体的には、前記はずれ左普図用乱数の値を停止普図左とし、前記はずれ右普図用乱数の値を停止普図右とする。このとき、メインCPU27aは、前記はずれ左普図用乱数の値とはずれ右普図用乱数の値が何れも「○」を示す値の場合、停止普図左と停止普図右が一致しないように停止普図右を決定する。この決定された停止普図左、停止普図右が、可変表示器20(普通図柄表示領域H2)に左普図、右普図として最終的に導出される。本実施形態では、はずれ左普図用乱数、及びはずれ右普図用乱数の取り得る数値を0、1の2通りの整数とし、普図の種類毎に1つの数値が対応付けられている。そして、メインCPU27aは、決定した停止普図左、停止普図右を、次回の普図ゲームに係る処理を行う迄の間、RAM27cに記憶する。また、メインCPU27aは、普図ゲーム用の変動パターンを決定する。
前記停止普図及び普図ゲーム用の変動パターンを決定したメインCPU27aは、表示制御基板28(サブCPU28a)に対して、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU27aは、最初に、変動パターンを指定すると共に普図の変動開始を指示する普図変動パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU27aは、停止普図左を指定する左普図指定コマンド、停止普図右を指定する右普図指定コマンドを出力する。その後に、メインCPU27aは、指定した普図変動パターンに定められている演出時間の経過時に、各列の普図の停止を指示する全普図停止コマンドを出力する。
また、メインCPU27aには、電源基板に設けられた電源断監視回路31が接続されている。電源断監視回路31は、電源OFFや停電によってパチンコ機10の電源が遮断(電源遮断)されたか否かを監視し、電源遮断が生じると、電源遮断信号をメインCPU27aに出力するようになっている。メインCPU27aは、電源遮断信号を入力すると、その時点でRAM27cに記憶されている各種制御情報(メインCPU27aが決定した停止特図や停止普図など)を記憶保持させるバックアップ処理を実行するようになっている。RAM27cには、電源基板に設けられたバックアップ用電源(例えば、電気二重層コンデンサ)33が接続されており、電源遮断が生じると、バックアップ用電源33から供給される電源電圧によって記憶内容を保持するようになっている。バックアップ処理により、復電時にはRAM27cに記憶保持されている各種制御情報に基づき遊技の設定が行われ、電源遮断時の状態から遊技を再開させることができる。
また、メインCPU27aには、電源基板に設けられたRAMクリアスイッチ32が接続されている。RAMクリアスイッチ32は、遊技店の店員のみの操作が許容されるように機裏側に設けられている。RAMクリアスイッチ32は、電源投入時に操作されることにより、RAM27cの記憶内容の消去(クリア)を指示する初期化信号をメインCPU27aに出力するようになっている。メインCPU27aは、初期化信号を入力すると、RAM27cの記憶内容を初期化する初期化処理を行った後、遊技を開始させるための各種初期設定値をRAM27cに記憶(設定)するようになっている。例えば、メインCPU27aは、各種乱数の初期設定値として「0」を設定すると共に、電源投入後、可変表示器20に表示される図柄(特図と普図)となる初期図柄としての初期表示図柄を設定する。本実施形態では、特図の初期表示図柄として[123]を設定すると共に、普図の初期表示図柄として[−−]を設定する。そして、メインCPU27aは、電源投入後、RAM27cに記憶(設定)されている各種制御情報に基づき各種の制御コマンドを各制御基板28〜30に出力する。例えば、メインCPU27aは、表示制御基板28(サブCPU28a)に対し、RAM27cに記憶されている特図に基づいて左特図指定コマンド、中特図指定コマンド及び右特図指定コマンドを出力すると共に、RAM27cに記憶されている普図に基づいて左普図指定コマンド及び右普図指定コマンドを出力する。
本実施形態では、メインCPU27aが、特図又は普図を決定する図柄決定手段として機能すると共に、当り抽選(大当り判定又は当り判定)を行う当り抽選手段として機能するように構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10は、バックアップ機能を搭載し、メインCPU27aが、バックアップ手段として機能すると共に、RAM27cが記憶手段として機能するように構成されている。さらに、本実施形態では、メインCPU27aが、初期化手段及び初期図柄記憶手段として機能するように構成されている。
次に、表示制御基板28について説明する。
表示制御基板28は、サブCPU28aを備えており、該サブCPU28aにはROM28b及びRAM28cが接続されている。ROM28bには、複数種類の表示演出実行データや、各種の画像データ(特図、普図、背景、文字、登場キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。表示演出実行データは、サブCPU28aが、可変表示器20(特別図柄表示領域H1、普通図柄表示領域H2)の表示内容(特図又は普図の変動、キャラクタの動作、可変表示器20の背景)を制御するための情報である。ROM28bには、各変動パターンに対して1つの表示演出用の演出実行データが記憶されている。RAM28cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、特図ゲーム中に、大当り予告が表示演出にて行われるようになっている。大当り予告は、大当りとなる可能性があることを予め遊技者に告げるための演出(当否の可能性を示唆する演出)である。本実施形態では、可変表示器20に予告キャラクタKa(図9及び図10に「☆」で示す)又は予告キャラクタKb(図9及び図10に「△」で示す)を登場(表示)させて大当り予告を行うようになっており、大当り予告の演出内容が2種類用意されている。以下、予告キャラクタKa又は予告キャラクタKbが登場する大当り予告を区別して記載する場合には、予告キャラクタKaが登場する大当り予告を「大当り予告YKa」と示し、予告キャラクタKbが登場する大当り予告を「大当り予告YKb」と示す。
サブCPU28aは、特図変動パターン指定コマンドを入力すると、予告パターン振分乱数及びRAM27cに記憶されている予告パターン振分テーブルY1(図5(a))又は予告パターン振分テーブルY2(図5(b))に基づいて予告決定処理を行う。予告決定処理にてサブCPU28aは、大当り予告を実行するか否かの決定、及び大当り予告を実行する場合の大当り予告の演出内容を決定する。予告パターン振分乱数は、サブCPU28aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、サブCPU28aは、更新後の値をRAM27cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。本実施形態では、予告パターン振分乱数の取り得る数値を0〜49までの全50通りの整数としている。
また、本実施形態のパチンコ機10には、異なる演出態様で遊技演出を行わせることが可能な複数(本実施形態では2種類)の演出モードが設けられている。本実施形態では、通常演出モードとしての演出モード1と特別演出モードとしての演出モード2が設けられている。演出モード1と演出モード2では、2種類の大当り予告YKaと大当り予告YKbの出現率(大当り予告が行われる割合を示す)を異ならせている。
具体的に言えば、演出モード1では、大当り予告YKaと大当り予告YKbが、大当り演出となる特図ゲームとはずれリーチ演出となる特図ゲームの何れでも行われるようになっている。演出モード2では、大当り予告YKbが大当り演出となる特図ゲームとはずれリーチ演出となる特図ゲームの何れでも行われるようになっている一方で、大当り予告YKaは大当り演出となる特図ゲームのみで行われるようになっている。即ち、演出モード2では、はずれリーチ演出となる特図ゲームで大当り予告YKaが行われず、はずれリーチ演出の場合における大当り予告YKaの出現率が0(零)%になっている。そのため、演出モード2では、大当り予告YKaを伴って特図ゲームが行われると、その特図ゲームは必ず大当りとなる。従って、本実施形態の演出モード2は、大当り予告YKaが大当り演出となる特図ゲームの場合のみに出現することから、大当り予告(大当り予告YKaと大当り予告YKb)の出現率が演出モード1と異なっている。なお、演出モード1と演出モード2では、大当りの抽選確率と当りの抽選確率が変動せずに、同一の抽選確率で抽選(大当り判定と当り判定)が行われるようになっている。
そして、本実施形態では、前述のように演出モード1と演出モード2で大当り予告の出現率を異ならせるために、2種類の予告パターン振分テーブルY1,Y2がRAM27cに記憶されている(図5)。予告パターン振分テーブルY1は、演出モード1の場合にサブCPU28aが予告決定処理にて参照するテーブルとされ、予告パターン振分テーブルY2は、演出モード2の場合にサブCPU28aが予告決定処理にて参照するテーブルとされている。以下、予告パターン振分テーブルY1と予告パターン振分テーブルY2の具体的な構成について図5に基づき説明する。
予告パターン振分テーブルY1,Y2では、予告パターン振分乱数の値に基づき、指定された変動パターンP1〜P5に応じて「予告なし」、「予告パターンYA」又は「予告パターンYB」の何れかが決定されるようになっている。なお、サブCPU28aは、「予告なし」の決定によって大当り予告を実行しないことを決定し、「予告パターンYA」又は「予告パターンYB」の決定によって大当り予告の実行を決定したことになる。さらに、サブCPU28aは、「予告パターンYA」又は「予告パターンYB」の何れかの決定によって大当り予告の演出内容を決定したことになる。予告パターンYAは、大当り予告YKaの演出内容が特定されるパターンであり、予告パターンYBは、大当り予告YKbの演出内容が特定されるパターンである。
予告パターン振分テーブルY1において大当り演出用の変動パターンP1には、「予告なし」に予告パターン振分乱数の値「0」〜「19」が、「予告パターンYB」に予告パターン振分乱数の値「20」〜「49」が対応付けられている。大当り演出用の変動パターンP2には、「予告パターンYA」に予告パターン振分乱数の値「0」〜「24」が、「予告パターンYB」に予告パターン振分乱数の値「25」〜「49」が対応付けられている。はずれリーチ演出用の変動パターンP3には、「予告なし」に予告パターン振分乱数の値「0」〜「24」が、「予告パターンYB」に予告パターン振分乱数の値「25」〜「49」が対応付けられている。はずれリーチ演出用の変動パターンP4には、「予告パターンYA」に予告パターン振分乱数の値「0」〜「5」が、「予告パターンYB」に予告パターン振分乱数の値「6」〜「49」が対応付けられている。はずれ演出用の変動パターンP5には、「予告なし」に予告パターン振分乱数の値「0」〜「49」が対応付けられている。
従って、演出モード1の場合、サブCPU28aは、変動パターンP1,P3が指定されると、予告決定処理にて「予告なし」又は「予告パターンYB」の何れかを決定するようになっている。また、演出モード1の場合、サブCPU28aは、変動パターンP2,P4が指定されると、予告決定処理にて「予告パターンYA」又は「予告パターンYB」の何れかを決定するようになっている。さらに、演出モード1の場合、サブCPU28aは、変動パターンP5が指定されると、予告決定処理にて「予告なし」を決定するようになっている。
一方、予告パターン振分テーブルY2においてはずれリーチ演出用の変動パターンP4には、予告パターン振分テーブルY1と異なり、「予告パターンYB」のみに予告パターン振分乱数の値「0」〜「49」が対応付けられている。なお、予告パターン振分テーブルY2では、変動パターンP4以外の変動パターンP1,P2,P3,P5については、予告パターン振分乱数の値の対応付けが予告パターン振分テーブルY1と同一となっている。そのため、演出モード2の場合、サブCPU28aは、変動パターンP4が指定されると、予告決定処理にて「予告パターンYB」のみを決定するようになっている。そして、はずれリーチ演出用の変動パターンP3には、「予告パターンYA」と予告パターン振分乱数の値とが対応付けされていない。従って、演出モード2の場合、サブCPU28aは、大当り演出用の変動パターンP2が指定されたときのみに、予告パターンYAを決定することが可能となる。その結果、演出モード2では、はずれリーチ演出となる特図ゲームにおける大当り予告YKaの出現率は0(零)%となり、大当り演出となる特図ゲーム(変動パターンP2に基づく特図ゲーム)のみにおいて大当り予告YKaが出現することになる。
このような構成によってサブCPU28aは、特図変動パターン指定コマンドを入力すると、指定された変動パターンに対応する表示演出実行データをROM28bから読み出す。また、サブCPU28aは、予告パターン振分乱数の値を抽出し、演出モードが演出モード1の場合には予告パターン振分テーブルY1に基づいて予告決定処理を行い、演出モード2の場合には予告パターン振分テーブルY2に基づいて予告決定処理を行う。そして、サブCPU28aは、表示演出実行データと予告決定処理の結果に基づき、各特図指定コマンドで指定された停止特図左、停止特図中、停止特図右による図柄組み合わせを特別図柄表示領域H1に停止させるように可変表示器20の表示内容を制御する。この制御により、可変表示器20の特別図柄表示領域H1では特図ゲームが行われると共に、当該特図ゲームに伴って大当り予告(大当り予告YKa又は大当り予告YKb)が行われる。
また、サブCPU28aは、普図変動パターン指定コマンドを入力すると、指定された変動パターンに対応する表示演出実行データをROM28bから読み出す。そして、サブCPU28aは、表示演出実行データに基づき、各普図指定コマンドで指定された停止普図左、停止普図右による図柄組み合わせを普通図柄表示領域H2に停止させるように可変表示器20の表示内容を制御する。この制御により、可変表示器20の普通図柄表示領域H2では普図ゲームが行われる。
また、サブCPU28aは、電源投入時に左特図指定コマンド、中特図指定コマンド、右特図指定コマンドを入力すると、各特図指定コマンドで指定された停止特図左、停止特図中、停止特図右を特別図柄表示領域H1に表示させるように可変表示器20の表示内容を制御する。なお、メインCPU27aは、電源投入時に初期化処理を行った場合、初期表示図柄(特図)を指定する左特図指定コマンド、中特図指定コマンド及び右特図指定コマンドを出力する。この場合、サブCPU28aは、各特図指定コマンドで指定された初期表示図柄[123]を表示させるように可変表示器20の表示内容を制御する。一方で、メインCPU27aは、電源投入時に初期化処理を行わなかった場合、電源遮断時のバックアップ処理でRAM27cに記憶保持させた特図(停止特図左,中,右)を指定する左特図指定コマンド、中特図指定コマンド及び右特図指定コマンドを出力する。例えば、電源遮断時に特図[177]が記憶保持された場合、サブCPU28aは、各特図指定コマンドで指定された特図[177]を表示させるように可変表示器20の表示内容を制御する。
また、サブCPU28aは、電源投入時に左普図指定コマンド、右普図コマンドを入力すると、各普図指定コマンドで指定された停止普図左、停止普図右を普通図柄表示領域H2に表示させるように可変表示器20の表示内容を制御する。なお、メインCPU27aは、電源投入時に初期化処理を行った場合、初期表示図柄(普図)を指定する左普図指定コマンド及び右普図指定コマンドを出力する。この場合、サブCPU28aは、各普図指定コマンドで指定された初期表示図柄[−−]を表示させるように可変表示器20の表示内容を制御する。一方で、メインCPU27aは、電源投入時に初期化処理を行わなかった場合、電源遮断時のバックアップ処理でRAM27cに記憶保持させた普図(停止普図左,右)を指定する左普図指定コマンド及び右普図指定コマンドを出力する。例えば、電源遮断時に普図[○○]が記憶保持された場合、サブCPU28aは、各普図指定コマンドで指定された普図[○○]を表示させるように可変表示器20の表示内容を制御する。
そして、サブCPU28aは、電源投入時、演出モード1又は演出モード2の何れかを選択し、その選択した演出モードを設定するようになっている。より詳しく言えば、サブCPU28aは、電源投入時に、主制御基板27のRAM27cに記憶保持されている普図(停止普図右,左)の種類に応じて演出モードを選択するようになっている。サブCPU28aは、電源投入時に左普図指定コマンドと右普図指定コマンドを入力することにより、RAM27cに記憶保持されている普図の種類を確認できる。そして、サブCPU28aは、電源投入時に演出モード2を選択した場合、所定条件の成立を契機に演出モードを演出モード2から演出モード1に切り替えるようになっている。本実施形態では、切り替える契機を、演出モード2が設定されている期間中に大当り遊技状態が付与されること、又は電源投入後、所定回数(本実施形態では100回)の特図ゲームが行われることとしている。本実施形態では、サブCPU28aが、表示制御手段、モード選択手段及びモード切替手段として機能するように構成されている。
以下、サブCPU28aが、電源投入時に演出モードを選択する処理について図6に基づき説明する。
表示制御基板28のROM28bには、モード設定用テーブルL(図6)が記憶されている。サブCPU28aは、電源投入時、モード設定用テーブルLに基づいて演出モードを選択するようになっている。モード設定用テーブルLには、普図の種類毎に演出モード1又は演出モード2が対応付けられている。具体的に言えば、普図[○○]、普図[○−]及び普図[−○]には、演出モード1が対応付けられている。一方で、普図[−−]には、演出モード2が対応付けられている。
従って、サブCPU28aは、電源投入時に入力した左普図指定コマンドと右普図指定コマンドで指定された普図の種類が、[○○]、[○−]又は[−○]の何れかの場合、演出モード1を選択し、設定する。一方、サブCPU28aは、電源投入時に入力した左普図指定コマンドと右普図指定コマンドで指定された普図の種類が、[−−]の場合、演出モード2を選択し、設定する。なお、普図[−−]は、電源投入時に初期化処理が行われた場合に、RAM27cに設定される初期表示図柄であることから、初期化処理を行った場合には演出モード2が選択されるようになっている。そして、サブCPU28aは、演出モード2を選択し、設定した場合、特図ゲームが開始する毎に実行ゲーム数をカウントし、その実行ゲーム数が100回になると、その100回目の特図ゲームの終了と共に演出モードを演出モード2から演出モード1に切り替える。なお、サブCPU28aは、実行ゲーム数が100回に達する前に大当り遊技状態が付与される場合、演出モードを演出モード2から演出モード1に切り替え、大当り遊技終了後の演出モードを演出モード1とする。
そして、本実施形態では、電源投入時に可変表示器20(普通図柄表示領域H2)に表示される普図の種類に応じて演出モード1又は演出モード2を選択するため、可変表示器20の表示内容から選択された演出モードの種類が判断できるようになっている。図7及び図8には、電源投入時の可変表示器20の表示内容が示されており、図7及び図8では、電源投入時に初期化処理が行われていないものとする。
図7には、電源投入時、可変表示器20の特別図柄表示領域H1に特図[177]が表示され、普通図柄表示領域H2に普図[−−]が表示された様子が示されている。普通図柄表示領域H2に普図[−−]が表示されている場合には、サブCPU28aが前述した演出モードの選択処理にて演出モード2を選択しているため、可変表示器20の表示内容から演出モード2であることを判断できる。
一方で、図8(a)には、電源投入時、可変表示器20の特別図柄表示領域H1に特図[177]が表示され、普通図柄表示領域H2に普図[○○]が表示された様子が示されている。普通図柄表示領域H2に普図[○○]が表示されている場合には、サブCPU28aが前述した演出モードの選択処理にて演出モード1を選択しているため、可変表示器20の表示内容から演出モード1であることを判断できる。また、図8(b)には、電源投入時、可変表示器20の特別図柄表示領域H1に特図[177]が表示され、普通図柄表示領域H2に普図[○−]が表示された様子が示されている。普通図柄表示領域H2に普図[○−]が表示されている場合には、サブCPU28aが前述した演出モードの選択処理にて演出モード1を選択しているため、可変表示器20の表示内容から演出モード1であることを判断できる。同様に、普通図柄表示領域H2に普図[−○]が表示されている場合には、サブCPU28aが前述した演出モードの選択処理にて演出モード1を選択しているため、可変表示器20の表示内容から演出モード1であることを判断できる。
以下、本実施形態のパチンコ機10において遊技演出(特図ゲーム、大当り予告など)が行われる態様を図9及び図10に基づいて説明する。なお、図9及び図10において、普通図柄表示領域H2の「↓↓」は、普図ゲーム中(普図の変動中)であることを示している。
図9(a)及び図9(b)には、電源投入時、初期化処理が行われ、演出モードとして演出モード2が選択された場合の態様を示している。この場合、可変表示器20には、特別図柄表示領域H1に初期表示図柄である特図[123]が表示され、普通図柄表示領域H2に初期表示図柄である普図[−−]が表示されるため、可変表示器20の表示内容から演出モード2であることを判断できる。
サブCPU28aは、演出モード2の間、特図変動パターン指定コマンドを入力すると、予告パターン振分テーブルY2に基づいて予告決定処理を行う。そして、サブCPU28aは、はずれリーチ演出用の変動パターンP3,P4が指定されると、「予告なし」又は「予告パターンYB」を選択する(図5(b))。そのため、図9(a)に示すように、演出モード2の間、はずれリーチ演出となる特図ゲームでは、大当り予告が行われないか、又は大当り予告YKb(予告キャラクタKbが登場する)が行われることになる。そして、サブCPU28aは、大当り遊技状態が付与されず、100回の特図ゲームが終了すると、演出モード2から演出モード1に切り替える。その結果、101回目の特図ゲームからは演出モード1となり、サブCPU28aは、特図変動パターン指定コマンドを入力すると、予告パターン振分テーブルY1に基づいて予告決定処理を行う。そして、サブCPU28aは、はずれリーチ演出用の変動パターンP3,P4が指定されると、「予告なし」、「予告パターンYA」又は「予告パターンYB」を選択する(図5(a))。従って、101回目の特図ゲームからは、特図ゲームで大当り予告YKa(予告キャラクタKaが登場する)が行われても、大当りにならない場合(はずれリーチ)がある。
一方、サブCPU28aは、演出モード2の間に、大当り演出用の変動パターンP2が指定されると、「予告パターンYA」又は「予告パターンYB」を選択する(図5(b))。サブCPU28aが、予告パターンYAを選択した場合には、図9(b)に示すように、大当り予告YKa(予告キャラクタKaが登場する)が行われ、その特図ゲームにおいて大当りの組み合わせが導出され、大当りが確定する。遊技者は、可変表示器20の表示内容から演出モード2であることを判断しているため、大当り予告YKaが出現した時点で大当りになることを認識できる。そして、サブCPU28aは、大当り遊技状態終了後、演出モードを演出モード2から演出モード1に切り替える。
このように、演出モード2では、特図ゲームが大当り予告YKaを伴って行われると、当該特図ゲームが必ず大当りとなるため、演出モード2が設定されている期間は特別期間として位置付けられる。そして、演出モード2は、電源投入時にRAM27cに記憶されている普図が[−−]である場合に選択され、電源投入毎に毎回選択されるものではない。また、演出モード2は、電源投入時に選択された場合であっても、所定の条件が成立する迄の間(100回の特図ゲームが行われる迄の間又はその間に大当りとなる迄の間)、設定される演出モードである。そのため、動作中のパチンコ機10の演出モードは、その大半の期間が演出モード1に設定されることから、遊技中の遊技者は、はずれリーチ演出となる特図ゲームで大当り予告YKa又は大当り予告YKbが行われる演出モード1の状態の遊技演出を最も良く目にすることになる。従って、遊技者は、演出モード2を特別期間(特別演出)と認識できる一方で、演出モード1を通常期間(通常演出)と認識できる。
図10には、電源投入時、初期化処理が行われず、RAM27cに特図[177]と普図[○○]が記憶されており、演出モード1が選択された場合の態様を示している。この場合、可変表示器20には、特別図柄表示領域H1に特図[177]が表示され、普通図柄表示領域H2に普図[○○]が表示されるため、可変表示器20の表示内容から演出モード1であることを判断できる。
演出モード1の場合、サブCPU28aは、特図変動パターン指定コマンドを入力すると、予告パターン振分テーブルY1に基づいて予告決定処理を行う。そのため、サブCPU28aは、はずれリーチ演出用の変動パターンP3,P4が指定されると、「予告なし」、「予告パターンYA」又は「予告パターンYB」を選択する(図5(a))。従って、演出モード1の場合には、電源投入後、特図ゲームで大当り予告YKa(予告キャラクタKaが登場する)が行われても、大当りにならない場合(はずれリーチ)がある。
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)サブCPU28aは、電源投入時、RAM27cに記憶されている図柄(本実施形態では普図)に応じて演出モードを選択する。そのため、電源投入時に可変表示器20に表示される図柄(普図)と選択された演出モードが関連付けられることになる。従って、電源投入時の可変表示器20の表示内容(普図の種類)からどの演出モードが選択されているのかを容易に知り得ることができる。
(2)また、どの演出モードが選択されたかは、電源投入後、最初の普図ゲームによって普図の変動が開始する迄の間しか確認できないため、遊技店の開店と同時に遊技を行うことに価値(メリット)を与えることができる。また、演出モードは、電源遮断時にRAM27cに記憶保持された普図に応じて選択されるため、RAM27cに記憶保持させる普図を変更するなどの操作によって、電源投入時に選択される演出モードを容易に変更することができ、開店時の演出モードを意図的に設定できる。従って、開店時からの稼働アップに貢献する遊技機を提供することができる。また、従来のように電源投入時、機内部で乱数抽選を行ってモードを選択した場合には、見た目から選択されているモードを判断できない。しかし、本実施形態では、電源投入時に可変表示器20に表示される図柄(普図)の種類に応じて演出モードを選択しているため、図柄を確認することによって選択されている演出モードを正確に判断することができる。
(3)また、特図に比して種類の少ない普図の種類に応じて演出モードを選択するため、遊技店が演出モードを意図的に設定する場合であっても、容易に行うことができる。また、普図の種類が少ないことから、どの演出モードが選択されているのかを正確に、かつ、容易に知り得ることができる。
(4)RAM27cに初期表示図柄(普図)が記憶された場合には、演出モード2が選択されるようにした。そのため、遊技店では、演出モード2を選択したい場合、RAM27cの記憶内容をRAMクリアスイッチ32の操作によって初期化させれば良い。従って、普図ゲームを行わせて演出モード2が選択される普図[−−]を表示させるなどの手間を省くことができ、演出モード2を容易に選択することができる。
(5)遊技者は、遊技中、大当り(又は当り)を期待している。そのため、演出モード2を、演出モード1と遊技演出の演出態様(大当り予告の出現率)が異なるだけであって、大当り判定(又は当り判定)に関与しないようにすることで、演出モード1が選択されているパチンコ機10で遊技を開始した遊技者の興趣が殺がれることを抑制できる。
(6)演出モード2が選択された場合、演出モード2となっている期間を、電源投入時から所定条件(大当り遊技状態が付与されるまで、又は100回の特図ゲームが終了するまで)が成立するまでの間とした。そのため、演出モード2で遊技を行うためには、遊技店の開店と同時に遊技を行う必要があり、開店と同時に遊技を行うことに価値(メリット)を与えることができる。即ち、演出モード2で遊技を行うことに対して価値を与えることができる。従って、開店時からの稼働アップにさらに貢献するパチンコ機10を提供することができる。
(7)サブCPU28aは、演出モード1の場合と演出モード2の場合とで異なるテーブル(予告パターン振分テーブルY1又は予告パターン振分テーブルY2)を参照し、予告決定処理を行うようにした。そして、予告パターン振分テーブルY2では、はずれリーチ演出用の変動パターンP3,P4が指定された場合に予告パターンYAが選択されないように予告パターン振分乱数の値を対応付けた。そのため、サブCPU28aは、演出モード2の場合、はずれリーチ演出用の変動パターンP3,P4が指定されると、「予告なし」又は「予告パターンYB」の何れかを確実に選択することができる。従って、演出モード2の間に、大当り予告YKaを伴う特図ゲームが大当りにならないなど、遊技者に不信感を与えることのない遊技演出を実現することができる。
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において演出モード1と演出モード2の演出態様を異ならせる場合の具体的な内容は変更しても良い。以下、演出態様を異ならせる場合の具体的な内容の例として第1の変更例〜第10の変更例を記載する。第1の変更例は、リーチ演出(特定種の演出)の出現率を異ならせる。リーチ演出の出現率が異なることには、リーチ発生率が異なる場合と、リーチ演出の種類毎の出現率(出現し易いリーチ演出と出現し難いリーチ演出の振分け率)が異なる場合を含んでいる。リーチ発生率を異ならせるには、リーチ判定用乱数又はリーチ判定値を演出モードに応じて変更(リーチ判定用乱数の範囲変更、リーチ判定値の変更、又はリーチ判定用乱数の範囲とリーチ判定値の両方を変更)する。例えば、演出モード1のリーチ発生率を3/60とし、演出モード2のリーチ発生率を20/60にすると、演出モード2ではリーチ演出が頻繁に行われることになり、大当りへの期待感を高めることができると共に、多種多様のリーチ演出を見る機会を増やすことができる。逆に、演出モード1のリーチ発生率を20/60とし、演出モード2のリーチ発生率を3/60にすると、演出モード2でははずれリーチ演出の発生割合が減少し、時間効率のアップに貢献できると共に、リーチ演出が行われると大当りになる可能性が演出モード1のときよりも高くなるため、大当りへの期待感を高めることができる。リーチ演出の種類毎の出現率を異ならせるには、変動パターン振分テーブルTの振分け態様を変更したり、表示制御基板28側がリーチパターン振分テーブルを記憶している場合には前記実施形態と同様にリーチパターンの振分け態様を変更したりすれば良い。例えば、演出モード1はリーチ演出A<リーチ演出B<リーチ演出Cの順に出現率を高くし、演出モード2はリーチ演出C<リーチ演出B<リーチ演出Aの順に出現率を高くする。
・第2の変更例は、予告演出(特定種の演出)の出現率を異ならせる。予告演出の出現率が異なることには、予告発生率が異なる場合と、前記実施形態のように予告演出の種類毎の出現率(出現し易い予告演出と出現し難い予告演出の振分け率)が異なる場合を含んでいる。予告発生率を異ならせるには、予告決定処理にて予告なしを決定する割合を演出モードに応じて変更すれば良い。また、予告演出は、リーチ予告(リーチとなる可能性があることを告げる演出)、大当り予告、又は連続予告(複数回の特図ゲームを跨いで大当り予告を連続させる演出)であっても良い。予告演出の種類毎の出現率を異ならせるには、例えば、演出モード1は予告演出D<予告演出E<予告演出Fの順に出現率を高くし、演出モード2は予告演出F<予告演出E<予告演出Dの順に出現率を高くしても良い。
・第3の変更例は、演出モード2の場合に、演出モード1のときに出現することのない(又は出現率が極めて低い(略0(零)))リーチ演出や予告演出が行われるようにしても良い。この場合、演出モード2では、所謂、プレミアム演出が出現する可能性があり、演出モード2で遊技を行うことに対して価値を高めることができる。
・第4の変更例は、演出モード1と演出モード2で、可変表示器20(特別図柄表示領域H1)に定められ、図柄組み合わせが有効となる図柄組み合わせ有効ラインの本数を異ならせる。前記実施形態の可変表示器20(特別図柄表示領域H1)には、図柄組み合わせ有効ラインが1本定められており、演出モード2のときに、例えば、図柄組み合わせ有効ラインを3本や5本に変更しても良い。また、第5の変更例は、演出モード1と演出モード2で、可変表示器20(特別図柄表示領域H1)における特図の表示形式を異ならせる。特図の表示形式が異なることには、特図の変動方向が異なる場合と、特図の種類(意匠)が異なる場合を含んでいる。特図の変動方向は、例えば、演出モード1の場合に縦方向(縦スクロール)とし、演出モード2の場合に横方向(横スクロール)とする。特図の種類は、例えば、演出モード1の場合に1〜8の8種類の数字図柄とし、演出モード2の場合に8種類のキャラクタ図柄(犬、猫、又は魚などを模した図柄)とする。第6の変更例は、演出モード1と演出モード2で、リーチ演出の演出内容や予告演出の演出内容を変更する。例えば、演出モード1では、コマ送り変動となるリーチ演出と低速変動となるリーチ演出が行われ、演出モード2では、拡大変動となるリーチ演出と高速変動となるリーチ演出が行われるようにする。第4〜第6の変更例では、見た目上、恰も違ったパチンコ機で遊技を行っているように感じることができ、遊技者の飽きを抑制することができる。なお、本実施形態は、特別図柄(特図)と飾り図柄を用いたパチンコ機であっても同様に適用することができる。前記特別図柄は、大当り判定の判定結果に基づき決定され、当該決定結果に準じて可変表示器などの表示器に表示される図柄であると共に、前記飾り図柄は、前記特別図柄の表示結果に応じて大当り又ははずれを認識できる図柄組み合わせを形成する図柄である。
・第7の変更例は、演出モード1と演出モード2で、装飾ランプ16や、その他の発光手段による発光演出の演出内容を異ならせる。例えば、特図ゲーム中に発光するランプの種類や色を異ならせる。また、第8の変更例は、演出モード1と演出モード2で、スピーカ17による音声演出の演出内容を異ならせる。例えば、特図ゲーム中の変動音を異ならせる。第9の変更例は、演出モード1と演出モード2で、大当り遊技状態中の演出内容を異ならせる。大当り遊技状態になると、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出が行われるため、これらの演出の内容を異ならせる。第10の変更例は、演出モード1と演出モード2で、パチンコ機10が待機中(遊技が行われていないとき)に行われるデモンストレーション演出の内容を異ならせる。
・前記実施形態では、大当り遊技状態が付与される場合、又は100回の特図ゲームが行われた場合に、演出モード2から演出モード1に切り替えるようになっているが、演出モードを切り替える条件は変更しても良い。例えば、電源投入時から所定時間(例えば、30分や1時間)が経過した場合、はずれリーチ演出となる特図ゲームが所定回数行われた場合などに変更しても良い。また、50回、80回、200回の特図ゲームが行われた場合に演出モードを切り替えるようにしても良い。
・前記実施形態において、設定されている演出モードを報知する報知装置(報知手段)をさらに設けても良い。例えば、可変表示器20に「演出モード2」などの文字情報を表示したり、演出モードを示すランプを発光させたり、演出モードをスピーカ17から音声出力したりして報知を行っても良い。どの演出モードが選択されているのかを報知装置で報知することにより、可変表示器20の表示内容(普図)を確認する手間を省くことができ、容易に演出モードを知り得ることができる。また、図柄(普図)と演出モードとの関係を正確に把握していなくても、どの演出モードが選択されているのかを正確に知り得ることができる。
・前記実施形態では、RAM27cに記憶されている普図が[−−]の場合に演出モード2が選択されるようになっているが、[○○]、[○−]又は[−○]の場合に演出モード2が選択されるようにしても良い。また、4種類の普図のうち、2種類の普図、例えば、[−−]と[○○]の場合に演出モード2が選択されるようにしても良い。また、2列の普図のうち、何れか1列の普図の種類に応じて演出モードが選択されるようにしても良い。さらに、普図の初期表示図柄は、[−−]に代えて、[○○]、[○−]又は[−○]でも良い。
・前記実施形態では、普図の組み合わせが導出される普図ゲームが行われているが、1列(1つ)の普図が導出される普図ゲームにしても良い。例えば、普図を「○(当り)」と「−(はずれ)」に設定し、普図ゲームによって「○」又は「−」を導出するようにしても良い。この場合、「○」又は「−」の何れかを演出モード2が選択される普図の種類とすれば良い。また、前記実施形態では、普図ゲームが画像表示によって行われているが、ランプ(LED)などの発光装置を用いて普図ゲームを行っても良い。
・前記実施形態では、RAM27cに記憶されている普図に応じて演出モードが選択されるようになっているが、RAM27cに記憶されている特図に応じて演出モードが選択されるようにしても良い。例えば、予め定めた特図の組み合わせの場合、特図の組み合わせがリーチを形成している場合、又は特図の組み合わせのうち停止特図中が奇数(又は偶数)の場合に演出モード2が選択されるようにしても良い。
・前記実施形態では、予告パターン振分テーブルY1と予告パターン振分テーブルY2の2つのテーブルが設けられているが、予告決定処理に用いるテーブルを1つとしても良い。例えば、予告パターン振分テーブルY1のみとし、演出モード2の場合に、変動パターンP4が指定されて予告パターンYAが選択されたときには、予告パターンYBに強制的に変更するようにしても良い。
・前記実施形態では、演出モード1と演出モード2の2種類の演出モードを設けているが、演出モード1とは異なる演出態様で遊技演出を行わせることが可能な演出モード(特別演出モード)を演出モード2に加えてさらに設けても良い。例えば、特別演出モードを2種類、3種類としても良い。この場合、普図の種類毎に演出モードを対応付けても良いし、RAM27cに記憶されている普図が特別演出モードを選択する種類の場合に、複数の特別演出モードの中から抽選によって選択するようにしても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記特別演出モードが選択されていることを報知する報知手段を備えた請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ロ)前記電源投入時に前記モード選択手段が前記特別演出モードを選択した場合に、所定条件の成立を契機に前記演出モードを特別演出モードから通常演出モードに切り替えるモード切替手段を備えた請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ハ)前記通常演出モードと特別演出モードでは、図柄変動演出に伴う特定種の演出の出現率、前記特定種の演出の内容、図柄組み合わせ有効ラインの本数、図柄の表示形式、発光演出の内容、音声演出の内容、特別遊技状態中の演出の内容、及びデモンストレーション演出の内容のうち少なくともいずれか1つの演出態様が異なるように構成された請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
1…演出モード(通常演出モード)、2…演出モード(特別演出モード)、10…パチンコ遊技機(遊技機)、20…可変表示器(表示手段)、27a…メインCPU(図柄決定手段、バックアップ手段、初期化手段、初期図柄記憶手段)、27c…RAM(記憶手段)、28a…サブCPU(表示制御手段、モード選択手段、モード切替手段)。